令和四年東京都議会会議録第十四号

令和四年九月二十九日(木曜日)
 出席議員 百二十一名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番おじま紘平君
十二番山田ひろし君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番もり  愛君
二十七番龍円あいり君
二十八番あかねがくぼかよ子君
二十九番保坂まさひろ君
三十番桐山ひとみ君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番渋谷のぶゆき君
四十二番やまだ加奈子君
四十三番林あきひろ君
四十四番松田 康将君
四十五番ほっち易隆君
四十六番鈴木 錦治君
四十七番米川大二郎君
四十八番清水やすこ君
四十九番白戸 太朗君
五十番入江のぶこ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番小松 大祐君
六十五番柴崎 幹男君
六十六番早坂 義弘君
六十七番本橋たくみ君
六十八番山加 朱美君
六十九番鈴木あきまさ君
七十一番菅原 直志君
七十二番平けいしょう君
七十三番森口つかさ君
七十四番成清梨沙子君
七十五番福島りえこ君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番こいそ 明君
八十八番小宮あんり君
八十九番田村 利光君
九十番伊藤しょうこう君
九十一番川松真一朗君
九十二番山崎 一輝君
九十三番藤井あきら君
九十四番森村 隆行君
九十五番内山 真吾君
九十六番石川 良一君
九十七番伊藤 ゆう君
九十八番本橋ひろたか君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番高倉 良生君
百七番まつば多美子君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番清水 孝治君
百十二番菅野 弘一君
百十三番三宅 正彦君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番尾崎 大介君
百十七番村松 一希君
百十八番後藤 なみ君
百十九番たきぐち学君
百二十番小山くにひこ君
百二十一番増子ひろき君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 二名
五十一番 田の上いくこ君
七十番  関野たかなり君
 欠員
    五番 七番 十三番
    二十三番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長中村 倫治君
総務局長野間 達也君
財務局長吉村 憲彦君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局スタートアップ戦略担当局長吉村 恵一君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
子供政策連携室長山下  聡君
デジタルサービス局長久我 英男君
主税局長小池  潔君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西 康弘君
都市整備局長福田  至君
環境局長栗岡 祥一君
消防総監清水 洋文君
福祉保健局長西山 智之君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
産業労働局長坂本 雅彦君
港湾局長矢岡 俊樹君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長武市 玲子君
水道局長古谷ひろみ君
下水道局長奥山 宏二君
住宅政策本部長山口  真君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長松永 竜太君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長小室 一人君
労働委員会事務局長桜井 政人君
収用委員会事務局長杉崎智恵子君

九月二十九日議事日程第三号
第一 第百七十三号議案
  令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第二 第百七十四号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百七十五号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百七十六号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百七十七号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百七十九号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百八十号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百八十一号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百八十二号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百八十三号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第十一 第百八十四号議案
  学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百八十六号議案
  東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
第十三 第百八十七号議案
  東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第十四 第百八十八号議案
  東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第十五 第百八十九号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百九十号議案
  東京都瑞江葬儀所(四)改築工事請負契約
第十七 第百九十一号議案
  都営住宅四H—一二九東(足立区鹿浜五丁目)工事請負契約
第十八 第百九十二号議案
  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
第十九 第百九十三号議案
  豊島区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第二十 第百九十四号議案
  土地の買入れについて
第二十一 第百九十五号議案
  首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第二十二 第百九十六号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十三 第百九十七号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十四 第百九十八号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十五 第百九十九号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十六 第二百号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十七 第二百一号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十八 第二百二号議案
  特種用途自動車(はしご車)の買入れについて
第二十九 第二百三号議案
  特種用途自動車(化学車)の買入れについて
第三十 第二百四号議案
  令和四年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第三十一 第二百五号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可の報告及び承認について
第三十三 令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第三十四 令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都公安委員会委員の任命の同意について(四財主議第三〇四号)
第二 東京都公安委員会委員の任命の同意について(四財主議第三〇五号)
第三 東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(四財主議第三〇六号)
第四 東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(四財主議第三〇七号)
第五 東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(四財主議第三〇八号)
第六 東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(四財主議第三〇九号)
第七 東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(四財主議第三一〇号)
第八 議員提出議案第十号
  東京都公衆浴場振興条例
第九 議員提出議案第十一号
  東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例
第十 議員提出議案第十二号
  東京都エアコンの購入費用の補助に関する条例
第十一 議員提出議案第十三号
  東京都夏期の冷房器具の使用に伴う電気料金の補助に関する条例

   午後一時開議
○議長(三宅しげき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(三宅しげき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十号、東京都公衆浴場振興条例外条例三件、知事より、東京都公安委員会委員の任命の同意について外人事案件六件がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(三宅しげき君) 昨日に引き続き質問を行います。
 九十一番川松真一朗君
   〔九十一番川松真一朗君登壇〕

○九十一番(川松真一朗君) 初めに、新築住宅の太陽光パネル設置に向けた新制度について伺います。
 現在、太陽光パネルの生産は中国に集中し、その中でも人権問題が懸念されている新疆ウイグル自治区製が多くを占めているといわれています。これから議会に上程しようとしている条例案では、この点が最も懸念されるという声もたくさんあり、私自身もこの課題整理なしにルールをつくるというのはあってはならないと考えています。
 実際に、アメリカでは本年六月、中国の新疆ウイグル自治区で強制労働によって生産された製品の輸入を全面的に禁止する法律が施行されました。
 また、EU、欧州委員会は今月、強制労働を通じて作られた製品の輸入を禁止にすることを可能にする法案を公表しました。この法案は地域指定こそしていないものの、新疆ウイグル自治区を念頭に置いていると考えられており、今後、EU加盟国と欧州議会が同意すれば成立し、成立してから二年後に適用されることとなります。
 そして、国において今月、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインを策定し、企業による人権尊重の取組を促進すべく、企業に対する周知、啓発活動を推進するとともに、企業の取組を後押しするさらなる方策についても検討を進めていくとしています。
 こうした状況を踏まえて、都としても、企業のサプライチェーンにおける人権尊重に関する継続的な取組を促進するのが筋であると考えますが、小池都知事の見解を伺います。
 昨日の我が党の代表質問で、東武伊勢崎線鐘ケ淵駅付近については、鉄道立体化の事業候補区間に位置づけたと東京都技監の答弁がありました。
 本区間には、補助一二〇号線との交差部に、開かずの踏切である伊勢崎十七号踏切が存在し、地域分断や災害時の円滑な避難の障害となっており、昨年逝去された瀧澤良仁元区議を中心に、昭和四十年代から取り組んできた地域の課題でありました。
 ちなみに瀧澤氏は、昭和四十六年初当選から十二期四十八年間にわたって踏切除去に向けて奔走され、私たち後進に望みを託された案件でもあります。このことは、いかに今回の東京都の決断が重いものかを物語っております。当然ですが、鐘ケ淵駅エリアの皆様方には早速喜びの声が広がっています。
 こうなれば、一日も早い国による着工準備採択に向けて、都と区の連携が望まれるところです。今月の墨田区議会では、自民党のたきざわ正宜区議の代表質問に山本亨区長は、私自身、都知事との意見交換において、事業候補区間の早期位置づけを強く要望するなど、あらゆる機会を通して働きかけを行っていますと答弁し、特別区議長会の東京都への要望活動でも、墨田区議会議長から強い要望が出ておりました。
 それだけ墨田区の悲願であった鐘ケ淵駅の立体化ですが、これから墨田区では、鐘ケ淵駅周辺地区まちづくり計画の改定に着手することになります。東京都にはこちらへの支援を強く要望いたします。
 そこで、周辺まちづくりを含む東武伊勢崎線鐘ケ淵駅付近の鉄道立体化に向けた取組の状況について伺います。
 さて、今年七月に都立病院は独法化されました。利用者の方から、独法化後、予約が取りにくくなっているという不満の声が直接的、間接的に寄せられています。また、職員の方からは、給料を保障すると説明されてきたのに、給料が下がったという声も寄せられています。
 この独法化に当たっては、各都立病院の院長をはじめ、様々な意見を尊重し、制度設計を提案し、議会審議を繰り返してきました。その過程では、いずれの患者さんにも不利益があってはならない。むしろ医療サービス提供の質向上のためにも、独法化は有効であると主張してきた私にとっては看過できないのが、先ほど提示した様々な声です。
 そこで、独法化後、実際にこのような事実はあるのかを伺います。
 また、これまで東京都の独法化の中身を理解しないまま、ネガティブキャンペーンを展開し、デモ活動やビラ配布を行ったグループもいました。それだけに、今後、患者さんや職員の方々が不安を感じないような広報発信を強めていくべきですが、七月以降、そこに力を入れているようには思えません。併せて見解を伺います。
 東京都は今年、首都直下地震や南海トラフ巨大地震の東京における被害想定を十年ぶりに改定し、発表しました。
 十年前の平成二十四年、二〇一二年被害想定に基づいて、各種防災、減災対策に力強く取り組んできたことで、耐震化率が向上し、被害軽減効果があることが推計されています。ただし、木造住宅密集地域があり、特にこの点の課題が多い墨田区の選出議員としては気になる点があります。
 今回の発表では、令和二年、二〇二〇年時点で東京都の住宅の耐震化率は九二%ですが、旧耐震基準で建てられた一九八一年以前の建物について耐震化を推進し、全ての建物が建て替え、耐震補強等の実施によって、全壊棟数及び死者は現況より六割減少するという推計が出ています。
 その上で、二〇〇〇年耐震基準による耐震化が実現した場合、全壊棟数及び死者はさらに約五割減少するという推計も公表されました。
 この被害想定が公表されたことで、一日も早く、倒壊危険認識がありながら、現実的に取り残されてしまっている一九八一年から二〇〇〇年の新基準までの木造住宅耐震助成を東京都が責任を持って進めるべきであるのはいうまでもありません。
 まちの防災性を高めるため、地元区市町村との連携はもとより、建築士など専門家の協力も欠かせません。新耐震基準を含めた住宅の耐震化をどのように進めていくのか、見解を伺います。
 次に、都営地下鉄の大規模水害対策について伺います。
 荒川氾濫のような大規模水害が発生した場合に、都市機能を回復させていく上で、人々の移動を支える地下鉄の早期復旧は重要な課題です。
 私の地元墨田区には都営地下鉄浅草線、新宿線、大江戸線の三路線四駅があり、いずれも浸水想定区域内に位置しています。被災により地下鉄が長期間麻痺すれば、区民生活への影響が懸念されるところです。
 こうした中、都議会自民党による提言を受けて、交通局は浸水対策に係る整備計画を年度内に策定するとしていますが、施設整備には相当な時間を要することから、効率的、効果的に対策を講じていく必要があります。
 また、大規模水害時に浸水を全てを防ぐことは困難であり、施設が浸水した場合の復旧手順等をあらかじめ定めておくことが早期の運行再開を図る上で不可欠です。
 そこで、都営地下鉄の大規模水害対策に関する取組について伺います。
 近年、全国的に若者を中心として大麻による検挙者が急増しています。大麻使用のきっかけは、友人に誘われて、興味本位で、悪気もなくというのが最多なのが実態です。インターネットなどでは、大麻はほかの薬物より安全だ、体に害がない、依存性がない、いつでもやめられるだろう、海外では合法化されているから問題ないといった情報も氾濫していることで、警戒心が薄れてしまっているのも要因であると考察できます。
 しかしながら、そうした情報は間違っています。大麻の有害性や依存性などを警視庁も積極的に情報発信を行い、悪の手から若者を守っていかなければなりません。
 そこで、若者らを対象とした大麻の乱用防止に向けた警視庁の取組について伺います。
 女性をめぐる課題は、生活困窮、DV、性暴力など、多様化、複雑化している中、様々な困難を抱える女性への支援を強化する新法、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が成立しました。
 女性の人権尊重や福祉の増進を目的に掲げ、六十六年前にできた売春防止法を根拠にした枠組みを抜本的に改めるものです。
 新法は、都道府県に対して女性相談支援センターの設置を義務づけ、相談対応に加え、緊急時の一時保護も行います。売春防止法で定めた婦人相談所を転換して発足させることになります。
 今後、都道府県で令和六年度の法施行に向けて基本計画を策定することになっております。新たな法の趣旨を確実に実現するため、この計画策定に当たっては、都市部の課題をしっかり把握し、実効性のある計画にすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、アスベスト対策について伺います。
 アスベストの飛散防止対策は、大気環境の保全のみならず、人の健康や安全の確保のためにも重要です。
 我が会派ではこれまで、アスベスト対策の強化について訴えてまいりました。大気汚染防止法では、アスベストの飛散防止に向け、解体やリフォームを請け負う事業者等に対し、アスベストの有無を確認するための事前調査の実施を義務づけていますが、近年、事前調査のアスベスト見落としなどによるアスベストの飛散が指摘されていました。
 そのため、法改正により、今年の四月から事前調査結果を行政に報告する制度が導入され、調査の信頼性を確保するなど対策が強化されています。
 事前調査の費用に対して、一部の区市では国の支援制度等を活用した補助制度を設けていますが、区市によって補助対象となるアスベスト含有建材や補助上限額が異なるなど、必ずしも公平とはいえない実態があります。
 こうした中、例えば、若い世代の方々が中古住宅を購入してリフォームをする際に、住もうとする自治体の支援が手薄なために、事前調査を行わずに安く請け負う不適正な事業者に発注し、結果としてアスベストが不適切に処理され、子供の世代も含めて不利益を被ることにつながるおそれがあります。
 このような状況について、都はどのように認識し、アスベストの飛散防止に取り組んでいくのかを伺います。
 最後に申し上げます。
 昨日の代表質問で我が党の三宅幹事長は、多くの都民がコロナ禍、ウクライナ情勢での物価高騰の社会情勢の中で疲弊している今こそ、大都市東京ならではの大胆な支援策が必要だと知事に求めました。
 私は去年、令和三年三月十一日の予算特別委員会で、時限的なものであったとしても、減税を決断していただきたいと求めました。
 減税が必要な理由を改めて申し上げます。
 東京は豊かと思われがちですが、総務省の全国消費実態調査を基にした国土交通省の中間世帯の経済力分析によれば、東京は四十七都道府県で最下位なのです。これは諸経費を引いた後の自由に使えるお金が最も少ないことを示しています。だからこそ、特に子育て世代や若者世代が使える手元のお金を増やし、生活を応援し、ひいては経済を活性化させたいと考えています。そのための都民税二〇%減税です。
 そして、企業に対しても同じように、事業継続や再始動を支援するため、事業所税の五〇%減税を都議会自民党は提起したのであります。
 政治とは何かという問いに、大平正芳総理はよくこういっていたといいます。それは明日枯れるかもしれない花にも水をやることだ。
 私も同じ考えです。けれども、私たちはそれだけにとどまりません。今のコロナ禍、このままだとみんな干上がってしまいます。枯れるかもしれない花にも水をやる。その先です。絶対に今を枯らさないために、小池都知事に減税の決断を強く強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 川松真一朗議員の一般質問にお答えいたします。
 サプライチェーンでの人権の尊重についてのお尋ねでございます。
 持続可能な社会の実現に向けましては、サプライチェーンにおける企業の責任ある人権尊重への継続的な取組を促進することは重要です。
 業界団体である太陽光発電協会は、行動指針に基づきまして、太陽光発電産業に係る事業者が人権の尊重を遵守した事業活動を行うことなどを推進しています。
 都はこれまで、この協会と連携しまして、ヒアリング等を通じ、国内太陽光パネルメーカーの取組状況等の把握に努めてまいりました。
 国においては、今月、国際スタンダードを踏まえた企業による人権尊重の取組をさらに促進するため、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインを策定しております。
 今後、都は、このガイドラインを踏まえまして、太陽光パネルメーカーに対しまして継続してヒアリングや意見交換を行い、各メーカーの適正な取組と情報公開を促してまいります。
 人権問題がグローバルなサプライチェーンでの課題であるとの認識の下で、引き続き、各国や国の状況を注視するとともに、業界団体と連携し、普及啓発を行うなど、SDGsを尊重した事業活動を促進してまいります。
 残余の質問につきましては、警視総監、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監大石吉彦君登壇〕

○警視総監(大石吉彦君) 警視庁における若者らを対象とした大麻の乱用防止に向けた取組についてお答えをいたします。
 都内の大麻事犯検挙人員は、若年層を中心に増加傾向が見られることから、当庁では、大麻の所持は犯罪であること、健康に有害であること等に関する正しい認識を持っていただくための取組を推進しております。
 具体的には、若年層を対象とした大麻乱用防止を啓発する映像を作成し、警視庁防犯アプリ、Digi Policeによる配信や、都内のデジタルサイネージでの放映などの情報発信を行っているほか、都内の学校や企業に向けた薬物乱用防止の講話を行うなど、規範意識の醸成を図っております。
 今後とも、薬物事犯の徹底検挙はもとより、こうした薬物乱用防止対策を強力に推進し、違法薬物の根絶を図ってまいります。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 東武伊勢崎線鐘ケ淵駅付近の鉄道立体化に向けた取組の状況についてでございますが、本箇所には、現在、都が事業を進めている都市計画道路補助第一二〇号線との交差部に開かずの踏切があり、交通渋滞や地域分断の解消等が課題となっております。
 道路と鉄道の立体化については、地域におけるまちづくりと連動させていくことが重要でございます。
 こうした認識の下、地元区によるまちづくりへの取組の熟度や、交差する区道の整備の具体化などを踏まえまして、都は、本箇所を鉄道立体化の事業候補区間に位置づけたところでございます。
 今後、地元区や鉄道事業者と連携し、鉄道立体化の可能性について着実に検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院の広報等についてでございますが、都立病院では、コロナ禍において、独法化以前から新型コロナ対応を最優先するため、一般診療の制限や不急の手術の延期などを行っており、その旨を患者や家族をはじめ、都民に対し、広報誌やホームページ、SNS等で広く周知しております。
 また、職員の給与については、独法化前後で同水準の基本給を維持しながら、働きがいと能力、スキルの向上につながる人事給与制度とし、メールやオンラインでの個別説明など様々な方法で周知しております。
 今後、職員への制度周知にさらに努めるとともに、都民への広報強化に向けたPTを設置することとしており、都立病院の取組や魅力を多様な媒体を活用して発信するなど、より分かりやすく効果的な広報に一層取り組んでまいります。
 次に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律への都の対応についてでございますが、令和六年に施行される法律では、国が基本方針を定め、都道府県がその方針に即して基本計画を策定しなければならないと規定されております。
 今後、国から示される基本方針を踏まえ、都は、新たに法に定められた女性相談支援センターの役割や、民間団体との連携のほか、若年女性への支援など、東京における課題について、区市町村や民間団体、婦人保護施設などから成る会議体で幅広く検討していくこととしております。
 人権が尊重され、女性が安心して自立して暮らせる社会の実現という法の趣旨を踏まえ、各団体の役割や強みも生かし、地域の実情に応じた施策を構築してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 新耐震基準の住宅の耐震化についてでございます。
 木造住宅密集地域などの地域の防災性を向上させるためには、耐震化や不燃化が重要であるため、これまで都は、区市町村と連携して、住宅等の耐震化を進めてまいりました。
 その結果、本年五月、十年ぶりに改定された新たな被害想定において、建築物の耐震化や不燃化が進展したことなどにより、被害が軽減されることが示されました。
 また、平成十二年以前の新耐震基準の建築物の耐震化に取り組むと、人的被害や建物被害がさらに軽減されることも示されました。
 都民の生命と財産を守り、地域の防災性を向上させるため、これまでの取組を進めることに加え、新耐震基準の木造住宅の耐震化について、区市町村や関係団体との連携や支援の在り方を検討してまいります。
   〔交通局長武市玲子君登壇〕

○交通局長(武市玲子君) 都営地下鉄の大規模水害対策についてでございますが、お客様の安全確保はもとより、公共交通機関として、被災後早期に運行を再開することが重要でございます。
 この間、被害軽減に向け、駅出入口等の対策に加え、トンネルを経由した浸水拡大防止策を検討し、浸水範囲を大幅に圧縮できる防水ゲート等の整備箇所を確認いたしました。
 こうした結果に基づき、効果的な整備手順等を定め、年度内に策定する整備計画に反映いたします。
 また、計画策定を待つことなく、既存の防水ゲートの耐圧機能の強化など、大規模水害対策に係る施設整備に速やかに着手いたします。
 あわせて、車両の避難手順や浸水した施設の復旧手順を年度内に取りまとめ、BCPである危機管理対策計画を改定し、訓練を通じて対応力の向上を図るなど、ハード、ソフト両面から取組を進め、東京の都市活動や都民生活を支える役割を果たしてまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) アスベスト対策についてでございますが、効果的な対策を進めるためには、解体やリフォームに際し、発注者や工事業者がアスベストの飛散防止や事前調査の意義を理解し、規制を遵守する環境づくりが重要でございます。
 そのため、都は、事前調査の解説動画の配信や、都の断熱改修補助制度を通じた周知等により、発注者の理解を呼びかけるとともに、工事業者向けには、区市と共に解体等の届出情報を活用して立入検査を実施するなど、事前調査の徹底等に取り組んでございます。
 これらに加えまして、区市の支援の実態等も踏まえ、今後、全てのアスベスト含有建材を対象とした調査費の助成制度を創設するよう国に直接要望してまいります。
 こうした取組によりまして、アスベストの適正処理に向けた取組を一層推進し、飛散防止の徹底を図ってまいります。

