令和四年東京都議会会議録第三号

令和四年二月二十四日(木曜日)
 出席議員 百十九名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
四番吉住はるお君
五番森澤 恭子君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番成清梨沙子君
十二番おじま紘平君
十三番もり  愛君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番龍円あいり君
二十七番あかねがくぼかよ子君
二十八番保坂まさひろ君
二十九番米川大二郎君
三十番清水やすこ君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番本橋たくみ君
四十二番渋谷のぶゆき君
四十三番林あきひろ君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番田村 利光君
四十六番菅野 弘一君
四十七番白戸 太朗君
四十八番たきぐち学君
四十九番田の上いくこ君
五十番関野たかなり君
五十一番後藤 なみ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番川松真一朗君
六十五番清水 孝治君
六十六番三宅 正彦君
六十七番やまだ加奈子君
六十八番早坂 義弘君
六十九番山加 朱美君
七十番菅原 直志君
七十二番内山 真吾君
七十三番森口つかさ君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番まつば多美子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番長橋 桂一君
八十七番鈴木あきまさ君
八十八番こいそ 明君
八十九番鈴木 錦治君
九十番ほっち易隆君
九十一番松田 康将君
九十二番山崎 一輝君
九十三番森村 隆行君
九十四番村松 一希君
九十五番入江のぶこ君
九十六番桐山ひとみ君
九十七番本橋ひろたか君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百六番小磯 善彦君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番柴崎 幹男君
百十二番小松 大祐君
百十三番小宮あんり君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番山田ひろし君
百十七番伊藤 ゆう君
百十八番荒木ちはる君
百十九番小山くにひこ君
百二十番増子ひろき君
百二十一番尾崎 大介君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 七名
三番   石島 秀起君
二十三番 西山  賢君
五十八番 原田あきら君
七十一番 平けいしょう君
七十六番 風間ゆたか君
九十八番 石川 良一君
百五番  あぜ上三和子君
 欠員
    七番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務上野 雄一君
政策企画局長野間 達也君
総務局長村松 明典君
財務局長吉村 憲彦君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
デジタルサービス局長寺崎 久明君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長武市 玲子君
オリンピック・パラリンピック準備局長延與  桂君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長中村 倫治君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
産業労働局長坂本 雅彦君
消防総監清水 洋文君
建設局長中島 高志君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長堤  雅史君
交通局長内藤  淳君
水道局長浜 佳葉子君
下水道局長神山  守君
都民安全推進本部長小西 康弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長西山 智之君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長桃原慎一郎君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長岡安 雅人君
労働委員会事務局長鈴木  勝君
収用委員会事務局長後藤 啓志君

二月二十四日議事日程第三号
第一 第一号議案
  令和四年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
  令和四年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
  令和四年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
  令和四年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
  令和四年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
  令和四年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
  令和四年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
  令和四年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算
第九 第九号議案
  令和四年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第十 第十号議案
  令和四年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
  令和四年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十二 第十二号議案
  令和四年度東京都と場会計予算
第十三 第十三号議案
  令和四年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十四 第十四号議案
  令和四年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十五 第十五号議案
  令和四年度東京都都市開発資金会計予算
第十六 第十六号議案
  令和四年度東京都用地会計予算
第十七 第十七号議案
  令和四年度東京都公債費会計予算
第十八 第十八号議案
  令和四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十九 第十九号議案
  令和四年度東京都病院会計予算
第二十 第二十号議案
  令和四年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十一 第二十一号議案
  令和四年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
  令和四年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
  令和四年度東京都港湾事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
  令和四年度東京都交通事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
  令和四年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
  令和四年度東京都電気事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
  令和四年度東京都水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
  令和四年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
  令和四年度東京都下水道事業会計予算
第三十 第三十号議案
  東京都公文書館条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
  東京都恩給条例及び東京都恩給条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
  雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
  雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例に基づく給付等の年額の改定に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
  東京都組織条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
  東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
  東京都行政書士試験手数料条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
  都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
  令和三年度分の都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第四十三 第四十三号議案
  東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
  東京都防災会議条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
  東京都国民保護協議会条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
  地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計条例
第四十八 第四十八号議案
  東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
  租税特別措置法施行令に基づく譲渡予定価額審査に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
  東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
  東京都消費者行政活性化基金条例を廃止する条例
第五十三 第五十三号議案
  東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
  学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
  学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
  東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
  東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
  マンションの管理の適正化の推進に関する法律関係手数料条例
第六十一 第六十一号議案
  宅地建物取引業法等関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
  東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
  東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
  東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
  東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
  東京都受動喫煙防止条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
  東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
  東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
  東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
  東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
  東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
  東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
  東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
  地方独立行政法人東京都立病院機構に係る地方独立行政法人法に規定する重要な財産を定める条例
第七十六 第七十六号議案
  地方独立行政法人東京都立病院機構に係る地方独立行政法人法第五十九条第二項に規定する条例で定める内部組織を定める条例
第七十七 第七十七号議案
  東京都立病院条例を廃止する条例
第七十八 第七十八号議案
  東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
  東京都立皮革技術センター条例の一部を改正する条例
第八十 第八十号議案
  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
  高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
  液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
  電気工事士法関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
  東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
  東京都霊園条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
  東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
  警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十八号議案
  東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第八十九 第八十九号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
  都営住宅三H─一一〇東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第九十一 第九十一号議案
  都営住宅三H─一〇一東(荒川区荒川七丁目)工事請負契約
第九十二 第九十二号議案
  都営住宅三H─一一四西(日野市平山四丁目第二)工事請負契約
第九十三 第九十三号議案
  都営住宅三H─一〇五西(八王子市大谷町)工事請負契約
第九十四 第九十四号議案
  都立小台橋高等学校(三)改修及び新築工事請負契約
第九十五 第九十五号議案
  包括外部監査契約の締結について
第九十六 第九十六号議案
  土地の信託の変更について
第九十七 第九十七号議案
  中野区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十八 第九十八号議案
  板橋区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十九 第九十九号議案
  地方独立行政法人東京都立病院機構中期目標について
第百 第百号議案
  地方独立行政法人東京都立病院機構に承継させる権利を定めることについて
第百一 第百一号議案
  東京都立有明親水海浜公園の指定管理者の指定について
第百二 第百二号議案
  東京都立晴海緑道公園の指定管理者の指定について
第百三 第百三号議案
  令和四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百四 第百四号議案
  令和三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第百五 第百五号議案
  都道の路線の認定及び廃止について
第百六 第百六号議案
  多摩川流域下水道北多摩二号処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第百七 第百七号議案
  令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)
第百八 第百八号議案
  令和三年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百九 第百九号議案
  令和三年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百十 第百十号議案
  令和三年度東京都国民健康保険事業会計補正予算(第一号)
第百十一 第百十一号議案
  警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百十二 第百十二号議案
  令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)

   午後一時開議
○議長(三宅しげき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(三宅しげき君) 一昨日に引き続き質問を行います。
 百二十三番西沢けいた君
   〔百二十三番西沢けいた君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○百二十三番(西沢けいた君) 質問に先立ち、去る二月一日に逝去された石原慎太郎元東京都知事に対しまして、謹んで哀悼の意を表するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に質問いたします。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 二月四日、「未来の東京」戦略が更新されました。これまで私たちは、都民の暮らしと人に着目をし、貧困や格差などの将来不安を解消してこそ希望の持てる社会となると訴えてきましたが、コロナ禍でますます厳しさを増す格差や貧困などの問題に十分対応できているとはいえません。
 二〇一六年十二月に策定された都民ファーストでつくる「新しい東京」では、都内GDPを二〇二〇年までに百二十兆円、訪都外国人旅行者数を二千五百万人などとする四つの挑戦を掲げていましたが、その後、これらはどう総括されたのでしょうか。
 私たちの求めに応じる形で、四つの挑戦の一つに都民の生活満足度が掲げられましたが、これも五一・一%と計画策定時より悪化しており、不満の理由も経済的なものが最多です。
 四年度予算案を見ても、こうした都民の経済的不満、暮らしや生活に対する都民の満足度を向上させていく視点が希薄であると感じています。
 そこで、私は、改めて都民の暮らしと人に着目をし、貧困や格差などの将来不安の解消に向けて取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 令和四年度一般会計歳出総額は過去最大、政策的経費である一般歳出も五兆八千四百七億円、前年度比プラス四・一%となっています。
 私たちは、無駄は削って弱者に回す、コロナ禍において好調な企業から得た税収は、長引くコロナ禍で生活苦に陥った方、従来からあった不安定雇用や低賃金など、コロナ禍でより一層顕在化した課題に対して重点的に振り向けるべきだと考えます。
 令和四年度予算において、増えた税収が弱者に対して十分に振り向けられていると考えているのか、知事の見解を伺います。
 令和四年度予算の編成では、初めて政策評価と事業評価を一体的に行いました。私は、財務局のやってきた事業評価は、一定の効果、実績を上げてきたと考えております。そのため、この政策評価と事業評価の一体的実施について、昨年の予算特別委員会では、財源をしっかり確保するという事業評価の姿勢と外部の目が入った政策評価、この双方の長所を生かした取組を求めました。
 歳出膨張の抑制、新規事業に対する財源確保、そして無駄を切る観点から、政策評価と事業評価の一体的実施においてどのような成果があったと考えるのか、見解を伺います。
 来年度予算には、事業評価の取組でも紹介されているMy City Report、市民投稿アプリの本格導入予算が計上されています。これは、都民から道路損傷の情報を受け付けるもので、対応状況などの経過も都民と共有できるものです。
 これは、かねて私が提案してきた行政サービスのクラウド化、ガバメント二・〇、すなわちアプリを通じた都民参画であり、効率化だけではなく、日頃行政との接点が少ない都民からの情報提供とそのレスポンス、さらには所管違いの情報を共有して仕事を進めるという大変貴重な行政改革経験でもあります。
 DXをデジタル化、効率化にとどめるのではなく、行政の在り方、質を変える行政改革につなげる取組をもっと推進すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、東京都パートナーシップ宣誓制度について伺います。
 私たちは、同性パートナーシップ制度について、早期の条例による実現を求め、東京都として、現状の差別的な扱いを解消していく必要があると提案してきました。
 先般、都の制度案が公表され、予算案にはオンライン登録の経費〇・四億円が計上されるなど、条例に基づく早期の制度化に向けた取組を評価するものです。
 今後は、当事者の意見を受けて、より人権に配慮した具体的な制度設計、運用となるよう、さらなるブラッシュアップが必要です。また、民間事業者や区市町村の協力が必要であることから、都としての政策推進についても、より具体的な姿勢を明記することが求められます。
 そこで、東京都パートナーシップ宣誓制度によって、LGBTQプラスの当事者の権利をどのように実現していこうとしているのか、知事の見解を伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 私たちがかねてより求めてきた、蔓延防止等重点措置や緊急事態宣言の要請基準を東京都が明らかにしたことは前進です。しかし、何がどうなったらいつ解除なのかは明らかにされていません。
 病床使用率が上がっており、都の要請基準に達したなどの報道を受け、緊急事態宣言に移行してしまうのか、蔓延防止等重点措置期間が延長なのか、三月六日以降の見通しが示されないことが問題であり、経済活動などの損失につながるとの声が後を絶ちません。
 経済を止めないというのであれば、こうした点にも配慮し、都民生活や事業運営に対する見通しを持てるよう、解除の基準についても明らかにするべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、オミクロンの特性に対応して要請基準を変更したことは是とするものの、その根拠や過程が十分説明されていないために、場当たり的に変更したのではないかとの疑念の声もいまだに聞かれます。
 都民の納得と共感がなければ、コロナとの闘いは難しくなってしまいます。大きな変更を行う場合は過程についても明らかにし、しっかりと説明をするべきであると私たちは繰り返し求めてきました。
 こうしたことが繰り返されるのも、都の対策や対応の検証が行われていないことに起因するものと考えます。新たな変異株への対応においても繰り返すことのないよう、しっかりとした検証を求めるものですが、見解を伺います。
 感染状況を見ると、重症者数は高齢者を中心に増加傾向にあり、高齢者施設での感染も増えています。亡くなる方も高齢者が多くなっています。
 私たちは、当初からこれまで一貫して、必要な医療が受けられなかったり、遅れたために亡くなる方のないようにすることを求めてきました。
 新規感染者が減少傾向に転じたと報道されていますが、六十五歳以上の高齢者においては依然として非常に多く、割合は九・六%に上昇していることから、重症病床などの逼迫が進み、必要な医療を提供できなくなってしまうことも懸念されます。
 飲み薬や点滴薬による治療を迅速に行える体制整備、ワクチンの三回目接種をさらに加速化するなど、高齢者を含む都民の命を守る対策をより一層強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 現在直面している第六波においては、比較的軽症の方が多数とはいえ、過去に経験のないスピードで感染者数が拡大し、多くの方が自宅療養されている中、問題が発生したことも事実です。
 こうした中で、重症化の見逃しを防ぐため、自宅療養者に対する健康観察をはじめとした療養支援体制の拡充を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、経済対策、人材確保策について伺います。
 私たちは、人への投資を重視した、幸福を実感できる東京の経済発展を目指しており、都民生活に必要不可欠な製品、コンテンツなどを確実に確保できることが重要だと考えています。
 現在、ベンチャー、中小企業のテック企業によるイノベーションにより開発された製品やサービスが、社会的課題の解決に貢献しています。
 イノベーションを生む新たな技術と商品開発、東京の雇用、所得に貢献する事業に投資を行い、都の成長戦略につなげるべきと考えますが、見解を伺います。
 東京の地場産業に関して、さらなる対策も必要です。
 コロナ禍による巣籠もり需要もあって、漫画の海賊版被害が過去最悪となっています。海賊版サイトで、ただ読みされた漫画は二〇二一年だけで売上げ換算一兆円を超え、正規の漫画市場の一・六倍にも当たると報じられています。このままでは漫画文化が破壊されかねません。
 また、昨年八月の中国におけるゲーム規制の導入により、中国国内で一万四千社が倒産する一方で、残った大手企業は日本などへの海外展開に力を入れると公言しており、早めの対応策が必要です。
 そこで私は、コンテンツ産業の育成支援に積極的に取り組みながらも、漫画、アニメを含めた知的財産保護策の拡充に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 経済成長には、企業の生産性向上が鍵となりますが、それには、デジタル人材の確保、育成が欠かせません。しかし、デジタル人材は不足しており、とりわけ中小企業には、新たな人材を雇う余裕もありません。
 そこで、データサイエンス教育の推進を図るとともに、都において中小企業へのデジタル人材の派遣、中高年従業員を含めた全社員の学び直し、リスキリング支援などに取り組むべきです。
 デジタル人材育成、確保策にさらに力を入れるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 コロナ禍の中で、東京ビッグサイトでのイベントを予定している事業者は、来春四月から六月のイベントの開催可否や規模をはかりかねています。イベント主催者は、開催断念によるキャンセル料の支払いリスクを考え、規模を縮小しがちです。また、再開催を判断して会場を借りれば、さらに費用がかかる場合があります。
 そこで私は、主催者が開催の可否や規模を判断できるように、従来行ってきたキャンセル費用の減免の取組を再度行うべきではないかと考えます。
 この対策が、現在大変な苦境にあるイベント主催者及び関連事業者への支援になるだけではなく、遠からず来るであろうピークアウト後に、速やかに経済回復につなげていくための施策になり得るものと考えますが、見解を伺います。
 MICEは、参加者など一人当たりの支出額も大きく、ダメージが大きい観光、飲食業界などへのコロナ後の経済波及効果が期待できます。一方で、企業系会議の誘致は長くて二年、国際会議は三年以上かかります。コロナ後を見越して今誘致に尽力しなければなりません。都内においては、開業を控えている東京たま未来メッセをはじめ、各所で誘致に取り組んでいます。
 しかしながら、海外主催者に対する適切な働きかけやハイブリッド形式への支援、開催地全体の受入れ環境の整備、協力体制の不足などの課題があり、対策が必要です。
 長期的、全体的展望を持った効果的なMICE誘致策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちは、経済対策の一つとして賃金の引上げが必要だと考えており、賃上げはコストではなく、未来への投資だと考えています。しかし、日本では賃金が上がりにくく、物価が上昇基調にあり、消費も低迷し、今や中間層は分厚いとはいえません。一方で、産業界ではデジタル化や脱炭素など変革に迫られており、イノベーションの実現には人への投資が欠かせません。
 知事においては、中小企業などの賃上げに関して取り上げることや、都が日本の賃金課題である企業規模格差や男女格差を見える化するなど、賃上げの機運醸成に努めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、賃金引上げには、賃上げの原資確保が必要ですが、中小企業にはその余力がありません。大企業の下請を担う中小企業の八割は、原材料費などの上昇に対して、製品への適切な価格転嫁ができずにいるとの調査結果もあり、それらは、取引先による買いたたきといわざるを得ません。その結果、賃上げも進みません。国はこれを厳しく認定し、独占禁止法上の優越的地位の濫用を防止するための対策調査室を新設します。
 東京都としても、下請いじめ対策を行うことで中小企業を支援し、賃上げをも支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 低賃金の状況を脱するには、職業訓練など人的資本への投資も欠かせません。日本では、主要国との比較で労働政策の公的支出額が低い水準にあるため、職業能力開発計画の改定に取り組む都において、産業人材のさらなる確保、育成策を推進する必要があります。
 北欧諸国の職業教育においては、労使代表などが参加する委員会組織が、労働市場における技能需要の状況把握や提供すべき職業訓練の内容改善などの役割を果たしています。
 そこで私は、公労使による協議を進め、民間教育機関などへの委託訓練を含む公共職業訓練のさらなる拡充を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 国は、四月から賃上げ企業に公共調達における総合評価落札方式への評価点を上げるなど、優遇措置を行う方針です。
 都においても、賃上げの企業へのインセンティブとして同様の取組が必要だと考えますが、見解を求めます。
 次に、貧困対策について伺います。
 まず、女性の貧困についてです。
 東京都議会立憲民主党は、審議会など意思決定への女性参加、女性起業家の支援に加えて、予算の一つ一つをジェンダー平等の視点からチェックするジェンダー予算を提案してきました。
 中でも、女性の貧困対策は喫緊の課題であり、女性の非正規労働者や失業者、低所得者の視点から、相談支援施策を充実させることは欠かせない視点の一つです。
 コロナ禍において女性ホームレスの増加が顕著になったことを受けて、昨年行われた女性による女性のための相談会が、この年末年始にも行われました。
 女性目線の支援については、支援を行っている民間との連携により、都の施策をより一層充実させるべきと考えますが、見解を伺います。
 生活保護の扶養照会について、昨年第一回定例会の代表質問でも取り上げ、その後、昨年二月及び三月に厚生労働省から各自治体に対して、扶養義務の履行が期待できると判断される者に対して行うことという旨の事務連絡がなされました。申請者の意向に反した扶養照会は、生活保護の利用をためらう要因となっています。
 都は、国の事務連絡の内容を福祉事務所に徹底し、民間団体が作成した扶養照会をしないでほしいという事由が書かれた書類を提出するなど、本人が拒んでいる場合には、扶養照会をやめる対応を福祉事務所が行うようにすべきと考えますが、見解を伺います。あわせて、書面での申出は一つの意向を伝える方法だと考えますが、見解を伺います。
 また、扶養照会をしないでほしいという事由が書かれた書類が提出をされたとき、その書類を受け取らず、扶養照会をしないでほしいという意向があるという事実をも受けないという判断は、都の通知に照らしても適切ではないという認識でよいか、見解を伺います。
 次に、子供、若者施策について伺います。
 昨年の第三回定例会で、私たちは、子供、子育てに関わる政策を一元的、総合的に推進するための組織体制の抜本的強化を求めました。
 このことからも、今回、新たに子供政策連携室が提案されたことは評価するものです。この専管部署が専ら政策の連携にとどまることなく、子育て世帯への経済的な支援策の拡充こそが求められていますが、組織設置の狙いも含め、知事の見解を伺います。
 次に、児童虐待について伺います。
 来年度予算では、児童虐待対策として、児童福祉司や児童心理司で五十七名、一時保護所で四名の増員をはじめ、サテライトオフィスや多摩児童相談所の検討など、積極的な姿勢を打ち出していることは評価します。
 しかし、一方で、児童虐待の相談件数はこの三年で二倍近くに増えており、早急かつ抜本的な対策が欠かせません。児童虐待対策の拡充に向けて、知事の見解を伺います。
 ヤングケアラー対策について伺います。
 私たちは、ケアラーの支援が必要であると求めてきました。中でもヤングケアラーへの支援は喫緊の課題であり、新年度予算案に盛り込まれたことに期待をしています。
 ヤングケアラーが存在する背景には、家族の介護や看護、経済的困窮など複数の要因が絡み合っていることも少なくなく、また、所属を持たない子供は見落とされがちであるなど、様々な難しさがあります。継続的な支援や個人情報保護の観点から、今後、各市区町村が対策に大きな役割を果たすことが欠かせません。しかし、各市区町村も、ヤングケアラー対策はまだほとんど手つかずの状態です。
 ヤングケアラー対策における東京都の役割と自治体の位置づけを明確にし、自治体が必要な体制を取れるよう適切に支援する必要があると考えますが、見解を伺います。
 ヤングケアラーの発見と支援において、学校の存在は重要であり、小中学校ではスクールソーシャルワーカー、都立学校においてはユースソーシャルワーカーの役割が期待されます。ただ、スクールソーシャルワーカーは現状でも市区町村からの増員要望が多く、また、自治体の財政力によっては配置しにくい実態もあるため、市区町村の負担を減らす施策が都として必要と考えます。また、都立学校のユースソーシャルワーカーもヤングケアラー対策にも対応できるよう、人材の拡充が必要と考えますが、併せて見解を伺います。
 さらに、障害や病気のあるきょうだいのケアの一端を担う、いわゆるきょうだい児についても、実態やニーズの把握とピアカウンセリングなどの支援に踏み出すべきと考えますが、見解を伺います。
 児童生徒の不登校は毎年増加している状況であり、誰一人取り残すことのない教育実現のために、不登校対策は大変重要です。
 私は、この間、不登校対策における民間団体との連携強化を求めてきました。不登校の児童生徒を民間のフリースクールなどに通わせる保護者からは、経済的な負担もあり、行政による支援を求める声も上がっています。
 四年度予算案には、フリースクール等に通う不登校児童生徒支援が盛り込まれたことは評価できることであり、今後は民間団体と連携し、不登校対策を拡充していくべきと考えます。
 民間団体には、フリースクールだけではなく、例えば元不登校やひきこもりだった方が、支援側で活動をしているNPOなどもありますが、不登校対策に取り組む民間団体との連携についての見解と、フリースクール等に通う不登校児童生徒支援について伺います。
 また、教育機会確保法では、地方公共団体は、不登校特例校の整備に努める旨規定されており、東京都として取り組んできた不登校特例校のさらなる整備も必要です。
 都内では、平成十六年に八王子市で創立された不登校特例校に続き、平成三十年に調布市で全国初の分教室型不登校特例校が設置され、その後、福生市、今年度には大田区、来年度は世田谷区で新設されます。
 年々増加する不登校の児童生徒の学びを保障するために、この不登校特例校を各自治体で整備できるよう支援するとともに、不登校特例校について広く都民に周知をしていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 四年度予算案では、十八歳までの医療費助成制度の開始に向けた経費が計上されています。子育て世帯の経済的負担の軽減策の一つとして前向きに評価するものですが、一方で、市町村からは、財政力の違いなどによるサービス格差を指摘する声も上がります。
 納得感のある公平な制度設計が求められますが、今後の取組も含め、見解を伺います。
 次に、都立、公社病院の独立行政法人化について伺います。
 今定例会には、東京都立病院条例を廃止する条例案などが提案をされています。私たちは、この間、コロナ禍において都立、公社病院の独立行政法人化は強行すべきではないと主張してきましたが、昨年の第三回定例会で、独立行政法人化に関する定款が可決され、今年七月の独法化が進んでおります。
 しかし、こうした状況にあっても、都立、公社病院で働く職員への説明などがほとんど進んでいないと聞いています。説明資料を送付しただけでは、説明したとはいえません。
 そこで、都立、公社病院で働く職員への説明はどのようになっているのか、見解を伺います。
 厚生委員会でも指摘をしてきましたが、このままでは、コロナ禍を経験した貴重な医療人材、スタッフが流出しかねません。
 そのため、医療人材、スタッフの雇用、魅力ある賃金、労働条件、不断の医療技術の習得、向上に必要な費用を安定的に確保するとともに、人材流出の防止のため、独法化前から働く医療人材、スタッフの雇用を確保し、賃金、労働条件の低下を招かないようにすることが求められます。
 行政的医療をはじめ、質の高い医療を提供していくためには、職員が安心して働き続けられる環境整備が重要です。
 そのためにも、行政的医療の提供などに必要な費用は、これまでと同様、東京都が将来にわたり負担をすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、良質な医療を提供する体制の構築のためには、誇りを持って仕事ができる職場環境が必要です。
 そこで、現場の医療人材、スタッフと経営側とのコミュニケーションを密にし、現場の意見を経営に反映できるようにしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、環境政策について伺います。
 都は、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、太陽光発電の既存住宅への設置拡充と新築住宅への設置義務化、断熱住宅のさらなる普及に向けた事業を大幅に増額しました。
 しかし、事業者の協力や、建築主である都民の理解をどう得て、都の二〇三〇年目標、家庭部門でのエネルギー消費量三〇%程度削減に近づけられるのかが課題です。また、コストや環境の面では、パネルの低コスト化や軽量化、更新時のリサイクルなどの課題があります。
 家庭におけるCO 2排出状況の改善や都民意識、太陽光発電の課題を踏まえ、脱炭素化実現に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京都は、二〇五〇年CO 2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現に向けて、都の率先した行動が重要として、二〇三〇年に都有施設の使用電力の再エネ一〇〇%化を目標に掲げ、ゼロエミッション都庁行動計画、とちょう電力プランなどの取組を進めています。
 とちょう電力プランでは、家庭の卒FIT電力の買取りによる再生可能エネルギー調達の対象施設を、今年度は都立高校や消防庁舎にも拡大したと聞いており、より一層の推進が望まれます。
 私は、都有施設で使用する電力のRE一〇〇は、二〇三〇年といわず、早期達成に向けて、こうした取組をより一層スピードアップすべきと考えますが、見解を伺います。
 プラスチックごみについては、まずは3Rの一つ、リデュース、削減に製造者と重点的に取り組むことが必要です。
 一方で、四月からプラスチック製品の多くが分別回収、リサイクルの対象となり、自治体の努力義務となります。都は、容器包装プラスチックの分別収集について、自治体によるスタートアップを支援していますが、容器包装プラスチックのみでの回収費用の負担が大きく、都の補助終了後の費用負担を考え、実施にちゅうちょする自治体があると聞いています。
 そこで、私は、都内自治体への支援を拡充するなどして、多様なプラスチック製品の再資源化を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害対策について伺います。
 阪神・淡路大震災から二十七年を迎えました。全半壊した住宅は約二十五万棟、非住家の公共建物その他の建築物四万二千棟に被害が出ています。
 都内では、住宅やマンションなどの耐震化が進められており、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率は八七・一%、耐震が不足する建築物は二千二百七十七棟などとなっています。
 建築耐震工学の学識者は、銀座通りでも耐震性が不足する建物がそれなりに多く残っていると述べていることから、段階的改修を含めた、さらなる都市部のビルの耐震化を広めることが必要です。
 都市型震災の教訓を生かし、建築物による被害リスクを減じる改修を進めるなど、さらなる防災力向上に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 私たちは、コロナ下では災害が発生した時点で複合災害であるとし、早急に感染症流行下での災害対策を行うよう提案をしてきました。
 これを受け、都は、備蓄物資を充実し、避難所の感染対策への区市町村補助などを実施、昨年三月の東京防災プラン二〇二一では、感染症と自然災害の複合災害対策を掲載するなど、都の複合災害対策に前進が見られたことを評価しています。
 私たちは、東日本大震災を実体験した現場からの声、備えていたことしか役に立たなかった、備えていただけでは十分ではなかった、備え、しかる後にこれを超越してほしいという教訓を生かし、首都東京の安全向上に資する取組を強力に推し進めていかなければなりません。
 都は現在、首都直下地震の被害想定を見直しており、二十二年度初めに公表予定です。
 日本各地で災害が頻発している中、東京都においても、地震後の水害など大規模自然災害が複合的に発生した場合や、感染症蔓延下の災害、すなわち複合災害対策について、さらなる強化を図っていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 昨年十二月に起きた大阪市のビル放火殺人事件は、二方向避難の確保が不可能な既存不適格ビルでの火災が大きな被害をもたらしかねないことを示しました。階段が一つしかなく、不特定多数の人々が出入りする診療所や飲食店が三階以上に入る特定一階段等防火対象物の建築物は、都内では七千九百三十四棟存在しています。改修するには時間やコスト面などで課題が多いため、後づけの安全対策など早急な対応が求められています。
 こうした雑居ビルのオーナーやテナントである中小企業において、追加の対策を行うことも厳しい状況にあるため、火災時の安全対策を支援する取組が必要だと考えますが、見解を伺います。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 西沢けいた議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、人に焦点を当てた政策についてのご質問であります。
 東京の持続的な発展を支えるのは人であります。私はこれまでも、東京に暮らす人々に寄り添った施策の推進に邁進をしてまいりました。
 昨年策定いたしました「未来の東京」戦略において、子供の貧困対策やひとり親家庭への支援をはじめ、不安を抱える人に対する幅広い施策を展開いたしております。
 さらに、今回公表した戦略のversion upには、コロナ禍であらゆる世代の人々が様々な困難に直面している状況を踏まえました政策の強化を盛り込んでおります。
 生活困窮者や高齢者、障害者、女性など、困難を抱える方々の状況に応じた相談体制の充実や、NPO等と連携した支援の強化を図ってまいります。
 また、多世代が交流する地域の居場所づくりや自殺対策など、分野横断的な取組を強化いたします。
 誰一人取り残さないセーフティーネットを強化し、誰もが自分らしく活躍できる社会をつくり上げてまいります。
 次に、令和四年度予算についてのお尋ねでございます。
 都はこれまでも、コロナ禍での離職の増加や、人と人とのつながりの希薄化など、都民生活の様々な面への影響を踏まえ、時機を逸することなく対策を講じてまいりました。
 その上で、令和四年度予算におきましても、事業の見直しにより生み出した財源などを活用して、様々な対策を実施してまいります。
 具体的には、離職した方に対しまして、デジタルスキル分野における職業訓練の充実や、大規模なマッチングイベントを実施するとともに、働く場における女性の活躍を推進する取組を進めてまいります。
 加えまして、社会全体で孤独や孤立に悩む方を支えるため、相談内容の充実や、自殺を未然に防止する取組など、総合的な対策を展開してまいります。
 これらの取組を通じまして、長引くコロナ禍で困難な状況に置かれた方々の生活をしっかりと支えてまいります。
 次に、DXを通じました行政の変革についてのお尋ねです。
 デジタル技術は、時間と場所にとらわれず、多くの情報を瞬時に収集、発信することができ、都民と行政を直接つなげる力を持っています。
 これを活用し、都民との協働でサービスを生み出し、その質を高めていくのが我々の目指す行政の姿であります。
 こうした考えの下、先般バージョンアップした都政の構造改革、シン・トセイ2では、ユーザーとの対話の徹底を改革実践のスタンスとして掲げております。
 デジタルサービスに関する満足度レビューや開発時のユーザーテストの徹底、市民やシビックテックのアイデアを生かす都知事杯ハッカソンの実施など、都民の意見を施策に反映させる様々な取組を展開してまいります。
 こうしたデジタルの力を活用した協働の取組を積み重ねて、都政の構造改革を実現してまいります。
 次に、パートナーシップ宣誓制度についてであります。
 性的マイノリティー当事者の生活上の困り事の軽減を図り、暮らしやすい環境づくりにつなげることなどを目的として、制度素案を策定いたしました。
 受理証明書につきましては、都が実施する住宅や医療サービスなどで活用できるよう検討を行ってまいりますとともに、民間での活用も進むよう、協力を呼びかけてまいります。また、証明書の相互活用など、都内区市町村とも丁寧に協議し、連携を図ってまいります。
 今後、パブリックコメント等を踏まえまして、本年秋の運用を目指し、当事者に寄り添った制度を構築してまいります。
 デジタル人材の育成についてでございます。
 コロナ禍では、我が国のデジタルシフトの遅れが顕在化しており、今後、産業分野のDXを進める上でその担い手の育成は欠かせません。
 このため、都は来年度、デジタル人材プロジェクトを展開し、中小企業が行うリスキリングの支援などによる人材育成を進めてまいります。
 具体的には、デジタル教育の計画づくりからその実施までを専門家が伴走型でサポートする取組や、従業員が社外でのDXの講習を受ける費用等の助成を新たに開始をいたします。これらの取組を通じまして、人材を集中的に育成し、DXの加速化につなげてまいります。
 次に、子供政策連携室についてのお尋ねであります。
 子供は大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在、全ての子供の笑顔を育む社会をつくり上げていかなければなりません。
 こうした思いから、子供政策連携室を設置し、子供に係る複合的な課題など、幅広い行政分野に関わる施策を展開してまいります。
 総合調整権を有する新組織を軸に、子供や子育て家庭が抱える様々な課題に向き合い、都政の政策全般を子供目線で捉え直し、各局と連携しながら取り組んでまいります。さらには、官民一体となったこどもスマイルムーブメントを戦略的に展開してまいります。
 新たな体制の下、全庁が一丸となって、全ての子供たちが生き生きと活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。
 次に、児童虐待への対応についてであります。
 児童相談所で受ける虐待の相談や通告の件数は、近年、増加の一途をたどっております。
 深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、都はこれまで、児童福祉司や児童心理司を増員するとともに、虐待対策班の設置や一時保護所の拡充など、児童相談所の体制強化を図っております。
 来年度は、児童福祉司等をさらに増員するほか、トレーニングセンターを設置して実践的な研修を実施いたします。
 児童虐待は、子供たちの心に深い傷を残すだけではありません。その将来の可能性をも奪いかねない、決して許されない行為であります。児童相談所の体制を一層強化し、子供の安全・安心をしっかりと守ってまいります。
 都立、公社病院の独法化についてのお尋ねがございました。
 感染症医療や周産期医療など、採算の確保が難しく、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、東京のセーフティーネットである都立病院が果たさなければならない重要な役割であり、都としての責務であります。
 このため、独法化後も、行政的医療に必要な経費は、これまでと同様に都が確実に財源を措置する、また、医療は、医師や看護師など多様な医療人材によって支えられておりまして、働きやすく、働きがいのある環境を整備して、人材を機動的かつ安定的に確保することで、都民に必要な医療を着実に提供してまいります。
 家庭部門のCO 2の削減に向けた取組についてのお尋ねであります。
 二〇三〇年カーボンハーフに向け、CO 2削減が進みにくい家庭部門におきましても、あらゆる取組を通じ、住宅のゼロエミッション化や都民全体の行動変容等を後押ししていく必要がございます。
 このため、都は、住宅供給事業者等へ太陽光発電設備の設置を義務づける新たな制度の導入などにつきまして、事業者等の意見も伺いながら審議を重ねております。あわせまして、初期費用の負担を軽減する方策や太陽光パネルのリユース、リサイクルの推進方策の検討など、民間事業者との連携を進めております。
 また、制度の導入に先駆けまして、来年度は東京ゼロエミ住宅への支援を拡充いたしまして、不動産取得税の減免措置を創設するとともに、既存住宅の断熱改修、太陽光発電設備の設置などへの支援も拡充をいたしてまいります。
 あわせまして、省エネ行動によるメリットや、そのための支援策の拡充などにつきまして積極的に周知を図り、都民の行動を促してまいります。
 こうした取組を通じまして、都民が当たり前に省エネ、再エネ利用に取り組める社会を実現し、二〇三〇年カーボンハーフを達成してまいります。
 建築物の耐震化による防災力向上について、最後にご質問がございました。
 都は、阪神・淡路大震災を教訓に、救援、復旧活動に不可欠な緊急輸送道路の沿道建築物につきまして、全国に先駆けて条例を制定し、耐震診断の義務づけや診断結果の公表を行うなど、耐震化を推進してまいりました。
 首都直下地震などの発生が懸念される中、昨年の十月に都内で震度五強の地震が発生するなど、東京における巨大地震の発生が一層現実的なものとなってまいっております。
 都市の強靱化に向けまして、緊急輸送道路の沿道に立地する大規模マンション等への補助を来年度から拡充いたしまして、建築物の耐震化をさらに加速をしてまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をいたさせます。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、スクールソーシャルワーカー等の活用についてでございますが、都教育委員会では、ヤングケアラーなど、子供が抱える課題に対応するため、区市町村教育委員会や都立学校におけるスクールソーシャルワーカー等の活用について支援をしております。
 学校では、こうした人材を活用して、家庭の状況を把握し、関係機関と連携しながら、適切な支援につなげております。
 これらの取組を促進するため、区市町村に対するスクールソーシャルワーカーへの補助の拡充や、都立学校における専門性の高いユースソーシャルワーカーの増員を行い、学校における相談体制を整えてまいります。
 次に、不登校対策に取り組む民間団体との連携についてでございますが、学校に通うことができない子供に多様な学びの機会を確保するためには、フリースクール等の知見を活用していくことが重要でございます。
 都教育委員会は、引き続き、区市町村教育委員会が設置する教育支援センターでフリースクール等と連携した体験活動の実施などを促進し、より子供に寄り添い、意欲を引き出すよう学びを支援いたします。
 また、来年度は、フリースクール等の利用者である子供や保護者の意見等を把握する調査を実施し、それに協力をいただける子供や保護者を支援してまいります。
 最後に、子供の実態に応じた特例的な学校についてでございますが、都教育委員会では、学校に通うことができない子供の学びの場を増やすため、国の制度を活用し、子供の生活や学習の状況に合った柔軟な教育活動ができる学校を設置する区市町村を支援しております。
 この学校では、ゆとりある時間割の設定により、子供が登校しやすい環境を整えるほか、体験的学習の機会を多く設け、子供の学習意欲やコミュニケーション能力などを高めております。
 今後とも、こうした特例校の設置に向けた取組を推進するため、教職員や都民が参加する講演会等で、この学校の特色や効果的な実践事例などを周知してまいります。
   〔財務局長吉村憲彦君登壇〕

