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第2回定例会・代表質問・一般質問(要旨)

石川 芳昭(公明党)


   転学容易な通信制高校をスギ花粉対策を進めよ


    都の予算編成作業見直し
    首都再生
    都財政
    東京の活性化策
    福祉・親亡き後対策
    子育て支援
    介護保険減免制度
    教育問題
    学校現場における健全な環境づくり
    高齢者住宅対策
    文化・芸術の振興策
    羽田空港の国際化
    三宅島の火山災害対策
    スギ花粉症発生抑制対策
    多摩の林業振興

 わが党は、与党の一翼を担う立場から、構造改革や国民の目線に立った様々な政策展開を行っていくことを表明し、質問に入る。


都の予算編成作業見直し

 都は、予算編成作業に先立ち、政策会議で重要な施策を選定する仕組みを設け、首都再生などにつながる新規事業や政策の実現を目指すこととしている。しかしながら、財源にも限度があり、重要施策の実現に向けた知事の強い意気込みを感じるが、考え方を伺う。

知 事 首都圏の再生や都民生活の不安解消といった視点から、重要施策について複合的に活発に議論し、その上で施策の優先順位を付け、限られた予算と人員を効果的に手当てしていくことが必要である。まず、予算編成の前に幹部の間で複合的にラインをまたいで、重要施策の選定をしていく仕組みを構えた。


首都再生

 わが党が発表した、「人が栄える街へ 東京改革10か年プラン」を、都はどの様に受け止めているのか。また、率先して首都再生のアイデアを国に提案していくべきと考える。知事の所見を伺う。

知 事 首都東京を真摯に再生しようとする1つの考え方として参考にする。今後、総理大臣を本部長とする都市再生本部が、この東京都の建言を入れ、プロジェクトを強力に推進し、首都圏を早急に再生するように期待をしている。


都財政

 都は財政再建を着実に進めているものの、隠れ借金が存在するなど、都財政はまだまだ盤石なものになったわけではない。更に、最近の景気動向は足踏み状態から弱含みに転じており、景気減速への警戒感が強まっている。最近のこうした動向を踏まえ、都財政を取り巻く状況認識と財政構造改革に取り組む基本的考え方について伺う。

知 事 現況のまま財政再建の歩みを止めると、毎年2,000億から3,000億円の赤字が発生し、財政構造は悪化の一途をたどることになる。この都債の償還額の推移というものは非常に重要で、来年度には今年の倍、更に倍近く、15年度には8,000億という数字が推定される。こういうものを勘案しながら、東京の財政の健全化、そのための構造改革を推進し、財源の不足を早急に解決するとともに、施策のスクラップ・アンド・ビルドも徹底していきたい。


東京の活性化策

 〔1〕東京には、高度な技術力を持つ中小企業が数多く集積して多様な物づくりが展開されているが、近年、物づくり機能が失われつつあり、東京の物づくりの地位の低下が危惧される状況となっている。更に、後継者不足や技術者の高齢化等も憂慮されている。この際、物づくりの実態について、数字のみにとどまらず仕組みやネットワークを含め、調査すべきと考えるが。所見を伺う。
 〔2〕依然厳しい雇用情勢が続いているが、仕事を求める人と、人材を求める企業とが適切にかみ合わないミスマッチが生じ、これによる失業が全体の3分の2を占めているという指摘もある。都はこれまで、平成13年度に約3万社を対象に求人開拓を行い、あわせて企業の求める人材ニーズの把握に努める方針を明らかにした。早急にこの施策の実施を行うべき。実施時期と調査の概要について伺う。
 〔3〕区市町村の振興プラン策定を推進するために、都の強力な支援が必要と考える。都は、今年度、振興プランを策定する区市町村に対して、計画策定に要する経費を補助する商店街活性化総合支援事業を積極的に推進していくべきと考えるが。区市町村の現在の取組状況についても伺う。

産業労働局長 〔1〕生産の分散化や製造現場における高齢化が進むとともに、企業間の協業や連携が崩れるなど、その機能が低下しつつあると認識している。まず東京の物づくりを再生するために、こうした実態やニーズに即した施策が必要であると考えており、東京の物づくりの実態を調査していく。
 〔2〕本事業は、現実に動いている雇用情勢を素早く把握して提供することにねらいがあり、雇用吸収力の高い情報通信分野などの産業を中心とした企業、約3万社を対象に求人開拓を行うもの。収集した情報については、インターネット上のホームページ「TOKYOはたらくネット」に逐次掲載し、都民に広く求人情報を提供していく。なお、この調査は、7月から実施する予定。
 〔3〕区市町村自らが取り組む商店街振興プランの策定を支援する「商店街活性化総合支援事業」を今年度から実施し、希望するすべての区市町村の計画づくりを2か年に分けて支援していく予定である。区市町村の取組状況は、現時点で、新たにプランを策定するところが15区7市、既存の計画を見直すところが4区1市となっている。