○議長(三宅しげき君) 九十七番伊藤ゆう君
   〔九十七番伊藤ゆう君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十七番(伊藤ゆう君) 一九五六年、今から六十六年前、当時、外務大臣であった重光葵氏は国連総会において、国連加盟受託演説で次の言葉を残しました。
 いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的なものであり、この法則に従うことは自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務である。
 ロシアがウクライナに侵攻した僅か半月後、三月十二日にポーランドが施行したウクライナ難民支援法は、重光大臣の表明した各国の責務を文字どおり体現するものでありました。
 この法律の根幹は、ウクライナ人避難民に対し、隣国ポーランドがパスポートを所持していない避難民でも受け入れ、ポーランド人同様の医療、育児、教育をウクライナ避難民に保障するといったものであります。
 法が避難民を導き、法が避難民を守り、法が避難民に人権を約束したものであり、難民にとっては法律の人道回廊、ポーランド人にとっては支援の行動規範となりました。
 国際情勢は不安定です。今後いつ日本の周辺国でも大量の難民が発生するとも知れません。そうした事態に対処できるように、都は国と共に難民受入れの想定をしておくべきであります。
 先日、私は、港区にあるウクライナ大使館を訪れ、公使と意見交換を交わしてまいりました。公使からは、今後、復興に向けた交流が重要との言葉を預かりました。日本への難民支援に加えて、日本人とウクライナにとどまるウクライナ人との交流は、現地で必要な物資、支援を知ることになるばかりか、雨天の友として両国友好の礎になるものと確信をいたします。大学交流もその一つです。
 現在、東京都立大学では、日本に避難している学生一名を受け入れ、支援していると聞いていますが、より一層の現地と連携した取組が重要です。
 例えば、都立大学がウクライナ国内の大学と連携すれば、文化交流を通じて学生相互の理解が深まり、必要な支援の輪が広がるものと考えます。都立大学とウクライナ国内の大学連携の在り方について、知事の見解を伺います。
 都は、ウクライナ人避難民に対する積極的な支援を行ってまいりました。私たち都民ファーストの会の要望を受け止め、都営住宅における光熱水費の無償化、Wi-Fiの提供、都営地下鉄線の無料化などを進めてきたことに敬意を表します。
 一方で、日本語を聞き取れないウクライナ人の子供たちは、日本の学校での学習などについていけず、孤立してしまう傾向にあります。
 国は、こうした避難民に対し、地域の日本語教育機関などを利用した際の費用を補助すると表明していますが、支援情報が周知されておらず、利用件数が限られているのが実態であります。避難民と日本語教育機関の連携強化のためにも、都の役割が不可欠です。
 都内にある約二百五十校の日本語学校は、これまで国が所管する教育施設であり、都との連携はほとんどありませんでした。しかし、避難民に限らず、外国人就労者の子供の数が増加している今、都と日本語学校の連携は欠かせません。
 都は、こうした状況を踏まえ、地域の日本語学校などと連携し、生活や学習に支障を来す外国人の子供への日本語習得支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 また、国や基礎自治体との連携窓口を担うために、都に日本語学校を所管する担当課を設けるべきことを要望いたします。
 労働市場においても外国人の存在は重要です。特に、二〇二五年には三万一千人の介護人材不足が見込まれる東京において、日本人同様の語学力と国家資格である介護福祉士資格を有する外国人介護福祉士の存在は、介護業界から注目をされています。
 国は既に介護福祉士資格の取得を目指す外国人留学生に対して、留学費用などを負担する介護施設などを対象に、留学費用など三分の一を助成する仕組みを設けており、都もこの助成事業を実施しています。
 しかし、この助成金を利用したのは、昨年度、都内留学生など十五名にとどまっています。
 一方で、千葉県は、この国の助成事業に上乗せ補助を行い、留学生などを受け入れる介護施設などの負担を三分の二から二分の一負担へと軽減をしています。千葉県の上乗せ助成は日本の介護事業者から大いに歓迎をされ、深刻な介護人材不足の救世主になるものと期待をされています。
 そこで、東京都は、外国人介護従事者の受入れを行う介護事業者への支援の拡充を図るべきと考えますが、都の所見を伺います。
 幼児教育について伺います。
 幼児教育の重要性については、既に小池知事が何度も言及されてきたこともあり、都民の共通認識にもなっています。
 国は、平成二十九年に規制改革として、保育料とは別に料金を徴収できる多様な保育の実施を都道府県に通知しています。
 しかしながら、保育の実施主体である区市町村では、具体的な基準などが明確になっていないことから付加的保育への対応に苦慮しており、国の通達から五年近く経過する中、実施を認めているのは数自治体にとどまっていると聞きます。
 幼児教育の重要性が指摘をされる中、認可保育所における付加的な保育は、今後、積極的に取り入れられていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 今後十年以内に人口が十億人に達する、数百万人の雇用が生まれるとフェイスブック創始者のザッカーバーグ氏が発言したのは、メタバースのことです。
 京都市は、仮想空間メタバースを立ち上げ、例えば二条城を舞台に、仮想空間上で利用者が花火を打ち上げるなどのイベントを行うと発表をいたしました。
 焼失した本能寺や明治維新の頃の池田屋を復元し、メタバース空間でまち歩きしてからリアルな京都市街を楽しむこともできそうです。
 そこで、東京です。スマートシティを目指す東京こそメタバースを観光施策に取り入れるべきです。江戸のまち歩きをメタバース空間で実現できれば、世界のトラベラーを焼失した江戸城の本丸に立たせることも、歌川広重が描いた浮世絵の世界、日本橋を渡らせることもできます。そのとき、仮想空間はタイムトラベル空間となり、旅行者にとってはリアルな東京へのゲートウエーになるのです。
 また、現状、様々な事業体によりつくられているメタバース空間がつながり、共有されるならば、その魅力と磁力は一気に向上します。都が観光施策としてメタバース空間を創出する際には、世界有数の観光都市と空間を共有するべきです。
 そこで、都としてもメタバースを活用して、魅力ある観光都市としての地位向上に取り組むべきと考えますが、知事に見解を伺います。
 なお、次の五輪開催都市はパリ市です。パリ市に働きかけ、同じメタバース空間で百年前の東京とパリを体験できる先駆け的な取組を要望します。
 東京都のDXについて伺います。
 小池知事の誕生によって、電柱の電線は地下に消え、庁内のLAN回線は電波となって、都庁のオフィスから消えつつあります。
 しかし、真のDX化を図るためには、集積したデータを活用して行政コストを格段に落とす戦略的デジタル設計が必要です。
 そのため、都は、民間人材を登用しやすく、各局、あるいは都内自治体にも派遣できる政策連携団体、GovTech東京の設立を表明しました。
 この組織に不可欠なのは、まずは人です。デジタルの建築家ともいえる創造的思考の持ち主を採用した上で、新たな人材を都庁に送り出し、デジタル分野の再開発を担ってもらわなければなりません。
 既に木造が密集し、既存の秩序がある地域の再開発に係る建築家、ディベロッパーの労力は並大抵のものではなく、そこには強い信念と住民を納得させる強い指導力が必要です。
 今回、GovTech東京は、政策連携団体の一つになると聞いていますが、GovTech東京には、従来の政策連携団体の概念を覆すほどの都庁に対する強い指導力、権限がなければなりません。
 一方で、都には、小池知事のスマートシティにかける熱意、宮坂副知事のデジタル人材を引きつける磁力があります。
 そこで、都は、新組織、GovTech東京を都の下請組織とすることなく、真の意味で都と協働し、都に指導力を発揮する組織に位置づけていくべきと考えます。宮坂副知事の所見を伺います。
 最後に、環境対策です。
 今年六月の我が会派の代表質問で、ZEVの普及のため、道路上のパーキングメーター設置エリアに充電器を設置していくべきと提案をいたしました。この後、都は、この提案を受けて、早速、国土交通省に対し実証実験の実施を申請しています。このほど採択を受け、本年度中にパーキングメーターなど都内三か所で実証実験を行うと公表しました。
 ドイツでは、街路灯に急速充電器を併設するなど、公道での充電を可能にする取組が進んでいます。日本初となるパーキングメーターを活用した取組は、世界的にも珍しく、先駆的な事例として注目を集めるはずです。
 そこで、今後のZEV普及に向けて、パーキングメーター設置エリアなどの公道への急速充電器の設置について早期に取り組むべきと考えます。所見を伺い、一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 伊藤ゆう議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、ウクライナの大学と都立大学との連携についてのお尋ねであります。
 世界を舞台に活躍できる人材の育成を図る上で、学生が異なる文化や価値観に触れ、その多様性について理解を深めることは重要です。このため、都立大学では、世界各地の大学と連携しまして、交換留学など学生同士の国際交流を進めてまいりました。
 現在の連携先にウクライナの大学は入っておりませんが、現地との交流などを通じまして、大学同士の関係をつくることは、学生の異文化理解を促すほか、国際情勢に対するアンテナを広げるなどのメリットがございます。
 ウクライナ情勢は依然として緊迫しております。まずは、大学の置かれた状況や支援のニーズを把握する必要があります。このため、在日ウクライナ大使館の協力をいただきながら、現地大学とのチャネルを開設してまいります。
 都としましても、こうした国際的な連携を目指す都立大学の取組を後押ししてまいります。
 次に、メタバースを活用した観光振興についてであります。
 デジタルの技術が急速に進歩することによって、バーチャルの空間で現実さながらの体験をし、人と人がつながり交流する機会も数多くつくり出されています。
 メタバースの持つ力を効果的に活用し、デジタル空間の中に東京の都市としての魅力の数々を再現して、リアルの世界での観光振興に結びつけることは、国際的な都市間競争に打ち勝つための重要な取組となります。
 最先端のデジタルの力を使い、アバターを通じて、伝統と革新が共存する東京の様子や、様々な交流と出会いを楽しみ、多彩な魅力を体感できる仮想空間をつくり上げてまいりたい。
 こうしたメタバースでの経験を持つ方に、リアルの東京の活気をしっかり伝えるハイブリッドの発信にも力を入れまして、国内外にファンを増やし、効果の高い旅行者誘致に結びつけてまいります。
 これらの取組を通じて、東京の優れた魅力を幅広く紹介して、世界から選ばれる観光都市としての地位の確立を目指してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、副知事及び関係局長から答弁をいたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) GovTech東京についてでございますが、これまで推進してきたデジタル化の歩みをさらに加速し、区市町村を含めた東京全体のDX実現へとステージを引き上げるため、官と民がフラットに協働し、政策イノベーションを起こす新たな仕掛けとして、新団体、GovTech東京を設立する構想を打ち出しました。
 シンガポールでは、僅か数年の間に多様な専門人材約三千名を確保し、国の各省庁の使いやすいサービスを実現、高い成果を上げています。
 こうした先行事例に学び、新団体では、大規模プロジェクトのプロジェクトマネジャーやシステムアーキテクトなど、高い専門性を有する人材を積極的に登用します。
 また、ユーザー起点のサービスデザインを描き、行政サービスをデジタルの視点でグローバルに俯瞰できる人材も登用してまいります。
 公共への志があり、技術的にも優秀な人材が新団体に魅力を感じ活躍できるよう、行政の枠組みでは難しい、民間を踏まえた給与水準や兼業、副業の仕組みなども用意していきます。
 また、DX戦略の策定と推進にも積極的に参画し、志のある人がやりがいを持って、十分に能力を発揮してもらえる組織をつくっていきます。そして、公共部門に広く人材を輩出していくことを目指していきたいと考えています。
 今後、東京のデジタルトランスフォーメーションを牽引する経営管理体制の具体化を図るなど、新団体と都が一体となって効果的に機能するよう、GovTech東京の設立に向け、全力で取り組んでまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 外国人の子供への日本語習得支援についてでございますが、東京に在住する外国人の子供が安心して暮らすためには、日本語を学べる環境が重要でございます。
 都は今年度、区市町村や区市の国際交流協会などと、地域における日本語教育の在り方について検討を始めたところでございます。
 検討会におきましては、初めて日本語を学ぶ方への支援体制が、地域によっては整っていないなどの課題が指摘されております。
 そこで、日本語教育のスキルやノウハウを持っている日本語学校の関係者に新たに検討会に参加をいただき、地域における、より実効的な体制構築を目指してまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外国人介護従事者の受入れ支援についてでございますが、都は、介護福祉士の資格取得を目指す留学生を雇用し、学費や居住費等を支給する介護施設等に対して、国制度を活用して補助をしております。
 しかし、国の定める補助率は、他の外国人介護従事者向け補助事業と比べて低いため、介護施設等の負担が大きく、活用が進んでいないことから、先般、国に対し、補助率の引上げを提案要求いたしました。
 また、介護施設経営者等に対するセミナーや指導担当者向け研修会、個別相談会を開催し、受入れに必要な知識やノウハウの提供なども行っております。
 今後、外国人介護従事者の円滑な受入れが進むよう、支援策の拡充について検討してまいります。
 次に、保育所における付加的保育についてでございますが、人格形成の基礎を培う乳幼児期に、様々な活動や遊びを通して子供の資質、能力を育むことは重要でございます。
 国は、多様なサービスへのニーズに対応できるよう、保育所保育指針に基づく範囲での付加的な保育について、区市町村に協議し、保護者の同意を得た上で、保育料とは別に利用者負担を求めて実施することは可能としてございます。
 本年八月、待機児童対策協議会で、付加的保育について区市町村と意見交換をしたところ、料金設定や保護者の同意の取り方などに関する共通の基準が必要などの意見をいただきました。
 今後、事業者等からも話を伺いながら、区市町村と連携して課題を整理するなど、円滑な運用に向けて取り組んでまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 公道への急速充電器の設置についてでございますが、ZEVの普及に向けては、車両購入に対する支援に合わせて、様々な場所で充電のできる仕組みをつくることが重要でございます。
 これまで都は、住宅や商業施設のほか、駐車場に充電設備を導入する場合の補助を行ってまいりました。
 また、公道への設置についても、貴重な充電スポットとなる可能性があるため、パーキングメーターのある都道などにおいて、今年度末までに急速充電器を設置し、試験的な運用を行います。
 これによりまして、運用開始から一年間、利用の度合いのほか、歩行者や他の車両への影響などに関し課題を調べ、本格運用に向けて検討を行ってまいります。
 こうした取組によりまして、利便性の高い公共的な場所での設置の可能性を検証し、ZEVの普及に結びつけてまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 八十六番小磯善彦君。
   〔八十六番小磯善彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○八十六番(小磯善彦君) 初めに、大規模国際イベントでの感染症対策について質問します。
 昨年、コロナ禍の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会が実施されました。非常に多くの外国人が来日する大規模国際イベントは、マスギャザリングといわれ、輸入感染症のリスクを考えなければなりません。
 都議会公明党は昨年四月、この大会に対する感染症対策について、予防接種専門協議会及び二十二の学術団体の代表者として、岩田敏国立がんセンター中央病院感染部長の陳情を受けました。その内容は、麻疹、風疹、髄膜炎菌などのワクチン接種を勧奨するものでありました。
 我が党は、これを真摯に受け止め、速やかに都知事につなぎ、最終的には、東京都によるリスク評価の結果、髄膜炎菌ワクチンを希望する医療関係者に接種することとなりました。
 今般、この経緯について、東京都より国立感染症研究所に報告され、研究所のホームページに掲載されております。
 報告書によれば、今回の取組は、都と組織委員会が独自に事業化したものであり、大会のレガシーとして、今後の大規模イベント開催時に参考になると述べています。事業の実施に取り組んだ知事の英断を高く評価します。
 そこで、都として、今後、大規模国際イベントが開催される際には、この大会の経験を生かして、感染症の流入に関するリスク評価を行い、大会関係者等の予防ワクチンの接種体制を含めた感染症対策に取り組むべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、バイオシミラーの取組について質問します。
 バイオ医薬品は、生物によって生産される物質に由来している医薬品であります。その後続医薬品がバイオシミラーになります。先行バイオ医薬品と同等、同質の品質、安全性、有効性が認められた後続医薬品ですが、その価格は先行バイオ医薬品の七割程度といわれ、薬剤費の負担が軽減されるという大きなメリットがあります。
 都として、バイオシミラー推進による医療費適正化を図るべきであります。都の医療費適正化計画は、来年度に改定が検討されますが、バイオシミラーの使用促進を盛り込むべきでありますが、見解を求めます。
 次に、がんの重粒子線治療について質問します。
 都議会公明党は、都立病院への重粒子線治療の導入を繰り返し求めてまいりました。重粒子線治療は、二人に一人ががんになる時代に、患者の体への負担を極力減らし、仕事と治療の両立が可能になります。
 そして、今年四月の診療報酬改定で、四年ぶりに粒子線治療の保険適用の対象となる疾患の範囲が拡大されました。
 都は今年度、重粒子線治療を含む最先端がん治療の方向性に関する調査を行うこととなりました。
 そこで、地方独立行政法人東京都立病院機構が行う調査状況を確認するとともに、調査検討については、都と法人が連携を図り進めることが重要と思いますが、見解を求めます。
 次に、障害者対応の割引ICカードについて質問します。
 障害者の方が公共交通機関などで割引を受ける場合、毎回窓口で障害者手帳を提示し、駅員などに確認してもらわなければならず、大きな負担となっています。知的障害者育成会から切実な声を受けて、都議会公明党は、議会質問、国交大臣への要望など、取り組んでまいりました。
 その結果、先週、交通事業者で構成する関東ICカード相互利用協議会は、障害者割引対応の新たなICカードサービスについて、来年三月に開始することを発表いたしました。
 新たなICカードサービスに当たって、これまでと同様、障害者のみならず、介護者も割引が適用されるよう求めてまいりました。また、制度の詳細、開始時期、手続の方法など、早く情報を関係者に丁寧に伝達し、手続がスムーズにできるよう、都は、同協議会と連携して取り組むべきであります。都の見解を求めます。
 また、交通局では、都内在住の身体障害者、知的障害者の方などには無料乗車券を発行しており、手帳を提示することなく無料で都営交通を利用できます。
 新しいICカードの導入に当たり、無料乗車券との連携を求めてまいりましたが、本サービスの都営交通での利用範囲と併せ、都の取組について答弁を求めます。
 私は今年、骨折で入院し、退院後約一か月間はつえを使う生活をしておりました。そこで不自由を感じたのが、つえを立てかけることができるつえホルダーなどがないトイレやカウンターであります。立てかけても、倒れると拾い上げるのに一苦労します。
 つえを必要とされる方の利便性向上のために、都は、つえホルダーなどの設置が進むよう取り組むべきであります。見解を求めます。
 また、都営地下鉄のトイレ、券売機付近のつえホルダーなどを設置するとともに、前立腺がんなどの手術後に尿漏れパッドを使わざるを得ない男性がいることから、障害等のある方が安心して都営地下鉄を利用できるよう、男性トイレの個室にサニタリーボックスの設置を進めるべきです。都の見解を求めます。
 次に、外堀浄化について質問します。
 外濠浄化プロジェクトを進めるためには、合流式下水道の改善策が重要であり、外堀の流域における大規模貯留施設の整備が完了する二〇二四年度以降は、雨天時の外堀への放流回数が大幅に削減されることとなります。
 一方で、外堀に流入する水量が減少して滞留水の長期化を招けば、新たな環境問題が危惧されるため、都議会公明党は、一刻も早い新たな水源の導入など、都の総力を挙げて対策すべきと何度も議会で訴えてきました。
 さらに、水質改善の早期実現に向けて、事業期間の短縮やコスト削減に資する設計と工事の一体発注、すなわちデザインビルド方式にすべきであります。
 都は本年五月に、外濠浄化に向けた基本計画を公表し、今年度より施設の基本設計を行うなど、玉川上水路を活用して外堀に導水する具体的な取組に着手したことは評価します。この基本計画では、河川水の導水が必要不可欠であり、そのための施設整備の完了を二〇三〇年代半ばを目指すとしています。
 そこで、都は、事業期間の短縮に向けて様々な工夫を行うとともに、二〇二四年度から整備完了までに必要となる対策に取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
 私は、令和二年第一回定例会において、外濠浄化プロジェクトの推進のために相当なコストが必要であると考え、東京グリーンボンドによる資金調達を提案し、知事は、充当対象の追加に向けて検討すると答弁しました。
 そこで、幾つもの局にまたがる外堀浄化に向けた事業の本格化が見込まれる中、都民や企業の共感を得ながら、グリーンボンドを活用していくべきと考えますが、見解を求めます。
 外堀は昭和三十一年、国史跡に指定され、江戸時代の往時の姿を残しながら、都心の貴重な水辺として、広く都民に親しまれる施設であり、水質浄化には子供たちの参加を重視すべきであります。
 そこで、本年第二回定例会における都議会公明党の代表質問において、新たに地元の小学生を対象とした外堀浄化について勉強会を開催するとの答弁がありましたが、子供向け勉強会の具体的な開催状況について説明を求めます。
 次に、多摩都市モノレールの町田方面延伸について伺います。
 二〇一六年、国は、多摩都市モノレールの町田延伸を事業化へ向けての具体的な調整を進めるべきと答申しました。都は、鉄道新線建設等準備基金の活用路線にも位置づけたところであります。
 二〇一九年から都は、町田方面延伸ルート検討委員会で検討を進め、本年一月に選定ルートを公表しました。検討委員会でモノレールの費用対効果の検証を行い、効果が費用を上回ることを確認しております。そして、今回のルートは、モノレールとまちづくりとの相乗効果の観点から最適と判断されるルートを選定したと都は述べています。
 さらに、リニア中央新幹線の新駅がJR横浜線橋本駅付近に開業することになっており、多摩地域の方々が多摩都市モノレールを利用してリニア中央新幹線に乗り継ぐなど、需要が増加し、経済効果も大いに期待できます。
 今後、町田市がまちづくりを検討する中で、駅位置などを想定しながら、新駅周辺等における開発計画の具体化や、沿線に立地する施設等と連携した取組などが進むことを都は期待をしております。
 都は、三年間かけて綿密に検討したルート検討委員会でのデータ、議論などを土台に、地元市が進めるまちづくりの取組を支援するとともに、今後の導入空間となる道路の計画を見据え、スピード感を持って検討を進めるべきであります。都の取組を求めます。
 盛土対策について質問します。
 都議会公明党はこれまで、盛土による土砂災害の未然防止に向け、現行法制度の不備について検討を求め、都は、関係局から成る会議体を早期に設置しました。
 また、都に対して、国へ積極的に提言し、さらに都の独自策を打ち出すべきと提言してきました。
 一方、国において、本年五月に宅地造成及び特定盛土等規制法、通称盛土規制法が公布されました。都のこれまでの取組状況と今後の安全確保対策について見解を求めます。
 最後に、ZEVの充電設備の導入促進について質問します。
 ゼロエミッション東京の実現のために、自動車のZEV化に向けた取組が重要であり、そのZEVの普及には充電設備が不可欠であります。
 都議会公明党は、その一つとして、今年の第一回定例会の本会議質疑で、パーキングメーターを想定して、公道への充電設備設置をいち早く求めました。
 また、設置が進みにくい既存マンションへの導入拡大も重要であり、支援策を検討すべきであります。
 今後、ZEVの普及をさらに加速させるため、住宅や事業所、コインパーキング、そしてパーキングメーター設置区間などの公道も含め、様々な場所に充電設備を整備して、これまで以上に利便性を高めていくことが必要であります。
 そこで、充電設備の設置促進について都の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小磯善彦議員の一般質問にお答えいたします。
 大規模国際イベントでの感染症対策についてのお尋ねでございました。
 海外から多くの方が訪れる大規模国際イベントにつきましては、感染症のリスクに応じた対策を講じることが重要です。
 東京二〇二〇大会では、コロナ禍という状況の中で、国、組織委員会と一体となって、水際対策や健康管理、行動管理等を徹底し、大会における新型コロナの感染拡大を防止いたしました。
 また、輸入感染症についてリスク評価を行い、組織委員会と連携しまして、医療スタッフに対する髄膜炎菌ワクチンの接種などの対策を実施いたしました。
 今後、大会でのこうした取組を生かしまして、東京iCDCの専門家等の知見も得ながら、大規模国際イベントの安全・安心な開催に向けまして、主催者と連携して感染症対策に取り組んでまいります。
 なお、その他の質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、医療費の適正化についてでございますが、高齢化に伴う医療費の増大が見込まれる中、持続可能な医療保険制度の確保を図るため、都は、国の基本方針に基づき、来年度までを期間とする第三期東京都医療費適正化計画を策定し、生活習慣病の重症化予防や後発医薬品の使用促進などに取り組んでおります。
 バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と同等の効果で低価格のため、国は、その使用による医療費適正化効果を踏まえ、使用促進の目標値を今年度中に設定することとしております。
 こうした国の動向や適正化計画の次期改定に向け示される基本方針等を踏まえ、バイオシミラーも含めた後発医薬品の使用促進などによる医療費の適正化について、医療関係者等の意見も聞きながら、都の実情に応じた取組を検討してまいります。
 次に、最先端がん治療の方向性に関する検討についてでございますが、今年度、地方独立行政法人東京都立病院機構が行う調査では、がん治療における手術療法、薬物療法、放射線療法などの現状のほか、現在、研究開発段階にある最先端がん治療法の詳細や、今後の技術動向等を整理した上で、患者数見込みや他の医療機関での導入状況、事業採算性などを取りまとめる予定でございます。
 調査に当たっては、都立病院の医師のがん治療に関する豊富な知見や、民間事業者の有する粒子線治療を含むがん治療関連業務のノウハウを活用してまいります。
 都は、この調査の進捗状況を定期的に確認し、年度内に報告を受けることとしており、都と法人が連携して着実に取り組んでまいります。
 最後に、トイレ等へのつえホルダーなどの設置についてでございますが、都は、高齢者や障害者等が円滑に施設を利用できるよう、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルに、利用者に配慮した望ましい整備項目を掲載してございます。
 その中で、カウンターや店舗内のレジ前等につえを立てかける場所を設けた例や、車椅子使用者対応トイレや一般トイレにつえをかけるフックを設置した例を示しております。
 こうしたマニュアルの内容について、今後、都内の公共交通機関や店舗の管理者等で構成する連絡協議会等で改めて周知することで、事業者団体等や区市町村につえホルダーの設置など、利用者に配慮した対応を促してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者割引に対応したICカードについてでございます。
 誰もが生き生きと生活できる都市を実現する上で、公共交通のバリアフリー化を促進することは重要でございます。このICカードの導入により、鉄道やバスの利用の都度、障害者手帳を提示する手続が不要となることから、都は国と連携し、事業者に導入を働きかけてまいりました。
 本年九月、交通事業者で構成する協議会は、割引対象の障害者本人だけでなく、介護者も対象として、来年の三月中にサービス開始予定であることや、首都圏などのSuica、PASMOエリアの鉄道やバスでこのカードが使えるようになること、駅の窓口等で購入可能となることを発表いたしました。
 都としましても、サービスの詳細な内容や手続等について利用者にしっかり周知するよう、関係者に求めてまいります。
 次に、外堀の浄化についてでございます。
 水の都東京を実現するためには、歴史的財産である外堀の水質改善の取組を進め、都民に癒やしの場を提供するとともに、品格ある景観を形成していくことが重要でございます。
 外堀の水質改善に向けましては、新たな導水路の整備など、恒久的な取組を基本計画として取りまとめました。今後は、早期完成を目指して、既存施設等を最大限活用する検討を行い、導水路の設計など施設整備に取り組んでまいります。
 また、完成するまでの水質改善に向けて、アオコの発生を抑制するため、暫定的な対策を継続するとともに、新たな流入水として、地下鉄トンネルの湧き水などの活用を検討してまいります。
 引き続き、国や地元区とも連携しながら、人々が憩い、地域に親しまれるよう、外堀の水辺再生を着実に進めてまいります。
 次に、外堀の子供向け勉強会についてでございます。
 将来にわたり水と緑の空間を残していくためには、子供たちに外堀の歴史的価値や維持管理の大切さを伝え、水辺環境を学ぶ機会を充実させていくことが重要でございます。
 このため、本年六月から七月にかけて、地元新宿区と連携して、地域の小学生を対象に子供向け勉強会を開催し、座学での歴史授業や現地での水辺見学を実施いたしました。
 子供たちからは、外堀の未来への展望などについて、パソコンで作成した資料やポスターなど、様々な形式で発表が行われ、水辺環境の重要性や水質改善に向けた心がけなど、子供ならではの率直な意見が多く出されました。
 引き続き、関係区と連携を図りながら、子供向け勉強会を通じて、子供との対話や意見聴取に努め、外堀の水辺空間を生かした魅力あるまちづくりにつなげてまいります。
 次に、多摩都市モノレールの町田方面延伸についてでございます。
 延伸により開業区間と一体となり、南北方向の拠点が結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。延伸に向けては、収支採算性の確保等に加え、導入空間となり得る道路整備が課題であるため、学識経験者等から成る委員会でルートを選定し公表いたしました。
 このルートを基に、町田市と多摩市は、まちづくり構想の令和五年度の策定を目指し、先月、検討会を立ち上げたところであり、需要創出に向けた新たな沿線開発等のまちづくりに加え、リニア中央新幹線の新駅開業等による広域的な集客も想定し、検討を進めております。
 都としましては、検討会に参画し、さきの委員会での成果も生かして、地元市が進めるまちづくりの取組を支援するなど、関係者と事業化について協議、調整を進めてまいります。
 最後に、盛土対策についてでございます。
 都は、昨年十二月に、関係六局で盛土のあり方検討会議を設置し、現行法令の運用上の課題などの共有化や、国の動きの把握などに努めてまいりました。
 その後成立した盛土規制法は、土地の用途にかかわらず危険な盛土等を包括的に規制するものとなっており、課題の解決に有効であると認識しております。
 都は、令和六年度を目途に、新たな法に基づく制度に移行するため、規制区域の指定に向けて、今回の補正予算により基礎調査に着手するとともに、許可対象の拡大も踏まえ、庁内連携などを強化いたします。さらに、国に対しては、必要な支援などを引き続き求めてまいります。
 こうした取組により、都民の安全を確保してまいります。
   〔交通局長武市玲子君登壇〕

○交通局長(武市玲子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者用ICカードサービスについてでございますが、このサービスは、対象となる障害者ご本人に加え、同行する介護者が障害者手帳等を提示することなく、自動改札機等の利用で割引が受けられるものであり、来年三月中にサービスが開始される予定でございます。都営交通では、地下鉄をはじめ、都営バス、東京さくらトラム、日暮里・舎人ライナーでご利用いただけることとなります。
 また、交通局では、都内在住の身体障害者、知的障害者の方等に都営交通無料乗車券を発行しております。この乗車券につきましては、関東ICカード相互利用協議会と調整を進め、来春のサービス開始と同時に、障害者用ICカードと一体化し、ご利用いただけることとなりました。
 引き続き、円滑なサービス開始に向けて準備を進めてまいります。
 次に、都営地下鉄におけるサニタリーボックス及びつえホルダー等の設置についてでございますが、都営地下鉄では、全ての車椅子使用者対応トイレ及び女性用トイレにサニタリーボックスを設置しております。
 今後、前立腺がんなどにより尿漏れパッド等を使用しているお客様に、より安心してご利用いただけるよう、男性用トイレ内にある簡易型車椅子使用者用個室にもサニタリーボックスを設置してまいります。
 また、つえホルダー等につきましては、これまでトイレの改良工事によるほか、駅係員のサービス推進活動の一環として設置しており、全駅のトイレや券売機付近等へ設置を進めてまいります。
 今後とも、誰もが安心して都営地下鉄を利用できる環境づくりに取り組んでまいります。
   〔財務局長吉村憲彦君登壇〕

○財務局長(吉村憲彦君)東京グリーンボンドの活用についてでございますが、グリーンボンドは、CO2削減や自然環境保全など、環境問題の解決に資する事業に使途を限定した債券であり、都では、国際的な原則に基づき、第三者機関の評価を取得し、適格性や透明性の確保をした上で発行をしております。
 こうした中、外濠浄化プロジェクトは、水の都東京をよみがえらせるため、東京の歴史的財産である外堀の水質改善を進めるものであり、都の環境施策を推進し、都民や企業のオーナーシップ意識の喚起を目的とする東京グリーンボンドとも親和性のあるものと認識してございます。
 このため、外堀の水質浄化に対するグリーンボンドの充当については、今後、事業の進捗状況に応じた経費の性質や内容、環境改善効果などを踏まえ、第三者機関と調整を行いながら可否の検討を進めてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 充電設備の設置促進についてでございますが、ZEVの普及に向け、車両購入の支援に合わせ、様々な場所で速やかに充電のできる仕組みの整備が重要でございます。
 これまで都は、住宅や商業施設のほか、駐車場に充電設備を導入する場合、国と協力し、自己負担の生じない支援を行ってまいりました。
 また、充電設備の集合住宅への円滑な導入を図る協議会を設立したほか、今後は、事業所がEVとの間で充放電のできる設備導入への助成も開始いたします。
 さらに、今年度末までに、パーキングメーターのある都道等に駐車時間内で急速な充電のできる機器を設置し、一年間の試験運用を行い、利用の度合いや歩行者、ほかの車両への影響等の課題を調べ、本格運用に向け検討を行います。
 こうした取組によりまして、日々の暮らしで身近な、様々な場所での充電を可能とし、ZEVの普及に結びつけてまいります。

