平成二十八年東京都議会会議録第十二号

平成二十八年十月四日(火曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番大門さちえ君
四番和泉ひろし君
五番山森 寛之君
六番前田 和茂君
七番菅野 弘一君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番おときた駿君
十二番宮瀬 英治君
十三番西沢けいた君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番川松真一朗君
二十一番栗山よしじ君
二十二番小松 大祐君
二十三番堀  宏道君
二十四番松田やすまさ君
二十五番柴崎 幹男君
二十六番舟坂ちかお君
二十七番小松 久子君
二十八番山内れい子君
二十九番上田 令子君
三十番田中 朝子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番あさの克彦君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番清水 孝治君
四十一番鈴木 錦治君
四十二番神野 次郎君
四十三番木村 基成君
四十四番北久保眞道君
四十五番高椙 健一君
四十六番栗山 欽行君
四十七番大場やすのぶ君
四十八番和泉 武彦君
四十九番近藤  充君
五十番西崎 光子君
五十一番両角みのる君
五十二番石川 良一君
五十三番新井ともはる君
五十四番中村ひろし君
五十五番島田 幸成君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番藤井  一君
六十四番小宮あんり君
六十五番鈴木 章浩君
六十六番ほっち易隆君
六十七番山内  晃君
六十八番河野ゆうき君
六十九番島崎 義司君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番田中たけし君
七十二番鈴木 隆道君
七十三番神林  茂君
七十四番早坂 義弘君
七十五番秋田 一郎君
七十六番野上ゆきえ君
七十七番今村 るか君
七十八番斉藤あつし君
七十九番小山くにひこ君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番鈴木貫太郎君
八十四番ともとし春久君
八十五番木内 良明君
八十六番長橋 桂一君
八十七番中屋 文孝君
八十八番鈴木あきまさ君
八十九番桜井 浩之君
九十番山崎 一輝君
九十一番三宅 正彦君
九十二番山加 朱美君
九十三番高橋かずみ君
九十四番山田 忠昭君
九十五番林田  武君
九十六番こいそ 明君
九十八番古賀 俊昭君
九十九番立石 晴康君
百番大西さとる君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番高橋 信博君
百十二番崎山 知尚君
百十三番高木 けい君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番野村 有信君
百二十番高島なおき君
百二十一番吉野 利明君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
九十七 番  田島 和明君
 欠員 なし

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事安藤 立美君
副知事川澄 俊文君
副知事中西  充君
副知事山本  隆君
教育長中井 敬三君
政策企画局長長谷川 明君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
警視総監沖田 芳樹君
生活文化局長中嶋 正宏君
オリンピック・パラリンピック準備局長塩見 清仁君
都市整備局長邊見 隆士君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長藤田 裕司君
建設局長西倉 鉄也君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長浅川 英夫君
消防総監高橋  淳君
交通局長山手  斉君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長福田 良行君
人事委員会事務局長松山 英幸君
労働委員会事務局長土渕  裕君
監査事務局長猪熊 純子君
収用委員会事務局長砥出 欣典君

十月四日議事日程第二号
第一 第百五十二号議案
平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第二 第百五十三号議案
東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百五十四号議案
東京都知事の給料等の特例に関する条例
第四 第百五十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百五十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百五十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第七 第百五十八号議案
東京都立図書館条例の一部を改正する条例
第八 第百五十九号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第百六十号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第十 第百六十一号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第十一 第百六十二号議案
東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
第十二 第百六十三号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百六十四号議案
都立江北高等学校(二十八)改築工事請負契約
第十四 第百六十五号議案
都立王子地区特別支援学校(仮称) (二十八)増築及び改修工事請負契約
第十五 第百六十六号議案
都立篠崎高等学校(二十八)改修工事請負契約
第十六 第百六十七号議案
東京国際フォーラム(二十八)改修工事請負契約
第十七 第百六十八号議案
東京国際フォーラム(二十八)空調設備改修工事請負契約
第十八 第百六十九号議案
東京国際フォーラム(二十八)電気設備改修工事請負契約
第十九 第百七十号議案
消防艇の製造請負契約
第二十 第百七十一号議案
中川護岸耐震補強工事(その三十四)請負契約
第二十一 第百七十二号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十一)請負契約
第二十二 第百七十三号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十七)請負契約
第二十三 第百七十四号議案
公立大学法人首都大学東京に対する出資について
第二十四 第百七十五号議案
公立大学法人首都大学東京定款の変更について
第二十五 第百七十六号議案
東京都人権プラザ本館の指定管理者の指定について
第二十六 第百七十七号議案
移動観覧席及び装置一式の買入れについて
第二十七 第百七十八号議案
可動畳の買入れについて
第二十八 第百七十九号議案
八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
第二十九 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認について
第三十 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第二号追加の一
第一 平成二十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二 平成二十七年度東京都公営企業各会計決算の認定について

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川井しげお君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(松丸俊之君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十七年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(川井しげお君) これより質問に入ります。
 百十三番高木けい君
   〔百十三番高木けい君登壇〕

