自民党 中西一善
私は、東京都議会自由民主党を代表して、今定例会に提案された全議案について、賛成の立場から討論を行います。
先月末、都は、都財政の決算分析と財政構造改革を進めるに当たっての課題を明らかにしました。それによれば、都財政は引き続き、極めて厳しい状況にあるとの報告です。
わが党は、このような状況にあっても、第二回定例会で提案された公共事業等は、都民生活を向上させ、経済の活性化を図る上で、必要なものであるという立場から、賛成の意見を申し上げます。
現在、東京は、防災、教育、環境、高齢者、交通対策等、大都市固有の多くの課題を抱えております。
中でも首都高速道路をはじめとする、区部環状方向の道路網の整備は、都内の慢性的な渋滞を解決する上で欠かせない緊急な事業であり、また、東京の経済活性化と都市生活の利便性の向上、さらには環境対策としても大きな効果が期待されるものであります。
道路を造ることにより、車が増えるだけだと驚くべき主張をする方もおりますが、車専用の幹線道路を造ることは、生活道路に車が入ることの抑制、つまり、罪のない子ども・お年寄りが被害にあう交通事故防止、渋滞の解消、つまり大問題になっている都市の環境改善など、プラスの効果が非常に大きいわけであります。
二十一世紀の都市づくりを考えるときに、三環状道路や千葉、神奈川とを結ぶ湾岸軸など、首都圏を視野においた広域道路ネットワークの形成は重要事業となります。
例えば、大田区城南島から中央防波堤内側を通り、江東区若洲を結ぶ計画の東京港臨海道路が完成すれば、東京港や羽田空港との交通は一層円滑化することはもとより、臨海副都心の交通混雑緩和にも大きく寄与するものと考えます。
これらのことをかんがみ、「平成十二年東京港臨海道路城南島側埋立トンネル建設工事請負契約」について原案に賛同するものであります。
また、「汐留地区区街三号線地下構造物築造工事請負契約」の再開発事業については、都心部の再生にとって不可欠であり、かつ重要な事業であります。
この区画整理事業も環状二号線などの広域交通基盤と合わせ、都心部の魅力と活性を高め、二十一世紀の首都圏の発展に大いに役立つこととなります。
次に、「東京都道路公社が行う八王子中央有料道路事業の変更に対する同意について」でありますが、多摩地区においても、八王子中央有料道路は、周辺の慢性的な道路渋滞を早期に緩和するとともに、多摩自立都市圏の育成、そして環境改善に大いに寄与する重要な道路です。
このような観点から、原案に賛成するものであります。
しかしながら、現在、都は、首都機能の活性化を図るための必要性は十分認識しつつも、多くの事業を削減し、これらの公共事業も、年々減少しております。
このため、わが党はあらゆる機会をとらえ、一日も早い本格的な経済の回復を目指し、様々な施策を実施してまいります。
わが党は、ばらまき公共事業ではない、費用対効果の大きい意味ある都市基盤整備を主張するものであります。
わが党は、東京を中心とした都市政策の充実を党本部や政府に強く提言し、わが党自らも、閉塞感の漂う都市政策を打破し、都民に分かりやすい形で明確に示しつつ、都民の理解と信託にこたえていく決意です。 終わりに、現在、三宅島の火山活動及び神津島の近海地震により、多くの島民の方々が不安な日々を送られ、生活に、事業に大変難渋されております。わが党は、その支援のため、緊急融資などについて知事に申し入れ、都もこれに応えて利子補給などを実施することとなりました。
わが党は、これからも、島で生活する皆様が少しでも安心して生活できるよう全力を挙げる決意を表明し、討論を終わります。