○財務局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、政策評価と事業評価の一体的実施についてでございますが、令和四年度予算では、編成プロセスの一環として、目標の達成度や外部有識者の意見を踏まえ、政策全体の方向性を評価する政策評価と、一つ一つの事業の実効性と効率性の向上を図る事業評価を一体的に実施し、評価制度をさらにブラッシュアップいたしました。
 例えば、パラスポーツの推進については、活動拠点の整備や関心の継続を取組の軸とし、既存事業の見直しに加え、新規事業の構築も図るなど、政策を充実しております。
 このように、施策の方向性という大きな視点を踏まえ、既存事業の評価や、新規事業の構築を含めた様々な選択肢の検討などを行い、より効果的な事業構築へとつなげるなど、評価制度の実効性の向上と施策の新陳代謝の一層の促進を実現しております。
 次に、賃上げ企業への公共調達での優遇についてでございますが、国においては、経済対策を契機とした成長と分配の好循環の実現に向けて、政府調達の対象企業の賃上げを促進するため、総合評価方式の評価項目に賃上げの項目を設定いたします。
 具体的には、事業者が一定の基準以上の賃上げを表明した場合には加点をし、賃上げの実績が基準に満たない場合には、後の案件の入札において減点する仕組みでございます。
 引き続き、都民や事業者への影響などを慎重に見極めるとともに、国の制度設計などの動向も注視してまいります。
   〔総務局長村松明典君登壇〕

○総務局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、重点措置の解除についてですが、基本的対処方針においては、都道府県の感染及び医療提供体制等の逼迫の状況を踏まえ、国が総合的に判断することとされております。
 先日、国におきまして、沖縄県など五県については、新規陽性者数が継続して下降傾向等にあること、病床使用率や重症病床使用率が五〇%を下回っていることなどから、重点措置を終了とし、当該五県以外の重点措置の終了につきましては、新規陽性者数や医療の負荷の状況を見て、総合的に判断するという考え方が示されたところでございます。
 都といたしましては、引き続き、医療提供体制の充実や感染拡大防止に取り組むとともに、国とも綿密な意見交換を行い、専門家の意見も聞きながら、適切に対応してまいります。
 次に、コロナ対策の検証と都民への説明についてですが、都はこれまでも、総力を挙げて感染拡大防止対策や医療提供体制の充実に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に生かしてまいりました。
 例えば、第五波での病床や保健所業務の逼迫を踏まえ、さらなる病床確保はもとより、転退院の促進等により、確保病床の有効活用を図るとともに、入院医療に加えまして、宿泊療養、自宅療養を含めた総合的な医療提供体制を強化しております。また、デジタル技術を活用し、保健所業務の効率化を推進しているところでございます。
 こうした対策につきましては、モニタリング会議等を通じて、都民等に対して迅速かつ丁寧に発信しております。今後も感染の状況に応じて適切に対策を講じてまいります。
 最後に、感染拡大時の災害への対応についてですが、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、地震や風水害の発生など、複合的な事態も想定いたしまして、都民が安全かつ確実に避難できるよう対策を講じることは重要でございます。
 都はこれまで、避難所が不足する事態に備えて、区市町村等と連携し、ホテルなどの多様な避難先を確保してまいりました。また、避難者用のマスクや消毒液等の購入に係る区市町村への補助を実施するなど、避難所機能の向上を図ることにより、複合災害への対応を強化してきたところでございます。
 さらに、避難所の開設や混雑の状況を防災ホームページで速やかに発信するなど、避難所の三密回避に向けた仕組みを構築しております。
 今後とも、様々な災害を想定し、都民の命と安全を守る取組を一層進めてまいります。
   〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、経口薬等による治療やワクチンの追加接種についてでございます。
 都はこれまで、経口薬や中和抗体薬、ワクチンにつきまして、必要量の早期確保と確実な供給を国に求めてまいりました。
 経口薬は東京都医師会や薬剤師会等と連携した提供体制を、中和抗体薬は医療機関と連携し、都民の投与希望に速やかに対応できる体制を構築しております。
 また、ワクチンの追加接種の加速に向けまして、区市町村との情報共有や都の大規模接種会場の体制を強化してまいります。
 今後とも、こうした取組を進めることで、高齢者を含む都民の安全・安心を確保してまいります。
 続きまして、自宅療養者への支援についてでございます。
 都は、フォローアップセンターの人員体制を拡充するとともに、医療機関による健康観察を先月から開始してございます。
 また、新たに自宅療養サポートセンター、うちさぽ東京を開設いたしまして、自宅療養者への食料の提供や療養生活を送る上での様々な相談に対応してございます。
 加えて、東京都医師会と連携し、自宅療養者への往診等を行っており、今後とも、感染状況に応じ、自宅療養者への支援体制を確保してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 八点のご質問にお答えいたします。
 最初に、イノベーションの創出についてですが、社会的課題の解決を図る上では、中小企業やベンチャー企業が持つイノベーションを生み出す力を活用することが効果的でございます。
 都はこれまで、環境や医療などの分野における課題の解決に向け、中小企業が大企業や大学等と連携して新しい製品や技術をつくり出すことができるよう、開発に係る経費の一部を助成してまいりました。
 また、ベンチャー企業が社会的課題の解決にも取り組めるよう、ファンドを通じて資金と経営の両面から支援を行っているところでございます。
 今後も、こうした取組によりまして、中小企業やベンチャー企業のイノベーション創出を後押ししてまいります。
 次に、コンテンツ産業の支援についてでございますが、東京のコンテンツ産業の成長を促すためには、国際競争力の強化や、知的財産の保護や活用に向けた支援が必要でございます。
 このため、都は、優れた企画力を持つアニメ制作会社等を対象に、海外の見本市への出展を支援するなど、外国でのプロモーション活動を後押ししております。
 また、中小企業のアニメ作品の著作権等を保護するため、知的財産総合センターの窓口で専門家が相談対応を行うとともに、海外で著作権等を登録する場合の費用に支援をしております。
 今後とも、こうした支援により、コンテンツ産業の成長をサポートしてまいります。
 次に、イベント事業者への対応についてですが、都が二〇二〇年三月に策定した新型コロナウイルス感染症に関連した都民利用施設等の対応についての考え方では、イベント中止に当たって、施設運営事業者が主催者から既に受け取っている施設使用料を返還するか否かは、事業者の経営責任に基づいて自主的に判断することとなっております。
 現在、観客等が大声を出さないイベントでは、感染防止安全計画等を策定することで、施設の定員まで収容することが可能となっております。
 これらを踏まえ、東京ビッグサイトにおいては、イベントの開催を制限していないことから、既に受け取っている施設使用料については返還しない対応を取っていると聞いております。
 次に、MICE誘致についてですが、観光産業の活性化に向け、感染症の状況を踏まえながら、MICEの誘致を効果的に進めることが重要でございます。
 コロナ禍においても旅行先としての東京に注目が集まる中、東京は、専用のウェブサイトなどを通じたPRにより、MICE誘致の働きかけを行っております。
 また、オンラインによる国際会議の開催に対応できるよう、会場に設備を導入する場合に、その経費に助成を行っております。
 さらに、MICEにふさわしい施設の多いエリアで地元の事業者等と協力し、受入れ体制の整備を支援しております。
 これらによりまして、東京へのMICE誘致を進めてまいります。
 次に、中小企業等の賃金についてですが、賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において、労使間の協議により、自律的に定めるものでございます。
 都は、この考え方を踏まえ、労使間の協議の参考となるよう、都内中小企業の賃金や賞与、各種手当等に関する調査を行い、ベースアップの実施状況のほか、従業員規模別や男女別の平均賃金等を公表するなど、幅広くその情報を提供しております。
 次に、中小企業の取引価格の適正化についてですが、中小企業が経営の継続と発展を着実に進める上で、適正な価格で取引を行うことが必要でございます。
 このため、都は、中小企業振興公社に専門の組織を設置し、企業同士の取引に係る相談への対応や紛争の解決を図るほか、講習会の開催などを通じ、取引の適正化に向けた普及啓発の取組を実施しているところでございます。
 また、企業取引の実務に精通した相談員を下請企業に派遣し、値引き要請や不利益な契約への対応方法などについて、アドバイスを行っているところでございます。
 引き続き、中小企業の現場での実態を踏まえ、適正な取引が行われるよう支援を行ってまいります。
 次に、公共職業訓練についてですが、公共職業訓練は、地域における求職者の訓練ニーズとともに、企業における人材ニーズを的確に把握し、これらを踏まえ、実施することが重要でございます。
 このため、都は、国が設置する東京都地域訓練協議会において、経済団体や労働者団体、教育関係機関等と職業訓練の実施分野や規模などに関して意見交換を行い、それを踏まえ、毎年度、公共職業訓練の実施計画を策定しているところでございます。
 来年度も引き続き、この実施計画に基づき、IT等の成長が見込まれる分野などにおいて公共職業訓練を実施してまいります。
 最後に、雑居ビルの火災時の対応強化についてでございますが、雑居ビルを所有したり、そこに入居する中小企業が、火災対策を自らの力だけで行うことは難しい場合も多く、行政による適切な支援が必要でございます。
 このため、都は、中小企業が火災の初期対応を着実に実施できるよう、高性能な消火器を導入する場合に必要となる経費の一部への助成を開始いたします。
 こうした支援によりまして、中小企業による安全・安心の確保に向けた取組を後押ししてまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性への支援についてであります。
 都は、様々な困難を抱えました若年女性の自立を図るため、民間団体と連携し、相談やアウトリーチ支援、居場所の確保等を行っております。
 来年度は、相談員のスキルアップに向けた研修受講を促進するとともに、より安全・安心な居場所を確保するため、生活支援員を増員いたします。
 また、TOKYOチャレンジネットにおいて、コロナ禍で仕事と住まいを失った女性に対し、緊急的な一時宿泊場所を提供するなど支援しており、こうした取組により、困難を抱えた女性を支援してまいります。
 次に、生活保護の扶養照会についてであります。
 要保護者が、書面や口頭等の形式にかかわらず、扶養照会を拒否する意向を示した場合は、理由を確認した上で、照会を一旦保留し、扶養照会が必要となる際は、理解を得るように努める旨を、都は福祉事務所に通知しております。
 次に、扶養照会に関する書面の取扱いについてであります。
 扶養照会を拒否する意向が示された際は、都の通知等に基づき、福祉事務所において適切に対応されるべきものと認識しております。
 次に、ヤングケアラーへの支援についてであります。
 都は来年度、有識者や関係機関等で構成する検討委員会を設置し、ヤングケアラーを把握するポイント、都や区市町村、関係機関の役割や連携の在り方等を検討いたします。
 検討内容はマニュアルとして取りまとめ、区市町村の子供家庭支援センターや学校等に周知し、地域におけるヤングケアラーを支える取組を支援してまいります。
 次に、障害児のきょうだいを持つ子供への支援についてであります。
 都は来年度、ヤングケアラーが悩みを気軽に相談できる環境を整備するため、ピアサポートやオンラインサロンなどを行う民間団体を支援いたします。
 こうした取組を通じて、障害や病気のあるきょうだいのケアを行う子供を含めたヤングケアラーの状況を把握し、検討委員会で作成するマニュアルに反映してまいります。
 最後に、高校生等への医療費助成についてであります。
 都は、来年度予算案に区市町村のシステム改修等の準備経費を計上しております。
 具体的な制度内容については、年齢的に接続する義務教育就学児の医療費助成を参考にしながら、区市町村と意見交換して整理することとしており、今後、制度の考え方や内容等について、丁寧に議論を重ね調整してまいります。
 なお、乳幼児及び義務教育就学児に対する医療費助成は、実施主体である区市町村がそれぞれの議会における審議を経て、条例を定めて実施しているものであります。
   〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、独法化に関する職員への説明についてでございますが、これまで、都立、公社病院では、新法人の人事給与制度案を現場の職員が常に見られるようイントラネットに掲載をするとともに、理解が深まるよう、随時職員の質問に回答するほか、説明会や相談会を実施してまいりました。
 新法人設立を目指す本年七月が近づく中、職員からの質問も増加するなど、勤務条件に関する職員の関心も高まってきております。
 本年一月からは、多忙な職員向けに、制度のポイントを短時間で解説した音声付資料の公開や、全都立病院の希望者を対象としたオンラインでの個別相談会などを実施しております。
 より多くの職員が新法人の制度理解を深め、疑問や不安を解消し、働きやすさや働きがいを感じられるよう、一層丁寧な説明を行ってまいります。
 次に、独法化後の病院運営についてでありますが、都民に質の高い医療を提供していくためには、病院現場の職員が高い意欲を持ち続けられ、働きがいのある職場環境を実現することが重要でございます。
 このため、独法化後も、病院幹部が院内各部門に出向いて職員と定期的に意見交換を行うとともに、職員満足度調査を実施するなど、職員の意見や要望をきめ細かく把握し、迅速に勤務環境の改善につなげるなど、現場の声を病院運営に反映させてまいります。
 職員とのコミュニケーションをこれまで以上に積極的に取りながら、新たな都立病院として、職員にとって魅力ある病院づくりを行ってまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都有施設のRE一〇〇等についてでございますが、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、都自身が隗より始めよの意識の下、再生可能エネルギーの導入等の取組を一層強化していくことが重要でございます。
 このため、都は、二〇二四年における知事部局等の都有施設の再エネ電力利用割合五〇%を目指し、来年度も引き続き、とちょう電力プランの実施施設を拡大してまいります。
 さらに、都有施設における二〇二四年度までの太陽光発電の設置目標を、一万二千キロワットから二万キロワットへ大幅に引き上げ、再エネ導入を加速させてまいります。
 こうした都有施設における率先的な取組によって、都内での再エネ利用の拡大を牽引してまいります。
 次に、プラスチック製品の再資源化支援についてでございますが、限りある資源を持続可能な形で利用する社会の実現に向け、プラスチックの3Rを推進することは重要でございます。
 都はこれまで、リユース容器の活用やプラスチックの高度リサイクルなどに取り組む事業者を支援するとともに、昨年度からは、容器包装プラスチックの分別収集経費等について、区市町村を支援する事業を開始してございます。
 本年四月のプラスチック資源循環促進法の施行を踏まえ、来年度から本事業の補助対象に製品プラスチックも加えることとしてございます。
 あわせて、使い捨てプラスチックのリデユース等につながる革新的な技術の開発やビジネスモデル構築に取り組む事業者への支援を拡充してまいります。
 今後とも、自治体や事業者等、多様な主体との連携を強化し、ゼロエミッション東京の実現に取り組んでまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時十分休憩

   午後二時三十五分開議
○議長(三宅しげき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十七番やまだ加奈子さん
   〔六十七番やまだ加奈子君登壇〕

○六十七番(やまだ加奈子君) デジタルサービス局発足後、都政の様々な分野でDXの取組が進み、各局で数多くのデジタル技術やサービスの活用事例が生まれています。
 例えば、建設局が来年度本格的に導入予定のMy City Reportは、道路に関する都民からの投稿を受け付け、道路補修につなげていく、都民との協働した非常に魅力的な取組であります。
 こうした各局で実施している取組を他の局でも活用できるか検討し、可能なものは広く各局に導入していくことも、さらなる都政のDX推進に必要だと考えます。
 都政DXの推進役であるデジタルサービス局がその役割を担い、全庁的な視点でデジタル技術やサービス実装の横展開を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 コロナの影響により、人と人との触れ合いに重きを置いた対面サービスやイベントで地域のにぎわいをもたらしてきた商店街にも、デジタル技術の活用や買物スタイルの変化への柔軟な対応が必要となっています。
 商店街が生活に不可欠なものとして、地域の中核的な役割を担い発展をしていけるよう、将来を見据えた戦略と女性や若手リーダーの育成支援が大切です。
 そこで、社会の変化や多様化する消費者ニーズに対応した商店街づくりを支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
 厳しい経営環境が続く中、中小企業における安定的な経営を支えるためには、一つ一つの業務の効率化を図り、短い時間で多くの製品やサービスを確実に提供できる生産性の高い体制をつくっていくことが不可欠であります。
 企業にとって生産性向上への取組を担う人材を確保し継続的に育成していくことは極めて大切ですが、経営資源やノウハウが限られる中小企業にとって、現場改善を支える人材を自社で育成していくことは厳しいとの声も聞かれます。
 とりわけコロナ禍により一層人手不足が深刻化するサービス業でも、こうしたニーズが高まっています。
 そこで、中小企業の安定的な経営を支えるため、サービス業も含め、生産性向上に向けた人材育成を支援する取組が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 都は、都市づくりのグランドデザインにおいて、地域特性を踏まえた新たな地域区分を示し、東京全体で特色ある個性を生かしたまちづくりを進めていくとしています。
 環状七号線内側の中枢広域拠点域では、これまで品川や渋谷など大規模な拠点駅で、都市再生特別地区等も活用し、駅を中心に周辺開発と連携した駅まち一体開発の取組が進められています。
 一方、地域のポテンシャルや開発規模の差などから、特に城北地区ではなかなか取組が進んでいない現状もあります。
 私の地元、北区王子駅周辺でも、区が検討委員会を立ち上げ、区役所の移転や広場づくりなど、ウオーカブルなまちへの転換、駅前低地部から高台への避難経路確保など、まちづくりの検討を進めていますが、課題も多くあります。
 そこで、大規模な拠点はもとより、地域の拠点について、エリア的な課題も踏まえたまちづくりの取組を促進するため、都市開発諸制度など、様々な制度や仕組みを柔軟に活用し、駅まち一体開発を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 昨年の災害対策基本法改正により、高齢者や障害者が対象となる避難行動要支援者の災害時個別避難計画の作成が区市町村の努力義務とされました。
 これまで都は、区市町村に対し個別避難計画作成経費を補助してきましたが、国の努力義務化に伴い費用が地方交付税措置され、都の区市町村に対しての補助は対象外となっています。
 しかし、区市町村の計画作成の取組は、昨年度の調査で、対象者全員に作成した区市町村は僅か三自治体、一部作成は三十九自治体、未作成は十九自治体と遅れている現状です。
 災害時に高齢者や障害者の方が取り残されることなく安心して避難ができるよう、都として区市町村に対し財政支援を行い、遅れている取組を後押しすべきであります。
 そこで、都は区市町村に対し、個別避難計画作成の支援をどのように行うのか、見解を伺います。
 高齢者が生涯にわたって趣味の会や就労、ボランティアなど、社会に参加することは、健康な生活を後押しし、また豊かな知見を社会に還元する社会貢献の意味でも大きな意義があります。
 一方で、都の高齢期における地域活動等の意向調査や在宅高齢者の生活実態調査報告書によりますと、高齢期の地域活動等の参加希望は約八割に対し、現在の高齢者の社会参加は約五割にとどまっており、社会参加の意欲が実際の活動に結びついていないことが分かります。ウイズコロナ、ポストコロナでの新たな社会参加促進の支援が重要となります。
 そこで、高齢者の社会参加に向けて、地域にある老人クラブ、シルバー人材センター、ボランティア団体など、既存の団体を支援するとともに、さらに広域的な活動につながる新たな取組をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 新たな時代に対応した教育を展開していくため、学校現場におけるデジタル教育環境整備は急務であり、公私の区別なく進めていかなければなりません。
 昨年の第三回定例会でも、都議会自民党として強く求めてまいりました。
 そうした中、都立高校が来年度入学生から生徒一人一台端末が整備されることに合わせて、私立高校においても都立高校と同等の支援を行うとしたことは高く評価しています。
 しかし、実際には、教育方針がそれぞれ異なる私立高校に対して、都立高校と同等の支援でデジタル教育環境整備を進めていくには相応の工夫が必要になると考えます。
 そこで、支援の基本的な考え方について伺います。
 来年度の都立高校入試から中学校英語スピーキングテストの成績が反映される仕組みとなります。
 英語をツールとして使いこなす力を早い時期に習得し、英語学習を通じて世界に関心を広げていくことは教育効果も高いものと期待しています。
 一方で、全ての中学三年生を対象としており、視覚や聴覚、吃音など、様々な特別措置を必要とする生徒も多数いることから、合理的配慮を踏まえた制度設計が前提条件になると考えます。
 しかし、昨年十一月に実施されたプレテストの十四項目の受験上の特別措置に対し、当事者や保護者の方からは心配や不安の声が私たちの下にも届いています。
 全員が義務教育の一環で受けるテストであり、都立高校入試の合否にも関わる試験です。英検などの自らの意思で受験する外部試験以上に合理的配慮が求められます。
 そこで、教育庁の認識と今後に向けた取組について伺います。
 令和二年度の都内不登校児童生徒数は一万七千六百八十八名と、前年より千六百二十名増え、八年連続で増加の一途をたどっています。
 不登校支援においては、公的な支援施設である教育支援センターが役割を担います。ここでは、生活リズムの改善や学力の補充、また専門家による相談で必要な機関と連携するなど、社会的な自立を目指す寄り添った支援が行われており、重要であります。
 しかし、都内のセンター数は九十二施設、定員数は約三千五百名程度であり、圧倒的に不足しています。
 公的施設である教育支援センターの定数増や多様な体験のための民間活用、また効果的な活動の共有など、取組支援も重要であると考えます。
 そこで、不登校児童生徒への支援として、教育支援センターの充実に向けた都教育委員会の取組について伺います。
 プレコンセプションケアとは、男女を問わず、若い時期から自分の体について知り、将来の妊娠のための健康学習、管理を促す取組であります。
 特に、女性にとって妊娠に関係する体の状態を知ることは、納得し、幸せな生き方の選択肢が増える意味で重要な取組であります。
 具体的には、普及啓発、相談体制整備、検査支援という段階を取組として進めることが有効であります。
 昨年の第四回定例会でもプレコンセプションケアを取り上げてまいりました。
 都では妊娠しやすい体づくりに必要なことや妊娠の仕組みについてなど普及啓発を進めていますが、さらなる充実が必要だと考えます。
 そこで、相談支援の実施など、プレコンセプションケアの今後の取組について伺います。
 都は、待機児童対策として、六年間で認可保育園を千百三十五施設、定員数は八万三千三十人増やすことにより、待機児童数は平成二十九年の八千五百八十六名をピークに、今年度九百六十九名まで解消され、成果が表れています。引き続き、必要な方が利用できるよう、寄り添った対応を行うべきです。
 一方で、新たな課題として、保育園の定員割れの懸念が都内各地で顕在化しています。
 国は昨年、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会の中間の取りまとめを公表しました。その中では、保育園の在宅育児支援への活用強化や子育てのかかりつけ相談機関としての活用など、多様化する保育ニーズや新たな役割を担う施設として検討がされています。
 都としても、これまで待機児童対策でつくられた保育資源を活用し、保育施策の新たな展開が必要な時期に来ており、令和四年度予定されている子供・子育て支援総合計画中間見直しにおいて検討すべきと考えます。
 そこで、都として、社会の変化を踏まえ、新たな保育ニーズにも応えられるよう展開していく必要があると考えます。
 知事の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) やまだ加奈子議員の一般質問にお答えいたします。
 私からは、保育施策についてのお尋ねに対してのお答えでございます。
 私は、就任直後から待機児童の解消を都政の最重要課題の一つに位置づけ、都独自に様々な取組を講じ保育サービスを拡充してまいりました。その結果、昨年四月の待機児童数は千人を切ったところであります。
 また、空き定員を活用いたしまして、在宅子育て家庭の子供を受け入れる認可保育所等を支援しております。
 来年度から、認証保育所が多様な子育てニーズに対応するため、短時間勤務の保護者が利用しやすくなりますよう要件を見直すとともに、放課後の居場所対策として学齢児の受入れも可能といたします。
 保育施策を展開していく上で、テレワーク等の普及による働き方の変化や地域の子育てニーズの多様化を踏まえることも必要でありまして、区市町村と連携しながら認可保育所や認証保育所等の特性を生かしまして子育て家庭を支えてまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、スピーキングテストにおける合理的配慮についてでございますが、来年度の本実施に向け、全ての生徒が安心してテストを受けられるようにするためには、障害等に応じた合理的な配慮に基づく適切な措置を設定するとともに、生徒、保護者への確実な情報提供や教員の十分な理解が不可欠でございます。
 このことから、来年度は特別措置に関する情報を、リーフレットに加え、ウェブサイトを通じて提供するとともに、申請の受付期間を延長することにより、生徒、保護者が教員等と十分に相談しながら措置を申請できるようにいたします。また、採点の際には障害特性に応じた配慮を引き続き行ってまいります。
 今後とも、生徒の能力が適正に評価されるよう、生徒、保護者の意見を丁寧に聞き、適切に対応してまいります。
 次に、教育支援センターにおける取組についてでございますが、学校に通うことができない子供に、人との関わりや学ぶ機会を確保し、社会的自立に向けた支援を充実させるためには、教育支援センターの機能の強化が重要でございます。
 都教育委員会は、同センターでの子供の主体性を生かす体験活動や発達の特性に応じた学習活動の充実を図るために、安心できる居場所の確保やフリースクール等と連携した取組に係る経費の一部を補助しているところでございます。
 今後、子供一人一人の状況に応じた支援を一層推進するため、心理士等を活用した相談体制の強化など、区市町村の取組に対する支援を拡充するとともに、支援員等を対象とする連絡会を新たに設け、子供の意欲を引き出す力の向上を図ってまいります。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 駅まち一体開発の取組についてでございます。
 飯田橋や高田馬場、大井町など、複数の鉄道が乗り入れ都市機能が集積する地域の拠点駅周辺等では、その多くでいまだ慢性的な混雑を抱え、またバリアフリー動線やまちの顔となる空間の不足などの課題がございます。
 このため、駅周辺のまちづくりと連携し、都市開発に関する様々な制度等を効果的に運用し、地域の課題の解決を図る駅まち一体開発の取組が必要でございます。
 例えば、王子駅周辺では、新庁舎の整備や駅周辺の開発とも連携して、地域の回遊性や防災性を高める歩行者ネットワークの形成などに向けて、区の検討会に都も参画し、技術的助言を行うなど、積極的に支援を行っております。
 地元自治体とも連携し、民間の活力も生かしながら、駅まち一体開発を推進し、東京全体の魅力を高めてまいります。
   〔デジタルサービス局長寺崎久明君登壇〕