○議長(三宅しげき君) 十五番清水とし子さん。
   〔十五番清水とし子君登壇〕

○十五番(清水とし子君) 日野市は、一九九八年に農業基本条例を制定し、農業を基幹産業として位置づけ、学校給食への地場野菜の利用、農の学校での援農ボランティアの養成などに取り組み、二〇一九年には生産緑地の貸借制度を活用して、全国初の女性新規就農者が誕生しました。東京の農業、農地を守り、発展させていくために質問をいたします。
 最初に、学校給食への地場野菜の活用についてです。
 東京の農業政策を考える上で、学校給食は重要な役割を果たしています。地域の食文化や農業への理解を深める食の教育、農業者の安定した販路、地産地消による環境負荷の低減にも寄与しています。
 都として、地場野菜の学校給食への活用を通じて、食育の推進、地産地消、持続可能な農業を推進していくべきと考えますが、いかがですか。
 国は、第四次食育推進基本計画で、学校給食における地場産等の目標設定値を食材数ベースから金額ベースに見直すことで、その割合を維持向上させていく方針を出しました。都はこれをどう受け止め、対応していますか。
 また、利用実態を把握し、利用促進に資する調査方法を検討すべきと考えますが、いかがですか。
 学校給食への地場野菜の利用を増やすには、農家と学校の栄養士をつなぐコーディネーターを配置した供給しやすいシステムや、農業者の負担を軽減する配送システムの構築が欠かせません。
 しかし、このようなシステムは、売上げだけで賄えないのが実態ですが、現在ある都の支援制度は三年間の限定です。
 東京都市長会も、来年度予算編成に対する要望書で、学校給食へ地場産農産物をより多く、より供給しやすいシステムの構築、農業者の負担を最低限に抑える配送システムの構築を求めています。都の支援制度のさらなる拡充を求めますが、いかがですか。
 栄養教諭からは、地場産の野菜は自治体で価格を決めて給食用に買い取っているところはよいが、学校で普通に買っているところは使えないという声が寄せられ、JAからも、行政などの位置づけがないと価格に左右されやすいと伺いました。
 小平市では、市内農産物等を使った学校に対し補助金を出す仕組みをつくり、利用が一気に増えました。都としても、地場野菜を利用しやすくするために農家等への財政的支援を求めますが、いかがですか。
 次に、農地の確保について伺います。
 生産緑地の貸借制度はできましたが、特定生産緑地の期限は十年間、相続が発生した場合には途中で返却することになりかねません。そのため、実際の貸借期間は大抵五年以内だそうです。
 これでは、年数がかかる果樹栽培はできませんし、貸借契約期間が短いと施設の補助金制度も利用できません。新規就農者が安定して農業を継続するために、長期の貸借を促す支援策が求められます。
 東京都農業会議の東京都の農業振興・農地保全施策に関する意見でも、長期間の農地貸借を促す奨励金制度や、荒廃農地の無償譲渡または十年以上の無償貸付をする場合の再生支援制度の創設を求めています。都として農地の長期貸借や荒廃農地の再生に対する支援を求めますが、いかがですか。
 現在、都は、区市の生産緑地買取りに対して二分の一補助を行っています。
 日野市では昨年、生産緑地の買取り申出は十五件あり、総額は約五十三億四千万円、一件当たり三億五千万円です。半額補助ではとても買い取ることはできません。補助率の抜本的な引上げなど、制度の拡充を求めますが、いかがですか。
 相続税を払うために農地を売らなければならないという問題を解決しなければ、農地は残せません。農業に必要な集荷施設や農機具倉庫、屋敷林なども納税猶予の対象にするなど、納税制度の改善を都として国に要望することを求めますが、いかがですか。
 国は、みどりの食料システム戦略で有機農業の割合などの数値目標を掲げました。しかし、農家からは、有機栽培に取り組んでも消費者は価格の安い方を選ぶ、これではやる気にならないという声も寄せられました。有機農業への転換を促すには、安定した販路の確保が不可欠です。
 国は、有機農業に取り組む市町村の取組を推進するための支援制度を開始しました。その中で、消費先の柱に学校給食を位置づけています。
 また、有機農業を推進している千葉県のいすみ市でも、学校給食を有機農産物の安定した販路として位置づけています。
 都として、有機農業を普及していくためには、有機肥料等への支援を行うとともに、有機農産物の安定した販路を確保するための支援が必要ですが、いかがですか。
 東京の農地は減少を続けているものの、都民の八割は農地、農業を残したいと思い、生産緑地の貸借制度を活用した新たな担い手も生まれています。また、コロナ禍やウクライナ危機を教訓に、農業資材などの国内回帰の動きも起きています。
 今、東京都の農業振興プランの見直し作業では、持続可能な農業の取組の中で、学校給食との連携が議論されています。こうしたことを踏まえ、都の今後の農業施策を抜本的に拡充強化すべきですが、知事の見解を伺います。
 次に、聞こえの支援、補聴器補助制度の拡充についてです。
 二〇二二年五月二十五日、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律が制定されました。行政は、障害のある方はもとより、障害者でない方による情報の取得にも資する施策展開が求められることになります。
 聞こえの支援では、高齢難聴者のような方々も含めて、本人の望む形で、必要な情報を取得し利用することが保障されるようにしていくことが必要となりますが、いかがですか。
 加齢性難聴は、本人が気づかないうちに進行していたという声も寄せられています。できるだけ早期に難聴高齢者を発見し、適切な支援を行うには、健診での聴覚検査などが必要ですが、職場健診には聴覚検査が入っているのに、高齢者の健診には入っていません。
 高齢者健診の項目に聴覚検査を入れるよう、都として国に求めるとともに、それまでの間、健診などに取り組む区市町村を支援することを求めます。
 また、聞こえの相談会など、聞こえづらさを抱えた人を医療につなぐ自治体の取組が進んでいますが、都としてこうした取組を支援していくことが必要ではありませんか。
 補聴器は、その方に合った丁寧な調整が必要です。細かい調整ができる補聴器は十万から十数万円もします。都内自治体で助成制度が広がっていますが、その補助額は、多くが二から三万円台です。自己負担が大きく断念する方や、財政力の違いによる自治体間の差が生まれてはなりません。
 現在、区市町村に行っている補聴器に関する包括補助の補助率を抜本的に引き上げるべきと考えますが、いかがですか。
 次に、雨天時浸入水対策への支援です。
 多摩地域では、豪雨の際に老朽化した下水管に雨水や地下水が浸入し、下水の量が急増します。
 日野市では、豪雨時に浅川水再生センターが受入れ流量を制限したために、下水が都の流域下水道幹線のマンホールからあふれ出し、近隣の住宅に流れ込むという被害が度々引き起こされています。
 家のトイレから下水があふれてくるのを必死で抑えた、水が引いた後も玄関やガレージに汚水の臭いがしたなど、近隣の方々の被害は深刻です。
 溢水は下水道管への浸入水により起きるのですが、直接的な原因の一つは、最終的に処理をする都の水再生センターが受入れ水量を制限したことであり、溢水箇所は都の流域下水道幹線のマンホールです。都としてこの事態をどう受け止めていますか。
 日野市では、雨天時浸入水対策工事を優先度をつけて行っていますが、計画完了には十年はかかります。雨天時浸入水対策は、市町村の対策を促進するための財政的支援と、都の水再生センターの受入れ水量を増やす緊急対策の両方が求められています。
 東京都市長会や三多摩上下水道及び道路建設促進協議会もそれを繰り返し求めています。都として要請に応えるべきではありませんか。
 最後に、日野市の元副市長をめぐる疑惑問題についてです。
 組合施行の川辺堀之内土地区画整理事業において、日野市の元副市長が市の補助金を詐取した事件は、今年五月、懲役二年、執行猶予四年の有罪判決が確定しました。
 その後、不正な公金の支出は組合の理事、監事、職員全員に及び、その額は市の補助金四億一千万円をはるかに超える約六億七千万円に上ることが明らかになりました。
 組合施行の区画整理事業の監督権限を持つ東京都は、なぜこれだけ大規模で長期間にわたる不正を見逃したのでしょうか。
 都がこの不正に気づくべき機会はありました。それは、不正が行われている最中の二〇一七年七月に、都民から寄せられた、元副市長が当該組合の理事長相談役をしているのではないかという問合せで、元副市長が地方公務員法に反する兼職の可能性を示唆するものでした。
 都は、この問合せに関してどのような調査をしたのでしょうか。その際、元副市長を理事長相談役とすることを諮った理事会の会議録は確認していますか。
 理事会の会議録には、現在、日野市立病院市長代行の職をおやりになっている河内氏にお願いしたい旨を理事会に提案しとあり、地方公務員法の兼業禁止に当たることは明白です。都はなぜ、このことを問題としなかったのですか。
 また、この調査の中で都は、元副市長個人が当該組合と業務委託契約を結んでいたことも確認しています。当該組合のコンサルタント業務は、既に日野市企業公社に委託されていたのに、元副市長にも業務委託契約を結ぶのは不自然です。
 さらに、個人と契約することそのものも、都の組合施行区画整理事業の手引にある、十分な技術的能力及び、高い信頼性を有した業者を入札等によって選定するというやり方に反しています。なぜ、都の手引にも反する元副市長と当該組合の業務委託契約を容認したのですか。
 都と共に日野市も組合に対して必要な助言指導を行うことになっています。都はなぜ、明らかになったこれらの事実を日野市に情報提供しなかったのですか。
 都が監督する組合施行の区画整理事業で起きた不正問題で有罪が確定したことをどう受け止めていますか。
 不正の全容解明は途上にあります。都がこれまでの対応を猛省し、不正の全容解明に全力を尽くすことを求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 清水とし子議員の一般質問にお答えいたします。
 都の農業施策についてのお尋ねです。
 東京の農業は、都民に新鮮な野菜を提供し、防災や環境保全等の多面的な機能を有しております。
 このため、農業経営の下支えを行うほか、生産の基盤となる農地を次世代に承継するサポートを速やかに進めてまいります。また、農地と担い手のマッチングの後押しも行います。
 東京産食材の魅力を発信し、学校給食への提供など、地産地消を推進してまいります。
 持続可能な東京農業の実現に向けて施策を展開してまいります。
 その他の質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をいたします。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 給食における地場産物等の使用についてでございますが、都教育委員会は、都立学校及び区市町村教育委員会に対して、国が示した目標値を周知し、地場産物等の活用を促しております。
 また、使用実態を把握するため、文部科学省により、年に一回対象校を抽出し、地場産物等の金額に関する調査が行われております。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、都内産の野菜の学校給食での活用についてでございますが、都では、都有地を活用し農場運営を行い、そこで生産された野菜を給食の材料として都内の小中学校へ供給し、地産地消を推進しております。
 次に、都内産の野菜の学校給食での活用支援についてでございますが、都は、区市町村等が地元で取れた野菜について、地産地消を進める取組を支援しており、学校給食への供給に係る経費の一部にも補助を行っているところでございます。
 次に、都内産の野菜の学校給食での利用促進についてでございますが、都は、区市町村等が地元で取れた野菜を学校給食へ供給する場合の経費の一部に補助を行っております。
 次に、農地の長期貸借や再生についてでございますが、都は、農地の貸手と借手のマッチングを後押しするほか、借手による農地整備に対する支援を行っております。
 次に、区市による生産緑地の買取りへの支援についてでございますが、都では、区市が生産緑地を買い取る場合に、その経費に補助を行う仕組みによりまして、引き続き都市農地の保全を進めてまいります。
 次に、農業に係る相続時の納税猶予についてでございますが、都は、農業経営に必要な施設の用地などを相続時に納税猶予の対象とするよう、国に対し要望を行っております。
 最後に、有機農業の普及についてでございますが、都は、化学肥料の使用を減らし、堆肥を使う農家の取組を後押しいたします。
 また、農薬を削減し野菜を生産する農家を飲食店に紹介するなど、販路開拓の支援を行っております。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、高齢者等に対する聞こえの支援についてでございますが、高齢者や障害者をはじめ、全ての人が必要な情報を容易に入手できる環境を整備することは重要でございます。
 このため、都は、情報伝達の際に、障害特性等に応じた必要な配慮等について記載した情報バリアフリーガイドラインを策定し、区市町村や事業者が、聴力の弱い方々にとって聞こえやすい環境を整備する取組を促進してございます。
 次に、高齢者の聞こえの相談会についてでございますが、この相談会は、区市町村が独自に実施している事業と承知しております。
 都は、区市町村が地域の実情に応じて主体的に実施する高齢者への福祉サービスの充実に資する事業を包括補助で支援しており、区市町村からの申請について審査を行い、適切に対応しております。
 最後に、高齢者への補聴器支給等についてでございますが、都は、区市町村が行う高齢者への補聴器支給等の事業を地域の実情に応じて柔軟に実施できるよう、包括補助事業の選択事業として支援しており、補助率は二分の一となっております。
 これによる補助実績は、平成三十年度の二自治体から、令和三年度は十二自治体へと増加しております。
   〔下水道局長奥山宏二君登壇〕

○下水道局長(奥山宏二君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、流域下水道幹線の溢水についてでございますが、浅川水再生センターは、汚水を処理する分流式下水道施設でありまして、大量の雨水の受入れは想定しておりません。
 豪雨時に市町村が管理する公共下水道の汚水管から、本来は流入することのない雨水が流域下水道幹線に大量に流入した場合には、設備の浸水などによる水再生センターの機能喪失を防ぐために、流入水量の調整が必要となります。
 汚水管に雨水が浸入する雨天時浸入水対策は、国のガイドラインでは発生源対策が基本とされておりますが、流域下水道を管理する都も、公共下水道を管理する市町村と連携して取り組んでおります。
 次に、雨天時浸入水対策への支援についてでございますが、雨天時浸入水対策は、発生源対策が必要であることから、都では、流域下水道幹線内の水位を測定し、その情報を市町村と共有することで原因箇所を絞り込み、市町村の効果的、効率的な対策につながるよう、技術支援を実施しております。
 引き続き、市町村への技術支援を通じて、雨天時浸入水対策を促進してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、区画整理事業の問合せへの対応についてでございます。
 都は、平成二十九年七月に、元副市長の当該区画整理組合の相談役への就任の有無について、都民からの問合せがあったことを受け、組合に確認を行いました。
 元副市長の相談役への就任につきましては、組合から、総会に諮り組合員に了解を得ているとの回答を受けるとともに、理事会議事録等により確認しております。
 なお、問合せをいただいた都民に対しては、その旨を伝えております。
 次に、元副市長の相談役への就任についてでございます。
 都は当時、都民から、元副市長の組合相談役への就任の有無について問合せを受け、そのことについて組合から、総会に諮り組合員に了解を得ているとの回答を受けるとともに、理事会議事録等により確認したものでございます。
 次に、組合と元副市長との業務委託契約についてでございます。
 都民からの問合せを受け、相談役への就任の有無について確認した際に、当該区画整理組合が元副市長と業務委託契約をしていたことを把握したものであり、書類上明白な法令違反は認められませんでした。
 次に、業務委託契約に関する情報提供についてでございます。
 当時、業務委託契約について、書類上明白な法令違反は認められず、日野市には情報提供しておりません。
 最後に、元副市長に対する判決についてでございます。
 本年五月に元副市長を被告とする詐欺事件の有罪判決が確定したことは承知しております。
 なお、都は、令和二年二月に当該組合の事業運営に関する調査の依頼を日野市から受け、調査を進める中で組合の会計の不正に関して把握したことから、同年五月に是正の勧告を実施しております。
 今後とも、土地区画整理法に基づき、地域のまちづくりを主体的に行う地元市とも連携し、組合に対して必要な指導等を実施してまいります。

○議長(三宅しげき君) 八十九番田村利光君。
   〔八十九番田村利光君登壇〕

○八十九番(田村利光君) 去る八月十八日、西山賢都議会議員がご逝去されました。心よりご冥福をお祈りし、西山議員の分まで都政に力を尽くすことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 気候変動対策と生物多様性保全策について伺います。
 世界各地において、熱波や山火事、ハリケーンなどの記録的な自然災害が発生し、日本でも数十年に一度といわれる集中豪雨や巨大台風が各地を襲い、河川の氾濫や崖崩れなど、甚大な被害をもたらしています。
 このような状況の大きな要因として挙げられるのが、気候変動と生物多様性の損失です。IPBES-IPCCの合同報告書でも、気候変動のみに焦点を絞った対策は、自然や自然の恵みに直接的、間接的に悪影響を及ぼす可能性があると指摘しています。
 東京が将来にわたって持続可能な都市であり続けるためにも、気候変動と生物多様性の双方を考慮した対策を進める必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、生物多様性地域戦略の改定について伺います。
 先般、都が公表した中間のまとめでは、三つの基本戦略と基本戦略ごとの行動目標を設定しています。
 行動目標の一つに、私が第二回定例会で質疑を行った希少野生動植物に関する新たな野生絶滅ゼロアクションが掲げられていますが、東京都レッドリスト二〇二〇を見ると、既に絶滅している種が、本土部で二百七種に上り、直近の十年間では、植物や昆虫を中心に新たに八十種が絶滅種となっていることが分かっています。
 目標達成のためには、絶滅危惧種を増やさない取組も必要であると考えます。都の見解を伺います。
 生物多様性の源は土であり、その土が源である農業についてお聞きします。
 ウクライナ情勢等により、化学肥料の原料の需給が世界的に逼迫しています。こうした中、さきの第二回定例会において、環境に優しい堆肥の積極的な使用などにより、化学肥料の削減を目指す農業者の取組を後押ししていくべきであると質問し、都からは、土壌診断の実施や講習会の開催により、堆肥の活用を促進するとの答弁がありました。
 しかし、その後も肥料原料の逼迫が続いており、化学肥料よりも入手しやすい堆肥の活用を進めることは重要です。
 都は、堆肥の利用が一層進むよう、農業者の負担の軽減を図るべきであると考えますが、見解を伺います。
 肥料や飼料とともに、需給が逼迫しているのが木材です。ウクライナ情勢を受けた我が国の輸入禁止措置などにより、合板の主原料であるロシア材の丸太は入荷が止まっています。それらにより、外国産の丸太価格は高止まりの状態が続き、住宅関係者や家具メーカーの間では、多摩産材を含む国産木材への関心が高まっています。
 そのような中、戦後の高度経済成長期に植えられた多摩地域の杉やヒノキは、既に木材としての利用に適した時期を迎えています。森林循環の促進を図るためにも、計画的に伐採を進め、木材として利用することが重要です。
 都は、そうした状況を踏まえ、多摩産材の新たな販売先を開拓するなど、その活用が一層進むよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、移住、定住の促進について伺います。
 都は先般、有楽町に移住定住相談窓口を開設しました。私も訪問しましたが、誰でもいつでも相談ができる窓口の大切さを実感しました。
 一方で、窓口で相談をしても、いきなり住居を移すとは考えにくく、その前に地域を訪れ、地元の方たちと関わりを持つことが重要だと考えます。
 実際、私の知人も、西多摩に移住する二、三年前からよく遊びに来て、地元の人たちと交流し、決断したとのことです。そして、移住してからは、自ら友人に西多摩地域のすばらしさをPRし、その中から六、七組の移住者が生まれたそうです。
 例えば、定期的に地元の祭りや盆踊りに参加することも、地域との関わり方の一つとして挙げられると思います。
 そこで、地域と関わりを持ちつつ、一歩一歩着実に地元との関係を築いていくことができるよう、移住、定住を希望する人たちを都として後押ししていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。
 移住、定住のためには、仕事や防災のための通信環境整備も必要です。都内には、通信環境が脆弱な地域がまだ存在し、その解消のため、都は今年度から、島しょ地域の町村への計画策定や基盤整備に対する財政支援を開始しました。西多摩地域でも、住民の生活環境を確保するために、通信困難地域の解消は重要です。
 そこで、西多摩地域の通信環境の整備に向けた今後の取組について伺います。
 通信環境と同じく、移住、定住のポイントになるのが移動手段の充実です。私はかねてから、都が広域調整機能を発揮し、区市町村間の連携に基づく取組を促していくべきと申し上げてきましたが、三月にまとめられた基本方針では、区市町村間連携という視点が盛り込まれました。
 そこで、西多摩地域における広域連携の取組について伺います。
 また、現在、あきる野市で実証実験の行われているデマンド交通などを広域化する場合は、データの利活用が必須になります。
 そこで、利用者目線を踏まえたデータ利活用に関わる取組状況について伺います。
 公共交通の充実に欠かせないのが道路整備です。私の地元福生市、羽村市、青梅市を南北に貫く西多摩地域の屋台骨となる福生三・三・三〇号線、通称、西多摩産業道路は、沿道に数多くの工場が集積し、物流の主要路線として地域の経済産業の振興に寄与しています。
 現在事業中の区間が完成すると、圏央道へのアクセス性が強化されるなど、その事業効果は極めて大きく、地元市も、一日も早い完成を求めています。
 一方、道路の新設に伴い、沿道住民からは、従前よりも道路の使い勝手が悪くなることを危惧する声も聞こえてきます。整備に当たっては、地元の方々の利便性に配慮して進めることも欠かせません。
 そこで、福生三・三・三〇号線の現在の整備状況について伺います。
 また、西多摩地域で期待されている地域公共交通の代表が、多摩都市モノレールの延伸です。多摩都市モノレール延伸は、このたびようやく、箱根ケ崎方面の延伸計画及び関連する都市計画道路の都市計画素案が作成され、延長約七キロメートルの間に設置される新設の駅位置も定まり、十月から地元説明会が開催されることになりました。
 沿線の瑞穂町、武蔵村山市及び東大和市で策定したモノレール沿線まちづくり構想の具体化にも拍車がかかるものと期待されます。
 そこで、都はどのように沿線二市一町と連携を図り、モノレール延伸と沿線でのまちづくりを促進していくのか見解を伺います。
 また、永住するつもりで移住をする場合、高齢者が住みやすいまちであることは必須条件です。しかし、東京都では、二〇二五年度には三万一千人の介護人材が不足する見込みであり、介護人材の確保は喫緊の課題です。
 こうした中、人材確保の一つの方法として、外国人介護従事者の受入れを進めていくことが効果的と考えます。
 例えば、技能実習制度は、国において制度改正が行われ、特定技能への移行や介護福祉士資格を取得することで、在留期間に制限のない在留資格、介護に移行することが可能となり、日本で就業を継続できるようになりました。
 今後、技能実習生や留学生など、外国人介護人材の受入れに取り組む事業所等への支援がますます重要になると考えますが、都の見解を伺います。
 若い世代が移住を決断する場合、保育、教育環境の整備が大きく影響します。今、東京都では、待機児童問題が、保育、幼育の現場から、小学生の学童クラブの待機児童問題へと移行しつつあります。
 そのような中、都は今年度より、学童クラブの待機児童の早期解消を目指して、区市町村が地域の実情に応じて実施する多様な対策を支援していますが、区市町村からの申込み状況と、普及に向けた都の取組について伺います。
 また、地域の教育の課題としては、公立中学校の部活動の地域移行が注目を集めています。国の検討会議においてまとめられた提言書では、令和五年度から休日の部活動の地域移行を進めるとしています。しかし、国からは、まだ今後の方針について通知されていない状況にあります。
 そのような中、都は、予算特別委員会での我が会派の要望に応え、部活動検討委員会を設置し、実施主体である区市町村のために、国に先んじて基本計画の策定に取り組んでいます。
 一方、部活動の地域移行については、地域にあるスポーツや文化芸術の様々な団体等の協力が重要ですが、移行後の受皿の一つとして期待される地域スポーツクラブの関係者からは、提供される情報が少なく不安だとの声も聞きます。
 今後、部活動の地域移行を進めていくことを考えると、的確な情報提供を行うとともに、都として地域のスポーツ環境の充実に取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
 最後に、都庁のデジタル化に関する取組について伺います。
 昨年、都が行ったデジタル化に関する都民の実態調査によれば、デジタル化に関する都民の総合満足度は二五%と、海外主要五都市の六三%と比較し低い水準にあり、これを高めることは重要な課題です。
 デジタルサービス局では、都庁各局のデジタルの取組を支援しており、昨年度は約二百五十件、今年度も既に二百件を超える実績があり、現場の業務改善につながる優れた取組も出始めていると聞いています。
 今後、さらに都民に喜ばれるサービスを生み出していくためには、これまで蓄積されたノウハウを基に各局支援の充実強化を図ることが必要と考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 田村利光議員の一般質問にお答えいたします。
 気候変動と生物多様性対策の連関についてのご質問がございました。
 人間活動や気候変動などによりまして、世界中で生物多様性の劣化が進んでおります。そして、地球規模の深刻な環境問題として、対策の必要性が急速に高まっております。
 気候変動と生物多様性には相互に密接な連関があり、二つの課題を同時に解決していくことが重要です。
 そこで、都は、新たな環境基本計画におきまして、気候変動対策の強化、徹底や、生物多様性回復を図るネイチャーポジティブを掲げ、双方に貢献する施策を多面的に展開することといたしました。
 例えば、省エネや再エネ導入などのCO2抑制策を強力に進め、気温上昇や集中豪雨等による生物多様性損失の防止につなげてまいります。
 また、大規模な新築建物に対しましては、省エネ性能、再エネ対策の強化だけではなく、生物多様性の保全を目的に、在来種による植栽や生き物の生息域に配慮した緑化等をさらに推進してまいります。
 生物多様性との連関を十分に考慮した気候変動施策を横断的、総合的に進めることで、五十年、百年先も魅力的で豊かな都市である東京を実現してまいります。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 福生三・三・三〇号線の整備についてでございますが、本路線は、福生市熊川から青梅市新町に至る約六キロメートルの地域幹線道路であり、西多摩地域における南北方向の交通の円滑化等に資する重要な道路でございます。
 現在、多摩橋通りから富士見通りまでの六百五十メートルの区間で事業中であり、このうち、多摩橋通りから都道第一六五号線までの約三百メートルの区間については、先行して来年二月に交通開放する予定でございます。
 引き続き、地域の交通の状況を見ながら、地元の自治体や住民へ適切に対応していくとともに、丁寧な説明を行い、理解と協力を得ながら、残る区間についても着実に事業を推進してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 新たな野生絶滅ゼロアクションについてでございますが、野生動植物の保全を図るには、絶滅種をゼロにするだけでなく、絶滅の危惧がある動植物の種類を減らす取組が重要でございます。
 都はこれまで、レッドリストを定期的に改定し、希少な野生動植物等の啓発を行うとともに、それらの生息、生育空間である保全地域での保全活動に取り組んでまいりました。
 今年度から、都内全域で絶滅危惧種の保全や生態系被害を及ぼす外来種の対策を推進する仕組みを構築するため、優先的に対応すべき種の選定や、効果的な対策手法などを整理する調査を進めてございます。
 今後、緊急対応が必要なものは直ちに保全対策に取り組むとともに、調査結果に基づきまして、都内全域での希少種保全や外来種対策など実効性のある取組を推進してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 堆肥の利用の促進についてでございますが、農家が使う化学肥料は、原料の輸入価格の影響により高止まりが続き、その使用量を減らし、堆肥の活用を図ることは、農業経営のコストを抑える重要な取組でございます。
 都は現在、農業者に対し、農地の土壌に含まれる各種の養分の量を把握する診断を無料で実施をしております。また、これにより、化学肥料に代わり、堆肥を効果的に活用するための助言などを行っているところでございます。
 今後は、土壌診断の結果、堆肥を使用する農家に対し、その購入に必要となる経費の一部に助成を行います。
 こうした取組によりまして、農家の安定的な経営を着実に後押しをしてまいります。
 次に、多摩産材の利用の拡大についてでございますが、外国産の木材価格の高止まりが続く中、多摩産材の一層の活用が進むよう、その新たな利用方法を増やすことは重要でございます。
 これまで都は、多摩産材の柱や板などについて、都有施設で使うほか、民間の、中、大規模のビルや戸建ての住宅などで利用が進むよう後押しをしてまいりました。また、集客力のある商業ビルの壁や床などに活用し、多くの来訪者に効果的なPRを行ってまいりました。
 今後は、建物の壁の内部に使われる合板などでの利用を進めるため、新たな販売ルートをつくる支援を検討いたします。
 こうした取組によりまして、多摩産材の活用を着実に促進をしてまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 移住、定住の促進についてでございますが、多摩・島しょ地域への移住、定住を促進するためには、より多くの人たちに地域に興味や関心を持ってもらい、実際に訪れて魅力に触れ、理解を深めていただくことが重要でございます。
 そのため、都では、雑誌等で地域の魅力のPRを行うとともに、相談窓口を設置し、相談者に寄り添った情報提供を行ってございます。さらに、各地のイベント情報を幅広く紹介し、参加を呼びかけております。
 今後は、市町村との緊密な連携の下、先輩移住者が、地元の方と交流した体験談に加え、移住先での暮らしの楽しさや魅力を伝えるセミナーを開催するなど、地域への訪問を促してまいります。
 こうした取組によりまして、移住、定住のさらなる促進を図り、多摩・島しょ地域の一層の発展につなげてまいります。
   〔デジタルサービス局長久我英男君登壇〕

○デジタルサービス局長(久我英男君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、西多摩地域の通信環境の整備についてでございます。
 通信基盤は、サービスの利便性や効率性を高め、住民生活の質の向上に資する基幹的インフラであり、都内全域でつながる環境を確保することが重要でございます。
 そのため、通信事業者の電波が全く届かない通信困難地域を把握することを目的に、昨年度、まずは檜原村を対象エリアとして実測調査を開始いたしました。今年度は、対象を大幅に拡大し、西多摩地域の全市町村で実施しております。
 今後、調査結果に基づき、通信事業者が参画するスマート東京・TDH戦略推進協議会などを活用して、当該地域へのアンテナ基地局設置を積極的に働きかけてまいります。
 また、具体的な整備促進に向けまして、国の補助制度も活用し、今年度、島しょ地域で開始した支援策の西多摩地域市町村への適用について検討してまいります。
 次に、各局支援の充実強化についてでございます。
 都民に利便性の高いデジタルサービスを提供していくためには、利用者視点でデザイン思考の徹底や、効果的なプロジェクトマネジメントが必要であり、当局の専門人材のリソースを活用していくことが有効でございます。
 今年度は、事業の検討から実施に至る幅広いサポートメニューを提供するなど、各局にとって使いやすい支援体制を構築するとともに、生み出された好事例の共有に取り組んでおります。
 今後は、事業の構想段階から検討に加わり、事業担当者との活発な議論を通じて質の高いサービスを共につくり出す、協働型の開発に取り組んでまいります。
 さらに、各局に兼務配置するICT職員を増員し、連携を強化するなど、サービス品質の向上やスピードアップにつなげてまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、西多摩地域における広域連携の取組についてでございます。
 利用者ニーズに合った利便性の高い交通サービスの提供には、近接自治体が連携した取組を進めることが有効であるため、本年三月に策定した東京における地域公共交通の基本方針では、区市町村間連携を取組テーマの一つといたしました。
 西多摩地域におきましては、奥多摩町、あきる野市及び檜原村の行政界を越えるバス路線について、都も参画し、地元自治体の広域連携による地域公共交通計画の検討に着手をいたしました。
 来年度を目途に、例えば、これらのバス路線に接続する端末交通などとの連携や国費の活用、需要喚起策などを具体化してまいります。
 次に、データ利活用に係る取組状況についてでございます。
 利用者目線に立った運行情報の提供には、交通事業者間でデータ形式をそろえることが有効でございます。基本方針では、国の定めた標準フォーマットによるデータ作成を都全域で促進することとしており、今後、市区町村がコミュニティバス等の都の補助を活用する要件として、原則、標準フォーマットによるデータ作成を求めてまいります。
 また、乗換え利便性の向上などのために、各交通事業者などが持つデータのオープン化やその利活用について業界団体や事業者と意見交換を実施しており、今年度、連絡会議を立ち上げる予定でございます。
 引き続き、地域の公共交通を担う市区町村や交通事業者と連携し、データ利活用の促進に取り組んでまいります。
 最後に、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸についてでございます。
 本区間の実現により、開業区間と一体となり南北方向の拠点と結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 来月開催いたします都市計画素案説明会では、モノレールの位置や区間、七か所の駅などのほか、それらの駅にアクセスする道路両側の出入口についても説明をいたします。
 また、新駅周辺に都市機能を集積させるなど延伸の効果を最大限に発揮し、需要創出にもつながる沿線まちづくりの実現に向け、都として、沿線市町や運営会社が参画する連絡調整会議等の場も活用し、積極的に支援を行ってまいります。
 今後とも、沿線市町と密接に連携し、多摩地域における交通インフラの充実強化に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外国人介護従事者の受入れ支援についてでございますが、都は、介護施設経営者等に対し、外国人介護従事者の受入れに必要な知識やノウハウを提供するセミナーを開催するほか、指導担当者を対象に、日本語学習や生活面での支援についての研修を実施しております。
 また、介護施設等に対し、外国人介護従事者の円滑なコミュニケーションを支援するため、多言語翻訳機の導入などの経費を補助するとともに、技能実習制度や経済連携協定に基づき受け入れる場合、日本語や介護技能等の学習に必要な経費も補助しております。
 今後、技能実習制度の改正など国の動向も踏まえ、外国人介護従事者の受入れに取り組む介護施設等への支援の充実を検討してまいります。
 次に、学童クラブの待機児童対策への支援についてでございますが、都は今年度から、学童クラブの待機児童対策の計画を策定した区市町村に対し、地域の実情に応じた放課後の居場所の確保に係る経費を幅広く支援しております。
 本年四月から六月にかけて実施いたしました一回目の募集では、十の自治体から、児童館や小学校の空き教室などを活用した学童クラブの新設や拡充、夏休みの預かりなどの事業の申請があり、現在二回目の募集を行っております。
 今後、学童クラブの待機児童が多い自治体にヒアリングを行うとともに、区市町村の児童福祉主管課長会等を通じて認証保育所や既存施設等の具体的な活用例を紹介するなど、より多くの区市町村で多様な子供の居場所づくりが進むよう積極的に働きかけてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 部活動の地域移行についてでございますが、移行を円滑に進めるには、地域のスポーツ団体等の理解と協力が重要でございますことから、都では、地域スポーツクラブに対し、国の提言や先行事例の紹介などを通じ、理解促進に努めてまいりました。
 現在、都教育委員会と連携し、部活動の地域移行について、受皿となる地域の視点に立ち、様々な課題の検討を進めており、その状況等についても地域スポーツクラブに共有してまいります。
 また、今年度、地域スポーツクラブの登録・認証制度を開始したところでございまして、こうした取組により、地域のスポーツ環境の整備を推進し、部活動の円滑な地域移行につなげてまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十一分休憩