○百十三番(高木けい君) 平成二十八年第三回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 最初に、知事の都政運営に対する認識と基本姿勢について伺います。
 去る七月三十一日、舛添知事の辞任により、改めて東京都知事選挙が執行され、都民の大きな期待を担って小池新知事が誕生しました。平成二十四年十月の石原知事辞任以来、この四年間で三度目の知事選でした。都政は多くの課題を抱えているにもかかわらず、いずれも知事本人の事情によって辞任が繰り返され、都政が停滞を余儀なくされてきました。まことに残念なことであります。
 私たち東京都議会自由民主党は、知事がかわるたびに都政の正常化を図るべく努力してまいりました。このたび誕生した小池都政においても、その立場は変わらず、協力すべきは協力し、都民の代表として、都民の与党として、都民目線で山積する課題を一つ一つ迅速に的確に解決していく努力を惜しむものではありません。
 都政を前に進めることは、知事の務めであると同時に、私たち都議会の務めでもあります。中でも、私たち東京都議会自由民主党は、都議会百二十七議席のうち六十議席を有する第一党でありますから、地方自治の原則である二元代表制を健全に機能させ、都民の幸せをつくることをこれからも全力で全うしていきたいと考えます。
 さて、小池都政の本質を知るために、まず知事の基本姿勢についてお伺いいたします。
 最初に、政治家としての思想、信条、信念、憲法及び地方自治に対する考え方についてお伺いいたします。
 私たち都議会自民党は、保守の政治集団として、我が国及び郷土の歴史と伝統を大切にしています。先人のよりよき共同体をつくる努力と歩みが歴史であり、その貫かれ継承されてきた価値と知恵の集積が伝統であります。都議会自民党のホームページには、そうした思いをあらわすために、太田道灌が江戸城を築城して以来の、いわゆる中世から現代に至る東京の歩みを、当時の絵図面と写真を使い、スライドショーで掲載しております。
 時代を超えて続いてきたあらゆる連続性、特に国民の精神性、いいかえれば魂の連続性こそ、私たちの最も尊重する価値の一つであります。
 東京には天皇陛下のお住まいである皇居があり、さらに、政治、経済、文化等の中心として首都機能の全てが置かれているほか、我が国の歴史や伝統を体現する施設も数多く置かれております。その一つが、戦没者慰霊のための靖国神社や千鳥ヶ淵戦没者慰霊堂などであります。世界的にも戦没者慰霊の場の中心は首都に置かれている例が多く、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、台湾などでも、それは首都にあります。したがって、戦没者慰霊のための祈りの場の中心は、広い意味で首都機能の一つといえます。
 首都東京の知事は、そうした幅広い概念の首都機能全体を統理する役割を担うものであり、その責務は極めて重いものといわねばなりません。
 さて、ことしの終戦の日に、知事は靖国神社への参拝を見送られましたが、国会議員時代には、代理参拝も含め、幾度となく参拝していたと聞いております。都知事になられて初めての終戦の日であったことしの八月十五日、靖国神社へ参拝しなかった理由をお伺いいたします。
 次に、知事の憲法及び地方自治に対する考え方を伺います。
 国会議員から地方自治に身を転じられた知事は、国会議員時代とは別の角度から、憲法についてお考えになる機会も多くなったと思います。
 私は、地方議員になってことしで二十五年になりますが、この間、憲法の問題を地方自治との関係から考えるにつけ、地方自治の一層の振興は、地方自治制度を規定した現行憲法が、国民的議論を経てよりよい改正につながることが望ましいとの結論に至りました。
 例えば、地方分権の課題は、憲法九十二条、九十四条と深くかかわり、究極的には、我が国の統治機構の問題として憲法に直結いたします。また、東京都がここ数年、国との関係で大変苦労している地方自治体の財源論、課税権及び課税自主権の問題も、憲法九十二条、九十四条と深くかかわります。
 地方自治の本旨である団体自治と住民自治、そして、その地域に暮らす住民と地方公共団体のあり方は、まさに憲法と直結する課題であり、今後一層の議論が待たれます。
 そこで、我が国の統治機構、地方自治のあり方を含めた知事の現行憲法についての考え方を伺います。
 そもそも知事は、地方になぜ立法権がないのかという疑問をお持ちなったことはないでしょうか。現行憲法では、国権の最高機関である国会にのみ立法権が与えられていますが、かつて我が国では、帝国憲法が制定される以前の明治新政府の中に、地方の代表も立法権を持った方がよいという考えがありました。木戸孝允や板垣退助らが主張した地方官会議を立法機関とする考え方がそれであります。木戸は、明治八年に設立された元老院を上院、地方官会議を下院とし、ともに立法機関とすることを主張いたしました。
 結果として、地方官会議は立法機能を持つことができず、現在の全国知事会のような組織となりましたが、このとき木戸がこのことをもっと強力に主張していたならば、地方の代表が立法権を持つことができたのではないかと考えると、極めて残念な思いがいたします。しかし、明治新政府の国づくりの過程の中に、地方の意思を最大限尊重しようとした人々がいたことを、私たちは忘れてはならないと思います。
 東京は我が国の首都であり、地方のリーダーであり、地方自治のあり方に最も影響力を持つ自治体です。知事は、東京の地方自治を、歴史的背景、国との関係、他の道府県との関係、都内のみならず全ての基礎的自治体との関係を含め、今後どのような考えで導いていくのか、所見を伺います。
 次に、東京の現状認識を伺います。
 知事は所信表明の中で、東京の現状を、後藤新平のつくった骨格に、あふれんばかりのぜい肉をつけた肥満都市東京との表現をされました。これはどのような認識に基づく比喩なのか、私たちにはいま一つよくわかりません。説明をお願いしたいと思います。
 次に、選挙公約について伺います。
 知事は、立候補を表明された七月五日の記者会見において、三つの選挙公約、一、都議会の冒頭解散、二、利権追及チーム、目安箱の設置、三、舛添問題の第三者委員会設置を発表されました。
 そこでまず、選挙公約とは何か、知事の所見を伺います。
 一般的に選挙公約とは、自身の努力によって実現するものと考えられますが、都議会の冒頭解散については、都議会の知事不信任決議がなければ知事に解散権はありません。知事は記者会見で、不信任が出なければ解散できないとおっしゃっていましたから、このルールは当然ご存じだったにもかかわらず、なぜ冒頭という時期を特定した公約を掲げたのか、見解を伺います。
 このことは、知事にとって選挙公約、つまり、都民との約束とは何かということをお伺いするものですから、率直なお気持ちを聞かせていただければと思います。
 公約に関して、今定例会に提出された知事給与削減条例についても伺います。
 知事の給与を初めとする特別職の給与、報酬については、通常、報酬審議会という第三者機関の判断が尊重されます。それは、知事及び議員は、それぞれが給与、報酬に関する条例提案権を持ち、決定権を持っているからにほかなりません。つまり、恣意的な給与、報酬の設定をしないことが望ましい立場であることから、そうした制度が確立されたと思います。
 私たちは、このたびの知事の条例提案に対して、特に反対をするものではありませんが、給与体系を変えずに支給額のみを半減するにしても、条例が成立すれば、実際に知事と副知事の給与の逆転現象が起こるほか、幾つかの問題をはらんでおります。
 そこで、まずは、報酬審議会に知事給与の削減を諮問し、意見を聞くべきと考えますが、所見を伺います。
 知事及び特別職の給与、報酬については、その職責や景気経済状況、都財政の現状などを総合的に判断して決められるべきものと考えます。かつて、鈴木、青島、石原の三代の知事が同じように知事給与削減を行ったことがありますが、このときは都財政が極めて重大な危機に頻していたことから、その象徴として給与を削減したと聞いております。しかも、それは知事自身の政治姿勢であり、お考えであったことから、専決処分で行われております。
 そこで、改めて、この時期に知事給与削減条例を提案した理由についてお伺いいたします。
 また、知事給与と議員報酬を同列に論ずる傾向もあるようですが、知事は給与、議員は報酬、ちなみに国会議員は歳費と定められておりますように、ひとしく税金から払われるお金であっても、その内容が異なることは意外に知られておりません。知事給与には生活給が含まれるのに対して、議員報酬には生活給が含まれず、したがって、都市部においては特に現実とかなり乖離がありますが、地方議員は副業により生活の糧を得ているという前提に立った制度設計がなされております。
 だからこそ、議会へ出席することは、その副業を妨げるという理由で、交通費その他の費用を実費弁償する制度である費用弁償という制度が存在します。その是非は、議員報酬及び議員の身分のあり方とともに論じられる必要があります。
 また、地方議員には、退職金、議員年金、公設秘書等の制度はなく、国保、国民年金、秘書給与は一部政務活動費、一部自前の政治資金で賄うのが基本であります。一方、知事には退職金制度があり、一期四年間務めると約三千六百万円が支給され、公務員共済にも加入することができますので、共済年金、共済健保にも加入できるわけであります。さらに、知事には知事交際費がある上に、特別秘書が二人つき、特別秘書に職員がそれぞれ五人前後つくことが慣例となっております。
 このような制度の違うものを同じ土俵で論じるのはいささか無理があると思いますので、私たちは、都議会として議員報酬について検討するならば、報酬審議会等の意見を聞いた上で、議員の身分に関することを含め、都議会のあり方検討会のテーマとすることがふさわしいと考えます。
 次に、いわゆるブラックボックス批判についてであります。
 知事は、自民党都連をブラックボックスと批判し続けてきましたが、都知事選告示直後の七月十五日、吉祥寺駅前の街頭演説において、その都議会において、いつも、誰が、どこで何を決めていたのかわからないようなブラックボックスがあってと発言され、都議会もブラックボックスと批判されました。
 現時点で、知事が指摘した都議会のブラックボックスはどのようなもので、どこにあるのか、解明はされましたでしょうか。見解を伺います。
 私は平成十七年から都議会議員となり、立場によって知り得るものと知り得ないものは当然あるものの、全体として都議会の意思決定が不透明であると感じたことはありません。委員会理事会等の打ち合わせ会に類するものは非公開扱いですが、最終決定の場である本会議や委員会、各種審議会等も全て原則公開であり、議会側の意思決定は、その議事録の公開も含めて透明性は担保されております。
 むしろ私は、知事の側にこそ、都議会や都民に見えずに意思決定が行われるブラックボックスがあると実は感じております。
 わかりやすい事例を挙げたいと思います。舛添前知事が一方的に決めたといわれる都立市ヶ谷商業高校跡地の韓国人学校への貸与問題は、私たち都議会にも都民にも知らされずに、舛添知事が独断で進めたとされています。私はこのことを、去る五月三十一日の文教委員会で、特別支援学校の充実を求める立場で質疑の俎上に上げ、時系列的な経過と誰がどのような役割を担ったのか、そして、結論として、この問題は再考されるべきとの意見を申し上げました。
 現在、教育財産の処分等の方針に関しては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十二条四号により知事に権限があり、議会の同意も議決も必要といたしません。だからこそ、こうした問題が起こり、議会の関与もないままに方針が決められる直前にまで行ってしまいました。この件が象徴するように、知事の権限は大きいだけに、知事の側にこそ、いわゆるブラックボックスがあるとも思われます。
 また、このたび知事は、矢継ぎ早に学識経験者と思われる特別顧問等を既に十六人任命されました。この方々がどのような経緯で選ばれたのか、私たちは存じ上げません。職員及び理事者に聞いても、正確な理由を答えてくれる人はおりませんでした。情報公開が大切と常々いわれている知事であるならば、この方々の実績や選任の経緯をつぶさに開示し、今後十六人が都政にかかわるに当たって、どのような仕組みと権限で、どのくらいの経費が予定されているのかくらいはお示しいただくことが適当かと考えますが、見解を伺います。
 次に、都政改革本部について伺います。
 知事は都政改革本部を立ち上げ、先ほど申し上げた十六人の特別顧問等を中心に、さまざまな都政の課題に取り組もうとされています。もとより、私たち都議会も、都政改革は永遠の課題との位置づけから、今までも幅広く改革すべき課題に取り組んでまいりました。
 一例を申し上げれば、石原都政時代の財政再建、行財政改革では、およそ十年の歳月をかけて、二兆円ともいわれた隠れ借金の解消を果たし、ディーゼル車規制では、運輸、自動車業界とともに不正軽油撲滅運動などを行い、東京の環境改善に大きな役割を果たしました。監理団体改革や入札契約制度改革なども、大きなハードルを越えながら、一つ一つ成果を上げ、国における品確法の制定と軌を一にしながら、公共事業の質の向上に取り組んでまいりました。
 そこで、小池都政における都政改革本部は、どのような位置づけで何を目指しているのか、所見を伺います。
 知事が任命された顧問団は政治任用であり、常勤の職員ではありません。したがって、理事者としっかりと連携をとらないと、成果を上げることは困難ではないかと危惧されます。
 知事と理事者、顧問団と理事者の関係を知事はどのように考えるのか、また、どのように構築するのか、所見を伺います。
 次に、都議会との関係についてお伺いいたします。
 知事は、去る八月三十一日、築地市場の豊洲移転に関して、選挙中からの発言どおり、記者会見において移転延期を表明されました。豊洲新市場の問題は後ほど詳しくお聞きしますが、まず、この手法についてお伺いいたします。
 都政の重要な政策が都民の代表機関である都議会に報告される前に記者会見に供されることを、私たちは通常、議会軽視と呼んでおります。つまり、都議会に何の報告もなく、マスコミを通じて重要案件が知事の思いのみによって既成事実化されていくことを、私たちは二元代表制の根幹にかかわる問題と危惧するからであります。
 豊洲新市場の開場時期は、オリンピック・パラリンピックとの関連を踏まえた業界の要望をもとにして、東京都が最終的に十一月七日と決定したものであり、そこに至るプロセスは、市場審議会、新市場建設協議会、都議会などでの長時間にわたる議論と数多くの議決によってまとめられたものであります。それを都議会に報告しないまま記者会見で発表し、それ以降も九月二十七日の経済・港湾委員会まで正式な報告をしないというのはなぜなのでしょうか。
 都議会には都議会のルールと役割があり、二元代表制は、直接公選された知事と都議会が互いの代表制を認め合って役割を果たしつつ、抑制と均衡を保ちながら進んでいくことを前提としています。その理想的な関係は、なれ合いでも対立でもなく、政策の競い合いで、都民によりよい政治の成果を提供することにあります。
 知事は今後、都議会との関係をどのようにつくっていくつもりなのか、所見を伺います。
 また、開場延期については、いつ、誰が、どのような情報に基づいて、どのような議論を経て決定したのか、この際改めて決定の経緯を明らかにしていただきたいと思います。答弁を求めます。
 さて、豊洲新市場について伺います。
 築地市場移転問題は、長年の議論の末に豊洲移転が決められました。築地市場の狭隘化、老朽化の議論が始まったのが昭和三十年代から四十年代。昭和六十一年には、場内を六工区に分けたローリング工事による工期十四年間、整備費二千三百八十億円と見積もられた現在地再整備案が決定されました。
 この方針に基づき、現在地再整備が始められたのが平成三年。しかし、営業を続けながらの再整備にはさまざまな問題が顕在化し、結局、四百億円を投じるも、平成八年に中断を余儀なくされました。その後、業界、都議会のさまざまな議論を経て、最終的に豊洲移転が決定されたのが平成二十二年十月のことでありました。
 移転に関する土壌汚染対策や業界からの意見聴取が集中的に行われたのは、平成二十一年九月から二十三年十月まで設置されていた都議会の東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会の場でありました。
 特別委員会は、内部に設置された小委員会とともに、休日も委員会を開くなど、合計三十一回、たび重なる参考人招致や大阪市中央卸売市場の視察も含め、審議時間だけで合計約四十時間という極めて長時間にわたる審議の末、報告書をまとめ、最終的に石原知事が豊洲移転を決断するに至りました。
 こうした三十年以上にわたる長年の関係者の努力にもかかわらず、このたび発覚した豊洲新市場の地下空間問題は、豊洲移転決定以来、内容も、経緯も、技術的検証の結果も、一度も議会及び業界への報告がなく、議会の質疑の場でも、結果として虚偽答弁といわれても仕方のない説明をしていたのですから、都政の重大な不祥事といわねばなりません。
 市場当局の職員のみならず、都庁の執行機関全体に猛省を促さざるを得ません。私の知る限り、都政において今までこのようなずさんなことが行われたことはなく、全くもって言語道断であります。
 しかし一方で、議会の調査力を問題視する声に、私たちは謙虚に耳を傾けなくてはなりません。歴代知事、市場長等、関係者ですら今回の事実を見抜けなかったとはいえ、このたびのことを私たちは今後の厳しい教訓にしなければなりません。
 その上で、議会の審議がしっかりと行われるためには、まず、執行機関から正確な情報が報告される必要があり、それをもとに、議員の調査権に基づく議会の多面的、多角的な審議が行われなければなりません。
 今後は、より正確な情報を適時適切に議会に報告することを徹底していただきたい。この問題を契機に、都政の信頼性が著しく低下したことに対して、知事の所見を伺います。
 今回の問題を整理すると、第一に、新市場の建屋の構造形式が従前の説明と違うことに関して、ただいま申し上げたとおり、議会及び業界に一度も説明されていなかったこと、第二に、したがって、現在の建屋の構造形式が、従来予定されていた四・五メートルの盛り土を行った上での建築工法と比較して、土壌汚染対策として及び建物としての安全性において、議会及び新市場建設協議会の場で比較検討が行われなかったこと、第三に、平成二十三年の環境アセス評価書案では、盛り土形式でアセスをかけながら、実際には現在の構造に変更されていることから、アセス変更手続をこれから行わなければならないこと、第四に、新市場をめぐる正確な情報が都民に行き渡っていないことなどがあります。
 以下、一つずつ質問してまいります。
 第一の問題である説明の欠如についてですが、このような重要な変更が行われていながら、なぜ議会及び業界に説明がなされなかったのか、現時点でわかっている真相をお伺いいたします。
 第二の問題である安全性についてですが、実は、この部分が本件の鍵でもあります。
 盛り土を行った上に建屋を建てるという前提から、盛り土を行わずに建屋を建てる現在の工法に変わったことで、新市場の安全性は大丈夫なのかという、多くの都民から安全性に疑問の声が出ております。このことは、土壌汚染対策法上からもはっきりさせなければなりません。普通に考えて、平成二十三年の基本設計の段階でこの建築工法がとられることがわかっていたなら、基本設計を描く前にこうした工法の採用が議会側にも報告されていたはずであります。
 平成二十一年九月から二十三年十月までは、都議会に先ほど申し上げた特別委員会が設置されていた時期でもあり、私も所属委員の一人でありましたが、もしこの時期に現在の形に工法の変更が報告されていたなら、この工法について、まず、新市場の建屋の工法が今までと違うが、土壌汚染対策の面で、今までと同等またはそれ以上の安全性が担保されるのかと間違いなく問いかけたはずであります。工法変更の報告がなかったことで、この質疑ができなかったからこそ、今、多くの都民から疑問の声が出ていると考えます。
 したがって、本来五年以上前にしなければならなかった質問ですが、今、改めてお伺いいたします。
 盛り土を行わずに地下構造形式を採用した現在の新市場は、土壌汚染対策法上、安全性は担保されるのでしょうか。これは、東京都において土壌汚染対策の多くの知見と責任を持つ環境局長に答弁を求めます。
 また、盛り土を行わない現在の工法は、建物としての耐震性等に対して、建築工法として、また、建築基準法上安全なのか。これは、建築行政をつかさどる都市整備局長に答弁を求めます。
 都民の重大な関心事は、なぜ議会及び業界に報告のないまま、このような工法変更が行われたのかということもありますが、それ以上に、豊洲新市場の安全性は確認されているのかどうかという点にあると考えます。役所特有の言葉や表現ではなく、疑問を持っている全ての都民が理解できる明快な答弁を求めます。
 ところで、豊洲新市場の土壌の安全性については、九月二十九日、第五街区の七十二本ある井戸のうち三本の井戸から環境基準を上回る地下水が検出されたとの報告がありました。今までのモニタリングでは環境基準を上回る地下水が検出されたことはありませんので、この現状をどのように理解すればいいのか、所見を伺います。
 次に、第三の問題である環境アセスの件についてです。
 既に再招集された専門家会議の検証とも関連しますが、環境アセス変更手続はどのような流れになるのでしょうか。現時点での見通しをお答えください。
 第四の問題である正しい情報の発信についてですが、都は、技術的側面も含めて、しばらく定例的な記者会見等の場を設定し、正しい情報を誠実に責任を持って都民に提供すべきでしょう。それには中央卸売市場だけに任せるのではなく、全庁的な協力体制が必要であります。都全体として正しい情報を一元的に発信していくことを求めます。所見を伺います。
 翻って、正しい情報の発信に努めるべきなのは、議会側にもいえることであります。
 例えば、地下空間にたまった水について、各党がそれぞれ独自の調査を行っているようですが、これは専門家会議の平田座長も九月二十四日に指摘しているとおり、専門家会議において追加調査の実施を指示していることから、直ちにやめるべきと思います。
 水の成分分析は極めて微量の物質を検出する作業です。取水の時期、方法、使用機材等に差があっては正確性を担保できません。議員の調査権を否定するものではありませんが、正確な情報を都民に提供するという意味からも、独自調査はしばらく控え、都議会として正式に調査をするならば、例えば所管の経済・港湾委員会が中心となって、専門家の方々としっかりした仕組みをつくり、一元的な成分分析を依頼し、都民に公表していくべきではないでしょうか。議員各位の協力を求めるものであります。
 新市場に関する正しい情報について、この際、改めて二点伺っておきたいと思います。
 一つは、新市場用地の土壌汚染対策は不十分だったのかという点であります。
 都議会は、平成二十二年度の中央卸売市場会計予算を可決するに当たり、三つの付帯決議をつけました。その一つが安全性に対する項目で、無害化された安全な状態での開場というものであり、現時点で土壌汚染対策が不十分で安全な状態でないとするならば、都議会の付帯決議は守られなかったことになります。
 私たちは、これまでの七回の地下水モニタリング、この八月に行われた施設内の空気測定、九月十三、十四日に採取された地下ピット内の水質検査等、いずれも環境基準内におさまっていることから、それらのデータを見る限り、専門家会議、技術者会議の提言どおり、常識的には土壌汚染対策は適切に行われたと考えます。
 しかし、先ほど申し上げたとおり、九月二十九日、八回目のモニタリングにおいて、第五街区の七十二本ある井戸のうちの三本の井戸から、環境基準を上回る地下水が検出されたとの報告がありました。また、地下ピット内の水は専門家会議によって地下水であることがわかりましたが、地下水管理システムが作動すれば、水位が適切にコントロールされ、以後、地下ピット内に上がってくる可能性は低いといわれております。
 こうしたデータを踏まえた上で、新市場用地は都議会との約束である無害化された安全な状態となったのか、改めて伺います。
 二つ目は、新市場整備の財源についてであります。
 知事は、九月十日の記者会見で、新市場用地の土壌汚染対策費に触れられ、八百五十八億円、土壌汚染対策だけでお金をつぎ込んでいるわけでございまして、タックスペイヤーズマネーを考えますとという表現をなさっています。
 タックスペイヤーズマネー、これはそのまま解釈すると、都民の税金という意味ではないかと私は思うのですが、中央卸売市場会計は、市場業者が都に納めている使用料を主な収入とする独立採算の会計で、整備財源は当初から保有資金、国庫交付金、築地市場跡地処分収入を充てることを見込んでおり、一般会計からの繰り入れなど、都民の税金を直接投入することは考えられておりません。
 中央卸売市場を含む東京都の公営企業は、地方財政法、地方公営企業法を根拠法令としたもので、地方財政法第六条により、その経理は特別会計を設けて行い、その経費は当該企業の収入をもって充てなければならないと規定されています。
 したがって、正しい情報を都民に発信するという意味では、新市場の整備が、あたかも都民の税金を際限なく使って行われているかのような誤解を招きかねない表現は、修正していただくことがよろしいかと思います。所見を伺います。
 次に、行財政運営について伺います。
 知事は、平成二十九年度予算を新しい東京の未来に向けて改革を推し進める予算と位置づけ、東京が抱える課題解決に向けて、積極果敢に取り組む方針を示されています。山積する課題の解決に向けて積極的に策を講じていくことは、もとより重要であります。
 ただ、その際、肝心なのは、財源の裏づけであります。都財政は、現状、健全性を維持していますが、わずか十数年前には、都議会と執行機関が協力し、血のにじむような財政再建に取り組んでいたことを忘れてはなりません。
 また、都財政の歴史は国との財源をめぐる争いの歴史でもあり、膨大な財政需要に対応するためには、今後、知事と都議会とが協力して都民の財源を守っていくことも重要です。
 加えて、都は、東京と地方の共存共栄に向けた取り組みを積極的に進めており、今後も、東京の活力と地方の魅力を結びつけることにより、両者がともに栄え、日本全体を成長させ、経済全体のパイを拡大していくべきと考えます。
 将来にわたる強固な財政基盤の構築は、安定した都民サービスの提供に必要不可欠であり、これは今回、百二十六億円もの補正予算を機動的に編成できたことからも明らかであります。
 そこで、知事は、今後どのように財政運営を行っていくのか、見解を伺います。
 また、我が党はかねてより、二〇二〇年を通過点として、次の時代も輝き続ける世界で一番の都市東京をつくっていくことこそが重要であると繰り返し主張してきました。
 また、先般、都市計画審議会から、二〇四〇年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について、今後の社会の変化を視野に入れた答申も示されました。
 そもそも、東京の都市計画の原型は、関東大震災後に後藤新平が立案した帝都復興事業だといわれております。この事業では、骨格幹線道路の新設や復興小学校と復興小公園の一体的な整備など、画期的な都市改造が行われました。
 しかし、復興予算は削減に削減を重ねられ、幹線道路の大幅な幅員縮小や共同溝事業の全額削減など、後藤が考えた当初案から大きく後退、縮小されたのも事実であります。後藤は、一日も早く復興事業を始めるために予算削減を受け入れましたが、なし得なかった東京の都市づくりの夢に対して、他日を期して全きを期せんとす、つまり、いつの日か、この都市づくりを完成させなければならないと、強い思いを示したといわれております。
 私は、後藤がいったその他日とは、リオ大会が終了し、いよいよ二〇二〇年大会開催まで四年となった今、このときであると考えます。世界で一番の都市東京を実現していくためにも、今こそ、骨太の都市づくりを考え、将来のレガシーとなる計画をつくるべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、情報公開の推進について伺います。
 都民目線の施策を展開し、都民の期待に応える都政を実現していく上で、情報公開の推進は極めて重要であります。
 都は、国や他の自治体に先んじて公文書開示の条例を制定するなど、都政について都民に説明する責務を強く認識し、情報公開の推進に取り組んできたと思います。今求められているのは、時代に合わせて、公開する情報を質、量の両面から一層拡充すべく、積極的に取り組みを進めていくことであります。
 そのためには、公文書開示請求のあった文書の非開示部分、いわゆる黒塗りを減らすことも重要でありますが、まず取り組むべきは、都民の誰もが、知りたいときに、容易に必要とする行政情報を得ることができるよう、都みずから、保有する情報を積極的に提供することではないかと考えます。それが進めば、手数料を徴収する開示請求によらずとも、広く情報を公開することができます。
 今後、より一層透明性の高い都政を実現していくために、情報公開をどう進めていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、都政喫緊の課題の一つとして、都民の皆様から強く解決を求められている福祉保健政策の充実について伺います。
 まず、少子高齢社会への対応について伺います。
 我が国においては、世界に類のないスピードで少子高齢化が進展し、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年には、都民の四人に一人が高齢者となる見込みです。
 そうした認識のもと、三年前、我々都議会自民党は、世界で一番の都市東京の実現を公約に掲げました。中でも最重点課題である少子高齢化対策については、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京、高齢者や障害者に優しい東京をつくることをお約束して、全ての選挙区で議席を託されました。以来、責任政党として具体的な政策を練り上げ、提言し、一つ一つ政策を積み上げてまいりました。
 その成果として、例えば、保育士がその専門性を高めながら、やりがいを持って働き続けられるよう支援する保育士等キャリアアップ補助があります。また、多様な保育サービスの整備も促進され、さらに、全ての子育て家庭への支援の充実も進みました。
 高齢者施策では、認知症高齢者がより身近な地域で支援を受けることができるよう、認知症疾患医療センターの設置を着実に進めてまいりました。また、都立清瀬小児病院跡地を活用して、老朽化した特別養護老人ホーム等の改築中に利用できる代替施設の整備が、まさに今進行しています。
 そうした数々の取り組みは、都議会自民党の提言なくしてはあり得なかったと私は自負いたしております。
 今後、東京の少子高齢化は、かつて経験したことのないほど急速に進んでいきます。こうした待ったなしの状況にある中、少子高齢社会において、施策を実施するに当たっての知事の所見を伺います。
 次に、待機児童について伺います。
 先月、都は、待機児童解消に向けた緊急対策と、それに基づく補正予算案を取りまとめました。
 都議会自民党はこれまでも、待機児童対策を最優先課題の一つとして政策提言を行い、長期ビジョンへ反映させるなど、待機児童ゼロに向けて積極的に取り組んでまいりました。
 加えて、さきの第二回定例会では、共働き世代の増加により、待機児童数もふえる見込みとなったことから、さまざまな保育サービスについて、質を確保しながら大幅に拡充し、待機児童対策を加速化するよう求めたところであります。
 そこで、今回の補正予算編成の考え方について、見解を伺います。
 待機児童解消のためには、施設整備の促進とともに、人材の確保、定着が重要です。
 先ほども申し上げたとおり、都は、我が党の要望を踏まえ、人材の確保、定着を図るため、昨年度から保育士等キャリアアップ補助を開始し、全国的にも一歩進んだ位置にあります。
 保育サービスの整備が一層加速化する中で、必要となる人材を安定的に確保するためには、処遇の改善を初め、さらなる支援策が必要と考えますが、所見を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 第六期高齢者保健福祉計画を策定して一年半が経過しますが、この間、都は、東京の特性を踏まえた地域包括ケアシステムの構築に向け、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 一方、国は、介護離職ゼロの実現に向けて、介護サービス基盤整備の加速化や介護職員の処遇改善を図るなど、介護の環境整備に向けた新たな方針を打ち出しております。
 また、社会保障審議会においては、平成三十年度からの次期介護保険制度改正に向け、給付や負担のあり方などが議論されています。
 そこで、現行計画に基づく取り組みの成果や国の動きを踏まえ、今後の高齢者施策の展開について見解を伺います。
 次に、地域医療構想について伺います。
 少子高齢化がさらに進展し、医療需要の増加が見込まれる中、効率的で質の高い医療提供体制を確保し続けるためには、都は、東京都地域医療構想を本年七月に策定しました。
 我が国の医療需要や医療提供体制の現状は都道府県ごとにさまざまで、特に東京には、大学病院等の集積、公共交通網の発達など、他の道府県とは異なる大都市特性があります。
 このため、昨年二月、国が地域医療構想の策定ガイドラインを取りまとめるに当たって、我が党が、大都市の特性を十分反映するため弾力的な運用を、塩崎厚労大臣に直接要望した結果、ガイドラインにはその考え方が反映されたわけであります。
 将来にわたって、誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京にするため、行政、医療関係者、保険者などが十分連携を図りながら、地域に必要な医療の確保に向けて取り組みを進めていくことが重要であります。
 そこで、地域医療構想の実現に向けた今後の進め方についてお伺いいたします。
 次に、動物愛護施策について伺います。
 今や動物は、私たちの人生のパートナーとして深いかかわりを持つようになっています。実は私も昨年来、ボランティアの方に保護された推定四歳の大変かわいらしい茶虎の雄猫を自宅にお預かりし、殺処分ゼロに向けたささやかな保護猫活動のお手伝いをしております。
 しかし一方で、全国では年間十万頭以上もの動物が殺処分になっている現状があります。
 これまで、飼い主の責任や都民の動物愛護への理解促進、譲渡拡大などの施策の充実を求めてきた我が党に対し、都は、本年の予算特別委員会で、殺処分のさらなる減少等を目指し、動物愛護相談センターの機能強化を検討していくと答弁されました。
 私たちは、先月十六日に改めて現場を視察し、老朽化した施設の建てかえも視野に入れた検討が必要であると強く感じました。
 今後東京は、首都として、人と動物の調和のとれた共生社会を実現し、全国を牽引していくべきと考えます。知事の所見を伺います。
 次に、安全なまちづくりについて伺います。
 我が党は、災害に強い安全な東京をつくるため、減災都市の実現を目標に、都と一体となり防災対策を強力に推進してきました。
 特に、発災当初の七十二時間は、救命救助活動において極めて重要であり、この間の対応を万全にすることが不可欠であります。
 首都直下地震においては、道路閉塞や支援物資の滞留が極めて大規模に想定されますが、熊本地震では、自衛隊の装備、練度等の災害対応能力の高さが改めて認識されました。
 都も、首都直下地震に備え、緊急輸送ルート確保の具体化を図っていると聞きます。発災後の対応を万全とするためにも、自衛隊など関係機関との実践的な連携体制の構築が重要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、大規模地下街における浸水対策について伺います。
 東京のターミナル駅周辺では、地下街や地下鉄等が相互に接続し、大規模な地下空間を形成しており、一度浸水が発生すると被害が広範囲に及ぶことが懸念されます。
 また、昨年の関東・東北豪雨やこの八月の台風九号など、甚大な被害をもたらす豪雨が近年増加しております。
 こうした状況の中、昨年、水防法が改正され、今後想定し得る最大規模の降雨に基づき、浸水想定を見直すこととなっております。
 都は、大規模地下街の浸水対策を強化すべきと考えますが、現在の状況と今後の取り組みを伺います。
 次に、山間・島しょ地域の道路整備について伺います。
 都民の生命、財産を守るためには、大地震や集中豪雨等、自然災害への備えとして、防災力を高める社会インフラを積極的に整備し、東京の強靱化を推進する必要があります。
 特に、山間・島しょ地域では、人の移動や物資の輸送のほとんどが道路を利用し、生活及び産業、経済、文化などの活動及び振興にとって重要な社会基盤となっております。
 本年四月の熊本地震では、大規模な斜面崩壊で道路が通行不能となり、支援物資の輸送が停滞するなど大きな支障が生じました。
 この教訓も踏まえ、防災力の強化に資する道路整備を着実に進めていくことが重要です。
 そこで、山間・島しょ地域における道路整備の推進について、都の見解を伺います。
 次に、土砂災害対策への取り組みについて伺います。
 平成二十五年の大島や二十六年の広島など、全国で豪雨による土砂災害が頻発する中、本年は、東北や北海道でも多数の土砂災害が発生いたしました。
 東京都でも、八月の台風の際、大きな被害に至りませんでしたが、複数の箇所で斜面の崩落などが発生しております。
 東京には土砂災害のおそれのある箇所が約一万五千カ所存在するといわれており、対策を早急に進めていく必要があります。昨年第四回定例会での我が党の質問に対し、都は、関係各局による検討委員会を設置し、緊急性を評価する手法などを年度内に定めると答弁されました。
 そこで、その結果を踏まえ、土砂災害対策にどう取り組むのかお伺いいたします。
 次に、頻発する水害への取り組みについて伺います。
 都はこれまでも、時間五十ミリに対応した護岸や調節池等の整備を進めており、平成二十四年度から目標整備水準をさらに引き上げ、治水能力の向上に努めています。
 一方で、豪雨による広域の浸水被害も頻発しています。
 今年三月、中央防災会議が大規模水害に関する七つの提言を行い、荒川や多摩川では、全国に先駆け、国が最大規模の洪水による浸水想定区域図を公表し、自治体での避難体制整備を促すなど、新たな動きが見られております。
 そこで、目標整備水準を超える豪雨による水害に対する取り組みについて伺います。
 次に、環境政策について伺います。
 東京では自然環境を守るため、建築物の解体により大量に発生するコンクリート塊について、貴重な資源として九〇%以上は再生砕石に加工され、道路路盤材を中心に活用されております。
 二〇二〇年東京大会に向けて、競技会場や周辺施設の整備が本格化するとともに、東京の持続的発展を見据えた都市更新が進む一方、発展に伴い発生する膨大な量の廃棄物の有効活用が大きな課題となります。
 再生砕石については、現在、品質に関する公的な基準が存在せず、関連業界が独自の品質基準である東京ブランドを策定し、有効活用を図ろうといたしております。
 資源循環、3R促進の観点からは、再生砕石を含めたコンクリート塊のさらなる有効活用に向けた工夫が必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、重要な都市基盤について伺います。
 まず、多摩地域の幹線道路ネットワークについて伺います。
 四百万人を超える都民が生活する多摩地域では、魅力と活力にあふれ、安全・安心なまちを目指すため、地域が有する多様な特性を生かし、さらなる発展を促す取り組みが必要です。
 このため、多摩地域の内外で都市と都市を結び、物や人の流れを円滑にするとともに、災害時には救助救援活動を支えるため、幹線道路ネットワークの整備を着実に進めていくことが重要であります。
 しかし、いまだ都市計画道路の完成率は約六割と、その整備状況は道半ばです。
 そこで、多摩地域の幹線道路ネットワークの整備について、今後どのように取り組むのか、知事の所見を伺います。
 二〇二〇年東京大会に向け、国内外から障害者を含む多くの人が東京を訪れることから、さらなる道路のバリアフリー化が必要です。
 都は、競技会場や観光施設周辺等の都道のバリアフリー化を進めていますが、整備に当たっては、都道だけでなく区市道も含めた連続性の確保が必要不可欠であります。
 そこで、二〇二〇年東京大会開催に向け、またレガシーとしても、連続した道路のバリアフリー化を推進すべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
 次に、水道、下水道のライフラインの整備について伺います。
 まず、渇水を踏まえた水源の確保についてお伺いします。
 この夏、利根川水系では取水制限が七十九日間も続き、一都五県の給水に深刻な影響を及ぼす寸前まで水源状況が悪化しました。
 現在、利根川上流で建設中の八ッ場ダムが予定どおり完成していれば、この夏の取水制限は回避できたはずであります。八ッ場ダムが首都東京の安定給水に必要な水源であることは論をまちません。
 そこで、ことしの渇水を踏まえた水源の確保について、国への働きかけを含めた都の見解を伺います。
 一方、異常気象による局地的豪雨や洪水が多発し、列島各地を襲っています。
 最近では、台風十号によって岩手県や北海道で死者を出すなど、風水害の被害は甚大であります。
 こういった状況を見ても、八ッ場ダムは、利水のみならず治水の面からも極めて重要であることを再認識したところであります。
 八ッ場ダムの建設をめぐっては、本体事業の中止など紆余曲折を経て、現在、ダム事業は終盤を迎えており、ダム基礎部の掘削が終わり、本体のコンクリート打設が始まる段階まで進んでおります。先人の労苦とともに、下流都県のためにダムの建設を受け入れた地元住民のためにも、今後、八ッ場ダムを一刻も早く完成させることが我々の責務であると考えます。
 今回、工期は変わりないものの、事業費増額を伴う基本計画変更の議案が上程されております。この点を含めて、八ッ場ダムについての知事の認識を伺います。
 次に、下水道事業について伺います。
 東京では、国家戦略特区の区域指定などにより、各地で大規模な開発が行われております。
 新駅の整備に沸く品川エリアの芝浦水再生センター上部には、下水道事業として全国初の立体都市計画制度を活用した民間ビルと、風の道となる緑豊かな公園が整備され、環境都市づくりを先導しています。
 一方、大手町では、連鎖型の第四次再開発として、来年度から常盤橋街区の事業が着手されます。この街区は、国際金融ビジネス拠点に加え、災害復旧拠点となる大規模広場や、日本橋川の親水護岸など常盤橋公園との一体的整備で、歴史と文化、水と緑が調和した新たな都市空間に生まれ変わろうといたしております。
 下水道局は、このプロジェクトに地権者として参画し、銭瓶町ポンプ所の再構築を行うとともに、施設の上部を活用すると聞いております。
 そこで、下水道施設の整備とまちづくりの観点から、常盤橋街区再開発プロジェクトへ参画する意義について伺います。
 次に、産業政策について伺います。
 去る八月、国は、未来への投資を実現するという崇高な理念を掲げた新たな経済対策を打ち出し、GDP六百兆円の実現に向け、政策を総動員する姿勢を示しました。
 六百兆円という極めて高い目標は、全国の地方自治体それぞれが地域の事情に応じた努力を積み重ねることで初めて達成できるものであります。GDPの二割を生み出す東京は、まさにその先頭に立って、持てる知恵を総動員して取り組んでいかなければなりません。
 例えば、近年、物流のリアルタイムでの管理、スマート工場の導入など、さまざまな産業でIoTの活用が進められています。こうした第四次産業革命ともいえるIoTや人工知能の活用を中小企業でも積極的に進め、イノベーションの創出を図るべきです。これにより、製造業に加え、国際的に低いとされる非製造業の生産性をも高め、稼ぐ力を伸ばすことができると私は考えます。
 都は、時代の潮流を捉え、積極果敢に未来への投資を行う中小企業を強力に後押ししていくべきですが、見解を伺います。
 東京の未来への投資として欠かすことができないのが、創業の促進であります。開業率一〇%という高い目標の達成に向けた一層の後押し、中でも新たな担い手として期待される女性や若者が、みずからの感性や発想を生かし、大きく飛躍していけるよう後押ししていくべきと考えます。女性・若者・シニア創業サポート事業などの資金面を含めた手厚い支援策を、さらに効果的に創業希望者に届けていく必要があります。
 これに加え、例えばビジネスプランコンテストなどで、若者に訴求力のある効果的な手法での働きかけを行い、そこで生まれた希望者を着実に創業に結びつける、より積極的な取り組みが必要だと考えます。
 創業支援の一層の充実に向けた都の見解を伺います。
 二〇二〇年大会は、都や国はもとより、全国の自治体や関係者が力を合わせて招致を実現しました。したがって、その効果は全国に波及させる必要があり、日本全体での産業振興の取り組みを我が党は強く求めてまいりました。
 各地からは、東京でのビジネスチャンスを活用したい、東京から各地に出向いて双方の企業が交流する機会が欲しいといった要望や期待の声が寄せられているとのことであります。これにしっかりと応え、一つ一つの取り組みを着実に実施し、成果につなげていくべきです。また、さきの熊本地震や東日本大震災からの復興支援という視点も決して忘れてはなりません。
 日本全体での産業振興に向けた都の今後の取り組みについて伺います。
 今後、二〇二〇年大会やラグビーワールドカップの準備が本格化し、多くの契約案件が発生していきます。こうしたビジネスチャンスを、日本経済の基盤である中小企業にこそしっかりと届けていく必要があります。
 都は、今春、官民の入札、調達情報を集約した情報ポータルサイト、ビジネスチャンス・ナビ二〇二〇を稼働させ、都、組織委員会や民間企業等の発注案件を数多く掲載しています。
 中小企業の受注機会の拡大に向けて、サイトの一層の利用促進を図っていくべきですが、都の見解を伺います。
 次に、教育政策について伺います。
 現在、国においては、一億総活躍社会の実現を推進するため、給付型奨学金制度の創設を含む大学等奨学金の充実を検討しています。
 一方、我が党はかねてより、私学振興に関する質疑を通じて、私立高校の保護者負担軽減などの取り組みの重要性を主張してまいりました。
 子供たちの就学機会を確保するため、保護者負担の実態に即した、より一層の支援が必要なのは都立高校も同じであります。
 知事は、所信表明において都独自の給付型奨学金についての検討を約束されましたが、都立高校、私立高校の実情に配慮しつつも、給付の目的を明確にし、効果的な取り組みとなるような制度の構築が必須であると考えます。
 教育は未来への投資です。どのような環境に置かれていても、意欲ある子供たちが経済的な理由で教育の機会を奪われることがないよう、社会全体で支えていくことが必要です。
 都独自の給付型奨学金について、知事の所見を伺います。
 次に、発達障害について伺います。
 発達障害への理解の進展を背景に、今後、支援が必要な発達障害の子供の増加が考えられます。
 これに対し、我が党はかねてより、発達障害教育の総合的施策を都に求めてまいりました。都教育委員会はこれに応え、本年二月に策定した計画において、小中学校での具体的取り組みを明らかにしました。
 しかし、高校においては、近い将来、社会に出た際に、みずからの行動に責任を問われるなど直ちに大人の扱いをされるという厳しい現実があります。新たな環境の中で、発達障害を背景として人間関係につまずくようなことを未然に防ぐことが必要です。
 発達障害があったとしても、社会に出て困らないために、都立高校在学中に障害の状態に応じた特別な支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、スポーツ、文化について伺います。
 まず、オリンピックについて伺います。
 東京は、二〇二〇年大会の招致にみずから名乗りを上げ、多くの関係者一丸となった招致活動の末、開催都市の栄誉を担うに至りました。その後も、国、組織委員会など関係者と緊密な連携を図ることで、二千億円以上の経費を縮減した会場計画をIOCに承認してもらいました。
 リオ大会を経て、東京はいよいよ大会準備を加速していくべき重要な時期に立っていると思います。
 一方、知事は就任後、都政改革本部のもと、オリンピック・パラリンピックについても特別顧問等による調査チームを設置し、先般、その報告書がマスコミに提示されました。仄聞するところによれば、その報告書では、海の森水上競技場は宮城県長沼ボート場への移設を探るべきなど、現計画の抜本的見直しが提案されているようであります。
 連絡すらない突然の発表に、関係者の競技団体は大いに困惑し、二〇一六年招致のころから調整を重ね、つくり上げてきた現計画を尊重してほしい旨の声が上がりました。
 私はまず、こうした知事が考える改革の前提となる理念、哲学の部分について伺いたいと思います。
 大会の成功に重要な責任を持つ開催都市の長として、二〇二〇年の東京大会をどのような理念、哲学を持ち、関係団体とどのような連携のもと、どのような大会にしたいのか、その基本的な認識について伺います。
 次に、リオ大会から学んだ点について伺います。
 リオ大会は、夏季の大会運営をじかに学ぶラストチャンスであり、我が党は、オリンピックに五名の議員を現地に自主派遣いたしました。東京大会を史上最高の大会とするため、競技会場、選手村などの大会運営や、輸送交通体系、ボランティアの活動、現地の盛り上がりなどをつぶさに視察してきました。
 例えば、観光地、駅、オリンピックパークにおける案内ブースの設置や、選手村等で地元の食材を優先的に確保する基準の策定などは、大いに参考にすべき取り組みでありました。
 また、簡易な仮設施設や、オリンピックレーン、BRTの設置などは、自然災害が少なく道路が広幅員であるリオ市の特徴を生かしたもので、我が国での実現は困難かと思われますが、大変示唆に富む視察でありました。
 都も多くの職員を派遣したと聞いていますが、これから本格的に大会準備を進める上で、リオ大会から何を学び、どのように東京大会に生かしていくつもりなのか、知事の見解を伺います。
 次に、パラリンピックについて伺います。
 我が党は、リオ・パラリンピック大会にも四名の議員を自主派遣し、パラリンピックならではの大会運営を視察してまいりました。現地では、ボランティアが陽気に競技会場に向かう人々に声をかけ、会場内では観客が選手に熱い声援を送るなど、人々の笑顔が強く印象に残ったとのことでありました。
 しかし、日本では、オリンピックほどにはメディアに取り上げられず、東京大会に向け、機運醸成は大きな課題であると捉えております。
 また、競技会場を初め、さまざまな場面でバリアフリーの取り組みが施されていたとのことですが、東京で重要なのは、今後、まち全体を、バリアフリーはもとより、ユニバーサルデザインに変えていくことであります。
 そのためには、まず東京大会に向けたバリアフリーの指針であるアクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、競技会場等でのより高いレベルのユニバーサルサービスを実現していくことが重要であります。
 日本は高齢化率が世界で最も高く、今後も急速に進展していくことから、誰もが住みやすいまちづくりが必要不可欠であり、世界で一番の都市への試金石として、あらゆる面で東京大会を必ずや成功させなくてはなりません。
 東京で開催する二回目のパラリンピックをどのような大会にしたいのか、知事の所見を伺います。
 次に、フラッグツアーについて伺います。
 リオ大会の閉会式で、東京に大会旗が引き継がれました。総理にも一役買っていただいたサプライズや、障害を乗り越えて活動する日本の若者の姿を世界に発信し、次回開催都市東京、そして日本を鮮烈に印象づける非常に華やかなセレモニーでありました。
 これらフラッグは、二〇二〇年大会の理念、目標の象徴であります。フラッグツアーの実施に当たっては、都民一人一人が二〇二〇年大会への期待を高め、参加しようという思いを持ってもらうことが重要であると考えます。
 また、都内はもとより、東日本大震災や熊本地震の被災地、他県の競技会場都市など日本全体にも波及させ、日本全体で開催機運を盛り上げていくべきであります。
 こうした観点からフラッグツアーを実施すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 リオ・パラリンピックでの、みずからの限界に挑むアスリートの雄姿は、都民、国民にとって、障害者スポーツを知り、理解する大きなきっかけとなりました。この機運を東京大会へとつなげていくためには、障害者スポーツがより身近なものとなるよう浸透させていく取り組みが必要です。
 そのためには、障害者スポーツに対する関心を高め、実際に競技会場に足を運んで観戦してこそ、アスリートの卓越した技術や集中する姿など、その魅力が伝わるはずであります。
 都は、障害者スポーツの観戦の促進に向け、戦略を持って働きかけていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京の文化発信について伺います。
 リオ大会において、都は、昨年度からリーディングプロジェクトとして取り組んできた東京キャラバンやTURNに加え、江戸木やりや東北の郷土芸能の演舞イベントを実施しました。ブラジル現地の方々や観光客など多くの人々が訪れる中、すばらしい成果を知事みずからも体感されたと思います。世界から注目を集めたリオ大会の期間を捉え、東京、日本のすばらしい文化の魅力を伝えることができたことは、大変意義があったと考えます。
 リオ大会が終わった今、いよいよ東京の文化プログラムが始まります。これから二〇二〇年大会までの期間は、伝統を初めとする多彩で奥深い東京、日本の文化の発信力を高めていく重要な期間になると考えます。
 二〇二〇年に向け、東京、日本の持つ文化の力を結集し、世界へアピールしていくため、今後四年間、東京の文化発信をどのように行っていくのか、知事の考えを伺います。
 さて、東京大改革を掲げた小池知事の誕生により、都政は新しい時代に入りました。
 既に申し上げたとおり、私たち都議会自民党は、今までもこれからも都政改革は永遠の課題との認識で、よりよい都政を目指して努力していきたいと考えます。
 私たちの目指す改革とは何か。フランス革命を批判し、保守主義の父といわれたエドマンド・バークは、以下のように述べました。
 我々は誰しも変化の大法則に服従しなければならない。これは自然の最も強力な法則であり、多分それの保存の手段であろう。それゆえに、我々人間の英知に実行できることは、この変化を目に見えない形で穏やかに進行させる配慮である。
 目に見えない形で穏やかに進行させる配慮である、私たちはこうした考えで、これからも都民の幸せをつくる政策の実現に邁進していきます。
 知事が主張する都民ファーストと私たちが日ごろ申し上げている都民の与党とは、表現は違いますが、意味にそれほど変わりはないと考えます。都政を前に進めていくために、互いに協力すべきは協力し、よりよい政策実現に切磋琢磨していく関係こそが、二元代表制の本来の姿であり、都民の期待であると信じています。
 都政の一つの区切りである二〇二〇年まであと四年。東京都議会自由民主党は、その限られた時間の中で、都議会第一党としての役割を精いっぱい果たしていくことをお約束申し上げ、答弁によっては再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 高木けい議員の代表質問にお答えをさせていただきます。
 まず、靖国神社への参拝についてでありますが、今日の平和と繁栄は、戦禍の中で亡くなられた多くの方々のとうとい犠牲の上に築かれているものであるという事実を決して忘れてはならない、私は、ことしの終戦の日に行われました東京都戦没者慰霊式におきまして、多数のご遺族の皆様を前にこのような式辞を申し述べたところでございます。
 これはまさしく、毎年、終戦の日を迎えるたびに私が強くする思いであり、常に心の中で、どこであれ、戦没者に対する崇敬の念を抱いているところであります。
 ご遺族の皆様も年々高齢化されている。戦後生まれの世代が、戦没された方々の祖国発展への思いをしっかりと受け継いでいかなければならないと存じます。
 首都のかじ取りを担う東京都知事として、東京ひいては日本を、戦没された方々に誇ることのできる、夢と希望にあふれた平和な都市、国家として発展させていくため努力をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 続きまして、地方自治のあり方等を含めた現行憲法についての考え方について、お話がございました。お問い合わせがございました。
 地方に、より大きな権限を与えて主体的な地方自治を目指す。これが私の地方自治に対する基本的な認識でございます。
 多くの自治体で、人口そして歳入の減少に直面している今日にあって、地方自治体が新たな発想で、産業や歴史、文化など、それぞれの個性を生かしてオンリーワンのまちづくりを進めていくことは重要な観点でございます。
 そのためには、地方財政にもっと自主性を持たせるなど、住民自治及び団体自治の一層の充実が求められているところでございます。
 今後の地方自治のあり方について、憲法の規定も含め、国民がみずからの問題として考えていく。その結果、加憲を含め、憲法についての議論を深めることが望ましいと私も考えているところでございます。
 地方自治をますます発展させる、さらには日本の国益や伝統、歴史を大切にしていく。そのために憲法はどうあるべきなのか。こうした国民的議論が活発に行われることを私も期待をしているところでございます。
 続いて、東京の地方自治についてのお尋ねでございます。
 今後、東京を含めまして、日本全体が超高齢化社会を迎える。その中で、限られた税収の有効活用を徹底して、住民の利益を最大化していくためには、住民のニーズ、これをじかに把握できる地方自治体にこそ財政の自主性を与え、地方のことは地方で決める分権を進めていくということは不可欠であります。そのことが日本全体を活気づかせることにもつながると、このように考えております。
 まさに今こそ、明治の先人たちに倣って、地方の意思を国の方針に最大限反映させていく努力を惜しんではならないと考えております。東京が日本の成長のエンジンとして全国を牽引し、東京と地方がともに栄えることなくしては、日本の持続的な成長はなし得ないのであります。
 そうした認識のもと、都は、全国の地方自治体のリーダーとして、率先して国に物申していく。同時に、住民に最も身近な区市町村の取り組みを後押しして、東京の地方自治を力強く前へ進めていくと考えております。
 次に、所信表明におけます東京の現状の表現についてお尋ねがございました。
 後藤新平は、関東大震災の後、ご存じのように、大風呂敷ともいわれた大胆な発想で、百年先を見据えた東京の骨格をつくり上げました。
 翻って今日、東京を預かる私たちは、百年先を見据えて働いているのでしょうか。後藤が震災の廃墟の中からつくり上げた新たな骨格、その中に込めた東京の持続的な発展への熱い思いが、豊かな税収を背景に見えなくなってはいないだろうか。その戒めとして表現をさせていただいたものでございます。
 次に、選挙公約についてお尋ねがございました。
 公約とは、いうまでもなく、有権者の皆様との約束、また、みずからの政治家としての姿勢を示すものでございます。
 そして、冒頭解散を述べた意図についてお尋ねがございました。
 私は、主権者である都民の意思が適切に反映されることが、都政にとって極めて重要だと考えております。
 したがって、発言の意図といたしましては、都民のご支持をいただき知事になったその直後の私に不信任決議が出されるのであれば、都議会を解散し、都民の意思を伺うということを意図したわけでございます。都民の皆様方の意思を受け、私も覚悟を持って対応していかなければならない。その決意を持ってお示しをしたところでございます。
 続いて、特別職報酬等審議会への諮問についてお尋ねがございました。
 今回私が提案しております給与の減額措置でございますが、知事の本来の給与水準を引き下げるものではなく、私の都政改革に向けた決意と姿勢を示すために、あくまで特例として実施するものでございます。
 一方、特別職報酬等審議会は、知事を初めとする特別職の報酬等の改定に際しまして、公平性、公正性をより一層高める観点から、社会経済情勢や民間のベースアップ等を考慮いたしまして、適正な報酬水準等について答申をいただいているものでございます。
 このような報酬等審議会の性質を踏まえますと、今回のように知事の政治姿勢に基づいて給与の減額を行う場合は、審議会への諮問にはなじまないと、このように考えるものでございます。
 さらに、給与減額条例の提案についてお問い合わせがございました。
 過去に専決処分で減額を行った例があることは承知をいたしております。当時は、財政の再建等のために早急な対応が必要との認識から、例外的に専決処分を実施したものと考えております。
 一方で、今回の減額措置についてでございますが、私の都政改革に向けた決意と姿勢を明らかにするために実施するものでございまして、今後私が取り組んでいく改革の内容を示しつつ、議会の皆様にお諮りして実施すべきものと考えまして、本定例会へ条例案を提出させていただいたものでございます。
 続いて、ブラックボックスという言葉についてのご質問がございました。
 日本流の根回しを初め、日本の政治風土においては往々にして、主権者の目の届かないところで、ある種の力学が働きがちでございます。そのため、一般の都民の目線では見えづらいところも間々あるということを表現したものでございます。
 これまで、都議会を含めまして、都政がこれほど注目を集めた前例はございません。都政の透明化、これを進めることで、都民の皆様に共感いただける東京都を皆様とともに実現していきたいと、このように考えております。
 続いて、特別顧問等の方々の実績や選任の経緯等についてご質問がございました。
 都政改革本部で行うさまざまな課題の検討に、客観的な第三者の視点を反映させるため、東京大改革をともに進めていこうという同じ志を持つ外部の方を、特別顧問や特別参与として任命をいたしたところでございます。
 例えば、情報公開や自治体改革に知見のある方、弁護士、公認会計士、企業の経営改革に携わってきた方など、都政改革を進めるに当たって大きな力を発揮してくださる方々等でございます。
 特別顧問等は、特別職の非常勤職員であります。本部長である私の命によりまして、改革本部において、都政の課題についての実態調査や改善策の検討などを行っていただきます。
 その報酬に係る年度末までの経費といたしましては、総額約二千万円を見込んでいるところでございます。
 特別顧問等には、専門知識、そしてご経験を生かした客観的な第三者によるチェック、これを期待しているところでございます。
 次に、都政改革本部の位置づけについてのお尋ねがございました。
 私の目指す東京大改革の肝は、都政を透明化、見える化をいたし、都民ファーストの都政を実現すること、このことを何度も申し上げたところでございますが、そのためには、職員一人一人が、みずからが改革の担い手となって、積極的に情報公開を行う姿勢を持ちながら、仕事の進め方を見直していかなければなりません。
 こうした都庁の自己改革精神を呼び覚ます装置として設置したのが、私が本部長を務め、各局長を本部員とする都政改革本部でございます。
 本部で示された方向性に従って、都庁の各局はワイズスペンディング、つまり税金の有効活用の観点を踏まえつつ、政策や制度、予算、内部統制など、あらゆる改革を自主的に行っていく。
 今後、この本部を土台として全庁に改革マインドを根づかせるとともに、ガバナンスの機能強化を図り、都政に対する都民の信頼を確保していく。そして、この大改革を進めたその先には、誰もが希望と活力を持って安心して生活をし、日本の成長の牽引役として世界の中で輝き続ける新しい東京を、都民の皆様、都議会の皆様とともにつくり上げていきたいと考えております。
 理事者や顧問団との関係についてでございますが、知事である私は、みずからの判断と責任において、都政を運営する責務を負っております。
 その具体的な担い手でございますが、地方自治法上、補助機関と位置づけられている、各局長を初めとする職員の皆さんでございます。
 特別職の非常勤職員であります都政改革本部の特別顧問の皆様方には、専門知識と経験に基づいて、客観的な第三者の視点から助言、提言をしていただく、いわゆる助言機関の役割を期待しているところでございます。
 私は、都庁の自律的改革を柱といたしております。職員の皆さんと目指すべき目標を共有して、特別顧問などの助言も受けながら、改革を不断に進めてまいりまして、都民ファーストの都政を展開していきたいと考えております。
 続いて、都議会との関係でございます。
 市場の移転につきましては、所信表明で申し上げましたとおり、過去、関係者の皆様方が積み上げてきたものであるということについては十分承知をいたしております。しかし、一方で、食の安全・安心という点からの重要性に鑑みまして、再度検証しておきたい、その思いで判断したものでございます。
 この都議会は、議決機関であります議員の皆様との議論を通じて、東京都として未来に向けた決断を行っていく場だと、このように考えております。移転の延期の判断にいたしましても、既成事実化ということでは決してございませんが、今後、都議会でさまざまな観点からご議論いただくものと認識をしておりまして、議会軽視とは考えておりません。
 開場延期の決定経緯についてのお尋ねがございました。
 私は環境大臣を務めておりましたころから、また、今回の知事選の選挙期間中から、豊洲市場の安全性や使い勝手などについて、懸念があるとの声、聞いてまいりました。
 そこで、まずは立ちどまって考えるべきとの観点に立ちまして、知事就任後に早速、所管局から現状の報告を受けるとともに、現地へ赴き、そしてみずからの目で状況の確認も行ったところでございます。
 賛成、反対、それぞれの立場の関係者のご意見や、専門家のお話もつぶさに伺ってきたところでございます。
 こうした経緯を経ながら、十一月七日の移転につきましては、慎重に検討を重ねてまいりましたものの、それでもなお安全性への懸念、巨額で不透明な費用の増加、情報公開の不足、これら三つの疑問が解消されるには至りませんでした。
 円滑な移転に向けた、議会の皆様、市場関係者の皆様のご労苦は、所信表明の際にも、先ほど申し上げたように承知をしているところではございますが、都民の食の安全を守り、都民への説明責任を徹底すべき都知事として、そのような状況で移転を進めることは都民の納得を得られるものではないと考えまして、延期を決定したものでございます。
 都政の信頼性の低下についてのご質問がございました。
 このご質問にありましたように、私も、今回の件は組織のトップとして非常に重く受けとめているところでございます。
 都政の信頼の回復は、一朝一夕になし遂げられるものではないと思っております。まずはこの問題について、現状を客観的に把握し、専門家の知見も取り入れながら、都民、市場関係者に安心していただく、その方策を見出してまいりたい。一つ一つ積み重ねていくことが必要だと、このように考えております。
 同時に、こうした事実を都民に丁寧にお知らせをし、理解と協力を得ていかなければなりません。この都議会での質疑につきましても、大変、都民への情報提供の場として重要であると、このように考えております。
 市場移転について、これまで事実関係を確認する機会があったにもかかわらず、極めて不十分であった。組織のこれら弛緩した空気の存在は、都庁組織にとりましても、残念ながら危機的状況といわざるを得ないと考えております。
 今後、私が先頭に立って、都庁組織が抱える問題を正面から見据え、常に自律的に改革を行うことができる組織へと変えてまいりたいと考えております。そして、都政の見える化を進めることで、都民が都民ファーストを実感し、信頼できる都政をつくり上げていく。そのためにも、都議会のご協力をお願いしたいと考えております。
 議会、そして業界に説明がなされていなかったことについてのお尋ねがございました。
 都議会や都民、市場関係者からの信頼を踏みにじることになった点、都民の皆様方の憤りは当然のことでございます。市場関係者の方々のご労苦、ご心労には、心より申しわけなく思っております。
 このような事態を招いた最も大きな要因は、ガバナンス、責任感の欠如であるといわざるを得ません。
 具体的には、前例踏襲の仕事の進め方や曖昧な意思決定のあり方、また、上司と部下の間、土木と建築の担当、あるいは技術職と事務職といった職種間での連携の不足などを挙げることができます。
 個人の特定は引き続き行うものとして、問題は組織運営上のシステムのあり方だと考えます。
 この問題を契機といたしまして、いま一度基本に立ち返って、職員の意識改革及び組織運営の改革を通じて、都民ファーストの視点を持って、議会や市場関係者の方々へ正確な情報を適切かつスピーディーに発信をしてまいりたいと考えております。
 続いて、豊洲市場の整備の財源についてのご質問がございました。
 都の市場事業については、独立採算を原則として運営をしております。その主な収入が市場の使用料であるということについても、ご指摘のとおり、承知はいたしております。
 一方で、豊洲市場の整備には多額の費用がかかっており、将来にわたって市場会計の健全性を維持していくためには、税金と同じように、ワイズスペンディング、つまり資金の有効活用を徹底するということが重要であり、その趣旨をもって申し上げたところでございます。
 続いて、今後の財政運営についてのお尋ねがございました。
 私が都民とお約束をいたしました三つのシティー、つまりセーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティー、これらを実現して新しい東京をつくり上げていくためには、これを支える強固な財政基盤の構築は極めて重要でございます。
 そもそも、歳入の根幹をなす都税収入でございますが、景気変動の影響を受けやすく、また、都は地方交付税の不交付団体であるということから、他の自治体以上に自律的な財政運営を行っていかなければなりません。
 そのため、全ての事業に終期、終わりの期を設定いたしまして、一定期間をもって一度立ちどまる、そこで事業評価を行う、事業を継続するのか、それとも見直し、再構築を行っていくのか、または拡充を図っていくのか、多角的な検証を行うシステムを導入することといたしました。
 これまでの事業評価を継承しつつ、施策のPDCAサイクルを一層強化して、さらなる機能向上を図ることで、都民ファーストの視点に立った改革を、より一層推進してまいりたいと考えております。
 あわせまして、都の財源については、都議会の皆様と手を携え、私自身が先頭に立って、国にも強く働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 続いて、情報公開の推進についてでございます。
 東京大改革の肝となるのは、都政の透明化、見える化、わかる化、すなわち情報公開の徹底でございます。
 情報公開を進めるに当たりましては、何よりも都庁全体の意識改革を図らなければならないとは先ほど申し上げたとおりでございます。
 そこで、私が本部長となる都政改革本部に情報公開調査チームを設けまして、積極的な情報発信に向けた取り組みを開始したところでございます。
 まず、今般の都政改革本部の模様をインターネットで中継いたしております。そして、会議資料も迅速に公表をいたしております。都政の課題についての決定過程の透明化を進めているところでございます。
 あわせて、各局においても自律的な改革を行って、ホームページを通じて、都政の重要課題を初め都民が必要とする情報を十分かつ容易に得られるよう、その内容と量を大幅に拡大してまいりたいと思います。
 今後、都民ファーストの観点からも、こうした取り組みを都庁の隅々まで徹底して、都民とともに進める都政を実現してまいりたいと考えております。
 少子高齢社会への対応についてのお尋ねがございました。
 我が国では、世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進んでいるのはご承知のとおりでございます。この東京におきましても、二〇一二年に初めて死亡数が出生数を上回り、二〇二〇年をピークに人口は減少に転じると予測をされております。
 今後の福祉施策を進めるに当たりましては、こうした将来を見据えて、東京の持続可能な発展のために、都民のニーズに応える具体的な取り組みをきめ細かく、かつ迅速に実施していく必要がございます。
 そのため、まず、都民が安心して子供を産み育てられるよう、待機児童解消に向けた緊急対策を取りまとめまして、本定例会に補正予算案を提案させていただいているところでございます。
 補正予算案には、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱といたしまして、施設整備費補助の充実や都有地活用の推進、保育従事者のための宿舎借り上げ支援の拡充、認可外保育施設利用者の支援などを盛り込んだところでございます。
 今回の対策は、待機児童解消に向けた第一弾でございます。今後、国の動向や区市町村の意見なども踏まえまして、さらなる支援策を検討して、来年度予算案にも反映していく所存でございます。
 また、高齢者対策についても、できる限り住みなれた地域で暮らし続けられますよう、介護サービス基盤の整備や介護人材の確保、定着、地域で適切な医療が受けられる体制の確保など、地域包括ケアシステムの構築に向けた施策の一層の充実を図ってまいります。
 そして、女性も、男性も、子供も、高齢者も、障害者も生き生き生活できる、活躍できるダイバーシティー東京を実現していくため、今後、常に都民ファーストの視点に立ってさまざまな福祉施策を展開してまいりたいと考えております。
 人と動物との調和のとれた共生社会を実現するための取り組みについてお尋ねがございました。
 動物は、飼い主にとりましては家族の一員、社会にとってその一員であると、そして私たちの生活に潤いや癒やしを与えてくれる大切な存在と所信表明でも述べさせていただきました。
 私は、こうした信念のもとで動物愛護施策に力を注ぎ、また、今回の都知事選挙においてもペットの殺処分ゼロを公約に挙げたところでございます。
 都における動物の殺処分、平成二十六年度までの十年間で約八分の一まで減少しております。平成二十七年度の殺処分の数は、苦痛から解放するために行った場合などを除きますと、犬が十頭、猫百九十三頭、合わせて二百三となっております。私は、二〇二〇年の東京大会までにこれをぜひゼロにしたいと思っております。
 そのためには、子供のころから命あるものを慈しむ気持ちを育んでいく、動物を飼い始めたら終生飼養する、また、やむを得ず飼えなくなった場合にはできるだけ譲渡をする、そのことが何よりも重要だと考えております。
 また、こうした考えに立ちまして、今後、飼い主のいない猫対策、離乳前の子猫の育成や譲渡、子供を対象とした普及啓発など、区市町村との連携を一層強化して、動物愛護推進員やボランティア団体、都民の皆様の理解と協力を得ながら取り組みを進めてまいりたいと存じます。
 また、都の動物愛護施策の拠点であります動物愛護相談センターについて、その役割や機能の検討を進めて、年度内には具体的な整備計画を盛り込みました基本構想を策定する考えでございます。
 高木先生におかれましては、どうぞ猫ちゃんをかわいがっていただいて、その姿をどうぞ都民の皆様方にお示しいただきますようお願いを申し上げたく存じます。
 続いて、多摩地域の幹線道路ネットワーク整備についてご質問がございました。
 東京の将来を築くに当たりまして、人口の三分の一、そして面積の半分を占める多摩地域は非常に大きな存在でございます。
 多摩地域には、高度な技術力を持つ中小企業や大学、研究機関が集積するなど、所信表明で触れたところでございます。高尾山を初めとする緑豊かな観光資源、活力と魅力にあふれているのが多摩地域でございます。
 これらの潜在する可能性を最大限に生かして、多摩地域のさらなる発展を図るためには、交通、物流機能の強化、日々の生活を支え災害時の迅速な救急救援活動を担う幹線道路ネットワークの充実は極めて重要でございます。
 幹線道路の整備を積極的に進め、地元市町村とともに、多摩地域の多様な魅力と活力を一層高め、東京の持続的な成長につなげてまいりたいと考えております。
 続いて、八ッ場ダムについてのご質問でございます。
 八ッ場ダムにつきましては、将来にわたって東京のみならず首都圏の安定給水を確保し、洪水被害の危険性を低減する上で必要不可欠な施設でございます。
 台風や集中豪雨、一方で渇水の発生など、気象変動に伴う影響が顕在化していることはご指摘のとおりでございます。
 今回の事業費増額は、物価上昇、埋蔵文化財調査の範囲の拡大などが主な要因と聞いております。国からの提示については、一都五県による検証を経て妥当なものとなっておりまして、やむを得ないと考えております。
 八ッ場ダムがその持てる役割を十二分に発揮できますよう、国には工期の厳守と完成までの徹底したコスト縮減を強く求め、災害に強い安全な都市東京の実現につなげてまいります。
 続いて、都独自の給付型奨学金についてのお尋ねがございました。
 将来を担う子供たちの教育の機会は平等であるべきであり、経済格差が将来の希望の格差につながることがあってはなりません。
 都は現在、高等学校の授業料については保護者の所得水準に応じて国の就学支援金を支給し、また、私立高校生に対しては特別奨学金制度を設け支援を行っているのはご存じのとおりでございます。
 また、授業料以外の教育費につきましても、低所得世帯を対象に奨学給付金を支給しております。
 これらの支援制度や今日の経済状況、保護者の教育費負担の現状などを踏まえまして、今後の東京にふさわしい都立高校そしてまたご指摘のありました私立高校の実情に応じた都独自の給付型奨学金について、速やかに検討を進めてまいります。
 家庭の経済状況に左右されることなく、どのような環境にあっても、誰もが希望する教育を受けることができるように、子供たちの学びたいというその気持ちにしっかりと応えてまいりたいと思います。
 続いて、二〇二〇年の東京大会についてでございます。
 誰もが希望と活力を持って安心して生活をし、日本の成長エンジン、牽引役として世界の中で輝き続けるサステーナブル、持続可能な新しい東京。私は、二〇二〇年大会の成功こそが、この新しい東京実現へのきっかけになると確信をしております。
 そのためには、まず大会の主役でありますアスリート、選手の皆さんが競技に集中できる快適な環境を整備することで、その圧倒的なパフォーマンスを後押ししてまいりたいと考えております。
 競技施設や大会運営は、まず、もったいない、3Rの思想で持続可能なものとしてまいりたい。そしてまた、パラリンピックでは、多様性を認め合って、あらゆる違いを超えてつながり合うというオリンピック・パラリンピックの精神を広げてまいりたいと考えております。
 また、大会の安全・安心も確実に確保しなければなりません。国と十分に連携しながら、テロ対策を初め、治安基盤の充実強化に万全を期してまいります。
 このように、大会とその準備を通じまして、まちづくり、治安、観光、文化など、あらゆる分野で東京を進化させてまいります。そして、都民生活の質の向上と持続的な成長を実現してまいりたいと考えております。
 私は、開催都市の長として、二〇二〇年を超えてよきレガシーを東京と日本に残すため、多くの関係者と力を合わせながら、何としても大会を成功させ、開催都市の責任を果たしてまいりたいと思います。
 リオ大会についてお話がございました。
 リオ大会は、開会前には治安の問題や会場整備のおくれなどの課題が数々指摘をされておりましたが、大きなトラブルもなく成功裏に終了したと思います。リオデジャネイロのパエス市長を初めとする関係者の方々には、改めて心から敬意を表したいと存じます。
 そして、私自身、次回開催都市の長として現地に赴いたわけでございますが、大会旗を受け継ぐとともに、同時に大会の運営、そして施設の整備、交通インフラ、治安対策など、大会を開催する都市が担うべき役割や課題、対応方針なども、ともに引き継いでまいったところでございます。
 また、施設整備につきましては、仮設施設の柱、はり、エレベーター、トイレなどを、例えば解体後に再利用することを前提に整備するなど、持続可能性に最大限配慮している、その点で大変評価をしたいと思っております。まさにリデュース、リユース、リサイクルの3Rを体現したというのが今回のリオ大会だったと、このように思うところでございます。
 こうした取り組み、いい点などは参考にしながら、東京大会の運営には、一方で日本の伝統的な美徳でありますもったいないの思想を取り入れて、環境面やコスト面について、しっかりと検証しながら準備を進めていく必要がございます。
 二〇二〇年大会を単なる一九六四年の東京大会の繰り返しではなくて、成熟都市ならではの創意工夫を凝らして、最先端都市でありますTOKYOの魅力を世界中にアピールする、そんな大会にしたいと、このように考えております。
 パラリンピック大会についてもご質問がございました。
 リオにおきまして、私もボッチャやゴールボール、ウィルチェアラグビーなどを、初めて目の前で見てまいりまして、そのおもしろさ、迫力に感動いたしました。
 しかし、日本では、それぞれの競技が十分に知られているとはまだいえない状況だと思います。オリンピックに比べますと、知名度は圧倒的に低いといわざるを得ません。
 そこで、東京大会に向けまして、まずパラリンピック競技そのものの認知度、選手の競技力向上などに取り組んでまいって、ぜひ会場を満員の観客で埋め尽くしたいと、このように考えております。
 また、バリアフリーにつきましては、障害の差に応じた施設や細やかな心遣いの必要性など、さまざまな気づきをリオにて得ることができたわけでございます。
 施設などの整備はパラリンピックを前提で進めることによってオリンピックにプラスに活用していく、そういう発想が必要であると実感したところでございます。
 東京におきましても、世界各国から選手や観客を迎えるに当たりまして、会場などの施設やアクセス経路のバリアフリー化に徹底的に取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、大会に適用されるバリアフリーの基準でございますが、アクセシビリティーガイドラインという言葉がございます。考え方、コンセプトがございます。これを十分に踏まえながら、都有の施設を初めとして、高齢者や障害者に優しいユニバーサルデザインのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 二〇二〇年大会は、誰にとっても住みやすい東京への大きな転換点となることはご指摘のとおりでございます。二〇二〇年以降の東京の未来像を見据えて、パラリンピックに向けた取り組みが最大のレガシーとなるよう、全力で成功へと導いてまいりたいと考えております。
 フラッグツアーについてのご質問がございました。
 大会の成功の鍵は、都民、国民の皆様が大会にかかわって、自分たちの大会であるということを感じていただくことだと思います。
 私は、これからの四年間、大会を盛り上げるわくわくするような取り組みを進めてまいる、そして、多くの方たちと、このわくわく感を分かち合いたいと考えております。
 その第一歩として、リオ大会の興奮と感動を二〇二〇年につないで、オリンピック・パラリンピックのすばらしさと価値を共有していただくため、その象徴でありますフラッグが都内全区市町村を巡回するフラッグツアーをこれから実施するところでございまして、都議会議員の皆様方の区市町村それぞれにこれから回らせていただく計画を練っているところでございます。
 そこで、特色あるイベントや文化、教育プログラム、スポーツ活動とも連携をいたしまして、都民の皆様方が参加できる多種多様なプログラムを考えてまいります。
 また、二〇二〇年大会は復興オリンピック・パラリンピックでもある。それが原点でもございます。被災地に元気を届け、復興の歩みを力強く発信できるように、東北の被災三県、熊本県などを初めとする全国各地でも、このフラッグツアーを展開していく考えであります。
 私自身は、小笠原村を皮切りに積極的に参加をする予定としております。そして、スペシャルアンバサダーのTOKIOさん、そしてオリンピアンやパラリンピアンの方々とともに、オール東京、オールジャパンで開催の機運を盛り上げていきたいと考えております。
 そして、最後の私へのご質問でございますが、東京の文化の発信についてお尋ねがございました。
 私も、リオにおきまして、江戸とび木やりの皆さん、拝見させていただきました。TURN、そして東京キャラバンなどを直接拝見させていただき、激励もしてまいったところでございます。国や言葉の壁を越えて人々に感動を与える芸術文化の力、これは日本のまさしく力だと強く感じたところでございます。
 特に、東京には、長い歴史の中で育まれ発展してきた数多くの芸術文化がございます。そして、海外では、私たち日本人が当たり前だと思っているようなことが大変な文化として高い評価を得ているわけでございます。
 そこで、二〇二〇年大会までの四年間だけでなく、私はその先を見据えて、東京の宝物、日本の宝物といえる芸術文化の魅力を改めて引き出したいと、このように考えております。
 そして、この秋から展開します文化プログラムでございますが、大会の機運の醸成を図る上でも、より多くの都民、国民に参加してもらうとともに、誰もが楽しめるプログラムを充実いたしまして、国内外にしっかりとアピールしていくことが重要と考えております。
 そのために、都立文化施設の有効な活用を初めとして、全庁一丸となって取り組みを進めるとともに、国や組織委員会、被災地など全国各地とも協力いたしまして、東京、日本の芸術文化の魅力を世界へと発信してまいりたいと思います。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長からご答弁をさせていただきます。
 ありがとうございました。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 都立高校における発達障害教育についてでございますが、発達障害と考えられる生徒はほとんどの高校に在籍しており、その在籍数や学科等の状況に応じつつ、生徒一人一人の多様な教育的ニーズに応える必要がございます。
 このため、都教育委員会は、現在、社会性の向上などを目的とする学校設定教科、科目の研究開発に着手するとともに、発達障害の専門性を持つ機関を活用して、土曜日に学校外で特別な指導を受けられる都独自の取り組みを試行実施しております。
 今後は、学校内で通常の授業とは異なる特別な授業を通級により実施することについて、平成三十年度の運用開始を目指し、鋭意検討してまいります。
 これらの取り組みにより、発達障害の全ての生徒に適切な支援を幅広く実施してまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場用地の土壌汚染対策についてでございますが、用地内の操業由来の汚染土壌につきましては、中央卸売市場からの届け出を受けて審査を行い、汚染土壌の掘削除去や処理、工事中の拡散防止などが土壌汚染対策法の規定に基づき実施されたことを確認しております。
 また、用地全体で関係者以外が汚染土壌に触れることがないよう措置がとられており、地下水の利用も予定されておりません。
 豊洲市場用地の土壌につきましては、特定有害物質による汚染の把握や健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されているものと考えております。
 次に、環境アセスメントに係る変更手続の期間についてでございますが、豊洲新市場の環境アセスメントにつきましては、建物下の構造が評価書に記載されている内容と異なっているため、中央卸売市場からは、専門家会議の検証を踏まえた上で環境を保全するための措置を含む変更届を提出していきたいとの意向が示されております。
 変更届が出された場合、審議については、一般的に、提出されてから約一カ月を要します。
 なお、変更の内容が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、知事は環境影響評価審議会の意見を聞いた上で、手続の全部または一部を再度実施するよう求める場合がありますが、その場合、手続に要する期間は約十五カ月を要するものと考えております。
 最後に、再生砕石の利用拡大についてでございますが、都は、本年三月に策定した東京都資源循環・廃棄物処理計画において、今後取り組むべき施策として、建設工事におけるエコマテリアルの利用促進を掲げ、持続可能な木材や再生砕石を初めとする再生資材など、さまざまなエコマテリアルの利用促進を図っていくこととしております。
 これまで道路路盤材を中心に活用されてきた再生砕石につきましては、今後の都市更新の進展を踏まえると、さらなる利用拡大が必要でございます。
 そのため、需要と供給の両面から現状や課題の把握に努めるとともに、関係業界における独自の品質基準の策定動向等も踏まえ、具体的な方策を検討してまいります。
   〔都市整備局長邊見隆士君登壇〕