福祉・親亡き後対策

 都が発表した福祉改革推進プランでは、親亡き後の施策に対し、財源を集中的に投入し、障害者のための入所施設や通所施設、生活寮などを3か年で200か所整備していくこととしている。
 〔1〕知的障害者の重度生活寮の設置・運営主体は、社会福祉法人や公益法人等となっているが、NPOや民間活力の導入により設置促進を図るべきと考えるが、所見を伺う。
 〔2〕生活寮などを利用して、地域の中で生活したい知的障害者を支援していく必要があると考えるが。
 〔3〕島しょ地区で障害者施設を整備しようとする場合には、その厳しい地理的、物理的条件により様々な困難が伴う。島しょ地域の町村が独自の福祉施策を展開する場合、都として積極的に支援すべきだが、所見を伺う。

福祉局長 〔1〕都は、一般生活寮の運営主体として、本年1月からNPO法人も対象とした。重度生活寮についても、代替要員の確保などバックアップ体制の整備を前提として、NPO法人の参入を積極的に検討していく。
 〔2〕知的障害者が地域において社会生活を行う力を身に付けられるよう、自立に向けた生活援助プログラムの策定をはじめ、利用者の指導訓練などを行う体験型生活寮をモデル実施する。今後とも、知的障害者が安心して地域の生活寮で暮らしていけるよう、支援を図っていく。
 〔3〕島の特性に応じたそれぞれの町村の独自性ある取組を、福祉改革の観点に立ち、包括補助などを通じ、積極的に支援する。


子育て支援

 〔1〕都が全国に先駆けて制度化した認証保育所と、これまでの認可保育所との相違点及び効果について伺う。
 〔2〕今年度予定されている10か所の認証保育所について、相当数の申請が予想されるが、事業者や区市町村の熱意に応えるべきだ。都の積極的な取組を伺う。
 〔3〕保育サービスについて、家庭にいる主婦からもサービスを利用したいとの声が強まっている。こうしたニーズに対して、どう応えていくのか。

福祉局長 〔1〕認可保育所と比較して、駅前での設置、全施設でのゼロ歳児保育の実施、13時間以上の開所、保育所と利用者との直接契約制などを主な特徴としている。認証保育所制度の推進により、利用者本位の質の高いサービスを効率的に提供し、都の保育サービス全体のレベルアップを図ることができる。
 〔2〕福祉改革推進プランでは、平成16年度までに都市型駅前保育所を50か所設置することとしている。都民の切実な保育ニーズに答えるため、具体的な申請の状況も見ながら、事業者や区市町村の熱意を生かせるよう、努力していく。
 〔3〕保護者の疾病、育児疲れなどに対応する一時保育、ショートステイ、トワイライトステイなどの在宅サービスについても、拡充を図っている。今後とも、利用者サービスの向上に努める。


介護保険減免制度

 この制度が活用されるよう、都として精力的な努力を進めるよう強く要請する。

福祉局長 都が目指す福祉改革は、地域の中で必要なサービスを利用者が自ら選択できる、真の意味での利用者本位の福祉を実現すること。そのためには、これまでほとんど競争のなかった福祉においても、民間企業をはじめとする多様な事業者が、相互の競い合いを通じ、よりよいサービスの提供を目指していくことが必要である。福祉改革の推進に向け、国への働きかけも含め、一層の規制緩和に努めていく。


教育問題

 〔1〕通信制高校においても、物づくりや農業教育について学べる多様な学習システムをつくってはどうかと考えるが、所見を伺う。
 〔2〕通信制高校がセーフティーネットとしての役割を十分に果たすためには、転入生の受入れを容易にすることが重要と考える。転学が容易にできる通信制高校をつくれないものか。もしできるならば、いつごろを目途に実施できるのか。

教育長 〔1〕生徒が専門高校等、他の学校の授業を受けられるようにすることは、工業や農業などの科目を学習する機会を確保するとともに、教員や生徒との触れ合いや交流を図ることができるなど、教育的効果が期待できるものと考える。こうした観点から、学校間の連携など、通信制高校における多様な学習機会の確保が図れるよう努めていく。
 〔2〕平成17年度実施を目途に、時期や単位数の扱いを弾力化し、希望に応じ、転学することが可能となるような、新しいタイプの通信制高校について検討を進めているところだ。