   午後三時三十五分開議
○副議長(本橋ひろたか君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十八番清水やすこさん。
   〔四十八番清水やすこ君登壇〕

○四十八番(清水やすこ君) まず、東京都生物多様性地域戦略の改定についてお伺いいたします。
 都はこのたび、生物多様性地域戦略の策定に向けた中間のまとめを公表、パブリックコメントを実施しました。生物多様性の保全については、気候変動対策と並んで国際的に重要なイシューですが、本年十二月にカナダのモントリオールで開かれるCOP15では、二〇一〇年に採択された愛知目標に代わる新たな目標が採択されることになっています。
 そこで、生物多様性地域戦略の策定によって、都民一人一人の意識や価値観の中で、環境や生態系を守ることの重要性をさらに高めていくべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、檜原村の産業廃棄物処理施設についてお伺いいたします。
 私は、現地の視察や地元関係者へのヒアリングなどを通じ、実際に様々な意見を伺っております。前定例会の環境局長の答弁を受け、先日の専門家会議では、檜原村からの意見に対して、公開で事業者の回答を紹介し、専門家から意見を聞いたことは、丁寧かつ開かれた対応であったと評価しています。
 そこで、改めて、今後の審査に当たっても、住民の疑問や不安を十分踏まえた上で、その内容を専門家に伝え、丁寧かつ開かれた形で審査を進めていくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 一方で、専門家会議で、専門家からは、水の確保など様々な点で、計画の具体性が欠けていることが指摘されました。廃棄物処理施設は、施設の特性上、地域との共存共栄をどのように実現するのかも大きなポイントとなります。
 そこで、専門家会議では、地域貢献策など生活環境の保全に関わるもの以外の疑問点、不明点についても、住民に寄り添い、できるだけ明らかにすべきとしていますが、都の考えをお伺いいたします。
 次に、森林整備について伺います。
 先日、林野庁に伺い、ヒアリングを行ってきました。東京都の森林約七万八千ヘクタールのCO2吸収量は約七十万トン、これは都民一千四百万人の約一割の吸収量に相当するそうです。一方で、伐採や植林の整備が必要な人工林は約三万ヘクタール、毎年約千三百ヘクタールペースで整備されますと、全体の整備に二十年以上かかります。地球温暖化に歯止めをかける観点からも、森林の伐採を行う林業技術者の確保を進め、一人一人の技術力を高めるとともに、林業機械等も活用し、作業の一層の効率化を図ることが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、多摩産材の木材利用ポイントについて伺います。
 都では、今年度から、新築時の利用量に応じて、東京の特産物と交換できる木材利用ポイント事業がスタートします。これには、森林でのまき割りキャンプや家族で植樹体験のようなテーマ性を持った内容が大切であります。
 そこで、都は、多くの方にこの事業を利用していただけるよう、積極的な周知を行うとともに、交換する商品等の選定についても工夫を行い、多摩産材の活用につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、観光コンテンツについてお伺いいたします。
 地元の幼稚園や保育園の園長先生方とやり取りをしています。これからの子供たちは、タブレットから出てくる情報、知識だけで学ぶ機会が多くなります。子供がそれを全て真実と思い込まないためにも、幼少期にいかに多くの自然体験、経験をさせることが重要となってきます。ここ東京には、目の前に豊かな自然が広がり、伝統文化や星空観察に容易に触れることができます。もっとお泊まり会などに使うべき自然、また、つまり観光資源コンテンツを掘り起こして認識すべきです。
 そこで、東京都は、子供たちが地域の魅力を体験できるような観光コンテンツを掘り起こし、増やしていけるように後押しをするべきと考えますが、見解を伺います。
 多摩の観光地におけるごみ放置問題について伺います。
 私も、多摩川や秋川に、地元の有志の方、大学生と一緒にごみ拾いに行っています。この連休にも、都が初めて主催した奥多摩町でのごみ拾いのイベントに参加しました。大事な活動と感じる一方で、ごみが捨てられる構図を変えるため、旅行者にごみを放置させない仕組みづくり、マナー啓発が必要です。
 今後、さらに多摩の自然環境資源を活用していくためには、これまでしっかり取り組んでいるトイレ、駐車場、遊歩道整備に加えて、ごみ放置問題も取組が必要です。
 そこで、多摩の観光地における環境配慮にどのように取り組むのか伺います。
 次に、オンライン診療について伺います。
 昨日の代表質問では、遠隔医療の一つであるオンライン診療について、さらなる普及に向け、より効果的な取組を検討するとの答弁がありました。今般のコロナ禍において、私も西多摩地域の妊婦さんや産婦人科の先生、助産院の方々と意見交換を続けています。例えば、情報通信機器を用いた医療機関間での診療支援についても話題に上ります。
 そこで、オンライン診療を含む遠隔医療については、西多摩など僻地の医療機関などから、地域の特性やニーズを酌み取りながら、普及の取組を進めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、通信障害時における通信確保について伺います。
 昨年発生した奥多摩町の国道四一一号線の傾斜崩落では、約十日間の通行止めのほか、その先にある峰谷地区で停電や通信障害が発生しました。また、先日は、同じ四一一号線で、お隣ですが、山梨県丹波山村に続く道が落石により通行止めになっています。
 そこで、通信障害時にも、都民が通信を確保できるよう、さらなる環境の整備を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害時の被害情報の収集や共有について伺います。
 台風などの災害時に、都民はSNSで被害情報を投稿していました。また、品川区で参加した総合防災訓練では、ウエアラブルカメラを使用していました。防災DXを活用し、被害情報の収集や共有を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸について伺います。
 先日の知事の所信表明において、来月、都市計画等の手続を開始し、沿線自治体住民向け説明会を開催するとの表明がありました。多摩都市モノレールの開業から二十四年、地域住民にとって、箱根ケ崎への延伸は悲願の一言に尽きます。
 一方、住民説明会では、コロナ禍の影響もあり、集まる方々に不安を感じる方もいます。
 そこで、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸について、説明会での内容を多くの方に伝えるため、どのような配慮を行い、今後延伸に取り組んでいくのか、伺います。
 次の質問に行きます。東京都供給公社住宅について伺います。
 私の地元、福生市加美平にある公社住宅には、事業者が撤退して十年以上たった空き店舗があります。この空き店舗の課題は、都市計画上、一団地の住宅施設と位置づけられ、用途がスーパーに制限されていたり、面積が千平米を超えていることなどが挙げられます。
 私は、この間、自ら千世帯全てにアンケートを取り、住民の皆様とやり取りを続け、飲食店などに声をかけてきました。また、八王子市多摩ニュータウンの公社松が谷住宅の空き店舗活用も学んできました。
 また、福生市の第二期都市計画マスタープランに、こちらの団地再生について掲載されました。
 そこで、今後、公社は福生加美平住宅での空き店舗の解消に向け、具体的にどのように取り組むのか、見解を伺います。
 次に、ダイバーシティの観点から伺います。
 肢体不自由の生徒さんも通う地元のあきる野学園、令和四年から三年予定で学校の増築、改修工事が始まりました。今月急に気温が下がり、大雨が続いたので、保護者による生徒の送迎風景を見に行きました。工事前は、駐車場に屋根つきの渡り廊下があり、雨にぬれずに済みましたが、今回は、その渡り廊下が撤去となり、来年度末まで屋根のない状況が続きます。保護者の皆様に聞いたところ、工事の実施中においても、医療的ケアが必要な子供が雨にぬれないように対応する必要があると伺いましたが、見解を伺います。
 家庭復帰に向けた里親と子供への支援について伺います。
 里親家庭で長い間暮らし、実親の元に家庭復帰する場合、里親家庭での写真や住所、名前などの情報が引き継がれないと聞きます。
 そこで、こうした支援は、立川児童相談所でも始まった、都が推進するフォスタリング機関事業における重要な業務であり、今後、里親子の気持ちにどう寄り添うか、視点を持ちながら、家庭復帰に向けて丁寧に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 そして、最後になりますが、農業の多様な担い手の確保について伺います。
 ライフスタイルの多様化が進む中で、新たな農業への関わり方が注目されています。東京農業を支える人材の確保、育成に向けて、都はこうした新しい形での就農についても、積極的に後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 以上をもちまして私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 清水やすこ議員の一般質問にお答えいたします。
 生態系保全への都民意識の向上についてであります。
 生物多様性は、食料や水、地域における文化など、私たちの生活に欠かせない重要な基盤です。人間活動の影響により、かつてない速さで、地球上の種の絶滅が進行し、生物多様性の恩恵を享受できなくなる危機的な状況にあります。
 東京でも、樹林地の減少による生き物への影響、外来種による生態系被害などの課題を抱えております。こうした課題を解決し、生物多様性の保全と回復を進めるためには、都民一人一人がその価値を認識し、自分事として捉え、行動していくことが重要であります。
 都は、生物多様性地域戦略の改定を機に、都民や事業者など多様な主体と連携をいたしまして、デジタル技術を活用した情報発信によりまして、生物多様性への理解を進めてまいります。
 また、保全地域などを活用した幅広い年代での人材育成、地球環境に配慮した商品の購入促進など、都民の具体的行動を呼び起こしてまいります。
 今後、こうした取組を進めながら、都民一人一人の主体的な行動により、社会を変え、将来にわたり生物多様性の恵みを受け続けることのできる、自然と共生する豊かな社会を目指してまいります。
 その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 都立あきる野学園における児童生徒の送迎についてでございますが、現在、あきる野学園では、校舎の増改修工事を実施しているため、雨天時に保護者が送迎を行う際に、従来の屋根つきの場所での乗り降りができなくなっています。
 このため、学校では、屋根のある送迎場所を利用できるよう、保護者と個別に調整を行っております。
 引き続き、保護者のご意向を丁寧に伺いながら対応してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、檜原村の焼却施設の建設計画についてでございますが、産業廃棄物処理施設の設置に当たり、地元の住民等に疑問や不安があることは承知してございます。
 そのため、専門家からの意見聴取に当たり、地元住民など関心を持つ方々が傍聴しやすいよう、オンライン方式により専門家会議を開催いたしました。
 また、事業者に協力を求め、檜原村や利害関係者からの意見に対する回答の作成を依頼し、第一回の会議では、村からの意見に対して、公開の場で一つずつ事業者の回答を紹介した上で、専門家の意見を聴取いたしました。
 都は、今後とも、丁寧かつ開かれた形で専門家の意見を聴取していくとともに、法に定める手続にのっとり、許可要件への適否について、公正かつ厳正に審査を進めてまいります。
 次に、住民に寄り添った地域貢献策などについてでございますが、第一回の専門家会議では、生活環境の保全のほか、地域との共存共栄に関し、将来的な熱エネルギーの利用方法など、地域のメリットや地域との共生に資する協定締結などの意見も出されました。
 そのため、都は、こうした点も含め、事業者に対して、専門家から指摘された意見や住民等から寄せられた意見への回答を求めるとともに、次回の専門家会議への出席を依頼してございます。
 今後とも、専門家会議を通じて、事業者には分かりやすい回答を促すなど、住民等の疑問や不安に対して真摯な対応を求め、丁寧かつ開かれた形で審査を実施してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、森林整備の促進についてでございますが、東京の森林の整備を速やかに進める上で、伐採や植林を担う人材を増やすとともに、高性能の機械を導入して、作業の効率化を図ることが重要でございます。
 これまで都は、林業の現場で働く人材の技術レベルを引き上げるための研修を実施してまいりました。
 今後は、林業への就業者を増やすため、森林の伐採などを行う会社での作業の様子や求人情報などを幅広く伝える専用のウェブサイトを開設いたします。また、林業を体験できるツアーを行い、その魅力を効果的に紹介いたします。
 さらに、作業の効率化を図るため、地面に固定し木材の搬出を行う高性能の機械をオーストリアから導入するほか、補正予算によりまして、斜面でも搬出作業を安定して行うことのできる海外製の機械などを導入し、森林整備の加速を図ってまいります。
 次に、多摩産材の活用の効果的な推進についてでございますが、都は、多摩産材を使用し、省エネ性能の高い住宅を増やすため、木材の利用量に応じポイントを提供する事業を行っております。この取組を進める上で、事業PRの効果やポイント利用の魅力を向上させる工夫は重要でございます。
 都は現在、住宅建築に関係する業界団体に対し、説明会を開き、事業の内容を伝えております。今後は、専門雑誌に広告を載せ、工務店向けのPRを行うほか、ウェブやSNSを活用し、幅広く都民に宣伝を行います。
 また、ポイントと交換できる対象について、木材のよさを体感できる家具や玩具のほか、家族で自然を楽しむ体験イベントなど、多様なメニューを用意いたします。
 こうした取組によりまして、多摩産材の活用を着実に後押しをしてまいります。
 次に、子供たちが楽しめる観光資源についてでございますが、都内の子供たちが、自然や文化など地元の観光資源に触れることにより、地域の様々な魅力に関心を持つことができるよう、後押しをすることは重要でございます。
 これまで都は、地域の観光協会等の優れたアイデアを活用して、国内外からの誘客に向け、新しい観光資源を生み出す取組を行ってまいりました。
 今年度は、小学生や中高生が地域の自然環境や伝統文化などの魅力を体験できるモニターツアーを実施いたします。この成果を基にマニュアルを作成し、都内の様々な地域で、小学生などに加え、園児を含めた子供たちが、地元の魅力に触れる機会を増やします。
 こうした取組を通じまして、子供たちが楽しむことができる観光の振興を進めてまいります。
 次に、自然環境に配慮した多摩の観光振興についてでございますが、多摩地域の観光振興を図る上で、豊かな自然や住民生活を守りながら、旅行者を誘致することが重要でございます。
 これまで都は、多摩の自治体が豊かな自然に触れる観光ルートを紹介する取組や観光協会が地元の伝統芸能を生かして集客を図るイベントの開催などを後押ししてまいりました。
 今年度は、都民が多摩の魅力を理解し、地域の課題にも関心を持つことのできるよう、奥多摩などの河川敷で自然を楽しみながらごみ拾いを行うイベントを実施いたしました。今回の取組をウェブサイトを通じ幅広く発信するほか、観光地におけるマナーの重要性について、ガイドブックに新たに掲載をいたします。
 これらによりまして、多摩の観光振興を着実に進めてまいります。
 最後になりますが、農業の新たな担い手の確保と育成についてでございます。
 これからの東京の農業の担い手を確保するには、農業以外の分野で働く方が、副業や農作物を生産する法人に就職するなど、多様な形で就農することが必要でございます。
 都は現在、農業により生計を立てることを目指す方を対象として、農作物の栽培や農業経営の基礎と実務を幅広く学ぶことのできる研修を実施しております。
 今後は、農業に副業やボランティアで携わることを希望する方が、地域の農家などと交流し、栽培の技術などを基本から学ぶための仕組みをつくり上げてまいります。
 また、企業等が農作業に従事する人材を雇用し育成する取組への支援を検討いたします。
 こうした取組によりまして、東京の農業振興を着実に進めてまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、オンライン診療を含む遠隔医療についてでございますが、遠隔医療は、医療資源が限られた地域において、質の高い医療の提供や通院の負担を軽減するための重要な手段であり、僻地等での活用にも有効でございます。
 都は現在、都立病院と島しょの医療機関との間で、デジタル技術を活用した高精細な映像や画像の共有等の取組を進めております。
 また、来月には、都内の全医療機関を対象に、オンライン診療に関する項目を含む調査を予定してございます。
 今後、こうした取組の検証や調査結果の分析を行うとともに、医療機関や区市町村から意見を聞くなど、地域の実情も踏まえながら、オンライン診療を含む遠隔医療のさらなる普及に向け、効果的な方策を検討してまいります。
 次に、家庭復帰に向けた里親と子供への支援についてでございますが、都は現在、三か所の児童相談所の所管地域で、里親の開拓や研修、養育の支援などの里親支援業務を包括的に行うフォスタリング機関事業を実施しております。
 本事業では、都が委託した民間機関が、専任の職員を各所に八名配置し、里親が気軽に相談できる環境を整備するとともに、家庭訪問やカウンセリングなど、里親と子供に寄り添った支援を継続的に行っています。
 子供が家庭復帰する際には、里親が子供の抱く不安などを適切に受け止め対応できるよう、民間機関の職員が専門的な視点でアドバイス等を行っています。
 また、家庭復帰後は、里親に対して子供との別離に伴う心理面のケアなどを行うとともに、可能な範囲で子供と里親とのつながりが保たれるよう支援をしてまいります。
   〔デジタルサービス局長久我英男君登壇〕

○デジタルサービス局長(久我英男君) 通信障害時のつながる環境の確保についてでございますが、通信基盤は生活に不可欠なインフラであり、携帯電話の通信障害発生時においても、インターネット経由でのアプリ通話などの携帯電話以外の通信手段を確保しておくことが重要でございます。
 このため、都は、有識者などから成るスマート東京・TDH戦略推進協議会において、都内全体でセキュアでシームレスなWi-Fi活用方針の検討を新たに開始するとともに、都有施設へのWi-Fi設置を推進し、通信の多重化を進めてまいります。
 また、携帯電話につきましても、通信障害時に、他社の回線を利用した事業者間ローミングなどの対応が実現されるよう、国や通信事業者が参加する地域協議会の場を活用し、強く働きかけるなど、いつでもつながる東京の実現に取り組んでまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 被害情報の収集と共有についてでございますが、発災時に円滑な救出救助を行うためには、被害情報を迅速に収集し、関係機関と共有することが重要でございます。
 このため、都は、災害情報システムにAIを用いた収集、分析ツールを搭載し、誤った情報を除外しつつ、SNS上の有用な防災関連情報を収集し、警察や消防、区市町村等と共有する仕組みを構築してございます。
 加えまして、災害現場へ派遣する職員にウエアラブルカメラを持たせ、建物倒壊や火災の発生、道路の状況等を映像としてリアルタイムに収集する体制づくりに現在取り組んでおります。収集した情報を都庁防災センターで集約し、速やかに関係機関に配信することで、迅速な災害対応につなげてまいります。防災分野におけるDXを推進し、発災時の対応力を強化してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸についてでございますが、本区間の実現により、開業区間と一体となり、南北方向の拠点と結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 来月、地元の東大和市、武蔵村山市、瑞穂町において、都市計画素案説明会を計六回開催し、手続に着手いたします。
 また、沿線住民にパンフレットを配布するほか、説明会の資料等を都のホームページに掲載し、質問を受け付けるなど、多くの方に事業を周知し、理解いただけるよう工夫を行います。
 地域の皆様に理解と協力を得ながら、手続を着実に進め、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸の早期実現につなげてまいります。
   〔住宅政策本部長山口真君登壇〕

○住宅政策本部長(山口真君) 東京都住宅供給公社の福生加美平住宅における空き店舗への対応についてでございますが、居住者等の生活の利便性や地域のにぎわいの向上を図っていくためには、地域住民の声も聞きながら、団地内の空き店舗を有効に活用していくことが重要でございます。
 これまで公社は、賃貸料の見直しや仲介業者の活用による店舗の誘致活動に加えまして、様々な業種が出店できるよう、都市計画でスーパーマーケットに限られている店舗スペースの用途見直しに向け、福生市と協議を行ってまいりました。
 今後、こうした取組に加えまして、空き店舗を地域交流拠点として、カフェや子供の学習室等を入居させている他の団地での活用例も参考に、空きスペースの分割や内装の実施など、借手の意向にも、より柔軟に対応することとしており、都も公社の取組を強く後押ししてまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 七十六番風間ゆたか君。
   〔七十六番風間ゆたか君登壇〕

○七十六番(風間ゆたか君) 初めに、学校教育における課題について四点質問いたします。
 今月九日、公立学校教員採用試験の実施状況が文科省より公表されました。昨日のほかの会派の代表質問でもありましたが、私は特に小学校教員の応募者減少に危機感を抱いており、採用倍率は全国平均で二・五倍となっています。さらに、受験者数と受験倍率共に昨年度を下回る深刻な状況であり、国でも既に中教審にて教採試験の早期化検討などが議論されています。
 例年、全国で最初に一次試験が行われる高知県は九・二倍と高水準を維持していますが、東京都においては、この数年、毎年受験者が一割程度ずつ減少し続け、昨年度も三百二十八人減少、倍率二・三倍でした。
 学校現場からは、四月当初に教員が配置されない状況や低倍率による新規採用教員の指導力低下への懸念、奨学金返済免除を都として取り組むことを期待する声が届いています。
 教員採用選考応募者増に向けた都教育委員会の取組について伺います。
 小学校教員応募者減の一つの理由として、公立小学校の勤務状況があまりにブラックであるという声もあります。民間企業と比べればDX化は進まず、アナログ業務も多く業務改善が進まない印象ですが、外部人材活用を進め、教員は有免許者業務に集中できるようにすべきです。外部人材の中でもスクールサポートスタッフは、教員の負担軽減に寄与しているとの声が現場からも届いており、さらに進めるべきです。
 文科省も、この教員業務支援員については、来年度概算要求で今年度の倍以上計上していますが、この事業における都教育委員会の開始からこれまでの事業規模推移について伺います。
 外部人材の活用は、子供たちの心の状況に対応する専門職の存在も大変に重要であり、コロナ禍におけるスクールカウンセラーの配置増は、今後も恒常的に進める必要があります。また、年々増加し続ける不登校の子供はその理由や要因が多岐にわたり、初期対応も学校だけでは解決が困難な状況です。学校が福祉の関係機関等と連携して子供や家庭を支援する外部人材として、スクールソーシャルワーカーは重要です。
 区市町村がスクールソーシャルワーカーの活用を拡充できるようにすべきと考えますが、都教育委員会の取組について伺います。
 不登校の子供たちの状況は多様であることから、様々な支援をしていく必要があります。
 今年度、都教育委員会が行うフリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業は重要であり、昨今、民間団体によるオンライン不登校支援も広がっています。
 私の地元世田谷区は、NPO法人と連携してオンラインの居場所、学び場を開設したことが報じられ、不登校の子供の保護者からは期待する声が届いています。
 不登校の子供たちのために、区市町村教育委員会が設置する教育支援センターについては、都教育委員会が人材登用や民間委託などの活動支援をしており、大変重要な取組と認識しておりますけれども、こうした取組について、都教育委員会の認識を伺います。
 次に、保育に関する懸念について何点か伺います。
 今年度の保育待機児童数は、調査以来最少の三百人となりました。東京都として様々な事業者参入を促進してきた成果といえますが、一方で、営利を追求する株式会社参入により幾つかの事件が発生していますので、子供の命を預ける保育サービスは信頼性が大変重要との観点から、二点質問をいたします。
 まずは、今夏に発覚した上場企業であるグローバルキッズによる職員配置偽装事案について伺います。
 報道によると、都内八区の十六施設で、実際より多い保育士らが配置されているように見せかけるために偽造した職員名簿や出勤簿を各区に報告し、運営費を不正に二千二百万円ほど得ていたとのことです。ほとんどの民間保育事業者が誠実に事業運営していると思われますが、このような不正をする事業者もいるわけです。
 認可保育所は、原則、都道府県による年一回以上の実地検査が義務づけられていますが、東京都が年間に実地検査を行えたのは、約三千施設ある認可保育所の一割にも満たないと聞いています。
 今後、保育需要の低下に伴い、運営に窮した事業者によるトラブルのリスクも増加することが考えられますから、都として不正防止に注力すべきです。
 都は、今回の事案に関して、当該事業者に特別監査を行ったと聞いていますが、どのように取り組んだのか、指導状況を伺います。
 次に、保育サービスを利用する保護者としては、保育の密室性による犯罪が懸念としてあります。
 先月三十日には、ベビーシッター派遣大手キッズラインのマッチングアプリで保育を請け負った元ベビーシッターが、男児二十人への強制性交罪等の罪で懲役二十年の実刑判決をいい渡され、改めて保育を必要とする保護者から懸念の声が届いています。キッズラインといえば、一昨年に登録ベビーシッター二名が強制わいせつ罪等で逮捕起訴されており、そのうちの一人は東京都のベビーシッター利用支援事業で登録されていたことが明らかになっています。
 都議会でも、この事業者の認定を取り消すべきとの意見があったと承知していますが、いまだに認定事業者であることに不安を抱く保護者もいます。
 都のベビーシッター利用支援事業において、保護者の不安を解消するために、どのような取組を行っているのかを伺います。
 国は今後、人口減少社会において、保育政策の方向性として、これまでの待機児童解消対応から良質な保育を提供し続けることが大きな課題として打ち出しています。
 東京都も急速に保育サービス整備を進めた結果、このような問題も生じたことを重く受け止め、今後の方向性を打ち出していく必要があります。
 今後は定員に満たない保育施設も増加していくことが予測できますが、在宅子育て家庭支援や一時預かりなど施設利活用が有効と考えます。都の見解を伺います。
 また、保育待機児童解消のめどは立ってきたものの、障害に対する認知の広がりや利用ニーズの高まりによって、児童発達支援や放課後等デイサービスは都内で待機児童が増加傾向にある地域もあります。今後、都としてもこの課題に取り組む必要がありますが、一方で、法整備も進み、株式会社などが参入したことで、障害児支援の理解に乏しい事業者も存在すると承知しています。都は、実地検査により、基準違反の指摘や改善指導を積極的に行うべきと考えます。
 都は、事業所急増に対応し切れていない状況と認識していますが、今後、区市町村との連携によって指導検査体制の一層の充実を図るべきです。都の見解を問います。
 また、指導検査だけでなく、事業者の質の向上についてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、公共交通機関における痴漢、盗撮対策について伺います。
 国内外における感染症への対応変化に伴い、公共交通機関を利用した通勤者も増え、車内などはコロナ禍以前のような状態に戻ってきています。私のところにも、電車通学をする女子中高生や保護者などからは、痴漢を心配する声が届くようになってきており、このところ満員電車などで、痴漢や盗撮犯を検挙したとの報道も度々目にします。
 そこで、人の往来が増え、満員電車や混雑する駅構内での痴漢、盗撮対策について、警視庁の取組状況を伺います。
 最後に、スケートボードの普及振興について、スポーツ競技の発展という観点ではなく、スケートボードによる東京ブランディングという観点で伺います。
 スケートボードといえば、聖地はアメリカ西海岸とオーストラリアといわれているようで、スケボーツーリズムにより、世界中の愛好者たちが集まると耳にします。
 オリンピックで初めて公式競技が行われ、男女共に若い開催国メダリストが誕生した東京は、それらに追随するポテンシャルを秘めていると感じますが、都の見解を伺います。
 スケートボードをする人たちの多くは、スケートボードを競技スポーツとして取り組んできたわけではなく、クリエーティブにまち中を滑ることによる自己表現と、年齢性差問わずチャレンジにリスペクトする相互承認文化に魅力を感じて楽しんできたのだと聞きます。
 既存のスケートボードスポットでも、そのような文化が育まれてきたようですが、二〇二〇大会後の裾野の広がりに応じて、都として、場所の創出に取り組むべきと考えます。
 私の地元の駒沢公園SS広場は、人気のスケートボードパークのようで、休日など常時過密となっています。今後は、こちらの拡充も期待しますが、他の都立公園での整備状況について、都の見解を伺います。
 裾野が広がり、初心者、初級者増加に伴い、事故リスクも高まります。駒沢公園SS広場のパークは幼い子も多く利用しており、小学生以下には保護者の付添いルールがありますが、実際付き添っていた保護者が巻き込まれて、両膝靱帯断裂の重症となった事故もありました。再発防止に向けて、管理体制や安全対策の見直しも必要だと感じます。都の見解を問います。
 以上で私からの質問を終わります。(拍手)
   〔警視総監大石吉彦君登壇〕

