第2回定例会・一般質問(要旨)

かち佳代子(日本共産党)

両性で子育てできる労働環境
介護支援専門員の質の向上を


少子化対策

 1.ILO一五六号条約は男性も女性も、職場での責任と家族としての責任を両立できる労働条件を保障することを義務付けている。都としてこの条約の完全実施を国に要望するとともに、都内の企業に条約の意義の啓発や具体的措置を講ずるべきだが、所見を伺う。
 2.正規社員との均等待遇を保障する内容にパート労働法を改正することを国に働きかけ、全ての企業やパート労働者に待遇改善を図るべきと考えるがどうか。
 3.女性事業者や女性家族従事者、いわゆる業者婦人の労働を賃金として認める法改正や自営業者への育児休業手当の拡大を国へ働きかけるべきだが、所見を。
 4.待機児童の解消は、これまでの受け入れ枠の弾力化などでは解決しないことは明らかである。区市町村が認可保育園の増設に踏み出すための財政的支援が欠かせない。待機児の状況やどのような保育要求を持っているのかなどを早急に調査すべきだが見解を伺う。
 5.都が区市町村に提案しているパート保育士の算定時刻の変更は、人員の削減につながり、運営に打撃を与え、ひいては保育サービスの質を低下させかねない。むしろ事業を充実させる方向で再検討すべきと考えるが、所見を伺う。
 6.各地の保育園では地域子育て支援事業が取り組まれているが、幼稚園での子育て支援事業を普及するための区市町村への財政支援や情報提供を求めるが見解を伺う。
 7.私立幼稚園への都の支援など、積極的な役割を果たすことについて見解を伺う。
 8.男性も女性も、家事も子育てもできる労働環境の整備をはじめ、行政としてできるあらゆる手だてを尽くすことも、知事の責務であると思うが、見解を伺う。

知事 8.少子化の急速な進展は、まさに国家、民族の問題である。子育てを社会全体で支える意識の醸成を図るなど、子育ての環境づくりを総合的に推進し、何か都民全体で、この少子化の問題を、東京という、ある意味で特定の条件の中で考えていくような、そういう議論の場も是非講じてみたい。

労働経済局長 1.国と連携して、都内企業に対し、働く人の育児を地域ぐるみで支援するファミリー・サポート・センターなどの事業を推進し、支援していく。
 2.東京労働局と連携してパートタイム労働に関して適正な雇用管理が行われるよう、努めていく。
 3.女性事業者や女性の家族従事者などについて、自営、家族従業などの調査をはじめ、その実態の把握に努めている。賃金や育児休業制度は、雇用関係を前提としており現行制度上、家族従事者等にはなじまないものと考えている。

福祉局長 4.待機児童の解消に向け、地域の保育ニーズに対応した施設の整備や定員の弾力化、補助金の執行方法の工夫による受け入れの拡大を図ってきた。今後も、区市町村の待機児童解消に向けた取組を支援していく。
 5.子育て家庭の多様な保育ニーズに、より一層こたえ、保育所の開所時間を十一時間とし、その時間帯を自由に設定できるようにした。今回の提案は、従来の補助内容と整合を図るための措置である。

教育長 6.国の指定を受けた区において、預かり保育推進事業や子育て支援活動推進事業を実施してきたほか、地域に開かれた幼稚園づくりの一環として、子育て講座の実施、未就園児への施設開放など、区市や幼稚園独自の子育て支援への取組を行っている。都は区市町村への情報提供に努めていく。

総務局長 7.教育時間終了後の預かり保育事業や蓄積している幼児教育に関するノウハウを、地域に広く提供する地域教育事業に対する補助制度を設けるなど、私立幼稚園の取組を支援してきた。今年度からは、預かり保育事業を拡充し、早朝の預かり保育や夕方の時間延長等に対する補助を実施する。


介護保険制度

 1.資格を持っている人が一人でも多く実際に仕事につくことができるよう、有資格者をデータベースに登録し、希望者が仕事につくための支援をする仕組みづくりを検討してはどうか、所見を伺う。
 2.都の介護保険室が発行する「介護保険ニュース」を郵送したり、仕事につく上での希望や疑問等についてアンケートをとるなど、有資格者全員に継続的に働きかけることも大事であるが見解を伺う。
 3.様々な利用者に幅広い対応が求められるケアマネージャーの質の向上を図るため、実際に直面した事例の検討会を行うなど、現場で生かせるための方策を求めるが、所見を伺う。
 4.新たな福祉人材養成機関を、実践的で高い専門性を備えたケアマネジャーを養成するために活用できるよう提案するが見解を伺う。
 5.ケアマネージャーなど制度を担う人材の量、質の確保が重要な課題だ。福祉の専門職にふさわしい待遇改善を国に要請し、都として全力で取り組むことを求める。

福祉局長 1.東京都福祉人材センターで、介護保険事業者を含む事業者からの求人情報の収集と、仕事を希望する方の求職情報の登録により就業の援助を行っていく。
 2.調査結果から推計すると、介護支援専門員としての実務についている方が約四〇%、予定がある方が一二%であり、それ以外の方のほぼ全員が医療機関等その他の業務に従事している。
 3.居宅サービス計画等に関する事例研究を二日間予定し、これにより、介護支援専門員に求められる知識、技能のより一層の修得が図られるものと考える。
 4.高度な専門性と実践力を備えた福祉人材を養成することが重要である。社会的要請に的確に対応できるよう努めていく。
 5.新たな課題に対応し得る質の高い人材の養成確保は重要な課題である。国に対し制度の改善や財政措置を図るよう提案する。


自動車公害

 1.松原橋付近を大気汚染の地域に指定し、計画を策定して、現に苦しんでいる住民の苦しみを改善し、可能な手だてを採ることが求められているが所見を。
 2.都は、大気汚染対策にとって交通量の削減を進める交通需要の管理が重要である交通需要マネジメント、TDMを推進することを打ち出しているが、この地域でTDMをモデル実施し、ディーゼル車の乗り入れを規制する交通対策を行うべきだ。所見を伺う。
 3.局地対策として考えられる光触媒や土壌装置をはじめとする浄化装置などは、すぐにも実行できるものである。所見を伺う。

知事 1.できれば東京全体を指定したいくらいだ。大気汚染地域に指定せずに、光触媒や土壌浄化装置の設置などにより個別に対応すべきと考える。現在取り組んでいるディーゼル車対策やTDM施策を総合的に実施し、大気汚染の改善を図っていく。

環境局長 2.松原橋周辺の地域交通量の抑制を目指し、この地域の特性に合った効果的なTDM施策の実施について、地元区など関係者とともに検討していく。
 3.都、国及び地元区で構成する局地汚染改善対策連絡会で、環状七号線で環境緑地帯の整備を進める予定である。光触媒や土壌浄化装置の設置等は、板橋区の大和町交差点で行う実用規模での土壌浄化の実験の結果等を見ながら、効果がある場合には連絡会に設置を提案していく。


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