学校現場における健全な環境づくり

 〔1〕都教育委員会は、学校医、学校歯科医、学校薬剤師及び関係者の協力を得て、学校保健委員会等の一層の推進を図るべきと考えるが。
 〔2〕近年、シックスクールの指摘など、新たな課題が提起されている。学校薬剤師等の協力を得ながら、これらの新たな課題に対する基準を定め、環境衛生の充実を更に図っていくべき。所見を伺う。
 〔3〕最近の有害化学物質の問題など、新たな学校環境問題の解決のために、学校薬剤師会の役割は一層大きくなるものと考えられる。教育長の認識と見解は。

教育長 〔1〕学校医等の一層の協力を得て、学校保健委員会等の活動の充実を図るとともに、児童生徒の日常的な健康状態を的確に把握し、地域や家庭と緊密に連携協力した健康づくりを更に推進していく。
 〔2〕現在、文部科学省で、教室等の空気環境中の化学物質濃度の基準化を含めた見直しを行っている。都教育委員会としても、その動向を踏まえ適切に対応していく。
 〔3〕新たな環境衛生問題を解決するためには、学校薬剤師に対する研修や情報提供などを実施している学校薬剤師会の果たす役割は大きいものと考えている。今後とも、学校薬剤師会をはじめ関係団体と一層の連携協力を図りながら、学校の環境衛生の充実に努めていく。


高齢者住宅対策

 〔1〕本年4月6日、高齢者の居住の安定確保に関する法律が公布された。この法律の施行に当たっては、区市町村も含め、庁内一丸となり、高齢者が安心して居住できるよう早急な取組が必要と考えるが、所見を伺う。
 〔2〕今後、都は高齢者の居住支援をどの様に行っていくのか。

住宅局長 〔1〕これまで以上に関係機関との連携が重要と考えており、今月中に連絡協議会を発足させ、具体的な取組を早急に進めていく。
 〔2〕これまでも、あんしん住宅制度により、家賃保証や緊急通報支援等の居住支援を行ってきた。新たに創設される債務保証などの仕組みについては、この制度に組み込むことを考えている。更に、高齢者の身元保証の具体的な内容や仕組みの整備についても、あわせて検討していく。これらの新たな居住支援の方策が早期に実現できるよう、関係機関による連絡協議会において精力的に取り組んでいく。


文化・芸術の振興策

 文化・芸術の中心である東京には、芸術家やアーティストを目指し大勢の若者が集まってくるが、発表の場が非常に少ないことが悩みになっている。都内、首都圏に居住する数多くの文化・芸術を志す人々の支援策として、発表の場、あるいはパフォーマンスの場を提供する事業を実施すべきであると提案する。所見は。

知 事 近々、教育庁が持っている建物を整理し直し、少し規模の大きなファインアートのための施設というものを提供していきたい。せっかく東京にたくさんの可能性があるわけだから、提言のように、東京から育てていくという試みを積極的にしていきたい。


羽田空港の国際化

 〔1〕羽田空港の再拡張について、昨年秋にC滑走路と平行する東京都の案が示された。国は、羽田空港の再拡張案を、B滑走路と平行する国の案をベースに検討を進めると聞いている。このことについてどの様に考えているのか。
 〔2〕本年2月から羽田空港の深夜、早朝の時間帯を使って国際チャーター便が飛んでいる。しかし、現在週2便の運航で、余りにも少なく、都民の要望に十分応えているものとはいえない。今後、国際旅客チャーター便の拡充を進めていくべきと考えるが、都はどの様に取り組んでいくのか。
 〔3〕羽田空港の国際化は、国際定期便就航を1日も早く実現させることである。国際便就航に対する知事の決意を改めて伺う。

