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第3回定例会・代表質問(要旨) 9月26日

吉田 信夫 議員(日本共産党)


 都民の暮らしと福祉を守る施策を柱とせよ


    同時多発テロ事件
    雇用対策
    都政運営の基本姿勢
    シルバーパス
    介護保険
    保育所計画
    都立病院の統廃合
    ゆきとどいた教育
    三宅島支援
    石原知事の政治姿勢

同時多発テロ事件

 〔1〕テロ犯罪の容疑者、犯罪行為を組織、支援した者を逮捕し、裁判にかけ、法に照らして厳正に処罰するという法に基づく裁きこそが、この問題の根本解決の道と考えるが、所見を伺う。
 〔2〕対米軍事支援先にありきで突き進む小泉内閣の対応は、テロ根絶に有効でないばかりか、日本の進路を決定的に誤らせるものと考えるが。

知 事 〔1〕この事件にどう対処するかは、第一義的には、アメリカ当事者が国家の尊厳において考えることだと思う。
 〔2〕小泉内閣は、日本の内閣にしては非常に対処が早く、これを是とする。おおむね正しい選択を行ったと受け止めている。


雇用対策

 〔1〕都は「緊急雇用・経済 東京プロジェクト」を実施し、政府は失業保険給付の延長などを内容とした補正予算を提案すると報道されている。しかし、失業者をつくる政策とワンセットでは、失業問題は解決しない。大量失業を促進する政策そのものを改めるべきと考えるが。
 〔2〕大企業の身勝手なリストラを規制するための条例や企業との協定など、解雇規制のルールづくりを提案するが、所見を伺う。
 〔3〕消防署員、とりわけビルの査察を行うための予防要員の増員などは、すぐにも実施すべき。
 〔4〕雇用保険期間が過ぎたり、長期に職を失っている人などのために、生活つなぎ資金の創設こそ、時宜にかなったものと考えるが、どうか。
 〔5〕予備費の活用や補正予算を組むなどして、都民の願いに応えることが都の責務ではないか。

知 事 〔1〕現在、何より必要なことは、東京を核とする首都圏を再生させ、それをわが国の経済危機の克服の起爆剤とすることである。
 〔5〕現在、政府は雇用対策を柱とする補正予算の編成を検討しており、今後、国の補正予算の内容を見きわめながら、都の対応を判断する。

産業労働局長 〔2〕現行の雇用対策法で、企業が事前に公共職業安定所に届け出ることが義務付けられており、また、整理解雇については判例も確立されている。これらの法や判例の内容が遵守されるよう、今後とも啓発に努める。
 〔4〕国の責任において措置されるべきで、国は生活資金貸付制度を創設することとしている。

消防総監 〔3〕外部の有識者から成る小規模雑居ビル火災安全対策検討委員会の結果を踏まえ、必要な対策について検討していく。


都政運営の基本姿勢

 〔1〕都民が必要としているのは、大型開発計画中心ではなく、介護基盤や都営住宅、生活道路などの生活に密着した公共事業である。税金の使い方を切り替えることで、借金依存型の都財政運営からの脱却も可能となるのではないか。
 〔2〕自治体が行うべき重要施策は、都民の暮らしと福祉を守る施策を柱とすべき。見解を伺う。

知 事 〔1〕厳しい財政状況を踏まえつつ、今後とも、限りのある財源を投資効果の高い事業に重点的に配分し、その着実な整備を進めていきたいと思うし、国にもそれを強く迫りたい。
 〔2〕福祉というのは身近な生活の問題だけではなくて、都民全体、国民全体を視野に入れた都市再生、環境問題、産業振興、治安、災害対策も含めた、総合的な概念としてとらえるべきだ。重要施策も、総合的に検討していきたい。


シルバーパス

 〔1〕シルバーパス、マル福などの福祉切捨ては直ちにやめて、もとに戻すことを要求するが。
 〔2〕シルバーパスの磁気カードは、機械を通すことを強制しないよう徹底すべきである。

知 事 〔1〕福祉施策の見直しは昨年度実施し、既に都民の皆様から理解を得ている。もとに戻す考えは全くない。議論そのものが陳腐である。

福祉局長 〔2〕利用者はこれまでどおりシルバーパスを提示して使用することもでき、都は既にその趣旨を現場に徹底するよう指導している。


介護保険

 〔1〕国に対し、保険料全額徴収を再検討し、負担軽減を図るよう求めることを要求するが。
 〔2〕利用料減免制度について、いつまでに具体案を示し、実施するのか、答弁を求める。

福祉局長 〔1〕既に低所得者への配慮として、所得に応じた保険料の設定方式などが講じられており、独自の取組や国への要望は考えていない。
 〔2〕現在、都の支援策を平成14年1月から実施する方針で準備を進めている。