○警視総監(大石吉彦君) 風間ゆたか議員の一般質問にお答えいたします。
 満員電車や混雑する駅構内での痴漢、盗撮被害対策についてでありますが、警視庁では、被害が多発する通勤通学の時間帯を中心に、駅構内において警戒活動を実施しているほか、被害防止や犯人検挙のため、警察官が被害者と同乗して、電車内において警戒するなどの対策を実施しております。
 また、当庁が配信する防犯アプリ、Digi Policeは、痴漢被害発生時に警告を発することや、画面表示により助けを求めたり、周囲の人が被害の有無を確認したりできる機能を有しており、この機能が活用され、検挙に至った事例もあることから、あらゆる機会を通じて、活用促進を図っております。
 今後とも、鉄道事業者と連携した広報啓発活動を実施するなど、痴漢、盗撮被害防止に向けた取組を進めてまいります。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、教員採用選考に関する取組についてでございますが、都教育委員会ではこれまで、地方会場での選考の実施やSNSを活用した情報発信などの方策を講じてまいりました。
 今年度は、社会人が合格後に免許取得を目指せる選考の仕組みを開始したほか、採用セミナー、TOKYO教育Festa!を開催いたします。
 引き続き、教員確保に向けた取組を検討してまいります。
 次に、スクールサポートスタッフについてでございますが、都教育委員会は、教員の負担軽減を図るため、平成三十年度から配置支援事業を行っております。事業開始年度は四百人、令和元年度は千人、二年度は千五百人の配置ができる予算を確保してまいりました。
 三年度からは、都内全区市町村立学校に配置できる予算を確保しております。
 次に、スクールソーシャルワーカーの活用についてでございますが、子供が抱える課題が複雑化、多様化している中、学校と福祉等の関係機関が協働して支援する体制の充実を図るため、都教育委員会は、スクールソーシャルワーカーの活用を促進してまいりました。
 今年度は、その活用を充実させる区市町村に対して、スクールソーシャルワーカーを派遣する経費を補助しております。
 次に、不登校の子供への支援についてでございますが、都教育委員会は、令和二年度から、民間団体によるオンライン活用を含む教育支援センターの活動を支援しております。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立公園におけるスケートボード広場の整備についてでございますが、都はこれまで、駒沢オリンピック公園などにおいて、気軽にスケートボードが楽しめる広場を設けてまいりましたが、東京二〇二〇大会後の人気の高まりなどを踏まえ、都立公園における取組を拡充することといたしました。
 広場の整備に当たりましては、利用に伴う騒音や、安全に利用できる場所の確保等の課題に対応するとともに、他の公園利用者や地域住民の方の理解を得ることなどが必要でございまして、現在、競技団体等の意見を参考にしながら、設置場所の調査や整備内容について検討を進めております。
 次に、スケートボード広場の安全管理についてでございますが、例えば、駒沢オリンピック公園ストリートスポーツ広場では、施設を安全に利用するため、ヘルメットなど保護具の着用の推奨や小学生以下の利用における保護者の付添いなどの利用ルールを設定しております。さらに、指定管理者によるキッズスクールを通じて、子供の事故防止やマナー向上に取り組んでいるところでございます。
 こうした取組により、子供や初心者でも安心してスケートボードが楽しめるよう、引き続き安全管理に努めてまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 五点の質問にお答えをいたします。
 まず、大手保育事業者に対する指導についてでございますが、都は、区からの情報に基づき、本年一月から、事業者が運営する都内百四か所の認可保育所等を対象に、特別指導検査等を実施いたしました。
 その結果、十六か所の認可保育所等が区に対し、施設での勤務実態のない保育士を在籍していたかのように虚偽の報告を行っていた事実を確認したため、区と連携して、事業者に対し、速やかに是正するよう指導いたしました。
 現在、事業者から報告された改善状況を確認しており、施設運営が適切になされるよう、引き続き指導してまいります。
 次に、ベビーシッター利用支援事業についてでございますが、都は、本事業に参画する事業者を、独自の基準で審査、認定するとともに、全てのベビーシッターに対し、都が実施する研修の受講を義務づけております。
 今般判決のありました事件は、本事業とは異なり、マッチングサイトで起きたものではありますが、都は昨年度から、事業者の管理責任者向けの研修を行うほか、事業者による保護者宅への巡回訪問やウェブカメラの活用への支援を実施するなど、本事業のベビーシッターの質の向上を図ってございます。
 また、保護者が安心して本事業を利用できるよう、パンフレットに留意点を記載し、周知をしてございます。
 次に、保育所を活用した子育て家庭への支援についてでございますが、都は、保育所等が空き定員や余裕スペースを活用し、保護者の外出やレスパイト等のために、地域の子育て家庭の子供を受け入れる取組を支援してございます。
 また、今年度から、認証保育所が余裕スペースを有効に活用して、学齢児の放課後の居場所を提供することもできるようにいたしました。
 今後とも、区市町村と連携しながら、地域の子育て家庭を支える保育所の取組を支援してまいります。
 次に、放課後等デイサービスへの指導検査についてでございますが、都は、区市町村からの情報等を基に、運営状況に課題のある事業所などに対し、実地で指導検査を行うとともに、不適切な利用者支援などが疑われる場合には、速やかに監査を実施しています。昨年度からは、全ての事業所を対象に、オンラインによる集団指導を実施しています。
 また、区市町村の検査技術のさらなる向上を図るため、合同検査や派遣研修の受入れなども行ってございます。
 今後とも、区市町村と連携し、事業が適正に運営されるよう、指導検査を着実に実施してまいります。
 最後に、放課後等デイサービスについてでございますが、都は、放課後等デイサービスの事業者の指定に当たり、省令や都の基準等に基づき、サービス提供の方法等を詳細に確認しています。
 事業開始後は、全事業者を対象とした説明会を通じて、運営上の留意事項を周知するとともに、区市町村と連携して、国のガイドライン等に基づく個別指導を行うなど、サービスの質の向上と運営の適正化を図っています。
 また、今年度から、都が定めた基準を満たす事業者を支援する都型放課後等デイサービス事業を実施しておりまして、引き続き、放課後等デイサービスの質の向上に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) スケートボードの普及振興についてでございますが、東京二〇二〇大会で盛り上がった機を逃さず、レガシーとして引き継ぎ、発展させていくことが重要でございます。
 都では、大会で使用されたスケートボード施設をそのまま生かし、都民に幅広く利用していただけるよう準備を進めており、都内各地の施設や競技団体などとも連携することで、競技の裾野の拡大を図ってまいります。
 あわせて、国際的なイベントの誘致も行い、トップレベルの競技を間近で見られる環境をつくることで、東京の魅力を発信してまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 六十二番大松あきら君。
   〔六十二番大松あきら君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○六十二番(大松あきら君) 東京オリンピック・パラリンピック大会から一年がたち、何をもって、そのレガシーとしていくのか。都政の長期的な方向性を示す重要な課題であります。
 前回の東京大会では、大会前後に高速道路や新幹線が開通し、そうした交通インフラを土台に高度経済成長が実現しました。今大会では、バリアフリーや再生可能エネルギーのインフラ整備が加速され、障害者の社会参加や地球環境改善がレガシーとして人々の記憶に残っていくものと思います。
 その上で、今大会のテーマの一つ、共生社会の構築に力を注いでいくべきです。高齢者、障害者、外国人など、多様な人々が共に暮らせる社会、今大会に最もふさわしいレガシーになるものと考えます。
 そして、共生社会を実現するために、芸術文化の力を活用していくべきです。芸術文化には、多様性を包摂し、人々の心と心を結び、国と国をもつないでいく力があります。
 都は六月、だれもが文化でつながる国際会議を開催し、アーティストや社会福祉団体の方々が、共生社会について議論を行いました。そこで得られた知見を生かし、芸術文化による共生社会の構築への取組をさらに進めていくべきです。知事の見解を求めます。
 東京には世界に誇る多くの文化があります。その一つが映画です。日本の映画界は、ハリウッド全盛期にあっても、黒澤明監督が荒野の七人やスター・ウォーズなどアメリカ映画の名作にも大きな影響を与えるなど、世界の映画界をリードしてきました。近年の韓流ブームの中でも、是枝裕和監督が、今年、韓国と共同制作したベイビー・ブローカーがカンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得、ベネチア国際映画祭では、是枝監督にロベール・ブレッソン賞が授与されました。映画には国を超えて世界をつなぐ力があり、この分野で日本は強い発信力を持っています。
 しかしながら、芸術文化は、民間の競争に委ねているだけでは成長に限界があります。アメリカでは一九三〇年代のニューディール政策における芸術文化振興策が土台となりハリウッドが興隆し、韓国では一九九〇年代、政府が国策としてコンテンツ産業の支援を始め、今日の韓流を生み出しました。
 映画を興隆させるには、人材の育成が重要です。経済学者のガルブレイス博士は、著作で、今や世界は人材開発競争の時代と指摘、日本が公的資金を投入すべき社会的インフラは、技術や芸術を支える人材を育成する教育面でなければならないと提言しています。
 都は現在、映画人を目指すアジアの若者を育成するタレンツ・トーキョーを実施しています。世界的に著名な映画人から直接指導を受ける機会などを提供する事業で、これまでに多くの人材を育ててきました。
 都は、さらに優れた映画人を輩出し、世界の文化都市東京の存在感を高めるために、映画の振興に向けて、こうした人材育成事業を充実していくべきです。都の見解を求めます。
 また、東京国際映画祭とも連携した人材育成に取り組んでいくことを要望しておきます。
 次に、教育について質問します。
 都教育委員会は、教員が海外の大学で学びながら、現地の学校で交流する海外派遣研修を実施しています。現在はコロナ禍で、研修はオンラインで行われていますが、現地に行ってこそ、その効果は上がります。
 そこで、次年度以降、感染状況などを見極めながら、渡航を再開し、現在実施されているオンライン研修も内容や方法を工夫しながら、今後、現地での研修に生かしていくべきです。都教委の見解を求めます。
 また、都教委は、海外の教育機関との交流を広げています。こうした取組を受け、学校単位でも、児童生徒の国際交流を求める声が出ていますが、多忙な学校現場には、その準備に取り組む余力はありません。
 そこで、都内の公立学校における児童生徒の国際交流を一層推進していけるよう、都教育委員会が支援を充実させていくべきです。都教委の見解を求めます。
 今年の夏、四国で行われた全国高等学校総合体育大会で、北区内にある都立王子総合高校の生徒が、フェンシング競技で並みいる強敵を倒し、見事優勝しました。
 運動部の選手が全国大会などに出場する場合、都教委は選手の旅費などの一部を補助していますが、対象者が選手に限られています。しかし、選手が思う存分実力を発揮するためには、ふだんから支え合っている補佐役の生徒やマネジャーの同行が不可欠です。
 今後は、都立学校の運動部員が全国大会などに出場する場合、補佐する生徒にも支援を広げるべきです。都教委の見解を求めます。
 次に、人権について質問します。
 オリンピック憲章にうたわれる人権尊重条例は、重要なレガシーです。条例では、性自認や性的指向を理由とする不当な差別の禁止が明記されましたが、事業者側の理解が進んでいません。私は、地元北区で、性自認が女性のトランスジェンダーの方から、職場で男性用の服の着用を求められたという相談を受けました。性的マイノリティーの方々が安心して働き続けられるようにするためには、職場での理解や配慮が不可欠です。
 事業者や従業員が多様な性について正確な知識を得られるよう、啓発動画などをスマートフォンなどで手軽に視聴できるようにするべきです。また、職場の環境づくりに関して、専門家が現場に赴くなどして、相談に応じられるような支援が必要です。都の見解を求めます。
 そのトランスジェンダーの方は、自分の男性の体に対して強い嫌悪感があり、そのネガティブな感覚に四六時中さいなまれています。そこに社会の無理解が加わり、精神的な負担は想像を絶するものがあります。
 性的マイノリティーの方への心理面のサポートは極めて重要であり、都は現在、SNSを活用した相談事業を行っています。大変評判はいいのですが、つながりにくいとの声が寄せられています。SNSの相談事業の体制を拡充するべきです。都の見解を求めます。
 条例には、本邦外出身者に対するヘイトスピーチなど、不当な差別的言動の解消に向けた取組も明記されました。条例施行から今年三月までにヘイトスピーチ認定された言動は十六件、そのうち、少なくとも十三件が韓国、朝鮮人に対するもので、その重圧を最も強く受けているのが朝鮮学校などに通う在日の子供たちです。
 私の自宅から歩いて二、三分のところに、東京朝鮮中高級学校があります。生徒の国籍は、朝鮮籍が約半数、韓国籍も約半数で、ヘイトスピーチやネット空間に広がる差別的言動に触れ、子供たちの敏感な心は、大人が感じる以上の恐怖や圧力を感じています。
 先日、生徒のお母様から話を伺ったところ、電車の中で、オンマと呼んでいた子供が、ママというようになり、友達同士でも、朝鮮、韓国籍と分かる名前では呼び合わないようになったそうです。そのお母様自身には、学生時代、同級生の女子生徒が、車内でチマチョゴリを切り裂かれるという事件の記憶が生々しく残っています。
 政治や外交の問題は、子供たちには何の責任もありません。大人社会の問題で、子供たちが犠牲になっている実態を見過ごしてはなりません。
 ヘイトスピーチは断じて許されない、この気風をつくっていく啓発にさらに取り組み、繰り返されるヘイトスピーチの解消を目指していくべきです。都の見解を求めます。
 災害対策について質問します。
 高潮で想定される最大規模の浸水が東部低地帯で発生した場合、二百五十五万人が多摩地域などに広域避難しなければなりません。このうち、知人宅に避難する人などを除き、約七十四万人分の避難先を行政が確保することになっています。
 都は、大型施設を中心に避難先を増やしていますが、七十四万人分という膨大な避難先をどう確保するのか、大型の避難所を誰がどう運営するのかなど心配する都民の声が寄せられています。
 そこで、広域避難先となる場所と運営を担う要員の確保を区市町村と連携し、計画的かつ速やかに進め、その見通しを明らかにするべきです。都の見解を求めます。
 都は、昨年十二月、六十二区市町村と災害時の避難先や要員の提供などについて、相互協力協定を締結しました。しかし、大型台風が接近し、避難が始まった際、多くの区市町村は地元の避難所には地元の住民を受け入れるため、この時点で、他の自治体からの広域避難者を受け入れることは難しいとされています。
 一方、スポーツ施設や学校などの都立施設の中には、広域避難所として活用が決まっていない施設や活用は決まっていても、運営ルールが具体化していない施設があります。
 そこで、大規模水害の発生が切迫し、広域避難が始まった時点で、一人でも多くの避難者の安全を確保できるよう、広域避難所として活用する都立施設を増やし、その運営ルールを具体化していくべきです。都の見解を求めます。
 最後に、多摩川に架かる羽村大橋について質問します。羽村市とあきる野市をつなぐ羽村大橋は一九七四年に開通しましたが、都市計画が定める橋の幅の半分しか完成していません。計画では、上流部分と下流部分の双方を整備することになっていますが、都は、下流部分だけを整備し、供用を開始しました。
 このため、道路幅が狭く、羽村市側の奥多摩街道との交差点で朝夕のラッシュ時に慢性的な渋滞が発生し、歩道も狭く片側しかありません。
 羽村大橋の上流側部分の整備を早期に進めるとともに、奥多摩街道との交差点部分を改良し、渋滞の解消を急ぐべきです。都の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 大松あきら議員の一般質問にお答えいたします。
 芸術文化による共生社会の構築への取組についてのご質問でありました。
 芸術文化は、人々に喜びや感動をもたらすとともに、心と心を通わせ、あらゆる人々をつなぐ大きな力を持っています。
 東京二〇二〇大会を通じて得られた多様な価値や一人一人の個性を認め合える社会への歩みは、都の貴重な財産となりました。こうしたレガシーを芸術文化におきましても継続、発展させるため、この夏、共生社会の実現を目指し、だれもが文化でつながる国際会議を開催いたしました。
 世界各国の第一人者が集まり、テクノロジーを活用した障害者への鑑賞サポートなど、様々な先進事例を共有いたしました。さらに、認知症の方の創作体験や家にいながら美術館のアートを鑑賞できる分身ロボットの展示など、優れた技術や取組を発信することができました。
 今後、東京がネットワークの中心となって、芸術文化による共生社会の実現に向けた取組を世界に広げ、東京をダイバーシティ、インクルージョンを先導する都市へと発展させてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、教員の海外派遣研修についてでございますが、コロナ禍において、海外への派遣研修の代替として、昨年度からは、オンラインを活用し、海外の大学の教員からリアルタイムで講義を受講する研修やオンデマンドによる研修を実施しております。
 また、今年度は、昨年度の取組に加え、オンラインによる現地校の授業視察や現地教育機関から受講者への講義内容に関する指導助言等の機会を設けるなど、研修内容の充実も図っております。
 今後は、渡航の再開も見据えながら、従来の海外渡航による体験的な研修に、これまで蓄積してきたオンライン研修のノウハウも取り入れ、研修の効果を一層高めてまいります。
 次に、児童生徒の国際交流の推進についてでございますが、広い視野や国際感覚、多様な人々と協働する力を身につけ、グローバルに活躍する人材を育成するためには、体験的な国際交流を推進していくことが重要でございます。
 都教育委員会は、これまで十の国や地域と教育に関する覚書を締結し、交流校の開拓等を行うとともに、今年度、都立学校七十二校を推進校に指定し、語学研修や留学生の受入れなど各学校の取組を支援しております。
 また、都内の公立学校に対しては、国際交流コンシェルジュによるワンストップサービスを通じ、在京大使館との交流など体験活動を支援しております。
 こうした取組により、学校の相互訪問や国際交流活動などを支援し、児童生徒の交流を一層推進してまいります。
 次に、全国大会等の出場に係る支援についてでございますが、運動部活動の生徒が全国大会等に出場した際、練習で培った力を十分に発揮できるようにするために、安全管理や技術指導等を行う顧問教諭に加え、遠征先での選手のコンディション管理、練習相手、競技用具の準備等、総合的に選手をサポートする生徒が重要な役割を果たしている場合があると認識しております。
 このため、全国大会等で選手が身体的、精神的に最高の状態を維持できる環境を整えられるよう、選手を補佐する生徒への支援の在り方についても検討してまいります。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 羽村大橋の整備についてでございますが、羽村大橋は、羽村市川崎とあきる野市草花を結ぶ多摩川を渡る橋梁であり、地域住民の生活や産業の振興に欠かすことのできない重要な社会基盤でございます。
 現在の橋梁は幅員が狭く、周辺の開発の進捗に伴う交通量の増加により、頻繁に渋滞が発生しております。このため、既設の橋梁の上流側へ橋梁を増設することとし、これまで設計作業を進めてまいりました。
 現在、工事用搬入路の確保に向けまして、地元市と調整を進めながら、河川管理者や交通管理者との協議などを実施しているところでございまして、引き続き関係機関の理解と協力を得ながら、工事着手に向けて取り組んでまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 映画人材の育成支援についてでございますが、映画の振興のためには、監督やプロデューサー等の創造活動を支援し、育成を図ることが重要でございます。都は、ベルリン国際映画祭と提携し、世界で活躍できる映画人材の育成事業、タレンツ・トーキョーを実施しております。
 この事業に参加した早川千絵監督は、本年のカンヌ国際映画祭で新人監督賞の特別表彰を受けました。また、他の修了生もベネチア国際映画祭でノミネートされるなど、世界で評価される人材が輩出され、これまで積み重ねてきた育成事業の成果が表れてきております。
 今後は、国際映画祭に派遣し、人脈を広げるための支援など、若手の映画人材が世界で活躍できる取組を進め、東京のプレゼンスを高める映画の振興につなげてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 職場での性的マイノリティーの方への理解促進についてでございますが、誰もが働きやすい職場を実現する上で、事業者や従業員が性的マイノリティーの方に関する正しい知識を得て、理解を広げることは重要でございます。
 都では、職場での性自認及び性的指向に関する課題について労働相談を行うほか、事業者向けのセミナーを開催しております。
 今後は、職場における性的マイノリティーの方々への理解を効果的に広げるため、人事担当者や従業員向けのオンラインによるセミナーを実施するほか、事業者に専門家を派遣し、会社の状況に応じた助言を行ってまいります。
 こうした取組を通じまして、誰もが働きやすい職場づくりを支援してまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、性的マイノリティーの方の相談についてでございますが、当事者の方の中には、周囲の無関心、偏見等の中で、学校、職場など様々な場面で困難に直面しているにもかかわらず、誰にも相談できず一人で悩みを抱えている方々も少なくないと認識してございます。
 このため、都では、当事者の方々の悩みや不安の解消につながるよう、電話とSNSによる専門相談を実施しております。このうち、SNSによる相談につきましては、令和二年度に週二回で開始し、令和三年度からは週三回に拡充いたしましたが、時間帯によっては待ち時間が生じるケースもございます。
 今後は、一人でも多くの方の相談を受けられますよう、現在の受付状況や相談体制を検証し、混雑する時間帯をあらかじめ周知するなど、様々な工夫を凝らしてまいります。
 次に、ヘイトスピーチへの取組についてでございますが、誰もが認め合う共生社会を実現するためには、東京に集う全ての人々の人権が尊重されることが重要でございます。
 都では、人権尊重条例に基づき、都民等からの申出を受け、本邦外出身者に対する不当な差別的言動、いわゆるヘイトスピーチと認められる表現活動の概要を公表してございます。また、啓発冊子、動画、SNSやデジタルサイネージ等を活用した広報活動により、広く都民への意識啓発に取り組んでおります。
 引き続き、国や区市町村とも連携しながら、適切に制度運用を図るとともに、様々な媒体を通じて、ヘイトスピーチは決して許されるものではないというメッセージを発信するなど、ヘイトスピーチの解消に向け取り組んでまいります。
 次に、広域避難対策のさらなる推進についてでございますが、いつ起こるともしれない大規模風水害に備え、広域避難先施設や開設運営要員の確保など、避難体制の具体化を迅速かつ着実に進めていくことは極めて重要でございます。
 このため、都は、広域避難先として、現時点で国や民間の六施設と協定を締結するとともに、オリンピックセンターを想定した開設運営マニュアルを取りまとめたところでございます。
 今後は、関係区と連携し、広域避難先のさらなる確保に向け、大学の施設や収容キャパシティーのあるホール等への働きかけを強化してまいります。また、区の職員に加え、都職員の派遣や民間事業者の協力等により運営要員を確保するなど、開設運営体制のさらなる具体化を図ってまいります。
 こうした取組を通じて、大規模風水害時における広域避難対策の実効性を一層向上させてまいります。
 最後に、水害時の都立施設のさらなる活用についてでございますが、大規模風水害時の広域避難先の確保に当たっては、国や民間の施設に協力を働きかけるとともに、都立施設を積極的に活用していく必要がございます。
 このため、都は、浸水想定区域外にある大規模施設を中心に、利用可能な都立施設については活用を原則とし、各施設管理者等と活用に向け調整を進めてございます。
 今後は、関係区と緊密に連携を図りながら、各施設の広域避難先としての開設運営マニュアルの整備を進めてまいります。また、国、民間施設による避難先の確保の状況なども踏まえ、必要に応じて、中小規模の都立施設につきましても広域避難先としての活用を検討してまいります。
 こうした取組を通じて、大規模風水害時の広域避難先の確保を着実に進めてまいります。

