ホームページへ戻る 前のページへ戻る  

第4回定例会・代表質問(要旨)

 日本共産党   渡辺 康信


  介護保険利用料・保険料の減免を

    都政の緊急課題
    公共事業の見直し
    臨海副都心開発
    女性財団
    東京都税制調査会の答申
    少子化対策
    教育問題
    横田基地の返還
    中小企業金融安定化特別保証制度をめぐる不正事件
    浜渦副知事問題

都政の緊急課題

一 三宅島島民への支援
 全島避難から三か月が経過し、島民の皆さんは、帰島への思いを強めながら、必死に頑張っておられる。島民の皆さんのご苦労と村及び都など関係者の活動に心から敬意を表する。
 都は、今定例会に、三宅島の災害復旧などを内容とした三三八億円の補正予算を提案した。また、被災者生活再建支援制度の適用と都独自の適用も決定した。しかし、島民の皆さんからの要望をお聞きすると、これまで具体化された施策では、まだ不十分である。
 〔1〕再建支援法では、毎日の食費や日常品、交通費などは、対象になっていない。避難島民は毎日の食費を切り詰め、わが子に会う回数を減らしているのが現状である。食費や日常生活の必需品に使える生活支援金は、制度化して実施すべきである。また、医療費の自己負担分を軽減するための支援も必要と思うが、所見は。
 〔2〕上下水道料金の減免は実施しているが、電気やガスの料金の減免も強い要望がある。わが党が東京ガスに減免を要請した際、都から協力を要請されれば支援ができる、と言われた。見解を伺う。 
 〔3〕島民は、親戚や友人と離れての生活に孤立感を深め、ストレスもたまる一方であり、心のケアと健康の維持への支援も急がれている。避難世帯を訪問し、生活、仕事、健康などの悩みを聞き、相談に乗り、その相談や要望には、地元自治体の協力も得て解決に当たるなどのきめ細かい対応と支援が急がれている。答弁を求める。
 〔4〕都は国の協力も受けて、民間にも呼びかけて災害対策基金を設置し、復興のための個人補償や避難世帯の生活資金などに支給できるようにすることが必要である。都と村が対等に話し合える恒常的な協議機関も必要である。答弁を。 
 〔5〕国勢調査の結果、島民がカウントされず、地方交付税が受けられなくなる心配が起きている。国に対して、弾力的に対応し地方交付税が受けられるように要請することを求める。

福祉局長 〔1〕今回、国の被災者生活再建支援制度の対象とならない世帯についても、支援金を支給することとした。また、各種医療費助成制度の活用、生活保護の適用など、個々の生活実態に即した対応を図るよう、区市町村に協力要請している。三宅村や国等と連携しながら適切に対応していく。

総務局長 〔2〕避難の長期化が見込まれることから、国に、料金の減免措置など一層の支援を要請している。今後も、国、電気・ガス供給事業者に強く働きかけていく。
 〔3〕生活必需品の提供や生活福祉資金の貸付けなどに加え、心の健康相談なども行ってきた。村も、住民説明会や巡回相談などに取り組んできた。
 〔4〕様々な支援策を実施してきた。被災者生活再建支援法の早期適用も決定したところであり、基金を設置して対応することは考えていない。また、協議機関の設置については適切に対応していく。
 〔5〕三宅村の普通交付税の算定に当たり、国勢調査人口を用いず、別途算定の特例を講じるよう、国に緊急提案要求を行ってきた。今後も、国に強く働きかけていく。

二 介護保険
 〔1〕一〇月から介護保険料の徴収がはじまり、利用料とともに重い負担は、多くの高齢者と家族に深刻な影響を与えている。「保険料が高い」「収入がなくて払えない」などの保険料への苦情が急増し、また「利用料が高くて年金では賄えない」などの声が寄せられている。この現実をどう受けとめているのか。
 〔2〕現行制度の低所得者への配慮は不十分であり、独自の負担軽減に踏み切る自治体が全国に広がっている。改めて介護保険の保険料、利用料の負担軽減を国に要求するとともに、都としても減免を実施することを強く要求する。
 〔3〕生活支援ヘルパー、介護予防
・生活支援事業や高齢者の福祉サービス利用の援助など、介護保険を補うための施策の拡充が必要である。答弁を求める。
 〔4〕高齢者の命綱ともいうべきマル福と老人福祉手当の廃止に向けた段階的削減やシルバーパス全面有料化など、石原都政による福祉切下げの影響が、東京の高齢者を苦しめている。マル福は六五歳からの制度に戻すこと、老人福祉手当は削減をやめ、介護保険の欠陥を補えるように拡充すること、さらに、シルバーパスは無料に戻すこと、以上の三点について、改めて検討すべきである。

