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第3回定例会・一般質問(要旨)

吉住 弘(自 民 党)


   大江戸線開通による振興図れ
   山谷対策に積極的に取り組め


    大江戸線開通に伴う地域振興
    山谷対策の今後のあり方
    映像文化の振興

大江戸線開通に伴う地域振興

 〔1〕大江戸線は、昭和四七年に「都市計画審議会」から「東京圏高速鉄道整備計画」として答申された路線の中の一路線であり、以来三〇年近くを経て、このたび十二月十二日に全線開通するはこびとなった。沿線の住民にとっては、待ちに待った全線開通であり、深い感慨を覚えるとともに、この間の関係者のご努力に対し、高く敬意を表すものである。大江戸線は、新宿副都心を起点として東京を一巡する、地下鉄でははじめての環状部と、練馬、光が丘方面へ延びる放射部からなる、極めてユニークな路線であり、都内を走る他の鉄道ときめ細かく連絡し、交通不便地域の解消に役立つとともに、沿線地域の活性化に大いに貢献するものと期待されている。とりわけ、長引く不況に苦しむ沿線地域の商店街は、大江戸線開通に伴う経済効果、集客力のアップに大いに期待を寄せているものであり、開通を機に記念イベントや特別セールを計画している商店街も多くあると聞いている。こうした大江戸線開通記念イベントに対し、都は地元区や商店街と連携したPR等、積極的な支援を行うべきと考えるが、所見を伺う。
 〔2〕大江戸線開業を契機に沿線地域において地元商店街の活性化など、新しい駅を核としたまちづくりを進めていくことが必要であると考える。開業時のイベントだけでなく、駅を地域の活性化の拠点の一つとして位置付け、積極的にコンコースなどを地域に開放し、地元イベントの参加・協力を進めていくべきだと考えるが、所見を伺う。

労働経済局長 〔1〕大江戸線の開通は地元商店街や地域経済の活性化に大いに貢献できると考えている。また、各種記念イベントなどは、意義深いものと認識している。都としては開通を契機に商店街に対し、地元区と連携して「元気を出せ商店街事業」などを活用して支援していく。

交通局長 〔2〕駅を乗り降りの場とするだけでなく、沿線地域の活性化の拠点としていくことは、大江戸線の乗客誘致に非常に有意義である。したがって、地元の要望に応じてコンコース等駅施設の活用を図るとともに、地元と連携したイベントの開催等にも積極的に取り組んでいきたい。


山谷対策の今後のあり方

 〔1〕本年四月に山谷対策検討委員会でまとめた報告書「山谷対策の今後のあり方」に関連して、山谷地区について尋ねる。簡易宿泊所が密集する山谷地域の労働者は、いざなぎ景気、オイルショックなど、景気の好・不況の影響をまともに受け、雇用の調節弁の役割を担わされてきた。そして、現在の山谷は、深刻な就職難とともに、日雇い労働者の高齢化が進行している。当分回復する見込みのない不況、そして建設現場の機械化など山谷の労働者を取り巻く状況は厳しいものがある。このたび、「山谷対策の今後のあり方」を改めて検討したことは、意義深いことと評価する。その報告書の中では、山谷の高齢化の進行に随所で触れており、保険・福祉施策のより一層の充実を地元区に求めているが、山谷労働者の老後の真の安定を考えるならば、国や都による実効ある財政支援が不可欠であると思うが、どのように考えるか。
 〔2〕山谷地区は簡易宿泊所と一般住宅が混在しながら一つのまちをを形成しているのが特徴である。つまり、労働者の福祉の向上のみならず、そこに住む地域住民や地域の環境にも十分に意を注いで施策を行うことが必要だ。しかしながら、報告書を拝見すると、「本来の山谷対策としての問題は、高年齢化し、失業が常態となった単身、男性の日雇い労働者の問題」に絞られつつあるような記述がある。山谷対策が充実するには、労働者の問題だけでなく、まちづくりや環境改善などを含めた課題の取組が重要だと思うが、どのように考えるか。

福祉局長 〔1〕都は従来から生活相談や就労、医療等、総合的な対策を実施してきたが、近年は高齢化が進んでいることから、養護老人ホームの建設助成などに取り組んでいる。また、地元区に対しては、環境整備等への財政支援を行う一方、国に対しては、簡易宿所密集地域対策の確立や財政支援を要望してきたところである。今後も地元区と適切な役割分担のもと、連携しながら山谷対策の充実に取り組む。
 〔2〕山谷地域では、人口の減少や高齢者とともに、簡易宿所や小売店等の減少が進んでいる。こうした実態を踏まえ、引き続き日雇労働者の自立と安定した生活の支援に努めるとともに、そこに住む誰もが住みやすいまちにしていくことが大切な課題と認識している。今後も、地元区と連携してその対策に取り組んでいきたい。


映像文化の振興

 世界的な都市間競争が激化する中、いかに東京の活力と魅力を高め、東京のイメージアップを図っていくかが重要な課題だ。都市のイメージアップという点で、映画と言う映像文化が持つ影響力は誠に大きなものがある。カメラのレンズがとらえた映像の記憶は、かくも鮮明に我々の脳裏に残るものであり、都市や街に対して抱くイメージの大半は、こうした都市を舞台とした映画を通じて形成されている部分が大きい。東京にも浅草や上野公園をはじめ、外国人にとっても魅力的な界隈が数多くある。そこを舞台とした映画が次々と制作されることは、東京の魅力を海外にまで広めていく上で極めて重要であると考える。しかし、現状では日本の都市におけるロケ撮影等の手続きは非常に煩雑であり、映画のロケ地として最も魅力ある東京もその例外ではない。新聞等によれば、最近大阪や神戸等で撮影に関する手続き等の簡素化を図り、積極的にロケ地として売り込んでいく働きがあるようだ。ついては、都が率先して窓口の一本化など、撮影に関する手続きの簡素化と、映像文化の振興を図っていくべきと考えるが、所見を伺う。

知 事 かつては、小津さんの「東京物語」など、東京を舞台としたすばらしい名作が世界に紹介され、東京のイメージづくりに貢献してきた。映画という大きなスクリーンでの映像のイメージというのは長く残り、東京のセールスに対して非常に良いと思う。従来も映像関係者等から、日本では、撮影に関する手続き等が複雑多岐に渡っているとの指摘があり、東京がロケ地となり、世界に東京の魅力が紹介されていくためには、その改善が必要である。警察と協力して積極的に考えていきたい。

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