知 事 〔3〕私は、東京湾の実情から、東京の案しかないと思っている。国会における審議、専門家を集めた審議会が検討し、3年先に間に合うように、速やかに羽田に新しい滑走路を敷設することが、国家の責任だ。日本の工法・技術を持ったらできることであり、実現にこぎつけるまで国を突き上げていきたい。1つまた色々お力を貸していただきたい。
都市計画局長 〔1〕このままでは首都圏の空港容量が、国際線で4年後、国内線で7年後に限界に達することが明らかで、羽田空港の再拡張を早期に実現することが何よりも重要だ。しかし、国の案は、東京港の港湾機能に対して大きな支障を及ぼすだけでなく、多摩川や新海面処分場にも影響を与えるものと考えている。都としては、この実現に向けて、引き続き国に強く働きかけていく。
 〔2〕国が実施している税関や出入国審査、検疫の体制の理由から、週2便に限定されている。引き続き、これらの体制について提案要求など、あらゆる機会をとらえて国に求めていく。また、羽田空港は、他の国内空港の運用時間との関係から、朝6時から8時半までの到着枠並びに夜8時半から11時までの出発枠が十分活用されていない。これらの枠を活用したチャーター便の拡充も、引き続き国に強く求めていく。


三宅島の火山災害対策

 三宅島の火山活動がはじまり、約1年が経過した。先月、三宅村が発表した生活実態アンケート調査によると、3割の世帯が生活が苦しい、特に自営業者では5割の世帯が苦しいと回答している。また、4割の世帯が仕事を探しており、多くの人が今後の生活に不安を抱いていることが明らかになった。
 〔1〕三宅島避難者がこれらの不安を解消できるよう、都は早急に新たな支援策を実施すべき。所見を伺う。
 〔2〕被災者生活再建支援法が適用され、昨年末より最高100万円の支給が開始された。しかし、前年の収入によっては適用されない人や、購入できる品目に制限があるなど、せっかくの制度にも不十分な点がある。こうした問題点についての対応は。
 〔3〕三宅島では、噴出した大量の火山灰による泥流が家屋や道路を損壊する被害が生じている。全壊家屋は既に30戸を超えている。この被災した住宅の再建は帰島後の第1の課題であり、住宅再建に対する支援が重要である。今後の取組方針を伺う。

総務局長 〔1〕今回、三宅村が実施したアンケートについて、更に具体的な支援ニーズの調査、分析を進めているところだ。都としては、今後とも、村や国等の関係機関と連携し、必要な支援を行っていく。
 〔3〕三宅島への帰島が可能になった場合、都は、住宅に被害を受けた世帯に対し、災害援助資金の貸付けや、住宅金融公庫による災害復興住宅融資の利用への利子補給等により、再建を支援する。自力再建が困難な世帯に対しては、村が公営住宅を円滑に供給できるよう支援体制を整えている。今後とも、可能な限りの支援を行っていく。福祉局長 〔2〕生活再建支援金の支給は、昨年12月1日から実施し、国制度の支給対象とならない世帯で、避難により収入を失った方々についても、都として独自の支援金を支給することとした。これまでに、支給を希望する対象世帯はすべて支援金を受給しており、今後とも、本制度の適切な運用を、村や国と協議をしながら対応していく。


スギ花粉症発生抑制対策

 都林業試験場において花粉の抑制効果の研究成果を発表している。その研究成果の概要についての報告と、実用化と有効活用に向けた早急な対策を講ずるべき。更に、実用化に向け、スギ花粉の発生を量的に抑制するために、既存の人工林全体を対象にした対策も必要と思われる。今後都は、森林・林業施策面から、中長期的なスギ花粉対策を進めるべきと考えるが、所見を伺う。

産業労働局長 今回、林業試験場が行った研究は、杉の苗木に農作物の発芽を抑えるマレイン酸を注入する方法で、花粉の発生量が大幅に抑制できるとの成果が得られた。今後は、実際に植林されている杉を対象に、薬品の注入量や材質への影響などの各種試験を行い、実用化に向け、精力的に検討を進めていく。また、スギ花粉の中長期的対策は、花粉の少ない品種の普及を図るとともに、広葉樹林への転換を行うなど、関係団体との連携を図りながら、花粉の発生量の抑制に努めていく。


多摩の林業振興

 現在、通常国会に上程されている林業基本法の一部を改正する法律案は、森林に対する国民の需要が多様化する中、今後の林政の指針として、新たに森林の多面的な機能の発揮に向けた森林整備の推進を掲げるとともに、林業の健全な発展を基本理念として、林業基本法を改正し、森林・林業基本法とするものとされている。新しい基本法の成立を前提として、この法の目的に沿った多摩の林業の振興策への新たな具体的展開を期すべきと考える。所見を伺う。

産業労働局長 都は、間伐の促進や林道整備をはじめ、木材の安定供給に向けた流通体制の整備、広範な木材利用の促進など、多摩地域の実情に合った林業振興施策を実施してきた。今後、この法案の審議状況を注視していくとともに、森林の多面的機能をより生かした多摩地域の新しい森林、林業のあり方を検討していく。

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