○デジタルサービス局長(寺崎久明君) デジタルサービスの横展開についてでございますが、都政のデジタル化に当たりましては、サービス向上につながる技術等を全庁横断的に活用していくことは重要でございます。
 デジタルサービス局では、今年度、都民からの相談等を受け付けるアプリ開発やローコードツールの活用など、二百件を超える各局案件を技術的に支援をしてまいりました。
 来年度は、これまでの支援を通じて蓄積してきた好事例を各局へ新たにプッシュ型で情報発信を行いますとともに、全局が参加するスマート東京推進会議の場などを活用して、各局に導入を促すことで、デジタルサービスの横展開につなげてまいります。
 こうした取組によりまして、全ての都民が利便性を実感できる行政サービスの質の向上に積極的に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、商店街の活性化についてですが、商店街が将来に向け発展できるよう、その活性化に係る計画的な取組を支援するとともに、新たな発想を持つ若手や女性の活躍を後押しすることは重要でございます。
 都はこれまで、商店街の再生に向けたプランづくりに対し、専門家を三年間派遣しサポートを行ってまいりました。また、商店街に若手や女性が出店し、商売を学ぶ機会を提供してきたところでございます。
 来年度は、商店街を活性化する取組について、専門家がプランの作成から実行までをアドバイスするほか、その実現に必要な経費に助成を行います。また、商店街の若手や女性が中心となり企画するイベントに対する新たな助成も開始し、担い手づくりに結びつけてまいります。
 こうした取組によりまして、商店街の振興を着実に進めてまいります。
 次に、中小企業の生産性を高める人材育成についてですが、長引くコロナ禍により中小企業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、生産性を高めるための中核となる人材を育成することは重要でございます。
 これまで都は、製造業を対象に、講義と現場実習を組み合わせたプログラムを行い、職場においてリーダーとして生産性向上に取り組む人材を育成してまいりました。
 来年度からは、新たにサービス業向けのコースも設け、各プログラムの修了後には会社に専門家を派遣し、フォローアップを行います。さらに、プログラムの修了者がお互いに交流して情報交換を行う機会を提供するとともに、各社の優れた取組を幅広く発信してまいります。
 こうした取組によりまして、中小企業の生産性向上の担い手の育成を進めてまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、個別避難計画の作成についてであります。
 今年度の災害対策基本法改正により、避難行動要支援者の個別避難計画の作成が区市町村の努力義務とされたことを受けまして、都は区市町村の取組状況を調査いたしております。
 取組が進んでいる区市町村では、計画作成に必要な情報を効率的に取得するシステムを導入しているほか、自主防災組織等を中心とした計画作成など、地域の実情に合わせた取組が行われております。
 区市町村の取組が一層進むよう、こうした好事例を紹介するとともに、来年度からは情報システムの整備や地域の関係者等による計画作成などにより、個別避難計画を効率的、効果的に作成する区市町村を包括補助で支援してまいります。
 次に、高齢者の社会参加についてであります。
 高齢期を生き生きと過ごすには、高齢者が意欲や関心等に応じて社会参加できる環境づくりが重要であり、都はこれまで、高齢者による文化、教養活動や老人クラブ等の多様な活動を区市町村等を通じて支援しております。
 来年度からは、就労、ボランティア、趣味活動などの社会参加に意欲のある高齢者等と地域の様々な活動等を結びつけるため、社会参加に関する情報提供や紹介等を行う相談窓口の設置や活動等の場となる地域資源の掘り起こしに取り組む区市町村への支援を開始いたします。
 あわせて、有識者や区市町村等からも意見を聞きながら、高齢者等の意欲や希望に応じた幅広い分野における社会参加のきっかけづくり、マッチングを広域的に支援するための施策を検討し、実施してまいります。
 最後に、プレコンセプションケアについてであります。
 若いときから妊娠、出産の正しい知識を身につけ、将来のライフプランを考えることは重要であります。
 このため、都は、妊娠に関する基礎知識や不妊治療に関する情報等を掲載した小冊子を作成、配布するほか、こうした情報を一元化し、ポータルサイトで幅広く発信しております。
 来年度は、妊娠を考える男女のプレコンセプションケアなどに関する相談支援の開始に向け、相談の実施方法等の在り方を検討するほか、区市町村においても妊娠適齢期や不妊症、不育症等に関する相談支援の取組が進むよう、支援を拡充することとしております。
   〔生活文化局長武市玲子君登壇〕

○生活文化局長(武市玲子君) 私立高校の一人一台端末の整備についてでございますが、学校現場におけるデジタル教育環境の充実は喫緊の課題であり、高校の一人一台端末につきましても、その整備を進めていく必要がございます。
 私立高校は、各学校の方針に基づき教育環境の充実を図っておりまして、端末の整備方法も、学校が端末を直接購入する場合や保護者の端末購入費用への負担軽減に取り組む場合など、様々でございます。
 このため、都内の私立高校が新たに入学する生徒を対象に一人一台端末の整備をする場合、整備方法にかかわらず都立と同等の支援ができますよう、学校ごとに経費の一部を補助いたします。
 今後とも、デジタル教育環境の充実に向けた都内の私立高校の取組を支援してまいります。

