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第3回定例会・一般質問(要旨)

野田 和男(自民党)


   避難場所の周知の促進を
   鉛製給水管はステンレス化を


    防災対策
    高齢者福祉問題
    水道問題

防災対策

 〔1〕近隣の避難者が一時的に集合する一時集合場所などの所在は、地域住民や、付近を通勤通学する方々にも十分に周知しなければならない。周知方法を伺う。
 〔2〕広告つき消火栓標識のように、避難場所を示す標識に広告を付けることを認めるのも、有効な方策と考える。区市町村から、要望があった場合、どう対応するのか。

都市計画局長 〔1〕住民の避難は、まず一時集合場所に避難し、その後、災害の状況に応じて、集団で避難場所に避難するという態勢となっている。住民への周知は、区市町村が誘導標識の設置、防災マップや防災読本の配布、防災訓練の実施などを通じて行っている。都は、避難場所及びその周辺において、避難道路沿いに避難標識を設置し、普及啓発に努めている。
 〔2〕広告つき標識の設置は、既に認められている標識以外は、許可の対象となっていない。区市町村から要望があった場合には、設置の可能性について検討する必要があると考えており、関係機関と十分協議しながら対応していきたい。


高齢者福祉問題

 〔1〕重度の痴呆性高齢者にどのような対策を講じていくのか、基本認識も含めて伺う。
 〔2〕高齢者福祉・医療の複合施設では、どのような施策を実施し、何を目指しているのか。施設整備の進捗状況、開設の見通しを伺う。

高齢者施策推進室長 〔1〕グループホームなどの施設整備、専門的人材の養成などを総合的に実施していく。特に、重度の痴呆性高齢者の場合には、福祉と医療の連携した取組が必要であり、そのモデルとなる高齢者福祉・医療の複合施設を建設している。
 〔2〕この施設は、病院、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設が、地域の医療機関、施設などと連携して、重度の痴呆性高齢者を受け入れ、一貫した専門的医療やケアを行っていくもの。身体合併症に対する医療や救急医療なども行う。
 病院は、工事に着手をしており、平成一四年度当初には開設する予定である。特別養護老人ホームと介護老人保健施設については、それぞれ平成一四年度・一五年度に開設する予定である。


水道問題

 〔1〕東京の水道は、東京の発展に伴う水需要の増大に対応し、水源の確保や施設の整備拡充に努めてきたが、これからの新しい世紀に向けた水道の基本とは何なのか。
 〔2〕WHOは、鉛の摂取量が一定量を超えた場合には、人体への様
々な影響があるとしている。現在、鉛製水道管を新規に使用することはできないが、かつては各家庭に引き込む給水管はすべて鉛製であったという。鉛製給水管は、どのような経過で使用されてきたのか。どの程度使用されているのか。 
 〔3〕水道水の安全性は、厚生省が定める水質基準がよりどころであるが、定期的な検査でクリアしているのか。また、水質基準を強化する動きは、どのような状況か。
 〔4〕公道部分のステンレス化を早急に進めていくべきである。事業費の財源確保を含めた具体的な取組方針を伺う。
 〔5〕厚生省は、水道水のpHが低いほど鉛が溶け出すことから、pHの低い水道は、その改善に努めること、また、鉛の溶け出しが問題になるのは、長時間滞留した場合の使いはじめの水であるから、その水を飲料水以外に用いることが望ましく、その旨の広報活動を行うこととしている。これらについて、どう対応しているのか。
 〔6〕宅地内給水管を取り替える費用は、都民が負担しなければならないが、その額は一件幾らで、また、全体で幾らぐらいになるのか。
 〔7〕鉛問題への取組は、都民への的確な情報提供や、都民負担軽減のための財政支援策など、幅広い視点で検討すべきである。
 〔8〕質の高い給水サービスを提供していくためには、より効率性を重視した経営が求められる。今後の水道経営の基本的な考えを伺う。
 〔9〕一層の経営効率の向上を目指していくには、水道事業の民営化も重要な課題である。所見を伺う。

知 事 〔1〕安全でおいしい水を安定的に、できる限り安い料金で供給することが基本である。二十一世紀の東京が目指すべき将来像などを踏まえて、水道の水準を一層向上していかなくてはならない。
 〔9〕国の規制や水に関する権限が各省庁に分散しており、税の制度も含めて、解決すべき問題がたくさんある。今後とも、経営効率の向上に努めるとともに、民営化も視野に入れた将来のあるべき経営形態について、総合的な視点に立って幅広く検討していきたい。

水道局長 〔2〕鉛製給水管は、近代水道が創設された時代から全国的に使用されてきた。都では、漏水防止対策として、昭和五五年から道路部分のステンレス化を進めてきた。平成十一年度末のステンレス化率は八八%である。宅地内は、昭和三〇年頃から、硬質塩化ビニール管の普及などに伴い、使用範囲を順次縮小し、平成七年から新規の使用を全面的に禁止した。
 使用件数は、宅地内の大部分で使用されているものが約二〇万件あり、一部の使用も含めると約一五〇万件と推定されている。
 〔3〕定期的な検査では、水質基準にすべて適合している。水道水中の鉛濃度の一層の低減化推進のため、おおむね一〇年を目標として、基準値の改定が示されている。
 〔4〕公道部分の早急なステンレス化は、向こう三年間の工事期間と四〇〇億円を超える事業費が必要である。水質基準の改正動向を踏まえ、施工方法の工夫、事業の優先順位の見直しなどにより、早期解消に向けて最大限努力していく。
 〔5〕都の水道水のpHは低くないが、鉛溶出の改善に向け、pHに関する調査検討を行っていく。
 鉛に関する広報活動については、水道ニュースや、水道水読本などにより、きめ細かなPRに努める。
 〔6〕宅地内の給水管がすべて鉛製であった場合の工事費は、一件当たり約一五万円。一部でも使用されているものを含めた取替費用総額は、五〇〇億円以上と推定。
 〔7〕鉛の溶出抑制に関する調査などを引き続き実施するとともに、宅地内を含めた鉛製給水管の使用状況をデータベース化していく。これらを最大限活用し、的確かつ迅速な情報提供に努めていく。
 〔8〕財政支援策の創設には、全国的な取組が必要なことから、日本水道協会等と連携し、国に対して強力な働きかけを行っていく。
 〔9〕新しい経営手法を積極的に導入していくとともに、徹底した企業努力を行うなど一層の効率経営を確保し、質の高い給水サービスの提供に最大限努力していく。

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