知 事 〔1〕保険料の負担については、制度の円滑な実施のための特別対策や、低所得者に配慮した仕組みが設けられている。制度全般について都民の理解がより一層深まるよう、区市町村とも連携し、制度内容の周知徹底に引き続き努めていく。

高齢者施策推進室長 〔2〕低所得者への配慮として、所得に応じた保険料の設定方式や利用料負担が著しく高額とならないための仕組みが既に設けられており、国への要望や都独自の取組は考えていない。
 〔3〕既に転倒予防教室、配食サービスなどの介護予防・生活支援事業、家族介護教室などの家族介護支援特別事業、住宅のバリアフリー化など都の包括補助事業である高齢者いきいき事業、苦情解決など利用者保護のための仕組みづくりなどを実施している。
 〔4〕老人医療費助成制度、老人福祉手当、シルバーパスは、負担の公平、介護保険制度との整合性の確保の観点などから見直しを行ったものである。同時に、新たな時代にふさわしい施策を積極的に展開している。したがって、もとの制度に戻すことは考えていない。

三 暮らしへの緊急支援
 〔1〕仕事もなく、雇用保険も切れてしまった状態で新年を迎える都民や、様々な条件が障害となって生活保護が受けられない世帯が増えている。こうした毎日の生活資金にも事欠く人への越年、越冬生活つなぎ資金を直ちに実施せよ。
 〔2〕子どもと教育にかかわる支援として、教材費への補助、リストラや倒産などで収入が絶たれた家庭の私立学校の生徒への授業料の補助、あわせて私学助成の増額などは欠かせない。所見を伺う。
 〔3〕国が認めた緊急雇用対策だけでなく、時限的なやり方で、土木や建設など需要の多い分野や、公園や道路の清掃等高齢者や誰もが就労できる公的就労を開始せよ。 
 〔4〕中小企業の年越しのため、短期、無利子で繰り返し使えるつなぎ融資をつくって支援すべき。 
 〔5〕不況の影響を受けている建設関連業種の仕事確保のために、分離分割発注を拡大すべき。
 〔6〕都民負担の軽減を進めるために、都市計画税の二分の一軽減措置の継続、公共料金の据え置き宣言など、都民生活支援の立場を貫くべきである。

知 事 〔6〕都市計画税の軽減措置は、既に課税標準を三分の一とする特例が法制化されていることなどから、制度的には見直しが必要である。使用料などは、地方自治体の提供するサービスが特定の受益者のためである場合において、一般の納税者との負担の均衡を確保する観点から、適切な料額を負担いただくものであり、今後も適切に見直しを行っていく。

福祉局長 〔1〕都民が生活に困窮した場合、雇用保険などの社会保険制度や各種の手当、貸付金等の社会福祉施策、生活保護制度など、様々な社会保障制度が用意されている。区市町村と連携しながら、個々の実情に応じた対応を図っていく。

総務局長 〔2〕私立学校の授業料等の負担を軽減するため、私立高等学校等授業料軽減補助制度を設け、保護者の所得状況に応じ、授業料の一部を補助している。また、失業など家計の急変に対する措置として、学校の授業料減免額の一部を補助するほか、育英資金の特別貸付けを実施しており、これらの総合的な取組により保護者負担の軽減に努めていく。私学助成については、今後とも適切に対応していく。

労働経済局長 〔3〕臨時応急の措置として、国が設けた緊急地域雇用特別交付金の活用などにより、中高年失業者などの雇用機会の創出に努めている。今後ともハローワークなどと連携して、民間における就業機会の確保に努めていく。  
 〔4〕現行の制度融資の中に短期資金融資を設け、六か月以内の短期資金需要に対応している。今後も中小企業の資金需要等に応じた資金調達の円滑化に努めていく。

財務局長 〔5〕分離分割発注や共同企業体方式の活用など、中小企業の受注機会の確保を基本としつつ、コスト縮減の観点を踏まえた対応を図ってきた。今後も、適切な公共工事の発注に努めていく。


