豚コレラワクチン接種事業に関する意見書

 農林水産省では、豚コレラの防疫について、従来、ワクチンの接種による予防体制をとってきたが、近年の発生状況や発生予防に係る諸成果等を踏まえ、平成12年秋を目途に、ワクチンを使用しない防疫体制の確立を図ろうとしている。
 東京都の養豚業においては、大消費地を抱える産地として、付加価値の高い銘柄豚の生産に取り組んでおり、豚コレラの発生により大きな損害が考えられるため、養豚農家は、ワクチンの接種の中止に強い不安を抱いている。
 これまで豚コレラが発生しなかったのは、ワクチン接種の成果が大きく、中止により再び豚コレラが発生するおそれがあるとし、最善の予防策として、ワクチンの接種を継続してほしいと養豚農家は要望している。
 また先般、92年ぶりに発生した口蹄疫の例もあるように、海外から病原となるウイルスの潜入が考えられ、豚コレラが発生した場合における豚肉価格の高騰が消費者に与える影響についても憂慮されるところである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、豚コレラに関する養豚農家の危ぐを取り除き、安心して養豚経営が継続できるよう、万全の措置を講じるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成12年7月12日
東京都議会議長 渋谷守生
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 農林水産大臣 自治大臣 宛て提出
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