○都市整備局長(邊見隆士君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、豊洲新市場施設の構造上の安全性についてでございます。
 主要な市場施設においては、地下に空間があり、柱やはりなどの骨組み、支持地盤に達するくいなどで建物全体を支える構造形式となってございます。
 これを前提とした図面で申請され、建築基準法に基づき審査し、ダブルチェックの観点から、都のみならず、構造計算の適合性判定を行う第三者機関においても、耐震性を含め、構造上の安全性を確認してございます。
 したがって、盛り土がないことをもって構造上の安全性が損なわれているということはありませんけれども、着工後、主要な構造部分に変更が生じた場合には、その後、改めて審査を行うことになります。
 次に、将来に向けた都市づくりの計画についてでございます。
 東京が持続的に発展していくためには、新たな価値を生むことで世界中から選択され、誰もが住み方、働き方、憩い方を選択できる、このような都市を目指すことが重要でございます。
 都市づくりは、新宿副都心が計画策定から都庁舎完成まで三十年以上かけて形成されたように、長い時間を要するため、長期的な視点を持って、今なすべきことに取り組むことが、よりよい都市の実現につながると考えてございます。
 例えば、三環状道路が完成する時代を見据えたとき、道路など既存ストックを再編し、ゆとりやにぎわいといった付加価値を創出する新たな利活用も可能となります。
 このため、都市計画審議会の答申を踏まえまして、二〇四〇年代の都市像を示す都市づくりのグランドデザインを行政計画として策定し、その実現に向け取り組んでまいります。
 最後に、大規模地下街の浸水対策についてでございます。
 地下鉄などが接続し、多くの人が来訪する大規模地下街では、各管理者が連携して取り組むことが重要でございます。
 このため、都は、新宿など九カ所で協議会を設置し、対策の具体化に取り組んでまいりました。緊急連絡体制や避難誘導方法等を定めた浸水対策計画を、渋谷を皮切りに、この八月までに全箇所で策定をいたしました。あわせて、現場での対応力を高めるための情報伝達訓練も実施してございます。
 さらに、現在、丸の内や銀座など駅周辺で多数の店舗等が接している地下通路六カ所においても関係者による協議を進めており、年内を目途に計画を取りまとめる予定でございます。
 こうした取り組みは、今後、浸水想定が見直された場合にも有効であると考えてございまして、引き続き大規模地下街等の一層の安全性向上に取り組んでまいります。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 豊洲市場に関する三点のご質問にお答えします。
 まず、環境基準を上回る地下水の検出についてでございますが、これまで八回の地下水モニタリングを行っており、七回まではいずれも環境基準以下でございましたが、今回、環境基準の超過を確認いたしました。
 この件に関し、専門家会議の平田座長は、土壌汚染対策実施後に地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくことはよくある現象である、現在は、対策後の地下水中の濃度の推移を確認している状況であり、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとコメントしております。
 こうしたことから、今後、継続して地下水モニタリングの結果の推移を確認していく必要があると認識しております。
 次に、豊洲市場に係る正しい情報の発信についてでございますが、正確な情報発信は、情報公開を進め、都政運営への理解をいただくためのかなめであると認識しております。
 今回、社会的関心が極めて高い中で、職員のコメントなどという形でメディアに断片的な内容が引用されるといった状況が生じるなど、さまざまな状況が錯綜し、混乱を招いたという面がございました。
 こうしたことを課題として反省し、問題の重大性に鑑み、メディアに対して、関係各局とも連携して全庁的な協力体制のもと、専門的な見解も踏まえつつ、技術面を含めた正確な情報を随時積極的に発信してまいります。加えて、その内容をホームページ等でわかりやすく公表してまいります。
 最後に、無害化された安全な状態についてでございますが、中央卸売市場はこれまで、豊洲市場用地の安全を確保するため、専門家会議の提言に沿って、土壌・地下水の浄化、地下水の管理、盛り土を三本柱とする対策を講じてまいりました。
 第一の土壌、地下水の浄化では、ガス工場操業に由来するベンゼンやシアン化合物などの有害物質を含む土壌を、ガス工場操業地盤面より二メートル下まで全て掘削除去するとともに、汚染が確認された地点の土壌を取り除く工事を行いました。
 地下水につきましては、揚水、復水を現地において繰り返し実施し、地下水の汚染状況を環境基準以下にまで改善いたしました。
 土壌、地下水のいずれにつきましても、対策の完了が平成二十六年十一月の技術会議において確認されたところでございます。
 二点目として重要なことは、地下水管理システムにより、地下水面を一定以下に維持することでございます。当該システムは現在、試運転を行っており、今月中に本格稼働する予定でございます。
 三番目の盛り土に関しましては、建物以外は盛り土を行っているものの、建物下についてはなされておらず、この点に関しましては、専門家会議や市場問題プロジェクトチームで調査、検証を行っていただくこととしております。
 なお、二年間の地下水モニタリングにつきましては、七回まではいずれも環境基準以下でございましたが、今回、二百一カ所中三カ所の観測井戸におきまして環境基準の超過が確認されました。継続的に地下水モニタリング結果の推移を確認いたしますとともに、専門家会議等において評価、検証をいただく予定でございます。
 今後、地下水管理を徹底するなど、適切な対策を進めることによりまして、都民に安心していただける市場の実現に取り組んでまいります。
   〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 補正予算編成の考え方についてでございますが、今回の補正予算案は、今般取りまとめた待機児童解消に向けた緊急対策に基づき、保育サービスの整備を加速化させる第一弾といたしまして、来年度予算編成を待つことなく必要な予算措置を講じたものでございます。
 具体的には、新規五事業、拡充六事業の十一事業に百二十六億円を計上し、その財源といたしまして福祉先進都市実現基金を活用することとしております。これにより、平成二十八年度の保育関係予算は、当初予算の九百七十四億円と合わせまして、総額で一千百億円となります。
 今回編成した補正予算案を円滑かつ着実に実行することにより、待機児童ゼロにしっかりとつなげてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、保育人材の確保、定着に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、保育人材の安定的な確保のため、キャリアアップ補助や宿舎借り上げ支援、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターによる就職相談から就職後の定着までの支援、人材育成や働きやすい職場環境づくりに関する事業者向け研修などを実施してまいりました。
 また、今回の補正予算案では、事業者や区市町村の意見を踏まえ、現在、採用後五年目までの職員が対象の宿舎借り上げ支援を全員に拡大することとしております。
 今後、国の動向も踏まえながら、都としての新たな待機児童対策を来年度予算案に盛り込んでいく考えでございまして、保育士等キャリアアップ補助につきましても、現場における現在の補助制度の活用実態や国の新たな処遇改善策を踏まえ、さらなる充実を検討してまいります。
 次に、今後の高齢者施策についてでありますが、都は現在、介護サービス基盤の整備、在宅療養や認知症対策、介護人材対策の推進など、第六期高齢者保健福祉計画で定めた六つの重点分野で、大都市東京にふさわしい地域包括ケアシステムの構築に向けたさまざまな取り組みを進めており、その成果や目標の達成状況は、保健、医療、福祉の関係者等から成る委員会で進行管理を行っております。
 また、次期計画の策定に向け、事業者の運営状況や特別養護老人ホームの入所申し込み状況等の実態調査も進めておりまして、国においては、介護保険制度改正に向け、人材確保策を初めとした検討が行われております。
 今後、こうした国の動向や第六期計画の達成状況などを踏まえながら、来年度、第七期の新たな三カ年計画を作成し、高齢者施策の一層の充実を図ってまいります。
 最後に、地域医療構想についてでありますが、七月に策定した地域医療構想では、東京の保健医療の現状や地域特性を踏まえ、構想区域ごとの平成三十七年の病床数と在宅医療の必要量を推計いたしますとともに、誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京を目指して、四つの基本目標と施策の方向性等をお示しいたしました。
 今後、構想区域ごとに、医療機関、医療関係団体、区市町村などで構成する地域医療構想調整会議を設置し、病床機能報告制度による情報等の共有や、地域に必要な医療機能の確保に関する協議などを行ってまいります。
 この地域医療構想は保健医療計画と一体化することとしておりまして、都は医療関係者等の意見も聞きながら、平成三十年度からの次期計画に、今回の構想で示した基本目標の実現に向けた具体的な施策を盛り込んでまいります。
   〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 緊急輸送ルートの確保に当たっての自衛隊等との連携についてですが、発災時に救出救助等の応急対策活動を円滑に展開し、首都機能の維持を図るためには、甚大な被害が発生した地域等への輸送路を早急に確保することが重要でございます。
 このため、都は、本年三月に定めた緊急輸送ルート確保に向けた基本方針に基づき、ルートの点検情報の共有や、道路啓開に必要な資機材の調達など、国や民間団体等との対応の具体化を図っております。
 今後、こうした取り組みを継続するとともに、自衛隊も含めた関係者間で、被災状況に応じた緊急輸送ルートの効果的な組み合わせや、人員、機材の運用方法等を事前に検討するなど、発災時の状況を具体的に想定し、応急対応の実効性を高めてまいります。
   〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、山間・島しょ地域の道路整備の推進についてでございますが、道路は、地域の生活や産業経済を支える極めて重要な社会基盤でございます。ひとたび地震等で道路が寸断されると地域交通に甚大な影響を及ぼすことから、避難、救援活動の生命線ともなるダブルルートの確保などにより、地域の孤立化を防止することが必要でございます。
 都では、防災力強化に向けた道路整備を進めており、昨年五月に多摩川南岸道路の城山工区、本年四月に神津島で、新たな道路が完成いたしました。さらに、日の出町と青梅市を結ぶ梅ヶ谷トンネルの搬入路工事に今年度着手するとともに、小笠原父島において津波避難道路となる行文線や三宅島伊ヶ谷地区で港へ接続する代替路の検討を進めてまいります。
 今後とも、地域振興や防災性向上に寄与し、命の道となる山間・島しょ地域の道路整備を全力で推進してまいります。
 次に、土砂災害対策の取り組みについてでございますが、土砂災害から都民の命を守るには、ハード、ソフト両面から総合的に取り組むことが重要でございます。
 ハード対策は時間と費用を要することから、都は、避難所など施設の重要度や災害発生の危険度を考慮して箇所ごとの緊急性を評価する手法を検討し、関係自治体や学識経験者の意見も踏まえ、本年三月に評価フローとして取りまとめました。
 今年度、既に基礎調査を終えた西多摩地域において、土石流のおそれがある箇所の評価を完了させるとともに、引き続き他の地域でも評価を進め、計画的にハード対策を行ってまいります。
 また、土砂災害警戒区域等の着実な指定とあわせて、関係自治体の警戒避難体制をより実効性の高いものとするため、ハザードマップの作成支援等のソフト対策を積極的に推進してまいります。
 今後とも、土砂災害対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、頻発する水害に対する取り組みについてでございますが、水害から都民の命を守るには、河川の護岸や複数の流域で効果を発揮する環七地下広域調節池等の整備を進めるとともに、目標整備水準を超える豪雨に対しても、避難等に資するソフト対策を進めることが重要でございます。
 本年三月に国の中央防災会議は、水害の軽減を目的とした協議会の設置や水害リスクのわかりやすい開示等の提言を行いました。これを踏まえ、都は六月に、国、地元区とともに荒川の協議会を設置し、氾濫水の迅速な排水などについて検討しております。また、九月には、都民の避難行動に資する浸水想定区域図の作成に向け、学識経験者を含む委員会を設置いたしました。
 今後、想定し得る最大規模の洪水に対応する区域図の早期公表に向け取り組んでまいります。引き続き、都民の命と暮らしを守るため、水害対策を全力で進めてまいります。
 最後に、道路のバリアフリー化についてでございますが、高齢者や障害者を含めた全ての人が円滑に移動するためには、都道のみならず国道や区市道などを含めた連続的なバリアフリー化が重要でございます。
 都は現在、本年三月に策定いたしました東京都道路バリアフリー推進計画に基づき、都道の段差解消や勾配改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置などに取り組んでおります。
 今後は、新たに設置する都、国、関係区市等による連絡会議を活用するなど、関係機関と連携を図るとともに、アクセシビリティ・ガイドラインも踏まえながら、競技会場周辺等の連続的、面的な広がりを持った道路のバリアフリー化を進めてまいります。
 引き続き、誰もが安全、安心、快適に利用できる道路空間の整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 渇水を踏まえた水源の確保についてでありますが、この夏、利根川水系では、およそ三十年ぶりに、六月という異例の時期から取水制限が実施され、その期間は七十九日間もの長期に及びました。
 この事態に対しまして、東京都では、多摩川水系の活用や、お客様の節水へのご協力などによりまして、渇水を乗り切ることができました。
 今後も気候変動の影響などにより、さらに厳しい渇水が懸念されることから、将来にわたる首都東京の安定給水に向けて、節水の取り組みに加え、安定した水源の確保にしっかりと取り組んでいく必要がございます。
 国の見解によりますと、現在建設中の八ッ場ダムが完成をしていれば、ことしの取水制限は全く必要がなかったとのことであります。八ッ場ダムは、首都東京にとって極めて重要であり、国に対し、一刻も早い完成を強く求めてまいります。
   〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) 常盤橋街区再開発プロジェクトに参画する意義についてでございますが、都心部の汚水排除を担う重要な施設である銭瓶町ポンプ所は老朽化が進んでおりますが、民間ビルと一体構造であり、再構築が困難でございました。そこで、この再開発事業に参画することで、街区全体の建てかえにあわせ、移転先用地を確保いたします。
 また、新たなポンプ所を整備するビルは、下水熱や高効率型照明システムの活用など省エネルギー化を推進し、床面積当たりの二酸化炭素排出量を環境局基準の約三分の二に抑えるとともに、日本橋川の水質改善に寄与する雨水貯留池も整備するなど、環境にも配慮してまいります。
 さらに、施設配置の工夫により、施設上部を事業者に貸し付け、日本一の超高層ビルを含む建物が合築される計画でございます。
 これらを通じ、下水道経営の安定に資するとともに、東京国際金融センター構想の実現など、新たなまちづくりに貢献してまいります。
   〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 産業政策に係る四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、中小企業の積極的な事業展開への後押しについてでございますが、東京の産業の力強い成長のためには、中小企業が成長産業への参入や製品、サービスの高付加価値化等に取り組み、強靭な経営基盤を構築することが重要でございます。
 このため、都は、環境、福祉などの成長産業分野における技術開発支援や、付加価値の高いものづくりなどに必要な設備導入への助成を行っております。
 今後、設備投資に関する支援の非製造業への拡大を検討し、生産性向上や革新的なサービスの開発などを後押ししてまいります。さらに、最新の技術動向を視野に入れ、IoTや大企業等で進むオープンイノベーションを活用した新産業の創出に向けた方策を検討いたします。
 こうした取り組みにより、東京発のイノベーションを創出し、産業の活性化を図ってまいります。
 次に、創業支援の一層の充実についてでございますが、多くの創業を生み出すためには、創業希望者の裾野拡大とともに、起業の実現に向けた支援が重要でございます。
 このため、女性・若者・シニア創業サポート事業では、地域創業アドバイザーのノウハウを生かし、希望者を掘り起こすなど、取り組みの強化を検討いたします。また、創業の魅力を若者に効果的に伝えるため、起業コンテストにおけるSNS、デジタルサイネージ等を活用した成功事例の発信や、大学と連携した事業展開を検討いたします。
 さらに、来年一月に丸の内に開設する支援拠点におきまして、創業希望者に経営知識の提供、投資家や先輩起業家との交流、資金相談などの支援を行い、着実に創業に結びつけてまいります。こうしたさまざまな支援により、多くの女性や若者の創業を力強く後押ししてまいります。
 次に、全国の道府県と連携した産業振興についてでございますが、都は今年度、各道府県からの意見を踏まえながら、各地と連携した産業振興施策の具体化を順次進めております。
 今月末から開催いたします産業交流展では、全ての道府県から、昨年度の約五倍となります二百を超える企業等が出展し、バイヤーとの商談の場を提供いたします。また、年内には、金属加工業が集積する新潟県燕三条地域や医療機器関連産業が集積をいたします福島県で、都内企業と現地企業の商談会等を開催いたします。
 さらに、来年二月には、九都県市が合同で開催をいたします商談会に、さきの地震で被害を受けた熊本県や大分県からも企業をお招きいたしまして、首都圏でのビジネスチャンスを提供いたします。
 引き続き、各地のニーズを踏まえた連携策を着実に実施し、東京と日本全体の経済活性化につなげてまいります。
 最後に、ビジネスチャンス・ナビ二〇二〇の活用についてでございますが、本サイトの利用促進を図るためには、中小企業の受注機会の拡大につながる多様な発注案件をふやし、着実に成約へ結びつけていくことが重要でございます。
 これまで都は、中小企業支援機関等と連携し、大規模な展示会や業界団体の総会などで受発注双方の利用登録を呼びかけております。また、民間企業出身者を発注コーディネーターといたしまして中小企業振興公社に配置し、調達案件を開拓しているところでございます。
 今後は、組織委員会を初めとする都の関係団体等が本サイトを、契約案件の掲載のみならず、開札まで一貫して行える専用サイトとして活用できるよう、来年夏の稼働に向けましてシステムの改修を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業のサイト利用を活性化し、多くのビジネスチャンスを全国の隅々まで波及させてまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) 障害者スポーツの観戦促進についてでございます。
 まずは、障害者スポーツの魅力や迫力に一人でも多くの方に触れていただくよう、テレビ、新聞など多様なメディアの活用や、著名文化人等による情報の発信などを通して、幅広い層の関心が集まるように働きかけてまいります。
 次に、ファンサイトを立ち上げ、障害者スポーツのファン、サポーターをふやすとともに、SNSの活用を通じまして、ファン同士がつながる仕組みを構築してまいります。
 さらに会場では、観客と選手の一体感を高め、生の観戦ならではのだいご味を堪能いただけるよう、ライブ解説や来場者サービスの充実等、さまざまな工夫を凝らしてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、多くの方が障害者スポーツを身近に感じ、会場に出向いて観戦を楽しめるよう力を尽くしてまいります。
   〔百十三番高木けい君登壇〕