○議長(三宅しげき君) 四十九番田の上いくこさん
   〔四十九番田の上いくこ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○四十九番(田の上いくこ君) 保育園の休園が相次ぐ中、濃厚接触者の定義は変わらないものと認識しておりますが、集団保育で休園になる判断や濃厚接触者の範囲をどのように決めるのかが不明瞭です。
 集団保育では、陽性となった子供の名前が伏せられているため、陽性者に症状があったのか、自分の子供がどの程度接触していたのかが伝わりません。また、保健所との関わり方も分かりにくくなっています。
 保育園によっては、同じクラスにいた全員を濃厚接触者にしてしまう一方で、この子とこの子は長時間一緒に遊んでいた、この先生の授業を対面で受けていたなど、対象を限定して濃厚接触者とする場合もあります。
 休園になった際は、代替保育の事業もありますが、濃厚接触者である場合、第三者に保育を依頼することができません。つまり、小さい子供がいる家庭は、保護者が濃厚接触者でなくても欠勤を余儀なくされ、社会生活が止まってしまいます。
 厚生労働省は、今月十五日、保育所等における新型コロナウイルスの対応にかかるQ&Aを追記、修正し、休園する場合でも、できる限り休園の範囲と期間を限定できるよう、検討をお願いする等の文書を発出しました。
 濃厚接触を生じやすい集団の特性を踏まえ、保育所での対応は慎重にすべきという考え方も理解しますが、集団の保護者の社会活動が止まってしまわないよう、適切に濃厚接触者を把握することが重要と考えますが、見解を伺います。
 従業員に陽性者が出た、どうしたらよいか分からないという旨の相談を事業主の方からよくいただきます。BCP策定は、コロナ禍の中で必要な取組であり、このたびBCP策定における支援策を拡大するとのことで、リスク管理が促進されることを期待いたします。
 一方で、コロナ禍の中で、経済団体からDXについての課題意識をいただいております。IT導入をしている事業者の割合は多いものの、業務効率化や競争力強化など、生産性向上につながる取組への積極的な活用は進んでいません。
 IT導入の旗振り役となる人材不足、IT人材の確保、育成、従業員のITリテラシー、IT活用マインドの不足などが挙げられており、デジタル人材の確保のみならず、人材育成にも課題があるといわざるを得ません。
 一方、人材育成には教育コストがかかることや、伴走型の支援の難しさが掲げられています。
 こうした中小企業も含めてデジタルシフトを進めていくために、職場内人材育成にも力を入れていくべきと考えますが、中小企業におけるデジタル人材育成の支援策について伺います。
 長引く新型コロナの影響により、多くの企業の業績が悪化しています。東京のファッション産業においても、大規模店舗の営業時間の短縮や巣籠もり需要による消費者のニーズの変化などにより、依然厳しい経営環境に置かれており、私の地元のニット業の方々からも声を聞いております。
 こうした中でも、世界に通用する次代を担う優れたデザイナーなどを継続的に輩出し、ファッション産業の振興に力を入れることが大切です。海外では、デザイナーの作品制作過程を放映するとともに、優秀な作品に賞金を授与するテレビ番組があり、参考になります。
 特に、今後の活躍が期待される若手のデザイナーがほかのデザイナーと競いながら力をつけていく取組が重要と考えます。
 都は、コロナ禍で厳しい経営環境に置かれる東京のファッションやアパレル産業の発展に向けて、業界の未来を切り開くための戦略的な支援を実施すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 コロナ禍で顕在化した日本のDXの遅れをばねに、様々なデジタル化の取組が進んでいます。
 都においても、小池知事の強い決意の下、都政構造改革の一環として、五つのレスを推進してきました。特にキャッシュレスは、コロナ禍での接触機会を避ける有効な手段として普及し、紙幣や硬貨を触る機会がめっきり減ったという人も多いのではないかと考えます。
 こうした中、いまだ変わっていないのがまち中のパーキングチケット発給設備です。
 定められた駐車区間に駐車する際、料金を支払って車内にチケットを掲示。いまだに千円札と硬貨のみ対応しており、この現状を維持すれば都民サービスの低下にほかなりません。
 パーキングチケットのキャッシュレス化の対応も含め、DX、キャッシュレスの推進に向けた知事の見解を伺います。
 地域生活支援拠点整備に向けた障害者(児)ショートステイ受入体制支援事業が計上され、緊急時の受入れ先として確保されることが期待できます。
 昨年の一般質問で、重症心身障害児者の保護者がコロナに罹患した場合の対応について伺い、主治医がいる医療機関や介護者が入院した医療機関等への入院が主で、受入れが困難な場合には、保健所が相談支援事業所や区市町村などの関係機関と連携し、体調や必要なケア等を踏まえ、受入れ先の調整をするとのことでした。
 在宅で生活する重症心身障害児者にとって、緊急時はもちろんのこと、通常時からの通所先や短期入所施設、緊急入院できる病床の確保が大変重要ですが、整備状況はまだまだ十分とはいえません。また、それらの施設で医療や生活を支える看護師の確保や育成も大きな課題であると考えます。
 こうした課題に対し、都ではどのように対応していくのか伺います。
 都営地下鉄における介助用ベッド付トイレにおいては、以前より継続して要望していますが、このたび、都民提案の事業として公共トイレへの介助用大型ベッド設置促進事業が示されました。
 東京都障害者差別解消条例では、合理的配慮の提供について、行政機関のみならず事業者にも義務づけがされていますが、介助用ベッド付トイレの設置は進んでおらず、公共施設でもスポーツセンターや文化センターなどにない、民間施設ではホテル、映画館、劇場でも見つからないという声を聞いています。
 ベビーベッドはあっても大型ベッドはないという場合が多く、見つからないときにどうするかというと、多目的トイレの床にビニールシートを敷いてその上で替える、駐車場まで戻って車の中で替える、おむつが濡れていても我慢させるなどがトイレマガジンに掲載されていました。
 今後、こうした切実なニーズを満たすためにも、介助用ベッド付トイレの設置を積極的に促進すべきと考えます。
 そこで、本事業を契機に、新設や改修と併せて既存施設のトイレでも介助用ベッドの設置が進むようにするべきと考えますが、見解を伺います。
 トイレで介助するときに必ず必要なもののアンケートでは、介助用ベッドはもちろんのこと、荷物置場や大きなおむつを入れるごみ箱、カーテンなどの仕切り等がありました。なぜカーテンの仕切りなのかというと、排せつしているところを見られたくない、介助者と一緒にトイレに入るときにプライベート空間をつくるためだそうです。
 介助用ベッド付トイレをはじめ、今後のトイレの整備改修では、設備面含め、当事者の意見を聞きながら工夫をしていくことが肝要と考えます。
 あらゆる面で段差のない共生社会を実現するために、福祉のまちづくりでは、子供から高齢者、性別や障害の有無にかかわらず、様々な利用者の声を聞きながら進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 一昨年の一般質問でバリアフリー情報について質問をし、だれでも東京で様々な情報提供をしています。
 福祉保健局にも、視覚障害がある方や外国人にも分かりやすい、とうきょうユニバーサルデザインナビがあり、都内の施設や交通機関等に関するユニバーサルデザイン情報等を提供していますが、さらに都内各地域の情報が行き届くように工夫をすべきと考えます。
 今後、介助用ベッド付トイレ情報を取り入れて、積極的に発信していくべきと考えますが、見解を伺います。
 都立公園のトイレの洋式化については、東京二〇二〇大会に向けて、競技会場や動物園、文化財庭園など、主要公園二十二園、七十八か所において整備をしたものと認識をしています。
 現状、保育園等に園庭がないケースが多く、公園は保育園児たちの限られたお散歩時間の楽しみの場です。土日は、付き添っている保護者も含めて使用するトイレですが、和式トイレに慣れていない子供たちが洋式トイレに列をつくっており、保護者や保育園からも洋式トイレ化のご要望をいただいています。
 ユニバーサルデザインを進めるに当たり、今まで以上にスペースが必要であり、改修にコストがかかることも理解いたします。
 都立公園のトイレについて、優先順位をつけながらも、利用状況に応じた洋式化整備に取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。
 東部低地帯のおおよそ三百万人の命と暮らしを守るために、高潮防御施設整備事業や江東内部河川整備事業、スーパー堤防整備事業、耐震対策事業などが進められています。
 昨年末には、第二期の河川施設整備計画が策定され、堤防約五十七キロメートル、水門等九施設を対象に、津波等による浸水を防止するとともに、地震後に発生する高潮に備える耐震対策を行うこととしています。
 低地帯の区の地域防災計画においては、数日前から大規模水害が予知できる場合には、広域避難、緊急避難としては垂直避難などがあります。
 陸域の約七割がゼロメートルで、大規模災害時は五十万人以上が浸水すると想定される江戸川区では、高台のまちづくりを推進し、今後移転予定の区役所を含め、鉄道駅等から避難スペースに通路でつなげていく計画もあり、様々な避難ルートを模索しているところです。
 川に囲まれている自治体では、常に高い場所にどう逃げるか、川をどう越えるかなどを考えています。高い位置にある堤防上部を一つの避難ルートとして考え、整備をしていく必要があると考えます。
 江戸川区を流れる中川下流の堤防上部は、既に高台化してある臨海町、清新町まで橋梁に阻まれ通行することができません。
 そこで、現在通行不可となっている中川の堤防において、橋梁に阻まれることなく通行できるよう、階段やスロープなどを設置することにより避難ルートを確保するべきと考えますが、今後の具体的な取組について見解を伺います。
 都では、震災時に必要となる緊急輸送道路において、建物倒壊による道路閉塞を防止するため、昭和五十六年五月以前に建築された沿道の旧耐震基準の建築物に耐震助成を実施し、耐震改修を促進してきました。
 木造住宅は、平成十二年六月一日に施行された改正建築基準法により、地盤の許容応力度に応じた基礎の使用、耐力壁の配置などの仕様規定が定められましたが、一方、昭和五十六年六月一日から平成十二年五月三十一日までに建築された木造住宅は、詳細な仕様規定が明確でなく、耐震性能が十分に確保されているとはいい難い状況です。
 平成二十八年の熊本地震において、益城町中心部の悉皆調査では、平成十二年六月以降に建築された新耐震基準の木造住宅で倒壊、崩壊、大破した建物の割合は約六%であるのに対し、それ以前に建築された新耐震の住宅は約一八・四%でした。
 こうした状況を鑑み、私の地元である江戸川区では、旧耐震基準の木造住宅と同様に、平成十二年五月までに建築された新耐震の木造住宅の耐震化に取り組み始めました。
 災害からの倒壊を防ぐ耐震化を促進するために、平成十二年五月三十一日までに建築された新耐震基準の木造住宅も含めて積極的に啓発をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これまでにも一般質問などで、課題の多い地元の駅のエレベーターについて取り上げてきました。
 このたび、新たな経営計画における整備対象駅に都営新宿線瑞江駅を選定していただき、駅周辺の病院や障害者施設等の立地状況を調べていただいたとのことですが、瑞江駅は特に車椅子利用者が多くいます。
 この駅には、区が設置した自転車置場を経由するエレベーターしかないため、エレベーターには、自転車と歩行者、車椅子利用者等が一緒になって乗降し、大変危険です。また、一度に乗る人数が少なくなることから、混雑時にはしばらく待たなくてはなりません。さらに、区管理のエレベーターを都営線で活用するに当たり、不都合が生じた事例もあります。
 バリアフリールートの複数化に当たっては、これまでの利用者の課題解決に資するような環境整備を求めるものですが、見解を伺います。
 視覚障害者のガイドヘルパーをしていた経験から、四年ほど前より継続してエスカレーターの右側歩行について質問をしています。
 エスカレーターの右側を急ぐ歩行者がいるために、ガイドヘルパーが視覚障害者の隣に立つことができず前後一列となります。また、エスカレーターを降りる際に、ガイドヘルパーは利用者の前に出て誘導しなければなりませんが、右側歩行があるためにタイミングが合いません。
 エスカレーターは傾斜があり、蹴り上がりが高く、歩くと危険です。また、専門家からは、片側空けは輸送効率が下がるといわれています。
 エスカレーターの安全な利用のため、立ち止まって使用することを促進するために、例えば足型をつけるなど、表示が目に留まるよう一層の工夫が必要と考えますが、見解を伺います。
 これで私の一般質問を終了いたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 田の上いくこ議員の一般質問にお答えいたします。
 二点あります。
 まず、ファッションやアパレルの産業の振興についてであります。
 コロナ禍などの影響により、厳しい状況にあるファッションやアパレルの産業の発展に向け、未来を担う若手デザイナーの潜在能力を引き出し、世界で活躍できる人材に育て上げることは重要です。
 このため、都は来年度、新たに世界的なデザイナーを目指す学生を対象としたコンクールを実施いたします。審査員には著名なデザイナーを迎え、伝統的な着物の活用や障害のある方も楽しめるファッションなどをテーマとして、腕を競い合う場をつくり上げてまいります。
 優秀な評価を受けた学生には、デザインの商品化などを支援するほか、ファッションショーでの発表の機会を提供いたします。また、審査や制作の過程、ファッションショーの模様をドキュメンタリーの形式で広く発信をしてまいります。
 こうした取組に加えまして、コンクールでの受賞者がビジネス展開に向けた力も身につけ、若手デザイナーとして国内外で活躍できるよう後押しをし、東京のファッションやアパレルの産業の発展につなげてまいります。
 次に、キャッシュレス化の取組についてのご質問がございました。
 コロナ禍で急速に浸透したキャッシュレス決済ですが、今や日常生活では当たり前の風景となっております。しかし、残念ながら、行政の現場は大きく立ち遅れてまいりました。
 都政のあらゆる場面で強力に推進するため、都政の構造改革、シン・トセイにおきましては、五つのレスの一つにキャッシュレスを掲げ、都民が動物園などの施設を利用する際に、入り口から出口まで現金を用いずに過ごせる環境の実現に取り組んでいるところであります。
 今年度末までに七十八の都民利用施設の入場料等への対応を完了させるとともに、施設内の各種店舗への導入を進めてまいります。
 また、道路上のパーキングチケットにつきましても、来年度、全国に先駆けて、新たにキャッシュレス決済に向けた設備の開発に着手をいたします。
 加えて、許認可など、行政手続のデジタル化の推進に合わせて、関係する手数料のオンライン納付を実現いたします。
 こうした様々な実践を積み重ねることで、都政のQOSを飛躍的に高め、東京をデジタル先進都市へと進化させてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長からご答弁をいたします。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 木造住宅の耐震化に向けた啓発についてでございます。
 住宅の耐震化を促進するためには、所有者が自らの問題として認識し、備えることが不可欠でございまして、都は、区市町村と連携して啓発に取り組んでまいりました。
 平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅につきましては、所有者自らの安全点検を促すため、耐震キャンペーンやパンフレットの配布などを通じて啓発を行っております。
 加えて、区市町村が建築士などを派遣して、こうした安全点検を促す取組に対しまして、都は、平成三十年度から支援を開始し、今年度から支援の充実を図っております。
 今後、旧耐震基準の木造住宅の耐震化も含め、区市町村との連絡協議会を積極的に活用するなど、さらなる啓発に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、保育所における濃厚接触者の把握についてであります。
 保育所は、感染拡大期においても、社会機能の維持のために継続することが求められておりまして、日頃から感染対策を行うとともに、感染が確認された場合は、適切に濃厚接触者を特定することが重要でございます。
 このため、都は、保育所に対し、手洗い等の基本的な感染対策の徹底と併せて、少人数に分割した保育など、感染を広げないための対策を周知しているところでございます。
 また、保育所において感染が確認された場合に、濃厚接触者と思われる児童を適切に特定できるよう、濃厚接触者の定義を分かりやすくまとめたチェックリストを作成し、ホームページを通じて提供しているところでございます。
 こうした取組により、必要な方に対する保育が継続して実施されるよう支援してまいります。
 次に、重症心身障害児者施策についてでございます。
 都は、重症心身障害児者の在宅での生活を支えるため、日中活動の場である通所施設の整備費や運営費に対する都独自の補助を行ってまいりました。
 また、家族の病気などで一時的に家庭での療育が困難となった場合に対応できるよう、病院や入所施設等に短期入所病床を確保するほか、特に医療ニーズが高い超重症児者の受入れのため、高いスキルを有する看護師を配置する取組を進めております。
 看護人材の確保、育成については、民間の施設と連携をしまして、療育の魅力を発信する採用活動を実施するほか、採用後は、看護技術に応じた研修を体系的に実施しております。
 今後とも、重症心身障害児者とその家族が安心して生活できる環境の整備を図ってまいります。
 次に、公共トイレへの介助用ベッドの設置についてであります。
 都は、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルで、施設の新設、改修の際に、望ましい整備の一つとして、車椅子使用者用トイレの一か所以上に介助用ベッドを設置することとしておりまして、本マニュアルの内容を区市町村や事業者に周知しております。
 来年度からは、既存施設のトイレにも設置が進むよう、公共トイレへの介助用大型ベッド設置促進事業を開始するとともに、現在作成している施設管理者等向けのハンドブックに介助用ベッドを設置したトイレの好事例を掲載し、広く周知してまいります。
 こうした取組により、介助用ベッドのあるトイレの設置を促進してまいります。
 次に、利用者に配慮した福祉のまちづくりについてであります。
 ユニバーサルデザインのまちづくりを推進するためには、多様な利用者のニーズに配慮することが重要であります。
 都では、東京二〇二〇大会に向けて、高齢者や障害者等との意見交換を踏まえた施設のバリアフリー化改修を支援してまいりました。
 その成果を踏まえまして、来年度からは、区市町村が福祉のまちづくりを進めるために実施する施設のバリアフリー化への補助に当たりまして、新たに当事者の意見を聞くことを要件としてまいります。
 最後に、介助用ベッドの情報発信についてであります。
 介助用ベッドを必要とする方など、誰もが安心して外出できるようにするためには、必要な機能が整備されたトイレの情報提供が重要であります。
 都はこれまで、とうきょうユニバーサルデザインナビを通じて、トイレの設置場所や介助用ベッドの設備等の情報を発信しております。
 また、公共トイレに介助用大型ベッドを設置する区市町村への補助事業につきましては、補助率十分の十で実施し、設置場所等を情報発信することを補助条件とする予定であります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 中小企業のデジタル人材の育成についてでございますが、中小企業がDXを活用した生産性の向上を図るため、社内でその担い手となる人材を育成できるよう支援を行うことは重要でございます。
 このため、都は来年度、デジタル技術を習得するリスキリングを行う中小企業に対して、新たな支援を開始いたします。
 具体的には、中小企業に専門家を派遣し、社内でのデジタル教育の計画をつくり、それに基づき、DXの推進役となる従業員を訓練する取組を一体的にサポートする伴走型の支援を行います。
 また、そうした従業員が民間教育機関等でデジタル分野の講習を受けた場合、その経費に対して助成金を中小企業に支給いたします。
 これらの取組によりまして、中小企業におけるデジタル人材の育成の促進を図り、DXを加速化してまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立公園におけるトイレの洋式化についてでございますが、都立公園を訪れる全ての方が快適に利用できるトイレを整備することは重要でございます。
 都はこれまで、老朽化したトイレの改築を進めますとともに、東京二〇二〇大会の競技会場となる公園や文化財庭園など二十二公園において、トイレの洋式化や車椅子利用者に対応したトイレの設置などに取り組み、これにより、都立公園全体で現在、七割以上の洋式化が完了しております。
 来年度は、篠崎公園外四公園において、老朽化したトイレの改築やバリアフリー化に向けた改修等を行います。加えて、利用状況に応じた計画的な整備を検討してまいります。
 こうした取組により、誰もが快適に過ごせる公園づくりを進めてまいります。
 次に、中川堤防の避難ルートについてでございますが、東部低地帯における大規模水害時の避難に当たりましては、地盤の高い堤防を生かして避難ルートを確保することが重要でございます。
 都は、江戸川区新庁舎と中川の堤防をつなぐデッキ整備の予定も踏まえまして、堤防上部の通路を使って安全な地域へ避難できるよう、横断する橋梁などにより分断されている通路の連続化に向けて取り組んでまいります。
 具体的には、葛西橋や新川排水機場など四か所で、堤防上の通路と橋梁などをつなぐ階段やスロープ等の設置に向けまして、堤防の強度調査や関係機関との調整等を実施いたします。
 今後、区と連携して取組を進め、地域の安全性を高めてまいります。
   〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、新宿線瑞江駅のバリアフリールートの複数化についてでありますが、交通局では、お客様により快適に都営地下鉄をご利用いただけるよう、バリアフリールートの充実に取り組んでおりまして、今般策定いたします新たな経営計画では、瑞江駅を含む六駅でエレベーターを新設することとしております。
 瑞江駅につきましては、区が設置した駐輪場のエレベーターを駅でも利用しており、自転車の乗り入れがあることから、混雑する朝のラッシュ時間帯等に車椅子をご使用のお客様が乗りづらいなどの課題がございます。
 このため、現在とは別の場所に新たにエレベーターを増設し、混雑を解消することで、お客様の利便性向上を図ってまいります。
 今後、令和六年度の新設エレベーター供用開始に向けまして、整備を着実に進めてまいります。
 続きまして、都営地下鉄のエスカレーターの安全利用についてでありますが、エスカレーターにおきましては、転倒や接触などによる事故を防止するためには、お客様に歩かず立ち止まり、手すりにおつかまりいただくことが重要と考えております。
 都営地下鉄では、これまでもお客様にエスカレーターを安全にご利用いただけるよう、ポスター掲出や駅の構内放送、車内モニター等を通じて注意喚起を行ってまいりました。
 また、令和二年度から、乗り口の床に立ち止まっての利用を促すシールを順次貼り付けており、今後は、お客様により効果的に訴求できますよう、エスカレーターの利用中に目に留まりやすい場所にも表示を追加してまいります。
 引き続き、誰もが安全にエスカレーターをご利用いただけるよう、積極的なマナー啓発に努めてまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 六十番加藤雅之君
   〔六十番加藤雅之君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○六十番(加藤雅之君) 初めに、防災対策について質問します。
 東京では、人口や資産が集中するエリアを荒川などの大河川に加え、神田川や石神井川などの中小河川が流れており、古くからこれまで多くの水害に襲われてきました。
 その後、都の中小河川整備に加え、国の荒川放水路などの河川整備が進み、被害は大きく減ってまいりましたが、近年、全国各地で大規模な水害が発生し、甚大な被害をもたらしていることを考えると、首都東京を守るためにも、早急に河川の安全度を高める必要があります。
 そのためには、洪水を安全に流下させる河道整備を進めることが大切ですが、整備には多大な時間を要するため、早期に安全度を向上させることが可能な調節池の整備が効果的です。
 加えて、長期にわたりますが、調節池を広域的に連結する地下広域調節池を併せて拡大、延伸していくことがより大きな効果をもたらします。
 このため、都議会公明党は、都議選の公約の一つとして、豪雨に備える調節池の増設を掲げています。
 そこで、都民の命と財産を守るため、都は国と連携し、調節池の整備をより一層推進していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、都議会公明党は、静岡県熱海市の盛土崩落事故を受け、昨年第三回定例会の代表質問で、盛土による土砂災害の未然防止について質問し、都は盛土総点検を行い、危険な盛土の存在が判明した際には、各法令に基づき、速やかに対応策を検討する旨答弁しました。
 そこで、都における盛土総点検の結果と現在の対応状況について見解を求めます。
 次に、国は宅地造成等規制法を改正し、危険な盛土を全国一律の基準で包括的に規制し、安全性の確保、責任の所在の明確化、実効性ある罰則の措置を盛り込む準備を進めています。
 都議会公明党は、盛土による土砂災害の未然防止に向け、現行の法制度で十分対応できない事柄について検討を求め、都は、関係局から成る会議体を早期に設置し、検討していくことになりました。
 都は、国の法改正の動向を把握し、国へ積極的に提言し、さらに、都独自の対策を打ち出すべきであります。都の見解を求めます。
 次に、二〇二〇大会の3Rについて質問します。
 同大会では、使用済携帯電話などに含まれる希少金属を再利用して、メダルやトーチを製作しました。また、選手村ビレッジプラザでは、日本各地の木材を提供してもらうなど、環境に優しい取組に注目が集まりました。
 都議会公明党は、二〇一七年の第二回定例会代表質問で、大会を3Rの視点で推進すべきと訴え、また、オリンピック・パラリンピックの特別委員会では、選手村宿泊棟で利用した給湯器などを都営住宅の建て替え時や修繕の際に活用すべきと提案しました。
 そこで、ビレッジプラザの木材や宿泊棟の給湯器などの再利用の取組について、都の見解を求めます。
 次に、ZEV、ゼロエミッションビークルの推進について質問します。
 トヨタ自動車の電気自動車への本格参入により、国内においても、ZEVの導入が加速すると思われます。それには、充電設備の普及が欠かせません。都も、新年度予算案で充電設備導入を後押しするため、区市町村や民間に設置する予算を大幅に拡充しており、評価いたします。
 今後は、設置可能な場所で補助金が確実に使えるよう、制度的にきめ細かく対応しておくことが必要です。
 これまで都は、国の補助制度に準拠して、建物併設の駐車場と集合住宅のみを対象としておりましたが、コインパーキングや戸建て住宅は対象外となっています。
 また、道路上に充電設備が設置できれば、その普及に大いにつながると考えます。交通の安全性確保は大前提として、海外では一般的であり、国内でも、横浜市が公道における充電設備の実証実験を開始しました。
 そこで、EVの普及を飛躍的に拡大していくには、充電設備の設置可能なスペースをこれまで以上に活用し、その導入を加速させていくべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、私が力を入れて導入を進めてきた広告付上屋の整備について質問します。
 今ではおなじみとなった広告つきのバス停ですが、昨年末時点で都内に官民合わせて約六百八十六棟設置されています。交通局所管では三百七棟であり、このうち、官民連携方式であるパブリック・プライベート・パートナーシップ、いわゆるPPPで設置されたものが百七十一棟となりました。
 このPPPでは、交通局が予算を支出することなく民間が上屋を設置するため、コロナ禍の自動車事業の赤字経営においては貴重な取組です。また、ランニングコストである道路占用料などは一般会計として収益となります。
 都民から寄せられる上屋整備の要望はいまだに多く、今後も歩道幅員や地中埋設物などの設置課題を乗り越えながら、整備を加速していかなければなりません。
 そのためには、かねてから申し上げてきた設置場所に応じた小型のタイプも新たに認め、整備を進めるべきと考えます。
 そこで、PPPを導入したことで、これまで交通局の整備費用がどれぐらい軽減されたのか、また、小型の広告付上屋導入に向けた今後の取組について、併せて見解を求めます。
 次に、上屋の設置数を拡大するに当たっては、設置に伴う手続コストを省いていくことも必要です。二年前の予算特別委員会でも指摘しましたが、屋外広告物許可申請に係る電子申請の導入と、許可申請頻度の面では、他都市と比べると遅れているとして、簡略化を求めました。
 具体的には、広告の表示内容を二週間ごとに変更する際、都では、その都度、許可申請と手数料が必要ですが、横浜、名古屋、大阪、福岡と他の大都市では不要であり、一年から三年に一度の申請だけで済んでいます。
 シン・トセイ2における都政の構造改革では、課題を見いだし、制度や仕組みに切り込むとしております。
 そこで、屋外広告物許可申請簡略化の進捗状況と今後の取組について、都の見解を求めます。
 次に、都営住宅の自治会は、共用部分の管理や住民同士のコミュニティ活動を行っており、防災や防犯活動においても地域の中核を担っています。
 しかし、少子高齢化の中で、居住者の高齢化や世帯の単身化が進み、自治会の担い手不足や自治会活動への参加者減少など、地域としてのつながりが希薄になり、コミュニティ活動が停滞してきているとの声を聞いています。
 こうした地域コミュニティの活力低下に対応するため、全国各地では、公共賃貸住宅の空き住戸を大学と連携して、学生向けに活用する取組も行われています。
 都の公社でも、大学と協定を結び、公社住宅に学生が入居し、自治会と学生が協力してコミュニティ活動に取り組んでいます。
 私の地元墨田区にも、都営住宅の周辺に念願の大学が誘致され、大学からも自治会支援に前向きな声をいただいております。
 そこで、都営住宅においても、こうした取組を導入し、活力低下に悩んでいる団地自治会や地域のコミュニティ支援を行っていくべきと考えますが、具体的な取組について見解を求めます。
 次に、地場産業支援について質問します。
 墨田区は、印刷、金属、プラスチック、ゴム、機械、繊維、皮革など、昔からものづくりのまちとして発展してきました。中でも、皮革はリサイクルに優れた貴重な産業であり、東京の出荷額は全国の約二割を占め、兵庫県と並んで一、二位を争い、事業者の大半が墨田区に立地しています。
 都は、この皮革事業者の支援と東京の産業発展のため、皮革技術センターを設置して、製品試験や新商品開発の支援を行ってきたことは評価いたします。
 一方で、TPPやFTAの貿易自由化により、人件費の安いアジア諸国には低価格に圧倒され、高級品はヨーロッパのブランドに占有され、海外と競争していくには、よりサステーナブルな付加価値の高い製品とすることが求められています。
 このため、多くの事業者から、都有地活用での集積で効率化を高めるとともに、環境認証を取得するための設備投資などによって競争力を高めたいとの要望が寄せられています。
 そこで、都は、東京の貴重な地場産業を守り発展させるため、区市町村による地域特性を踏まえた取組を後押しするとともに、都としても、中小企業の競争力を高める取組への支援を充実していくべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、拡幅事業中の補助一二〇号線と交差する東武伊勢崎線鐘ケ淵駅の立体化について質問します。
 補助一二〇号線は、木密地域が広がる墨田区の北部エリアにおいて、広域避難場所である白鬚東地区につながる、避難のために重要な道路です。用地取得については、一期区間は完了し、特定整備路線となった二期区間も順調に進んでおります。
 都では、この更地化された事業用地を活用し、整備後の道路をイメージしやすいように仮歩道としていますが、踏切部は、開かずの踏切が開いた瞬間に、人と車がひしめき合う状況が相変わらず続いており、接触の危険が解消されていません。早期に踏切部の安全対策を講じることが重要です。
 区としても、高齢者等の安全対策が必要なことから、都と綿密な連携を図り、踏切部の早期改善に努めたいとして、都へ対応を求めるとしております。
 そこで、道路の本整備に先立ち、仮歩道を整備するなど、早期に踏切周辺の安全対策を行うべきと考えます。見解を求めます。
 また、踏切の立体化を進めるに当たっては、都は区に対して、まちづくりの具現化を求め続けてきました。これについて、墨田区長は、昨年末行われた区議会の公明党議員の質問に答える形で、鐘ヶ淵周辺地区まちづくり計画の改定も視野に入れて、将来的なまちのイメージを描いていく必要があると考え、具体的な方向性を示していきたいと答弁しました。
 そこで、区の描くまちづくり計画の改定を見据え、鉄道の早期立体化に向けた取組を進めるべきと考えます。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 加藤雅之議員の一般質問にお答えいたします。
 調節池整備の推進についてのお尋ねがございました。
 近年、全国各地で甚大な豪雨災害が発生しております。こうした水害が東京で発生した場合、人的な被害はもとより、首都東京としての機能が麻痺するおそれがあり、その影響は計り知れません。
 そのためにも、平常時から、備えよ常にの精神で準備しておくことが重要であります。
 このため、都は、風水害への備えとして、最先端で調節池の整備を加速してまいります。令和四年度には、目黒川流域の新たな調節池の事業に着手し、将来の地下河川化も見据えつつ、環状七号線地下広域調節池と連結させまして、国内最大の地下調節池として整備をしてまいります。
 また、国に対しましては、今年度工事に着手した荒川第二、第三調節池の着実な整備を求めてまいります。
 引き続き、国と連携して、河川施設の整備を推進いたしまして、強靱な都市東京を形成してまいります。
 その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、盛土対策についてでございます。
 都は、熱海市における土石流災害を受け、法令のはざまとなっております課題への対応の在り方などについて検討するため、昨年十二月に、都市整備局、政策企画局、環境局、産業労働局、建設局、さらには港湾局をオブザーバーとした関係六局で、盛土のあり方検討会議を設置し、各局における現行法令の運用上の課題などを共有化するとともに、国の動きの把握などに努めてまいりました。
 国は、関係府省連絡会議の申合せを踏まえ、危険な盛土造成等を規制するための全国一律の新たな法制度の創設に向け、今期通常国会に法案を提出する予定でございます。
 都といたしましては、国の動向を見ながら、必要に応じ、適切に対応してまいります。
 次に、屋外広告物許可申請の簡略化についてでございます。
 バス停上屋広告を含め、屋外広告物の許可申請手続は、許可権者である都と区市町が書面により行っておりますが、都政の構造改革の一環として、現在、デジタル化に向け、調査検討を進めております。
 令和五年度からの運用開始を目指し、来年度はシステム開発に着手するとともに、事務の統一性の確保や効率性の向上などの観点から、区市町に対し、システムの共同化を促してまいります。
 バス停上屋広告につきましては、多くの屋外広告物とは異なる二週間ごとに広告内容を変更したいというニーズを踏まえ、事務の簡略化につきまして、許可権者である区市町と協議を行ってまいります。
 次に、補助第一二〇号線の踏切安全対策についてでございます。
 補助第一二〇号線鐘ヶ淵区間につきましては、現況幅員約八メートルから約二十メートルに拡幅する事業を進めております。
 一方で、交差する東武伊勢崎線の踏切の前後で、放射状に複数の区道が接続し、自動車車両と歩行者が複雑に交錯することから、早期の安全対策が求められております。
 そこで、鉄道事業者をはじめとする関係機関と協議を進めながら、斜めに交差する区道を踏切前後におきまして、補助第一二〇号線と直角になるように付け替えます。
 さらに、踏切近傍の用地取得済みで更地化されている箇所を活用いたしまして、人だまり空間を確保しながら、踏切内の歩行者通路を車道と分離させます。
 引き続き、踏切の安全対策に取り組んでまいります。
 最後に、東武伊勢崎線鐘ヶ淵付近についてでございます。
 鉄道立体化は、交通渋滞や踏切事故の解消とともに、鉄道により分断された市街地の一体性を高めることから、地域のまちづくりと併せて進めていく必要がございます。
 地元墨田区では、これまでに、まちづくりの基本的な計画を策定するとともに、その具体化に向けて取組が進められております。
 また、都が整備を進めております補助第一二〇号線に加え、鉄道と交差する区道につきましても、整備に向けた手続などが進められてきております。
 こうしたまちづくりの進捗状況や交差する道路整備の具体化などを踏まえ、都といたしましては、鉄道立体化に向け、地元区や鉄道事業者と調整を進めてまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 盛土総点検の結果とその対応についてでございますが、盛土に起因する土砂災害を防止するためには、その状況を把握し、必要な対策を実施することが重要でございます。
 都は、土地利用の規制等に関する法律や条例を所管する四局が連携し、盛土による災害防止に向けた総点検を実施しておりまして、昨年末には点検結果の暫定的な取りまとめを行いました。
 点検対象とした約千六百か所のうち、約千五百か所で点検が完了し、そのうち十六か所については、許可、届出等の内容と現地の状況が一致していないなど、是正措置が必要であることが判明いたしました。これらの箇所につきましては、現在、各法律や条例に基づき、事業者に対して是正指示等の適切な対応を行っているところでございます。
 引き続き、残る箇所の点検を早期に完了させるなど、盛土の安全性確保に向け、取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長延與桂君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(延與桂君) 選手村における3Rの取組についてでございます。
 持続可能性に配慮した大会といたしまして、大会時に使用した設備等の3Rを推進することは重要であり、選手村については、その整備前から設備等を大会後も有効利用できるよう、庁内各局等と様々な検討を行ってまいりました。
 ビレッジプラザについては、全国六十三自治体から無償で借り受けた約四万本の木材を大会後に各自治体へと返却し、それぞれの公共施設などにおいて、レガシーとして引き継がれる予定でございます。都が提供した木材についても、地元区の小中学校等において活用いたします。
 また、宿泊棟の給湯器については、都営住宅の計画的な修繕において、約三百台を活用するとともに、大会後の賃貸住宅でも再使用することとしており、こうした取組をはじめとして、選手村における3Rを推進してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 充電設備の導入拡大についてでございますが、都はこれまで、自動車ディーラーや商業施設、マンション等に対し、施設管理者が原則負担なく充電設備を設置できるよう、導入に当たっての支援を実施し、普及を進めてまいりました。
 来年度からは、これまで補助対象外としていた既存の戸建て住宅や建物併設ではないコインパーキング等の駐車場も新たに補助対象とし、普及を拡大してまいります。
 さらに、道路上の設置につきましても、関係機関と連携しながら、課題の整理等、検討を進めてまいります。
 これらの取組を通じまして、充電設備の設置可能なスペースをこれまで以上に活用しながら、その導入を加速し、EVの普及を飛躍的に拡大してまいります。
   〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) バス停留所の広告付上屋に関するご質問にお答えいたします。
 交通局では、お客様の利便性、快適性の向上に向け、広告付上屋を自ら設置するほか、官民連携方式により事業協力者の負担で設置しております。この方式で整備しました百七十一棟につきまして、局自ら設置した場合の整備費用で試算いたしますと、約十億円に相当いたします。
 こうした上屋の設置には一定のスペースが必要であり、さらなる整備拡大には、狭い場所にも対応できる小型上屋の導入が効果的であると考えております。広告付上屋の仕様につきましては、都内のバス事業者から成る協議会がガイドラインで詳細な規格を定めており、小型上屋がガイドラインに追加承認されますよう、現在、関係局等と調整しているところでございます。
 来年度には、小型上屋を試行的に設置いたしまして、その効果や課題を整理するなど、引き続き導入に向けて取り組んでまいります。
   〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅におけるコミュニティ支援についてでございますが、居住者の高齢化、世帯の単身化が進む中で、団地自治会の活動や地域の活性化を図ることは重要でございます。
 今般、東京都住宅政策審議会から、大学と連携した地域コミュニティへの支援について提言がございました。
 都は、この提言も踏まえまして、都と大学で協定を結び、空き住戸の目的外使用により、団地や地域の活力あるコミュニティの形成に資するよう取組を進めてまいります。
 具体的には、大学の近隣の都営住宅に入居した学生が団地の自治会が行う防災訓練や地域住民との交流等に協力するなど、その活動を支援する仕組みを整えます。
 来年度からこうした取組を開始できるよう、まずは地域への貢献に関心のある大学などと協定締結に向けた協議を進めてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 地域産業への支援についてでございますが、東京の経済を支える地域の様々な産業の発展に向け、地元の実情に詳しい区市町村の取組を適切に支援することは重要でございます。
 このため、都は、区市町村が地域の特性等を踏まえて作成する産業振興の計画を実行する場合に必要となる経費について、最長三年間にわたる支援を行っているところでございます。
 また、地域で事業を展開する中小企業の競争力を高める取組を個別に支援していくことも必要でございます。
 このため、来年度は、中小企業が競争力の強化に向け、生産性の向上や新たな事業展開のため設備を導入する経費への支援の規模を大幅に拡充いたします。
 こうした取組によりまして、地域産業を支える中小企業の事業活動を適切にサポートしてまいります。

○議長(三宅しげき君) 三十三番アオヤギ有希子さん
   〔三十三番アオヤギ有希子君登壇〕

○三十三番(アオヤギ有希子君) 小児、周産期医療について伺います。
 二〇一〇年に八王子、清瀬、梅ケ丘の三つの都立小児病院が府中市の都立小児総合医療センターに統廃合され、八王子市から新生児集中治療室、NICUがなくなりました。
 当時から現在に至るまで、NICUと小児救急医療の充実を求める多くの声が寄せられ、私は市議会で取り上げてきました。
 八王子小児病院に通院していた障害児の多くが今も府中に通っており、府中に引っ越した方もいます。八王子市内から小児総合医療センターのNICUへの入院実績は、地元の府中市に次いで二位という状況です。多くの八王子市民からNICUの復活を願う声が寄せられています。
 知事、この実態をどう受け止めますか。
 新型コロナウイルスのパンデミックの中、小児総合医療センターの果たしている役割と今の医療の逼迫を考えると、私は、都立小児病院は統廃合すべきではなかったと強く思います。
 八王子小児病院をなくす際に、都は、NICUを含む三次医療は、都がその責任の下で体制整備していく必要があるといいました。責任の下でということは、今も変わらないですか。
 東京医科大学八王子医療センターでは、多いときには月二、三回、患者を小児総合医療センターなどのNICUのある病院に転送するとのことです。
 センターの医師は、救急車の中は子供にとって決してよい環境ではないので、搬送時間は短い方が望ましいと述べています。
 八王子市内にNICUを設置すべきですが、いかがですか。
 八王子小児病院を廃止するとき、我が党の質問に、都は、将来的に市内の二つの中核病院、すなわち東海大八王子病院や東京医大八王子医療センターがNICUを整備する際には、八王子市と都は必要な支援を行うと答弁しましたが、支援とは具体的にどういうことですか。
 八王子市とこの二つの中核病院は、この間、協議を始めています。都は、協議に加わるべきですが、いかがですか。
 統廃合時、この二つの中核病院には、都立病院から小児科医が毎年一人派遣されていましたが、現状について伺います。
 八王子市は、市長会を通じ、都にNICU設置への人的、財政的支援を求めてきました。NICUを設置するには、専門の医師の確保が必要です。今後、NICUを開設できるよう派遣の充実を求めるものです。
 八王子小児病院がなくなり、保護者の皆さんは大変な不安を抱えるようになっています。
 市内に住むあるお子さんは、一歳四か月のときに四十度の発熱で地域の小児科を受診しましたが、診療所を出た後、意識を失い、心肺停止し、救急隊員がAEDで蘇生し、近くの大学病院へ搬送されました。
 しかし、そこでは小児の専門的な治療ができず、数時間待った後、小児総合医療センターから来たドクターカーで搬送されました。一命は取り留めたものの、約四か月間の昏睡状態から目が覚めたときには重度の障害が残り、医療的ケアが必要になりました。
 都立八王子小児病院があったなら、今でも緊急時には行くまでに一時間、行ってからも病院で待たされているとお母さんは小児救急の拡充を求めています。
 八王子の小児救急拡充のために、都は支援を充実すべきですが、いかがですか。
 小児総合医療センターの充実も求められています。
 八王子小児病院では、障害児は大人になっても診てくれていました。小児総合医療センター内の四つの科を受診しているお子さんは、大人の年齢になったら、隣の都立多摩総合医療センターにカルテは引き継がない、地元の医師を見つけるようにといわれています。一方、急に症状が変わったときに受け入れてもらえるところは小児総合だけです。
 また、ダウン症のお子さんは、早く生活習慣病になったり、眼科の手術には全身麻酔が必要など、障害の特性を踏まえた、より専門性の高い医療機関が必要です。
 障害児を持つ保護者から、継続して診てほしいとの声が、この間ずっと上がっています。
 特別な配慮が必要な障害児の治療は、小児総合医療センターで継続することを求めますが、いかがですか。
 転院する場合でも、総合的に治療を受けられる病院を確保し、当事者が安心して暮らしていけるよう体制づくりをお願いします。
 小児総合医療センター内にはユニバーサルシート付トイレが一階にしかなく不便だと、肢体不自由児の保護者の皆さんから声が上がっています。また、ストレッチャーのまま入れるお風呂も少なく、入院時に入浴が少なくなるということです。
 多くの肢体不自由児が通う施設です。トイレとお風呂の改善を求めますが、いかがですか。
 入院時の教育の保障も重要です。
 小児総合医療センター内には、武蔵台特別支援学校の府中分教室があります。私が視察した際には、子供たちが病室からランドセルを背負って通ってきて、病気を感じさせないほど楽しそうに学んでいました。闘病する子供たちに寄り添い、励まし、教育を保障するかけがえのない場所になっていることを実感しました。
 入院して病気に立ち向かっている子供たちの学びの場の大切さについて、お考えを伺います。
 府中分教室には高等部がありません。高等部では授業の単位を取って、退院後に戻る高校に引き継ぐこともできますし、同じ病気の仲間に出会い、親や地元の友だちには打ち明けられない不安や悩みを共有し、治療に向き合うことができる場所でもあります。
 国立がんセンターにある、いるか分教室の高等部で学んだある青年はこう振り返っています。
 骨肉腫と診断されたときは、なぜ自分がと混乱し、死の恐怖で体が震えた、いるか分教室があることで笑うことができ、人間らしさを取り戻すことができた、同じ病気で苦しむ仲間にも出会えた、話を聞いてくれる先生に何度も救われた、このような場所がもっと増えてほしい。
 彼は二十四歳の若さで亡くなりましたが、いるか分教室は、患者ではなく一人の高校生でいられる場所だと言葉を残しています。
 学びが生きるエネルギーになる、それが病院内の分教室です。
 分教室に小中学部だけでなく、高等部があることは大きな意義があると思いますが、いかがですか。
 小児総合医療センターの初診は十五歳までですが、小児がんの拠点病院でもあり、高校生の年齢の方も入院しています。病院の医師からも高等部を求める声があると聞いています。
 病院内の分教室は、教育委員会と病院、どちらかだけの意向ではつくれません。同じ都立の病院と学校同士、府中分教室に高等部をつくるために、まずは協議をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
 残土問題について伺います。
 八王子市北西部には豊かな里山が残っていましたが、昭和の時代に開発された採石場や、貴重な動植物がいる天合峰を切り崩して開発している川口土地区画整理事業など、里山の美しい風景が壊されています。残った貴重な自然をどう保全していくのかが問われています。
 知事は、今の里山が壊されている現状をどのように認識していますか。
 建設現場の残土の持込みが、貴重な自然をさらに脅かしています。
 八王子市には、都の自然保護条例に基づく審議の対象となる大規模な土地の改変の届出が複数あります。
 一つは八王子スポーツパーク建設事業で、八王子市北西部の豊かな自然が残る谷戸地域に、五十五万立方メートルという、先日大きな犠牲を出した熱海の事故現場の十倍の残土を持ち込み、その上にサッカー場やスポーツ施設を造る計画です。
 地域住民が反対の声を上げ、調査もし、ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に見られる都内でも数少ない貴重な場所であることが分かっています。
 都の自然環境保全審議会の規制部会でも、維持管理費がちゃんと確保できるのか、緑地の管理についてちゃんと説明できるのかなどと指摘され、届出から十年たっても動かせない、過去に例のないケースとなっています。
 規制部会ではどのような意見が出ていますか。
 残土によって壊されるのは自然だけではありません。昨年七月、熱海市で違法に持ち込まれた残土が崩れ、多くの人命を奪いました。届出よりもはるかに大量の残土が持ち込まれていましたが、県や熱海市の規制はありませんでした。
 都はこの間、国から示された盛土による災害防止に向けた総点検で、都内千六百二十四か所を調査し、十二月時点で千四百七十八か所が終わり、十六か所で是正措置が必要であると発表しました。ほとんどが多摩地域ということですが、具体的な場所は公表されていません。住民から不安の声が上がっています。
 同じ調査結果について、例えば三重県は、是正措置が必要な箇所の自治体名と事案の詳細を公表しています。
 都も、是正措置が必要な箇所を住民に公表し、直ちに安全を確保すべきではありませんか。
 都の自然保護条例における残土関連事業の届出のうち、未完了となっている事業が都内で十四か所あり、そのうち八か所が八王子市内です。
 この箇所は総点検に入っているのでしょうか。また、是正措置が必要な箇所はあったのですか。
 二〇一七年、八王子市の戸沢峠の残土置場が台風で崩れ、一万立方メートルの土砂が都道を塞ぎ、五十七日間にわたって通行止めになるという大変な事件が発生しました。残土事業者には資金力がなく、都の費用で改修せざるを得ませんでした。
 都は、この教訓から、自然保護条例施行規則を改正し、申請者の資金力をチェックすることになりました。大変重要です。
 同時に、大量の残土持込みを直接規制し、残土を発生させる側の責任も明確化する規制条例が必要です。
 既に条例を持っている他県との連携を強化するためにも、国の法制化待ちにならずに、都独自の残土規制条例を制定すべきです。お考えを伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) アオヤギ有希子議員の一般質問にお答えいたします。
 NICUの整備についてのご質問です。
 都民が安心して子供を産み育てられるよう、都は、周産期医療体制の充実を図っております。
 NICUは、新生児科の医師の常駐、生命維持装置等の施設整備が必要であり、医療資源の集約化を図って、高度な医療を集中的に提供する体制を構築することが最も効果的です。
 今後とも、限られた医療資源を最大限活用し、周産期医療体制の充実強化に努めてまいります。
 次に、東京の貴重な自然の保全についてのご質問がございました。
 東京には、生物多様性の拠点となっている丘陵地や里山などの貴重な自然地が残されております。
 都は、こうした自然地を将来にわたり残していくため、これまでも、自然保護条例に基づいて、保全地域として指定する取組を進めてまいりました。
 また、自然の保護と開発との両立を図るため、自然保護条例に基づく開発許可制度により、一定規模以上の開発行為に対しまして、あらかじめ許可を受けることを求めてまいりました。
 今後とも、これら緑を守る取組を着実に推進することで、東京に残された貴重な自然を保全してまいります。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、入院する子供たちの学びについてでございますが、都教育委員会では、病気等で入院している子供たちの状況を十分に踏まえまして、病気に向き合う気持ちを育てながら、子供の学ぶ意欲に応え、学習の遅れを防ぐとともに、退院後の学びに円滑につなげられるよう、病院内での教育を実施しております。
 次に、病院内教育の意義についてでございますが、都教育委員会では、子供たちが入院して治療を受けながら継続的に学ぶことができるよう、病院内での教育を実施しております。
 このため、都立特別支援学校において、入院中の小学生から高校生までを対象に、個々の体調や治療の状況を踏まえ、子供が病院内で通う分教室の設置や教員によるベッドサイドでの授業を行っているところでございます。
 最後に、都立武蔵台学園府中分教室についてでございますが、府中分教室では、小学部、中学部に在籍する児童生徒に授業を行うとともに、高校段階の生徒につきましては、特別支援学校の教員が病院を訪問しベッドサイドでの授業を行い、学習機会の確保を図っているところでございます。
 今後とも、都教育委員会では、都立小児総合医療センターと連携しながら、分教室の運営や訪問による教育を適切に行ってまいります。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 災害防止の観点からの残土規制についてでございます。
 国は、熱海市における土石流災害を受け、関係府省連絡会議の申合せを踏まえ、危険な盛土造成等を規制するための全国一律の新たな法制度の創設に向け、今期通常国会に法案を提出する予定でございます。
 都といたしましては、国の動向を見ながら、必要に応じ適切に対応してまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、周産期医療体制についてであります。
 都はこれまでも、都内全域を三次保健医療圏としてNICUの整備を進めるとともに、緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を救命救急センターと連携して必ず受け入れるスーパー総合周産期センターを、都内六か所に整備しております。
 また、受入れ困難な事例について、都全域で迅速な搬送調整を行うため、東京消防庁に周産期搬送コーディネーターを二十四時間三百六十五日で配置しております。
 次に、NICUの設置についてであります。
 多摩地域においては、都立多摩総合医療センター、小児総合医療センターと杏林大学医学部付属病院がNICUを備えるスーパー総合周産期センターとして妊婦を受け入れる体制を整備するとともに、多摩全域を対象に搬送調整をしております。
 また、これらの病院が中核となり、多摩全域を一つのブロックとして周産期医療ネットワークグループを構築し、妊産婦等のリスクに応じた役割分担と連携を進めております。
 次に、NICUの整備等に係る支援についてであります。
 都は、NICUの病床や生命維持装置等の施設設備の整備や周産期母子医療センターの運営に要する経費の一部を補助しております。また、東京都地域医療医師奨学金制度による奨学金の貸与やNICU等に勤務する医師に手当を支給する医療機関への支援などを行っているところでございます。
 次に、八王子市と市内の中核病院との協議についてであります。
 平成十七年に設置した協議会で、都と八王子市は議論を重ね、平成二十年に八王子地域における小児医療体制についてを取りまとめております。
 その中で、八王子市は、二つの中核病院と検討を行い、将来的にNICUを整備する際には、八王子市と東京都は必要な支援を行うことについて検討していくこととしております。
 最後に、小児救急医療体制についてであります。
 都は、区市町村が実施する小児初期救急医療事業を支援するとともに、入院が必要な救急患者を小児科医師が二十四時間体制で診療する二次救急医療機関を都内五十三か所で確保しております。
 また、重篤な小児救急患者を必ず受け入れ、高度な救命医療を行うこども救命センターを四か所指定するとともに、このセンターを中核として、地域の実情に応じた医療機関相互の連携体制を構築しております。
   〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをします。
 都立病院からの医師の派遣についてでございますが、小児総合医療センターでは、二次救急医療体制の強化を図るため、現在も二つの大学病院への医師派遣を継続しております。
 次に、小児総合医療センターでの障害児の治療についてでありますが、医師が患者の症状や疾患の特性を踏まえ、ご家族とよく相談しながら方針を決定しております。
 成人の診療科での治療が最適と判断した患者に対しては、多摩総合医療センターや他の医療機関等を紹介しており、小児総合医療センターでの治療の継続が必要と判断した患者に対しては、引き続き医療を提供しております。
 最後に、小児総合医療センターの設備についてでありますが、院内にはユニバーサルシートを備えたトイレを二か所設置しております。また、ストレッチャーのまま入浴可能な浴槽は一か所あり、患者の当日の容体や入浴施設の使用状況を確認しながら入浴の調整を行っており、今後も入浴機会を確保してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、八王子スポーツパーク建設事業についてでございますが、都は、自然保護条例に基づき、自然地で屋外運動競技施設の建設等のために土地の形質変更行為をする者に、あらかじめ開発許可を受けることを求めてございます。
 事業面積が三ヘクタール以上の場合、自然環境保全審議会の意見を聴くこととなってございまして、八王子市川町における事業面積約十五・六ヘクタールのサッカー場等建設事業につきましては、平成三十年一月、審議会へ諮問いたしました。
 審議会では、これまで二回の部会が開催され、事業の収支計画の妥当性や盛土の安全性などについて専門的見地から議論が行われてございます。
 次に、自然保護条例における盛土の点検についてでございますが、環境局は、所管する自然保護条例に基づきまして、資材置場などの盛土を行う許可対象事業について、未完了の案件を点検しており、都内においては十四か所、八王子市内においては八か所となってございます。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 盛土総点検の結果についてでございますが、都は、土地利用の規制等に関する法律や条例を所管する四局が連携し、盛土による災害防止に向けた総点検を実施しておりまして、昨年末には点検結果の暫定的な取りまとめを公表いたしました。
 このうち、是正措置が必要な十六か所につきましては、現在、各法律や条例に基づき、是正指示など適切な対応を行っているところでございます。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時二十二分休憩

