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第4回定例会・代表質問(要旨) 12月11日

渡辺 康信 議員(日本共産党)


 最悪の不況の中、自治体本来の立場に立って都民生活守れ


    不況・リストラ対策
    医療
    学校週5日制
    首都移転案撤回ための全国民的な共同の呼びかけ
    地球環境対策
    都財政
    石原知事の都政運営の基本的姿勢

不況・リストラ対策

 〔1〕知事は小泉首相に、大量失業を生み出す構造改革を見直すよう、強く要請すべき。
 〔2〕自死遺児や交通事故遺児への奨学金支給や生活資金援助、雇用対策では期限を切らない失業対策事業や5年程度の雇用保険延長について、国への働きかけを提案するが、答弁を求める。
 〔3〕都は、雇用保険期限が切れた失業者や、雇用保険の対象とならない自営業者や建設労働者のための生活つなぎ資金や、公立学校の授業料減免の拡充や、私学生のための緊急授業料補助など、手だてを尽くすべきではないか。
 〔4〕整理、解雇の4要件の法制化、大企業の海外移転、リストラ規制などを国に提案せよ。
 〔5〕知事のもとに緊急景気対策本部を設置して、全庁的な取組を進めることが必要だが。
 〔6〕来年度予算では景気対策を最重要施策の1つに据えることを求めるが。
 〔7〕緊急対策として、国の緊急雇用対策の上乗せ実施や中小企業のための別枠融資など、本当に役立つ景気対策を実施することを求めるが。
 〔8〕緊急対策の補正予算を編成せよ。
 〔9〕医療保険制度見直しは、国民の健康破壊を招くばかりか、病気の重症化による医療費の増大をもたらす。きっぱりと中止すべき。

知 事 〔1〕日本が直面する危機的な状況を打開するためには、思い切った構造改革を実現することだ。国へ抜本的な対策を強く要求したい。
 〔6〕来年度予算は、首都圏の再生と都民生活の不安解消のための優先課題に財源を重点的に振り向ける。重要施策の中で、雇用危機の突破や東京産業の育成などを掲げており、対応したい。
 〔8〕国は第2次補正予算の提出を予定している。地方自治体の裏負担の問題もあり、国の補正予算の内容を把握しながら適切に対応したい。
 〔9〕高齢化の進展等によって国民医療費が増大する一方、質の高い医療サービスの提供が求められ、医療保険制度の改革は不可避である。

教育長 〔3〕公立学校の授業料及び入学料の納入が困難な生徒を援助するため、減額免除制度を実施しており、今後とも制度の活用を図る。

知事本部次長 〔2〕奨学金、生活資金援助は、育英資金制度や各種年金手当制度により対応している。失業対策事業や雇用保険支給は、制度の趣旨に照らし困難と考える。

福祉局長 〔3〕失業者の生活安定に関する施策は、国の責任において措置されるべき。国は、新たに生活資金を貸し付ける制度を創設した。

生活文化局長 〔3〕私立高等学校等授業料軽減補助制度を設けている。また、育英資金特別貸付を実施し、修学支援に努めている。

産業労働局長 〔4〕国は、解雇の基準やルールの立法化に向けて検討を開始したところであり、都としては、その動きを見守っていきたい。
 〔5〕「緊急雇用・経済 東京プロジェクト」Ⅰ、Ⅱをはじめ、各種の施策を適宜適切に実施してきたが、今後も適宜、効果的な対策を講じる。
 〔7〕今後、国の緊急地域雇用創出特別交付金を有効に活用し、雇用経済対策に取り組む。


医療

 〔1〕都立病院改革会議の報告書が出されてから、都民の反対と不安の声は高まる一方である。都の人口当たり病院ベッド数は、全国平均より低いこと、多摩地域は、小児医療と未熟児、周産期医療が非常に不足していることについて、どう認識しているか。都立病院への一般会計補助金の多くは地方公営企業法に定める負担金であり、都として当然負担すべき。多摩市長会の要望、多くの都民と自治体の切実な声、要望の広がりをどう受け止めているか。改革会議報告書は都民合意が得られていないから、改めて都民的な検討に付すべき。答弁を求める。
 〔2〕慢性肝炎などへの医療費助成を廃止しようとしている。不適切な医療のために肝炎となり、治療を続けている方々を切り捨てるのか。
慢性肝炎、肝硬変などの医療費助成の打切りは、知事の判断に患者の命がかかっている。患者の願いに耳を傾けた予算編成を求めるが。