○議長(三宅しげき君) 二十二番平田みつよし君。
   〔二十二番平田みつよし君登壇〕

○二十二番(平田みつよし君) 八月十八日、西山賢議員が逝去されました。ご冥福をお祈りするとともに、西山議員のご遺志を継承して、都政発展に取り組んでまいります。
 長引くコロナ禍で、社会経済活動が停滞しがちな中にあっても、東京は国際競争力を強化し、日本、そして世界を牽引していかなければなりません。世界の大都市との競争を勝ち抜く国際都市東京の構築に向け、我が会派としても、様々な提言や具体的取組を推進してきました。
 東京には、世界に誇る日本ならではの文化や技術があります。こうした文化や技術を世界に発信し、東京の魅力をアピールしていくことは重要であり、その一つに日本の美容技術があります。
 外国人を対象に行ったアンケートでは、日本の美容サービスは接客が丁寧で親切、デザインがかわいいなどの声が寄せられており、その技術やおもてなしの心は世界に誇るものです。
 これまで外国人は、美容師免許を取得しても日本での就労は認められていませんでしたが、国家戦略特区制度の外国人美容師育成事業を活用し、今後、就労が可能になります。
 そこで、本事業の意義と今後の展望について、小池知事の見解を伺います。
 デジタル人材の獲得競争が厳しさを増す中、区市町村にあっては、令和七年度までに基幹システムの標準化、共通化を達成しなければならないという課題を抱えています。
 都が設立構想を明らかにした新団体、GovTech東京では、民間の高度人材をこれまで以上に確保できるとしていますが、従来の行政の枠組みでは待遇が民間水準に釣り合わないなど、課題も多いと聞いています。民間を含めたデジタル人材の獲得競争の中で、人材確保のためには、国内だけでなく海外も視野に入れなければなりません。
 こうした現状を踏まえ、新団体では、デジタル人材の確保と区市町村のニーズに応じた活用にどのように取り組んでいく方針なのか、宮坂副知事の見解を伺います。
 新型コロナウイルス感染症によって、保健所業務の逼迫が大きな課題となりました。都は、保健所業務のデジタル化を進め業務効率化を図ってきましたが、今後、感染の再拡大に備え、一層の業務効率化や負担軽減に取り組む必要があります。
 そこで、これまでの保健所デジタル化の取組や成果、今後の方向性について見解を伺います。
 デジタル社会の進展は、産業構造や人の働き方の劇的変化をもたらしています。教育現場においても、従来の枠組みにとらわれない学びを展開していかなければなりません。
 普通科の高校では、多くの生徒は、第二学年以降、文系、理系に分かれ、特定の教科については十分学習しない傾向があります。
 一方で、Society五・〇を実現するためには、デジタル人材の裾野拡大は必要不可欠です。そのため、文系、理系を問わず、都立高校に通う全ての生徒が基本的なITスキルを身につけることが重要と考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 都教育委員会が、八月十八日付で区市町村教育委員会向けに宛てた文書の中に、昼食時は対面形式にならないようにし、食事中は会話をしないこととの言及がありました。いわゆる黙食を引き続き行うべきとの内容でした。しかしながら、子供に黙って食べてねといってもなかなか伝わりづらいというのが現場の実態ではないでしょうか。
 親御さんたちからは、大人は会食も飲み会もしているのに、なぜ子供たちの給食はいまだに黙食なのかという素朴な疑問も寄せられています。
 福岡市では、一定の条件を付した上で、大声でなければ会話してもよいと通知を行った例もあります。
 うがい、手洗い、換気、検温、消毒といった感染防止対策は引き続き励行されるべきですが、子供たちへの黙食の指導については、見直すべき局面にあるのではないでしょうか。都の見解を伺います。
 新型コロナウイルス感染症が長期化する中、都内で働く約十四万人の看護師は、感染拡大防止に細心の注意を払いながら職務に従事しています。感染の再拡大等の危機に対応するためにも、看護師への十分な処遇が必要と考えます。
 全国にある五百床以上の病院のうち五一・二%が看護職を副院長に登用しています。また、埼玉県立病院機構では四つある病院全てで看護部長を副院長に登用しており、看護職の視点を生かし、医療の質の向上を図っています。都立病院でも、こうした考えを取り入れていくべきです。
 そこで、都立病院における看護部長の副院長登用の現状と今後の方向性について見解を伺います。
 近年、通園、通学中の子供たちが被害者となる痛ましい事故が相次いでいます。今月五日には、静岡県で通園バスの車内に取り残された園児が命を奪われるという残酷な、決して許すことのできない事故が発生しました。
 一方で、この数年の間に相次いだ車による死傷事故も忘れてはなりません。悲惨な事故が繰り返される中、これまでも我が会派は、子供たちの安全を確保する取組を都に強く求めてきました。
 令和三年第三回定例会の我が会派の代表質問では、歩行者の安全を確保することができる強度を有する防護柵へ取替えを進めるべきと提案しました。これに対し、約千五百か所の交差点を対象として、道路横断抑止柵を強度の高い車両用防護柵に交換していくとの答弁がありました。
 そこで、交差点内における車両用防護柵への交換に関する現在の取組状況を伺います。
 大規模な水害が発生した際、都営住宅等の上層階の共用部分や空き住戸を緊急避難先として活用する取組が進んでいることは評価するものです。約千六百ある団地の大部分は中高層で、都内広範にわたって所在することから、この取組は、都民の安心・安全の確保に大きく貢献すると考えます。
 都は、広域自治体の立場から、未締結の区市町への働きかけを積極的に行い、覚書等の締結を一層加速すべきとも考えますが、見解を伺います。
 都民の約四分の一の世帯が暮らすマンションは、東京の重要なインフラともいえます。
 一方、いわゆる高経年マンションが増えており、維持管理の適正化や老朽化が進み、維持修繕が困難なマンションの再生に向けた取組強化は喫緊の課題です。
 一昨年、マンションの管理の適正化の推進に関する法律が改正され、地方自治体がマンション管理適正化を推進することになり、今年度からは、管理計画認定制度も始まりました。
 計画の策定や認定は区市が主体となって実施しますが、町村は都が行います。現在、計画を策定した自治体は、都と一区三市であり、認定されたマンションは二件にとどまっています。良好に管理が行われているマンションを後押ししていく観点も重要です。
 今後、管理計画認定制度を導入する区市を拡大し、普及させていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 都は、平成三十一年、いわゆる建築物バリアフリー条例を改正し、一定の規模の宿泊施設を対象に、一般客室の出入口幅や段差解消などの規定を定めました。これは、全国に先駆けた取組でしたが、必ずしも十分ではないとの声も寄せられていました。
 東京二〇二〇大会のレガシーである共生社会の実現はもちろん、年齢を重ねた後も、快適な生活や余暇を楽しむためにも、誰もが移動に不自由を感じることがないユニバーサルデザインのまちづくりは極めて重要です。
 都は、このたび、宿泊施設の一般客室におけるバリアフリー基準を再度見直すとのことですが、世界を引きつける、誰もが安心、快適に利用できる宿泊環境を整備していくため、どのように対応していくのか、見解を伺います。
 今年の夏は、三年ぶりに行動制限もなく、観光関連事業者からは、需要回復に期待する声が高まっていました。八月には、旅館、ホテルの景気動向指数が大きく改善したほか、外国人観光客の入国制限が緩和されるなど、先行きに明るい兆しも見られています。
 一方で、新型コロナウイルス感染症の長期化により予約のキャンセルが生じたほか、地方の観光客の中には、東京へ行くのが怖いという声があるなど、東京への旅行を敬遠する傾向も見られ、引き続き、観光関連事業者には厳しい状況が続いています。
 団体旅行は、小規模の旅行業者の売上げに占める割合が高く、また、観光バスや飲食、小売りなど関連する事業者も多いことから、こうした事業者の経営状況を改善するためにも、団体旅行に対するさらなる後押しが不可欠です。
 団体旅行の需要回復に向け、事業者が活用しやすいように支援を拡充すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 水道事業には、水道管の布設や水道メーターの取替えなど、五千社以上の工事事業者が携わっています。事業者の多くは社員数五十人未満の中小事業者であり、経営資源が限られていることに加えて、社員の高齢化等、今後の経営に不安を抱えている事業者もおられます。今後も安定的に水道事業を継続するためには、水道局の適切な支援が欠かせません。
 水道局は、DX推進によるお客様サービスの向上や、業務効率化を実現するため、今年四月からスマートメーターの設置を開始しました。スマートメーターの設置は、都政のDXを進める上で重要な取組であります。
 一方で、新たな事業の開始には、工事事業者にとって慣れない作業が発生し、業務の習熟に時間を要するなどの課題があります。
 スマートメーターの設置をはじめ、新たな事業の開始に当たり、事業者が円滑に業務を進めるためには、水道局が適切な支援を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 都内には、いまだに約千五十か所の踏切があり、交通渋滞や都市活力の低下を招く一因となっています。
 私の地元の葛飾区内で現在進められている京成押上線連続立体交差事業は、十月からは京成立石駅の現駅舎解体に向け、南東側階段の撤去に着手することになり、高架化が実現に近づいていることに地元の期待は高まっています。
 一方で、本事業の完成は、現在の事業認可期間である令和十三年春まで要することが予想されます。京成立石駅は、京成電鉄全線の乗降人員数で上位十位に入り、一日約三万人が利用しています。今後八年以上にわたって工事が続くことは、駅利用者はもちろん、駅周辺の商店街関係者や住民に多大な影響が及ぶことになります。
 工事の安全確保は大前提ですが、利便性の確保、乗降客や駅周辺関係者の動線の周知徹底などを事業主体である都が先導して調整するべきと考えますが、見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 平田みつよし議員の一般質問にお答えいたします。
 外国人美容師育成事業についてのお尋ねがございました。
 高度な美容技術を世界に広めていくとともに、美容製品の輸出による東京の産業競争力の強化を図る、そのためには、外国人美容師の実際の就労を通じた育成が重要であります。
 平成三十年八月、国家戦略特別区域会議におきまして規制改革提案を行いました。そして、令和三年十一月に、一定の要件を満たした外国人美容師が最大五年間就労可能となる本事業の活用が初めて認定をされたところであります。
 これを受けまして、都は本年八月、外国人美容師や育成機関をサポートする監理実施機関を決定いたしております。
 今後、高い志を持った外国人美容師が東京の育成機関におきまして、現場で実践的な技術や接客スキルなどを学ぶこととなります。
 この事業を通じて得られました知識や経験を生かし、海外で高度な美容技術やおもてなしの心を発信いただく、そのことで東京のブランドの価値向上につなげてまいります。
 その他の質問につきましては、副知事、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 新団体におけるデジタル人材の確保、活用についてでございますが、激増するデジタルサービスに対応するには、都庁内部でのICT職の育成強化に加え、サービス開発に適したフラットな組織文化や開発環境を持つ組織を都庁の外に設けて人材を活用する新たな枠組みが必要です。
 新団体、GovTech東京では、人材の採用力を高めるために、行政の制約を超えて柔軟かつ迅速に多様な人材を獲得し、そして活躍できる仕組みを導入していきます。民間を踏まえた給与水準や柔軟な働き方のほか、最新の民間経営手法も取り入れ、高度専門人材が生き生きと活動し、存分に能力を発揮できる環境を整えてまいります。サービス開発に当たっては、外国人高度人材の活用も視野に入れていきたいと考えております。
 様々なスキルを有する人材の力で、区市町村のニーズに応じた伴走型支援や、令和七年度までに必要な主要二十業務の標準化、共通化について、国と連携してサポートを強化し、区市町村のデジタルトランスフォーメーションを強力に後押ししてまいります。
 GovTech東京が有効に機能するためには、何よりも区市町村の皆さんとのコミュニケーションが重要であり、構想発表当日にもCIOの皆さんと意見交換をさせていただきました。
 引き続き、しっかりと対話を重ね、この新しい仕組みを皆でつくり上げていきたいと考えております。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、デジタル社会で活躍する都立高校生の育成でございますが、これからの予測困難な社会を生きる全ての高校生が将来直面する様々な課題に対し、デジタルを活用して解決できるよう、ITスキルを身につけることは重要でございます。
 都教育委員会は、情報科の免許を持つ教員を全都立高校に配置するとともに、企業や大学との連携による研修を通じて専門性の向上を図っております。これらの教員が、プログラミング言語を実践的に活用する力や、データを統計的に分析する力などを指導しております。
 今後、都立高校生が探求的な学習活動の中で、デジタル技術を活用して課題を解決する力を身につけられるよう学校を支援し、Society五・〇を担う人材を育成してまいります。
 次に、学校給食等における食事中の指導についてでございますが、都教育委員会は、感染症対策と学校運営の両立を図るため、新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドラインを策定しております。
 都立学校では、児童生徒の感染者数が依然として高い水準にあり、感染リスクがある食事中は対面形式を避け、会話をしないように指導しております。
 また、区市町村教育委員会に対しては、児童生徒の学校生活の実態等を踏まえ、感染拡大防止を図れるよう都のガイドラインを情報提供するなど支援しております。
 今後も、感染状況等を注視しつつ、給食などの食事中の指導について適切に対応してまいります。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、交差点部における防護柵の交換についてでございますが、子供が日常的に移動する経路において、交通安全対策を進めることは極めて重要でございます。
 都は現在、約千五百か所の交差点を対象に、横断抑止用の柵から、より強度の高い車両用防護柵への交換を進めておりまして、これまでに約百か所で完了しております。
 交換に当たっては、例えば地下埋設物がふくそうしている交差点では、防護柵の基礎の構造を変更するなどの対応を行っております。引き続き、現場状況に合わせた様々な工夫により工事を進め、令和六年度中の完了を目指してまいります。
 今後とも、子供を含め、誰もが安全で安心して利用できる歩行空間の確保に取り組んでまいります。
 次に、京成押上線の連続立体交差事業についてでございますが、本事業は、四ツ木駅から青砥駅までの区間を高架化し、十一か所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化にも資するものでございまして、これまでに用地取得や仮線工事等を進めてきております。
 京成立石駅におきましては、来月から一部の出入口を閉鎖し、駅舎の解体工事に着手いたします。これに先立ち、都は、事業主体として、地元区及び鉄道事業者と、地元町会等への説明や駅での周知方法について調整いたしました。
 今後も、工事の進捗に応じて改札口や利用動線の変更が必要となるため、バリアフリーへの配慮や駅利用者及び沿線住民の方々に対する周知の徹底を図ってまいります。
 引き続き、地元区や鉄道事業者と連携し、事業を着実に推進してまいります。
   〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 保健所の新型コロナへの対応に関するご質問にお答え申し上げます。
 都は、紙やホワイトボードなどで行っていた患者対応の進捗管理をシステム上での一元的なデータ管理にするなど、保健所業務のデジタル化を進めることで職員間の情報共有を円滑化し、業務の効率化を図ってまいりました。
 また、電話で行ってきた患者への連絡や問合せ対応をショートメッセージサービスやチャットボットに切り替えました。その結果、対応時間は、電話との比較で試算をいたしますと、導入後三か月間で約三万時間の縮減効果が得られました。
 今後とも、現場の意見を取り入れながらシステムを改善し、さらなる負担軽減や業務のスピードアップを図るとともに、都の取組を区市が設置する保健所とも共有いたしまして、導入を支援することで、都全域の保健所業務のデジタル化と都民サービスの向上を推進してまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 都立病院の副院長についてでございますが、副院長は、医療はもとより経営面でも院長を補佐する重要な役割を担っておりまして、配置する人材には、病院全体を俯瞰し効率的に病院運営を行う能力のほか、様々なリスクに対応する判断力、地域の医療機関との連携強化に向けた調整力等を有することが求められます。
 都立病院では、幹部候補の医師を対象に病院のマネジメント力を醸成するための講座を開催し、体系的に幹部の養成に取り組んでおり、多くの院長、副院長がこの講座を受講しております。
 今後、都立病院機構では、新たな人事制度の下、看護師やコメディカル、事務なども含め、次代の病院運営を担う幹部職員の育成に取り組み、各ポストにふさわしい人材を配置して、さらなる医療サービスの向上に努めてまいります。
   〔住宅政策本部長山口真君登壇〕

○住宅政策本部長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅等を活用した垂直避難についてでございますが、水害のおそれのある地域におきまして都民の安全・安心の確保に資するよう、現在、都は、十一区四市と都営住宅等の上層階の廊下等の共用部分を緊急避難先とする覚書や、緊急時に空き住戸を提供する協定を締結しております。
 今後は、未締結の区市町に対しまして、都が率先して、都営住宅等の所在地と区市町のハザードマップを照らし合わせ、垂直避難が可能な住棟を具体的に提示するなど、覚書等の締結に向けて、より一層の働きかけを行ってまいります。また、隣接する自治体間で、行政区域を越えて相互に共用部分への避難ができるよう、新たな協議も進めてまいります。
 こうした取組を通じまして、地元自治体の意向も踏まえながら、都営住宅等のストックを活用した水害時の緊急避難先の拡充に取り組んでまいります。
 次に、マンションの管理計画認定制度の普及についてでございますが、管理が良好なマンションが市場で適正に評価されるよう、認定制度を広く普及させることは重要でございます。
 このため、都はこれまで、実施主体である区市へ制度導入を働きかけるとともに、認定を取得するインセンティブの強化等を国に提案要求しておりますほか、今後、ポータルサイトにおける認定マンションの紹介やセミナー等の開催など、普及啓発も充実してまいります。
 また、認定制度の普及を一層進めるためには、区市がマンションの適正管理に関わる管理会社や関係団体との連携を深めていくことが重要であり、区市に対する支援の強化を検討してまいります。
 こうした取組を通じまして、区市の制度導入をさらに後押しし、制度の普及を加速してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 誰もが安心、快適に利用できる宿泊環境についてでございますが、都は、東京二〇二〇大会に向け、鉄道駅や宿泊施設などを中心に、ハード、ソフト両面においてユニバーサルデザインのまちづくりを推進してまいりました。
 こうした大会のレガシーを、将来に向けた都市のレガシーとしてさらに発展させていくため、建築物バリアフリー条例を改正し、宿泊施設の基準を見直すことといたしました。
 具体的には、一般客室の浴室等について、前面通路幅の基準を新たに定めるとともに、出入口幅の基準を引き上げます。あわせて、容積率の緩和など支援策の周知や、施設の情報発信を強化し、宿泊環境の整備を促進してまいります。
 こうした取組を通じて、誰もが安心、快適に利用できるユニバーサルデザインのまちづくりをさらに推進し、世界の人々を引きつける東京の実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 団体旅行を増やすための支援についてでございますが、都内の観光関連の事業者が厳しい経営環境を乗り越える上で、収益の確保につながる団体旅行の数を増やすことは効果的でございます。
 このため、都は、団体による旅行を企画する事業者に対しまして、観光客同士が密になることのないよう、観光バスの台数を増やすための追加の経費に助成を行ってまいりました。
 今後は、団体旅行の企画や観光バスの手配に当たり、旅行者が十分な間隔を取り着席できるよう確保した車両の全てを助成の対象といたします。この新たな支援では、二台目の借り上げから助成の率を引き上げる工夫によりまして、バス利用の負担軽減を進めます。
 こうした取組によりまして、観光産業の回復を着実に後押しをしてまいります。
   〔水道局長古谷ひろみ君登壇〕

○水道局長(古谷ひろみ君) 水道工事事業者への支援についてでございますが、水道事業を安定的に運営していくためには、工事事業者の着実な施工が不可欠でございます。
 水道局ではこれまでも、工事事業者に対して、適正な施工に係る講習会や業務の説明会を開催するとともに、業務に関する問合せへの対応などを実施してまいりました。
 スマートメーターの設置に当たりましては、従来の水道メーターの交換にはなかった、現地における電源や通信の確認作業など新たな工程が加わっております。
 このため、これまでの取組に加え、作業手順を丁寧に説明する動画を作成し配布するなど、工事事業者を支援する取組を実施しております。
 今後も、工事事業者のニーズの把握と適切な支援に努め、円滑な事業運営と将来にわたる安定給水を確保してまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時二十分休憩

   午後五時四十五分開議
○副議長(本橋ひろたか君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十七番米川大二郎君。
   〔四十七番米川大二郎君登壇〕

○四十七番(米川大二郎君) 都教育委員会が発注している都立学校図書館管理業務委託ですが、令和元年度執行分の都監査事務局の監査で、仕様書において、受託業者は、受託業務を円滑に処理できる人員を学校ごとに複数人配置するとしているが、仕様を満たした配置を行っていないことが認められたとの指摘を受けましたが、この指摘以外にも、業務従事者が休憩を取得した際に、複数人配置ができていない、つまり、仕様書違反となる事例が長年にわたり常態化していたことが分かりました。
 浜教育長は、九月三日付の朝日新聞のインタビューで、これまで他の仕事も民間に任せてきました、民間業者イコールだらしないということではないと思いますと答えていますが、受託業者から、休憩時間の取得による仕様書違反に対し、委託費の返還についての申出や返金は行われているのか、また、都教育委員会はどのように対応されているのか伺います。
 次に、会計年度任用職員についても、職員の採用は全て条件付のものとして、当該職員が、その職において一か月間、その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になりますが、資格が必要な専門職においても書類と面接のみで採用することがあり、職務遂行能力は条件付期間中の実務を通して実証されると考えます。
 このため、条件付採用期間中に良好な成績でない場合には、短期間で不採用とする手続を行う必要があり、所属長や人事担当部門などには適切に対応するための知識などが必要ですが、都における会計年度任用職員の条件付採用制度について、どのように運用しているのか伺います。
 次に、令和四年四月から、都立高校の学校図書館に会計年度任用職員が配置されましたが、資格が必要な専門職種においても条件付採用期間が一か月であるため、正式採用に対するハードルが高くなく、職務遂行能力が十分でない方も採用されてしまう場合があります。また、月十六日勤務のため、不在の日は無資格のアシスタント職員が対応するため、機能を生かせていません。
 そこで、採用に当たって試験を行い、また、条件付期間が六か月間あり、職務遂行能力を十分に確認できる学校司書の採用を再開すべきと考えますが、都教育委員会に伺います。
 次に、長年首相を務められた安倍元首相が銃撃され、それを契機に旧統一教会の問題が連日報道されています。報道などによれば、旧統一教会は様々な方法で地方自治体とも関係をつくっているとのことですが、都と旧統一教会との関わりなどについて調査したのか、調査を実施していれば、その方法と結果を併せて伺います。
 旧統一教会問題についても発言されているパックンさんは、ESAT-Jの説明動画にも登場され、当時、日本財団に所属していた、現在、株式会社4kizの社長をされている方とも対談をしています。この方は自ら、二〇一五年に旧統一教会の各国指導者が集まる国際会議で、本人が講演を行ったという指摘については事実ですと明らかにしています。
 株式会社4kizは、都の子供政策連携室の事業である、こどもスマイルムーブメントに参加していましたが、旧統一教会との関係があると判断されたためなのか、突然、こどもスマイルムーブメントのホームページから削除されました。
 株式会社4kizの名前が突然、こどもスマイルムーブメントのホームページからなくなりましたが、その理由及びなぜ公表しなかったのか伺います。
 また、都教委が実施しようとしているESAT-Jについては、旧統一教会との関係はあるのか伺います。
 また、ESAT-Jは教育委員会が実施するものですが、教育委員会では報告事項とされ、議決事項になっておらず、教育長が教育委員会の名で実施を決定されたと考えますが、ESAT-Jに関する責任はどなたにあるのか伺います。
 次に、都教委は、男女別定員の緩和措置についてシミュレーションを実施していますが、同様に、ESAT-J結果の都立高入試での活用についても、事前にシミュレーションを行い、検証し、問題点を改善した上で実施する必要があります。
 都教委が示した不受験者の仮のESAT-J結果の算出方法では、英語学力検査の得点が同じでも、不受験者の方がESAT-J結果が高くなる、いわゆる逆転現象となる事例が示されており、この結果、総合得点が逆転することも想定されます。
 これに対し、都教委は、令和三年に実施したプレテストのデータと令和四年度の都立高入試のデータを使用してシミュレーションを実施すれば、この仮説を検証することもできますが、なぜ行わないのか伺います。
 次に、今年度の都立高入試でも、学力検査と調査書の合計である総合得点が同点だった際の判定方法を誤るなどの重大な間違いがありました。合否を決める上での一点はとても大きいです。
 ESAT-Jのスコアが七十九点と八十点の場合、グレードが異なるため、点数化すると、それぞれ十六点、二十点と四点の差、スコアの一点差は、入試の総合得点で四倍の四点差になりますが、このような点数化の合理的である理由を伺います。
 スピーキングの答えは一つではないため、示された解答例以外にも様々な答えがあると考えますが、ESAT-Jのスコアレポートに加え、提供される音声データや解答例を基に、スコアの点数に疑義が生じた場合、どのように対応するのか伺います。
 ESAT-J不受験者の都立高入試での仮のESAT-J結果や、この結果を算出するための各グレード別の人数について、開示されるのか伺います。
 次に、都内在住の国立、私立中学校在籍者は、同じ都立高入試を受検するにもかかわらず、総合得点の一部を構成するESAT-Jの受験を必須としないことの合理的である理由を伺います。
 次に、令和四年度の都立高入試で、ESAT-Jの不受験者扱いとされる私立中学校在籍者などに該当する受験者数を伺います。また、該当者が多かった都立高校とその人数も併せて伺います。
 都立板橋高校では、指摘されるまで、ESAT-J実施日である十一月二十七日に学校説明会を予定していましたが、この同じ日や十二月十八日に私立高校が実施する学校説明会に出席し、不受験となった場合、生徒は不利益を受けることがあるのか伺います。また、本理由で不受験となった場合の扱いも併せて伺います。
 次に、都内在住の国立、私立中学校に在籍する第三学年生徒は、最終的に都立高入試を受検しない場合でも、希望すればESAT-Jを受験できるため、事実上、都立高受検の有無にかかわらずESAT-Jを受験できることになりますが、このような事業を都教委が実施する理由とその根拠について伺います。
 このような予算執行が行われておりますが、都は、予算執行に当たって、どのような考えで取り組んでいるのかも伺います。
 次に、葛飾区では長年、区の南北交通の利便性を高めることにつながるため、南北に走るJR新金貨物線の旅客化を求める声が多くありました。
 現在、区は、二〇三〇年頃の開業を目標に掲げており、答申への位置づけがなくても整備に着手していく考えですが、これまで、東京圏における鉄道ネットワークは国の答申を基に進められており、答申に位置づけのない本路線について、葛飾区の事業費の負担が大きくなるのではと区民からは懸念する声を一部いただいています。
 そこで、国の答申に位置づけのないJR新金貨物線の旅客化について、都は、費用負担も含め、どのように取り組むのか伺います。
 次に、葛飾区に設置されているよつぎ療育園は、区東部において、重症心身障害児者の診療、通所を行う施設として、保護者の期待はとても大きいです。
 一方、利用者の増加に対しては、工夫して運営されていると聞いていますが、施設のスペースが狭く、拡張性がないことが課題になっています。
 現在、新型コロナウイルス感染症対策として外来診療を制限していますが、障害児者やその家族が地域で安心して暮らしていくためにも、新型コロナウイルス感染症前のような外来診療の体制に戻すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、昭和二十二年のカスリーン台風では、利根川が氾濫し、その濁流は私の地元である葛飾区を含む流域、一都五県に甚大な被害を及ぼしました。この災害を契機として、一都五県の流域自治体により利根川治水同盟が結成され、利根川水系の治水対策推進の要望等を行っています。
 私の地元葛飾区には、利根川水系である中川、綾瀬川が流れており、その流域は、満潮面よりも低い東部低地帯であるため、高潮や地震による水害に対して危険性が非常に高く、現在実施している高潮、耐震対策を着実に推進することが必要です。
 そこで、中川、綾瀬川を含む東部低地帯における都の高潮、耐震対策の取組について伺います。
 最後に、令和四年の予算特別委員会で、京成高砂駅周辺のまちづくりと鉄道立体化の取組について質疑した際、車両基地の移転案などの課題解決にめどが立ったことから、国に着工準備に係る補助金を新たに要望し、事業化に向けて一歩踏み出すとの答弁がありました。
 その後、令和四年七月に京成高砂駅北口地区市街地再開発準備会が第三回全体会を開催し、また、隣接する江戸川区でも、令和四年八月に京成小岩駅周辺地区まちづくり計画案を公表するなど、地域のまちづくりの取組が着実に進んでいます。
 そこで、京成高砂駅から江戸川駅付近の鉄道立体化に向けた取組について伺い、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 米川大二郎議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、都立学校図書館における管理業務委託についてでございますが、業務委託において受託者の履行で不適切な対応があった場合は、是正指導等を行うこととしております。
 次に、都立学校における司書の配置についてでございますが、都教育委員会は、新学習指導要領に基づく主体的、対話的で深い学びを実現するため、学校図書館の運営について、従来の業務委託から司書等の資格を持つ会計年度任用職員の配置に段階的に切替え、教員と連携した体制への移行を図っております。
 令和四年度は、都立高校等九十九校に配置し、校内の図書委員会運営や授業支援など、学校図書館の利用促進に資する取組を行っており、引き続き、効果的、効率的な人員配置を行ってまいります。
 次に、スピーキングテストについてでございますが、ご質問の趣旨を理解いたしかねますが、申し上げるまでもなく、旧統一教会との関連はございません。
 次に、スピーキングテストの実施についてでございますが、スピーキングテストの実施主体は都教育委員会でございます。
 スピーキングテストの不受験者への対応についてでございますが、都教育委員会は、事故や病気等のやむを得ない理由によりスピーキングテストを受験することができなかった生徒などに対しては、英語学力検査の得点を基に、テスト結果に相当する点数を付与することとしております。
 この算出方法については、様々なケースを想定しても、合理的な最善の方策であると判断しております。
 次に、スピーキングテストの点数化についてでございますが、外国語運用能力等の国際的な基準であるCEFRと呼ばれるグレードを踏まえて、自分のことについて質問に答えたり、話したりすることができる、身近な話題について相手と意見交換ができるなど、英語を使って何ができるかを示した基準に従い、その到達度を総括的に六段階で表したものでございます。
 入学者選抜では、学力検査点と調査書点に、スピーキングテストの段階別評価を、二十点を満点として加算し、適切に活用いたします。
 次に、スピーキングテストの結果に関する対応についてでございますが、スピーキングテストに関する問合せについては、相談窓口で受けることとしております。
 都立高校入試における得点等の開示についてでございますが、都立高校入試の受検者は、各都立高校に対し、スピーキングテストの評価を含め、受検者本人の得点等の開示を請求し、その結果を確認することができます。
 スピーキングテストの不受験者についても同様に開示請求書を提出することにより、不受験者の措置として算出された評価を確認することが可能であります。
 なお、他の受検者の得点等については開示対象とはなっておりません。
 次に、スピーキングテストの国立、私立中学校生徒への対応についてでございますが、都立高校の受検を検討する生徒は受験可能でございます。
 都立高校入試における私立中学校等からの受検者数についてでございますが、私立や国立など、都内公立中学校以外に在籍する受検者数は、受検者全体の約二%でございます。
 なお、各都立高校別の数字は公表しておりません。
 次に、不受験者の扱いについてでございますが、テストの実施日、または予備日にもやむを得ない理由によりテストを受験することができなかった生徒等が、都立高校の入試を受検する場合には、点数を付与する措置を行います。承認に当たっては、個別のケースに応じて適切に判断いたします。
 最後に、私立中学校等の生徒のスピーキングテストの受験につきましては、先ほど申し上げましたとおり、都立高校の受検を検討する生徒は受験可能でございます。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東部低地帯の高潮及び耐震対策についてでございますが、東部低地帯において水害から都民の命と暮らしを守るためには、高潮への備えとともに、地震から堤防などの損傷を防ぐ対策を進めていくことが重要でございます。
 高潮対策については、国内で過去最大の被害をもたらした伊勢湾台風級の高潮に対する堤防等の整備がほぼ完了しております。
 また、耐震対策については、東部低地帯の河川施設整備計画に基づき、想定される最大級の地震に対する整備を進めてきております。昨年十二月には、さらなる安全性向上のため、対策の範囲を拡大した第二期計画を策定したところでございまして、令和十三年度までに対策を完了させます。
 今後とも、こうした取組を着実に推進し、東部低地帯の安全・安心を万全なものとしてまいります。
 次に、京成本線の京成高砂駅から江戸川駅付近の鉄道立体化に向けた取組についてでございますが、本区間では、補助第一四三号線など、都市計画道路が三か所で交差することになるほか、開かずの踏切二か所を含む十三か所の踏切があり、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。
 このため、都は、鉄道立体化に向けた検討を行ってきておりまして、本年四月には、国から新規着工準備箇所として採択されました。現在、より詳細な調査や設計の実施に向け、鉄道事業者と調整を進めているところでございます。
 今後とも、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 会計年度任用職員の条件付採用制度についてでございますが、本制度は地方公務員法に規定されており、条件付採用期間中において職務を良好に遂行した場合に、正式採用とする制度でございます。
 具体的な制度の運用につきましては、各任命権者が、国との均衡を考慮し、要項等を定め、実施してございます。
 知事部局においては、任用、報酬等を含む実務全般に関する手引を作成し、各局等に周知するなど、適切に運用してございます。
 今後とも、制度趣旨に鑑み、十分な職務遂行能力を有する人材を採用してまいります。
   〔政策企画局長中村倫治君登壇〕

○政策企画局長(中村倫治君) 旧統一教会や関連団体と都の関わりについてであります。
 都においては、イベント等に係る後援名義等について、文書の保存年限である三年間において調査を行った結果、旧統一教会や報道、インターネット等で関連団体とされている団体等に対して、承認は行っていないと確認しております。
 なお、現在、委託事業、補助事業、寄附等について、確認を各局において行っているところであります。
   〔子供政策連携室長山下聡君登壇〕

○子供政策連携室長(山下聡君) こどもスマイルムーブメントのホームページについてでございますが、お話の事業者につきましては、このホームページへの掲載を行わないなど、こどもスマイルムーブメントホームページ掲出ガイドラインの規定に基づきまして、適切に手続を行ったものでございます。
   〔財務局長吉村憲彦君登壇〕