   午後四時四十五分開議
○議長(三宅しげき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十五番磯山亮君
   〔二十五番磯山亮君登壇〕

○二十五番(磯山亮君) 初めに、スマートシティの実現について伺います。
 私は、スマートシティとは、デジタルの力で利便性が高められ、人々の暮らしが豊かになっていくまちづくりであると考えています。
 しかし、都民の生活にとっての利点が見えにくく、スマート化への関心や進捗の度合いにも地域ごとに濃淡があります。デジタルの力で生活がどう変わるのか、具体的に実感できるようにすることが必要です。
 例えば、多摩地域では、民間事業者と自治体が連携し、データを活用したサービスを展開するプラットフォームを構築するなど、新たな取組も始まっています。
 まちのスマート化の取組を大きく育て、都内各地に広げていくためには、都においても強力に後押ししていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
 まちのスマート化を進めていく上では、様々なサービスのデジタル化を図る必要があり、行政もその例外ではありません。直接住民サービスを担う市区町村こそ、DX推進を図ることが重要です。
 私の地元である小平市でも、住民の利便性向上に直結するオンライン申請への対応や、行政内部の業務の効率化とともに、こうした取組を担う職員の働き方改革も進めているところです。
 市区町村はDXを進める上で様々な課題を抱えています。マンパワーや知見、ノウハウ等を十分に備えられず、対応に苦慮している状況も見られます。
 行政サービスの向上に向けたデジタルツールを活用した市区町村の働き方改革に対して、都が一層の支援を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 少子化の進む日本において、デジタル人材の確保はますます困難になります。この課題を乗り越えるためには、ニューロダイバーシティの普及、浸透を通じた発達障害者の方の活躍促進が非常に有効です。
 ニューロダイバーシティとは、神経学を表すニューロロジカルと多様性を表すダイバーシティが合わさってできた言葉です。
 発達障害者には高度な能力を有する者が多く、特にデジタル関係の業務内容との相性がよいともいわれ、周囲による少しの支援、協力、理解があれば、その能力が開花されるケースも少なくありません。
 海外の大手企業では、発達障害人材を高度デジタル人材として積極的に活用する取組が広がりつつありますが、日本での注目度は十分とはいえない現状です。
 将来的には、具体的な数値目標を取り入れることも必要であると考えますが、まずは、デジタル分野における発達障害者の一層の活躍促進に向けて、企業への普及啓発を進めるとともに、IT企業における就業機会の拡大を図るべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 デジタルの活用により、個別最適化された教育システムの構築がより現実味を帯びています。
 特に、特定の分野に特異な才能のある児童、いわゆるギフテッドの児童生徒に対しては、大きな可能性を秘めています。
 しかしながら、特異な才能のある児童生徒には、才能を有するがゆえ、学校での生活について、なじみにくさを感じているケースも少なくありません。中でも、2Eと呼ばれる、特異な才能と学習困難を有する児童については、読み書きなど様々な学習障害を抱えていたり、対人関係でぎくしゃくしたり、こだわりが強く、ルールを守ることに厳格な気質のため、学校生活の中で様々な困難に直面しています。
 このような困難を解消し、才能を伸ばすためには、個々に応じた多様な学びを提供することが重要です。
 そこで、いわゆるギフテッドといわれる特定分野に特異な才能のある子供たちへの指導や支援について、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、プログラミング教育について伺います。
 コロナ禍においてGIGAスクール構想に注目が集まり、全ての学校でPC端末が導入され、一部オンライン授業が行われてきました。PC端末の配備が前倒しして行われたことは歓迎すべきことです。今まで以上に論理的思考の習得やプログラミングの実践などを積極的に進めていくことが必要です。
 二〇二五年の大学入学共通テストでは、情報について、全ての国立大で原則受験生に課されることになります。都立高校でも、今春から情報Iが新たに導入されます。
 そこで、都内公立学校のプログラミング教育の充実には、教員の指導力向上が必要と考えます。都教育委員会のこれまでの成果と今後の取組について伺います。
 都は、eスポーツフェスタの開催などにより、eスポーツの振興に努めていますが、全国ではさらに幅広い分野で活用されています。
 例えば、生まれつきの事故、病気の後遺症などで体に麻痺がある方々のリハビリに取り入れている施設や、好きなゲームをきっかけに精神障害者や知的障害者が自分の世界を広げてもらうために活用する施設もあります。
 このような取組の背景には、人間関係の広がりや技術の向上などを通じ、社会参加だけにとどまらず、自らが将来、ゲーム関連の制作者になることにより、経済的自立につなげるきっかけにしたいという関係者の強い思いもあります。
 そこで、eスポーツを都立特別支援学校でも積極的な活用が図られることを期待しています。この活用に向け、まずは、子供たちがオンラインを介して交流する経験を積んでいくことが大切です。都教育委員会の今後の取組について伺います。
 都内の農地は減少を続けており、私の地元小平市でも、三十年間で百三十ヘクタール、四三%減少しました。
 東京の農業を維持発展させるためには、農業者が安定した経営を営むことができるよう、農業所得の向上が不可欠です。
 そのためには、身土不二という言葉が示すように、地産地消を促進して、東京産農産物の需要を喚起することが肝要です。
 小平市では、全ての公立小中学校の給食に地場産農産物が供給されており、利用率は三〇%を超えています。こうした取組を都内全域に広げ、消費拡大を図ることが大切です。
 また、農地のない都心の需要を掘り起こしていくことも重要です。
 都は、農業所得の向上に向けて、東京産農産物の地域における消費を促進するとともに、都心部も含めた新たな販路の開拓につながるよう支援すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 西武新宿線田無駅から花小金井周辺までの踏切は、踏切対策基本方針において、立体交差化の検討区間に位置づけられています。花小金井駅西側の小金井街道は渋滞がひどく、都道として本来果たすべき主要幹線の役割を果たしていません。
 また、公立昭和病院付近では、救急車が日常的に踏切を渡れない状況が続いています。地元からは、市民の命を守るという自治体の根本的な役割さえ放棄しているのかとさえいわれることもあります。
 そこで、西武新宿線田無駅から花小金井駅付近の鉄道立体化について、渋滞解消により、沿線都民の交通利便性向上はもちろんのこと、命の安全・安心を守るためにも、関係自治体とも連携を深め、早期事業化を目指すべきだと考えますが、見解を伺います。
 また、小平駅の踏切も開かずの踏切といわれ、安全性も含め問題になっています。歩道の拡幅などを行ってはいるものの、抜本的な解決には至っていません。
 しかしながら、小平駅北口に関しては、現在、再開発事業が計画されており、周辺のまちづくりも進んでいます。鉄道立体化とまちづくりは、時期を合わせて進めることで、事業効果も高くなると考えます。
 二〇二五年には現在の踏切対策基本方針の目標年度を迎えることになりますが、仮に方針の中で鉄道立体化の検討対象区間に示されていない場合であっても、周辺のまちづくりと併せて、立体化に取り組んでいくことが必要です。鉄道立体化以外の対策の検討対象区間に対する見解を伺います。
 都は、ゼロエミッション東京戦略において、3Rの推進やプラスチック対策を資源循環分野の施策の柱に位置づけています。
 多摩地域では、ほぼ全ての自治体で容器包装プラスチックの分別収集によるリサイクルが実施されていることもあり、二〇一九年度のリサイクル率は三六・九%となっています。都が掲げる二〇三〇年の目標である三七%をほぼ達成しています。
 四月には、プラスチック資源循環促進法が施行されます。都は、令和二年度からプラ製容器包装・再資源化支援事業を開始し、分別収集の実施を促していますが、容器包装プラスチックのリサイクルが進む多摩地域において、製品プラスチックの分別収集への取組を進めるためには、都のさらなる後押しが必要です。
 昨年十二月の第四回定例会における都議会自民党の代表質問に対し、都は、市区町村への支援拡充を検討すると答弁しました。また、国においても、自治体の負担軽減を図るため、経費の一部を地方交付税で措置するとの報道も目にしました。
 プラスチック資源循環促進法の施行が目前に迫るなど、リサイクル推進の機運が高まる中、どのように市区町村への支援を拡充するのか、知事の見解を伺い、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 磯山亮議員の一般質問にお答えいたします。
 プラスチックリサイクルへの支援についてのお尋ねがございました。
 気候危機が一層深刻さを増す中、焼却時にCO 2を排出するプラスチックは可能な限り使用を減らすとともに、積極的にリサイクルしていくことが重要であります。
 こうした中、本年四月に施行されますプラスチック資源循環促進法は、従来の容器包装に加え、製品プラスチックも分別収集、リサイクルすることとしており、プラスチックの利用を持続可能な形へと転換する絶好の機会でございます。
 都は昨年度から、プラスチックの分別収集経費などにつきまして、市区町村を支援する事業を開始いたしておりますが、新法の施行を踏まえまして、来年度、従来の容器包装に加え、製品プラスチックのリサイクルを開始する自治体への支援等を大幅に拡充することで、自治体の取組を強力に後押しいたします。
 あわせて、コロナの影響による準備の遅れ等に配慮いたしまして、事業期間を令和八年度まで二年間延長いたします。
 これにより、プラスチック資源の循環を促進し、ゼロエミッション東京の実現に向けた取組を加速してまいります。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、子供の資質、能力を伸ばす指導や支援についてでございますが、学校では、授業に物足りなさを感じる子供に対して、発展的な内容の教材の提示や課題学習の設定などの工夫を行いながら指導に取り組んでいるところでございます。
 今後さらに、特定分野に特異な才能のある子供にも適切に対応し、その資質、能力を伸ばしていくことが必要でございますが、これらの子供の中には、学校での学習や生活になじみにくさを感じているケースがございます。そのため、こうした困難さを解消できるよう、より効果的な指導や支援が必要であり、国においても検討が進められているところでございます。
 都教育委員会は、子供の個性を受け止め、一人一人に応じたきめ細かな学びの実現に取り組むとともに、国の動向も注視してまいります。
 次に、プログラミング教育における教員の指導力向上についてでございますが、デジタル社会で必要とされる力を育むためには、子供たちが論理的な思考を働かせて問題を解決する実践的な授業を行うことが重要でございます。
 都教育委員会では、小中学校の各教科等の中で、生活を支えている身近な技術を題材として、コンピューターが命令によって動作する仕組み等の理解を図る指導資料を都内全公立学校に提示しております。
 高校では、新科目情報Iを担当する全教員に、社会で求められるプログラミングの具体的な指導方法に関する研修を実施いたしました。
 今後は、子供が自ら学習を進めることができるプログラミング教材を活用した指導資料を作成、公開するなど、教員の指導力の一層の向上を図ってまいります。
 最後に、都立特別支援学校でのオンラインを活用した交流についてでございますが、オンラインを活用することで、障害のある児童生徒が様々な人との交流を通し、協働して活動する経験を深めていくことは重要でございます。
 都教育委員会は、今年度の特別支援学校総合文化祭で、将棋やオセロの対局をeスポーツのようにオンライン上で実施し、障害により移動が困難な生徒が自校にいながら他校の生徒との対戦を楽しみ、交流への意欲を深めることができました。
 また、来年は複数の学校をオンラインでつなぎ、児童生徒が共に学び合う授業を行います。
 今後、授業や学校行事においてもオンラインを活用し、児童生徒がより多くの人と交流する学びの機会を増やしてまいります。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、西武新宿線田無駅から花小金井駅付近についてでございます。
 都は、交通渋滞や踏切事故等の踏切問題を解消するため、踏切対策基本方針を策定いたしまして、この中で本区間を鉄道立体化の検討対象区間に位置づけております。
 鉄道立体化は、地域におけるまちづくりと大きく連動することから、地元市が主体となり、地域の将来像や、まちづくり方針等との関係などについて検討する必要がございます。
 また、未整備の都市計画道路西東京三・四・二五号線及び三・四・二六号線と交差し、道路整備計画と整合を図る必要もございます。
 都といたしましては、小平市や西東京市が行うまちづくりの取組を支援しながら、その状況や道路整備計画の具体化などを踏まえ、適切に対応してまいります。
 次に、鉄道立体化以外の検討対象区間についてでございます。
 方針におきましては、これらの区間につきまして、踏切道の拡幅、踏切システムの改修等、早期に実現可能な対策を関係者間で検討すべきとする一方、将来、まちづくりの進展や周辺環境の変化が生じた場合などには鉄道立体化を検討することもあり得るともしております。
 例えば、東急大井町線戸越公園駅付近につきましては、特定整備路線である補助第二九号線の整備や、地元区によるまちづくりの進展を踏まえ、連続立体交差化に向けた取組を行うこととし、事業化の準備が進められております。
 今後とも、地元区市町や鉄道事業者等と連携いたしまして、地域の実情やまちづくりの将来的な動向等も踏まえながら、踏切対策を推進してまいります。
   〔デジタルサービス局長寺崎久明君登壇〕

○デジタルサービス局長(寺崎久明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、まちのスマート化についてでございますが、先端技術を活用し、各地のスマート化を推進していくためには、住民ニーズや地域特性を捉えたスマートサービスの早期実装が重要でございます。
 都はこれまで、大手町、丸の内、有楽町、いわゆる大・丸・有や竹芝、豊洲において都市OSの構築等を支援してまいりました。
 来年度は新たに、区市町村が大学や地元企業等と連携し、地域が主体となって進めるまちのスマート化の取組の支援を開始いたします。先行実施エリアでの知見や事業者とのネットワークを活用し、各地域の特性を生かした取組を複数年にわたり、きめ細かく支援してまいります。
 こうした取組を通じて、地域課題を解決するサービスを実装するとともに、その成果を他地域へ発信することで、都内全体のスマートシティの実現につなげてまいります。
 次に、区市町村のDX支援についてでございますが、職員の能力を最大限発揮させるためには、デジタル技術を活用し、働き方改革を進めていくことが重要でございます。
 これまで都は、区市町村のペーパーレスやテレワーク導入に向けた取組に対し、専門人材による技術的相談を実施してまいりました。
 来年度は新たに、区市町村とのワーキンググループにおいて、働き方改革に資するRPA、ロボティック・プロセス・オートメーションや、AI等の自動化ツールの共通化、標準化を推進してまいります。
 さらに、これらの成果をSNSで発信するとともに、新たに導入する共通チャットツールの活用により、相互交流を促進し、知見やノウハウを都内全体へ広げてまいります。
 こうした多角的な取組を行うことで、区市町村が進める働き方改革を積極的に支援してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、デジタル分野での発達障害者の活躍についてでございますが、発達障害者の中には、高い集中力や分析力を持つ方がおり、そうした特性等を生かしIT企業などでの就業を推進することは、企業の人材確保の観点から効果的でございます。
 このため、都は来年度、経営者等に対して、デジタル分野における発達障害者の特性や能力に関する普及啓発を実施するとともに、その採用促進と定着に向けた後押しを行います。
 具体的には、障害者雇用を促進するイベントにおいて、IT企業での活躍事例や定着のノウハウを紹介いたします。
 また、IT関連の業界団体と連携して、職場体験実習の受入先を開拓し、企業とのマッチング機会の拡充につなげます。
 さらに、ITの知識を有するジョブコーチを職場に派遣し、定着支援を行います。
 これらにより、発達障害者のデジタル分野での活躍を推進してまいります。
 次に、農業による収入の増加に向けた支援についてでございますが、都市農業における経営力を高めるためには、地元での消費を拡大するとともに、新たな販路開拓を進め、収入の増加につなげることが重要でございます。
 このため、都は、地元で取れた野菜のイベント等でのPR販売や学校給食への供給など、区市町村が地域と一体となって地産地消を進める取組を複数年にわたり支援しております。
 また、販路の拡大に向けて、販路開拓ナビゲーターにより、生産者と販売先とのマッチングのサポートを行っているところでございます。
 来年度は、多摩地域等で取れた農作物を都心の百貨店などで購入できるよう、新たに受発注や集荷、配送の仕組みを構築し、東京産食材の流通拡大を図ります。
 こうした取組による収入の増加を通じ、東京農業の持続的な発展を実現してまいります。

○議長(三宅しげき君) 三十番清水やすこさん
   〔三十番清水やすこ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○三十番(清水やすこ君) 今も激しい頭痛や脱毛などの後遺症がありますが、皆様の前にこうして立てることに感謝しながら、一般質問に入ります。よろしくお願いいたします。
 私自身、昨年夏の第五波の真っただ中に罹患し、自宅療養の後、入院しました。入院中の最後の数日は意識も戻り、自分で体温も測れ、食事も取れるようになりました。そのときに感じたことは、転退院の仕組みをつくるということでした。
 現在は、都においても転退院の仕組みがつくられたと聞いていますが、その取組を促進していくべきです。東京都の見解を伺います。
 次に、人手が足りない介護施設など、いわゆるエッセンシャルワーカーの方々への支援が喫緊の課題です。エッセンシャルワーカーの代替人員確保を支援し、東京の社会的機能の維持支援を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 先日の代表質問で、誰もが使いやすい駅づくりの答弁がありました。青梅線の各駅を車椅子の方と一緒にチェックしました。障害者用のトイレなど、表示方法がばらばらでした。特に古い建造物では、改修時以外は、ピクトグラム表示など、義務化されていないと聞いています。
 東京都の率先した取組が必要と思いますが、見解を伺います。
 令和三年八月に、ひきこもりに係る支援の充実に向けてという提言書が当事者、家族の方々も交えた協議会より公表されました。
 そこでは、就労、社会的自立に至る前段階から、当事者や家族の方々が抱える多くの悩みが明らかにされました。
 今後は、早期のニーズ把握、支援につなげるための普及啓発を行うとともに、ひきこもりの状態にある方やご家族への相談窓口を設置するなど、身近な地域で切れ目のない支援体制を整備する区市町村を支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 新型コロナウイルス感染症に罹患する前は、毎日二時間、西多摩の小中学校の通学路をチェックしてきました。それは、小一の壁ともいうべく、自分の子育ての経験から続けていることです。毎朝といっても、二十三区全体より面積が広いため、一巡するまで二か月以上かかります。
 これまで、瑞穂町、日の出町、あきる野市などのPTA、自治会の皆様、警視庁、建設局と共に改善してきました。
 今回は、緊急輸送道路に指定されている国道四一一号の迂回道路でもある吉野街道の万世橋についてお聞きします。
 万世橋は歩道の幅が七十五センチ。ちなみに、低学年の子供の傘の幅は九十センチですので、雨の日も晴れの日も、擦れ違うときはどちらかが道路に降ります。トラックが横をすぐ通過する際は、風であおられたり巻き込まれたりする危険な状況です。二時間たつと、約六百台、十トントラックも含め、通過します。そして、万世橋は七十年近く経過しているため、早期に新たな橋に架け替える必要があると考えています。
 そこで、万世橋の架け替えに向けた取組状況について伺います。
 また、今後、地元小中学校PTAなどから様々な要望が提出された際には、真摯に回答してくださるよう要望いたします。
 瑞穂町では、令和二年に町内の有志町民が中心となり、モノレールを呼ぼう瑞穂の会を発足させ、上北台から箱根ケ崎への延伸に向けた活動も進められています。
 先日、知事の施政方針表明では、来年度、都市計画等の手続に着手すると明らかにされていました。
 そこで、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への早期延伸に向けた都の取組について伺います。
 今般、都は、三月末までに地域公共交通の基本方針を定め、今後五年間を重点取組期間として取り組んでいくとしていますが、デマンド交通の中には、法規制上の位置づけが不明確との指摘もあり、安全確保の観点から、ルールの明確化にも取り組まれることを要望します。
 そこで、交通と都市機能の結節点である、いわゆるトランジットセンターの形成も視野に、地域公共交通の充実強化に取り組む自治体に対する支援を強化し、持続的な地域公共交通を実現していくべきですが、見解を伺います。
 これまで、群馬県や栃木県などに行き、Iターン、Uターンについて視察を重ねてきました。残念なのは、西多摩地区の森林環境、住環境とそう違いないのに、どうして西多摩地区がIターン、Uターンの選択肢に出てこないかということです。
 一方で、このコロナ禍の二年間、テレビなどで西多摩の映像が増えました。地元の役場では、たった数人の職員が、年間数千件の移住を希望する電話対応に追われています。せっかくのビジネスチャンス、地元にも東京都にも影響する課題だと思いますが、市町村のマンパワーでは限界があります。
 都として、市町村の取組を後押しするためにも、総合的な情報発信を強化するなど、移住、定住を促進することが重要と考えますが、見解を伺います。
 西多摩地区には多くの空き家がありますが、有効活用に向けて空き家バンクに登録されている件数は、各市町村で非常に少ない状況です。所有者が特定できないものや、建物状況確認が必要であるものなど、登録に向けた手間がかかり、活用できていない状況です。
 都は、空き家の有効活用や発生抑制など、区市町村が行う空き家対策をしっかりと支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 私の地元の西多摩では、開発事業者が資材置場の建設のために建設発生土を計画以上に持ち込んだ盛土から、一部土砂が道路に崩落する箇所があります。地元自治体は、土砂災害等の危険性が高いことから、都に対して現場指導の強化を要望しています。
 自然地における盛土について、都は制度上、どのような規制を行っているのか、また、違法な盛土が生じないよう、制度をどのように強化し、事業者に対応していくのか、都の見解をお伺いします。
 令和二年度の農業センサスでは、都内の農家数がついに一万戸を割り込み、販売農家よりも自給的農家の数が上回る逆転現象が起きています。
 私の地元の西多摩地域でも、ブドウやオレンジを栽培して、ワインやリキュールの加工品の開発や、無農薬、西洋野菜などを新たに栽培してレストランに出荷したり、農家レストランを併設するなど、新しい販売を模索する農家も増えています。
 持続的な稼げる東京の農業を実現するためには、農業者が高い収益を上げて、安定的な経営ができるよう、支援を充実していくべきと考えますが、見解を伺います。
 東京の林業政策は、林業の担い手の減少や高齢化が進む中で、多くの労力と時間を要している森林での作業を効率的に行い、木材の供給力を高めていく必要があります。
 東京の林業を振興し、健全な森林を次の世代に引き継ぐため、都は、DXの推進などにより、林業における生産性の向上を図っていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都は、伐採のほか、植栽や間伐などの施策を数多く展開しています。例えば、所有者は分からないけれど、長年、日当たりが悪いため伐採してほしいとの要望を受けます。
 こうしたケースの場合、まず、みんなで福生の法務局に行き、公図と登記簿から森林所有者を割り出すことから始まります。でも、うまく伐採などまでに至るのは十件に一件ぐらいしかかなっていません。私も税理士の知識を合わせながら、都度都度案内していますが、限界があります。
 都は、森林所有者の探索を進めるとともに、積極的に所有者等に支援策を分かりやすく伝える工夫をすべきと考えますが、見解を伺います。
 ちょくちょく視察している日の出町の多摩木材センターでも、多くの杉などの樹皮が山積みされ、産業廃棄物として費用をかけ、処分されています。
 例えば、視察に行った群馬県上野村。ここは東京都の森林面積の約四分の一規模なんですが、樹皮などの端材も無駄なく再利用し、木材乾燥施設やシイタケハウスなどに届け、障害者雇用にも貢献しています。
 そこで、都は、多摩産材をはじめとする国産木材の利用拡大を図るだけでなく、樹皮などの木材に係る産業廃棄物についても一層の活用を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 最後の質問です。
 西多摩の消防団の活動拠点となる詰所や装備品についても老朽化が著しく進んでいます。消防団活動に大きな支障が生じる懸念があり、市町村総合交付金による消防団への支援が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 以上、皆様のご清聴ありがとうございました。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 清水やすこ議員の一般質問にお答えいたします。
 社会的機能の維持に対しての支援についてのご質問がございました。
 感染力が極めて強いオミクロン株の拡大により、社会機能の低下が懸念されております。特に医療や福祉、保育、輸送業や清掃業など、都民の命と暮らしを守り、社会経済活動の維持に欠かせない分野の事業継続は極めて重要であります。
 このため、都では、ワクチンの大規模接種会場を順次開設いたし、日夜ご尽力されているエッセンシャルワーカーの皆様への三回目の接種を加速しているところでございます。ぜひ大規模接種会場をご活用いただければと思います。
 また、代替要員の確保につきましては、医療分野に加え、この二月には、生活に欠かせない食料品を扱う中小規模のスーパーマーケットなどに対しましても支援策を拡充いたしました。
 さらに、運営継続が困難となった高齢者施設に対しましては、人材派遣を活用した新たな応援の仕組みを構築して、保育所につきましても、運営継続のための職員の確保を後押しするなど、重層的に取組を進めております。
 今後も、感染を止める、社会は止めない、そのことを念頭にいたしまして、臨機応変に、あらゆる対策を総動員し、都民の命と暮らしを守ってまいります。
 次に、林業におけるDXの推進についてのお尋ねがございました。
 東京の林業振興をより一層進めていくためには、デジタルの力を用いて林業の生産性を高め、木材の供給力を向上させることは重要であります。
 都は、東京特有の急峻な地形での作業を効率化するために、斜面における苗木などの運搬にドローンを活用する事業者の取組などを後押しいたしております。
 今後はこれに加えまして、木材を伐採し搬出する作業でもDXを積極的に推進し、生産力の向上を図ってまいります。
 伐採した木材をAIが画像で認識し、機械を使って自動でつかんで集めるシステムなどの開発も支援をいたします。
 さらに、木材を運ぶためのワイヤーを自在に張り巡らせて、リモコンで遠隔操作ができる高性能機械などを、林業の先進国でもありますオーストリアから導入して、事業者に無償で貸与いたします。
 こうした最新の技術を積極的に活用し、産業としての力の底上げを図ることで、東京の林業の持続的な発展に結びつけてまいります。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸についてでございます。
 本区間の実現により、開業区間と一体となり、南北方向の拠点が結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 都は昨年度から、現況調査及び基本設計等を実施してきております。また、地元市や町が策定した沿線まちづくり構想の具体化に向けて、技術的な助言を行っております。
 こうした取組を進め、来年度、都市計画等の手続に着手いたします。
 引き続き、早期の事業化に向けた関係者との協議、調整を加速し、多摩地域における交通インフラの充実強化に向けて取り組んでまいります。
 次に、地域公共交通の取組についてでございます。
 地域に適した移動サービスを構築し、誰もが活動しやすいまちを実現するためには、区市町村が関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要でございます。
 そのため、地域の公共交通計画を策定する市区町村への支援を新たに開始するとともに、デマンド交通等の本格導入及び既存路線の見直しなどを新規に支援の対象として追加してまいります。
 加えて、結節機能を充実し、移動手段相互の乗換えや、買物など日常生活の利便性が向上できるよう、市区町村に対しまして、鉄道駅はもとより、核となる商業施設などとも連携した取組を促してまいります。
 こうした支援等を通じ、地域公共交通サービスを持続可能なものとすることで、誰もが移動しやすく、自由自在な交流が可能な都市を実現してまいります。
   〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 新型コロナウイルス患者の転退院に関するご質問にお答え申し上げます。
 確保した病床を効率的に運用するためには、患者の症状に応じて転退院を進めることが重要でございます。
 このため、都は、新型コロナウイルス感染症から回復後も、引き続き入院が必要な方の転院を受け入れる回復期支援病院や、転退院により、新たに重症、中等症の患者を受け入れる医療機関に助成するとともに、入院調整本部の転退院支援班による病院間の調整や、説明会の開催などにより、転退院を促進してまいりました。
 こうした支援によりまして、本年一月以降、約七百件の転退院が行われております。
 今月から、高齢者の転退院などの拠点といたしまして、旧東京女子医大東医療センターに臨時の医療施設を開設しており、引き続き症状に応じた受入れが進むよう、さらに医療機関に対する働きかけを強化してまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、トイレのピクトグラム表示についてであります。
 法令等の規定によりまして、一定規模以上の施設の新設や改修の際には、車椅子使用者用トイレ、オストメイトや乳幼児用の設備のあるトイレについて、JIS規格に定められたピクトグラムにより、分かりやすく表示することとされております。
 また、都は、区市町村が既存施設のトイレについて、新たにこのピクトグラムにより表示を行う場合に補助しているほか、現在作成しております施設管理者等向けのハンドブックには、ピクトグラムの統一が重要であることを記載し、周知してまいります。
 こうした取組によりまして、公共施設や駅等で適切なピクトグラムの表示が進むよう、関係機関に働きかけてまいります。
 次に、ひきこもりに係る支援についてであります。
 都は、東京都ひきこもりに係る支援協議会の提言等を踏まえまして、身近な地域での支援体制の充実に向け、昨年十月、都と区市町村による支援推進会議を設置しております。
 また、当事者やその家族が安心して相談できるよう、地域住民等のひきこもりへの理解を促進するため、インターネットや新聞広告などを活用した普及啓発を実施しております。
 来年度は、支援協議会の広報部会において、こうした取組の効果検証などを行い、より効果的な広報を展開してまいります。
 あわせて、区市町村による相談窓口の設置等への支援や、都のひきこもりサポートネットに新設する多職種専門チームが区市町村の取組を支えることにより、身近な地域における相談体制のさらなる充実を図ってまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 奥多摩町の万世橋の架け替えについてでございますが、西多摩地域の橋梁は、地域住民の方の生活や産業の振興に欠かすことのできない重要な社会基盤でございます。
 万世橋は、吉野街道終点付近で多摩川の渓谷部を渡る昭和三十二年に架設された橋梁でございまして、構造等の問題から、十分な歩道幅員を確保することが困難となっております。
 このため、都は平成十七年に、隣接して新たに橋梁を増設する案を作成し、地元と調整してまいりましたが、既設橋梁の活用等についての様々なご意見もあり、現在、再検討を行っているところでございます。
 町等と意見交換を行いつつ、今後、地元の理解と協力を得ながら、事業化に向けて取り組んでまいります。
   〔総務局長村松明典君登壇〕