公共事業の見直し

 〔1〕二十一世紀を迎え、国政、都政に迫られているのは、大型公共事業に偏った政治の転換である。ところが、石原知事は、大型開発優先の構想を相次いで打ち上げている。九兆円もの三環状道路の促進などは、公共事業の見直しという時代の流れに逆行するものだ。また、先日、名古屋公害裁判で、自動車排気ガスの差止命令の判決が下されたが、マスコミ各紙は、交通が渋滞するからバイパスを、との発想では大気汚染公害の根本的解決にはならないなどと、国の道路行政について厳しく批判している。これらのマスコミの主張について、どう受け止めているか。また、今後の道路行政にどう生かしていくつもりか。
 〔2〕ヨーロッパでは、LRTなどの環境に優しい公共交通への転換が進められているほか、イギリスのロンドンでは、環状高速道路は交通渋滞を解消するどころか、車を呼び込んでしまうとして、途中でこの建設が凍結されている。世界の大都市には、こうしたことを学ぶべきである。見解を伺う。
 〔3〕環境や財政問題をもっと考慮し、お年寄りが安心して暮らせる生活基盤づくりや、子どもたちや青年に夢を与えるような都民生活に密着した公共事業こそ、優先して実行に移すべきである。特別養護老人ホームやデイサービスセンター、老人保健施設、グループホーム等は、緊急計画を立て、必要数を確保すべきである。青年のための遊び場や、自由に使える公園、環境に優しいLRTなど新しい公共交通や自転車道の整備、公共住宅を中心にした都心居住、住宅の耐震補強をはじめ震災に強いまちづくり、本格的なバリアフリー化の推進等が重要である。ビッグプロジェクトばかりが公共事業ではない。都民に役立ち、夢を与えるような公共事業に、足を踏み出そうではないか。

知 事 〔1〕尼崎公害訴訟などの大気汚染訴訟において、国などの被告側に厳しい判決が言い渡されているが、国の排出ガス対策への取組が不十分だったことの現れだと思う。都としては、大気汚染を改善し、都民の健康を守るため、ディーゼル車対策を強力に進めている。三環状道路をはじめとする道路整備は、交通渋滞を解消し、東京圏の高コスト構造の是正や環境の改善にも資するものである。このため、交通需要マネジメントとあわせ、道路整備を積極的に進めていく。
 〔3〕空港、鉄道、道路などの都市基盤施設の整備は、産業の活性化や国際競争力の向上はもちろんのこと、生活基盤の質を高める上でも重要である。今後も、限りある財源を投資効果の高い事業に重点的に配分して、その着実な整備に努めていきたい。

都市計画局長 〔2〕都市の形成や道路整備の歴史が異なるロンドンなどの事例を、東京の道路計画に当てはめることはできない。都においては、三環状道路の整備を推進しており、外かんについては、高架構造から地下化を基本とする方向に変更するなど、万全な環境対策を施すこととしている。今後も、欧米大都市に比べて遅れている環状道路の整備を積極的に推進していく。


臨海副都心開発

 〔1〕都は、来年度、埋立会計、羽田沖埋立会計を臨海開発会計に統合することで、臨海開発会計がこれらの会計から借りている三、八〇〇億円の借金を棒引きにしようとしている。また、この二つの埋立会計には、二、五〇〇億円分の土地が残されている。合わせて五、三〇〇億円もつぎ込まなければならない理由はどこにあるのか。三会計統合はやめて埋立会計の財産を都民のために生かすのが、本来のあり方ではないか。
 〔2〕臨海開発については、今後の財政負担をどう抑え、都民本位の利用にするのか、抜本的な再検討こそ必要だが、見解を求める。

知 事 〔1〕臨海開発の会計について、来年度の予算要求で、所管局から、現行の三会計を統合し、新たな会計を設置するという要求が出され、現在、検討を進めている。今後の予算編成過程を通じて十分に検討していきたい。
 〔2〕現在、臨海副都心では、道路等の地域内都市基盤の約八割が完成し、既に七〇〇を超える企業などが活動を行っている。また、多くの来訪者でにぎわうなど、世界に誇る東京の新しい名所として親しまれている。このことから今後も、投資を最大限に生かし、着実に開発を進めていく。


女性財団

 都が最近発表した監理団体改革実施計画は、破綻した三セクの清算などの抜本的解決を回避し、その一方で、女性財団の廃止を打ち出した。女性財団はウィメンズプラザなどの運営を行っており、男女共同参画を進める基本法や都条例ができ、いよいよ本格的な取組というときに、廃止しようという。多くの女性団体が、廃止は理解できないなどの反対の声を上げ、運動の輪を広げている。開発型三セクこそ、清算を含めた抜本的処理を行い、女性財団は、関係団体の要望どおり存続すべき。

知 事 都民サービスの向上が期待できるものについては、引き続き団体を存続し、活用することとした。一方、社会経済状況の変化によって必要性の薄れたもの、事業を統合することでより効率的に都民サービスの向上が図られるものは、団体事業または団体そのものを統廃合することとした。女性財団廃止はその結果である。


