予算特別委員会　総括質疑（要旨）　3月14日

　東京の危機を克服するための基本的な考え方として、都市の新生、独立、安全の3点を基本理念に据え、都という既定の枠組みに捕われず、積極的に政策主導型の都市の再生を進めることが重要であるが、所見を。

知　事　首都というのは東京だけではない。神奈川、埼玉、千葉各県と、そこにある3つの政令指定都市が構成して機能しているという強い認識を共通して持つようになった。それを踏まえ、他の自治体とも協力しながら首都圏発の新しい行政フォーマットを実現していきたい。

　〔1〕地方税財政制度の抜本的な改革に向けて、どの様に取り組んでいくのか。
　〔2〕都財政が厳しいという認識の下、現状の達成度に満足せず、引き続き財政構造改革を推進し、財政再建を達成する強い決意を。

知　事　〔1〕東京都税制調査会などの意見を勘案しながら、日本全体の地方自治体を代表する意気込みで国に向かって要求していきたい。
　〔2〕財政再建はまだ構造的な赤字体質を転換するまでには至っていない。今後も決して手を休めることなく取り組む。

　行政的な広域連携を重ねた上で、道州制に移行するなど、段階的な方策を考えてみては。

総務局長　首都圏メガロポリスの広域的な連合体をつくり、都と近隣県との合併を行うなど実質的なものに近づけていくことが早道だ。

　〔1〕区部東部地域に予定されている東部療育センターの開設時期など、今後の建設計画は。
　〔2〕具体的な機能や規模は。
　〔3〕緊急入所ベットはどのくらい確保するのか。

衛生局長　〔1〕平成13年度基本設計、14年度実施設計、15年度着手、17年度開設予定。
　〔2〕入所施設と緊急入所、通所、外来診療等の機能を備えた総合施設として整備する。
　〔3〕入院病床として整備する120床の中で、12床程度を確保する予定。

　〔1〕環境対策における税の役割や重要性についてどの様に認識しているのか。
　〔2〕環境税を創設した場合、発生源対策だけでなく、緑の拡大など環境創造事業に活用すべき。

知　事　〔1〕環境重視を経済の仕組みに内在化させるための税制の役割は重要で、重点的に大都会に回すべき。全国に波及する大事な提言であり、研究させていただく。
環境局長　〔2〕緑の拡大など引き続き環境の視点を重視した施設の展開を図っていく。

　〔1〕市場流通の変化を今の築地ではなぜ解決できないのか。移転が望ましいと判断した理由は。
　〔2〕21世紀の中核を担う市場とは。

中央卸売市場長　〔1〕消費の多様化、少量化に対応する施設や、効率的な荷さばきスペースが必要。築地は敷地が狭く、将来の流通環境の変化に対応できないため抜本的な整備が必要。
　〔2〕流通システムの効率化を図り、情報化や物流の効率化を進め、低温一貫流通など新たなニーズや災害に対応できる施設がある市場。

　長時間営業を行うコンビニやチェーン加盟の飲食店などを調査し、多様化する消費者ニーズを把握し、今後の中小企業振興に反映させるべきだ。

労働経済局長　中小企業や商店街振興に活用し、コンビニなどの多様な企業活動を把握する。

　〔1〕これまでの福祉をどう認識しているのか。また、都が目指す福祉改革の意義とは。
　〔2〕一連の施策の見直しと福祉改革との関係は。

知　事　〔1〕行政のコントロールが強く利用者のサービス選択や事業者の競争が無かった。こういう状況を都民ニーズに柔軟・的確に対応できる開かれた福祉にすることが福祉改革だ。
　〔2〕限りある資源を最大限に効果的に活用することで、福祉改革に取り組んでいきたい。

　〔1〕資材や人員の輸送に不可欠な道路等の機能確保を図れ。被害の拡大防止に向けた山腹や沢筋等の砂防、治山工事等の泥流対策は。
　〔2〕三宅島の事態が一層深刻化する状況で既往債務についての都の負担軽減措置等の対策は。

建設局長　〔1〕　一周都道の堆積土砂の除去により、最低1車線の確保を図る。
労働経済局長　〔1〕直接被害を及ぼしている沢から優先して、土砂や流木を止めるダムを設置。
　〔2〕軽減実施に向け金融機関と協議しているが、国への要望とともに、都の災害復旧資金融資の延長も検討している。

　〔1〕多摩地域中小企業振興センターの設置の方策や運営方法について工夫することが必要だ。
　〔2〕環状メガロポリス構想を実現する中で多摩地区の位置付けは。

知　事　〔2〕発展の可能性を秘めた地域であり、地域の持つ潜在的な能力を高める必要がある。
労働経済局長　〔1〕民間活力の導入、民間施設との連携や活用など様々な工夫を凝らし努力する。