○百十三番(高木けい君) 豊洲新市場について、三点の再質問をいたします。
 一つは、移転延期の決断理由の一つとなった二年間の地下水モニタリングについてであります。
 新市場用地は、土壌汚染対策法上、形質変更時要届け出区域とされ、二年間の地下水モニタリングが義務づけられている地域ではありません。都が法律上義務づけられていないことを行った理由は、無害化された場所であることの証明のため、つまり都民の安心を担保するための政治的な決定でありました。
 法律的に地下水モニタリングが義務づけられていないため、当然、二年間という期間の設定もないわけですから、いつ、どのような状況になれば都民の安心を担保できるのか、それを決めるのは知事の決断以外にありません。
 先ほど、第五街区の七十二本ある井戸のうちの三本の井戸から環境基準を上回る地下水が検出されたことに対して、今後の推移を見ながら対処していくとの答弁もありました。
 そこでお伺いいたしますが、知事はどのような状況になれば豊洲新市場の安全性が担保されると考えるのか、そして移転が可能となると考えるのか、所見を伺います。
 二つ目は、地下ピットについてであります。
 地下ピットには、今後、地下水管理システムの稼働により、地下水が入らないとされていますが、結露や雨水侵入の可能性は否定できません。さまざまな工夫を凝らして、できるだけドライな空間とし、防カビ対策も徹底してほしいと思います。その際、ピット内の換気システムも必要と考えますが、所見を伺います。
 三つ目は、移転延期により、築地市場で事業を営む業界関係者は大変困惑していると聞いています。資金繰りを初めとするさまざまな問題に対して、都として相談窓口を早急に立ち上げていただきたいと思いますが、所見を伺います。
 以上で私の再質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 高木けい議員の再質問にお答えをさせていただきます。
 まず、移転の決定、どのような状況になればとのご質問でございました。
 豊洲市場の食の安全については、これまでも生活者の目線、都民ファーストの感覚を大切にしなければならないと述べてまいったところでございます。また、いろいろな数字が飛び交って、そしてどれが本当に正しいのかという、そのような観点から、先ほど大変有意義なご指摘、メディアに対する有意義なご指摘もあったかと。メディアではないですね、それぞれの……(「聞こえない」と呼ぶ者あり)聞こえない――はい。(「ボリューム上げて」と呼ぶ者あり)どこで上げるんでしょうか。じゃあ大きい声で話せばいんですね、要はね、はい。
 改めまして、豊洲市場への移転につきまして、豊洲市場の食の安全につきましても、これまでも生活者の目線、都民ファーストの感覚は大切にしなければならないと、このように申し上げてきたところでございます。
 そうした観点から、地下水モニタリング、地下空間の問題、建物の耐震性などにつきまして、現在、専門家会議、そしてまた市場問題プロジェクトチームにおいて調査、検証を行っていただいているところでございます。
 つきましては、移転に当たって、安全性を科学的に、かつ安心していただけるように、わかりやすく市場関係者や都民に説明をいたしまして、そして理解していただくということが一番大切だと思っております。
 そして、これらの科学的、そしてその安全性の確認ということを経た上で、さらにはこうした努力を重ねた上で総合的に判断をしてまいりたい、これが私の考え方でございます。
 残余の質問につきましては、担当の者からお答えさせていただきます。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 二点の再質問にお答えいたします。
 まず、地下ピットについてでございますが、水産卸売り場棟、水産仲卸売り場棟、青果棟、加工パッケージ棟の地下ピットは防水や換気機能を備えておらず、現在、地下水管理システムの本格稼働に向け、試運転を行っているところでございます。
 今後、ピット内の地下水の状況はもとより、結露などの状況も把握して、専門家会議の場で水処理や換気の必要性などについても議論の上、適切な対策を講じてまいります。
 次に、業界関係者に対する相談窓口の設置についてでございますが、今回の移転延期により、市場で働く事業者の方々に、経済的な負担はもとより、将来への不安などさまざまな課題が生じていることは十分認識してございます。
 豊洲市場での新たな商売や事業拡大に向け、これまで準備を進めてこられた市場業者の皆様は、将来に大きな不安を抱えており、そうした方々への対応が大変重要であると考えております。
 このため、現在、築地市場内に設置しております移転に関する相談窓口の相談員の増員や、資金繰りについて関係局や関係する金融機関とも連携を図り、今月十日までに相談体制を整備してまいります。

○議長(川井しげお君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩

   午後三時五十一分開議

○副議長(小磯善彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百八番東村邦浩君
   〔百八番東村邦浩君登壇〕