保育所計画

 〔1〕認証保育所は、乳幼児が1日の大半の時間を毎日過ごす環境として、望ましいものか。
 〔2〕認可保育所の新増設で、いつまでに何人の待機児を解消するのか、具体的な目標と計画を明らかにし、取組を強めるよう求めるが。

知 事 〔1〕広い窓、十分な採光、屋上の遊び場、IDカードを利用したセキュリティーシステムなど、優れた保育の環境を実現している。

福祉局長 〔2〕待機児童が発生する原因は、認可保育所の不足ではなく、年齢や保育時間等の保育内容のミスマッチと地域による需給の不均衡に基づくものである。したがって、保育の実施主体である区市町村が、実情に即した対策を講じるとともに、認可保育所自身が、ゼロ歳児保育、長時間保育などのサービス充実に積極的に取り組む必要があると考えている。


都立病院の統廃合

 〔1〕都立病院改革会議は、都立病院を大幅に縮小、削減する方向を提言した。これに対して、地元自治体や住民から一斉に怒りの声が上がっているが、どう受け止めているか。
 〔2〕小児病院の統合、廃止案は道理がなく、やめるべきである。見解を伺う。
 〔3〕都としての方針は、改めて関係自治体と住民、患者、医療関係者の参加で、時間をかけて検討することが必要であると考えるがいかがか。

知 事 〔1〕「東京発医療計画」は、都民に対する総体としての医療サービスを充実し、強化しようとするものであり、都民全体の医療ニーズを視野に入れた改革である。都と地元自治体、地域医療機関等がそれぞれの役割を担い、密接な医療連携の中で、都民が安心出来る医療提供体制を確保していくつもりである。

衛生局長 〔2〕小児総合医療センターの設置は、都全体の小児医療の充実を図る観点から提言された。都民に対する総体としての医療サービスの向上を図る上で、貴重な提言である。
 〔3〕東京から全国へ発信する公立病院改革の新しい形を示したものとして、大方の評価を得ている。今後、この報告内容を尊重し、年内を目途にマスタープランを策定して、早期に実現を図っていかなければならない。


ゆきとどいた教育

 〔1〕障害児学校の学級数や教員数は国基準を大きく下回り、スクールバスや教室不足も深刻である。私も直接見て、改めて事態の深刻さに気付かされた。知事に現場を見てほしいがどうか。
 〔2〕障害児学校の改善こそ、重要施策に位置付けるべきと考えるが、見解を伺う。

知 事 〔1〕学校の実情を知ることは大切だと思っており、折を見て現場視察をしたい。
 〔2〕今後、都政全体を視野に置いて重要施策を協議することになるが、その中で検討する。


三宅島支援

 〔1〕改めて生活調査を行い、実際に役立つ支援を行うことが必要である。各種ローンの返済猶予と利息の棚上げなどを関係機関に働きかけることも緊急を要する。答弁を求める。
 〔2〕帰島に備えた対策として、専門家を派遣して住宅被害調査を行い、住宅復興のための制度的な検討をはじめることを提案するが。

総務局長 〔1〕今後、三宅村が実施する避難生活の実態調査を踏まえ、必要な措置を検討する。
 〔2〕災害援護資金の貸付けや、住宅金融公庫による災害復興住宅融資利用への利子補助を行うこととしている。また、村が公営住宅を円滑に供給出来るよう支援体制を整えている。


石原知事の政治姿勢

 〔1〕知事は、都議会で戦争当時への歴史認識を問われた際、植民地支配の事実は認め、遺憾でもあるとは述べたが、肝心の侵略戦争の事実や、アジアの人々のいやしがたい犠牲には触れなかった。日本の首都の代表として、侵略戦争の事実を認め、反省の立場を明らかにすることを求めるが、どうか。侵略戦争を賛美する教科書を各学校で使わせるべく運動している、つくる会の賛同者に名を連ねることは、教育行政を含め、都政に責任を負う知事の立場と相入れないものではないか。見解を求める。
 〔2〕都知事として、終戦記念日に靖国神社に参拝することは、今後やめるべき。答弁を求める。

知 事 〔1〕私は日本のやった戦争をすべて是ともしないし、すべて非ともしない。歴史の一部分として非常に重層的なものであった。いかなる教科書をいかなる人が編さんするのも結構で、私は気の合った価値観を共にする仲間であったから、協力した。教科書採択は、それぞれの教育委員会の権限と責任で行われるものであり何ら問題はない。
 〔2〕靖国神社の参拝は、殊更それを外交問題に仕立てる問題ではないと思う。これはあくまでも日本の文化にかかわる内面的な問題である。議場でやめろとかいうことは僭越である。

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