○総務局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、移住、定住促進に向けた取組についてですが、多摩・島しょ地域は、人口減少に転じている地域がある一方、豊かな自然環境、特色ある文化や歴史など、多くの魅力を有しております。コロナ禍により生じた新しい働き方、暮らし方の浸透は、さらなる発展の機会でもあります。
 この機を捉え、都では、市町村と共に地域の魅力を発信し、移住、定住の促進を図るため、来年度、相談対応窓口を設置いたします。
 本窓口では、子育て支援策や空き家活用事業など、各市町村の移住、定住関連情報や支援制度を一元的に集約し、相談者のニーズに応じたきめ細かい相談対応を行ってまいります。
 また、都と市町村とで連携いたしまして、移住、定住セミナーを実施いたします。
 こうした取組により、多摩・島しょへの関心を高め、移住、定住を促進してまいります。
 次に、消防団施設や装備品の老朽化に対する財政支援についてですが、市町村総合交付金は、地域の発展に向けて市町村が取り組む各種施策に要する一般財源の補完制度として重要な役割を果たしてまいりました。
 庁舎などの公用施設に係る建て替えや改修の経費は原則対象外としてまいりましたが、消防団施設につきましては、地域防災に果たす役割の大きさに鑑みまして、対象として取り扱ってきたところでございます。
 また、装備品や資機材につきましても、特別区と同様の配備基準に基づき新たに購入する場合に支援してまいりましたが、さらに来年度からは、その更新についても支援してまいります。
 引き続き、市町村総合交付金を効果的に活用し、地域の課題解決に向けた市町村の取組を支援してまいります。
   〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 市区町村が行う空き家対策への支援についてでございますが、空き家対策を進めるためには、地域の実情を把握している市区町村の主体的な取組への後押しが重要でございます。
 これまで都は、空き家を有効活用するための対策として、定住促進住宅に改修する費用や、空き家バンクに登録するための調査費用などに補助を行っております。
 また、空き家の発生を抑制する対策として、市区町村における住宅の相続に関する相談体制の整備や、住まいの終活セミナーに関する費用などに補助を行っております。
 こうした補助に加えまして、今後は、空き家対策がより計画的、効果的に展開できるよう、地域特性に応じて重点的に取り組むべき空き家対策の考え方や効果的な手法などを指針として示すことで、市区町村の主体的な取組を一層支援してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 盛土の安全対策についてでございますが、都は、自然保護条例に基づき、自然の保護と回復を図るため、自然地で盛土等による土地の形質変更行為をする者に対し、あらかじめ開発許可を受けていることを求めてございます。
 昨年十月から、自然の保護と回復に加え、安全にもより一層配慮するため、盛土の安定性に係る基準も強化し、厳格に審査してございます。
 また、許可後の監視指導の強化を図るため、新たに指針を策定し、地元自治体とも連携しながら、専従の監視員が計画的に現場を監視し、違反事案の早期発見及び是正指導に努めてございます。
 違反事案につきましては、事業者に対し指導を重ねるとともに、改善しない場合は罰則適用もある行政処分により、一層強力に是正を求め、盛土の安全確保を図ってまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京農業の稼ぐ力を高める支援についてでございますが、高収益な農業を実現する上で、生産性や農作物の付加価値の向上に向けた支援が重要でございます。
 このため、都は、民間企業等と連携し、限られた土地でも多くの収穫量を確保できるよう、ビニールハウス内の温度や湿度等を調整するシステムや、数多くの品目の栽培を効率的に進めるためのスケジュール管理アプリを開発いたしました。
 これらについて、普及指導員による巡回指導や講習会を通じ、農業者に導入の働きかけを行っているところでございます。
 また、来年度は、加工品の開発に詳しい専門家による相談や助言の体制を拡充し、農作物の付加価値を高める取組を強化いたします。
 これらによりまして、農業者の収益力向上を支援してまいります。
 次に、森林所有者の把握と森林整備の推進についてでございますが、森林の循環を進めるため、その所有者を明確にした上で、そうした所有者による適切な森林整備が進むよう後押しを行うことが必要でございます。
 このため、都は来年度から、森林の所有者を登録する市町村の台帳を基に詳しい情報を調べ、現在の正確な所有者の特定を進めます。
 また、そうして特定された所有者に対して、市町村と協力し、森林整備を行うよう働きかけます。
 さらに、それに合わせ、伐採や植樹などに応じた様々なサポート策を分かりやすくまとめたパンフレット等によりまして、情報の提供を行い、都の支援事業の活用を促してまいります。
 こうした取組によりまして、適切な森林の整備を一層後押ししてまいります。
 最後に、木材に係る未利用材の活用についてでございますが、資源の循環利用の促進や林業振興の観点から、木材の加工や流通の段階で発生する樹皮や端材などの未利用材を有効に活用していくことは重要でございます。
 このため、都は、製材所において、樹皮等を燃料にして木材を乾燥する設備を導入する経費に対し助成を行っております。
 来年度は、未利用材のより幅広い活用に向け、樹皮を堆肥の原料として果樹農園などに販売する民間の工夫事例等についてPRを行います。
 また、都内における未利用材の発生量や形状、特性などについて調べ、他県の先進事例も踏まえながら、その活用に向けた新たな施策づくりに結びつけてまいります。
 これらによりまして、木材に由来する未利用資源の有効活用を促進してまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 十四番関口健太郎君
   〔十四番関口健太郎君登壇〕

○十四番(関口健太郎君) 東京都議会立憲民主党の関口健太郎です。
 初めに、精神障害者の医療環境について伺います。
 コロナ禍で都内の精神科病棟でクラスターが発生し、精神障害者の方々に対する医療環境が注目をされました。
 NHK教育テレビでは、精神科病院における新型コロナのドキュメントが放映され、大きな反響を呼びました。その中では、都内でクラスターの起きた精神科病院から都立松沢病院へ精神疾患のある患者が運ばれる様子が映し出されています。
 基礎疾患があるにもかかわらず放置をされ、松沢病院に転院し初めて疾患が判明する患者。新型コロナのクラスターの起きた病院では、南京錠をかけ患者たちを閉じ込める惨状。病院にしか居場所のない患者。逼迫する医療体制の中で葛藤する医療従事者たちなど、コロナ禍における精神科医療の実態が浮き彫りとなりました。
 私は、この間、精神障害者の当事者団体の皆様のお話を伺ってまいりました。その声を届けていきます。
 まず、精神科病棟からの転院についてです。
 精神科病棟にいる入院患者は、精神障害であることを理由に転院先が見つからず、精神科病棟にとどまることがあるようです。とりわけ、コロナ禍の今、新型コロナウイルスに感染した精神障害者の患者は、転院困難となるケースがあります。
 新型コロナウイルス感染症であっても、精神科病院に入院中の精神障害者が身体疾患を併発した場合であっても、適切な医療を受けられるよう求めますが、都の見解を伺います。
 当事者団体の皆様や家族会の皆さんとお話をする中で、衛生環境やプライバシーへの配慮は、精神科病棟の中ではまだまだ大きな課題があると感じました。もちろん全ての精神科病院ではありません。
 都内には、都立松沢病院をはじめとした、精神障害者に対して適切な医療を提供し、衛生環境もよく、高い理念を掲げる病院がある一方で、そうではない病院があるのも事実です。
 そこで伺いますが、精神科病棟は、一般の病院と比べ衛生状態が劣悪な環境にあり、プライバシーに対しての配慮のない病棟も散見されると聞いています。指導監督責任のある都がこうした状況を改善すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 精神障害者の地域移行について伺ってまいります。
 厚労省は、二〇〇四年、長期入院を減少させるため、精神保健医療福祉の改革ビジョンを定め、入院中心から地域生活中心への転換を打ち出しました。
 改革ビジョンでは、長期入院者のうち、受入れ条件が整えば退院可能な者約七万人について、十年後の解消を図るとしていましたが、三十三万人が二十九万人に減少する微減にすぎませんでした。地域移行のための受皿がつくられていないことが大きな要因です。
 さらに、世界の精神科病床の約二〇%は日本にあるといわれています。諸外国では、人口当たりの精神病床数は減少しているものの、日本は、人口一千人当たりの病床数は二・五床と、OECDの諸外国と比較をしても突出しています。
 そこで、都においても精神障害者の地域移行を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、退院請求や処遇改善請求について伺います。
 令和二年度の実績を見ますと、退院請求は合計で二百十一件、そのうち退院を認められたのは二件であります。処遇改善請求では合計百四件、そのうち現在の処遇が不適当とされたのは四件であり、そもそもの仕組みが形骸化しているという専門家の指摘もございます。
 しかしながら、退院請求や処遇改善請求は入院をしている当事者にとっては重要な機能を果たします。
 ただ、これらの請求は、精神障害者にとってはハードルが高い現状があります。家族が不在であることや、家族の理解が得られないのであればなおさらです。
 退院請求や処遇改善請求などがスムーズに行えるためのサポートや窓口の開設など、都として取組を強化すべきと考えます。都の見解を伺います。
 次に、子育て施策について伺います。
 まず、子育て世帯への臨時特別給付についてです。
 都内は、住居費が高額であることなどに加え、基本的な生活費が高いため、都内の子育てにはお金がかかります。家計の金融行動に関する世論調査によると、年収一千万円を超える世帯であったとしても、預貯金を含めた金融資産ゼロ世帯は一〇%もいる実態があります。
 そうした中、昨年、子育て世帯への臨時特別給付が実施をされました。子育て世帯への臨時特別給付は、モデルケースによって異なりますが、年収九百六十万円以上の世帯は対象外となっています。
 しかし、子育て政策は社会全体でするもの、親の年収によって子供施策を決めてはいけないなど、所得制限を撤廃する自治体が多く見受けられました。
 ただ、所得制限を撤廃する自治体は、対象外となる世帯が少なく、都内をはじめとした都市圏は対象外となる世帯が多い現状です。都内の基礎自治体は、対象外となる世帯への給付は独自財源となることから、所得制限の撤廃に踏み込んでいない逆説的状況にあります。
 そこで、都として、子育て世帯への臨時特別給付の所得制限の対象外となる世帯への支援をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、児童手当の見直しがされました。本年十月以降、児童手当は児童を養育している者の年収が一千二百万円以上の世帯が不支給となります。国の枠組みであることは理解するものの、都として独自の取組が必要ではないでしょうか。
 都内の子育てや住居費は他自治体と比べ高額であることを考慮し、子育てを社会で支援する観点から、都として、児童手当の対象外となる世帯への支援をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 いうまでもなく、生活困窮世帯や生活に行き詰まった方々に対しての支援は重視すべきだと考えます。しかし、所得制限を超える制度の対象外となる世帯も、働き、納税し、何よりも必死に子育てをする都民の一人一人であります。繰り返しになりますが、都内は基本的な生活費が高いため、都内の子育てにはお金がかかります。
 家庭の状況にかかわらず、都内で生活する全ての子供を社会全体で育むことが必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、ゼロエミッションビークル、いわゆるZEVの普及について伺います。
 昨年十二月にトヨタは、二〇三〇年までに三十車種のEVを投入して、合計三百五十万台を販売することを発表し、国内に限らず、世界的に大きな衝撃を与えました。こうした動きもあり、EVをはじめとしたZEVの供給体制も大きく変わろうとしています。
 都では、ZEVの新車販売時における補助金があります。しかしながら、ZEVの新車購入費は負担が大きく、多くの都民にはまだまだ浸透しない価格帯であります。多くの都民にZEVに切り替えていただくためには、中古ZEVの普及施策も必要ではないかと考えています。
 ZEVは、中古車販売店などでは電池がどの程度劣化をしているのか把握する手段がなく、適切な価格がつけられないということが課題でありました。
 そうした中、フォード・モーターやデンソーなどの世界百社超の企業、団体が、電気自動車の電池を再利用する際の価値算定基準を共通化します。電池は、EVの原価の三割程度を占める最重要な部品であり、統一した取引基準ができれば中古市場が活性化をし、EVの買換えにも弾みがつきます。
 今後、東京都におきましても、ZEVの中古車市場について施策を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 販売体制を強化するとともに、ZEVに対応し得る環境整備はさらなる加速が必要です。
 都は、都内で新車販売される乗用車に占めるZEVの割合を二〇三〇に五〇%とする目標を掲げています。
 一方、二〇三〇年への目標を達成するためには、ZEVへの環境整備をしなければなりません。急速充電器は、都内では約三百二十基とまだまだ少なく、急速充電器の拡大が求められています。
 ZEV普及における急速充電器の重要性を踏まえ、さらなる拡充に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 既存の枠組みで急速充電器を増設していくことも重要でありますが、ZEVに対応するまちづくりを構築するためには、さらなる仕掛けが必要です。
 例えば、横浜市で二〇二一年に実証実験として、急速充電スタンド一基を横浜市内の県道脇に設置をしました。充電スタンドの利用状況によって車の流れが滞らないかなどを検証し、実用化の道筋を探っています。使い勝手がいいために、利用数も多いとのことです。欧米諸国のように公道上に充電スタンドが日本でも置けないのかを検証するいい実証例であると思います。
 また、東京大学の研究チームは、EVを走らせながら充電する仕組みを研究しています。こうした取組は、既にフィンランドやスペインなどでは公道上での実験が始まっており、研究チームは千葉県柏市で二〇二三年から実験を行い、実用化を目指しています。
 こうした観点からも、既存の手法に加え、新たな取組が求められています。急速充電器の取組の強化について、都の見解を伺います。
 以上をもちまして私の一般質問といたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 関口健太郎議員の一般質問にお答えをいたします。
 急速充電器のさらなる拡充についてのお尋ねでございます。
 ZEVの普及を加速していくには、短時間で充電可能な急速充電器をインフラとして基盤整備することが不可欠であります。
 このため、都は、都内の公共用急速充電器を二〇三〇年までに一千基整備する目標の実現に向け、導入及び維持管理に係る費用を補助いたしております。
 現在、自動車メーカーにおきましては、新たにEVを開発、販売する動きが活発になっておりまして、自動車ディーラー、商業施設などで幅広く急速充電器の導入支援のニーズが高まっております。
 来年度は、充電時間のさらなる短縮につながる超急速充電器を新たに補助対象とするとともに、急速充電器の補助件数を大幅に拡充してまいります。
 さらに、都自らの率先行動も加速しながら、ZEVの普及拡大に不可欠な基盤整備を強力に推進してまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長から答弁をいたします。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、入院中の精神障害者への身体疾患の医療についてであります。
 都は、精神科病院の入院患者が身体疾患を併発し、その病院で対応が困難な場合、精神症状を管理しながら身体治療を行う病院へ転院できる仕組みを構築しております。
 新型コロナウイルス感染症による院内感染が疑われる場合には、必要に応じて都立松沢病院の医師等が赴き、発生状況や転院の優先度等を調整し、速やかな入院調整につなげております。
 今後とも、入院中の精神障害者が、精神疾患と感染症の重症度等に応じた医療を受けられるよう取り組んでまいります。
 次に、精神科病棟の環境整備、衛生管理についてであります。
 都は、清掃マニュアルの整備や、複数患者が入院する病室のプライバシー保護などを記載した病院管理の手引を作成し、都内全ての病院に配布しております。
 また、医療法等に基づき、病院が適正な管理を行っているか定期的に立入検査を実施し、必要に応じて助言指導を行っており、今後とも、病院の適正な管理運営の確保に努めてまいります。
 次に、入院中の精神障害者の地域移行についてであります。
 東京都保健医療計画では、入院後一年時点での退院率の目標を九三%以上としており、都は、都内六つのブロックに地域移行コーディネーターを配置し、病院と地域の関係者との調整などを行っております。
 また、精神科病院に対して精神保健福祉士の配置を支援するとともに、入院患者の退院後の不安を軽減するため、グループホームを活用した体験宿泊なども実施しており、今後とも、精神障害者の地域移行を進めてまいります。
 次に、退院請求等についてでございます。
 精神科病院は、患者本人等が退院や処遇の改善を請求することができ、その窓口としては中部総合精神保健福祉センターであることなどを入院時に書面で伝えております。
 センターは、退院請求等の相談時に患者の状態や要望などを丁寧に聞き取り、弁護士等への相談を希望する場合には、連絡先や費用の助成制度を紹介しております。
 また、国の基準では、院内に人権擁護を担う法務局等の連絡先を掲示することとしておりまして、都では立入検査等で確認をしております。
 今後とも、患者の人権保護の取組を適切に行ってまいります。
 次に、子育て世帯への臨時特別給付金についてであります。
 国では、コロナ禍が長期化する中、子供たちを支援するため、年収等の一定の要件に該当する世帯を除き、子育て世帯へ子供一人当たり十万円を給付することとしております。
 なお、国は、給付金の対象外となる世帯への支援について、区市町村の判断で地方創生臨時交付金を活用することは可能としております。
 次に、児童手当でございます。
 児童手当は、児童手当法に基づく国の制度でありまして、支給対象範囲などは、国において議論すべきものと考えております。
 国は、今回の児童手当の見直しについて、総合的な少子化対策の一環として、子供、子育て支援の効果的な実施を図るために行うものとしていると聞いております。
 最後に、子供、子育て支援についてでございます。
 都では、第二期子供・子育て支援総合計画において、社会全体で子供と子育て家庭を支援するなどの理念を掲げ、福祉、保健、医療、雇用、教育など、様々な分野において多様な取組を推進しております。
 全ての子育て家庭が地域において安心して子育てできるよう、この計画に基づき、区市町村等と連携しながら、地域における切れ目ない支援の仕組みづくりや、子供の成長段階に応じた支援の充実など、様々な施策を展開してまいります。
   〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ZEVの普及と中古市場についてでございますが、都は、ZEVの購入費について、同等のガソリン車と実質負担の差がなくなるよう補助を実施し、普及を着実に進めてございます。
 現在、自動車メーカーにおきまして新たにZEVを開発、販売する動きが活発になる中、来年度は、比較的割安な軽自動車のZEVの販売も予定されてございまして、都は、補助事業の活用等によりZEVの新車販売を促進し、普及を加速してまいります。
 ZEVの新車販売の促進は、中古市場の活性化にも寄与し、ZEVのさらなる普及にもつながるという意味でも重要でございまして、都は、中古市場の動向も注視しながら、二〇三〇年乗用車新車販売一〇〇%非ガソリン化の目標実現に向け、取組を着実に進めてまいります。
 次に、急速充電器普及の取組強化についてでございますが、都はこれまで、自動車ディーラーや商業施設、マンション等に対し、施設管理者が原則負担なく充電設備を設置できるよう、導入に当たっての支援を実施し、普及を進めてまいりました。
 来年度からは、これまで補助対象外としてきた建物併設ではないコインパーキング等の駐車場も新たに補助対象とするとともに、都有施設への設置を加速するなど、普及を拡大してまいります。
 道路上の充電設備の設置につきましては、関係機関と連携しながら、課題の整理等、検討を進めていくこととしており、今後とも、充電設備の設置可能なスペースを最大限活用しながら、その導入を加速してまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 十八番かつまたさとし君
   〔十八番かつまたさとし君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○十八番(かつまたさとし君) 初めに、民間医療機関の特別療養環境室に係る費用、いわゆる差額ベッド代について質問いたします。
 入院患者と民間医療機関との間でよくトラブルになるのが、この差額ベッド代です。私は、病院勤務の経験から、前職の区議会議員の時代からこの問題に取り組んでまいりました。
 民間医療機関の差額ベッド代は、特別療養環境室に係る費用として、保険診療の対象外となっています。
 令和二年三月五日付の厚生労働省の通知は、この差額ベッド代料金を患者に求めてはいけない場合として、一、患者の書面による同意がない場合、二、治療上必要な場合、三、患者の選択によらない場合と定めており、差額ベッド代が発生しない部屋が空いていないからという理由で差額ベッド代を徴収してはならないことになっております。
 つまり、病院側は、常に差額ベッド代が発生しない病室と差額ベッド代が発生する病室の双方を用意して患者へ提示し、その選択は、患者自身、もしくはその家族に任せなければなりません。差額ベッド代の適用は医療機関側の都合によるのではなく、あくまでも患者側に選択権があるのです。
 しかし、現実にはその徹底が不十分であり、トラブルになるケースが多々あります。
 先日もある都民の方から、入院時に民間医療機関から、差額ベッド代が発生しない病室に空きがなく、空きが出たら移します、取りあえずベッド代が発生する部屋に入室してくださいとの説明を受け、いや応なしに特別療養環境室への入室希望書に署名したが、その後も部屋の移動はなく、退院時に高額の差額ベッド代を請求され驚いたとの相談を受けました。
 都の患者の声相談窓口での差額ベッド代の相談は多く、担当者によれば、令和二年度の実績で、様々な理由による医療費に関する相談件数が九百件で、そのうち差額ベッド代に関する相談が二百五十五件に上るとのことです。
 今後、私は、我が党の国会議員とも連携してこの問題に取り組む決意ですが、都としても、不適切な取扱いを繰り返す悪質な事例への対処を国に要望し、民間医療機関の差額ベッド代の仕組みを改めて都民へ周知すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、民生委員、児童委員の選任について質問します。
 民生委員、児童委員は、社会奉仕の尊き精神の下、地域住民の立場に立って、無報酬で助言や必要な支援を行う特別職の地方公務員であります。その尊き社会奉仕の精神に敬意を表します。
 私は、区議会議員時代に地元大田区の民生委員推薦会に出席しており、その際、同席していた町会長から、推薦に当たっての年齢制限を緩和するよう再三要望をいただきました。
 そこで、改めて先日、大田区の民生委員、児童委員の会長にお話を伺いましたところ、会長さんは、本人の意思の尊重と健康状態の確認を条件に、年齢制限を緩和すべきではとのご意見でした。
 民生委員の定員に対する充足率で一〇〇%を満たしている都内の自治体は、令和三年四月一日時点で、いまだ三市二町のみという現状です。
 ぜひこうしたご意見も参考に、健康で意欲もある方々への推薦を促進するべく、さらなる年齢要件等の緩和に向け検討を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 一方で、民生委員、児童委員の活動内容が都民に知られていないことが成り手不足の要因の一つと考えます。
 しかし、近年、ボランティアに携わりたいと考えている都民は増える傾向にあります。
 生活文化局の都民生活に関する世論調査によれば、東京をよりよくするために関わっていきたいと思う活動の調査で、町会、自治会活動とその他都内でのボランティア活動を希望する回答の割合は、合計で三六%にも上ります。
 都は、民生委員、児童委員の活動内容の周知において、特にボランティア意識が高いと思われる人々への広報を強め、民生委員、児童委員への関心を広げ、担い手の確保が進むよう取り組むべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、豪雨時の下水道の樋門操作について質問をいたします。
 近年、地球温暖化に伴う気候変動の影響により、集中豪雨や台風による自然災害が頻発をしております。
 令和元年東日本台風の際には、多摩川上流域において六百ミリを超える記録的な大雨となり、多摩川の田園調布(上)水位観測所などでは、多摩川の計画高を上回る水位となりました。
 この結果、多摩川沿いの自治体では、河川からの越水や多摩川の水位上昇に伴う多摩川への排水不良、樋門を閉鎖した地域での内水の停留、あるいは樋門を閉鎖できなかった地域での多摩川の逆流など、様々な要因に基づき、多くの浸水被害が発生をいたしました。
 大田区は嵐の中、排水ポンプ車を現地に向かわせ、樋門の閉鎖により行き場を失った雨水の排水に努めました。しかし、多摩川が避難水位に達し、やむを得ず、職員の人命保護の観点から排水作業を中止し、撤退をいたしました。
 当日の降雨は、都の雨水の整備水準を大きく上回るものでした。こうした想定を超える雨水にあっても、安全かつ適切に樋門の操作ができるように改善するなど、より一層、浸水被害の軽減を図ることが重要です。
 このため、都が持つ知見を生かし、樋門操作に際しての安全対策の強化など、様々な手法での豪雨対策の強化を図るべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、JR、東急蒲田駅と京急蒲田駅をつなぐ新空港線の整備について質問をいたします。
 昨年十一月に、森記念財団の都市戦略研究所が発表した世界の都市総合力ランキングにおいて、東京はロンドン、ニューヨークに次いで総合で三位でしたが、交通アクセス分野では五位にとどまっています。国際競争力の観点からも交通基盤の強化が必要であり、羽田空港へのアクセスの改善が不可欠であります。
 この改善策の一つが新空港線の整備であり、国も、国際競争力の強化に資する都市鉄道として位置づけ、平成二十八年の国の交通政策審議会答申百九十八号では、ほかの路線とともに、優先的に検討を進めるべき六路線に位置づけています。
 しかし、その後、新たに二つの新線整備の計画が公表され、新空港線整備の優位性が薄らぐのではとの懸念の声も聞かれています。
 そこでまず、改めて優先六路線の一つである新空港線整備に向けた知事の見解を求めます。
 私の地元大田区が整備に向けて長年取り組んでいる新空港線は、JR、東急蒲田駅と京急蒲田駅の間の僅か八百メートルを鉄道新線の整備で結ぼうとするものであります。
 この鉄道ネットワーク上のミッシングリンクの解消を図る新空港線には、さらなる機能強化が見込まれている羽田空港へのアクセスの利便性の向上はもとより、既存路線との相互直通運転により、首都圏における広域交通ネットワークの一翼を担う役割も期待されています。コロナで落ち込んだ東京の経済の回復のためにも、早い整備が求められています。
 鉄道整備の効果は、立地する自治体にとどまらず、広域に及ぶものです。新空港線についても、広域自治体である都がしっかりと責任を持って進めていく必要があります。
 そこでまず、都は、国の答申での位置づけや他路線での事例なども踏まえ、新空港線整備事業を広域事業として応分の負担に取り組み、広域自治体としての責務を果たすべきと考えますが、都の見解を求めます。
 平成二十八年の答申百九十八号から既に六年が経過をしております。新線の整備を待ち望む地元関係者からは、進展の成果が現れてこないことに対するいら立ちや心配の声も聞かれ始めています。
 現在、都と区の間で行われている協議では、費用負担割合についての都区間の合意がなされておらず、そのために事業化に向けた具体的な準備に取りかかることができません。
 都は、広域自治体としての立場に立って、区との負担割合などの様々な課題の解決に向け積極的に調整に臨み、今年度を目途に、早期に都区間の合意に結びつけるべきです。見解を求めます。
 大田区は、新空港線整備の機会を捉えたまちづくりを予定しています。JR蒲田駅周辺での魅力あるまちづくりや災害に強いまちづくりを実現するため、多くのまちづくりで都市計画的手法を駆使し、実現に結びつけてきた都による区への技術的助言が求められています。
 都区間の合意の暁には、この新空港線事業とその周辺まちづくりを広域に効果が及ぶ事業として都市計画事業に位置づけ、都市計画交付金の対象とすることを強く要望し、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) かつまたさとし議員の一般質問にお答えいたします。
 新空港線についてのお尋ねがございました。
 国際都市東京の玄関口としての羽田空港の機能を最大限に発揮させるためには、鉄道によるアクセスの充実を図ることが重要であります。
 新空港線は、国の答申において、空港アクセスの向上に資するプロジェクトの一つとして示されております。一方で、関係者間で費用負担の在り方などについて合意形成を進めるべきとの課題も示されております。
 このため、都と大田区では、本路線に関する協議の場を開催し、まちづくりの要素等も加味いたしまして事業プランの検討を行っており、その結果を基に、都と区の負担等に関する協議を行ってまいります。
 できる限り早期に協議が調うよう、区と連携して取り組んでまいります。
 その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、新空港線に係る都区負担についてでございます。
 国の交通政策審議会の答申におきましては、本路線につきまして、東急東横線等との相互直通運転を通じて、国際競争力強化の拠点である新宿や、東京都北西部等と羽田空港とのアクセス利便性が向上するとの効果が示されております。
 一方、空港アクセスの向上に資するプロジェクトとして、本路線のほか、羽田空港アクセス線などのプロジェクトも示されております。
 都といたしましては、答申に示された広域的な空港アクセスの向上に資するとの観点などを踏まえつつ、羽田空港アクセス線の整備による本路線の需要などへの影響も考慮しながら、都区負担に関する協議を行っていく考えでございます。
 次に、新空港線に係る協議についてでございます。
 本路線につきましては、国の答申におきまして、関係者間で費用負担の在り方等について合意形成を進めるべきとの課題が示されております。
 まちづくりの需要等も加味して事業プランを検討し、その結果を基に、都区負担等に関する協議を進めるため、都は、大田区と本路線に関する協議の場を開催しております。
 これまで、蒲田駅周辺のまちづくりとの整合を図りながら、乗換利便性の向上等につきまして検討を進めてきており、引き続き、需要予測及び収支採算性等の精査や都区負担の考え方の整理を行ってまいります。
 できる限り早期に協議が調うよう、区と連携して取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、病院の特別療養環境室、いわゆる特別室の料金です。
 国の通知では、同意書による同意がない場合、患者本人の治療上の必要により入室させる場合、病棟管理の必要性等から特別室に入室させた場合等は、料金を求めてはならないとされております。
 都は、こうした情報を患者の声相談窓口のホームページに掲載し、都民へ周知するとともに、都内病院に対しても情報提供しております。
 また、相談窓口で対応した相談、苦情等のうち、不適切な事例が認められた場合には、厚生労働省へ情報提供し改善につなげるなど、引き続き適切な医療提供体制の確保に努めてまいります。
 次に、民生児童委員の年齢要件についてであります。
 民生児童委員は、都道府県の推薦により、国が委嘱するものであり、国の通知では七十五歳未満の者を選任するよう努めることとされております。
 都は、これを踏まえ、東京都民生児童委員連合会等と協議して、推薦の際の年齢要件を定めておりまして、一定期間の活動が可能となるよう、令和元年度から新任は原則として六十七歳未満、再任は七十五歳未満としております。
 これまでも、充足率等の状況により、年齢要件を適宜見直しており、本年十二月の一斉改選後の充足率も踏まえまして、年齢要件等について関係機関と検討してまいります。
 最後に、民生児童委員の普及啓発についてであります。
 民生児童委員の活動促進や担い手の確保に向けては、地域住民や関係機関等に制度や活動内容を広く周知することが重要であります。
 都はこれまでも、五月の民生児童委員活動強化週間において、パネル展の開催や民生児童委員によるパレードを実施するなど、東京都民生児童委員連合会等と連携しながら、広く都民への普及啓発に努めてまいりました。
 また、今月からSNSを活用し、若い世代に活動内容を紹介する取組を実施しております。
 引き続き、関係機関等と連携いたしまして、効果的な普及啓発に努めてまいります。
   〔下水道局長神山守君登壇〕