○百八番(東村邦浩君) 都議会公明党を代表して質問を行います。
 この夏、北海道や東北地方を初め日本列島は立て続けに台風の直撃を受けるなど、甚大な豪雨災害をこうむりました。亡くなられた方々のご冥福と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 質問に入ります。
 知事と議会は、健全でめり張りのある緊張感を保ちながらも、互いに都民の声を代弁する二元代表として切磋琢磨し合うべき関係でなければなりません。
 都議会公明党は、是は是、非は非との基本姿勢を貫き、その中で数々の制度創設や事業の改善を推進してまいりました。改めて都民のための政策を積極的に提言していくと表明するものであります。
 小池都知事は就任以来、都民ファーストと東京大改革を強調されています。都民ファーストについては、我が党も賛同するものであります。その上で、我が党としてはあえて、弱者に寄り添う庶民ファーストの視点を強調しておきたいと思います。
 一口に都民といっても、生活の基盤はさまざまに異なり、経済力も違います。みずからの力で希望を実現できる人や試練の克服が可能な人もいれば、自分の力だけでは乗り越えられない人もいます。
 例えば、ことし七月に、神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で発生した殺傷事件は、犯行の残虐さとともに、障害者などの存在を全否定し、税金の無駄遣いとまで公言する容疑者の言動が人々に大きな衝撃を与えました。
 みずからを選良と思い込み、他者の生存の権利まで奪おうとする考え方は、一般に優生主義といった言葉で表現されます。今回の事件に限らず、歴史的に見ても悲惨な大量虐殺や人種差別など、人類の負の遺産となってきました。
 都議会公明党は、効率性などを根拠に、今再びこのような考えの台頭を許すような風潮とは、断固闘うものであります。
 一方、一見して強い立場にある、あるいは順風満帆に見える人であっても、人生の山坂にあっては、いつ何どき急な下り坂や谷底に直面するかわかりません。いわば、いつでも、誰でも社会的弱者になるかもしれないのです。
 その意味で、自力での克服が困難な状況に陥ったときには、誰人であっても必要な支援を受けて、みずからに適した自己実現を図ることができるための社会的な仕組みが必要です。
 その社会的仕組みこそが福祉であり、成長と分配を適正に保ちながら福祉を守り、支えていく取り組みは、まさに人々の英知を結集して臨むべき文明史的にも価値のあるものと考えます。
 都議会公明党は、これまでもそうした観点から、機会あるごとに東京都を世界一の福祉先進都市とすべきと訴えてまいりました。
 例えば、住宅政策上のセーフティーネットであるべき都営住宅などの維持充実や高齢者の健康寿命の増進を支え、世代間交流を社会的に促す役割を担うシルバーパスなども福祉先進都市の象徴的な取り組みと考えます。
 小池都知事が目指す都政は、社会的弱者にどう寄り添う政治であるのか、知事の基本的見解を求めます。
 弱者に寄り添う視点は、教育環境を整える上でも大切です。特に高等学校の学費、とりわけ公私間格差の負担感は、平成二十六年にリニューアルスタートした国の高等学校等就学支援金制度をもってしてもなお改善の余地があり、保護者の肩に重くのしかかっています。
 特に、都は他の道府県に比較し、私立学校への依存度が高く、都立高校の在籍数は、都内で高校に通う生徒数の四割にすぎません。所得の少ない家庭では、私学を選択したくても経済的に困難であるとのケースも多く見受けられます。
 公明党は、さきの党大会で、大学教育においても無償化の流れを本格的に推し進めると表明しました。都は、国に先駆けた改革を、まずは高校授業料の公私間格差の解消策として打ち出すべきと考えます。
 例えば大阪府では、授業料の上限設定を条件とするキャップ制をしき、所得に応じて授業料の免除や減免に乗り出しています。百校程度ある府内の私立高校のうち、上限を超え授業料を設定する高校は一校しかありません。
 一方、キャップ制には私学経営者に負担の肩がわりを強要し、耐震化や機器の導入、教職員の人件費などで、逆の公私間格差となる課題もあります。
 教育の自由と私学の独立性を守るため、私立高校への経常費補助は一層の充実が必要であります。その上で、都は、中低所得者世帯の授業料等の負担の公私間格差の解消に取り組むべきであります。知事の見解を求めます。
 次に、豊洲市場問題について質問します。
 小池知事による開場延期の決定、建物部分での盛り土の不存在の発覚、地下空間と地下水問題と続いた一連の問題は、今まさに大事な局面に差しかかっています。
 都議会公明党は、現地調査を三回重ねた上で、リオ・パラリンピック大会から帰国直後の小池知事に対し、緊急要望を行ったところであります。
 豊洲市場問題は、都民の食の安心・安全への信頼を大きく揺るがす問題です。都議会公明党は、既にプロジェクトチームを立ち上げ、万全な食の安全対策の再構築、そして、原因究明、再発防止に向け、全力で取り組んでいます。都においてもしっかりと説明責任を果たしていくことを強く求め、質問に入ります。
 専門家会議が敷地全体への盛り土を提言したのは、平成二十年七月であります。また、第九回の技術会議では、仮に地下水中から環境基準を超える汚染物質が検出された場合には、汚染地下水の浄化ができるよう、建物の下に作業空間を確保する必要があると、建物の下のモニタリング空間利用の考え方が都庁側から提案されております。しかし、最終的な技術会議の報告書には、地下空間を利用する提言など、どこにも記載されていません。
 そこで、市場当局はなぜ専門家会議からだけでなく、技術会議からも提言されていない地下空間利用を推し進めたのか、都は、理由を明らかにすべきであります。基本設計の発注に至る検討の内容と経緯を含め、明快な説明を求めます。
 平成二十六年の第十七回、第十八回技術会議の説明資料によれば、埋め戻し、盛り土の完了確認図面には、五、六、七街区の各建築敷地の地盤高は、全て盛り土がされていないAPプラス二メートルと記されています。
 専門家である技術会議の委員の方々が、この二回の技術会議で建物の下に盛り土がなされていないことを認識していたかどうかは極めて重要な問題です。資料並びに都の説明から判断すると、技術会議は盛り土はないということをわかっていたとしか思えません。この点について知事の見解を求めます。
 施設の基本設計の特記仕様書や技術会議の平面図には、建物の下に盛り土がないことを前提とする資料が配布されていたにもかかわらず、市場当局は、その後も事実と異なる議会答弁を繰り返しました。これは議会に対する信義違反であります。
 例えば、平成二十七年三月十七日の経済・港湾委員会での我が党委員に対する質疑では、都は、具体的には、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は、汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去し、汚染地下水は七十年間、一日二リットルの地下水を飲用しても健康に対する有害な影響がない濃度として法に定められた基準値以下に浄化するなどの対策を実施したものでございますとの答弁をしております。
 小池知事が開場延期の決定を公表した翌日も、市場当局は専門家会議の提言のとおり、盛り土について実施したと述べていました。余りにも事実とは異なる答弁と説明であり、到底納得できるものではありません。
 もとより答弁内容は、中央市場長を初め幹部職員の共通認識のもとで協議されるものです。事実経過の時系列を考えれば、この答弁が行われた時点では盛り土が行われていないことを幹部職員は皆、承知していたはずです。
 誤解を恐れずに申し上げれば、まさに市場当局は、局を挙げて集団的に偽っていたとしか思えません。議会軽視のきわみであります。こうした答弁に至った経緯と、その責任について明らかにすべきであります。見解を求めます。
 今後、豊洲市場問題について、都民の皆様の不安を取り除く上で検討しなければならないことを二点申し上げます。
 一点目は、風評被害対策です。都議会公明党が先月二十一日に小池知事に緊急要望を行った際、変な風評被害を立たせないような努力と透明性を確保すると発言されました。食の安全という都民の関心の高い問題だからこそ、あらぬ風評を未然に防止していくことは、この問題における重要な課題の一つであると考えます。
 知事が想定されている風評被害対策の内容と今後の方針について見解を求めます。
 二点目は、市場関係者への配慮であります。知事の移転延期の決断で、市場関係者の最大の不安要因は、市場の将来展望が描けないことであります。
 こうした中、築地の市場業者が最も懸念しているのも、この風評被害であります。風評被害は仮に今後豊洲に移転した後に発生するのではなく、今ここにある危機であります。こうした不安は、市場関係者のみならず、今や豊洲市場の周辺にも及んでいます。
 知事は、九月三十日の定例記者会見においては、市場関係者への補償ということについてはしっかりと取り組ませていただくとも発言されました。
 築地ブランドを守り、築いてくださった市場関係者の皆様が混乱と不安を抱え、日々心労を重ねておられる中、都の責任として真摯に市場関係者の皆様に応対していかなければなりません。
 今後、市場関係者やその周辺が抱えている不安解消に向けて、補償内容の明示や相談対応の充実などを直ちに示すべきであります。知事の見解を求めます。
 豊洲市場問題の最後に質問します。
 今後、知事は大きな決断をしなければならない課題が山積しております。小池知事が延期の決断をされた際に、理由の一つとして言及された地下水のモニタリング調査では、九月二十八日、第八回目の速報値において、二百一カ所の観測地点のうち、三カ所で環境基準を超えるヒ素やベンゼンが検出されました。この結果を知事はどう受けとめているのか見解を求めます。
 都議会公明党が九月十四日に行った現地調査において、青果棟など三施設の地下空間のたまり水を確認しました。その原因として、地下水が上昇している可能性があると判断し、都に対し、直ちに現状の地下水の水位を示すよう申し入れました。
 しかし、都は、それを示さなかったため、都議会公明党は、二十一日再び現地調査を行い、地下水位観測井戸のマンホールをあけさせ、メジャーを差し込み、おおよその地下水位を計測しました。
 その結果、地下ピットにたまったたまり水の高さよりも高い水位であることを確認しました。そもそも専門家会議の提言は、地下水を管理し、地下水位の上昇を防止することであったはずであります。具体的には、APプラス二メートル程度を求めています。
 都は、都議会公明党の調査、提言を受け、ようやく昨日から水位を計測し、本日午前、観測井戸における地下水位の測定結果を発表しました。
 これによれば、最低の水位でもAPプラス二・九メートル、最高水位はAPプラス五メートルを超えていることが明らかになりました。これでは何のための安全対策なのか、地下水管理システムにふぐあいがあったのではないかと疑わざるを得ません。本来、建物の完成と同時かそれ以前に地下水管理システムを本格稼働させ、地下水をコントロールしていなければならなかったはずです。
 都は、なぜ都議会公明党の指摘を真摯に受けとめ、直ちに地下水の水位を計測してこなかったのか、また、建物完成の五月から管理システムを稼働させなかったのか、その理由をそれぞれ明確にすべきです。答弁を求めます。
 さらに、盛り土問題を隠し続けてきたことが、今再び環境アセスメント、環境影響評価の手続にも影響を及ぼし始めています。市場当局は、都の環境局に対し、変更届の提出をしたいとの意向を示しています。
 仮に審議会において、環境アセスのやり直しを求める意見が出た場合、再度実施する場合は十五カ月を要すると考えられます。こうした事態をどのように認識しているか、知事の見解を求めます。
 さらに、安全性の確保のための追加工事の実施、開場の見通しが立たない中、増大化する補償費用の問題等に対し、今後追加の予算措置が必要となります。そうなれば、公営企業会計だけでは賄い切れず、一般会計から税金を投入することも想定されます。これは公営企業の独立採算の原則に抵触することにもなります。こうした事態を知事はどのように受けとめているのか見解を求めます。
 豊洲市場の安全性の問題や建物の下に盛り土をしなかった原因究明については、今後、一般質問でも取り上げ、さらに、経済・港湾委員会で集中的に審議していくことを申し上げ、次の質問に移ります。
 八ッ場ダムについて質問いたします。
 今定例会には、事業費の増額について知事から議会の同意が求められております。八ッ場ダムの整備事業は、これまで幾たびも建設の是非が議論されてきました。
 昭和二十二年の台風九号、いわゆるカスリーン台風級の水害等を教訓に、首都東京及び利根川流域を守るため、公明党が建設推進の立場を貫いてきたことは改めて申し上げるまでもありません。集中豪雨や渇水期の対策として重要なダムであり、一日も早い完成を求めるものであります。
 総事業費の見直しは今回が二度目となり、十二年前には四千六百億円であったものが今回は五千三百二十億円。七百二十億円の増加であり、このうち東京都の負担増は九十九億円となっています。
 これについて知事は、特定多目的ダム法に基づいて都議会の議決を求めているわけでありますが、知事自身が東京都負担分の増加に同意するに至った政策決定過程を明らかにし、基本計画変更について、議会や都民の理解を求めるべきであります。見解を求めます。
 東京都の喫緊の課題であり、補正予算として提出されている待機児童解消に向けた緊急対策について質問します。
 今年四月一日時点の待機児童数は、東京において昨年より六百五十二人増の八千四百六十六人になっています。都政において待機児童対策は引き続き重要な柱となっています。今回の補正予算案について、都議会公明党は、施策を大きく前へ進めるために必要な取り組みと認識しています。
 そこで、今回の緊急対策をより実効性あるものにしていくために、提案を含めて質問をいたします。
 待機児童対策について、知事は所信表明の中で、国家戦略特区を活用した都立公園への保育所整備に触れました。現在、世田谷区にある都立蘆花公園の一角を民間事業者に提供して、その事業が行われていますが、都議会公明党の調査で、その建設地の地下に大量のごみが広範囲に堆積し、一部から環境基準の約三倍の鉛成分が検出されたことが明らかになりました。事業者は建設を進めることができない状況になっています。
 都議会公明党は、九月二十六日、現地調査を行い、二十八日は都に対し、早急に対応を求める緊急申し入れを行いました。適切に対応しなければ、保育所整備に都立公園を提供する事業の信用にもかかわり、風評被害によって今後の待機児童解消のための都有地活用に影響が及ぶ可能性があります。
 都は、早急に土壌汚染の実態や原因を明らかにするとともに、調査だけにとどまらず、土壌を取り除くなど具体的な対策を進め、さらに工事が進められないでいる事業者へも適切な支援を行うべきであります。見解を求めます。
 また、都は、都有地での保育所整備を進めるため設置した都有地活用推進本部で、まずは財務局所管の未利用の都有地三百二十八カ所の中から活用可能性のある土地をリストアップしていくと聞いています。保育所は、子供たちが一日の大半を過ごす場所であります。
 今後、区市町村や民間事業者に活用してもらうに当たっては、安全性を調査した上で提供していくべきと考えますが、知事の所見を求めます。
 次いで、緊急対策をスピーディーに推進していくための区市町村へのさらなる配慮についてであります。
 今回の緊急対策では、保育所の整備について従来の都の計画に五千人分を上積みするとしていますが、この五千人には、区市町村が既に当初予算に基づき着手している案件も多く含められており、いわば織り込み済みといえます。
 緊急対策では、区市町村の負担軽減が図られているとはいえ、早期に実効性を上げていくためには、区市町村に対するさらなる支援が必要です。見解を求めます。
 保育士不足の解消に向けて、都議会公明党はこれまで、保育士給与の増額補助、資格試験の年二回の実施、保育士養成校の卒業時における就職マッチング支援など、さまざまな取り組みを提案し、実現してきました。
 今回の緊急対策では、抜け落ちている取り組みがあります。特に保育士給与の増額という重要な取り組みが盛り込まれていません。物価が高く、生活環境が厳しい東京において、給与の増額を進めていくことは、保育士確保策の大きな柱になると考えます。
 また、保育現場で働く保育補助者への支援も重要であります。保育補助者は重労働ながら非正規雇用が多く、最低賃金に近い状況があり、長続きしない、希望者がふえないという課題を抱えています。
 保育補助者を含め、保育士等の賃金アップを支援すべきと考えますが、知事の所見を求めます。
 保育人材の確保策として、子育て支援員の育成、活用を進める必要があります。子育て支援員制度は、子ども・子育て支援制度の開始に伴い、全国共通の制度として創設されました。都が実施する研修を受講し、認定されると保育士の配置基準の三分の一を超えない範囲で、みなし保育士として活用できています。
 本年の第一回定例会での都議会公明党の質問を受け、都は、研修の大幅な拡充を進め、今回の緊急対策でも、さらに三百人増員するとあります。応募状況を確認した上で、定員を超過した場合は、全員が受講できるよう対応すべきと考えますが、見解を求めます。
 待機児童の解消に向けた受け皿として、幼稚園による三歳未満の子供を対象とする、いわゆるプレ幼稚園の取り組みがあります。幼稚園教育の対象外とされる三歳未満の子供について、集団的な子育てともいうべき保育の効果に期待を寄せる保護者がふえています。
 幼稚園側もプレ幼稚園や預かり保育園を拡大させる意向はあるものの、人件費の負担増が壁になっています。新たな保育園をつくるのに比べ、既存幼稚園を利用しての三歳未満の対応拡大は、実効性が高いと思われます。
 人件費補助などの幼稚園の取り組みに対する支援を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 保育施設の整備を推進していくために、民有地や空き家の活用を図っていくことは効果のある取り組みです。緊急対策では、賃借料の補助を強化することを盛り込んでいますが、さらに固定資産税等の軽減措置を拡大していくことが必要と考えます。
 現在、固定資産税等の軽減措置は、自家所有物件や無料で貸し付ける場合に限っていますが、これを定期借地や建物賃貸を行う場合にも拡大していくべきであります。見解を求めます。
 次に、オリンピック・パラリンピック東京大会について質問します。
 先週、都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームが、開催経費の妥当性等について警鐘を鳴らしました。特に、都や国、そして組織委員会等で構成される調整会議のあり方について、リーダーが不明で全体の予算管理者がいない点について厳しく指摘しております。
 都政改革本部は、調整会議のあり方を具体的にどう変えていくのか、知事の見解を求めます。
 都政改革本部は、開催経費について三兆円に上るとの試算を改めて発表しました。そのうち、組織委員会の経費は二兆円を超えると試算されており、最大五千億といわれている収入を差し引いても一兆五千億を超える赤字が生じることになります。
 組織委員会の事務所が入るビルの賃料だけでも年間四億七千万円に上ることなども明らかになっており、こういった組織委員会の詳細な収支については、現在都議会でチェックできない仕組みになっています。
 このような状況で組織委員会の膨大な開催経費のツケが都に回された場合、都民の理解を得ることは到底困難といわざるを得ません。開催経費が膨大になり、組織委員会の収支が赤字になった場合の財政負担は、第一義的には東京都が全てこうむるからであります。
 組織委員会の監理団体化への検討も含め、都と議会が財務内容をチェックできる仕組みを確保するべきであります。
 あわせて、組織委員会の既存の評議員会には、都議会の代表を送り込み、都と都議会が組織委員会の予算執行等をチェックする仕組みを構築すべきと考えます。知事の見解を求めます。
 調査チームの報告書では、今後の課題として、一つ、海の森水上競技場など都の恒久施設の見直し、二つ、都内仮設施設の見直し、三つ、仮設施設の費用の分担内訳の見直しを挙げております。
 しかしその一方で、これらの見直しに当たっては、大会組織委員会、国内各競技団体、IOC等での協議が必要とも記載し、結論として最終判断を知事に委ねております。
 さらに報告書では、なるべく短い期間に調整すべきだが、開催スケジュールも踏まえた判断が必要と記載し、暗に知事が決断を下すには時間的猶予がないことを示しております。また報告書では、知事が行うこの意思決定は、担当部門等の意見を踏まえて行うともしております。
 知事はタイムリミットをいつに設定するのか、知事が最終判断のよりどころとする担当部門等とは一体何を指すのか、知事の見解を求めます。
 さらに、調査チームの報告書に関連して、以下四点について質問します。
 まず第一に、三兆円を超える可能性がある開催総費用のうち、ハード面の経費の見直しにしか言及していません。総費用の大半を占める警備、輸送、広報など、ソフト面での経費の見直しについての見解及び現時点で、開催総費用のうち、どれくらいの削減が可能、もしくは必要と考えておられるのでしょうか。
 第二に、これまで関係諸団体が積み上げてきた計画を抜本的に見直していくような手法は、現時点で最良といえるのでしょうか。また、見直しの余地があるとしている都の七つの新規恒久施設の多くは、既に設計段階、もしくは着工済みであります。この見直しをする場合、関係機関や他県との協議、既存施設の改修などの可能性を検討及び決定するには、多大な時間が必要となります。二〇二〇年の開催に間に合うのでしょうか。
 第三に、具体的に見直すべきとしている海の森、アクアティクスセンター、有明アリーナの三施設それぞれについて、他県の施設活用、仮設、規模縮小などの提言をとる場合、費用はどれくらい圧縮できるとお考えなのでしょうか。また、その見直しについて、IOCの承認をいつまでに得られると想定しているのでしょうか。
 第四に、現行の各組織の持ち寄り方式では、費用が際限なく増大するとして、総額に上限を定め、都、国が開催計画、予算、人員を一元管理すべきとしています。総額は幾らにすべきと考えておられるのでしょうか。また、その根拠をお示しください。
 以上、都政改革本部長としての知事の見解を求めます。
 オリンピック・パラリンピックに関連して、東京大会における追加競技への重点的な取り組みについて質問します。
 八月に開催されたIOC総会で、東京五輪における追加競技として、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの五競技十八種目が正式決定しました。
 都として、また、国を挙げてこの五競技を提案した以上は、東京五輪での注目度を高め、二〇二〇年以降も継続して正式競技となるような機運の醸成が必要であります。競技のルールや楽しみ方、競技やプレーできる場所などの情報発信や、今後の裾野拡大のための施設整備の充実などに積極的に取り組んでいくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、オリンピック・パラリンピックに関連して、公共交通のバリアフリー化について質問します。
 東京圏における正確で安全な鉄道ネットワークは、活発な都市活動と豊かで快適な都民生活を支える基幹的なインフラであり、東京の強みでもあります。
 その強みである都内の交通インフラで本格的にバリアフリーを進めることは、二度目のパラリンピックを迎える都市の使命として重要であり、我が党は、高齢者や障害者を初め全ての人々の安全で快適な利用を目指し、その進展に取り組んでまいりました。
 バリアフリー化の中でも、特にホームドアの整備は、鉄道駅での転落事故防止策として有効であり、極めて重要な安全対策です。
 先日、地下鉄銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬を連れた視覚障害者の男性がホームから転落死するという痛ましい事故が発生し、改めて駅ホームの危険性が浮き彫りになりました。ホームドアが設置されていれば、事故は確実に防ぐことができたはずであります。
 この事故を受けて、都議会公明党は、命を守るホームドアの整備について、日本盲人会連合の竹下義樹会長とともに、石井啓一国土交通大臣に再発防止に向けた緊急要望を行いました。
 ホームドアの整備が進まない要因は、扉の位置の異なる列車への対応など、技術的な課題もありますが、最大の理由は多額の費用負担にあります。
 そのため、我が党は、国、都、事業者の負担の割合を決める整備スキームを提案し、早期の実施を主張してきました。
 都は、平成二十三年度から、ホームドア整備促進のための予算を地方自治体として初めて計上し、実現に至っております。
 都は一刻も早く、死亡事故が発生した東京メトロ銀座線を初め、JRや私鉄各駅へのホームドア設置のために、国、事業者との連携、協議を積極的に進め、さらに整備を本格的に推進させるべきであります。見解を求めます。
 次に、受動喫煙防止対策について質問します。
 アテネ大会以降のオリンピック・パラリンピック大会において、開催都市では、受動喫煙について罰則つきの法律や条例が施行されています。ことしのリオ大会でも州条例により対策が実施されました。
 現在東京は、各開催都市に比べて、学校、医療機関などの公共施設や公共交通機関、飲食店、宿泊施設などでの禁煙、分煙が努力規定にとどまっている状況です。世界保健機構でも、日本の受動喫煙防止の現状は最低レベルであると判定しています。
 知事は、今定例会の所信表明で、IOCが唱えるスモークフリーの精神は重要なものと述べ、都においても、ホストシティーとしての責任や都民の健康増進の観点から対策を進めると、受動喫煙防止対策について積極的な姿勢を示しました。都議会公明党も、これまで繰り返し受動喫煙防止対策を本会議などで訴えてきました。
 東京は、オリンピック・パラリンピック開催都市として、受動喫煙防止条例を制定していくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 本日は、二〇一一年三月十一日に発災した東日本大震災から二千三十五日目になります。東北三県の被災地は、想像を絶する努力と苦労を重ねながら、いまだ風評被害に苦しみ、一方で、震災の風化とも闘っています。かつて、被災地からさまざまな恩恵を受けてきた東京は、さらなる支援を行っていく必要があるものと考えます。
 四年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック大会の成功は、この被災地の復興なくして断じてありません。
 都議会公明党は、一貫して被災地の復興なくしては、東京オリンピック・パラリンピックの成功はないと訴えてまいりました。震災後直ちに、岩手県、宮城県、福島県の現地に入り、避難をしている住民や行政、経済団体、観光団体などと意見交換をし、さまざまな支援策を提言してきました。
 その一つが、被災地の観光を後押しする被災地応援ツアーであり、被災地の農産品の風評被害を払拭するための小売団体や消費者団体による農産品等の検査体制の視察ツアーの実施であります。
 都議会公明党がこの八月、福島県を訪問した際、福島県の内堀知事は、ぜひとも新知事に福島県を訪問し、復興に向けた取り組みを見ていただき、意見交換をさせていただきたいと強く期待をしておられました。
 二〇二〇年東京大会の開催都市の知事として、岩手、宮城、福島の被災三県を訪問して、各県の知事と胸襟を開いて懇談し、東京大会の成功に向け、被災地に対して何ができるのか把握していただきたいと思います。知事の見解を求めます。
 また、内堀知事からは、福島の人たちが二〇二〇年の東京大会を身近で実感できるよう、追加種目となった野球を、野球が盛んな福島でも開催していただきたいと要望されました。小池知事にも実現に向けて後押しをしていただきたいと思います。見解を求めます。
 さらに、福島県が七月にグランドオープンさせた環境創造センターを公明党は視察いたしました。このセンターの中の教育研修施設であるコミュタン福島は、五つのエリアに分かれています。
 第一、第二のエリアでは、三・一一からの福島の歩みと環境の現状を知ることができます。また、第三のエリアでは、放射線ラボで放射線を正しく理解し、判断するための情報を知ることができます。そして、第四のエリアでは、福島の再生可能エネルギーへの取り組みを知ることができ、第五のシアターでは、福島の環境の未来を考えていくことができます。
 この施設は、福島の児童生徒の教育研修に活用されるとのことです。放射能について断片的な知識でしか知らない東京の児童生徒にも活用してもらいたいと感じた次第であります。
 そのためにはまず、教育現場を担う教員が訪問をし、学習をしていただきたいと考えますが、教育長の見解を求めます。
 最後に、小笠原への航空路開設について質問いたします。
 本土から南に約千キロ離れた小笠原諸島は、昭和四十三年にアメリカから日本に返還され、二〇一一年には世界自然遺産に登録されました。
 唯一の交通手段である船便で、東京から片道二十四時間かかり、帰ってくるのに約一週間かかります。病人やけが人が出たら、海上保安庁や自衛隊の航空機で本土に搬送してくれますが、緊急かつ重症でなくては利用できません。出産可能な環境が整っておらず、出産を間近に控えた女性は、あらかじめ本土に移動しなくてはなりません。また、小笠原村民は、本土にいる肉親の最期をみとることができないという問題を抱えています。
 小笠原が返還されたときに、政府が飛行場をつくると約束した経緯がありますが、二〇〇一年に都が多額の事業費や自然環境への影響などを理由に建設計画を撤回して以来、延び延びとなったまま今日に至っています。
 我が党は、二十数年前から何度も小笠原に調査団を派遣し、航空路を整備するよう、都議会で繰り返し訴えてきました。
 本年五月に七十二歳で亡くなった元小笠原村議会議長の佐々木幸美氏も、長年にわたり小笠原航空路開設のために、地元の同僚議員とともに、国や都に陳情を繰り返してきました。亡くなる前に、自分が生きている間に航空路を実現したかったと涙ながらに語っていました。
 知事、小笠原村民は一日も早い航空路の開設を待ち望んでいます。長年の悲願です。
 最近、航続距離が長く、短い滑走路で離発着可能な国産初のジェット旅客機が開発されました。いよいよ都は、飛行場の設置主体として、国と連携して小笠原航空路の開設に取り組むべきと考えます。
 知事の見解を求め、再質問を留保し、終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 東村邦浩議員の代表質問にお答えをさせていただきます。
 社会的に弱い立場にある方々に寄り添う政治についてご質問がございました。
 都民の置かれた境遇はさまざまでございます。しかし、誰もが生き生きと生活をして活躍できるためには、福祉の充実は不可欠であります。社会的に弱い立場にある方々にしっかりと寄り添って、その方々があすへの活力を持って暮らし、そして躍動できるよう支援していかなければならないと考えております。
 寄り添うということは、支援を必要としている方々の目線で、常に真のニーズを把握しながら、その実現に知恵を絞るということであります。相手に心が伝わり、制度的にも持続可能な施策を大胆かつ細やかに展開することこそ、都民に寄り添う政治、そのための細やかさと発想力を常に持たなければならないと心がけているところでございます。
 二〇二五年には、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる超高齢社会を迎え、医療や介護等の基盤のさらなる整備が求められております。また、セーフティーネットの構築が都民のさまざまなチャレンジを引き出すことにもなりましょう。
 将来を見据えて、変えるべきは変えて、そして守るべきはしっかりと守る。こうした考えのもと、誰もが活躍できるダイバーシティーを実現して新しい東京をつくるために、細やかさと発想力をフルに発揮いたしまして、都民に温かく優しい都政を展開してまいる所存でございます。
 私立高校生の授業料などの公私間格差についてご質問がございました。
 東京の高校生の約六割が通う私立学校は、それぞれが建学の精神、そして独自の教育理念に基づいて特色ある教育を展開しておられます。そして、東京の公教育に果たす役割も極めて大きいものがございます。
 都は、家庭の経済状況により、学校選択の幅が狭まることのないように私立学校に対する経常費補助を通じて授業料などの抑制を行い、そして修学上の経済的負担の軽減に努めているところでございます。
 また、保護者に対しましても、その所得水準に応じて就学支援金、特別奨学金によりまして支援を行っております。さらに、授業料以外の教育費についても、低所得世帯を対象に奨学給付金を支給しているところでございます。
 今後、都独自の給付型奨学金を含めまして、支援制度のあり方について総合的に検討し、公私間格差の是正の観点から、保護者の教育費負担の軽減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、豊洲市場問題でございますが、技術会議での盛り土の議論についてご質問がございました。
 技術会議は、専門家会議の提言を具現化するために設置されていた機関であります。そして、土壌汚染対策工事の具体的な工法、そして、その確実な施工を確認する役割を担っていたものでございます。
 先日公表した調査によりますと、建物の実施設計が完了した平成二十五年二月には、建物の下に地下空間を設けることが確定していたと、このように記されているわけでございます。このことから、議員のお話の平成二十六年時点での技術会議で配布された資料では、建物建設地には盛り土がされていない図面が添付されていた。
 しかし、会議の場ではそのことを明示して都側から特段の説明もしておらず、質問や議論もなかったということから、技術会議の委員の方々が建物の下に盛り土がないことをわかっていたかどうか、現時点では不明といわざるを得ません。
 いずれにいたしましても、担当部局の説明不足は明らかといわざるを得ないと思います。
 続いて、風評被害対策でございます。
 豊洲市場におけます食の安全については、これまでも生活者の目線、都民ファーストの感覚は何よりも大切にしなければならないと述べてまいりました。
 盛り土がないこと、地下水がたまっていること、市場における食の安全、これらに不安を抱かれているのが現状であります。加えて、豊洲市場に関して、建物の耐震性や床の耐荷重など、連日、多くの問題が報道されておりまして、そのことが都民や市場関係者の皆様に対しても、さらに大きな不安を与えていることになっているかと思います。
 そのため、まずは専門家会議や土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会など、科学的に安全性を確認していただくことが肝要と考えます。その上で、豊洲市場に対する不安を払拭していく、そのことにしっかりと努めていきたいと存じます。
 科学的かつ正確でわかりやすい情報を、タイミングを逸することなく、広く発信していくことで、風評被害の発生、拡散を防いでまいりたいと考えております。
 市場関係者の不安解消に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。
 厳しい経営環境の中、豊洲市場の移転に向けて準備を進めてこられました市場業者の方々が、今さまざまな不安や課題に直面していることは十分承知をいたしております。
 そして、こうした不安や課題に真摯に耳を傾けるとともに、市場業者の方々がこうむった損失に対しての補償など、必要な支援策を講じて早急に対応していくことは重要なことでございます。
 地下水モニタリングの結果についてご質問がございました。
 平成二十六年十一月から実施しております地下水モニタリングですけれども、七回までは環境基準以下でございましたが、今回、環境基準を上回る数値が確認をされたところでございます。最初に報告を聞いたところ、私も正直驚いたところでございます。
 現在実施中の二年間の地下水モニタリングでございますが、着実に実施していくことが重要でございます。
 そして、今回の結果につきましては、今後、専門家会議や土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会で、調査、検証していただく運びとなっております。
 環境アセスメントについてのご質問でございます。
 本来であれば、建物の設計が固まった時点で設計を踏まえた変更手続を行うべきであったにもかかわらず、これを怠ったということは重く受けとめなければなりません。
 まずは、専門家会議で改めて安全性を評価、検証していただいて、環境影響の予測、評価と対策を取りまとめて変更届を提出する必要がございます。
 その内容については、環境影響評価審議会の場で、しっかりとしたご審議をいただき、意見を取りまとめていただくことといたしております。
 そして、その意見を踏まえて最終的に知事として決定をさせていただきます。
 豊洲市場の追加の予算措置についてのご質問でございます。
 都の市場会計は、独立採算制を原則といたしております。都内十一の中央卸売市場全体にかかる経費を全市場の収入で賄うという考え方をとっていることはご承知のとおりでございます。各市場の卸売業者や仲卸業者などから徴する市場使用料が主な収入となっております。
 また、生鮮食料品の取引指導などの行政的経費を除いては、税金は充当されていないということを改めて申し上げておきます。
 続いて、八ッ場ダムについてのご質問でございます。
 八ッ場ダムは、将来にわたりまして、東京のみならず首都圏の安定給水を確保して、洪水被害の危険性を低減する上で必要不可欠な施設でございます。
 台風や集中豪雨、一方で渇水の発生など、気象変動に伴う影響が顕在化している今日、ますますその必要性は高まっているということでございます。
 そこで、事業費の増額でございますが、前回の基本計画変更後の物価上昇などによるものと聞いております。
 都は、事業者である国からの提示を受けて、関係五県と連携して検証し、その妥当性を確認したところでございます。
 この内容を局から説明を受けて、工期を厳守し、都民の利水、そして治水の安全性を確かなものとするために、これはやむを得ないものと判断をしたところでございます。
 続いて、待機児童解消緊急対策に係る都有地の土壌汚染などについての対応に関するご質問をいただきました。
 都は、区市町村からの要望を踏まえまして、都有地活用推進本部での検討を経まして、可能な限り幅広く都有地の情報を提供してまいります。
 このため、地下埋設物や土壌汚染の可能性がある都有地も、それらの現状を含めて情報提供をしてまいります。
 その上で、それらの都有地の利用希望がある場合には、改めて地歴や概況の調査を行いまして、その結果、土壌汚染などが判明した場合には、都が法令にのっとりまして土壌汚染対策などを行うなど、安全性を確保してまいります。また、区市町村の要望に基づいて、地元調整についても必要な支援を行ってまいります。
 これらの取り組みを区市町村と連携して着実に行うことによりまして、保育所の整備に向けた都有地の適切な活用を図ってまいるところでございます。
 それから、保育士などの処遇の改善についてのお尋ねでございます。
 保育士などの確保、定着を図るためには、処遇の改善は重要だという認識を共有しております。
 そのため、今回の補正予算案では、現在、採用後五年目までの保育従事者が対象となっております宿舎借り上げ支援を全員に拡大することといたしました。この取り組みで、アパートを借りている保育従事者の実質の所得は、最大で月額、家賃分の八万二千円分改善されることとなります。
 国の方も現在、来年度から二%相当の処遇改善を行うとともに、ベテラン職員にはさらに四万円程度上乗せをするということを検討しておられます。
 来年度予算案には、都としての新たな待機児童対策を盛り込んでいく考えでございまして、都独自に実施している保育士等キャリアアップ補助についても、その活用の実態や国の新たな処遇改善策を踏まえまして、非正規雇用者の対策も含めて、さらなる充実を検討してまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に関する調整会議についてご質問をいただきました。
 都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームの報告におきまして、都、国、組織委員会などで構成される調整会議は、大会準備全体の司令塔としてガバナンスを担うには不十分であり、企業に例えると社長や財務部長がいないような状態であるという大変厳しい分析がなされたところでございます。
 大会準備全般の推進体制を抜本的に見直さなければ、開催総費用は三兆円を超える可能性があると指摘されたこと、これについては重く受けとめなければならないと考えます。
 調整会議のあり方についても、調査チームの報告を起爆剤として、もう一度ガバナンスの確立という原点に立ち戻って、都としてとるべき方策を検討してまいりたいと考えております。
 さらに、組織委員会への関与についてのご質問がございました。
 二〇二〇年大会を何としてでも成功させなければなりません。そして、東京、日本はもとより、世界中の誰もが記憶に残る大会とすることが、知事として私に課せられた使命であることはいうまでもございません。
 そしてまた、そのためには、大会開催をめぐるさまざまな課題について、国や組織委員会と緊密な連携を図り、都民への説明責任を果たしながら解決策を見出していくということは重要な観点でございます。
 そこで、まずは都民の理解と納得が得られるように、都政改革本部会議でもご報告のありました全体のガバナンスのあり方に関する都の考えをまとめまして、国や組織委員会と協議を進めてまいります。
 その上で、財務状況等をチェックする仕組みや監理団体化の検討なども含めまして、組織委員会に対する都の関与のあり方についても整理をしてまいりたいと考えております。
 同じく、調査チームによる調査報告を受けた後の対応についてのお尋ねでございます。
 オリンピック・パラリンピック調査チームには、都が整備する三つの恒久施設について、大会終了後のランニングコストも含めて、極めて客観的かつ経営的な手法で分析をしていただいたところであります。
 また、仮設の施設や設備についても、立候補ファイルの原則のままでは準備が進まないため、早急に新しいルールをつくるべきとの提言を受けたところでございます。
 リオデジャネイロ大会は終わりました。東京大会開催まで残された時間が少ないその中で、都民の皆様からお預かりしている税金を有効に活用するという観点から、見直しを行うには最後の機会といえましょう。
 既にオリンピック・パラリンピック準備局を中心とした関係局では検討に着手しておりまして、一カ月を目途に、都として一定の結論を得るように努力をしてまいります。
 調査報告書に関連したご質問でございます。
 先日の都政改革本部で、オリンピック・パラリンピック調査チームには極めて客観的、経営的な手法での分析を行っていただいたこと、先ほど申し上げたばかりでございます。そして、その出された報告は、しっかり本部長として重く受けとめなければなりません。
 一方で、相手があることでございます。そして、これまで関係者がいろいろと努力をしてこられた中で今の計画があるということも踏まえて、総合的に検討していきたいと考えております。
 そして、検討に当たっては、大会準備を開催に間に合わせなければならないことはもちろんではございますが、あわせて大会レガシーが負の遺産にならないように、施設の整備を仮設で対応することや、大会後のランニングコストなどをしっかりと算定する、将来負担の低減を図るということなどを考慮しなければなりません。
 そして、いただいたご質問にありましたソフト面での経費の見直し、そして関係者等との調整、都が整備する三施設の整備費用の見直し、開催経費の上限の設定につきましては、いずれも検討すべき重要な課題でございます。
 今後、ご指摘いただきました課題も含めまして、調査報告書の提言について、組織委員会など関係者の協力も得ながら、早急に検討、そして答えを出してまいりたいと考えております。
 受動喫煙防止対策についてのご指摘でございます。
 私はオリンピック・パラリンピック開催都市の知事として、IOCが唱えるスモークフリーの精神は重要なものと考えております。また、近年の開催都市は、屋内を全面禁煙とするなど、法律や条例で罰則を伴う大変厳しい受動喫煙防止対策を講じているところでございます。
 現在、国は、内閣官房を中心とした検討チームを設置して、受動喫煙防止対策の強化に向けた検討を行っていると聞いております。
 都としても、大会のホストシティーとしての責任や都民の健康増進の観点から、受動喫煙防止対策を一層進めていく点については、所信表明でも述べさせていただきました。その中で、条例化についても、国の動きを踏まえながら総合的に判断していく所存でございます。
 東日本大震災の被災地支援についてでございます。
 これまで都は、職員を派遣し、また、都内への避難者の支援、風評被害の払拭やスポーツ、文化を通じた交流など、総力を挙げて被災三県を支援してきたところでございます。
 震災から五年半がたった今、東北では被災地の方々の懸命な努力によって、復興は着実に進んでいるものの、その道のりはいまだ途上、道半ばでありまして、震災記憶の風化も懸念されているところでございます。
 また、二〇二〇年大会は復興オリンピック・パラリンピックであり、被災地の復興なくして大会の成功はないと私は考えております。
 このため、被災地訪問について、私も就任以来申し上げてまいりましたように、今後、開催都市の知事として、機会を捉えて被災地に足を運んで、各県の知事とも意見交換を行います。そして、復興に向けた取り組みをより効果的に後押ししてまいる所存でございます。
 今後とも、被災地の声に耳を傾け、ニーズを的確に把握しながら、二〇二〇年大会の成功のためにも、一日も早い復興に向けて全力で支援してまいります。
 そして、最後のご質問ではございませんでした、最後から二つ目、福島県における野球・ソフトボールの開催についてのご質問でございます。
 追加の競技については、先般のIOC総会において満場一致で決定をされまして、現在、組織委員会を中心に、被災地における野球・ソフトボールの一部試合の開催可能性を検討しているところでございます。
 お話の福島県には、プロ野球開催などの実績を持つ大規模な球場が複数ございます。県や県内自治体が開催を強く要望していることも承知をいたしております。
 福島県での野球・ソフトボールの開催は、復興オリンピック・パラリンピックとして意義のあるものであり、私としても、その実現に向けて後押しをしてまいりたいと考えております。
 最後に、小笠原航空路についてでございます。
 小笠原の航空路開設は、島民の生活の安定と国境離島である小笠原諸島の自立的発展を図る上で極めて重要でございます。
 私も航空路の開設が小笠原村民の切なる願いであることは十分承知をいたしております。
 その一方で、航空路開設に当たっては、自然環境との両立や財政面、就航可能な機材の確保など、さまざまな課題もございます。
 このため、国や小笠原村など関係機関との調整を緊密に、かつ丁寧に行うとともに、幅広い視点に立って、課題に関する調査を行ってまいります。
 この週末には、私みずから現地に赴きます。台風が過ぎ去った後だと願っております。島内の状況をしっかり確認してまいります。
 そして、今後、調査結果や関係機関との調整などを踏まえまして、世界自然遺産である小笠原で実現可能な航空路案が取りまとめられるよう、国からの支援、協力も得ながら、精力的に検討を進めてまいる所存でございます。
 なお、その他の残余の質問につきましては、教育長及び関係局長からの答弁とさせていただきます。
   〔発言する者あり〕
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) ただいまのご質問に対する答弁が一部漏れておりました。再度、答弁させていただこうと思います。お許しください。
 市場関係者の方々への不安解消についての項目のところでございます。
 現在、築地市場に設置しております移転サポート相談室の体制を強化してまいります。そして、補償を初めとしたさまざまな相談に丁寧に応じることで、市場業者の皆様方の不安解消に積極的に努めてまいります。
 この点が漏れておりましたこと、おわびを申し上げます。
 以上でございます。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 福島県環境創造センターの活用についてでございますが、いまだに風評被害に苦しみ、震災の風化と闘っている被災地の復興をさらに支援していくためには、被災地を訪れ、着実に改善している状況を理解することが重要でございます。
 都教育委員会では、ことし八月に都立高校生と教員を合わせて約百名を宮城県南三陸町に派遣し、被災者との交流や地域産業復興のためのボランティア活動を行ってまいりました。また、九月には二度にわたって教育庁職員を福島県に派遣し、被災後の環境の回復状況等について認識を深めてきております。
 今後、被災地の復興支援の一環として、宮城県南三陸町との交流を継続するとともに、被災地の復興状況を正しく理解し、教育活動に生かしていくことができるよう、教育管理職対象の宿泊研修等において、お話の環境創造センターの訪問について検討してまいります。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 豊洲市場に関します四点のご質問にお答えいたします。
 豊洲市場の地下空間設置に至る経緯でございますが、建物下に地下空間を設置するに至ったプロセスは、段階的に進行したことが自己検証により明らかになりました。
 平成二十年十月の第四回技術会議で、委員から地下水の長期モニタリングと処理の必要性についての発言があり、同年十二月の第八回技術会議で、都から、建物下のモニタリング用及び万一の際の作業用の空間、いわゆるモニタリング空間の必要性を説明しております。
 一方、都の技術部門におきましては、技術会議開催前後からモニタリング空間に関する内部検討が進められ、技術面での可能性や課題について検討が進められました。
 建物を建築する際には、基礎部分の地盤を掘り下げてピットを設けることが基本的な措置である、あるいは、いわゆる高床式に関しましては、取りつけ道路が急勾配になるなど現実的ではないなどの議論を経まして、各種ライフラインの設置管理や市場の使い勝手の観点から、モニタリング空間を地下に設ける考え方が共有されていったと推定されます。
 こうした中、平成二十二年十一月、基本設計の起工書の中で、モニタリング空間設計等は本設計に含むとの特記仕様書が示され、平成二十三年六月に完了した基本設計では、建物地下に空間が広がった図面が示されました。
 その後、さらなる議論を経まして、地下にモニタリング空間を設けることにつきまして、平成二十三年八月に担当部としての確認を経て、同年九月、実施設計を起工し、市場として組織決定をいたしました。
 平成二十五年二月の設計の完了によりまして、建物地下にモニタリング空間を設け、盛り土を行わないことが確定したと判断されるところでございます。
 次に、事実と異なる答弁の経緯と責任についてでございますが、自己検証の結果、明らかになったことといたしまして、歴代の土木担当部長は、建物下に盛り土がないとの認識がなかったか、土壌汚染対策の基本的な考え方を述べるものとの認識があり、前例に沿って答弁を行ってきたところでございます。
 また、建物建設を担当する建築担当部長は、建物下に盛り土がないことを認識しておりましたが、答弁所管の土木担当部長が対策の基本的な考え方を述べていると考えたため、修正の意見を述べることがございませんでした。
 さらに、答弁のチェック機能を果たすべき市場長等も、私も含めて、盛り土が行われていなかったことを知らなかったか、知っていても矛盾を感じなかったため、答弁案を修正させることはございませんでした。
 これらは、土木と建築の縦割りによる連携不足、担当部署の問題認識の甘さ、市場長や管理部門の認識不足など、ガバナンスと責任感の欠如によるものでございます。
 この問題に関しては、盛り土がないことを認識していたか、いなかったかにかかわらず、組織運営のトップとして、市場長の責任は免れないと考えます。私自身、深く反省し、責任を痛感しているところでございます。
 次に、地下水位の計測や監視の実施についてでございますが、地下水位を一定に保つための地下水管理システムは、本年八月から試運転を行っており、今月中に本稼働する予定でございます。昨日から地下水位の計測を実施し、本日よりそのデータをホームページで公開を始めました。今後は一日二回、継続して計測をしてまいります。
 なお、建設工事中におきましては、各街区とも雨水を集水するためのくぼ地を設け、集まった水を沈砂槽にポンプで送水した後、土砂などを除去して既設の雨水管に排水してまいりました。
 次に、地下水管理システム工事が建築工事の後追いになっていることについてでございますが、地下水管理システム工事は、地下水をくみ上げるための揚水ポンプの設置工事、地下水を排水施設棟に送る送水管の敷設工事などでございます。揚水ポンプや送水管は、建物の外構工事として施工する建物敷地内の通路下に敷設するため、工程上、終盤に整備することになります。
 そのため、地下水管理システム工事を建物工事に先行して施工することはできなかったものでございます。
   〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 蘆花恒春園保育所予定地の土壌汚染についてでございますが、保育所用地の確保が困難な地域におきまして、地元のニーズを踏まえ、都立公園を活用していくことは、待機児童の解消を図る上で重要な取り組みでございます。
 蘆花恒春園における保育所の設置場所については、地元区と連携し、公園の利用状況や国家戦略特別区域法に定める技術的基準に基づき選定を行いました。
 その場所から土壌汚染対策法の指定基準を上回る鉛及びその化合物が検出されたことにより、開所時期に影響が生じ、ご期待をいただいている地域の方々に対してご迷惑をおかけしていると認識しております。
 今後、土壌調査を実施し、その結果を踏まえ、早期の保育所整備に向けて、区や事業者と具体的な対策等を協議してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、保育サービスの充実に取り組む区市町村への支援でありますが、保育の実施主体は区市町村であり、保育所等整備費の負担割合は原則国が二分の一、区市町村と事業者がそれぞれ四分の一でございますが、都は保育サービスの整備促進を図るため、独自に補助を行っておりまして、区市町村と事業者の負担を最大で十六分の一まで軽減をしております。
 また、今回の補正予算案で新たに創設する高騰加算では、定員百人規模の場合、補助基準額約一億九千万円に約五千七百万円加算し、都が最大でその十六分の十五まで区市町村負担は求めずに負担することとしております。
 借地料や補正予算案で創設する建物賃借料への補助も、区市町村と事業者の負担を今年度は最大で十六分の一まで軽減することとしており、今後、区市町村の取り組みが一層進むよう、さらなる支援策を検討してまいります。
 次に、子育て支援員研修についてでありますが、都は昨年度から、地域における子育て支援の担い手を確保するため、子育て支援員研修を開始いたしました。そのうち、小規模保育や家庭的保育などに従事する方を対象とした地域型保育コースは、定員七百二十名で実施し、今年度はより多くの人材を養成するため、千三百六十名に拡充をいたしました。
 さらに、今年度から地域型保育コースの修了者を認可保育所等でみなし保育士として活用することが可能となり、受講希望者の増加が見込まれることから、今回の補正予算案では三百名増員することとしております。
 研修の実施に当たりましては、応募状況を確認した上で、定員を超過した場合にも、一人でも多くの方が受講できるよう柔軟に対応してまいります。
   〔生活文化局長中嶋正宏君登壇〕