東京都税制調査会の答申

 東京都税制調査会の答申の最大の問題は、石原知事の進めようとしている「東京構想二〇〇〇」の推進と、そのための財源対策としての庶民への増税を打ち出したことにある。住民税、個人所得税の課税最低限の引下げや、所得の低い人の税率を引上げて高い人の税率を引き下げる税率の均一化による低所得者の増税である。庶民への増税路線はとるべきではない。また、大型ディーゼル車の高速道路利用税などの法定外課税については、都民とともに十分検討、研究することが必要と考えるが、知事の見解を伺う。

知 事 東京都税制調査会の答申は、二十一世紀の地方主権を支える国と地方の税財政制度のあり方を示したものであり、極めて有意義なものである。法定外税については、今後、答申を踏まえ、議会も通じてあらゆる角度から十分検討し、必要性、緊急性、実現可能性などを総合的に判断したい。


少子化対策

 〔1〕この問題の打開のためには、男女とも子育てに責任を果たせるように、職場の労働環境を改善することが重要である。全国で最も深刻な少子化傾向にある東京都として、もはや国と企業の努力だけに任せているときではない。企業における働き方の改善は、都としても取組を強めていくべき重要課題であると考えるが、知事の基本認識を伺う。
 〔2〕企業における育児休業、育児時間、看護休暇などの制度を拡充し、気兼ねなく利用できるようにするための中小企業への助成や育児休業制度推進相談員の派遣などを行う、家庭と仕事の両立支援事業を実施すべきである。また、両立支援のシンポジウムや経営者セミナーなどは、直ちに具体化できるものだ。見解を求める。
 〔3〕保育所は、人格形成にとって大事な時期にある乳幼児が一日を過ごす生活の場である。温かい雰囲気の中で人間として成長していくことができるよう、保育の質の充実のために最善の努力を尽くすことが重要な課題であると考えるが、所見を伺う。
 〔4〕認可保育所の整備拡充による待機児解消を都政の重点課題として位置付け、保育所整備促進緊急事業に取り組むよう提案する。
 〔5〕出産費用の自己負担は、若い夫婦にとって重い負担となっている。妊婦健診、出産費用の無料化や負担軽減のための助成、あるいは貸付制度の具体化を求める。
 〔6〕現在、不妊治療については、最も簡単な排卵誘発法しか保険適用されておらず、一回数万円かかる配偶者間の人工授精も、全額自己負担である。不妊治療の保険適用範囲の拡大に向け全力を尽くすとともに、助成を行う必要があると考えるが、所見を。
 〔7〕乳幼児医療費助成の拡充、中でも、対象年齢を、現在の五歳未満から、小学校入学前まで引き上げることは急務である。来年度予算で実現するよう求める。
 〔8〕乳幼児医療費助成の所得制限については、全国の六割を超える二八の道府県が所得制限なしである。特別区は既に一六の区に及ぶのに、財政が厳しい多摩市町村ではゼロという多摩格差解消のため、都として所得制限撤廃に踏み出すべきである。

知 事 〔1〕働く人々が、職業生活と家庭生活を両立しながら働くことのできる職場環境づくりは、企業が主体的に取り組むべきことと認識している。しかし、少子化は、労働力の減少をもたらし、経済活動の衰退など地域社会の広い分野にも影響を及ぼすものである。このため、都としては、企業における職業と家庭の両立支援の取組がより円滑に進められるよう、様々な施策を講じていく。

労働経済局長 〔2〕男女労働者に優しい職場推進企業の表彰を行うとともに、受賞企業の担当者をパネリストとするシンポジウムや、企業の人事担当者を対象としてセミナーを行う等、企業における両立支援の普及啓発に努めている。また、地域において育児援助を会員相互で行うファミリー・サポート
・センターの創立を促進してきた。

福祉局長 〔3〕現在、東京の保育サービスは、質、量ともに相当な水準に達している。今後は、利用者本位の保育サービスの更なる展開を図ることが課題である。
 〔4〕待機児童の実態は、地域による需給の不均衡と、年齢や保育時間等による保育内容のミスマッチに基づくものであり、その解消のためには、こうしたミスマッチへの対応が必要であり、区市町村と連携しながら、新たな施策展開を図っていく。
 〔5〕健康保険法等により、出産育児一時金を支給する制度が設けられており、低所得世帯については生活福祉資金を利用する道も用意されている。これらの制度を活用して対応すべきものと考えている。
 〔7〕乳幼児医療費助成制度は、少子化対策の一環として、平成一〇年一〇月に対象年齢を一歳拡大して四歳未満としたが、本年一〇月には五歳未満とし、更に一歳拡大した。現在、新しい制度内容の円滑な実施に努めている。
 〔8〕子育て家庭に対する経済的支援策である本制度については、今後とも一定の所得制限を設けることが必要と考えている。都の基準を上回る助成をしている区市町村については、基礎的自治体として独自の判断に基づいて行っているものと理解している。