○下水道局長(神山守君) 豪雨時における下水道の樋門操作についてでございますが、下水道局では、樋門操作時の安全を確保するため、堤防から河川に張り出した操作盤につながる通路の転落防止柵のかさ上げや、堤防の宅地側からでも操作ができるよう遠隔化を実施いたしました。
 また、多摩川の水位や樋門の開閉状況などの情報を地元区などと速やかに共有するため、情報伝達ルートや共有方法を定めることに加え、樋門の操作を委託している大田区や世田谷区と昨年度から年に一回、合同で操作訓練や情報連絡訓練を実施しているところでございます。
 今後も、より安全性の高い樋門の操作方法などを含め、関係機関と連携いたしまして対策の検討を進め、都民の安全・安心な暮らしに貢献してまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時十八分休憩

   午後六時四十分開議
○議長(三宅しげき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十九番鈴木錦治君
   〔八十九番鈴木錦治君登壇〕

○八十九番(鈴木錦治君) 東日本大震災から間もなく十一年になります。十一年前、都内で約三百五十二万人という多数の帰宅困難者や、交通機関の停止や道路渋滞が発生しました。
 都は、東日本大震災以降、帰宅困難者対策条例を制定し、一斉帰宅抑制を都民、事業者に呼びかけるとともに、民間の協力も得て、一時滞在施設を確保してきました。
 一方、近い将来高い確率で発生するといわれている首都直下地震に備えるためには、自助、共助、公助による社会全体での取組をさらに加速させていかなければなりません。とりわけ、都内に約八百万人の就業者を抱える企業等の協力は、帰宅困難者対策の実効性を確保するために不可欠です。
 そこで、帰宅困難者対策を一層推進していくため、都内の企業等と連携をさらに強化していくことが必要と考えますが、小池知事の見解を伺います。
 昨年七月に静岡県熱海市で発生した土砂災害は、記憶に新しいところです。東京都内においても、平成二十五年に大島町で大規模な土砂災害が発生し、昨年七月には奥多摩町で土砂崩れにより道路の一部が通行止めになるなど被害が発生しました。
 そこで、近年激甚化する風水害に伴い、発生が危惧される土砂災害に備え万全を期すべきと考えますが、東京消防庁の取組について伺います。
 昨年の東京パラリンピックでは、コロナ禍という困難な状況にあっても、世界のアスリートが東京を舞台に最高のパフォーマンスを発揮し、パラリンピアンが示すスポーツの可能性に都民、国民はとても感動しました。
 私自身もパラリンピアンから勇気をもらいましたが、障害のある選手が活躍する姿を見て、自分もスポーツをやってみようと思った人も多いと思います。
 都は、このたび、味の素スタジアム内にパラスポーツトレーニングセンターを整備することを発表しました。パラスポーツの場として都がこの施設を整備することは、東京二〇二〇大会後のパラスポーツの振興に向けた力強いメッセージになります。
 本施設を、アスリートをはじめ多くの方がパラスポーツに取り組み、楽しむことのできるパラスポーツの中心的な施設とすることが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 高齢者や障害のある方々をはじめ、誰もが優しさを感じられるまちづくりに向け、さらなるバリアフリー化を進めていくことが重要です。駅や病院がそれぞれバリアフリー化されているだけではなく、それをつなぐ道路を含め、途切れることなくバリアフリー化されている必要があります。そのためには、個々の管理者がそれぞれに計画するのではなく、駅などを中心に周辺地域が一体となった大枠の方針を区市町村が示し、それを基に計画が遂行されていくことが重要です。
 区市町村は、移動等円滑化促進方針とバリアフリー基本構想を策定するように努めるとされ、それぞれ、移動等円滑化促進方針は二区、バリアフリー基本構想は三十区市が策定済みですが、多摩地域をはじめ、計画のない区市が多く残されています。東京二〇二〇大会の開催を契機に、競技会場などの周辺で進められた、まちのバリアフリー化を都内全域に広げていくべきです。
 そこで、面的なバリアフリー化について、区市町村の計画策定の促進に向けた都の取組を伺います。
 コロナ禍での様々な制約が、身近な地域の魅力や環境保全の大切さを見直すきっかけになっています。私たちは、自分たちが住んでいるまちの史跡や歴史について意外と知らないことも多く、実は他の地域の方々から見れば大変貴重で興味深いということもたくさんあります。
 とりわけ、東京の未来を担う子供たちが自分たちの住んでいる地域の魅力を知ることは大変重要です。人がまちをつくり、そのまちが人を育て人を呼ぶ、こうした好循環を生むことが地域の観光やまちのにぎわいが続いていくものと考えます。
 都は、こうした観光にとって重要な地域の環境や文化などに配慮した観光振興について、今後どのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 東京の農業では、多くの生産者は、農協が運営する共同直売所や生産者の庭先で農産物を販売するほか、地元のスーパーや小売店に直接出荷しており、生産者の顔が見える安全・安心で新鮮な野菜が購入できると都民に大変好評です。一方で、東京産農産物は多種多様であるために、まだまだ知られていないものも多く、東京産の農産物をイメージすることが難しいとの声も耳にします。
 東京産の農産物をより多くの消費者にPRし、認知度を上げることは、年々減少している生産者や後継者の営農意欲を高め、希望が持てる農業経営の継続につながるものと考えます。
 そこで、東京の農産物の魅力をなお一層発信し、消費拡大につなげていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 コロナ禍の影響により、東京のファッション産業は厳しい経営環境に置かれ、その状況を改善するためには、優れたデザイナーを育成し、魅力的なブランドを世の中に普及させていくことが重要です。
 私の地元の高校では、学園祭でファッションショーが開催され、とてもすてきな衣装が披露されています。また、私と同様に義足、また義手の方たちによる切断のヴィーナスファッションショーも開催されています。
 そこで、都は、来年度より若手デザイナーや学生を対象に、デザインコンクールなどの支援を通じて成果を発信する取組を行うこととしていますが、ファッション産業の未来を担う人材の裾野拡大が期待でき、大変意義深いものであると考えます。この事業の具体的な取組について伺います。
 今年の秋、八王子市に開業予定の東京たま未来メッセは、見本市などのイベントを通じ、多摩の地域活性化の効果が期待されています。都は、先端技術を有する企業や研究機関などが集積する多摩地域を多摩イノベーション交流ゾーンと位置づけていますが、東京たま未来メッセの開業を契機に、様々なアイデアや意欲を持つ多摩地域の民間企業や自治体、さらに隣接県を含め、積極的に活用できるよう都が後押しをしていくべきと考えます。
 また、産業技術研究センターや中小企業振興公社などと連携を図り、多摩地域のイノベーション創出に、東京たま未来メッセをどのように活用していくのか、都の見解を伺います。
 都が管理する流域下水道と市町村が管理する公共下水道が一体となって下水道の普及を推進したことや、流域下水道が高度処理をいち早く導入した努力のたまもので、水環境が大幅に改善されました。しかしながら、下水処理の過程では多くのエネルギーを使用し、温室効果ガスを排出しています。
 現在、都では、ゼロエミッション東京を実現するため脱炭素化の取組を推進しており、下水道局も地球温暖化防止に対する大きな責任があります。
 多摩地域の水環境を支えてきた流域下水道は、事業開始から五十年が経過し、設備の老朽化が進行しており、更新の機会を捉えて、水再生センターの地球温暖化対策に積極的に対応することが必要であると考えます。
 そこで、流域下水道における地球温暖化対策の取組について伺います。
 私の地元府中市にある多摩メディカルキャンパスには、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、神経病院があり、多摩地域における医療拠点としての役割を発揮してきました。今回のコロナ対応でも、患者を積極的に受け入れていただいております。
 都は、今年七月の設立を目指し独法化の準備を進めていますが、独法化によって医療機能を強化し、さらに多摩地域の医療の質の向上が図られることを期待しています。
 加えて、多摩メディカルキャンパスの医療機能のさらなる強化を図るため、老朽化している神経病院の改築等、キャンパスの整備計画を進めており、本整備に対する都民の期待も非常に高く、大変注目されているところでもあります。
 こうした中、現場の先生方、医者の方々からは、独法化により、働きやすくなる、医療がやりやすくなるとの声を聞いています。
 現場の医療人材にとって働きがいのある勤務環境を整備し、必要な人材を安定的に確保することで医療の充実につなげていくことが重要であると考えます。
 先日の我が党の代表質問に対し、知事から、独法化後は専門人材を安定的、確実に確保する旨の答弁をいただきました。独法化後の医療機能強化に向けた人材の確保について、都の考えを伺います。
 また、多摩キャンパスの中でも、多摩総合医療センターは、多摩地域の中核病院として、救急医療や周産期医療、がん医療など高度専門的医療を提供しており、多摩地域の都民にとってはなくてはならない存在であります。
 独法化によって多摩総合医療センターの医療機能をさらに強化していくべきですが、都の考えを伺います。
 そして、多摩メディカルキャンパスの整備計画については、工期が長期にわたり、最終整備完了時期は令和十年度の予定と伺っています。
 都は、独法化後、この整備事業を着実に進めていくことが重要と考えますが、都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 鈴木錦治議員の一般質問にお答えいたします。
 帰宅困難者対策の推進についてのお尋ねがございました。
 多くの企業などが集まる東京におきまして、首都直下地震など大規模災害から都民の命、財産を守るためには、企業等との連携を一層強め、災害対応の実効性を高める必要がございます。
 このため、企業などにおきまして、都との連絡窓口となり、災害対策の旗振り役ともなる防災リーダー制度を新たに創設することといたしました。
 このつながりを生かし、発災時には、一斉帰宅抑制の呼びかけや出勤抑制などを都から直接伝えるとともに、平時には、従業員用の備蓄確保や防災訓練の実施などを促すことで、企業等の防災対策を強力に後押しをしてまいります。
 加えまして、来年度から、東京商工会議所と連携しまして研修を実施することで、企業等における防災人材の育成を積極的にサポートしてまいります。
 こうした取組によりまして、企業等との連携強化をさらに進め、帰宅困難者対策の実効性を向上させてまいります。
 残余のご質問は、東京都技監及び関係局長からご答弁申し上げます。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) まちの面的なバリアフリー化についてでございます。
 まち中における移動等の円滑化を図るためには、区市町村によるバリアフリー基本構想等のさらなる計画策定を促していく必要がございます。
 このため、都は、区市町村に対しまして、計画策定経費の補助などの支援を行っておりまして、これまで三十区市が基本構想等を策定済みでございます。
 令和四年度は、補助による支援に加え、新たに地理情報システムを活用し、駅や病院などの生活関連施設等の集積度を見える化いたしまして、面的なバリアフリー化の必要性を示すことによりまして、さらなる積極的な計画策定を働きかけてまいります。
 これらにより、誰もが移動しやすいユニバーサルデザインのまちづくりの都内全域への展開を図ってまいります。
   〔消防総監清水洋文君登壇〕

○消防総監(清水洋文君) 土砂災害に対する取組についてでございますが、平成二十五年の大島町の災害では、多量の流木や流出した家屋に救助活動が阻まれたことから、土砂災害用のチェーンソーや小型ショベルカー等を新たに整備するとともに、令和元年度には、激甚化する風水害に迅速的確に対応するため、エアボートなどを備えた即応対処部隊を創設し、救出救助体制を強化したところでございます。
 さらに、昨年発生した熱海市の災害には、この即応対処部隊を中心とした緊急消防援助隊を派遣し、効果的な活動が展開された一方で、水分を多量に含んだ土砂の排出に時間を要する等の課題が顕在化したことから、土砂吸引車などの新たな車両や資器材の導入を予定しております。
 今後とも、各種災害活動の知見を踏まえ、消防活動体制のさらなる充実を図ってまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長延與桂君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(延與桂君) パラスポーツトレーニングセンターについてでございますが、東京二〇二〇大会で自らの限界に挑戦し活躍したパラアスリートの姿は、障害のある方を含め、都民のパラスポーツへの関心を高めるなど大きな影響を与えました。
 都は、パラリンピックのレガシーとして、大会後もパラアスリートがますます活躍できるようパラスポーツトレーニングセンターを整備し、東京から世界を目指す選手の競技力向上を後押ししてまいります。
 これに加えまして、競技体験など、障害のある方もない方も多くの方がパラスポーツに親しむことができる普及振興の場としても活用してまいります。
 本施設を東京におけるパラスポーツ振興の拠点の一つとし、競技団体等とも連携しながら、パラスポーツのさらなる発展につなげてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、環境や文化などに配慮した観光振興についてでございますが、東京の観光振興を図る上で、地域の文化や環境に対する都民や事業者の意識を高め、これらを守りながら観光資源として活用することが重要でございます。
 このため、都は来年度、新たに小中高生を対象として地域の文化やリサイクルの仕組みなどを学ぶモニターツアーを実施するとともに、こうした取組を都内に広げていくためのマニュアルを作成いたします。
 また、多摩・島しょ地域では、事業者や観光協会等が、電気自動車の活用など環境に配慮したツアーや、豊かな自然を生かし林業体験などのできる旅行ルートの開発に取り組む経費への助成を行い、その情報発信の支援を行います。
 こうした持続可能な観光を都民や地域の関係者とも連携しながら、着実に推進してまいります。
 次に、東京産農産物の魅力発信についてですが、都民に東京産農産物の魅力や価値を広く発信し、積極的な購入につなげていくことは、東京の農業が持続可能な産業として発展するために効果的な取組でございます。
 このため、都は、東京産農産物を使用したメニューを提供する飲食店をグルメサイトの特集ページで紹介しております。また、東京産の野菜や果物の認知度を高めるため、地下鉄の車内でPR動画を放映し、特設サイトで販売店舗等の宣伝も行っているところでございます。
 さらに、来年度は、消費者の興味や関心を喚起し購買意欲を一層高めるため、農産物が持つ多彩な魅力を伝える番組をシリーズで制作するとともに、インフルエンサーも活用し、SNSなど複数のメディアを組み合せ、より効果的に情報を発信いたします。
 これらによりまして、東京農業の持続的な発展を図ってまいります。
 次に、学生デザイナーの支援についてですが、ファッションやアパレルの産業の持続的な発展のためには、優れたデザイナーを学生の段階から発掘し、世界にも通用する人材として育て上げていく支援が重要でございます。
 このため、都は来年度より、学生を対象とするデザインコンクールを実施いたします。著名な審査員を招いて、着物の活用や障害者用デザインなど三つの部門でコンクールを行い、優秀と評価された学生には、商品化の機会やファッションショーによる発表の場を提供いたします。また、作品の制作や審査のほか、ファッションショーの模様を幅広く動画で紹介いたします。さらに、将来のビジネス展開に必要なマーケティング等の知識を習得し、起業もできる支援を行います。
 こうした取組を通じて、若手デザイナーを育成し、ファッションとアパレルの産業の成長につなげてまいります。
 最後に、多摩地域の産業振興についてですが、中小企業が都県域を越えて交流し、イノベーションを生み出すためには、様々な種類の学術的な会議やイベントを東京たま未来メッセで開催することが効果的でございます。
 このため、都では、同メッセに専門人材を配置し、隣接県や地元市等を含めた産学公のネットワークを構築した上で、この施設で開催する様々なエリアの中小企業等が参加する交流会やイベントの実施をサポートしてまいります。
 また、都は、産業技術研究センター等と連携し、多摩地域のイノベーション創出に向けた基盤づくりを進めており、今後、同メッセも活用して多様な主体による交流を促し、新たな製品等を生み出す後押しをしてまいります。
 こうした取組によりまして、多摩地域のポテンシャルを生かした新たなビジネスの創出につなげてまいります。
   〔下水道局長神山守君登壇〕

○下水道局長(神山守君) 流域下水道における地球温暖化対策についてでございますが、流域下水道の水再生センターでは、これまで設備の再構築時期を捉えまして、水処理に必要な空気を効率的に送り電力使用量を削減できる微細気泡散気装置など省エネルギー設備を整備してまいりました。また、太陽光発電設備などの再生可能エネルギーの導入にも取り組んでまいりました。
 今後、多くの温室効果ガスを排出する汚泥焼却炉が更新時期を迎えるため、北多摩一号水再生センターなどに、汚泥焼却時の燃焼温度を従来の焼却炉に比べて高温化することで、温室効果が大きい一酸化二窒素の発生を大幅に削減できる省エネルギー型焼却炉の整備を進めてまいります。
 こうした取組を推進いたしまして、多摩地域の良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献してまいります。
   〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、独法化後の人材の確保についてでありますが、高齢化の進展や医療の高度化などに伴い変化する医療ニーズに的確に対応し、行政的医療などを充実強化していくためには、必要な人材を機動的かつ安定的に確保していくことが重要でございます。このため、地方公務員法等に縛られない法人独自の制度を構築し、専門人材が働きやすく、能力を最大限に発揮できる環境を整備いたします。
 具体的には、育児、介護と仕事との両立や自己研さんに取り組みやすい勤務形態など、働き手のライフスタイルやニーズに応じた柔軟な制度を構築するほか、採用困難性や専門性に着目した手当などを創設いたします。
 こうした制度づくりにより、医療人材を確実に確保することで、都民の医療ニーズに着実に応えてまいります。
 次に、多摩総合医療センターの医療機能についてでございますが、多摩総合医療センターでは、地域がん診療連携拠点病院として、高齢化の進展に伴って増加するがん患者への対応力強化が課題となっており、早期の診断、治療等に向けて、内視鏡検査や手術などの待ち日数の短縮、治療の低侵襲化を進めていく必要がございます。
 現在、内視鏡室の増設を進めており、独法化後は、そのメリットを生かし、病院現場の事情に合わせた働きやすい環境を整備することで、医師や看護師等を安定的に確保して、がん医療体制の強化を図ってまいります。
 こうした取組により、地域の医療ニーズに的確に対応し、多摩地域の中核病院としての役割を着実に果たしてまいります。
 最後に、多摩メディカルキャンパスの整備についてでありますが、医療を取り巻く環境の急速な変化に的確に対応するため、多摩地域の医療拠点としてキャンパス機能のさらなる充実強化を図っていく必要がございます。
 現在、本整備事業をPFI手法で進めており、先週、入札により事業者を決定いたしました。
 今後、本年四月に事業者とPFI事業の契約締結後、速やかに基本設計に着手し、独法化に伴い東京都立病院機構へ引き継いでまいります。
 本事業は、新法人が達成すべき中期目標に盛り込んでおり、また、整備費については、都が法人に貸し付ける予定となっております。
 こうしたスキームにより、多摩メディカルキャンパスを着実に整備することで、多摩地域での質の高い医療提供を実現し、都民の期待に応えてまいります。