○生活文化局長(中嶋正宏君) 幼稚園における待機児童解消に向けた取り組みへの支援についてでございますが、幼稚園は三歳以上の子供を対象とする教育機関であり、これまで都は、在園児に対しては教育時間終了後の預かり保育に要する人件費等の補助を充実してまいりました。
 一方、地域の子育て支援のため、三歳未満の子供に対しましても、親の出産や急な用事、育児疲れなど、一時的に家庭での保育が困難となった子供を預かる場合に補助の対象としてまいりました。
 今般、待機児童解消に向けた緊急対策として、国の改正に伴い、この三歳未満の子供を月単位で継続的に預かる場合にまで補助対象を広げることとしております。
 このような対策を実施することにより、待機児童の解消に取り組む幼稚園を支援してまいります。
   〔主税局長目黒克昭君登壇〕

○主税局長(目黒克昭君) 保育施設に係る固定資産税等についてでありますが、現在都では、自己所有または無料貸し付けの場合、認可保育所等について地方税法の規定により非課税としているほか、認証保育所について独自に減免をしております。
 一方、有料貸し付けの場合は、所有者が貸付料を得ており、その負担について別段の考慮をする必要性が低いと考えられますことから、非課税や減免を適用しないこととしております。
 仮に有料貸し付けの保育施設に係る固定資産税等の軽減を図る場合は、保育施設以外の非課税措置との公平性や軽減の効果が特別区の区域に限られる等の課題があると認識をしております。
 なお、保育施設の整備促進に向けては、ご指摘のとおり、定期借地を初めとした民有地等の活用も重要であり、都は税制措置として高いインセンティブ効果が期待される相続税、贈与税の軽減を国に対し提案しております。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) オリンピック追加競技についてでございますが、日本の国民的スポーツである野球、ソフトボール、空手はもとより、世界的に若者に人気があるスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの競技の追加は、オリンピックにさらなる魅力をもたらすものでございます。
 そこで都は、追加競技の決定を受け、早速、リオ大会中に実施したライブサイトにおいて、スポーツクライミングの体験コーナーを設け、普及啓発を開始いたしました。
 今後、これらの競技の裾野を拡大するため、市区町村に対しまして、都の補助制度を活用してスポーツ施設の整備に取り組むよう、働きかけを強めてまいります。
 そして、節目イベントにおける機運上昇やSNSを効果的に活用するなど、これらのスポーツの魅力を積極的に情報発信してまいります。
   〔都市整備局長邊見隆士君登壇〕

○都市整備局長(邊見隆士君) 鉄道駅のホームドア整備についてでございます。
 利用者の安全性確保のため、ホームドア整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございまして、これまでに約三割の駅で設置されてございます。
 都は、こうした取り組みを加速させるために、地下鉄の駅、あるいは利用者十万人以上のJRや私鉄の駅を対象として補助を実施し、加えて競技会場周辺駅については、昨年度から利用者の規模によらず補助を実施してございます。
 これにより例えば、東京メトロ銀座線では、平成三十年度までに整備がおおむね完了し、JR信濃町駅や千駄ケ谷駅などでは、二〇二〇年大会までに完了する予定でございます。
 今後とも、誰もが安心して鉄道を利用できるよう、国や地元区市とも連携して、鉄道事業者の取り組みを積極的に支援してまいります。
   〔百八番東村邦浩君登壇〕

○百八番(東村邦浩君) 先ほど知事は、技術会議の委員が建物の下には盛り土がないことの認識について、現時点では不明と答弁されました。不明のまま放置すると疑念を呼び、不信感の拡大につながります。さらに、この点を究明すれば事実解明の新たな突破口になるかもしれません。
 急ぎ、一人一人の技術会議の委員に聞き取り調査を行うべきと考えます。市場長の明快な答弁を求めます。
 また、各街区施設の建物の設計は、基本設計を含め全て一社の設計会社が請け負っています。
 都は、建物の下に盛り土を置かないことの決定について、ピンポイントでは責任者を特定できないとしていますが、まずは発注者として設計会社に対し、基本設計委託の発注折衝を都庁内の誰と行ったのか確認すべきであります。早急な実施について、市場長の見解を求めます。
 以上で終わります。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 二点の再質問にお答えいたします。
 まず、技術会議の委員に対する聞き取り調査についてでございますが、今後、局として対応してまいります。
 次に、基本設計委託の発注折衝についてでございますが、日建設計に対し、基本設計委託の発注折衝を都庁内の誰と行ったかにつきましては、現在、確認を行っているところでございます。

○副議長(小磯善彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十三分休憩

   午後五時三十五分開議

○議長(川井しげお君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十六番大山とも子さん
   〔百二十六番大山とも子君登壇〕

