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第4回定例会・一般質問(要旨)

丸茂 勇夫(日本共産党)


   青年の雇用対策を図れ
   中小企業を支援すべき


    青年問題
    中小企業対策

青年問題

 〔1〕東京都を含む南関東では、一五歳から二十四歳の失業率は、九〇年代の一〇年間で四%台から一〇%台へと急増し、全世代平均の二倍にもなっている。失業が増大する中でフリーターが急増し、全国的に、この一〇年間で二倍の一五一万人にも達し、その多くは事業所が多い東京に集中している。実に、一五歳から二十四歳までの雇用者の五人に一人はアルバイトやパートなのだ。こうした青年の現状を、若者の甘えなどと、青年の個々人の責任にする議論もある。しかし、問題の根本には、九〇年代に政府や財界が進めた異常ともいえるリストラ政策があり、民間、公務員を問わず、採用が大幅に抑制されたことがある。青年の失業や雇用をめぐる今日の深刻な実態をどのように見ているのか。切実な青年の声や、願いにどう応えるのか、所見を伺う。
 〔2〕企業に学生採用枠の拡大を働きかけるとともに、秩序ある採用活動ができるよう、就職ルールを確立すべき。
 〔3〕教職員の新規採用を計画的に増やし、若い先生の比率を高めることを求める。
 〔4〕フリーターなどへの支援は、社会問題として都政全体で取り組む新たな対応が求められているが、どのような姿勢で臨むのか。

知 事 〔1〕職業相談や技能習得など、総合的な支援策の充実に努めていく。
 〔4〕力を十分に発揮出来ない状況は本人や社会にとって大きな損失である。都としてはこうした若者が希望する職業に就き、充実した生活が送れるよう、総合的な施策の展開を図っていく。

教育長 〔3〕定数改善、勧奨退職制度の活用で新規採用職員の拡大に努める。

労働経済局長 〔2〕国に採用枠の拡大の要請を行った。今後も東京労働局等と連携し、企業の適正な採用に努めていく。


中小企業対策

 〔1〕東京の中小企業は、都内各地に密着して産業を集積し、全事業所の九九%を占め、就業者数では約七割と、雇用の面でも重要な役割を果たしている。ところが、東京は、工場数でも従業者数でも、二〇年前と比べてそれぞれ三〇%を超える減少で、主要四大都市圏である神奈川、愛知、大阪と比べ、一番大きく落ち込んでいる。そこで、工業振興プランを策定して、三大地場産業をそのプランに位置付け、支援の仕組みを作るべきと考えるが。
 〔2〕城南、城東のものづくりは、今、都の独自事業である工業集積活性化支援事業の適用を受け、新製品開発など意欲を持って頑張っている。しかし、最初に指定を受けた大田区、品川区、墨田区、足立区は今年度が最終年で、事業が打ち切られようとしている。二十一世紀にものづくりを橋渡しする事業として、適用を継続し、拡充することを求めるが。
 〔3〕国には、地場産業の支援策の一つに、市町村や異業種等の任意グループでも、また都道府県等が主宰する事業であれば補助を受けられる地場産業創出・育成支援事業がある。この事業は、調査費、地域グループ活動事業費、試作品等開発費などに国が二分の一補助するもので、都としての活用が急がれている。見解を伺う。
 〔4〕国は、基盤技術振興法を制定し、基幹的産業である製造業の発展を支えるため、ものづくり基盤技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとしている。昨年三月、法成立以来、一年と八か月を過ぎようとしている。私が十一年の七月議会で、法に基づく都の対応について伺った際に、知事は、国との整合性を図りながら対応を検討したいと答弁したが、一向に具体策が見えてこない。私がこの事業を活用すべきと考えているものが、ものづくりの技術継承と人材育成だ。熟練技能者の確保、技能の継承問題では、加工、組立て、精度の高い技能の習得に一五年以上を要するものもあり、現状が改善されない限り、五年後には何らかの障害が生じるとの指摘もされている。この問題をどう打開するかについて、都として中長期的な展望を持った緊急の打開策を打ち出すことが重要だと考えるが、これまでにどのような施策を検討したのか。
 〔5〕IT化に追いつけない中小企業の経営者に対して、IT塾の実施や、パソコン導入に対する補助を行うべきと考えるが。
 〔6〕中小企業は常に技術革新を図りながら、より精密で軽量、小型化、安定化を目指してものづくりに力を尽くしている。こうした可能性を秘めた中小企業は、ものづくりを飛躍的に高める要として、機械設備のレベルアップをし、仕事量も増やしたい、そうすれば売り上げも伸びると考えている。私は、こうした要求に応える施策や設備投資に、事業が一定の軌道に乗るまで、無利子もしくは低利の据置き期間の長い特別融資を検討すべきと考えるが。

労働経済局長 〔1〕東京の地場産業は、都民生活の快適さと利便性、文化の向上や雇用の場の確保に大きく寄与し、地域経済活力の源泉となっており、東京の産業の再生に大きく貢献するものと考える。そのため、業界が課題を整理し、自らの振興プランを策定する場合には、都はこれまで同様に支援していく。
 〔2〕平成八年度から、毎年度四地域、今年度までに合計二〇地域を指定し、当初の計画どおり今年度で地域指定を終了することとなっている。なお、今後の地域の工業振興施策のあり方については、区市等と意見交換を行いながら、この事業の具体的な成果を検証した上で検討していく。
 〔3〕都は既に、地場産業を積極的に支援するため、伝統工芸、繊維、皮革及び印刷等の各分野において、新商品企画開発、人事育成事業などの支援事業を実施し、その振興を図っている。今後も地場産業の振興に努めていく。
 〔4〕都はこれまでも、ものづくり基盤技術を支えるために、試験研究機関における技術指導などで支援を行ってきた。指摘の、法に基づく施策づくりについては、国の基本計画を踏まえながら、対応を検討していく。
 〔5〕都でも、産業技術研究所において、企業の技術者を対象にものづくりに直結した実習を伴うIT研修を開催するとともに、技術専門校においても、在職者を対象に、IT能力向上訓練を実施するなど、IT支援に取り組んでいる。今後も中小企業が自ら取り組むIT化を支援していく。
 〔6〕都は従来から、中小企業のものづくりの基盤となる機械設備等の整備を支援するため、制度融資による長期資金融資や、中小企業振興公社による無利子の設備資金貸付け及び長期、低利のリースなどによる設備貸与制度を設けている。今後とも、これらの制度を一層活用し、都内中小企業が行うものづくりに対して支援していく。

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