○議長(三宅しげき君) 二十八番保坂まさひろ君
   〔二十八番保坂まさひろ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○二十八番(保坂まさひろ君) 初めに、新型コロナウイルス感染拡大防止対策について伺います。
 オミクロン株の感染力はこれまで以上に強く、特に家族感染の拡大で十二歳以下の子供の感染率も高いため、小学校では学級閉鎖などが頻発しています。
 二人の息子がいる私も実際、先月末、濃厚接触者となり、二日後に発熱、PCR検査で陽性となりました。家庭内の一室で自主隔離となり、共有スペースは家族への感染リスクが高いので、トイレ以外一切部屋から出ませんでした。
 家族のためにも一刻も早く療養施設に入らなければならないと思い、保健所の連絡を待たず、都の宿泊療養窓口に連絡し、発症から五日目にようやく入所ができました。同居する両親、家族全員も感染することなく、事なきを得ることができました。
 一日でも早く、確実な隔離環境となる宿泊施設で安心して療養されることの大切さを身をもって申し上げます。
 また、私の地元台東区でも、PCR検査無料検査所の運営や、都の宿泊療養施設も、先月一か所、今月も二か所目の増設と、ご協力に感謝を申し上げます。
 先日の報道では、都の申込み窓口には一日に一千件を超える申込みがあるとのことです。
 そこで、感染リスクが最も高い家庭内、同居世帯での感染を食い止め、大切な家族や同居者を守るためにも、より多くの方が療養施設を早期に利用できるよう、入所調整などの体制を整備すべきと考えますが、現在の取組状況を含め、都の見解を伺います。
 続いて、たばこ受動喫煙防止対策について伺います。
 二〇二〇年四月一日の東京都受動喫煙防止条例の全面施行に向けて、私は、これまで議会の中で、屋外での喫煙者が増加することによる喫煙環境の整備が課題であることを指摘し、その対策を実施する区市町村への支援を強く求めてきました。
 その求めに応じて、都は、屋内外における公衆喫煙所の整備をはじめとして、区市町村が実施する地域の実情に応じた受動喫煙防止対策に要する経費の補助を予算化していただき、これまでに都内で約二百九十か所が整備されたことは評価しています。
 しかしながら、改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が全面施行して約二年が経過し、東京二〇二〇大会が終了したことで、都のこうした補助事業は令和三年度をもって終了予定となっております。
 そこで、都はこれまで、全面施行や東京二〇二〇大会開催に向け、都民の命と健康を守るため、受動喫煙防止条例を制定するなど積極的に対策を講じてきましたが、引き続き受動喫煙防止対策にしっかりと取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、路上喫煙対策について伺います。
 都条例制定以降、特に都心部では路上喫煙が目立ち、自治体はその対策に苦慮しています。
 例えば、この議会棟前の歩道でも路上喫煙者が増加したことで、我が会派でも、道路管理者の東京都建設局、地元新宿区と連携して、近隣のオフィスビル管理者やテナント事業者にも協力を呼びかけ、さらに、新宿区の喫煙マナー監視員を配置してもらうなど対策を講じてきました。
 屋外での公衆喫煙所の整備状況を見ると、整備には、財政面以外に地域のご理解をいただくことが大変難しく、場所の選定に大変な時間と労力を要していると各自治体担当者らから聞いております。
 都の喫煙所整備の補助事業は、二〇二一年七月の東京二〇二〇大会開会式前日までに整備完了を条件として実施されましたが、さきに述べた理由で、計画実行に間に合わなかった自治体は少なくありません。
 そこで、都としても、引き続き公衆喫煙所の整備に取り組む区市町村を支援すべきと考えますが、その際、区市町村が計画的に整備が進められるよう、複数年にわたって財政的支援を行うべきとも考えますが、見解を伺います。
 さらに、都内の飲食店などでの受動喫煙防止対策については、都の実態調査によると、ある程度は取組が進んでいるとのことですが、依然、一部の飲食店においては、不適切な喫煙所の運用など、法や条例を逸脱した事例も散見されます。
 そこで、法や条例を遵守できない事業者に対する指導助言などを行う保健所を都として支援し、受動喫煙対策の徹底を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 続いて、上野動物園を中心とした周辺地域のにぎわいの創出について伺います。
 私の地元上野地区は、古くから上野の山といわれ、多くの方から親しまれてきました。
 今日では、日本を代表する博物館、美術館や大学が集積するほか、アメ横をはじめとした活気ある商業エリアが形成されるなど、上野の森と上野のまちが一体となり、多くの文化、芸術、産業、観光資源を誇っています。
 その中心にある上野動物園は、日本を代表する動物園として人気を博しており、特に自然繁殖第一号となったパンダのシャンシャンは本年六月末までに返還されますが、シャオシャオとレイレイというかわいい双子が今後公開されれば、より多くの方々に愛されていくことと思います。
 こうした個性豊かで魅力ある上野地区が発展していくことは、地元のみならず、東京全体にとって大変重要です。
 新しい日常の下、上野地区の魅力を高め、さらに活性化していくため、動物園を含む上野の森をにぎわいの拠点として、バーチャルなデジタル空間なども活用し、国内外の遠方の方々にも上野のまちの魅力を紹介するなど、さらに地域を発展させていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 続いて、二〇一九年十月末から運休している上野動物園のモノレールについて伺います。
 約六十年前、日本で最初に開業したモノレールは、年間約百万人もの利用がある人気の乗り物であり、都民や地元の関心も非常に高く、存続を望む多くの声が今も私に寄せられています。
 そうした声に対して、都は、モノレール存続を含めた在り方の検討をするため、都民へのアンケート調査やモノレール事業検討の委託も実施してきました。それによると、代替の乗り物の候補である小型モノレールへの期待が最も高いと聞いています。
 一八八三年開園以来、約百四十年という歴史ある上野動物園は、現在、次の時代へ向かって、子ども動物園すてっぷ、弁天ゲート、さるやまキッチン、パンダのもり、正面ゲートなど、整備が順次進んでおります。
 人気の高い小型モノレールの実現には、工事費、運営費、維持管理費など課題は多いかと思いますが、ぜひモノレールがある動物園として、子供たちに夢を与え続ける動物園であってほしいと願っています。
 そこで、都は、小型モノレールなどの代替となる新たな乗り物の整備に向けて積極的に検討を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都市型スポーツ、アーバンスポーツについて伺います。
 都民ニーズが高いスケートボード利用などに対応するため、都立公園に広場を積極的に整備すべきと、さきの我が会派からの代表質問に対して、建設局から、場所の調査や内容を検討していくとの答弁がありました。既にニーズが高まっている上野公園での整備も求めておきます。
 場所の確保と併せて、東京二〇二〇大会を通じて高まったスケートボードを含むアーバンスポーツへの関心を今後につなげていくことも大変重要です。
 千葉県千葉市は、世界最大のアーバンスポーツを中心にしたアトラクションゲームの祭典を手がけるエックスゲームズ、同日本組織委員会とパートナーシップを組んで、この春、日本初となる、スケートボード、BMX、モトエックス競技を中心とするエックスゲームズ千葉二〇二二が予定されるなど、近隣自治体も積極的に取り組んでおります。アーバンスポーツの大会イベントに観光的な要素も取り入れて、普及拡大を図る取組にも注目されております。
 都では、東京二〇二〇大会時の有明アーバンスポーツパークを活用し、今後、本格的なスケートボードなどの施設を整備されますが、関心はあってもやったことがない人も多いのではないでしょうか。だからこそ、より身近な地域でスケートボードなどのアーバンスポーツを見たり、気軽に体験できる機会を増やしていくべきではないかと考えます。
 そこで、アーバンスポーツの体験イベントなど、区市町村がこれから行う様々な取組に対しても、都として積極的に支援を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、区市町村の支援と併せて、都の事業においてもアーバンスポーツの普及拡大に努めていくべきとも考えますが、今後の都の取組を含め、見解を伺います。
 アーバンスポーツは、ファッション性も含めて若者世代の支持が厚く、若者のスポーツ離れに歯止めをかけることにもつながりますので、今後、都民体育大会などの大会でも取り上げるなど積極的な取組を求めておきます。
 最後に、都心部・臨海地域地下鉄構想について伺います。
 私はこれまで、東京の国際競争力強化に資するベイエリアの開発、築地まちづくりを推進する立場として、その方針に盛り込まれている都心部・臨海地域地下鉄構想実現に向けて、その要となる常磐新線、つくばエクスプレスの秋葉原駅から東京駅への延伸による相乗効果について質疑をしてきました。
 臨海地下鉄は、平成二十八年の国の交通政策審議会答申第百九十八号を経て、その後、臨海部における大規模で多様な開発計画の進展などを踏まえ、昨年七月の国の交通政策審議会答申第三百七十一号で、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきという方向性が提示されました。
 それを受けて、都は、昨年九月に構想の具体化を加速するための事業計画検討会を立ち上げて、事業の計画を、今検討を進めています。
 そこで、臨海地下鉄について、今後は、審議会での議論も踏まえ、国や地元中央区、関係団体などと連携して、事業計画の検討を進めるなど、都が主体となり、これまで以上に構想の具体化を加速していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 さらに、答申第百九十八号では、この臨海地下鉄の事業性の確保のためにも、つくばエクスプレスの東京駅への延伸との接続について、検討が行われることが期待されています。
 また、答申第三百七十一号においても、つくばエクスプレスの東京駅への延伸との接続も含め、臨海地下鉄の検討の深度化を図るべきとされています。
 これについては、地元台東区でも、これまで同線を誘致してきた立場として、浅草駅、新御徒町駅周辺が中心に大きな期待をしており、私も推進運動に参加しています。
 そこで、つくばエクスプレスの東京駅への延伸について、沿線自治体ともしっかり連携して、実現に向けての準備を進めていくべきと考えますが、都の見解を求め、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 保坂まさひろ議員の一般質問にお答えいたします。
 受動喫煙防止対策の推進についてのお尋ねであります。
 都はこれまで、都独自のルールを盛り込んだ東京都受動喫煙防止条例を制定し、公衆喫煙所の整備や都民や事業者向けの相談窓口の設置など、区市町村と連携して、受動喫煙防止対策を進めてまいりました。
 昨年十一月に実施した調査におきましては、都民の九割以上が条例に基づく都の取組を好意的に評価するとともに、飲食店の九割以上が全面禁煙や喫煙室を設置していると回答するなど、受動喫煙防止の取組は着実に進展をしております。
 喫煙や受動喫煙による健康への悪影響は、科学的に明らかになっており、コロナ禍におきまして健康に関する意識が高まる中、これを健康づくりの契機と捉え、取組を進めていくことが重要です。
 今後とも、区市町村や関係機関と連携して、誰もがいつまでも自分らしく健康で生き生きと過ごせる東京の実現を目指し、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
 次に、上野周辺のにぎわいの創出についてであります。
 上野地区は、豊富な歴史資源や文化、芸術施設、活気ある商業エリアや豊かな緑と水辺の空間などを有しています。誰もがまち歩きを楽しめる魅力にあふれ、上野公園周辺には、国内外から年間二千万人が訪れる東京のにぎわいを形成する重要な地域であります。
 上野動物園では、これまで五年間、シャンシャンがそのかわいらしい姿で多くの方を魅了してきました。残念ながら、今年の六月末までに返還する予定ではございますが、双子のシャオシャオとレイレイが誕生するなど、コロナ禍にあっても明るい話題を提供しているところであります。
 さらに、バーチャル空間で動物たちの様子を楽しめるウェブサイトを公開しているほか、大学と連携した共同事業では、上野公園を3Dスキャンし、スマホを通じまして、散策を楽しめるコンテンツを作成して、今年三月の公開を目指しております。
 今後の来訪者の回復を見据えまして、このようなにぎわいを構成する新たな要素を加え、この地区が有するポテンシャルをさらに高めてまいります。
 また、地元区や観光協会等とも、地域を盛り上げる取組などを通じて連携しながら、上野地区を世界中の人々を引きつける魅力あるエリアへと発展させてまいります。
 その他のご質問については、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
   〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、臨海地下鉄についてでございます。
 本路線は、国際競争力の強化に資する路線でございまして、都心部と開発が進む臨海地域とをつなぐ基幹的な交通基盤、いわば背骨としての役割を有しております。
 昨年七月、国の答申におきまして、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきとされたことを踏まえまして、国は、本路線の実現に向けた都の取組に協力するといたしました。
 昨年九月から、国の参画も得た検討会におきまして、概略のルートや駅位置等を含め、事業計画の策定に向けた検討を進めているところでございます。
 引き続き、関係者と連携して検討を積極的に進めるなど、本路線の具体化をさらに加速してまいります。
 次に、つくばエクスプレスの延伸についてでございます。
 本路線は、国の答申におきまして、つくば国際戦略総合特区と都心とのアクセス利便性の向上等の効果が示されるとともに、高度に土地利用が進んだ都心での事業となるため、関係者間で導入空間に係る事業費等を踏まえつつ、事業計画の十分な検討が必要とされております。
 一方、運営会社では、利用者の快適性向上を図るため、二〇三〇年代前半の供用開始を目指しまして、車両の長編成化事業を進めております。
 都といたしましては、こうした大規模投資を踏まえた会社の経営見通しや答申を踏まえまして、一都三県で構成する協議会におきまして意見交換などを行うとともに、国も含めた関係者間で連携を図りながら適切に対応してまいります。
   〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 宿泊療養施設に関するご質問にお答え申し上げます。
 都は、第五波の経験を踏まえまして、希望する方が早期に入所できるよう、医師の診断後、保健所を介さずに、患者自らが直接申込みできる窓口を昨年十一月に開設いたしました。
 本年一月には、感染の急拡大に伴う入所希望者の増加に合わせまして、入所調整を行う要員の増員など体制を強化し、現在は、受付の翌日には入所できるようになり、入所された方のうち約九割の方は窓口に直接申し込んだ方となっております。
 さらに、より多くの方が入所できるよう、宿泊療養施設を順次拡大し、現在約一万二千室を確保したほか、パブリックスペース等を有する新しいタイプの療養施設を有楽町と立川に開設をいたしました。
 今後も、家庭内での感染を防止し、患者が安心して療養できるよう、宿泊療養を希望する方の早期入所に努めてまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、公衆喫煙所の整備についてであります。
 都は、令和二年四月の東京都受動喫煙防止条例及び改正健康増進法の全面施行や東京二〇二〇大会の開催に向け、受動喫煙を生じさせることのない社会環境整備の推進を目的として、区市町村が取り組む公衆喫煙所整備を補助してまいりました。
 新型コロナの感染拡大に伴い、大会が延期されたことなどから、令和三年度も補助の対象としてまいりましたが、コロナ禍の影響を受け、用地確保のための周辺住民との調整に時間を要するなど、整備に遅れる例も見られました。
 来年度からは、区市町村が取り組みやすいよう、三か年の事業期間を設け、包括補助により整備を促進してまいります。
 次に、受動喫煙対策に係る保健所への支援についてであります。
 都はこれまで、専門相談窓口を設置し、事業者等からの個別の相談に応じるとともに、ポスターやリーフレットを作成し、都民や事業者に向け、条例遵守を繰り返し啓発するほか、保健所設置区市が地域の実情に応じて実施する相談窓口の設置や飲食店への個別訪問などの取組を支援してまいりました。
 また、保健所による受動喫煙防止に関する取組が進むよう、保健所設置区市や都保健所が参加する連絡会等を通じて、事業者への啓発、指導や屋外での受動喫煙防止対策など、具体的な取組事例の共有や意見交換を実施しております。
 今後とも、区市町村と連携し、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 上野動物園の新たな乗り物についてでございますが、都は、老朽化により令和元年に運行を休止いたしましたモノレールの代替となる乗り物につきまして、来園者などへのアンケートや製造事業者へのヒアリングを実施し、小型モノレールを軸に検討を進めてまいりました。
 新たな乗り物には、動物園にふさわしい楽しさとともに採算性を確保することが求められます。これを踏まえて、民間を活用した事業手法を前提といたしまして、今月、より幅広い事業者の参入意欲や乗り物の魅力を高める収益施設のアイデア等を聞くことを目的に、マーケットサウンディング調査を開始いたしました。
 今後、この調査の結果を踏まえて、事業実施の条件等を整理するなど、多くの人が楽しめる新たな乗り物の導入に向けて取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長延與桂君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(延與桂君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、区市町村が行うスポーツイベント等への支援についてであります。
 都全体のスポーツ振興を推進するためには、都民に身近な地域で取り組む区市町村との連携が不可欠でございます。
 そのため、都は、東京二〇二〇大会に向けて、区市町村が行うスポーツイベントや地域の活性化に資する事業を幅広く支援し、大会の機運醸成を図ってまいりました。
 来年度は、こうした取組により高まったスポーツの機運を一過性のものとせず、地域のレガシーとして定着させていくため、区市町村が実施するスポーツ実施率向上に資する取組を対象に、事業費を補助してまいります。
 東京二〇二〇大会で注目の集まったアーバンスポーツにつきましても、区市町村が行うイベントや大会を支援するなど、都民が様々なスポーツに触れる機会を広げてまいります。
 次に、アーバンスポーツの普及拡大についてであります。
 スケートボードをはじめとするアーバンスポーツは、若者に特に人気が高く、その普及を図ることは、若い世代のスポーツ振興に有効でございます。
 都はこれまでも、ボルダリングやスケートボード等の体験会や競技紹介を実施してまいりました。東京二〇二〇大会でアーバンスポーツが注目されたこの機を捉え、今後は、イベントでのデモンストレーションや安全に競技を楽しむための教室の開催等も検討してまいります。
 また、大会のレガシーを大会後に引き継ぐため、仮称有明アーバンスポーツパークを整備予定であり、こうした施設も活用してまいります。
 今後とも、アーバンスポーツの普及に取り組み、若者をはじめとした都民のスポーツ振興を図ってまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 三十四番原純子さん
   〔三十四番原純子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○三十四番(原純子君) 障害があってもなくても、子供たちは皆、社会の宝です。
 私は、これまで放課後等デイサービスで働いてきました。ある日、小学校へ迎えに行くと、怒りで顔が真っ赤の五年生男子、音楽の時間の楽器決めで、大太鼓がやりたかったのにじゃんけんで負けたとわんわん泣く彼でした。放デイに着いて泣き切った頃、友達から、プラレールやろうと声をかけられ、大好きなレールつなぎに夢中になり、大路線が完成。夕方には、楽しかったと笑顔で帰りました。
 感情のコントロールが難しい子供、日常ふいに耳に飛び込む音がつらく苦しむ聴覚過敏な子供、こだわりが強かったり、思いをうまく言葉に出せないことで誤解されることも度々。様々な生きづらさを抱える子供たちですが、どの子も社会の中で愛され、安心した環境で育つ権利があり、放課後等デイサービスは、大事な居場所の一つです。思春期に入る我が子への接し方に悩む親御さんの思いを受け止める場でもあります。
 放課後等デイサービスの重要性について、知事はどう認識していますか。
 二〇一二年の制度化以降、放課後等デイサービス事業所は、都内約千か所まで広がり、現在約二万人の児童が利用していますが、昨年四月の報酬改定により、存続が危ぶまれる事業所が生まれています。
 昨年六、七月に東京都が行った調査では、一年前との同月比較で、都内事業所の七割が減収となったことが明らかになり、そのうち、一〇%以上の減収が四七%に及んでいます。
 都内のある法人は、運営する三事業所合わせて、年間千二百万円減収になるとのお話でした。別の法人の職員からも、毎月法人の預金を取り崩している、スタッフの雇用を守るのが大変、明るい気持ちになれないとの声が上がっています。コロナ禍で、学校休業中の朝からの受入れや感染対策など苦労が続く中、今回の減収は大きな痛手です。
 子供たちの放課後の重要な居場所の存続さえも困難になっている状況をどう認識していますか。
 減収の大きな要因は、基本報酬の引下げです。同時に、職員配置に関する加算が変更されたことの影響も深刻です。これまでは、五年以上経験のある保育士や児童指導員を追加して配置した場合、二人目まで加算の対象とされていたのが、一人までしか認められなくなりました。せめて、この点だけでも改善してほしいと、一万人を超える方々から都議会に陳情が提出され、昨年六月に全会一致で趣旨採択されました。
 今回、都型放課後等デイサービス事業の新年度予算案が組まれたことは重要ですが、あれこれの補助要件を設定し、全てを満たした事業所へ財政補助を行う制度になっています。事業所の実態や陳情の趣旨を踏まえれば、職員配置に関する加算の変更による減収分を補填することが必要です。いかがですか。
 十九時までの開所や自宅までの送迎が、補助の要件にされていますが、これは事業の目的である支援の質の向上とは別の問題です。
 放課後等デイサービスは、子供を主体として発達を育む場です。開所時間の延長は、保護者の就労保障になります。しかし、在園時間が延びることは子供にとって大きな変化であり、夕食のこと、休養できるスペースなども考えなければなりません。療育時間が延びれば、そのための職員配置も必要です。安易に補助要件に追加するのではなく、時間延長するなら、十分な議論と条件整備が必要です。
 また、車での送りを実施していない事業所は、保護者のお迎えのときに、お子さんの様子を共有することを大切にしているからです。
 十九時までの開所と送迎を都型放課後等デイサービスの補助要件としないよう求めます。いかがですか。
 児童発達などの最新の知見を学べる研修への職員参加や実践交流などへの財政支援を進めるべきだと思いますが、いかがですか。
 知事は、質の向上を後押しすると施政方針で表明しました。そのためには、何より職員の十分な配置と専門性を高める取組が必要です。いかがですか。
 根本的な問題は、放課後等デイサービスの職員配置基準が低過ぎることです。基準は利用児童十人に対して職員二人ですが、この基準では安全確保さえ困難です。障害のある子どもの放課後保障全国連絡会の調査では、十人定員の事業所だと常勤換算で五・二人で療育をしています。
 職員配置基準の引上げを国に求めるとともに、都の条例で定めている基準の引上げを求めます。いかがですか。
 厚生労働省の調査によれば、放課後等デイサービス常勤職員の平均給与は月額二十四万四千九百六十円です。都の調査でも、雇用年数三年未満の職員が約半数です。働き続けられる職場になっていないことは明らかであり、知事がいう質の向上にも逆行です。どう認識していますか。
 都として直ちにできることは、障害福祉サービス等宿舎借り上げ支援事業を拡充し、保育園の制度と同様、条件をつけずに八分の七の助成にすることです。いかがですか。
 福祉を支えるのは人です。利用者や家族に寄り添い、専門性を磨きながら働き続けられることこそ、福祉の質を高めます。
 障害福祉に関わる皆さんを励ます施策を進めるよう求め、次の質問に移ります。
 区内の七割がゼロメートル地帯に住む江戸川区民をはじめ、東部低地帯に住む二百五十万人の都民にとって、豪雨、台風への対策は緊急かつ最大の課題です。二〇一九年台風十九号の際、荒川が危険水域となり、区の避難勧告により区民三万五千人が避難しましたが、その中で、避難することを諦め、身の危険を感じながら夜を明かした高齢の単身者や寝たきりの家族を抱えた世帯が何組もいたことを、私は後日、地域を回って知りました。
 毎年各地で、かつてない規模の豪雨、台風による洪水被害が起こっている中、東部地域住民の命を守り抜くことは、地元区だけでなく、東京都の重要な責務だと思いますが、知事の認識を伺います。
 今、都立篠崎公園地区で、高規格堤防整備事業などが進められています。用地買収交渉が十五年に及ぶ中で、泣く泣く土地を離れる地権者が相次ぎました。くしの歯が抜けるように家がなくなり、まちが変わっていきました。今は空き地が増え、災害時に大きな力を発揮するまちのコミュニティも壊されてしまいました。
 四百五十基のお墓があり、七百五十年の歴史を持つ妙勝寺は、河川や公園の整備のたびに移転を迫られ、今回が三度目です。
 また、緑地の少ない東部地域に貴重な存在である篠崎公園は、今事業で八百本以上の樹木が伐採される計画で、緑地の確保から見ても逆行です。
 北小岩や平井で進められた高規格堤防でも、もともと住んでいた住民は約半数が戻れず、大きな犠牲を強いられています。
 そもそも高規格堤防は、一区画だけできても治水効果は期待できません。未整備の堤防で決壊が起きれば、地域の浸水は避けられません。
 高規格堤防がいつ全てつながるのか、国も都も誰も見通しを持っていません。
 治水対策にならず、住民犠牲でまち壊しの高規格堤防事業は中止をし、真に地域コミュニティを守る政策へと転換すべきですが、いかがですか。
 我が党は、近々の水害への備えとして、越水しても壊れにくい堤防に強化することが重要であることを繰り返し求めてきました。
 近年の水害の教訓から、越水しても壊れにくい堤防として被覆型の堤防が国で再評価され、千曲川、球磨川で実施されています。荒川の堤防対策を急いで真剣に追求するというなら、この工法の研究、実施を国に求めるべきですが、都の見解を伺います。
 大地震による津波や高潮に対し、堤防や水門などの耐震、耐水強化は重要です。整備計画を前倒しし、整備を進めることを求めますが、いかがですか。
 避難対策の大きな柱である広域避難と垂直避難は、いずれも地元区だけでは対応できません。都が直接できることは何か、地元区への支援では何が必要か、東京都の役割が重要ですが、見解を伺います。
 各自治体を超えた広域避難先の確保は東京都の大事な役割であり、国立オリンピックセンターを確保したことは重要です。都が目標としている七十四万人分の避難先を確保するために、受入れ可能な都立施設はもちろんのこと、国や民間の施設をさらに確保するため、どう具体化するのですか。
 コロナ禍での避難を想定し、今まで以上に避難所を増やすこと、水害時に浸水しない上層階の避難スペース確保が急務です。
 垂直避難場所の確保では、都営住宅建て替え時の上層階への集会室設置について、江東区塩浜二丁目団地で始まったことは大事な前進です。江東五区は、この建て方をスタンダードにしてはどうでしょうか。
 江戸川区には、在宅の要介護三以上の方が四千人、要支援障害者を含めると五千八百人の避難行動要支援者がいます。避難計画を実効性あるものにするためには、地域のネットワークが欠かせません。
 地域の誰もが安全で確実に避難できるよう、誰が、いつ、何をするかを地域で共有し明確にするコミュニティタイムラインは重要です。
 二年前、東京消防庁は、足立区第十八地区自治会連絡会のコミュニティタイムラインの取組を表彰しました。実際、台風十九号のときにはこのコミュニティタイムラインが生かされ、地域の皆さんは安全に速やかに避難することができました。昨年には、足立区の地域防災計画に位置づけられ、コミュニティタイムラインの作成が複数の町会に広がっています。
 都として、こうした取組を評価し、都が実施している町会、自治会向けのリーダー研修などで、コミュニティタイムラインを位置づけることが必要ですが、いかがですか。
 待ったなしの災害対策に東京都として全力で取り組むことを求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 原純子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、放課後等デイサービスについてのご質問がございました。
 放課後等デイサービスは、障害のある子供たちが、学校や家庭とは異なる環境で生活能力の向上や社会との交流を図る場であり、子供たちが安全・安心に過ごせる居場所として重要な役割を担っております。
 国の報酬改定を踏まえまして、放課後等デイサービスへの都独自の支援策を新たに講じ、サービスの質の向上を後押しをしてまいります。
 次に、東京の風水害対策についてのご質問であります。
 東部低地帯は、台風等による河川の氾濫や高潮などで広範囲の浸水被害が想定され、こうした大規模風水害から都民の命と財産を守ることが重要です。
 このため、都は、防潮堤等の整備を推進するとともに、関係区と連携いたしまして、都立施設や国、民間施設を活用した広域避難先の確保など、様々な施策を展開いたしております。
 引き続き、ハード、ソフトの両面から、東部低地帯などの大規模風水害対策を着実に進めてまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長から答弁をいたします。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、放課後等デイサービスの運営状況についてであります。
 国は、令和三年度の報酬改定で、放課後等デイサービスの基本報酬を見直すとともに、より手厚い支援を必要とする子供に応じたきめ細かい加算を創設しております。
 この報酬改定を受けて、都が昨年六月に実施した調査では、報酬が減少したことや、加算の取得、経費削減などを検討している事業所があることが明らかになっております。
 現在、加算を取得する事業所が増加しており、サービス向上に向けた取組が進んでいると認識しております。
 次に、障害福祉サービス等報酬についてでございます。
 報酬体系など、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等の制度設計は、国がその役割を担っております。
 都は、令和三年度の報酬改定を受けまして、放課後等デイサービスの支援の専門性を確保するため、児童福祉事業に五年以上従事した保育士、児童指導員も専門的支援加算の対象とするよう、国に提案要求をしております。
 次に、都型放課後等デイサービスの補助要件についてであります。
 国のガイドラインでは、子供の最善の利益の保障とともに、保護者支援も放課後等デイサービスの基本的役割に位置づけております。
 こうしたことを踏まえまして、都型放課後等デイサービス事業は、十九時まで開所することを要件としているところでございます。
 次に、職員の資質向上についてでございます。
 都はこれまで、事業所職員の研修受講を促進するため、必要な代替職員の確保について支援してまいりました。
 都型放課後等デイサービス事業では、コア職員を配置するなどして、職員の資質向上を図ってまいります。
 次に、放課後等デイサービスの職員配置等についてであります。
 都型放課後等デイサービス事業における経験豊富なコア職員の配置は、事業所全体のサービスのスーパーバイズなどを行うことで、職員の専門性を高め、サービスの質の向上を図ることを目的としております。
 次に、職員の配置基準についてであります。
 放課後等デイサービスの人員配置基準は、国の従うべき基準に基づきまして、条例等で定めているところでございます。
 次に、職員の処遇についてでございます。
 都は、国に対し、障害福祉サービス等を担う福祉人材の処遇改善に向けたさらなる措置を講じるとともに、計画的な人材育成が困難な状況を踏まえ、人材の確保、育成、定着に向けた支援策を講じるよう、提案要求をしているところであります。
 最後に、障害福祉サービス等宿舎借り上げ支援についてであります。
 都は、働きやすい職場環境の確保と地域における災害対応力の強化のため、障害福祉サービス等職員宿舎借り上げ支援事業を実施しております。
 来年度は、補助対象となる事業所を拡大し、福祉避難所の指定や区市町村との災害時協定の締結の有無により、補助率を設定することとしております。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、高規格堤防事業についてでございますが、国の高規格堤防事業は、首都圏の洪水や地震に対する安全性を高めるとともに、高台まちづくりなどにも寄与する重要な事業でございます。
 都は、引き続き、国に対して、地元の意見を十分に聞きながら着実に事業を推進するよう要望するとともに、国等と連携して、篠崎公園の高台化に取り組んでまいります。
 次に、被覆型の堤防についてでございますが、国が令和二年に設置した技術検討会の報告書では、洪水時の河川水位を下げる対策を今後の治水対策の大原則としつつ、越水した場合であっても粘り強い被覆型の河川堤防などの整備を、危機管理対応として実施すべきとしております。
 これを受けて、国は現在、粘り強い構造の河川堤防に必要となる性能について、技術的検討を継続して実施していると聞いております。
 都は、今後とも、その検討の状況を注視していくとともに、荒川の水位を下げ、安全性向上に大きな効果を発揮する荒川第二、第三調節池や高規格堤防などの着実な整備を国に要望してまいります。
 最後に、東部低地帯における耐震、耐水対策についてでございますが、都は、東日本大震災を受け、平成二十四年に、東部低地帯の河川施設整備計画を策定し、堤防や水門等の耐震対策を実施してきております。
 さらに、令和三年十二月に、対象範囲を拡大した第二期の整備計画を策定いたしました。
 令和四年度から、この計画に基づき、着実に耐震、耐水対策を実施してまいります。
   〔総務局長村松明典君登壇〕

○総務局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、風水害発生時の避難対策についてですが、浸水地域の住民の命を守るためには、区市町村と連携し、親戚、知人宅等への自主避難や上層階への垂直避難、行政区域を越える広域避難などの分散避難を促すことが重要でございまして、都としても様々な取組を進めているところでございます。
 具体的には、都において、多様な広域避難先を確保するとともに、区市町村に対して垂直避難が可能な公共施設のリストを提供するなど、避難対策の強化を図っているところでございます。
 引き続き、広域自治体としての取組を着実に進めてまいります。
 次に、広域避難先の確保についてですが、大規模風水害時における東部低地帯対策として、より多くの広域避難先をあらかじめ確保しておくことが重要でございます。
 このため、都は、受入れ可能な都立施設を避難先として活用することはもとより、さらなる確保に向け、区部を中心に、国や民間施設に直接協力を求めるなど、引き続き調整を進めてまいります。
 最後に、災害時におけるコミュニティタイムラインについてですが、都は現在、町会、自治会等を対象にしたセミナーや研修等で、風水害など様々な災害において、タイムラインに沿った地域住民全体の避難行動等について自ら考えていただく機会を設けるなど、自主防災組織の取組を支援しているところでございます。
 引き続き、地域における先行事例等も踏まえ、研修内容を充実させることで、地域防災力の向上を図ってまいります。
   〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅の集会室の上層階への整備についてでございますが、一般に集会室は、平屋建ての独立棟として整備しておりますが、構造上設置可能な規模が制限されることなどの制約を踏まえた上で、地元自治体から要望があれば、上層階への整備について協議に応じておりまして、引き続き、適切に対応してまいります。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時散会

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