○百二十六番(大山とも子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 小池百合子新知事に対する初めての質問ですが、私は、都民にとってよいことは賛成し、よりよいものにするために積極的に提案する、そして、都民にとって悪いものについては批判し、是正を迫るという都民第一の立場で質問します。
 初めに、今、都政を揺るがす大問題になっている豊洲新市場の問題です。
 我が党は、深刻な土壌汚染地である東京ガス豊洲工場跡地への築地市場の移転に一貫して反対し、現地調査を行い、厳しく追及してきました。
 築地市場の豊洲移転は、二〇〇一年二月に石原元知事が、施政方針演説で候補地にすると表明したことが発端です。その目的は、築地の跡地を再開発して民間に高く売ることでした。
 しかし、その一カ月前には、東京ガスが豊洲工場跡地から環境基準の一千五百倍の発がん性物質ベンゼン、四百九十倍のシアンなど、高濃度の有害物質で汚染されていることを公表していたのです。石原氏がこれを知らなかったはずはありません。
 東京ガス豊洲工場跡地は、一九五六年から約三十年間にわたり、石炭を原料にして都市ガスを製造していました。その過程でヒ素が使われ、ベンゼンやシアン化合物などの副産物ができていたのです。また、大量のタールがドラム缶に仮置きされ、それが漏れ出して地中に浸透していました。にもかかわらず、濱渦元副知事が交渉に乗り出し、強引に買収したのです。深刻な土壌汚染があることを知りながら市場の移転候補地にした石原氏の責任は極めて重大です。
 豊洲新市場予定地の土地取得が進められた経過と責任の所在について、この機会に徹底検証し、公表することが求められていると思いますが、知事いかがですか。
 市場の予定地の取得価格は土壌汚染がないものとして評価され、一千八百五十九億円にもなりました。東京ガスは、汚染された工場跡地が高く売れただけでなく、もともとこの土地の関連企業の負担で実施することになっていた周辺の防潮護岸整備費の負担を免れました。一方、東京都は、二百十二億円もの負担を負うことになったのです。
 土壌汚染の除去は、本来売り主である東京ガスの責任ですが、その費用負担は七十八億円にすぎません。一方、東京都は、土壌汚染対策に八百五十八億円も負担することになり、新市場建設費などと合わせ、これまでだけでも六千百億円近い財政支出を行った上、借金の利息三百七十億円など、今後にわたって負担が追加されることになります。
 石原元知事が無理やり東京ガス豊洲工場跡地を買収した結果、東京ガスが莫大な利益を得て、市場は莫大な財政負担を余儀なくされたのです。知事、とんでもない公金の浪費だと思いませんか。
 都は、土壌汚染対策を調査検討し、提言を行う専門家会議と専門家会議の提言を経済的にすぐれたやり方で進めさせる、つまり、安上がりに進めさせる技術会議をつくりました。しかし、そのもとで実施した土壌汚染の調査と対策工事は抜け穴だらけでした。
 専門家会議は、汚染された地層の下には水を通さない粘土層があるから、粘土層の下に汚染がある可能性は低いとして、その部分の汚染状況を調査しませんでした。ところが、専門家会議が解散した後に粘土層のないところがあることがわかり、その後の調査では実際に汚染が広がっていたのです。
 さらに、東日本大震災のときには、豊洲新市場予定地で、液状化により、百八カ所にわたって噴砂、噴水が発生しました。汚染が拡散した可能性が高いにもかかわらず、都が任命した技術会議の委員は、根拠も示さず汚染土壌の移動は考えにくいと決めつけ、それを根拠に、都は調査すらしませんでした。
 土壌汚染対策が有効であるかどうかを判断するための二年間のモニタリング調査を待たずに対策が完了したとして、建設工事へのゴーサインを出したのも技術会議です。
 豊洲への移転第一という歴代知事のもとで、挙げれば切りがないずさんな調査をもとに安全宣言をしてきたのです。
 知事、こうした経過からいっても、食の安全・安心を守るために、関係部局や都がつくった専門家会議、技術会議が当時とった対応も含め、これまでの土壌汚染調査、対策への全面的な検証が必要ではありませんか。
 専門家会議による土壌汚染対策の提言の主な内容は、地下水を建物の下では環境基準以下に抑え、四・五メートルの盛り土をする。地下水はその盛り土内に上昇しないように管理するというものでした。これは、日本環境学会など第三者の専門家からは、汚染の実態調査が不十分な上、有害物質による地上部への影響が避けられないと厳しく指摘されたものでした。
 ところが、日本共産党都議団の調査で、各売り場棟の地下に空間があり、その盛り土さえやっていないばかりか、地下水がたまっていることが明らかになりました。
 知事、第三者の専門家から不十分な対策とされてきた盛り土ですが、それすらやらずに建物の下に地下空間がつくられ、地下水がたまっている問題についてどのように認識していますか。
 知事は、調査特別チームをつくって検証を進めていますが、先日発表された調査報告では、資料がないなどの理由で、事実経過も責任の所在も明らかにされませんでした。
 都はこれまで、都民、都議会に対して、法を上回る四・五メートルの盛り土をしてあり安全と、虚偽の答弁を繰り返し、欺いてきたのです。都民が納得できるわけがありません。隠蔽体質にメスを入れ、なぜこのようなことが起きたのか、真相の解明と責任の所在を早急に明らかにすべきです。知事、いかがですか。
 豊洲新市場整備に当たって行われた環境影響評価は、実際には主な建物下の盛り土をしていないにもかかわらず、四・五メートルの盛り土がされたことを前提に行われたものです。環境影響評価をやり直さなければならないと思いますが、知事の見解を伺います。  建物下に地下空間があり、盛り土がないということは、汚染された可能性がある地下水から揮発したガスが売り場に上昇してくるという危険があります。事実、地下空間には地下水がたまり、有害物質が検出されています。地下水が上昇してこないようにする対策装置も働いていない可能性があり、重大な事態です。知事はどう認識していますか。
 東京都が行っている八回目の地下水モニタリング結果で、青果棟施設がある五街区の三つの地点から環境基準を上回るベンゼン、ヒ素が検出されたことも極めて重大です。これは都がこれまで行ってきた土壌汚染対策では、地下の土壌汚染物質が取り除かれていないことを示すものです。汚染された地下水によって、土壌全体が再汚染されていく可能性もあります。知事はどのように考えているのですか。
 都が重視する豊洲新市場の地下水管理システムにかかわる問題で、新たな重大な疑惑があります。都は、地下水管理システムの設計を、競争によらない公募型見積もり合わせで、株式会社日水コンと契約しました。見積もり参加の条件は、汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することなどとなっています。ところがこの企業は、上下水の水処理技術が中心であり、汚染地下水の処理、管理技術の実績が十分とは思えません。
 日本共産党都議団が、この企業の汚染地下水処理技術について確認したところ、同社総務課長は、社のメーンは、水道、下水道のコンサルティング等であり、地下水を汚染処理したり、流動解析をする実験施設は持っていないとの説明でした。これでは、都の見積もり参加条件に不適格ではありませんか。
 この日水コンとは、その後も地下水管理システム維持管理計画書作成委託や地下水管理システム運転保守業務委託も可能な唯一の業者などとして特命随意契約を続けています。何を根拠に可能な唯一の業者だとして特命随意契約にしたのですか。
 知事、地下水管理システムをめぐる日水コンとの随意契約、特命随意契約についても調査、検証が必要だと考えますが、見解を求めます。
 豊洲新市場の問題点は、土壌汚染だけではありません。建物の構造上の問題も重大です。水産仲卸棟では、四階の荷さばきスペースのコンクリートの厚さが、実際には十五センチであるにもかかわらず、構造計算は一センチで行われています。建築確認申請もこの構造計算で行われており、実際の施工に合わせた構造計算書による建築変更手続が必要です。何よりも耐震性にも重大な影響を与えかねません。
 また、地下空間があることによる構造計算ですが、地下室のないものとして計算したのか、地下一階を含む建物として計算したのかなど、どのような考え方で行われているかについて明らかにすべきです。
 こうした建物の構造上の問題が指摘されていることについて、調査チームでも検証課題になっていますが、重大な問題であり、徹底した検証が必要です。知事の見解を伺います。
 新市場予定地は、環状二号線や補助三一五号線が通っており、土地が分断されています。この問題が解決されなかったため、市場関係者から、売り場が分断され、野菜、果物と水産物の買い回りを一体にできないなど、致命的な欠陥があると指摘されていることを知事はどう考えていますか。
 知事は、豊洲新市場の開場を延期しましたが、深刻な土壌汚染に加え、建物の安全性や耐震性も疑われ、市場としての使い勝手が余りにも悪い豊洲新市場への移転計画は、抜本的な再検討が求められています。
 知事は、二〇〇八年の著書で、豊洲新市場予定地は、食との関係の薄い分野で活用すればよい、築地市場の現在の場所で建物だけ建て直すのが一番妥当と思われると述べています。知事、今こそ豊洲移転中止に向けた本格的検討を進めるべきと考えますが、いかがですか。
 豊洲新市場をめぐる問題の真相解明には、都議会として百条委員会を設置することが必要だという都民の皆さんの声が大きく広がっています。日本共産党都議団は、既に百条委員会設置を提案しましたが、改めて、都議会がその役割と責務を果たすために、強い調査権限を持ち、証人喚問を行い、偽証罪にも問える百条委員会を速やかに設置するよう、全ての議員の皆さんに強く呼びかけます。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてです。
 小池知事は、五輪費用の適正化、透明化を公約に掲げ、そのためにオリンピック・パラリンピック調査チームをスタートさせました。
 日本共産党都議団は、これまで一貫して競技施設は既存施設を最大限活用するなど、五輪費用の削減を求めてきました。都が国立競技場整備費の負担を受け入れたときも厳しく批判してきました。
 組織委員会が運営費用を膨張させ、その全容を示していないことに対しても、最新の運営費を公表し、削減の努力を尽くすことを求めてきました。私はこうした立場から、知事が公約を貫き、真に都民が納得できる五輪費用の削減と透明化を実行することを求め、質問します。
 日本共産党都議団は、八月三十日、知事に提出した五輪費用の削減と透明化に向けた提言で、知事の責任が直接問われる都立競技施設について、アクアティクスセンターの規模の縮小や海の森水上競技場計画を中止し、仮設施設に転換するよう求めました。この点で、知事が設けた調査チームが、海の森水上競技場、アクアティクスセンター、有明アリーナの三施設について、既存施設への変更や規模縮小の検討などを打ち出したことは重要です。知事は、この報告をどう受けとめ、具体化していくのですか。
 見直しに当たっては、さまざまな困難が予想されるだけに、関係者、都民の理解と納得を得ながら進めることが何よりも重要です。海の森水上競技場は、巨額の投資をしたとしても、競技場として不適切であり、負の遺産になりかねません。宮城県長沼に変更する案が示されたことは、復興五輪の理念の具体化として大切です。
 同時に、多くのボート関係者から、仮設施設による埼玉県彩湖の利用を求める声が上がっている事実も重要です。そうした、たくさんの声にも耳を傾けつつ、最善の選択を目指し、具体化を図ることが重要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 見直し三施設については、方針が確定するまでは、直ちに工事をとめるべきです。知事、いかがですか。
 知事が出馬会見で、膨れ上がる五輪費用を精査し、そのお金は、むしろ都民のために使っていくと発言し、所信表明でも、都民生活の質の向上と持続的な成長を実現していく、そのことが私たちにとって大会の真の成功といえると発言したことは重要です。
 IOCも五輪開催を通じて、住民の生活、障害者雇用、環境などの指標がどう向上したのか報告を求めています。知事は、大会自体の成功とともに、都民生活の質の向上にどのように取り組んでいくのですか。
 調査報告書は、都民要望を反映した積極面とともに重大な問題が含まれていることも指摘しなければなりません。その一つは、五輪費用が増大するもとで、これまでの役割分担は非現実的だとして、仮設競技場の整備費について、都内施設は全て東京都が負担することを提案していることです。しかし、仮設施設は、組織委員会の責任で整備することが今までのルールです。
 知事、都の方から、新たな負担を約束するなど、あってはならないことではありませんか。都の負担は、都立競技場整備費に加え、新国立競技場整備費の負担、選手村の基盤整備費、組織委員会から要請された代々木公園拡張の用地買収費など、既に三千五百億円を超えています。
 その上、調査報告が試算した仮設整備費千五百億円負担が追加されたら、都の負担は五千億円をも超えることになりかねません。都民の負担削減どころか、逆に増大ではありませんか。知事の見解を求めます。
 今、都がやるべきは、組織委員会に、最新の大会運営費の総額と内訳を速やかに公表させて、費用削減の努力を尽くすよう、組織委員会に厳しく求めることではありませんか。
 また、入居している虎ノ門ヒルズなどに、家賃として月約四千万円も払っていることに都民から批判の声が上がっています。入居ビルの見直しなども、組織委員会に迫るべきだと思いますが、知事、いかがですか。
 組織委員会は、都が追加拠出した出捐金を全額都に返還する方針を決定しました。森会長は、都の干渉を拒むためであるかのような発言をしています。とんでもありません。そもそも大会の組織運営は、五輪憲章により、東京都とJOCがIOCから委ねられたものです。出捐金にかかわらず、都が組織委員会の財政運営を監視し、必要な意見をいうのは当然のことだと思いますが、知事の見解を伺います。
 調査報告が一切触れていない選手村にも重大な問題があります。都は、盛り土や道路整備などの基盤整備に四百十億円もの公金を投入した上、十三ヘクタールの土地を大手開発事業者、ディベロッパーに対し百二十九億円、一平米当たり十万円以下という破格の安値で売却するのです。隣接する晴海二丁目の都有地の売買実績は一平米当たり百三万円でした。それと比べても十分の一です。
 都は、価格が安いのは、選手村整備という一定の制約があるからだと説明していますが、選手村としての利用期間は、組織委員会から、賃貸料が開発事業者に支払われることになっており、大幅な値下げの根拠にはなりません。
 五輪後に売り出すタワーマンションなどの建設が重視され、IOCが選手村整備で求めている貧困層への配慮もなく、公営住宅整備は計画されていません。当初、選手村に設けるとしたテニスコートなどの施設はなくなりました。知事、まさにディベロッパーファーストの選手村計画を抜本的に見直して、アスリートファースト、都民ファーストに切りかえることが必要ではありませんか。
 次に、待機児童対策です。
 保育の量、質の抜本的拡充が必要だという立場から質問します。
 経済雑誌、日経DUALの調査では、保護者の九割が認可保育園を第一希望にしています。多くの保護者は、保育士が十割配置され、保育室も十分な広さを確保し、園庭もある、所得に応じた保育料の仕組みを持つ認可保育園を求めています。
 東京では、認可保育園の定員数は、鈴木都政以降、二〇〇八年度までの二十九年間に約一万五千人分しかふえませんでしたが、二〇〇九年に国と都が認可保育園をつくるための補助を充実したことなどで増設が加速し、昨年度は一万三千六百人分ふえました。認可保育園にきちんと予算をつけてこそ、保育の供給を大幅にふやすことができるのです。保育の量も質も拡充するためには、認可保育園を保育政策の中心にするべきだと考えますが、知事の認識を伺います。
 都内の待機児童数は、育児休業を延長した場合や、認可保育園に入れなかったために、認証保育所に入所している場合などを含めると二万七千人を超えています。待機児童ゼロを実現するために、認可保育園の定員数を四年間で九万人分以上ふやし、まずは、就学前児童人口の五割まで引き上げていくことが求められています。知事の見解を伺います。
 都有地活用推進本部が設置されたことは、私たちの提案とも一致するものであり、重要です。使用目的の決まっている行政財産の土地からも活用可能なものを洗い出すとしていますが、例えば、一定の年数利用されていない、保育園などを整備する余地があるなどの基準を設けて、積極的に活用すべきです。いかがですか。
 都有地活用推進本部は、特別養護老人ホームや障害者施設なども対象とすべきと考えますが、いかがですか。
 知事が、都知事選の出馬会見で、保育園の用地確保について、税制の優遇によって、個人資産からの提供をと述べたことを具体化し、区議会議長会から要望が出されている民有地を認可保育園のために貸し出す際に固定資産税を軽減することを提案しますが、いかがでしょうか。
 また、市町村が軽減した際の財政支援を提案しますが、見解を伺います。
 保育士不足の解決も緊急の課題です。保育士は、子供たちの生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要な専門職であるにもかかわらず、待遇が低いため、働き続けることができません。このことが保育士不足の最大の原因です。
 保育士の賃金は、東京では、全産業の平均より月十五万円も低くなっています。都の調査でも保育士が退職の意向を持つ理由で最も多かったのは、給料が安いです。
 保育の現場から上がっている、専門職にふさわしい処遇に引き上げてほしい、労働環境の改善と賃上げをという切実な声を知事はどう受けとめていますか。保育士確保のために大幅な賃金引き上げなど、処遇改善を求めますが、知事の見解を伺います。
 知事は選挙中に、保育園の面積基準を見直すと述べ、保育室の明るさに関する基準などについても、国に規制緩和を要望しました。しかし、全国社会福祉協議会が行った保育園の基準についての国際比較では、三歳以上の子供一人当たりの面積基準は、日本は約二平方メートルですが、ストックホルム市が七平方メートルを超えているのを初め、パリ市が五平方メートル以上などとなっています。比較した十四の国、地域の中で最低であり、認可保育園でも、日本の最低基準の低さが明らかになっています。
 先週、都に要請をした保護者の皆さんも、子供たちの安全と健やかな成長を支えられる保育環境こそ大切といって、基準の切り下げは行わないよう求めていました。施設や職員配置基準の規制緩和は、労働環境も悪化させ、保育士不足を一層加速させることにもつながりかねません。基準の引き下げは行うべきではありません。知事、いかがですか。
 知事が所信表明で、家庭の経済状況が、子供たちの将来の希望を閉ざすことがあってはなりませんと述べ、都独自の給付型奨学金について検討を進めると表明したことは重要です。知事、いつ、どのように具体化するのですか。
 さて、私は、豊洲新市場問題を初め、都政が直面している大問題に絞って質問してきました。
 なぜ豊洲問題のような不合理がまかり通ってきたのか、なぜ今のような隠蔽体質になってしまったのか、その根源は、石原都政にあります。
 石原都政は、何がぜいたくといえばまず福祉といって、自治体の魂ともいうべき福祉の増進という立場を投げ捨て、老人医療費助成の廃止、シルバーパスの全面有料化、特別養護老人ホームへの都独自助成の全面切り下げなど、福祉切り捨てを進めました。
 その一方、都心や臨海部の開発、大型幹線道路の建設を強引に推し進め、莫大な財源をつぎ込みました。
 また、都が出資して新銀行東京をつくり、事もあろうに、自治体が金融業に乗り出しました。結局、千四百億円もの都民の税金をつぎ込んだあげく、そのうち八百五十六億円を失ってしまいました。しかも、新銀行東京を見ても、これほどの巨額の損失を受けたことについて、石原氏はもとより、誰も責任をとっていないのです。知事、おかしいと思いませんか。
 こうした大型開発優先路線の中で、豊洲新市場建設や、五輪のための施設整備に見られるように、入札をめぐって、落札率が九九・九九%など、談合の疑惑が指摘される事態が続いています。
 新銀行東京では、融資への議員の口ききが指摘されましたが、その実態は明らかにされませんでした。しかも、こうした事業は、計画の検討経過なども、都民や都議会に明らかにされず、情報開示請求をしても、知事がノリ弁というように、その多くが黒塗りされて隠されてきたのです。
 したがって、知事が都民ファーストの都政を進めるためには、個人情報を除く全ての情報を開示するとともに、政策形成過程の透明化と都民参加を本格的に推進することが必要ですが、いかがですか。
 そして、都民ファースト、東京大改革というのであれば、石原都政以来の大型開発優先路線を見直し、都政に福祉の増進という自治体の魂を取り戻すことが必要です。
 知事は、年内につくる二〇二〇年までの実行プランの策定方針で、舛添都政の長期ビジョンの大きな方向性を継承するとしています。しかし、舛添都政の長期ビジョンでは、三カ年の事業費として、外環道などの大型道路整備や都市の再開発などに、事業費全体の二六%を投入する一方、福祉充実の事業費はわずか八%にすぎません。
 今後の予算では、都民の福祉、暮らし最優先に転換してこそ都民第一の都政への道が切り開かれると思いますが、見解を伺います。
 今年度も二千億円を超える予算が組まれている大型道路の整備事業は、税金の使い方の点でも、決定過程の透明化、都民参加という点でも重大な問題があり、抜本的見直しが必要です。
 都は、ことし三月に、都市計画道路の新たな整備計画を決定しました。知事は選挙中、住民団体のアンケートに答え、前知事の決定をそのまま踏襲するのではなく、とりわけ地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置づけることが不適切だと判断される路線に関して、大胆に見直しを進めていきたいと文書で表明しました。重要な判断だと思います。
 ぜひ公開アンケートを寄せた住民団体が言及した、はけと呼ばれる貴重な自然を分断する二本の都市計画道路を初めとする都市計画道路について、現場への巡視、地元との対話を進め、大胆な見直しを図っていただくことを強く要望するものです。
 質問の最後に、舛添前知事問題への対応について、知事に伺います。
 そもそも今回、都知事選挙を行うことになったのは、舛添前知事の公私混同、税金の浪費について、こんなことは許せないという怒りの世論が広がり、知事を辞職に追い込んだからです。都民の皆さんは、舛添前知事の辞職をもってこの問題を終わりとすることには納得せず、引き続き真相を解明し、舛添氏の責任を明確にすること、また再発を防止するための仕組みを確立することを求めています。
 だからこそ、小池知事の選挙戦での第三者委員会を設置して、舛添前知事問題を解明していくとの訴えが、多くの都民に支持されたのです。舛添前知事の公私混同、税金の浪費について、事実を明らかにすることは、小池知事の重要な役割だと思いますが、どう認識していますか。具体的に何を、どのように、いつまでに検証するのですか。
 この問題は、都政改革に向け、避けて通ることができない課題であることを訴え、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 大山とも子議員の代表質問にお答えをいたします。
 三十七問中二十八問、知事宛てに頂戴をいたしました。
 まず、豊洲市場の土地取得についてであります。
 築地現在地での再整備が困難となる中にあって、移転の候補地として、まとまった用地が確保できる、大消費地である都心部周辺で交通条件の良好な位置にある、築地の商圏に近く、機能、経営面で継続性が保てる位置にあるといったような条件をもとにして移転候補地となり得る用地を調べた結果、全ての条件を満たすのは、豊洲地区以外にないというふうに私は聞いております。
 その後、豊洲移転に関する基本合意を東京ガス株式会社と平成十三年七月に締結をして、平成二十三年までに、順次土地の取得を行ってきたものでありまして、これらは、審議会や都議会での議論を経たもので、経過については、ホームページや事業概要などの各種資料でも公表されているところでございます。
 そして、二つ目に、豊洲市場用地の取得価格についてのご質問でありますが、経緯は今申し上げたとおりでございまして、用地を取得するに当たっては、価格については、主に外部有識者から成る財産価格審議会の審議を経た結果と伺っております。
 それから、豊洲市場用地の土壌についてのご質問でございます。
 豊洲市場の予定地に関するご懸念がございます。大きいものがございます。現状の土壌の安全性に関しては、改めて専門家会議を再招集いたしました。そしてまた、市場問題プロジェクトチームも設置したところでございます。専門家に科学的な見地からご判断をいただいて、都民や市場関係者の方々に、しっかりと正しく説明をしてまいりたいと考えております。
 同じく豊洲に関して、建物の下の地下水についてのご質問でございます。
 先日、専門家会議の平田座長にも、地下空間の視察をしていただきました。その際、座長からは、水質の調査と空気の測定を行うように指示を受けたところでございます。既に調査が始められておりまして、専門家会議において検証、そしてその結果をもって総合的に判断をする、このような流れを考えております。
 地下空間の設置についてのご質問でございます。
 先日、自己検証の調査結果を公表したところでございますけれども、都庁でいつ、誰が、どこで何を決めたのかということについての自己検証の調査結果でございますが、今回の事態を招いた最も大きな要因というのは、ガバナンスと責任感の欠如によるものといわざるを得ないわけでございます。まさに都庁という組織が抱える問題が根源でございます。
 中央卸売市場だけでなく、都庁全体の問題として捉え、都の職員がみずから向き合ってその原因を明らかにし、自律改革につなげていく必要があると、このように考えております。
 ただ、今後、個人の特定を引き続き進めます。そして、公益通報制度なども活用しながら、情報収集はさらに進めてまいるという所存でございます。
 地下水の管理についてであります。
 地下水面を一定以下に維持するために、ご指摘のように、豊洲市場には地下水管理システムが導入をされております。当該システムは、現在試運転中でありまして、本格稼働は今月中の予定でございます。
 今後、地下水管理を徹底するなど、地下水の上昇は抑制していくこととなります。
 次に、地下水のモニタリングについてのご質問でございます。
 今回、環境基準の超過が確認されました。専門家会議の平田座長からは、現在は、土壌汚染対策後の地下水中の濃度の推移を確認している状況にある、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとされました。
 このため、継続してモニタリングを実施をいたし、推移を確認するとともに、専門家会議を開催して、安全性について検証していただくことといたしております。科学的な知見を大切にしたいとの思いでもございます。
 それから、地下水の管理システムに係る契約についてのご質問がございました。
 地下水管理システムに係る一連の契約の相手方には、システムの各設備や、建物の配置を踏まえた地下水の流動特性など、地下水管理に係る種々の現場条件を熟知していることが求められます。当該事業者は、以上のような条件を満たす専門性を有するとされまして、随意契約、特命随意契約を行ったものと聞いております。
 建物の構造についてのご質問でございます。構造計算や地下空間の構造上の扱いにつきましても、市場問題プロジェクトチームにおいて検討中でございます。
 今後、プロジェクトチームの検討結果を踏まえまして、必要な措置を講じてまいります。
 さらに、豊洲市場への移転についてのご質問でございます。
 ご承知のように、私は、安全性への懸念、費用の増大、情報公開の不足、これら三つの疑問を解消する必要があるとして、八月三十一日に、築地市場の豊洲への移転を延期することを決断いたしたところでございまして、さらに、現在では、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて、さまざまな問題についての調査、検証をしていただいているところでございます。
 豊洲市場への移転については、これらを踏まえまして総合的に判断をしていく所存でございます。
 それから、オリンピック・パラリンピックでございますが、調査報告書についてのご質問でございます。
 都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームには、都が整備する三つの恒久施設について、大会終了後のランニングコストも含めまして、極めて客観的かつ経営的な手法で分析をしていただいたものでございます。
 そして、現在、調査報告書の提言については、関係局において早急に検討を進めておりまして、今後その結果を受けて、こちらも総合的に判断をしてまいります。
 さらに、海の森水上競技場についてのご質問でございます。
 オリンピック・パラリンピック調査チームの報告書におきまして、海の森水上競技場につきましては、整備コストの削減などに加えて、代替候補地の再検討もすべきとの提言をいただいたところでございます。
 今後、調査報告書の提言については、競技団体やアスリートなどの声にも耳を傾けて、早急に検討を進め、総合的に判断をしてまいりたいと存じます。
 三つの新規恒久施設の工事中止についてお尋ねがございました。
 先般、都政改革本部の調査チームから、新規恒久施設の建設計画の見直しについて、複数の選択肢をいただいたところでございます。これら三施設については、既に本年三月に、いずれも契約を締結し、各施設とも実施設計を進めているところであり、海の森水上競技場では一部工事にも着手しているところでございますが、現段階においては複数の選択肢をお示しいただいていることから、工事と並行して早急に検討を進め、総合的な判断をしていきたいと思っております。
 大会を通じた都民生活の質の向上についてのご質問でございます。
 二〇二〇年大会の成功を通じまして、成熟社会にふさわしいレガシーを残していくために、環境、産業、観光、スポーツ、文化など、あらゆる分野で多くの関係者と力を合わせながら、都民生活の質の向上を図ってまいります。また、パラリンピックを機に、高齢者や障害者に優しいユニバーサルデザインのまちづくりを推進して、誰にとっても住みやすい東京をつくり上げていく所存でございます。
 そして、仮設の施設や設備の整備費についてのお尋ねがございました。
 調査チームからは、立候補ファイルの原則のままでは準備が進まないため、新しい分担ルールを早急につくるべしとの提言を受けております。
 一方、立候補ファイルにおいては、仮設の施設や設備に係る費用負担は組織委員会の分担と整理されております。そこで、都としては、まずは組織委員会の協力を得て、仮設の施設や設備に係る経費の全体像を把握する必要があろうかと考えております。
 仮設施設などに係るその経費でありますが、今回の報告書は、調査チームからの提言でありまして、今後都として詰めるべきところは詰めてまいります。都民の税金が適正に使われるよう、まずはその全体像を把握していきたいと考えております。
 組織委員会の費用削減についてでありますが、先ほどからの都政改革本部調査チームの報告でございますけれども、ロンドン大会から推定した推計では、総額三兆円を超える可能性があるとの厳しい指摘がなされているところでございます。
 東京大会は、コスト面でも持続可能な大会にする必要がございまして、都はもちろんのこと、組織委員会でも、資金の有効活用の観点から、大会準備に取り組むことは不可欠なことと考えます。
 今後、経費の精査にも取り組み、大会業務の内容、経費、役割分担について、年内の公表を目指して、都、国、組織委員会の三者による協議を精力的に進めてまいりたいと考えております。
 組織委員会の運営についてお尋ねがございました。
 大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会の連携は不可欠でございますが、都政改革本部会議の報告では、そのガバナンスは不十分との指摘がなされたところでございます。
 今後、全体のガバナンスのあり方に関する都の考え方をまとめまして、国、組織委員会それぞれと協議、もしくは全体と協議を進めてまいりたいと考えております。そして、財政面も含めまして、組織委員会に対する都の関与のあり方についても整理をしてまいります。
 選手村についてのお尋ねがございました。
 選手村の整備に当たりましては、適正に土地価格を算定し、公正な手続により民間事業者を公募したと聞いております。また、施設の計画については選手などの意見を聞くなど、アスリートファースト、あくまでアスリートファーストの視点に立って検討を進めているところでございます。
 続いて、待機児童解消についてのご質問に関連し、保育サービスの拡充についてのご質問がございました。
 保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。
 都は、今後とも、待機児童解消に向けまして、地域のニーズを踏まえて、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいる所存でございます。
 保育サービスの整備目標でございますけれども、今後四年間の保育サービスの整備目標は、保育サービスの利用率が現在の四一%から五〇%になっても対応できるよう、保護者のニーズ、区市町村の計画、就学前児童人口の推移などを踏まえまして、年内に作成する実行プランの中で定めてまいります。
 さらに、保育士の処遇改善についてのお尋ねがございました。
 保育人材の確保、定着を図るために、現在提案している補正予算案には、保育従事者のための宿舎借り上げ支援の拡充を盛り込んだところでございます。
 国は現在、保育士に対する新たな処遇改善策を検討しておりまして、都の方は、あわせて、国の新たな支援策や都独自に実施しているキャリアアップ補助の活用実態を踏まえて、その充実を検討してまいります。
 保育所の規制改革について、お尋ねがございました。
 私は、国とも連携して待機児童対策にしっかり取り組んでいくというその考え方に立ちまして、先般、保育所の規制改革、税制改正、育児休業制度の改革を安倍総理に直接お願いをした、要望したところでございます。
 規制改革の内容は、保育の現場を担う区市町村や保育事業者の意見、これまでの認証保育所の実績等を踏まえたものでございまして、またその目的は、多様な保育ニーズに柔軟に対応できるように、地方自治体の裁量権を拡大して待機児童の解消を図ることにございます。
 奨学金の問題でございます。都独自の給付型奨学金についてのご質問がございました。
 将来を担う子供たちの教育機会は平等であるべきであり、経済格差が将来の希望の格差につながることがあってはならないと考えます。
 都は、現在、高等学校の授業料について国の就学支援金を支給するとともに、私立高校生に対しましては特別奨学金により支援を行っているところでございます。
 また、低所得世帯を対象といたしまして、授業料以外の教育費についても奨学給付金を支給しているところでございます。
 これらの支援制度、現在の経済状況、保護者の教育費負担の現状、これらを踏まえまして、都立高校や私立高校の実情に応じた都独自の給付型奨学金について、今後速やかに検討を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じて、家庭の経済状況にかかわらず、希望する教育を受けられる、そのような環境を築いてまいりたいと考えております。
 そして、石原都政についての評価についてのご質問でございます。
 石原都政の評価は、最終的には、お選びになった都民の皆様が行うべきものと考えておりますが、私は、冷静に、客観的に過去の都政を検証して、その上でよいものはよいとし、また、正すべきは正す、それが今現在、都政を預かる者の責務だと考えているところでございます。
 情報公開の徹底と都政の透明化についてのご質問もございました。
 都政の透明化を進める上で何よりも重要なことは情報公開の推進であります。そしてそのためには、都庁全体の意識改革から始めなければなりません。
 そこでまず、今般の都政改革本部の模様はインターネット中継をしておりますし、また、会議資料も迅速に公表するなど、都政の課題についての検討過程の透明化を進め始めたところでございます。
 また、公文書の開示請求に対しては、情報公開条例に定められた原則開示の趣旨にのっとるとともに、積極的な情報発信に努めるよう、改めて各局に指示したところでございます。
 このように情報公開を進めることで、都民ファーストの都政を一歩一歩実現してまいりたいと考えております。
 最後に、舛添前知事の問題についてのご質問がございました。
 舛添前知事の問題、ひとえに公私混同といえるかと存じますが、具体的には、公用車の使用や海外出張経費についてが問題となったと存じます。私は、就任以来、既に公用車を厳格に運用し、また、海外出張経費の縮減を図っている。つまり、この舛添前知事の問題について、同じ轍は繰り返さないということを毎日実行していると考えております。
 そしてまた、この問題についての究明でございますけれども、都政改革本部に内部統制プロジェクトチームが設置されたところでございまして、ここでは、都庁内の自律改革に資するテーマといたしまして、都庁内、すなわち知事も含むわけでございますけれども、まさしく第三者である外部有識者を交えた議論を行いまして、舛添前知事の問題について、できるだけ早く取りまとめをしてまいる所存でございます。
 なお、その他の質問につきましては、関係局長から答弁をさせていただきます。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 豊洲新市場の環境影響評価についてでございますが、環境影響評価書の内容に関する変更届が提出され、その変更内容が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときには、知事は環境影響評価審議会の意見を聞いた上で、手続の全部または一部を再度実施するように求める場合がございます。
 中央卸売市場からは、変更届を提出していきたいとの意向が示されておりますが、変更の内容や変更に伴う環境影響の変化の程度が明らかでないため、現時点では手続のやり直しの必要性については判断できません。
 今後、中央卸売市場から変更届が提出された時点で、環境影響評価審議会がその内容について審議をすることとなります。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 豊洲市場に関する三点のご質問にお答えします。
 まず、地下水管理システムの見積もり参加の条件についてでございますが、見積もり参加の条件は、汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することなどでございます。
 株式会社日水コンにつきましては、測量調査設計業務実績情報システム、いわゆるTECRISにより業務実績を確認し、また、会社概要パンフレットなどにより、実験研究施設を有していることを確認の上、契約しておりまして、本委託は適切に契約されたものと認識しております。
 次に、委託の特命随意契約についてでございますが、本受託者は、豊洲市場予定地におきます地下水管理システムに関する施設等詳細設計などを受託し、システムの各設備や、建物配置を踏まえた地下水の流動特性など、地下水管理に係る種々の現場条件を熟知しております。
 本契約の履行には、こうした現場条件を踏まえた検討や運転管理が必要不可欠であり、本受託者と契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことから、唯一可能な業者として特命随意契約としたものでございます。
 最後に、市場敷地の分断についてでございますが、豊洲市場は、水産卸売り場棟が建つ七街区、水産仲卸売り場棟が建つ六街区、青果棟が建つ五街区の三つの街区に分かれております。
 七街区と六街区では、補助第三一五号線の高架下に建物をつなぐ連絡通路を設けることで連続性を確保しております。また五街区と七街区、六街区と七街区の間は、それぞれ道路下をくぐる敷地内通路を設けて、敷地外に出ることなく三つの街区間での車両移動を可能としております。
 さらに買い回り人など、歩行者に対しましては「ゆりかもめ」市場前駅に接続する歩行者デッキと連絡ブリッジにより各街区の建物をつないでおり、歩車分離を図ることで安全性と利便性に配慮した動線を実現しております。
   〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都有地の活用についてでございますが、東京都は、都有地を活用した保育所の整備を進めるため、副知事をトップとする全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し、先月、その第一回を開催いたしました。その中で、財務局所管の都有地に加え、各局等の都有地についても活用可能な土地の洗い出しを依頼したところでございます。
 今後、こうした取り組みを踏まえまして、区市町村に対し、適切に都有地の情報を提供してまいります。
 次いで、都有地活用推進本部についてでございますが、都は、待機児童解消に向けた緊急対策における取り組みの一つとして、都有地活用推進本部を設置したところでございます。
 今後、待機児童解消に向け、都有地を効果的に活用していく取り組みを着実に進めてまいります。
 最後に、財政運営についてでございます。
 東京都はこれまでも、都民福祉の向上に向け、子育て環境の充実や高齢者の暮らしへの支援、福祉、医療人材の確保など、都民にとって必要な施策に的確に財源を振り向けております。
 あわせまして、外環道を初めとする都市インフラの整備も、都民の利便性の向上や国際競争力の向上に必要不可欠な取り組みでありまして、新しい東京を実現するために着実に進めていかなければならないものでございます。
 今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、ソフト、ハード両面にわたり、山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。
   〔主税局長目黒克昭君登壇〕

○主税局長(目黒克昭君) 認可保育所に係る固定資産税についてでありますが、都におきましては、有料貸付の場合、所有者が貸付料を得ており、その負担について別段の考慮をする必要性が低いと考えられることから軽減措置を講じておりません。
 こうした保育所用地を軽減する場合、他の非課税用途に供された土地との公平性など、さまざまな課題があるものと認識しております。
   〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 認可保育所に係る市町村における固定資産税の軽減措置に対する財政支援についてですが、都内市町村においては、認可保育所の用に供する土地の有料貸付の場合、所有者が貸付料を得ており、その負担について別段の考慮をする必要性が低いことから、都と同様に固定資産税の軽減措置を講じておりません。
 こうした保育所用地に対する固定資産税を軽減する場合、市町村においても、他の非課税措置との公平性等の課題があるものと考えております。
 市町村の軽減措置に対する都の財政支援については、市町村の課税自主権に配慮しつつ、特別区における対応等を踏まえて慎重に対応する必要がございます。
   〔百二十六番大山とも子君登壇〕

○百二十六番(大山とも子君) 豊洲新市場予定地における地下水管理システムにかかわる問題について、小池知事に再質問します。
 都が重視する地下水管理システムは、地下水が盛り土まで上がらないよう管理するとともに、ベンゼン、シアンなどの有害物質の濃度を測定、一定の処理も行うことで、市場の安全・安心を確保しようというものです。
 ところが、この地下水管理システムを設計するとして受注した日水コンは、入札参加の条件とされた地下水流動解析を行う実験研究施設が社内にありません。都が確認したというパンフレットを私も見ましたけれども、地下水管理システムという文字すらありませんでした。
 また、新宿本社ビルの総務課長さんは、私たちに対し、当社には実験研究施設はない、実験は外部委託になる。こういっていました。また、総務課長さんは、弊社のメーンは、水道、下水道のコンサルティングで、地下水管理システム、土壌汚染対策技術は主力商品ではないともいっていました。
 都が、地下水管理システムの受託可能な唯一の企業として、この会社を、設計調査、工事の監理から運転保守業務に至るまで、特命随意契約を続けていいのかという問題提起をしているんです。
 さらに、地下水管理システムは、土壌汚染がある埋立地の地盤特性を踏まえ、地下水を管理するわけですから、高度な技術力も必要とされ、土壌汚染対策法に基づく環境省の指定調査機関であることが求められます。
 しかし、日水コンは二〇一一年三月三十一日に指定調査機関の業務を廃止しています。その後、二〇一五年六月二十四日に登録するまでは指定調査機関ではありません。にもかかわらず、日水コンは、この指定調査機関ではない期間に地下水管理システムにかかわる事業を五件受注しているんです。日水コンは、最初に約四千万円の随意契約をしてから、この四年間で十件、計三億円の仕事を全て特命随意契約で受注しています。
 知事、地下水管理システムの契約をめぐる全経過は、入札参加の条件を欠いた会社と、競争によらない公募型見積もり合わせで契約を結び、以降今回まで、可能な唯一の企業として特命随意契約を続けるという極めて異常な事態であると指摘せざるを得ません。事は、盛り土問題に続き、都が重視する地下水管理システムの信頼性を失わせる重大な問題です。
 市場の安全・安心第一の立場から、日水コンの入札、契約をめぐる経過について、全面的な調査が必要だと考えますが、知事の見解を求め、再質問を終わります。(拍手)
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(川井しげお君) 静粛にお願いします。退場を願うことがございますので、静粛にしてください。
 それでは知事、お願いします。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 改めましてのご質問にお答えをさせていただきます。
 先ほどからのご指摘の豊洲問題、各種ございますが、そのためのプロジェクトチームを設けていること、先ほど述べたとおりでございます。ご指摘がございました件については、必要があればそこで調べることとなります。
 以上でございます。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。
 もう一度いいます。そこで騒いでいる人に申し上げます。ご静粛に願います。従わないときは退場を命じます。

