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(願 意)
都議会において、婚姻後も希望する者が婚姻前の氏を継続して名のることができる選
択的夫婦別姓制度の導入及び関連する法改正を早期に実現することを求める意見書を国
に提出していただきたい。
(理 由)
第一に、労働環境におけるキャリアの分断と経済的損失がある。現在、日本の婚姻に
おいて、その94%で女性が改姓しており、改姓に伴う負担が著しく偏っている。特に、
キャリアにおいて営業職等に従事する者にとって、氏名は長年築き上げてきた信用と実
績そのものである。現代では取引先とSNSでつながり、それが新たなビジネスチャン
スやキャリアの継続性に直結しているが、法的氏名の変更により、かつての仕事仲間や
顧客が自分自身を同一人物として認識することができなくなり、これまでのキャリアが
分断されるリスクを抱えている。通称使用の拡大では個人の識別性を完全に担保するこ
とはできず、根本的な解決にならない。
第二に、ダブルネームによる過度な心理的・事務的負担がある。近年、旧姓使用が可
能な場面が増えているが、一方で、旧姓使用を続ける場合、法的氏名と通称(旧姓)と
を使い分けるために、あらゆる場面でどちらの氏名を名のる・書くべきかを判断し続け、
膨大な脳のリソースを消費している。また、旧姓に自身のアイデンティティがあること
から、可能な限り多くの場面で旧姓を使用したいと願っても、時には氏名を修正するこ
とを求められたり、マイナンバーカードへの旧姓併記申請の際に特別な理由がない限り
不要であると役所の職員に言葉を掛けられたり、旧姓での印鑑登録に対する抹消通知書
が届いたりと、少しずつ自身の尊厳が削られていく感覚がある。このように、自分自身
のアイデンティティを維持しようとすることが、あたかも社会に対する不整合や迷惑で
あるかのように扱われ、個人の尊厳が損なわれている現状がある。なぜ同じ人間なのに
二つの氏名を使い分け、あるいは過去の自分自身を消し去るような思いをしなければな
らないのか、その合理的理由は見当たらない。
国連女性差別撤廃委員会からは、夫婦同姓を義務付ける民法規定が差別的であるとし
て繰り返し改正を勧告されており、令和6年10月には極めて厳しい表現で再勧告がな
された。また、経団連も、企業活動を阻害しているとして選択的夫婦別姓制度の導入を
提言しており、制度の不備が非婚化や少子化の一因とも指摘されている。最高裁判所は、
この問題は国会で議論され、判断されるべきとしている。地方自治のフロントランナー
である都が、この課題に対して明確な意思を示すことは、停滞している国会での議論を
動かす大きな力となる。一人一人が自分らしく、不当な不利益を受けずに生活できるよ
う、都議会から国に対し、選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書を提出するよう
強く要望する。
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