〔1〕障害者医療費助成の有料化と所得制限強化が九月から実施された。その後、わずか三か月で、耐えがたい影響が障害者と家族に及んでいる。経済的負担が増え、精神的にも常に圧迫される状況が起きている。医療費の負担軽減は公的助成だけが頼りだ。入院費や長期に継続するリハビリテーションの費用負担が重いことや、緊急一時入所まで有料になり、利用できなくなったなど、切実な訴えがある。
ア:知事、これらは小さい影響であろうか。
イ:直ちに影響実態調査が必要だが。
ウ:都は、国の老人保健法改悪に連動させて、都の障害者医療費助成に一層の負担増を持ち込もうとしている。老人保健法改悪に伴う障害者、家族への新たな負担増はやめるべきだ。
エ:障害者医療費助成は、障害者、児童の命綱である。一日も早く無料に戻し、所得制限も元に戻すべきだ。
オ:重度障害者手当についても、所得制限なしの制度に戻し、削減はやめることを強く求める。
〔2〕東部療育センターの早期建設は、東部地域だけでなく、東京全体の緊急、切実な要求となっている。重度心身障害児施設の入所待機者は、ここ一〇年で倍増し、一,〇〇〇人に迫ろうとしている。
ア:来年度、基本設計の予算を付け、建設に踏み出すべきである。
イ:緊急一時入所のベッド不足は深刻であり、大幅な拡充が必要だ。
〔3〕成東児童保健院は、病院併設の児童養護施設、虚弱児施設である。入所しているのは、家庭に恵まれず、その上、ぜんそくや重度のアトピー、また、膠原病などの難病や重い慢性疾患の子がほとんどである。医療と福祉の連携という点でも先駆的な児童施設だ。廃止されたら、長期入院となり、学校へ行けなくなる子が出ることも心配される。成東児童保健院の廃止計画は根本から再検討すべきだ。
知 事 〔1〕ア:障害者医療費助成制度は、社会経済状況の大きな変化や国の施策の充実などを踏まえ、負担の公平、介護保険制度との整合性の確保などから見直しを行った。障害者福祉は、都の重要課題であり、見直しと同時に、新たな時代にふさわしい施策として積極的に展開していきたい。
福祉局長 〔1〕イ:助成制度の見直しは、過去の様々な調査統計等を踏まえ、十分に検討した上で実施をした。
ウ:自己負担の額は、高齢者と同様に無理なく負担が可能という観点から、老人保健法の水準によることとした。低所得者については、入院時の食事代のみの負担とした。したがって、老人保健法の一部負担額が改正された場合には、障害者医療費助成制度における自己負担も連動して変更される。
エ:助成制度の見直しは、区市町村や関係団体、都民の声等を十分に考慮し、都議会での審議で決定した。元の制度に戻すことは考えていない。オ重度心身障害者手当の所得基準は、負担の公平性の確保の観点から新たに導入した。見直しに当たり、激変緩和を図るため、三年間の経過措置を設定した。元の制度に戻すことは考えていない。
衛生局長 〔2〕ア:来年度は、日影、緑化計画など周辺環境との調和や防災計画のあり方等、施設建設に当たっての諸条件を総合的に整理していきたい。
イ:病院機能を有する重症心身障害児施設の整備などに併せて、緊急入所病床を確保してきた。今後とも、病床の確保に努めていく。
〔3〕成東児童保健院廃止後、ほとんどの児童は、地域の医療機関等と連携している他の児童養護施設等に受け入れる予定である。また、長期に入院が必要となる児童も、病院内での訪問教育などを利用することにより、現在と同じような生活ができるものと考えている。結核など転地療養を目的として入所する児童の減少や、医療ケアの必要な児童も児童養護施設等で対応できることなどから、総合的に判断して廃止することとした。計画を再検討する予定はない。
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