○財務局長(吉村憲彦君) 予算執行についてでございますが、財務局では各局に対し、適切な予算執行を求める依命通達を発出しており、これに基づき、事業所管局では最少の経費で最大の効果を上げることができるよう、執行管理を行っているところでございます。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) JR新金貨物線の旅客化についてでございます。
 東京圏における鉄道ネットワークは、基本的に国の交通政策審議会の答申に基づき整備等が進められていることから、まず答申に反映されることが必要であると考えております。
 都は、答申に位置づけのある路線のうち、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた路線等について、関係者間で連携し、事業スキームの構築に向けた検討等を実施してきております。
 答申に位置づけのない本路線については、都市計画等の位置づけ、事業化や運営に係る費用負担の検討も含め、区が主体的に取り組むべく、八月に検討会を設置いたしました。
 都は、この検討会に国などと共にオブザーバーとして参画し、技術的な助言を行ってまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) よつぎ療育園の外来診療についてでございますが、よつぎ療育園は重症心身障害児を対象に通所訓練や外来診療等を行っており、現在、新型コロナ対策のため、園内における利用者や職員の接触機会を可能な限り減らしながら運営してございます。
 外来診療においても、外来利用者同士の接触を最小限にするため、保護者に丁寧に説明した上で予約診療を原則とし、継続的な日常健康管理を必要とする利用者を中心に診療を行ってございます。
 都は、今後とも、利用者の安全を最優先に考え、感染防止策について様々な工夫をしながら、事業を継続できるよう取り組んでまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 四番吉住はるお君。
   〔四番吉住はるお君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四番(吉住はるお君) 初めに、新宿区歌舞伎町で社会問題化している、いわゆるトー横キッズについて伺います。
 トー横キッズとは、もともとは歌舞伎町にある新宿東宝ビル東側道路にたむろする青少年たちのことをいいます。現在は、そのたまり場を東宝ビル西側のシネシティ広場へと移しています。
 トー横キッズの多くは十代前半から二十代前半で、中には十二歳の子もいるそうです。親との不仲やDV、いじめなどにより居場所を失い、強い孤独を感じて、同じような思いや経験を持つ仲間を求めて集まっています。
 トー横キッズは、昨年からメディアなどに多く取り上げられるようになりましたが、その理由が犯罪です。未成年の飲酒、喫煙、市販薬の過剰摂取や暴行、殺人など、多くの事件が起きており、中には、中高生が性暴力や性的搾取などの被害に遭うケースもあり、自殺も発生しています。
 現在、警視庁による毎日のパトロールに加え、大規模な一斉補導活動も実施されていますが、補導された少年少女の多くが再び歌舞伎町に戻ってきてしまうのが現状です。
 こうした状況を受け、地元自治体の新宿区では、歌舞伎町地区に集まる若者や女性の犯罪被害防止につなげるためのアウトリーチ活動を行うNPOなどの団体と連携し、この問題に取り組んでいます。
 トー横の若者は全国各地から集まっています。新宿区では、区外から集まってきた若者の支援に、住民税だけを原資にすることは区民の理解を得ることが難しいと考え、歌舞伎町安全・安心対策寄附金を創設しました。
 このトー横の問題は、一人一人の個別事情に寄り添い、継続した相談と支援が必要となるため、行政の取組だけでは解決に導くのが難しく、NPOなどの団体との連携は非常に重要ですが、中には十分な資金が得られず、継続的なボランティアを募ることに苦労している団体もあります。
 東京都においても、こうした子供たちを取り締まるだけでなく、地元自治体やNPOなどの団体と密接に連携し、解決に導く取組が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、家庭での子育て支援策の強化について伺います。
 核家族化の進行や地域のつながりが希薄化する中で、少子化対策や虐待防止といった観点から、在宅での子育て家庭をいかにサポートできるかが非常に大きなテーマです。
 これまで、国や都道府県は、待機児童をゼロにする取組に力を注いできました。福祉保健局の発表では、平成二十九年には八千五百八十六人だった都の待機児童数は、令和四年四月一日時点で三百人となりました。
 しかしながら、全国的に少子化には全く歯止めがかからない状況です。コロナ禍も影響していると思われますが、令和二年の都の出生数は九万九千六百十一人と、前年より二千百五十七人減り、五年連続で減少しました。少子化対策として、保育園の増設に力を入れてきたこれまでの支援から、様々なライフスタイルに応じた子育て支援の強化が求められています。
 国立社会保障・人口問題研究所による調査結果からも分かるように、可能なら子供が小さい頃は自分の手で子育てをしたいというご家庭もかなりの割合であると思われます。
 都は、特に育児負担が大きい三歳未満の在宅子育て家庭について、これまで以上に幅広く支援を充実すべきだと考えますが、見解を伺います。
 次に、国民健康保険について伺います。
 平成三十年の制度改革により、都は区市町村と共に保険者となり、財政運営の中心的な役割を担うこととなりました。国保の加入者は高齢者が多く、一人当たり医療費は今後も増加が見込まれます。
 先日、報道にもあったように、令和三年度の概算の国民医療費は、コロナ禍による受診控えの反動などもあり、過去最大となりました。仮にこの傾向が続くと、今後も国保加入者の負担が大きく増えることを区市町村は懸念しています。
 国は、都道府県内の保険料水準の統一に向けた議論を進めるよう求めており、都がイニシアチブを発揮することが期待されています。国保制度に対し、より主体的に向き合うことはもとより、保健事業のみならず、都民の健康づくりにも一層推進することが重要です。
 そこで、一人当たり医療費が増加傾向にあることを踏まえ、都としてどのように対応していくのか、また、国が求める保険料水準の統一に向けどのように進めていくのか、見解を伺います。
 次に、介護現場改革の推進について伺います。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる社会の実現が重要です。高齢化により介護ニーズは増大していますが、一方、サービスを提供する人材は慢性的に不足しており、今後も状況が改善する道筋はまだ見えていません。
 都は、こうした中にあって、持続可能な介護の体制を構築し、安心して東京に住み続けられるような取組を進めていくことが必要です。
 今後ますます増大する介護ニーズに対応するためには、介護現場の生産性の向上を図る取組を一層推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、地域の防災力向上の取組について伺います。
 都は、本年五月、いつ起きてもおかしくない巨大地震を見据え、新たな被害想定を公表しました。
 知事は、地域防災計画の修正を今年度末をめどに取りまとめると所信表明において言及されています。
 都民の安全・安心を確保するためには、地域防災力を向上させ、帰宅困難者対策をはじめ、様々な事態に備えることが必要です。そのためには、町会や自治会をはじめとする自治防災組織の強化が不可欠ですが、高齢化などにより地域コミュニティの活動低下が懸念されています。
 町会や自治会が実施する防災訓練などの取組に、地元の企業なども積極的に加わり、連携協力を強化できるような仕組みづくりが必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、商店街の現状と支援について伺います。
 商店街は住民の買物を支える商業機能のみならず、高齢者の見守り、防犯、防災活動など、地域コミュニティを支える様々な機能を有しており、欠かせない存在です。最近行われた私の地元の商店街でのイベントには、多くの人が訪れ、大変な盛り上がりを見せていました。商店街は地域のにぎわいを生み出し、他者との触れ合いや交流の場となっており、その存在の大きさを改めて実感したところです。
 しかしながら、都内の商店街は、平成二十二年から令和元年までの十年間で約八%減少するなど、活力の低下が懸念されています。地元の商店主からは、商店街の活動の担い手がおらず、このままでは存続できない、自らのお店を経営しながら商店街の活動をしており、補助金の申請手続もままならないなど、切実な声も聞かれます。
 都は、商店街のこうした現状をどのように捉え、地域コミュニティの核である商店街が地域とともに持続的に発展していくためにどのように支援していくのか、見解を伺います。
 次に、下請取引の適正化の推進について伺います。
 現在、原材料価格の高騰や円安の進行により、仕入価格が高騰し、企業経営に深刻な影響を与えています。とりわけ、大手企業からの発注を受け製造などを行う、いわゆる下請企業の中には、仕入価格が高騰しているにもかかわらず、取引価格に転嫁できない事例も珍しくありません。
 こうした問題を解決するためには、相談窓口で下請企業が来るのを待つのではなく、積極的に現場に赴き、解決のために時間をかけてサポートしていくことが重要と考えます。また、国においては、親事業者に対し、下請事業者との望ましい取引を宣言する企業を募るパートナーシップ構築宣言制度を立ち上げ、登録企業を広く発信するとともに、助成金の加点とするなどのサポートを行っています。
 都においては、こうした国の制度の普及に努めるとともに、厳しい状況にある下請企業が経営を継続できるよう、しっかりと寄り添った支援を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、エシカル消費の推進について伺います。
 エシカルとは、直訳すると、倫理的な、道徳的なという意味です。エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費行動と都の運営するホームページにも記載があります。まだまだ多くの都民にとって、エシカルという言葉自体になじみがないのが現状です。
 開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを意味するフェアトレードや、元の製品に新たな付加価値を持たせて別の製品として再生するアップサイクルなどの考え方も十分に知られていません。
 また、一見、環境に配慮しているような取組に見えても、製品、サービスのライフサイクル全体で環境負荷を評価するライフサイクルアセスメントのような考え方に基づくと、実はかえって環境負荷が高いということもあり得ます。
 エシカル消費を普及させるためには、こういった様々な考え方を都民の皆様にしっかりと理解してもらうことが重要であり、その上で、社会全体で機運を高めていくことが必要だと考えますが、今後、都としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、都心部における道路ネットワークの整備について伺います。
 道路は、社会経済活動や都民生活を支える極めて重要な都市基盤です。中でも、区部の放射道路や環状道路などの骨格幹線道路の整備は、東京の都市力をさらに高める上で不可欠です。
 私の地元である新宿区内においては、本年五月に、環状第四号線のうち、余丁町から河田町までの約三百三十メートルの区間が交通開放するなど、整備は着実に進んでいると実感していますが、新宿区内の都市計画道路の完成率はいまだ約六割であり、都心五区の中で最も低い状況です。
 新宿区をはじめ、高度な経済活動が展開される都心部における骨格幹線道路網の形成は、広範な分野への波及効果により、高い整備効果が期待できることから、ミッシングリンクの解消に向けた取組をさらに加速させるべきだと考えます。
 そこで、新宿区内における骨格幹線道路の整備の取組状況について伺います。
 最後に、公共交通空白地域対策について伺います。
 令和三年第四回定例会において、我が党の西山都議は、交通空白地域における交通弱者対策が急務であると指摘し、コミュニティバス事業を続けるために大きな財政的負担を強いられている区市町村の事例を挙げながら、この課題に都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺いました。
 この質問に対し、地域の特性に応じた移動手段の確保策について検討を進めていくとの答弁があり、そして、本年三月には基本方針が策定され、それに基づき支援策が拡充されたと認識しています。
 そこで、拡充された支援策に対する区市町村の反応と補助の活用状況、今後の取組について伺います。
 以上で質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 吉住はるお議員の一般質問にお答えいたします。
 子供政策についてのお尋ねです。
 様々な不安や悩みを抱えた若者が繁華街に居場所を求めて集まる、いわゆるトー横キッズの問題ですが、社会的に注目されていて、大きな課題となっております。
 一人一人に寄り添い、きめ細かな子供政策を展開していく、そのためには地域における多様な主体と協働、連携を深めまして、社会全体で子供へのサポートを強化することが重要です。
 このため、都は、区市町村がNPOなど様々な団体と連携しながら、新たな課題に柔軟に対応することができますよう、地域の実情に応じた独自の取組を支援してまいります。こうした取組を通じて、子供が安心して暮らせる東京を実現してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 新宿区内における骨格幹線道路の整備についてでございますが、道路は、交通、物流機能の強化はもとより、災害時には救急救援活動等を担う極めて重要な都市基盤でございます。
 こうした認識の下、都は、骨格幹線道路の整備を推進しておりまして、新宿区内では、本年十一月に、環状第三号線のうち、暫定二車線となっている新宿区市谷薬王寺町から市谷柳町までの四百メートルの区間を四車線で交通開放し、交通渋滞の緩和等を図ります。
 また、本年十二月には、環状第五の一号線のうち、渋谷区千駄ヶ谷五丁目から新宿区内藤町までの約八百メートルの区間を新たに交通開放する予定であり、新宿、渋谷の両副都心を結ぶ道路ネットワークが強化されます。
 今後とも、東京の持続的な発展を支える骨格幹線道路の整備を積極的に推進してまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、在宅子育て家庭への支援についてでございますが、地域のつながりが薄く、核家族の多い東京において、孤立しがちな在宅子育て家庭を支援することは重要でございます。
 このため、都は、三歳未満の子供を育てる保護者の負担を軽減するため、家事育児サポーターを派遣する区市町村を支援するほか、保育所等が空き定員を活用して子供を預かる取組や、地域の子育て家庭を対象に保育所体験や育児健康相談等を行う取組を支援しております。
 今年度は、有識者や区市町村職員等で構成する検討ワーキングを設置して、子育て家庭に寄り添い、様々な支援をコーディネートする人材を養成するための研修プログラム等の作成を進めてございます。
 今後とも、在宅でも安心して子育てできるよう、区市町村と連携しながら、子供と家庭を一層支援してまいります。
 次に、国民健康保険についてでございますが、先般、国が公表した令和三年度の医療費の動向では、前年度の新型コロナウイルス感染症の影響等による減少の反動もあり、国保加入者も含め、全国的に医療費が増加したとされてございます。
 国保加入者は高齢者が多く、今後も医療費の増加が見込まれることから、都は、区市町村の保健事業等を一層支援するとともに、国に対し、新型コロナや診療報酬の特例が医療費の動向に与える影響について検証等を行い、必要な措置を講じるよう要望してまいります。
 また、国は、都道府県の国保運営方針に保険料水準の統一に向けた記載を義務づけることとしておりまして、来年度の運営方針改定に向け、策定主体である都が中心となって、区市町村と具体的な議論を進めてまいります。
 最後に、介護現場の生産性向上についてでございますが、高齢化が進展し、今後一層の増加が見込まれる介護ニーズに対応していくためには、限られた人的資源で質の高いサービスを提供できるようにすることが重要でございます。
 都は、事業者の生産性向上に向けた介護現場の改革を推進するため、東京都福祉保健財団にワンストップの窓口を設置して、デジタル機器や次世代の介護機器の導入など、職場環境整備への支援と、セミナーの開催や専門家による個別相談など、組織、人材マネジメントへの支援を一体的に進めております。
 さらに、今年度は、機器等の導入経費補助の申請書類を簡素化するなど、事業者の事務負担軽減を図り、より利用しやすい仕組みに改善をしております。
 今後とも、こうした支援を通じて、事業者による介護現場の生産性向上の取組を一層推進してまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 地域防災力の向上についてでございますが、発災時の避難所運営など、地域の防災活動を円滑に実施するためには、町会、自治会等の主体的な取組に加え、共助の担い手となる地元企業の参画が欠かせません。
 このため、都は、企業等に対し、一時滞在施設の提供や帰宅困難者用の食料備蓄、区市町村が行う駅前滞留者の対策訓練など、地域防災活動への参加を促してまいりました。
 今後は、職場の防災対策を推進する事業所防災リーダーを通じ、地元の防災イベントや実動訓練への参加を促してまいります。加えて、町会連合会等と連携し、町会、自治会に対しても、企業との協働の呼びかけなど、企業と地域の両面からの働きかけを行ってまいります。
 こうした取組によりまして、地域防災力のさらなる向上を図り、都民の安全・安心を守ってまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、商店街への支援についてでございますが、東京の商店街は住民の日常の買物の場であるとともに、地域コミュニティの中心として重要な役割を果たしております。
 一方で、買物のスタイルの変化に応じた来客や、今後の担い手の確保のほか、まちとしての活力の維持など、様々な厳しい課題に直面もしてございます。
 このため、都は、商店街の集客につながるイベントの開催を支援するほか、支払いをデジタルで対応するための後押しなども行ってまいりました。また、新たな担い手を増やすため、女性や若者が商店街で商売の経験を積む場を提供するほか、出店する際の負担の軽減を図ってきたところでございます。
 さらに、商店街の活性化に向け、専門家がアドバイスを行い、その実現に必要な経費に助成をする取組等によりまして、今後とも商店街のより一層の振興につなげてまいります。
 次に、中小企業の取引価格等の適正化についてでございますが、原油価格の高騰や円安の進行などによりまして、材料コストの上昇の続く中、中小企業が経営を着実に継続していくため、適正な価格で取引を行うことは重要でございます。
 このため、都は、取引の適正化に向け講習会を開催するほか、中小企業振興公社に専門の組織を設け、相談対応や紛争解決の後押しを行っております。
 今年度は、相談員が企業の現場を巡回し、値引き要請への対応などに関して助言をする取組を充実いたしました。
 これに合わせまして、下請企業との間で適正な取引を行うことを宣言した場合に、国が補助金の採択に当たって優遇を行う仕組みについて周知を行っております。
 今後、こうした国の制度の普及に向け、さらに情報提供を進めるほか、取引の適正化につながる支援の充実を検討いたします。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) エシカル消費の推進についてでございますが、都民がエシカル消費の意義を理解した上で、日常的に具体的な行動へとつなげていくことが重要でございます。
 都は今月、エシカル消費に積極的に取り組んでいる企業等に協力を呼びかけ、理解促進や機運醸成を図るためのプロジェクト、TOKYOエシカルを開始いたしました。
 このプロジェクトを通じて、フェアトレードやアップサイクルなど、エシカル消費につながる様々な考え方をはじめ、参加企業や国内外の取組事例や商品等に関する情報を分かりやすく発信するとともに、体験学習の場を設けるなど、身近で実践できる取組を推進してまいります。
 日常の消費生活において、エシカルな商品等を都民誰もが自ら選択できる環境を目指し、持続可能な社会の実現につなげてまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) 地域特性に応じた移動手段の確保策についてでございますが、地域に適した移動サービスを構築し、誰もが活動しやすいまちを実現するためには、区市町村が関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要でございます。
 このため、都は、地域公共交通計画の策定、デマンド交通の導入、路線の見直しに関する費用を新たに補助対象に加えるなど、今年度から区市町村の地域公共交通の取組に対する支援の拡充を行いました。
 拡充したメニューに対し、相談や問合せを数多くいただいており、九月時点での補助件数は、拡充した七件を含め十八件と、昨年度の十三件を既に上回っております。
 引き続き、他の区市町村に対しても活用を働きかけ、子育て世代や高齢者、丘陵地の住民などの外出を支える、地域の移動手段の確保策に取り組んでまいります。

○議長(三宅しげき君) 九十三番藤井あきら君。
   〔九十三番藤井あきら君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十三番(藤井あきら君) 都民ファーストの会デジタル都議の藤井あきらです。誰もがわくわく輝く東京の実現を目指して、太陽光発電、スタートアップ、デジタル、そして地元町田市など関連して質問を行います。
 都は、二〇二五年四月から、都内の新築一戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務化する基本方針を発表しました。賛否様々な声がありますが、気候変動対策、エネルギー危機による電気料金の急上昇など、送電線を経ずに発電した電気を自家消費できる屋根置きの太陽光発電の重要性が増しています。
 広く都民の理解を得るためには、事例の共有をすることが重要です。
 太陽光発電の推進について、今後、多くの方々の実体験などを伝えるべきと考えますが、二〇一一年に、発電する家「エコだハウス」入門を出版し、電力を減らす、つくる、ためるのHTTをまさに実践する小池知事に、実体験を踏まえて、ご苦労された点やそのメリットを伺います。
 自家消費を促進するためには、日中に太陽光発電でつくった電気をためる支援も重要です。将来的には水素の活用も考えられますが、直近では、昼間の沸き上げ型の給湯器、エコキュート等に対して東京ゼロエミポイントのインセンティブを強化するなど、支援を要望いたします。
 都は、八月二十六日にTeam Tokyo Innovationとスタートアップ担当局長の設置を発表し、これまで私も提案してきた、都庁横断的にスタートアップを支援する体制ができました。今後は、スタートアップ支援、協業の中身と結果がより一層問われてまいります。
 スタートアップが都に一番期待していることは、何といっても、自分たちのサービスを採用し、使ってくれることです。一方で、都の入札にスタートアップが参入するのは、まだまだハードルが高いのが実情です。
 最近、私が聞いた話では、参入しやすそうな画像解析やチャットボットの入札でさえも、情報処理業務のランクAという最上位の等級や、PMPという資格保有者が入札の要件となっていて、とてもスタートアップ単体では参加ができないそうです。
 スタートアップに対する現状の政策目的随意契約の拡大や、例えば、公共調達の現状を見える化し、目標の数値を定めるなど、都の調達におけるスタートアップの割合を増やしていくべきと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 アメリカでは、NASAがスタートアップ企業であるスペースXのロケットを採用しております。そういった都政のど真ん中の業務にスタートアップを活用するようなダイナミックな調達を期待しております。
 来年二月に、世界中からスタートアップを集める英語でのグローバルイベントCity-Tech.Tokyoを予定しております。今後、毎年開催をしていくということであります。
 世界では、例えば、毎年一月にラスベガスで開催されるCESや、毎年二月にはバルセロナでモバイルワールドコングレスなど、世界中からスタートアップが集まり、都市の象徴となるようなグローバルイベントが存在しております。City-Tech.Tokyoは、そういった世界的なイベントを東京に立ち上げる野心的な試みで、大きな期待を寄せております。
 City-Tech.Tokyoは、都のスタートアップ施策を総動員し、都内市区町村とも連携するなど、東京の強みを生かしてスタートアップに価値を提供すべきと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 スタートアップに関連して要望します。
 ユニコーン企業を生み出すためには、世界中から人、物、金を集める必要があり、規制と税制面での緩和、これが必須になります。ウェブスリーといわれる分野では、日本の有望なスタートアップがシンガポール等に拠点を移すケースが増えていますし、日本のソフトバンクがつくった世界最大級のベンチャーキャピタルでありますビジョンファンドも、税制の関係もあり、ロンドンに拠点を構えているそうであります。
 国との連携が必要になりますが、国家戦略特区などを活用し、規制面、税制面での対応を強く要望いたします。
 加えて、スタートアップの成長には、ベンチャーキャピタルの役割も重要です。代表質問で要望いたしましたファンドと併せて、ベンチャーキャピタルの支援、連携を強めるよう要望をいたします。
 次に、外国企業誘致について伺います。
 都の金融系外国企業誘致事業では、過去五年間に六十五社を誘致実績としていますが、実際に東京に進出している企業は、そのうち現時点で十八社、全体の二七・六%で、六十五社という数字は投資計画書を提出した数にすぎません。東京に進出している数が少な過ぎますし、そもそも六十五社の質にも課題があると感じております。
 都の金融系外国企業発掘・誘致事業について、東京進出の投資計画書の取得を数値目標とするだけでなく、都民や都内経済へのメリット、インパクトを踏まえて、着実に都内への誘致を進めるべきですが、見解を伺います。
 外国企業誘致については、例えば、従業員数や売上高、運用資産残高、トレーディングの金額、税収など、都民や都内経済へのインパクトを指標として進捗管理することを強く要望します。
 我が会派、デジタル推進PTでまとめ、そして昨年十二月の令和四年度予算要望でも提案しました東京全体のDXを進める新団体、GovTech東京が発表をされました。この団体の命運は、優秀な人材をいかに集められるかにかかっています。特にトップの採用は重要で、都のCIOである宮坂副知事や小池知事にも直言できるようなデジタル人材を民間からトップに据えていただきたいと思います。
 多様性のある組織と文化をつくり、行政のDXを爆速で進めることを期待します。
 そのためには、リモートワークやパートタイム、長期のインターンシップ制度等により、都庁ではなかなか難しい海外のデジタル人材や、高校生や大学生などの若者の採用を進めるべきですが、見解を伺います。
 都庁の直近のテレワークの実施率は六二・一%です。高い数字ですが、一方で、例えば私が内線をかけると、担当者がテレワークでいないため、午後出社してからかけ直しますというようなやり取りがよくあります。
 テレワーク中でも、スマホやチャットツールを使えば、在席状況を確認して、すぐに状況確認してやり取りすることは、技術的にはそんなに難しいことではありません。テレワークをしやすい環境の整備がまだまだ足りていません。
 都政の構造改革、シン・トセイでは、デスク、固定電話などに制限された働き方を見直し、場所に縛られない新しい働き方を実現していくこととしており、スマホやチャット、ウェブ会議などを積極的に活用していくべきですが、どのように環境整備を進めていくのか見解を伺います。
 十一月一日から、ついに東京都パートナーシップ宣誓制度が始まります。
 昨年六月に、私も賛同議員になった請願は、全会派一致で趣旨採択されました。大切な家族が倒れても、緊急搬送されても、自分には連絡が来ないどころか、面会も病気の説明も受けられないという当事者の直面する切実なお声をいただいております。
 本定例会において、都の職員向けの福利厚生にパートナーを含めるための条例改正が提出されていること、都が率先して取り組んでおり、高く評価をしております。
 今後、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の見直しも控えており、当事者が直面する課題を一つ一つ具体的に解消していく必要があります。
 基本計画の見直しの際には、性的マイノリティー当事者のお困り事などの声を反映させ、東京都パートナーシップ宣誓制度の民間企業での活用を促す内容にすべきですが、見解を求めます。
 民間での活用を促すために、活用事例、ベストプラクティスの共有、そして優良企業を表彰するなどの取組も検討をお願いしたいと思います。
 今週、パートナーシップ宣誓制度の詳細な手引等が発表されましたが、まだまだ改善が必要だと考えております。そういったたゆまぬ改善もお願いをいたします。
 次に、私が参加をする青少年健全育成審議会の不健全図書について伺います。
 鳥取県で同様の有害図書に指定された本がアマゾンで販売禁止となり、十八歳以上の成人も、県外からも購入できなくなりました。都の不健全図書も同様の扱いとなっております。アマゾンでは成人向けの書籍の販売もしていますが、不健全図書は販売することができません。
 東京都青少年健全育成条例による不健全図書の指定の趣旨はあくまで青少年に対するもので、成人も含めて販売停止を求めるようなものではないと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、都は、条例の趣旨等について一層の周知に努めるべきと考えますが、見解を伺います。
 都の不健全図書の指定によって販売できなくなるというのは、条例の趣旨にも反し、国民の知る権利の観点からも問題です。解消に向けて、都としても対応すべきと要望いたします。
 また、この青少年健全育成審議会ですが、傍聴の対象が十八歳以上を対象としているため、慎重な検討が必要になることは理解をしておりますが、オンラインの傍聴も含めて、傍聴席の拡大を検討すべきと要望をいたします。
 最後に、町田市に関連して二問お伺いいたします。
 私たちが進めてまいりました都の地域交流アプリ導入支援事業が、地元町田市で九月から始まりました。町田市内に約三百ある町内会のうち百以上がこのアプリに参加するなど、大変注目を集めております。地域交流アプリ内で、どのような投稿に反応があって人気が高いのか分析をして、アプリ内での活発なコミュニケーションを生み出すことが重要です。
 アプリは、災害など緊急時の連絡や、そもそも減少傾向にある町内会活動の起爆剤となる可能性も秘めております。
 都は、今年度の町田市での地域交流アプリの活用を支援し、しっかりと検証して、都内全域に広げていくべきと考えますが、見解を伺います。
 多摩地域への児童相談所の設置について伺います。
 年々深刻化している児童虐待相談に対応するため、昨年、国は、児童相談所の設置基準を定めました。これを受け、都では今年度、多摩地域への児童相談所の設置調査を行っています。
 この基準では、管轄区域における人口が基本としておおむね五十万人以下であることとしておりますが、一方で、町田市を含みます八王子児童相談所の管轄エリアは百二十万人の規模となっています。
 昨年十二月に町田市議会からは、町田児童相談所の早期設置を求める意見書が全員一致で可決、提出をされておりますし、今年二月に再選をした町田市長の選挙公約にもなっておりまして、町田市内への児童相談所の設置を求める地域からの声が強くなっております。
 児童相談所が児童虐待対応を適切に行うためには、市町村や福祉事務所、学校、医療機関等と緊密な連携を図ることが重要であり、児童相談所の管轄区域の検討に当たっても、市町村の意見を十分に踏まえて新設や管轄区域の見直しを行うべきですが、見解を伺います。
 私は、日本の失われた三十年、これをしっかりと東京から取り戻す、世界から遅れるデジタル化、DX、そしてスタートアップ、こういったものをしっかりと東京から進めていく、そういった覚悟で、この間取り組んでまいりました。コロナ禍で前進してきた面もあります。危機こそがイノベーションの好機と捉えまして、都民ファーストの視点で東京大改革を進めることをお約束いたしまして、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 藤井あきら議員の一般質問にお答えいたします。
 環境性能の高い住宅についてのお尋ねがございました。
 都内CO2排出量の七割超が建物でのエネルギー使用に起因しております。そして、家庭部門からの排出は全体の三割を占めております。また、家庭部門のエネルギー消費量は部門別で唯一増加しておりまして、対策は急務であります。
 私は、環境大臣の当時から、家庭におけるCO2削減対策の要諦は、断熱、省エネ、創エネであると考えておりまして、そこで、まずは隗より始めよの認識の下で、江古田地域に近い場にエコだハウスを建築いたしました。
 エコだハウスは、太陽光発電に複層ガラス、LED照明、そしてEVの充電設備などを整えておりまして、光熱費は格段に下がっております。また、太陽光によります発電量と自家消費する電力量がリアルタイムで見えるということから、自然と電気を大事に使うようになります。
 また、これはもう三台目になりますが、EVを購入しておりまして、さらにその電気を住宅に供給する、いわゆるV2H、ビークル・ツー・ホーム、この導入を予定しているところであります。
 これらは実際に体験してみて分かることでございます。そして、体験してみて分かることも多い、体感することもできるエコだハウスでの自身の体験も踏まえまして、様々な事例についてより広くお伝えしまして、環境性能が高く、災害時にも強い住宅の拡大に努めていきたいと考えております。
 なお、その他の質問につきましては、副知事及び関係局長が答弁をいたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、スタートアップからの公共調達の拡大についてでございますが、スタートアップを数多く生み出し、その成長を促進するためには、需要創出や信頼性向上の観点から、都自らがファーストカスタマーとなって、革新的な技術やアイデアを積極的に活用していくことが重要です。
 都はこれまで、都政の現場を実証フィールドとして提供し、スタートアップの力を生かして都政課題の解決を図ってまいりました。
 例えば、先端的な技術の普及を図るキングサーモンプロジェクトについては計七社を選定し、社会実装への橋渡しとなるピッチイベントは、計二十回実施しております。
 こうした実績を踏まえ、スタートアップの活用の全庁的な浸透とフィールドの拡大を推進してまいります。
 また、全庁横断チームが、これまでの契約実績や入札プロセス等について分析を進めるとともに、関係者との議論を重ね、有識者の知見も取り入れながら、公平性を担保しつつ、多くの参加につながる調達の仕組みを構築していきたいと考えております。
 こうした取組を通じて、優れた技術の実用化、新たな製品やサービスの普及を促進し、東京の成長と社会課題の解決につなげてまいります。
 次に、City-Tech.Tokyoについてでございますが、来年二月に開催するこのイベントは、全庁横断のTeam Tokyo Innovationが新たに策定する戦略を強力に推進する鍵となるものです。
 オープンイノベーションで持続可能な社会を実現することを目指し、インフラや環境などをテーマに、国内外から多くのスタートアップや投資家の参加を募ってまいります。
 スタートアップの具体的なビジネスにつながるよう、経済団体とも連携し、日本企業の意思決定層が参加する商談会を実施してまいります。
 また、新たな戦略に基づく都の様々な支援策を総合的に紹介し、それぞれが抱える課題の解決に向けたサポートをワンストップで行う東京都のブースを設けていきます。
 さらに、スタートアップと都市課題の解決に取り組む国内外の都市別のブースを展開し、都内区市町村にも参加を呼びかけてまいります。
 ピッチコンテストの優勝スタートアップに対しては、賞金に加え、東京進出等への具体的なサポートを提供するなど、スタートアップにとって価値の高いイベントとなるよう、チーム一丸で取り組んでいきたいと考えています。
 こうした取組を含め、世界に向けて東京都の多彩なアイデア、テクノロジーなどを分かりやすく伝え、訴求していくために、SusHi Tech Tokyoをキーコンセプトとして、戦略的に発信をしてまいります。
   〔政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君登壇〕