知 事 〔1〕都立病院改革会議の報告は、公立病院改革の新しい形を示してくれた。マスタープランを策定して、早期に改革に着手したい。

衛生局長 〔1〕都は、診療所数は多く、また、大学病院のような高度先進医療機関も数多く集積している。医療施設が機能連携を進め、効率的な体制を構築することが重要である。多摩地域周産期医療連携強化事業や、小児科医が常時診療を行う休日・全夜間診療事業を実施するなど、医療機能の充実に努めている。病院事業は地方公営企業法で、その経営に伴う収入で充てることが適当でない救急医療などの経費や、不採算性が高い高度医療などにかかる経費について、一般会計が負担している。都立病院が都民の厚い信頼を得ていることを認識した。今後、地元自治体や地域の医療機関との役割分担を踏まえ、密接な医療連携を通じて安心出来る医療体制を確保していくことが重要だ。
 〔2〕特殊疾病対策協議会の報告によれば、慢性肝炎などは、難病医療費助成の対象疾病としてはなじまないとされている。この提言を受け、新たに予防から早期発見、早期治療までの一貫した体制へ、再構築する必要がある。現行の慢性肝炎等に係る医療費助成は、施策の再構築を行う中で、より効果的な制度への転換が図れるよう必要な予算要求をしている。


学校週5日制

 〔1〕対応状況についての実態を把握すること、区市町村の活動を支援する仕組みなどを具体化することが求められている。また、国に、子どもゆめ基金の補助の拡充を求める必要があるが。
 〔2〕心のケアのための態勢が重要である。また、第7次定数改善を前倒し実施するなどの対策も欠かせないが、答弁を求める。

教育長 〔1〕区市町村事業の調査を実施しており、様々な取組が行われている。また、子どもゆめ基金の有効活用を関係団体に周知している。
 〔2〕スクールカウンセラーを国庫補助事業として、順次、全中学校に配置する。また、教職員定数は、平成17年度までの5か年で計画的な改善に努めていく。


首都移転案撤回ための全国民的な共同の呼びかけ

 首都移転はむだ遣いであり、わが党も一貫して反対を貫いてきた。全国民的な共同への呼びかけが、局面打開のかぎとなるのではないか。

知 事 来年の5月の移転先候補地の絞り込みを控え、首都移転反対の広範な世論を巻き起こすことが重要である。都民、国民に首都移転の不当性を訴え、白紙撤回を目指していく。


地球環境対策

 〔1〕都市開発は、ヒートアイランド現象や都市型水害などを増加させ、地球温暖化対策の視点からも厳しく問い直す必要があるのではないか。
 〔2〕都が、二酸化炭素削減のための年次計画と、分野別の削減目標と計画を持って取り組むことは、最小限の義務と思わないか。
 〔3〕開発の抑制とともに、都心部での都市公園拡充や市街地の緑の保全、多摩地域の森林再生などは、温暖化を防ぐ上で欠かせないと思うが。

知 事 〔1〕東京の魅力と活力を高め、国際的な競争力を向上させることは、首都圏全体の課題である。環状メガロポリス構造を実現したい。
 〔2〕温室効果ガスの排出抑制は、本来、国が取り組むべき課題である。都は既に地球温暖化対策への取組を事業者に求める制度を条例化した。

環境局長 〔3〕緑には、二酸化炭素の吸収、固定により地球温暖化防止などの機能がある。都市公園の整備、緑の保全などを総合的に進める。


都財政

 来年度予算編成に当たり、事業費の7割強が建設局、都市計画局、港湾局などの公共事業関連の局によって占められ、一方、福祉や教育などの都民施策は一律10%削減が要求された。
 〔1〕都市再生などの名目で進める開発が、都財政に多大な困難をもたらし、更には都民のための施策にしわ寄せが行くことを認めるべき。
 〔2〕高齢者や障害者のための福祉や30人学級などの教育条件の整備、中小企業対策などにこそ予算を重点的に配分すべきではないか。

知 事 〔1〕都市再生のための開発事業は都民のための施策の根幹をなし、今後とも限りのある財産を投資効果の高い事業に重点的に配分する。
 〔2〕予算編成に当たり、雇用危機の克服や福祉、医療の推進、東京の教育の立て直しなど、都民生活の不安を解消する施策の推進に取り組む。


石原知事の都政運営の基本的姿勢

 〔1〕知事は、社会事業大学跡地への大規模留置場建設計画に反対する住民の声を地域エゴだと決めつけた。既成事実は白紙に戻し、住民の声に耳を傾けることからはじめるべきではないか。都は、渋谷区及び地元住民との事前協議に誠意を持って対応するという約束を取り交わしていた。留置場は代用監獄として使われていて、決して不足していない。また、東京拘置所の建て替えで、収容人数が増える。意見を伺う。
 〔2〕知事は、女性が長生きすることはむだで罪などといい、女性を蔑視する発言を繰り返した。都政への信頼は根底から失われる。発言はきっぱりと撤回すべきことを強く求めるが。

知 事 〔1〕近年、凶悪な犯罪が増加する一方で、検挙率は低下し、留置場の不足が深刻な問題になっている。対応策を示すのは当然の責任だ。白紙撤回することは毛頭考えていない。東京の治安状況の著しい悪化などを踏まえ、原宿警察署の建て替えに当たり、一体的に相当の規模留置場を整備したい。東京拘置所の建て替えが終了しても、留置場不足が予測される。
 〔2〕私の発言のごく一部を引用しているだけで、極めて恣意的な手法で、危険な発言の構造だと思う。私は女性を敬愛しており、発言を撤回するすべもないし、する必要もないと思う。

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