日本共産党 小松恭子
日本共産党東京都議会議員団を代表して、第二二五号議案汐留地区区街三号線地下構造物築造工事請負契約ほか三議案に反対する立場から討論を行います。
ゼネコン奉仕型の公共事業の転換は、都政において避けて通れない問題となっています。 今定例会に提案された汐留地区の地下構造物の建設や首都高速道路の都負担の変更などは、浪費型の公共事業を継続するもので、見直し、再検討が必要です。
汐留地区の工事では、なぜ三三八億円もかけて幅四〇メートルもの歩行者道路が必要なのか、当局からは納得いく説明はありませんでした。
また、首都高速道路公団の計画変更では、関連経費が経常経費に計上されることから、都財政の圧迫だけでなく、福祉や暮らしの予算に犠牲を押しつけることは明らかです。一体今の都財政のどこに余裕があるのでしょうか。
また、排気ガスなど周辺地域の環境破壊を加速する点でも、計画の凍結・見直しは当然です。
これらの議案質疑を通じて明らかになったことは、知事は、従来型の大型公共事業は無批判に温存し、重点化というやり方で拡大しているということです。
都財政の立て直しと公共事業の見直しを進める上での課題に臨海副都心開発の見直しがあります。
わが党が、臨海開発の破たんの事実を示して、転換を求めたのに対して、知事は、「すでに私の就任前に船が出ている」と言われました。しかし、都財政投入にもかかわらず、企業の進出は進まず、四割の土地が未利用であることを直視しなければなりません。今議会に提案されている沈埋トンネル工事も、一部のゼネコンが受注を独占してきたことを指摘しておきます。
五社で債務超過が一〇〇〇億円を超えた臨海関連の第三セクターの見直しについても、精算を含めた解決に踏み出すべきです。
また、有明貯木場の埋立についても、環境保全の流れに逆行するものであり、直ちに、埋立ての許可申請を取り下げるべきです。
いまや大型公共事業の見直しは、財政再建などの点でも、中心的問題です。都政においても同様です。
吉野川河口堰など、環境破壊の公共事業の見直しが世論の大きな流れになろうとしています。また、自治体の財政に深刻な影響を与えていることも重大です。
この際、ゼネコン奉仕型の公共事業にメスを入れ、第三セクターなどの無駄を無くすことで、財政立て直しに踏み出すとともに、くらし、福祉の都民要求を実現することは十分可能であります。
わが党は、不況やリストラから都民のくらしや福祉をどう守るかという問題が、都政の最重要課題であるという立場から、具体的提案を行いました。
とりわけ、介護保険について、知事は利用者負担の軽減やケアマネージャーの確保など、サービスの基盤整備に積極的役割を果たすことが必要です。
わが党が、景気回復のために消費税の引き上げを反対するよう求めたのに対して、知事がその姿勢を示さなかったことは、都民の切実な願いに背をむけるものです。
雇用や中小企業対策、介護などの施策に重点を移すことが都民の願いにこたえる道であります。
さて、第二〇七号議案・東京都情報公開条例の一部を改正する条例で、情報公開の実施機関に公安委員会と警視総監が加わりました。
今期、全国初の都議会独自の情報公開条例が実現し、更に今、警察情報が公開実施機関に加えられるということは、開かれた政治への前進で、心から歓迎します。
しかし、警察情報の公開が実効あるものとなるために、開示義務除外の情報を、犯罪捜査などに支障を及ぼすものに限定し、警察活動に支障を及ぼさない財政支出などは、原則開示とするなど、明確な基準による運用が必要です。
都民の期待にこたえる地方自治体の積極的な条例運用を求めます。
最後に三宅島、神津島の噴火と地震は長期化の様相を見せており、災害の復旧、島民の生活と健康などへの支援に、都が全力をつくすことを要望して討論を終わります。