○政策企画局国際金融都市戦略担当局長(児玉英一郎君) 金融系外国企業発掘・誘致事業についてでございます。
 取締役会等の意思決定機関で、当該年度を含む三か年度以内の東京進出を正式に決議した投資計画書を取得した時点で、本事業においては発掘、誘致企業としております。
 コロナ禍の予期せぬ長期化や不透明性の高まり等による影響もある中、今年度は新たに発掘、誘致対象を一定規模以上の企業とする原則を設けるとともに、第三者による信用調査を強化し、東京進出の実現可能性を高める取組を進めております。
 今年度から、本事業を担うフィンシティー・トーキョーの知見も最大限生かして、外国企業の着実な東京進出につなげ、雇用創出等の直接的な経済効果に加え、都内企業との事業機会の拡大など、東京の経済のさらなる活性化を図ってまいります。
   〔デジタルサービス局長久我英男君登壇〕

○デジタルサービス局長(久我英男君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、GovTech東京における人材確保についてでございますが、東京のデジタルサービスの開発力を、スピード感を持って、質、量ともに強化していくため、高い専門性を持つデジタル人材を多数確保していく必要がございます。
 このため、GovTech東京では、スキルや能力に着目したジョブ型雇用、兼業、副業やフルリモートも可能とするなど、行政の枠組みを超えた、より柔軟かつ迅速に人材を獲得する仕組みを導入いたします。これらを活用し、サービス開発などに必要な人材確保について、地方在住や外国籍の方も視野に入れながら、幅広く取り組んでまいります。
 また、短時間や期間限定で働くことのできる人材のプロジェクトベースでの活用や、学生がシステム開発の現場を経験する取組などを通じて、公共部門のDX推進に携わる人材の裾野を広げてまいります。
 次に、新しい働き方の実現に向けた環境整備についてでございますが、社会の変化に的確に対応し、組織の壁を超えたイノベーションの創出や生産性の向上を図るためには、場所を選ばずに働ける環境を整えることが重要でございます。
 これまで、離れた場所でのコミュニケーションを円滑にするチャットやウェブ会議ツールを、未来型オフィスに先行導入してまいりましたが、来年一月からは、アカウントをTAIMS端末が配備されている全職員に配布いたします。
 また、業務用スマートフォンでも、資料作成、予定表管理などを行えるようにするとともに、未来型オフィスの整備を加速し、令和七年度までに全庁展開してまいります。
 こうした環境整備に合わせて各職場での実践を積み重ね、効率的に働くためのワークルールを浸透させることで、デジタル社会にふさわしい職場をつくり上げてまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 性自認及び性的指向に関する基本計画についてでございますが、共生社会の実現に向けましては、性的マイノリティー当事者のニーズを十分に把握するとともに、民間事業者を含め、広く社会において、多様な性への理解を促進していくことが重要でございます。
 このため、計画の改定に当たりましては、当事者等へのアンケート調査やヒアリングに加え、パブリックコメント等も踏まえ、当事者に寄り添った施策を盛り込んでまいります。
 また、採用や人事制度、福利厚生など、職場における困り事の軽減や顧客サービスへのパートナーシップ宣誓制度の活用など、民間事業者の主体的な取組がさらに進むよう検討を重ねてまいります。
 こうした観点を踏まえ、改定作業を進め、年度内を目途に次期計画を策定いたします。
   〔生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西康弘君登壇〕

○生活文化スポーツ局生活安全担当局長(小西康弘君) 東京都青少年健全育成条例についてでありますが、本条例は、青少年の健全育成を図ることを目的としており、不健全図書類に関する規定は、十八歳以上の方への販売等を規制するものではございません。
 都は、本条例に基づき、不健全図書類を指定した際には、都内の書店や関係機関等にその旨を周知するとともに、指定図書類を十八歳未満に販売してはならないこと等を案内しております。
 今後は、書店等へのお知らせと同様、東京都ホームページにおける報道発表にも指定図書類の取扱いに関する案内を掲載し、条例の趣旨等に沿った情報提供に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 地域交流アプリの導入支援事業についてでございますが、本事業は、SNSを活用して、町会、自治会内での素早い情報の伝達や、未加入者との接点をつくり、加入促進にもつなげることを目的に、今年度、町田市と世田谷区で実施をしております。
 町田市では、災害時の安否確認機能等への期待や市の積極的な働きかけにより、多くの町内会でアプリが導入され、活用が進んでおります。
 今後、さらに未加入者を含め、より多くの方々に利用いただけるよう、アプリの活用状況や改善策を市と共有するなど、連携して取り組んでまいります。
 また、本事業で得られた成果と課題を分かりやすくまとめ、他の区市町村にも広く展開することで、町会、自治会の活性化につなげてまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 多摩地域の児童相談所についてでございますが、昨年七月、児童相談所の設置基準が政令等で設定され、管轄人口が百万人を超える児童相談所は、新設等による管轄区域の見直しが求められておりまして、見直しの際には、地理的条件、交通事情等を総合的に考慮することなどが示されております。
 都は、この国の方針を踏まえまして、多摩地域での新たな児童相談所の設置に向け、現在、施設規模や設置場所、設置形態等に関する調査を実施しております。
 あわせて、市町村に対して、管轄区域に関するアンケートを行うとともに、希望する自治体には個別にヒアリングを行っております。これらを通じて得た意見も踏まえまして、多摩地域における管轄区域の見直しを進めてまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 百番藤井とものり君。
   〔百番藤井とものり君登壇〕

○百番(藤井とものり君) まず、太陽光パネル設置義務化についてお伺いをいたします。
 そもそも義務化という表現は、これから都がやろうとしていることを正確にいい表しているのか、疑問を持たざるを得ません。
 都の計画では、新規着工数の約半数が対象となるとしております。そもそも、半数近くの屋根に太陽光パネルが設置されることについても実現可能性は疑われますが、もし実現したとしても五〇%にすぎません。
 多くの都民は、義務化というワードに対しては、一〇〇%つけてくださいと都から義務づけられているものと考えていても不思議ではありません。このままだと都民をミスリードしかねないと思います。
 大手住宅メーカーに対し、一定の数値目標を満たしているか否かを報告させるという意味での義務化であることを徹底して周知するか、あるいは義務化という文言それ自体を撤回すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 そもそも我が国は、自由主義経済で成り立っております。私有財産制度を前提とし、自らどのような財産を取得するのか、利用するのか、各人の自由な意思決定に委ねられるべきものであります。
 施主さんが屋根に太陽光パネルを設置するか否かは、あくまでも各人の判断に委ねられるべきものであり、本来、行政機関である東京都が義務づける、強制する類いの話ではありません。脱炭素という錦の御旗が掲げられておりますが、都民からすれば、迷惑な話ということにもなりかねません。
 大手の住宅メーカーにとっても営業の自由があり、太陽光パネルがついた家を営業しろと都から強制されるいわれはありません。これは飲食店に対する営業時短と同様で、あくまで要請でしかなく、命令は法令上困難といえます。これまでどおり、義務ではなく支援にとどめるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、事業、政策効果についてお伺いをいたします。
 二〇三〇年度に太陽光発電量二百万キロワットを実現可能としていますが、仮に実現できたとしても、都内電力消費量の約四%にすぎません。既存の発電設備や送電線を減らすという意思決定も困難であり、社会全体として見れば、既存の発電、送電設備を維持しつつ、新たに太陽光発電にも投資することを意味し、いわば二重投資ともなりかねません。
 太陽光発電をした場合、例えば既存の火力発電に対する設備投資を減らすという意思決定をすれば、安定供給という観点からは、いわば危険な賭けに出ることにもなりかねません。他方、最大の事業目的であるCO2の削減にいかほど貢献すると都はお考えなのでしょうか。
 莫大な資源、財源を投じて行う事業ですので、やらないよりもやった方がましといったレベルの話ではなく、具体的な削減目標を定め、政策における費用対効果を明確にする中で取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、都民に対して一つの家計の単位で見た場合、売電収入等により、初期投資分を超える百五十九万円の経済的メリットが得られると説明しています。
 皆さんご存じのとおり、売電収入は、電力料金に上乗せされている再エネ賦課金が原資となってございます。太陽光発電で生み出した電力を自身で払った電力料金の上乗せ分で購入しているにすぎず、パネルをつけないという選択をした、あるいは経済的事情からつけたくてもつけられない方々も含め、広く国民の負担、犠牲の上で成り立っている制度ともいえます。
 さらに、やがて売電される電力量が増えていけば、FITにおける固定買取り価格を高く維持することは、やがて困難となるはずであります。
 また、再三の言及となりますが、火力発電等、既存の設備を維持するためのコストの大半は固定費であり、社会全体としての価値向上分は、火力発電設備においては、変動費に当たる燃料費の削減分にすぎないと考えることもできます。
 脱炭素は大切ですが、今のスキームのままでは、そもそもCO2削減にどれほど寄与するのか不明瞭であり、他方で都民生活、事業活動に対し、多大な制約、犠牲を強いることにもなりかねないものと率直に憂慮をしているものであります。制度の在り方を含め、私の懸念に対する都の見解を伺い、次の質問に移ります。
 私の地元練馬区では、二年連続で待機児童がゼロとなりました。特別区全体でも、本年度は二十三区中十八区でゼロに至ったようであります。このことは間違いなく良いニュースでありますけれども、他方で、保育所の定員割れといった新たな課題も浮上しております。
 NHKが特別区を対象としたアンケート調査によれば、認可保育所において、ゼロ歳児クラスの五三%、一歳児クラスの三一%、二歳児クラスの四〇%で定員割れが起きているとの報道がなされております。
 いわゆる待機児童対策は、いたちごっこにも例えられてまいりました。待機児童を解消するために保育所をつくるものの、定員増以上に保育需要を喚起し、また待機児童を生み出す、そのスパイラルから抜け出すことができず、これまで待機児童問題は一向に解決してまいりませんでした。くしくもその循環から抜け出す要因となったものは、これまでの旺盛な保育需要に陰りが出始めているということであります。
 私の地元練馬区における保育所の入所申込み数は、令和二年度六千百七十六件、三年度五千七百七十七件、四年度五千五百五十六件と減少傾向にあります。そもそも、就学前児童数が減少していることに加え、コロナ禍で保育所に対する利用の考え方に変化が生じている可能性も指摘されております。
 今後の保育需要の動向は慎重に見極めなければなりませんけれども、待機児童解消のために量的拡大に注力してきたこれまでの都の保育施策については、おのずと見直す必要性があるのではないでしょうか。
 この間、中長期的には就学前児童数が減少することが予想されながらも、短期的には、喫緊の課題である待機児童解消のために、急ピッチで保育所定員を拡大してきた側面があります。知事が公約の一丁目一番地として掲げた待機児童ゼロですが、都内の待機児童数が九割以上削減される一方で、同時に空き定員も目立ち始めていることに鑑みると、待機児童解消のための量的拡大といったフェーズからの脱却、保育所の必要整備量の再検討を含め、戦略を見直していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 現実に認可保育所の空き定員がさらに増えてきた場合、施設の集約なり転用といった選択を余儀なくされるケースも出てくると思います。
 私の地元練馬区においては、特に一歳児一年保育、小規模保育、認証保育所などは、児童が集まりにくい傾向にあると伺っております。これらの施設は、待機児童の受皿として機能してきた側面もあると思いますが、都としてどのような対応するのか、見解を伺います。
 最後に、高校生医療費無償化についてお伺いいたします。
 この間、区長会との間で、財源負担をめぐる協議が行われてまいりましたが、そもそも高校生まで医療費を無償化することについての妥当性については、十分な議論は交わされてきたでしょうか。
 もちろん子育て世帯に対する経済的支援は重要ですが、高校生の医療費を無償にしてしまうことの弊害についても慎重に検討すべきではないでしょうか。
 知事は、高校生は生涯にわたる健康づくりの基礎を担う大切な時期、自身の健康管理、できる取組は重要と述べられています。もちろん自分自身で健康管理を行うことは重要ですが、そのために必要なことは、無償化によって病院にかかりやすくすることではなく、病院にかからずに済むように、高校生自身で健康管理に気をつけてもらうように促していくことではないでしょうか。
 ただだから病院に通う、もらえる薬はもらっておこう、そんな心理が働いてしまうとするならば、あたかも医療サービスが無償で提供されているかのような幻想を抱かせかねません。本来伝えるべきは、適正なサービスには適正な対価が必要であるということであり、仮にコンビニ受診を誘発すれば、医療費は高騰し、当然ながら自身の健康保険料にも跳ね返ってまいります。
 先行的に、本年度より、高校生医療費を無償化した都下の市においては、様々な原因が考えられるものの、結果として利用者が増加したと伺っております。ただでさえ、昨今の健康保険料の値上がりに対しては、都民の皆さんから大変厳しいご指摘をいただきます。
 重ねて申し上げますが、子育て世帯に対する経済的支援は重要ですし、何ら否定するものではありません。しかし、それが高校生医療費を無償化することなのでしょうか。
 都として、コンビニ受診などの弊害をどのように認識し、予防していくおつもりなのか見解を伺い、私の一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○知事(小池百合子君) 藤井とものり議員の一般質問にお答えいたします。
 保育施設についてのお答えをさせていただきます。
 私は、就任直後から待機児童の解消、これを都政の最重要課題の一つに位置づけて、保育所等の整備の促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実、この三つを柱として保育サービスを拡充してきたわけであります。
 「未来の東京」戦略では、政策目標として、待機児童の解消、そしてその継続を掲げておりまして、引き続き、子供と子育て家庭を支援するために、区市町村や保育事業者の皆様と連携しながら、保育サービスの充実に取り組んでまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長からの答弁といたします。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、太陽光発電設備の設置義務化についてでございますが、ゼロエミッション東京の実現に向けては、都内CO2排出量の七割超を占める建物の脱炭素化が急務でございます。
 新たな制度は、大手住宅供給事業者に対し、断熱、省エネ性能の確保、事業者の総量での再エネ設備等の設置を義務づける仕組みとなってございます。
 太陽光発電設備に関するワンストップ窓口の設置やSNS等多様な媒体の活用によりまして、分かりやすい情報発信を行うことで、都民や事業者の理解と共感を得てまいります。
 次に、新制度における事業者の役割についてでございますが、ハウスメーカー等の住宅供給事業者は、都が定める指針に基づき必要な措置を講じ、環境への負荷低減に努めることが求められてございます。
 新制度は、こうした事業者のうち、都内に一定以上の新築住宅を供給するハウスメーカー等を対象に、太陽光パネルの設置や断熱、省エネ性能の確保等を義務づける仕組みでございます。
 次に、再エネ目標達成に向けた制度導入の効果についてでございますが、新制度による太陽光発電設備の導入量は、年間四万キロワット程度を見込んでございまして、二〇三〇年度に向けては大規模建築物への設置や波及効果等により、新築建物で七十五万キロワット程度を想定してございます。
 あわせて、既存建物や公共施設への導入量の増加により、二百万キロワット以上の太陽光発電設備導入を目指すとともに、蓄電池等の導入を進めてまいります。
 加えて、系統電力の再エネ化や都外再エネ設備の利用促進等によりまして、二〇三〇年再エネ電力利用割合五〇%程度を目指してまいります。
 最後に、固定価格買取り制度による国民負担についてでございますが、本制度は、電気の利用者のご負担で再エネ導入を支える制度として国が設けたものでございますが、再エネ賦課金は、再エネ電力の買取り総額から、電力の市場価格に連動する回避可能費用等を控除して算出されます。
 再エネ電力の買取り単価は、再エネのコスト低減により年々下がってございまして、また、近年上昇傾向にある回避可能費用等が現行水準で推移した場合、今後、賦課金負担が減少する可能性がございます。
 加えて、買取り総額の大勢を占めておりますメガソーラー等の買取りが終了する二〇三〇年代半ば頃には、賦課金負担は大幅に減少するものと見込まれてございます。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、保育所等の取組への支援についてでございますが、都は、保育所等がゼロ歳児の空き定員を待機児童の多い一歳児の受入れに活用できるよう定員変更を行う取組を支援するほか、空きスペース等を活用して、在宅子育て家庭の子供を受け入れる取組を支援してございます。
 また、認証保育所が、短時間勤務などの多様なニーズに対応できるよう補助要件を見直すとともに、放課後の居場所対策として学齢児の受入れも可能としております。
 今後とも、保育の実施主体である区市町村と連携しながら、保育所等の取組を支援してまいります。
 次に、高校生等医療費助成事業についてでありますが、高校生の世代は、生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期であり、自らの健康をコントロールし、改善できるよう支援することは重要です。
 このため、都は、子育てを支援する福祉施策の充実に向け、区市町村が実施する高校生等への医療費助成事業に対し、所得制限や通院時の一部自己負担等の基準を設けた上で補助することとしております。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(三宅しげき君) これより日程に入ります。
 日程第一から第三十二まで、第百七十三号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)外議案三十件、専決一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事武市敬君。
   〔副知事武市敬君登壇〕

○副知事(武市敬君) ただいま上程になりました三十二議案についてご説明申し上げます。
 初めに、第百七十三号議案及び第二百四号議案の二議案は、予算案でございます。
 第百七十三号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)は、足元の電力逼迫や物価高騰などの危機から都民の暮らしを守り、将来の脱炭素社会の実現へとつなげるため、HTT、脱炭素化の強化、原油、原材料価格、物価高騰等対策、新型コロナウイルス感染症対策などを補正予算の柱として、六千二十九億円を増額するものでございます。
 第二百四号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第四号)は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の特別区に対する交付限度額が決定したことに伴い、百七億円を増額するものでございます。
 第百七十四号議案から第百八十九号議案まで及び第二百五号議案の十五議案は条例案で、いずれも一部を改正する条例でございます。
 第百七十四号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外七件は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部改正により、東京都パートナーシップ宣誓制度が創設されることを踏まえ、扶養手当等の制度について所要の改正を行うものでございます。
 第百七十九号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、特別区が処理する事務の範囲に係る規定を改めるものなどでございます。
 このほか、区市町村に関するものが一件ございます。
 第百八十三号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、工業高等学校の魅力の向上及び発信を図るため、名称を変更するものでございます。
 このほか、教育に関するものが一件ございます。
 第百八十六号議案、東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例は、民生委員の定数を改めるものでございます。
 第百八十七号議案、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例は、豊島区が児童相談所を設置することに伴い、規定を整備するものでございます。
 第百八十八号議案、東京都自然公園条例の一部を改正する条例は、自然公園法の一部改正を踏まえ、都立自然公園の利用に係る規制を強化するものなどでございます。
 第百九十号議案及び第百九十一号議案の二議案は、契約案でございます。
 第百九十号議案、東京都瑞江葬儀所(四)改築工事請負契約など、契約金額の総額は約三十二億円でございます。
 第百九十二号議案から第二百三号議案までの十二議案は、事件案でございます。
 第百九十二号議案は、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの中期目標を定めるもの、第百九十三号議案は、児童自立支援施設に係る事務を豊島区から受託するもの、第百九十四号議案は、練馬城址公園用地として土地を買い入れるもの、第百九十五号議案は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更について同意するもの、第百九十六号議案から第二百三号議案までの八議案は、東京消防庁の特種用途自動車を買い入れるものでございます。
 次に、専決でございます。
 地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可については、議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました三十二議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都公安委員会委員でございます。
 二名の委員が十月十九日に任期満了となりますので、廣瀬道明氏を再任し、木村光江氏を新たに任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都土地利用審査会委員でございます。
 在任中の全委員が十月二十四日に任期満了となりますので、森本章倫氏、原珠里氏の各氏を再任し、吉田尚子氏、稲葉勝巳氏、町田怜子氏の各氏を新たに任命いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)
○議長(三宅しげき君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(古賀元浩君) 人事委員会の回答は、第百七十四号議案から第百七十七号議案、第百八十一号議案、第百八十二号議案、第百八十四号議案及び第二百五号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

四人委任第一〇四号
令和四年九月十五日
東京都人事委員会委員長 青山  やすし
(公印省略)
 東京都議会議長 三宅しげき殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 令和四年九月十三日付四議事第一七一号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百七十四号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
二 第百七十五号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
三 第百七十六号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
四 第百七十七号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
五 第百八十一号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
六 第百八十二号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
七 第百八十四号議案
  学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

四人委任第一二六号
令和四年九月二十七日
東京都人事委員会委員長 青山  やすし
(公印省略)
 東京都議会議長 三宅しげき殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 令和四年九月二十二日付四議事第一九九号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第二百五号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第三十二までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十二までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 日程第三十三、令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について

四財主議第三一二号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
 このことについて、地方自治法第二百三十三条第三項及び第五項の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定をよろしくお願いします。
       記
一 令和三年度東京都各会計歳入歳出決算書
二 令和三年度歳入歳出決算事項別明細書
三 令和三年度実質収支に関する調書
四 令和三年度財産に関する調書
五 令和三年度東京都各会計歳入歳出決算審査意見書
六 令和三年度主要施策の成果
七 令和三年度東京都決算参考書
八 令和三年度東京都決算参考書財務諸表
(決算書等省略)

○六十七番(本橋たくみ君) 本件は、三十一人の委員をもって構成する令和三年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) ただいまの動議は、起立により採決いたします。
 ただいまの動議のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、三十一人の委員をもって構成する令和三年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員の選任について、起立により採決いたします。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第十二委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔令和三年度各会計決算特別委員名簿は本号末尾(二四三ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) 日程第三十四、令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について

四財主議第三一三号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
令和三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
 このことについて、地方公営企業法第三十条第四項及び第六項の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定をよろしくお願いします。
       記
一 令和三年度東京都病院会計決算書及び同決算審査意見書
二 令和三年度東京都中央卸売市場会計決算書及び同決算審査意見書
三 令和三年度東京都都市再開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
四 令和三年度東京都臨海地域開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
五 令和三年度東京都港湾事業会計決算書及び同決算審査意見書
六 令和三年度東京都交通事業会計決算書及び同決算審査意見書
七 令和三年度東京都高速電車事業会計決算書及び同決算審査意見書
八 令和三年度東京都電気事業会計決算書及び同決算審査意見書
九 令和三年度東京都水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十 令和三年度東京都工業用水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十一 令和三年度東京都下水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
(決算書等省略)

○六十七番(本橋たくみ君) 本件は、二十三人の委員をもって構成する令和三年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) ただいまの動議は、起立により採決いたします。
 ただいまの動議のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、二十三人の委員をもって構成する令和三年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員の選任について、起立により採決いたします。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第四委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔令和三年度公営企業会計決算特別委員名簿は本号末尾(二四三ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都公安委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について一件

四財主議第三〇四号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和四年十月十九日任期満了となるため、再び任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     廣瀬 道明

      略歴
現住所 東京都世田谷区
廣瀬 道明
昭和二十五年十月二日生(七十一歳)
昭和四十九年 三月 早稲田大学政治経済学部卒業
昭和四十九年 四月 東京瓦斯株式会社入社
平成十五年六月   社団法人日本ガス協会業務部長
平成十六年四月   東京瓦斯株式会社執行役員
平成十九年四月   東京瓦斯株式会社常務執行役員
平成二十一年六月  東京瓦斯株式会社取締役常務執行役員
平成二十四年四月  東京瓦斯株式会社代表取締役副社長執行役員
平成二十六年四月  東京瓦斯株式会社代表取締役社長社長執行役員
平成二十八年十一月 東京商工会議所特別顧問資源・エネルギー部会長
平成三十年四月   東京瓦斯株式会社取締役会長
          公益社団法人日本ブルネイ友好協会会長
平成三十年六月   一般社団法人日本ガス協会会長
          一般社団法人日本熱供給事業協会会長
平成三十一年 四月 財務省財政制度等審議会財政制度分科会臨時委員
令和元年六月    公益財団法人がん研究会非常勤理事
令和元年十月    東京都公安委員会委員
令和元年十一月   東京商工会議所副会頭エネルギー・環境委員会委員長
令和二年六月    一般社団法人企業研究会会長
          一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会会長
令和二年七月    公益財団法人日本国際問題研究所理事
令和三年十月    財務省政策評価懇談会委員
現在        東京瓦斯株式会社取締役会長

○議長(三宅しげき君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第二、東京都公安委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について一件

四財主議第三〇五号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公安委員会委員 前田雅英は令和四年十月十九日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     木村 光江

      略歴
現住所 東京都大田区
木村 光江
昭和三十年七月十二日生(六十七歳)
昭和五十四年 三月 東京都立大学法学部卒業
昭和五十八年 三月 東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了
昭和五十九年 四月 東京都立大学法学部助手
昭和六十二年 四月 東京都立大学法学部助教授
平成四年四月    東京都立大学法学部教授
平成十四年九月   法務省法制審議会刑事法部会委員
平成十五年三月   最高裁判所簡易裁判所判事選考委員会委員
          厚生労働省医道審議会委員
平成十五年五月   最高裁判所司法修習委員会幹事長
平成十七年四月   首都大学東京法科大学院教授・東京都立大学法学部長
平成二十年四月   防衛省防衛人事審議会委員
平成二十一年一月  法務省司法試験委員会委員
平成二十一年二月  文部科学省中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会委員
平成二十六年十一月 内閣府男女共同参画会議計画策定専門調査会委員
令和三年四月    日本大学大学院法務研究科教授・東京都立大学名誉教授
現在        日本大学大学院法務研究科教授

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第三から第七まで、東京都土地利用審査会委員の任命の同意について五件を一括議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都土地利用審査会委員の任命の同意について五件

四財主議第三〇六号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和四年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     森本 章倫

      略歴
現住所 東京都板橋区
森本 章倫
昭和三十九年四月十五日生(五十八歳)
昭和六十二年三月 早稲田大学理工学部卒業
平成元年三月   早稲田大学大学院理工学研究科修了(工学修士)
平成三年四月   早稲田大学理工学部土木工学科助手
平成四年三月   早稲田大学大学院理工学研究科(博士課程)単位取得退学
平成五年三月   博士(工学)学位取得
平成六年四月   宇都宮大学工学部建設学科助手
平成九年六月   マサチューセッツ工科大学客員研究員
平成十一年二月  宇都宮大学工学部建設学科助教授
平成十九年四月  宇都宮大学准教授
平成二十四年八月 宇都宮大学大学院教授
平成二十六年四月 早稲田大学理工学術院教授
現在       早稲田大学理工学術院教授

四財主議第三〇七号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和四年十月二十四日任期満了となるため、再び任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     原  珠里

      略歴
現住所 茨城県つくば市
原  珠里
昭和三十八年四月二十五日生(五十九歳)
昭和六十三年 三月 東京大学文学部卒業
昭和六十三年 四月 農林水産省農業研究センター採用
昭和六十三年 十月 農林水産省農業研究センター研究員
平成八年十月    農林水産省北海道農業試験場研究員
平成十三年四月   独立行政法人農研機構中央農業総合研究センター主任研究員
平成十八年三月   東京大学博士(農学)学位取得
平成二十三年四月  東京農業大学国際食料情報学部准教授
平成二十五年四月  東京農業大学国際食料情報学部教授
現在        東京農業大学国際食料情報学部教授

四財主議第三〇八号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都土地利用審査会委員青木清志は令和四年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     吉田 尚子

      略歴
現住所 東京都新宿区
吉田 尚子
昭和四十一年七月十七日生(五十六歳)
平成元年三月  北海道大学法学部卒業
平成元年四月  株式会社サンリオ入社
平成九年四月  司法研修所入所
平成十一年三月 司法研修所修習終了
平成十一年四月 弁護士登録(第二東京弁護士会)
平成十二年四月 澤井法律事務所入所
平成十四年十月 新四谷法律事務所(事務所名変更)
平成二十年四月 山本・吉田法律事務所開設
現在      弁護士

四財主議第三〇九号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都土地利用審査会委員水戸部繁樹は令和四年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     稲葉 勝巳
      略歴
現住所 東京都稲城市
稲葉 勝巳
昭和三十四年六月十八日生(六十三歳)
昭和五十八年三月  慶應義塾大学経済学部卒業
昭和六十三年十一月 財団法人日本不動産研究所入所
平成十九年四月   財団法人日本不動産研究所システム評価部次長
平成二十五年四月  一般財団法人日本不動産研究所業務部副部長
平成二十六年四月  一般財団法人日本不動産研究所北海道支社長
平成二十九年十一月 一般財団法人日本不動産研究所資産ソリューション部長
平成三十年十月   一般財団法人日本不動産研究所公共部長
令和二年十二月   一般財団法人日本不動産研究所理事公共部長
令和三年十一月   一般財団法人日本不動産研究所理事業務部長
現在        不動産鑑定士
          一般財団法人日本不動産研究所理事業務部長

四財主議第三一〇号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
東京都土地利用審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都土地利用審査会委員水庭千鶴子は令和四年十月二十四日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、国土利用計画法第三十九条第四項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     町田 怜子

      略歴
現住所 神奈川県横浜市
町田 怜子
昭和五十二年十一月三十日生(四十四歳)
平成十二年三月  東京農業大学農学部卒業
平成十三年三月  東京農業大学大学院農学研究科修士課程修了
平成十六年四月  財団法人自然環境研究センター研究員
平成十七年三月  東京農業大学大学院農学研究科博士課程修了(造園学)
平成二十二年四月 東京農業大学短期大学部非常勤講師
平成二十五年九月 東京農業大学地域環境科学部助教
平成三十年十月  東京農業大学地域環境科学部准教授
令和四年四月   東京農業大学地域環境科学部教授
現在       東京農業大学地域環境科学部教授

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第八から第十一まで、議員提出議案第十号、東京都公衆浴場振興条例外条例三件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)
○六十七番(本橋たくみ君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十号から第十三号までについては、趣旨説明を省略し、第十号及び第十一号は文教委員会に、第十二号及び第十三号は厚生委員会にそれぞれ付託されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十号から第十三号までは、趣旨説明を省略し、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願一件及び陳情十四件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に付託いたします。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 明三十日から十月六日まで七日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、明三十日から十月六日まで七日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十月七日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時三十六分散会

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