衛生局長 〔6〕現在、国において、保険適用の前提となる不妊治療の安全性や倫理面、法的側面等からの検討が行われている。こうした国の動向を見守っていく。


教育問題

 今、若者の基礎的な学力の低下や、子どもたちの間で学習離れが急速に広がっていることが、マスコミなどで取り上げられ、大問題になっている。
 〔1〕子どもたちの学力の危機や、基礎的な学力をしっかり身に付けさせることの重要性について、どう認識しているのか。
 〔2〕多くの子どもたちが勉強が分からないという問題は、学級崩壊など学校病理の打開にとってもかぎを握っている問題である。すべての子どもが基礎学力を身に付けられるよう、十分な条件整備を進めることは、政治や行政に課せられた本来の重要な責務である。学習指導要領を見直し、基礎学力を身に付けるために、本当に必要な内容を精選することが必要だと考えるが、所見を伺う。
 〔3〕三〇人学級への移行を速やかに開始し、さらに少人数学級へ進むことが必要不可欠。所見を伺う。

知 事 〔1〕二十一世紀の日本を担う、個性豊かで創造力に富んだ人材を育成することが強く求められている。子どもたちの個性や創造性、感性を育むとともに、人として生きていくために必要な基礎的な学力を身に付けることが重要である。

教育長 〔2〕新しい学習指導要領では、子どもたちが基礎的な学力を身に付けるために、学習内容を基礎的、基本的な内容に厳選するとともに、各学校がそれぞれの実情に応じて、弾力的に教育課程を編成するようにしている。また、各学校が創意工夫を行い、学習到達度に応じた指導や、指導方法の改善ができるよう配慮されており、都教育委員会はこの趣旨の徹底を図っている。
 〔3〕三〇人以下学級の実現について、学級規模を考えるに当たり、総合的に検討することが必要である。文部省は本年八月に、公立小中学校の第七次教職員定数改善計画を策定し、教員定数を改善する予算要求を行っており、都教育委員会としては、これらの動向を踏まえて対応していく。


横田基地の返還

 首都に外国の軍事基地があるのは、世界でも東京だけである。知事自身が直接、アメリカ政府に基地返還を強力に求めること、また、返還を進めるためにも、都として基地被害の実態調査を行うべき。

知 事 返還までの対策として、民間航空利用の実現について国に働きかけてきたが、今後も、あらゆる手だてを講じていくつもりである。周辺地域における実態調査や、それに基づく対策については、本来国が実施すべきものだが、その実施を国に強く求めていく。


中小企業金融安定化特別保証制度をめぐる不正事件

 東京地検による捜査は、いまだ継続中であるが、都議会史上三五年ぶりとなる現職都議会議員の逮捕、起訴という事態を迎え、都政と都議会に対する信頼を深く傷つけたことは誠に重大だ。わが党は、都議会に地方自治法第百条に基づく調査特別委員会の設置を提案した。同時に、今回の事件を理由にした新たな貸し渋りや融資制度の後退があってはならない。直ちに都として事実と問題点の解明を行い、再発防止策を講ずるべきだ。

労働経済局長 中小企業の金融制度にかかわる今回の事件は、残念なことである。現在、東京地検による捜査が継続中であり、その状況を慎重に見極めているところである。中小企業の資金調達の円滑化を図っていく上で、信用保証制度は極めて重要であり、今後とも、都の制度融資の適正な運用に努めていく。


浜渦副知事問題

 〔1〕浜渦副知事に伺う。公安委員会を所管する副知事が、酒に酔った上、都民との間でトラブルを起こし、目黒警察署で事情聴取を受け、署長に始末書を提出したことをどの様に認識しているのか。副知事として、自らもっと厳しい反省に立って、都民に対して謝罪を表明すべきだ。
 〔2〕同時に問われているのは、任命権者としての知事の責任である。速やかに浜渦副知事に関する一連の事件を調査し、厳正に対処するよう求める。

知 事 〔2〕副知事には既に厳重に注意した。本人も十分自戒することと思う。

浜渦副知事 〔1〕降りかかる火の粉は自らも振り払い、自らの身は自ら守るという自己防御、自主防衛の気概を持ち続けているところである。

 
ホームページへ戻る 前のページへ戻る