○議長(川井しげお君) 百一番尾崎大介君
   〔百一番尾崎大介君登壇〕

○百一番(尾崎大介君) さきの七月の都知事選挙で当選をされた知事を迎え、初めての都議会定例会となります。
 都議会民進党は、選挙結果を厳粛に受けとめ、真摯に議論を尽くし、都民目線で都政改革に邁進をしていく所存でございます。その上で、都議会民進党を代表して、知事並びに関係局長に質問いたします。
 初めに、豊洲市場移転問題について伺います。
 私たちは、従来から一貫をして、都民の食の安全・安心を第一に、徹底した土壌汚染対策を求めてまいりました。平成十九年六月の代表質問では、土壌汚染対策法に基づく十メートルメッシュでの調査を提案し、八月には国に働きかけるなど、豊洲地区が土壌汚染対策法の対象となるように取り組んでまいりました。
 また、同年九月には、汚染土壌の全面的な除去や地下水の管理徹底を求め、その後、法改正も含めて、これら土壌汚染対策が強化をされてまいりました。
 しかし、九月二十九日公表の第八回地下水モニタリング結果で、五街区の三カ所において、環境基準値を超える有害物質が検出をされたことは極めて憂慮すべき事態であります。
 今回のモニタリング結果は、この間の盛り土問題とも相まって、これまで都が行ってきた土壌汚染対策において調査が十分だったのか、汚染の移動や見逃しはなかったのか、対策工事は十分だったのか、手抜きや欠陥はなかったのかなど、徹底した検証が必要であります。安心・安全な状態でなければ、豊洲市場の開場を到底認めるわけにはいかないのは当然であります。
 一方で、移転に向けて準備をしていた市場業者は経済的にも多大な損失をこうむっております。いまだに都から何の説明もなく、意見聴取もなく、先行きの見えない大きな不安を抱えております。
 盛り土がされていなかったことについても、どの程度安全性に問題があるのか、どの程度対策を講じればいいのかなど、小池知事は早急に今後のロードマップを示していく必要があります。
 開場延期を決めた知事は、今回の地下水モニタリングにおける環境基準値超えという結果を含め、豊洲市場移転問題についての今後のスケジュールや方針について、どのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
 地下水モニタリングの結果について、東京都は、協議会や専門家会議及び市場問題プロジェクトチームにおける検証を踏まえ、適切に対処をするとしておりますが、基準値超えの汚染については、早急に対応方針を示していくべきであります。
 私は、今回の結果を深刻に受けとめる立場から、早急に専門家会議を開催し、原因の特定や必要な対策などについて対応方針を示すべきと考えますが、見解を伺います。
 このような事態が生じた今、そもそもなぜ生鮮食品を扱う市場の移転先として、ガス工場の跡地として選ばれたのか、その経緯を改めて検証する必要があります。九月二十九日に開催をされた市場問題プロジェクトチームでも、築地市場から豊洲市場への移転の経緯を議題として、附属資料では土地購入の経緯にも焦点を当てております。
 東京ガスとの交渉経過については、二〇一〇年三月十八日の経済・港湾委員会において、我が会派の議員が取り上げております。
 当時の交渉のやりとりを情報公開請求いたしますと、ほとんど多くが全面黒塗りであります。このパネルを見ていただければわかると思いますけれども、ほとんど会議の内容は黒塗りでありまして、この二枚目なんかはもう括弧しかないような状態であります。このほとんどが全面黒塗り、こうしたものが、これは情報公開が有名無実化されているのであります。
 委員会の質疑の中で、東京都は、東京ガスと、いつ、どのような内容を協議したかという記録が残っていると答弁をし、議員も破棄をせずに全て保存するよう要請をしております。東京ガスとの交渉では、用地取得費だけではなく、七十八億円の土壌汚染対策費など、さまざまな疑念が寄せられております。
 そこで、東京都と東京ガスとの交渉経過を黒塗りでない状態で情報公開をするとともに、検証すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 今回の環境基準値超えの調査結果を受けて、私は、二〇〇八年七月二十六日の専門家会議解散以降発覚をした問題について、改めて検証を求めたいと思います。
 例えば、私たちは、二〇〇九年二月の代表質問において、絞り込み調査の結果を受け、汚染の拡散を防ぐと説明をされてきた不透水層に穴があり、その穴を通じて汚染が拡大をしているのではないかと指摘をしてまいりました。
 また、二〇一二年九月の代表質問では、不透水層内からも多くの地点で操業由来のベンゼンが確認をされ、しかも最大濃度は環境基準の一千倍、最大で六メートル掘り進んだところからも汚染が確認をされたことからも、懸念を申し上げてまいりました。
 私は、これらの専門家会議の解散以降に発覚をしたさまざまな問題についても、改めて知事が再招集をした専門家会議で検証すべきと考えますが、見解を伺います。
 中でも、東京都は、粘土層を形成している有楽町層、これは水を通しにくく、汚染をされている可能性は低いと再三答弁を繰り返してきましたが、今でもその認識は変わらないと考えていいのか、改めて答弁を求めます。
 また、都は、これまで私たちの質問に対して、ガス工場操業由来の汚染物質については全て掘削除去すると答弁をしてまいりました。しかし、今回、環境基準値を超える汚染物質が検出をされたことで、掘削除去が不十分だった可能性があります。
 そこで、都は、現在もなお操業由来の汚染物質は全て掘削除去したといい切れるのか、見解を伺います。
 私たちは、二〇一一年六月二十三日の代表質問で、東日本大震災による液状化によって、汚染の移動や拡散はないのかとの懸念を申し上げてまいりました。今回、環境基準を超える汚染物質が検出されたことについて、液状化の影響はなかったのか、現時点で、どのような理由であると考えているのか、見解を伺います。
 また、指定区域の解除について、東京都は、操業由来の区域については、汚染土壌を除去し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続していることを確認することで、形質変更時要届け出区域の指定を解除していくと答弁をしておりました。法改正以降は、二年間のモニタリングで、台帳から操業由来の汚染物質を削除するといった記載事項の変更をするという旨を答えております。
 そこで、環境基準を超える汚染物質が二年間のモニタリングで継続して検出をされなければ、豊洲地区で指定をされた形質変更時要届け出区域の台帳から操業由来の汚染は全て削除をされる状態になると考えていいのか、見解を伺います。
 また、二年間の地下水のモニタリングというのは、形質変更時要届け出区域の台帳から、操業由来の汚染を削除するために必要な手続であります。知事は、安全性の懸念から豊洲延期を決めましたが、知事は何をもって豊洲が安全であるとみなすのか、豊洲の安全宣言について、知事の見解をお伺いいたします。
 過去にさかのぼって、こうして質問せざるを得ないのは、盛り土問題で欺かれたからといっても過言ではありません。自己検証報告書にもありますが、予算特別委員会では、二〇一二年三月十四日、同じく三月二十六日、翌年は三月十二日、三月二十五日と四回にわたり歴代市場長が私たちの質問に答えております。これはわかりやすくちょっとパネルにしたんですけれども、二〇一三年三月十二日の市場長の答弁で、ガス工場操業地盤面から下二メートルの土壌を、汚染の有無にかかわらず全てきれいな土と入れかえることに加え、さらに二・五メートルをきれいな土で盛り土をするといったものであります。これをまさに虚偽答弁といわずして何というのか。
 私たちは、こうした答弁を前提とし、市場移転の議論を進めてきましたが、このようなでたらめは、都民の信頼を損ねる大問題であり、断じて容認をできるものではありません。
 いつ、誰が、どのような理由で盛り土をしないことを決めたのか。九月三十日の自己検証報告書は、責任の所在が明確ではなく、不十分であります。内部通報制度だけでは、盛り土問題での確実な成果は期待できません。内部の調査で限界があるならば、私は、外部の専門家に依頼するなどして経過の検証を行うべきと考えます。いつまでに、そして、どのようにして責任の所在を明らかにするのか、知事の見解をお伺いいたします。
 私たちは、昨年秋以来、都に対して豊洲市場の視察を何度も求めてまいりました。そして、ようやく視察が実現したのは九月の十二日、一年近くもかかっております。しかも、都は、動画の撮影を拒否、その後も、専門家の同行や水などの採取を拒否、加工パッケージ棟や管理棟の視察も拒否をしてきました。とりわけ管理棟の引き渡しは五月に終わっており、断る理由が全くわかりません。
 これだけ都民の関心事になっているにもかかわらず、都民の代表である私たちの視察を拒否してきたことは、まさに言語道断であり、隠蔽体質、情報隠しそのものであります。小池知事の情報公開の姿勢は、まだまだ都政の隅々まで行き渡っていないのではないでしょうか。
 私は、東京都に対する都民の信頼を回復していくためにも、情報公開の徹底が欠かせないものと考えますが、見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてお伺いをいたします。
 森組織委員会会長は、東京大会の予算が七千三百四十億円から二兆円に膨れ上がるとの見通しを示す一方で、ロンドン大会やソチ大会の経費の事例を挙げて、当然のこととの認識を示しました。しかしながら、都議会民進党は、大会費用の膨張は大きな問題であると認識をし、東京都や国、組織委員会に対して情報公開や説明責任、費用の削減を求めてまいりました。
 こうした中で、都政改革本部は、三つの恒久施設の会場変更や規模縮小などの見直しを提案しました。これはIOCが示した経済、環境に負荷の少ない大会運営を行うとの改革計画書に沿った取り組みと理解をいたしますが、既に整備が邁進している施設もございます。今後、都は海の森水上競技場などの恒久施設への提言に対して、いつ、どのように結論を出すのでしょうか。
 また、三施設の設計の変更や会場変更ともなれば、アスリートファーストを第一に掲げられている知事として、国際競技団体や国内競技団体を初めJOCや選手からの意見聴取はもとより、大会までの準備スケジュール、建設中止による契約手続などの影響に対してどのように対応していくのか、見解を伺います。
 次に、組織委員会の情報公開であります。
 組織委員会に対する都の出資は五十八億五千万円、比率で九七・五%に上りますが、都が指導監督する監理団体からは除外をされております。しかしながら、小池知事は、組織委員会も都の外郭団体であることに変わりはないと述べ、都政改革本部での調査対象にしております。
 私は、組織委員会の財政を保証している東京都は、当然、大会運営にも責任を持っており、そのため、組織委員会への関与を強め、積極的に情報公開を進めるべきだと考えております。
 東京都は、組織委員会に対する関与を強めることで情報公開を徹底させていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、リオ大会視察の調査結果活用であります。
 アスリートの活躍と観客の情熱的な応援が世界に感動を与えたリオ大会が閉幕をし、東京大会まであと四年を切りました。リオ大会へは、オリンピック・パラリンピック準備局だけでも延べ百三十六人の職員が現地を視察いたしました。知事も、両大会の閉幕式に出席をし、大会旗を受け取り、開催都市の責任の重さを感じたと所信表明で述べられました。
 そこで、大会視察の調査結果を報告書として取りまとめ、都議会や都民に公開し、東京大会に大いに反映をすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、パラリンピックで目指す共生社会であります。
 大会開催都市として障害者への理解やユニバーサルデザインのまちづくりは、重要な課題であります。パラリンピック運動は、社会変革という大きな理念を持っており、日本や東京が共生社会へと変わる契機としてしっかり取り組むべきと考えます。
 パラリンピックを見据え、ユニバーサルデザインのまちづくりや人を気遣い、声をかける心のバリアフリー施策を推進し、性別や障害の有無、国籍などにかかわらず、誰もが暮らしやすい共生社会を実現させるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、受動喫煙防止対策の推進であります。
 二〇二〇年の東京大会に向けて、受動喫煙防止対策を強化することが必要です。私たちはその前年、ラグビーワールドカップ開催に前倒しをして条例制定を行うべきと求めてまいりました。
 知事も、健康寿命延伸のために、受動喫煙防止対策を推進すると公約に掲げて、所信表明でも、IOCが掲げるスモークフリーの精神を重要だとして、オリンピック・パラリンピックのホストシティーとしての責任や都民の健康増進の観点から対策を進めていくべきと述べております。
 世界的なスポーツ大会に向けて受動喫煙防止条例を制定すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、知事の基本姿勢について伺います。
 都政の重要課題は、豊洲市場の移転問題やオリンピックだけではありません。
 都議会民進党は、繰り返し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックは通過点であり、都政を進める上ではその先の未来のビジョンや都民の幸福を実現する道筋を明らかにしなければならないと主張してまいりました。子供たちの未来にどんな東京をバトンタッチできるのか、いかに都民生活の質を高め、豊かさを実感できる都市とするのか、開かれた場で英知を集めて議論をしていかなければなりません。
 先日の所信表明において、小池知事は二〇二〇年に向けた実行プランを年内に策定し、ビヨンド二〇二〇を描いていくとされました。小池知事は、実行プランの策定を通して、二〇二〇年の先の東京のために何を最も大事にして取り組んでいこうとしているのか、基本姿勢をお伺いいたします。
 我々が一貫して都政に求めてきたことの一つに、社会の中で弱い立場にある人たちへの支援があります。平均年収百七十万円という正規雇用の三分の一にも満たない非正規雇用労働者の実態、将来の格差にも直結する子供の貧困、教育格差といった、今、都民が直面をしている厳しい現実に対し、国に先んじてでも手だてを講ずることが都政の重要な使命であります。
 貧困、格差の拡大、不安定雇用の増加といった社会の中で弱い立場にある人への支援について、知事としてどのように認識をし、対応しようとしてるのか、見解を伺います。
 次に、都財政の基本認識について伺います。
 都財政は富裕であるとの認識が一般的ですが、都財政が健全性を保っているのは、かつて財政再建団体への転落が危ぶまれるという危機に直面をし、財政再建に努力を重ねてきたからであります。
 本年の予算特別委員会でも私たちが指摘をしておりますが、時には一兆円にもなる税収減を経験しています。今後ますます高齢化が進む中でも実行していくべき施策を考慮すると、知事の所信表明にもあったとおり、都財政は決して予断を許さない状況であります。
 私は、新しい政策を実行するためにはスクラップ・アンド・ビルドを原則とするのが私たちの子供世代に対する責任ある態度であると考えます。
 小池知事は、二十九年度予算の見積もり方針として、全ての事業に原則として終期を設け、補正予算においても終期を示した事業を掲示されました。知事は都財政についてどのように認識をし、予算編成に臨むのか、お伺いをいたします。
 次に、都政改革と情報公開について伺います。
 知事は、情報公開を標榜し、早速、重要会議の公開、中継を実行しており、その姿勢を評価するものであります。先日の都政改革本部会議では、都庁の自律改革として、政策決定過程の見える化、予算編成過程の透明性向上に取り組むと報告をされました。
 また、調査チームからは、二〇・八%という黒塗りの多さを課題と捉え、非開示判断の厳格化を直ちに実施するとの報告が行われました。我々がこれまで求めてきたとおり、都民目線での改革を推進し、舛添問題で失墜をした都政の信用と信頼を回復するためには、情報公開が極めて重要であります。
 知事がノリ弁と称したように、一面黒塗りをされているような文書では、情報公開が意味を持たないことは論をまちません。前知事の高額な海外出張問題を受け、都は、知事の海外出張経費に限って内訳を公開することといたしましたが、文書開示の原則そのものを見直したわけではありません。
 また、情報公開制度の前提として欠かせないのが適切な公文書の管理であります。都合の悪い文書は恣意的に不存在、廃棄済みとされることのないよう、どの文書を何年保存するのか、後日検証が可能なように、文書を作成、保存するため、公文書についてしっかりとルール化をする必要があります。
 公文書管理条例の制定、東京都情報公開条例の改正、情報公開指針や運用の見直し、さらには政策決定過程の情報公開も含め、小池知事によって都の情報公開がこれまでとどのように変わるのか、具体的に示していくことが必要と考えますが、透明性の高い都政の実現に対する知事の見解を伺いたいと思います。
 知事は、就任早々、都政改革本部を立ち上げ、十六人の特別顧問等を任命。本部にはオリンピック・パラリンピック、情報公開のチームに加えて、内部統制についてのプロジェクトチームを設置いたしました。内部統制については、これまで都庁が行ってきた行政評価や予算編成にも切り込むのか、監理団体などの契約、入札、交際費についての情報公開、天下りなど、小池知事の手腕に注目が集まっております。
 私たちは、行政評価や監理団体の経営評価について、みずから厳しく律することはもちろん、第三者の目を入れたチェックが必要であると主張をしてまいりました。個別の調査に加えて第三者の目を入れるなど、評価やチェックの仕組みづくりも必要と考えますが、都政改革本部において、知事が描く改革の中身について見解を伺います。
 次に、知事給与を半分に減額する知事給与の特例条例についてお伺いをいたします。
 私は、都民の大きな支持を得て選ばれた小池知事の公約でもあり、給与について、基本的には知事の意向を尊重したいと思っております。
 しかし一方で、知事の報酬は、みずからがその報酬を上げたり下げたりすることができないよう、東京都知事が審議会に諮問をし、決める仕組みとなっております。その審議会答申は、東京都の特別職の報酬等について、本来その職務と責任に対応することが必要であると述べております。
 所信表明ではこうした点について詳しい言及はありませんでした。そこで、小池知事の報酬についての考え方、自身の報酬を減額する特例条例を提案した目的、理由についての詳細、さらには、知事のいう改革にどういう効果をもたらそうとしているのか、見解を伺います。
 次に、子育て、教育について伺います。
 今定例会には、新知事就任後早々に編成された補正予算案が提案をされております。待機児童の解消や子育て支援に特化した内容となっており、施策を一歩前進させるものとしておおむね評価するものであります。
 現状の待機児童対策では、保育所の供給が新たな需要を呼び起こす点が課題であり、今後の子育て支援、家庭と仕事の両立支援など、包括的なパッケージでの施策が欠かせません。こうした点について、私たちが繰り返しいい続けてきたことであります。この補正予算を、すぐ効く、よく効く対策として機能させ、早期に待機児童ゼロを実現していくことが肝心であると考えますが、知事の見解を伺います。
 なお、今回の待機児童解消緊急対策では盛り込まれておりませんが、都のさらなる独自支援策として、保育士の賃金を引き上げる処遇改善策に積極的に取り組むことを強く求めておくものであります。
 次に、潜在的ニーズも含めた待機児童対策です。
 私たちは、都が潜在的ニーズを含めた待機児童数を把握して対策に取り組むべきと訴えて、十八項目の緊急要望を申し入れしました。
 今回、国が初めて公表をした資料によって、都内の待機児童八千四百六十六人のほか、認可保育所に申し込んだが入れずに育児休暇を延長した人や、特定の保育園等のみを希望している人、求職活動を休止した人の子供が七千九百六十六人いることがわかりました。こうした待機児童への対策が重要であります。
 国は待機児童の定義を見直す検討会を立ち上げており、今後、都においても取り組みが求められます。都内の潜在的ニーズも含めた待機児童を把握して、根本的な待機児童解消に向け、取り組みを進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、都独自の給付型奨学金であります。
 貧困問題と教育を考える上で奨学金の役割は大きいものがありますが、就職難や非正規雇用による低収入などで、二〇一四年度末、都において十億八千百万円もの高校奨学金の返済が滞っております。
 これまで私たちは、都の貧困実態調査の分析を踏まえ、高校生を対象として東京都版給付型奨学金を創設すべきと代表質問でも提案してまいりました。
 知事は、所信表明において、家庭の経済状況が子供たちの将来の希望を閉ざすことがあってはならない、都独自の給付型奨学金について検討を進めると述べられたことは評価をいたします。
 今こそ、子供の貧困の解消に向けて、都独自の給付型奨学金を創設すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 最後に、調布飛行場周辺墜落事故への真摯な対応について伺います。
 七月二十六日、私の地元の調布飛行場周辺の住民の皆さんが亡くなった被害者に黙祷をささげました。事故発生から一年二カ月がたとうとする中、国の運輸安全委員会による事故調査結果がまだ出ていないだけではなく、被害者への補償も一向に進んでおりません。
 当たり前のことではありますが、今後こうした状況で自家用機の飛行を再開し、再び事故が起きてしまったら一体どうするのか、墜落事故に対する都の責任を明確化していかねばなりません。
 都は、自家用機所有者などに対し、航空機保険の第三者損害賠償責任保険などへの加入を義務づけること、調査結果が出るまでの間の救済を肩がわりすることなど、被害住民を迅速に救済する制度を関係機関と連携し構築をすべきであります。
 先日、都は事故原因が不明な中にもかかわらず、調布、府中、三鷹の地元三市での六月の住民説明会において、必要最低限の自家用機の運航を認める方針を発表し、住民から大きな反発の声が上がりました。
 八月、調布市は、自家用機の運航自粛要請を継続して行うべきとの要望を行いました。九月十六日には、調布飛行場周辺三町地域協議会からも、事故原因が究明をされるまでの間、自家用機の運航自粛などを求める七千百三十六名の署名が知事宛に提出をされております。知事においては、被害者である都民に寄り添い、ぜひ調布飛行場を視察していただきたいと考えます。
 私は、事故原因が解明されるまでは自家用機の飛行中止を求め、その後改めて今後の安全対策を打ち出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上で私の代表質問とし、なお、答弁によっては再質問を留保いたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 尾崎大介議員の代表質問にお答えをさせていただきます。
 まず、豊洲市場への移転についてのご質問でございます。
 豊洲市場の食の安全については、これまでも生活者の目線、都民ファーストの感覚を大切にしなければならないと述べてまいりました。今回、地下水モニタリングにおいて基準を超える数値の報告を聞いたときには、私も驚きましたが、まずは、現在実施中の二年間の地下水モニタリングを着実に継続していく、そして専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて、安全性についての調査、検証を行ってまいります。
 移転に当たりましては、市場関係者や都民の皆様方に安心していただけるように、正確な情報をわかりやすく説明することが不可欠であります。こうした努力を重ねた上で、総合的に判断をしてまいります。
 次に、市場移転の経緯の情報公開のご質問でございました。
 盛り土につきましては、事実と異なった、誤った説明が続いていた、このような事態を二度と繰り返してはなりません。そのためにも、都政の見える化に向けた情報公開の徹底が不可欠と考えております。
 市場移転の経緯につきましても、今後、原則開示を徹底いたしまして、個人情報や企業の事業活動情報などにも配慮をしながら、相手方との協議の上で非開示部分を最小限にしてまいりたいと考えております。
 豊洲市場の安全性についてのご質問でございます。
 豊洲市場につきましては、地下水モニタリングで、先ほど申し上げたように基準超過を確認したこと、盛り土がなされていなかった問題など、一つ一つ確実に検証していくことが重要でございます。
 このため、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおきまして、これらの問題について調査、検証を重ねてまいります。その上で、安全性について判断をさせていただきます。
 そして、盛り土がなされなかったことに関する検証についてのお尋ねでございます。
 都はこれまで、盛り土について、議会の皆様や都民、市場関係者に対しまして、事実と異なる答弁や説明を行ってきたところでございます。極めて残念なことでございます。
 問題発覚後、直ちに自己検証を指示し、先日、その報告を受けたところでありますが、ご指摘のように十分とはいえません。
 今回の事態を招いた最も大きな要因として、ガバナンス、責任感の欠如がございます。まさに都庁という組織が抱える問題が根源に横たわっているといえます。中央卸売市場だけでなくて都庁全体の問題として捉え、都の職員がみずから向き合い、その原因を明らかにして解決に向かっていく、自律改革につなげていく必要があると思います。
 本件に関しましては、今後、個人の特定を引き続き進めまして、公益通報制度等も活用しながらも、さらに情報収集を進めてまいりたいと考えております。
 情報公開の徹底でございますが、先ほども述べたとおり、都政に対する信頼の回復を図っていくためには、まず都政の見える化に向けた情報公開の徹底は不可欠でございます。
 豊洲市場の安全性に関しましては、専門家会議や市場問題プロジェクトチームが行う議論につきまして、都民、市場関係者などに対して広く公開をしてまいります。そして今後、正確な情報をタイミングを逸することなく、広く発信していくように徹底してまいります。
 調査チームからの提言への対応についてのご指摘がございました。
 こちらから、オリンピック・パラリンピックに関してでございますが、都政改革本部調査チームからは、施設建設計画の見直しについて複数の選択肢をいただいたところでございます。
 二〇二〇年大会までに残された時間は少のうございます。早急に検討を進め、現在、計画が進んでおります海の森水上競技場などの三施設へのさまざまな対応も含めまして、アスリートファーストと税金の有効活用の観点から、総合的に判断をしてまいり、そしてその検討に当たりましては、組織委員会や国内、国際競技団体、アスリートの皆様方などと十分な意見交換に努めてまいる所存でございます。
 組織委員会の情報公開についてのご質問がございました。
 都民ファーストの都政を進めていくために、あらゆる情報を原則公開することは極めて有効だと考えております。
 このたび、都政改革本部の調査チームから、オリンピック・パラリンピックについてさまざまなご提言をいただきました。そして、その中でも情報公開の重要性が指摘されたところでございます。
 大会の成功に向け、オリンピック・パラリンピックに対する都民、国民の理解や協力を得ていくためにも、都庁内はもとより、組織委員会の運営につきましても、より一層透明化を図ることは重要と考えております。また、組織委員会に対しましても、東京都として、さらなる積極的な情報公開を求めていきたいと考えております。
 パラリンピックを見据えた共生社会の実現についてのお尋ねがございました。
 女性も、男性も、子供も、高齢者も、障害者も、国籍を問わず、誰もが生き生き生活ができる、活躍ができる都市、そのようなダイバーシティーが私の目指す、誰もが暮らしやすい共生社会でございます。
 オリンピック・パラリンピックの精神は、人々の多様性を認め合い、あらゆる違いを超えてつながり合うことであります。私は、東京大会こそ、ダイバーシティーを実現するための大きな契機としていきたいと考えております。
 リオデジャネイロのパラリンピック大会を見ますと、選手や観客が障害の有無、国籍、文化の違いなどを乗り越えて会場が一体となっておりました。大変すばらしく、感動したところでございます。
 東京大会を成功させるためにも、私は、施設や道路、交通機関などのバリアフリー化はもとより、教育やボランティア活動を通じた障害者への理解の促進など、心のバリアフリー施策を推し進め、ハード、ソフトの両面からユニバーサルデザインのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 受動喫煙防止対策でございます。
 私は、オリンピック・パラリンピック開催都市の知事として、IOCが唱えているスモークフリーの精神は重要なものだと考えております。
 現在、国でも、内閣官房を中心とした検討チームが設置され、受動喫煙防止対策の強化に向けた検討を行っていると聞いております。
 都といたしましても、大会のホストシティーとしての責任や都民の健康増進の観点から、受動喫煙防止対策を一層進めてまいりたい。その中で、条例化についても、国の動きを踏まえながら総合的に判断してまいりたいと考えます。
 続いて、私、知事の基本姿勢についてのご質問でございます。
 実行プラン策定への基本姿勢についてでございます。これは、二〇二〇年に向けた実行プランについてでございます。
 都民のため、都民の利益を最大化し、都民ファーストの都政を構築する。そして、新しい東京を都民とともにつくり上げる。これが、私が目指す東京都知事としての使命、役割でございます。目指すものでございます。
 こうした考えを具体化するために、二〇二〇年に向けた実行プランで、東京二〇二〇大会の成功と、その先の東京の未来への道筋を示すとしたところでございます。そして、三つのシティー、つまりセーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーを実現をすることによって、東京の課題を解決し、成長性の創出に取り組んでまいります。
 まず、都民が安心して生活できるセーフシティーでございます。首都直下地震への備えなど、対策を強力に推し進めてまいります。
 誰もが生き生きと活躍できるダイバーシティーの実現に向けては、待機児童の解消などの課題解決を加速させてまいります。
 そして、三つ目、スマートシティーでございますが、国際金融都市東京の実現やIoTなど、今後の成長分野の発展に向けた政策を積極的に展開をして、日本の成長の牽引役であり続ける首都東京を目指してまいります。
 これらの大義ある政策を前面に打ち出しまして、それに加えて、都民の皆様方の共感を得て進めることで、そして、都民の誰もが希望を持って、きのうよりきょう、きょうよりあしたの方がきっといいと信じられる、そんな希望を持ちながら、日本の未来を明るく照らすサステーナブル、持続可能な首都東京をつくり上げてまいりたいと考えております。
 昨日は、名誉都民の顕彰式がございまして、ノーベル賞を受賞された大村智先生とお話をする機会がございました。そして、きのう飛び込んできたニュースが、また連続して日本からノーベル賞受賞者を出したことでございます。こういった希望をつくるためにも、教育、そしてまた、持続可能なまち、それがベースになって人材が、すばらしい人材の育成につながってくるものだと改めて感じたところでございます。
 そのような観点から、三つのシティーをしっかりと実現してまいりたいと考えているところでございます。また、ノーベル賞を受賞されました大隅先生には心から敬意を表し、また祝福の言葉を申したいと思っております。
 社会の中で弱い立場にある人への支援についてのご質問がございました。
 都民が置かれている状況というのは個々さまざまでございまして、その誰もが生き生きと生活をし、活躍できる環境なくして、東京の明るい未来は築けないものでございます。そのために、特に社会の中で弱い立場にある方々への支援にしっかりと取り組んでいく必要がございます。
 例えば、高齢者や障害者の方々について、医療や介護などの基盤を整える、さらには雇用の場となるソーシャルファームをふやすなど、もっと社会に貢献したいという思いに応えることも重要と考えます。
 あるいは、将来の東京を背負う子供たちについては、家庭の経済状況により教育の格差が生じては、将来の格差にもつながりかねません。都独自の給付型奨学金の検討を進めるなど、格差を打開する手だてを講じていかなければならないと考えております。
 そして、都民の生命と財産を守るべき都知事として、都民一人一人の生活の細部にまで目配りをする、心配りをする、そして、目指すべきダイバーシティーを実現してまいりたいと考えております。
 そして、都財政についての認識と予算編成についてのご指摘がございました。
 歳入の約七割を占めます都税収入でございますが、足元では堅調に推移しているものの、リーマンショック後の平成二十一年度には、一年間で約一兆円の大幅な減収に見舞われるなど、そもそも都の財政は不安定な構造にあるわけでございます。今後の景気動向、そして国際情勢、さらには、今後の各国の金利政策による影響など、引き続き注視が必要でございます。
 そして、こうした中にありましても、都民と約束した新しい東京をつくり上げるためには、これを支えていく強固な財政基盤は欠かせません。そのためにも、平成二十九年度の予算編成に当たっては、東京が抱える課題解決に向けまして積極果敢に取り組むと同時に、全ての事業に終わりの時期、終期を設定して事業評価による検証を行うなど、あくまでも都民ファーストの視点に立ちまして、新しい東京の未来に向けた改革を進めてまいります。
 知事の基本姿勢についてでありますが、透明性の高い都政の実現についてのご指摘がございました。
 都政の透明化を進める上で何よりも重要なことは、情報公開の推進と考えます。そのためには、都庁全体の意識改革を図ることから始めなければなりません。
 そこでまず、今般の都政改革本部の模様は、ご指摘のようにインターネットで中継をし、また会議資料も迅速に公表するなど、都政の課題についての検討過程の透明化を始めたところでございます。
 本部には、まず、情報公開調査チームを設置したわけでございまして、そこで検討された方針のもとで、審議会のさらなる公開など、各局においても、早速、積極的な情報発信に向けた自律改革をスタートしたところでございます。また、公文書の開示請求に対しては、情報公開条例に定められた原則開示の趣旨にのっとるよう、改めて各局に徹底を始めたところでございます。
 都民ファーストの観点から、このような情報公開の取り組み及び公文書の適正な管理を都庁の隅々にまで浸透させることで、透明性の高い都政を実現してまいりたいと考えております。
 私の目指す東京大改革の肝でございますが、都政を透明化、見える化する、そして都民ファーストの都政を実現することにございます。
 そのためには、職員の一人一人が、みずから改革の担い手となって積極的に情報公開を行う姿勢を持ちながら、仕事の進め方を見直していかなければならないと考えます。
 こうした都庁の自己改革精神を呼び覚ます装置として設置いたしましたのが、私自身が本部長を務め、かつ各局長が本部員となっている都政改革本部でございます。
 現在、客観的な第三者の視点を持つ特別顧問等を任用いたしまして、その助言も、アドバイスも受けながら、各局が所掌事業について、改めてみずから評価、点検をして課題を抽出し、解決策の構築を行うように自律的な改革を進め始めたところでございます。
 今後、この本部を土台としまして、これまでの延長線ではない改革を不断に進めることによって、失われた都政に対する信頼、この都民の信頼をもう一度確保してまいりたい、このように決意しているところでございます。
 それから、知事の給与の減額についてのご質問でございます。
 今回の減額は、都民の皆様と私がお約束した選挙公約の一つでありまして、今後の都政改革に向けた決意と姿勢を示すために、私の選挙公報にも明確に示したところでございます。
 また、現在、都政改革本部を立ち上げ、各局が本部と連携して自律的な改革を進めるなど、さまざまな取り組みに着手をしたところでございます。
 給与減額という身を切る強い決意でございます。そして、本部での取り組みの推進が庁内に改革マインドを根づかせる、これまでの延長線ではない改革が実現できる、それは、知事みずからが身を切って初めてスタートするものだと考えているところでございます。
 なお、知事の本来の給与水準は、毎年、民間のベースアップ等を考慮いたしました審議会答申を踏まえた上で、都議会における審議をもって決定をされているところでございまして、適切なものと考えております。
 補正予算案についてご質問がございました。
 待機児童の問題は、すなわち東京問題といいかえてもよいかもしれません。都民にとって優先度は高く、早急に進めていく必要がある問題でございます。
 私は、さきの選挙戦を通じまして、また、知事就任後も保育所に足を運んで、子育て世代の方々の強い思いや、現場で働く保育士の方々の声にも数多く触れてきたわけでございます。こうした声を受けまして、すぐ効く、よく効く対策を打ち出して、一日も早く実感できる効果を上げていかなければならない、そういった強い思いから、今回の補正予算案を編成したところでございます。
 補正予算案は、十一事業に百二十六億円を計上いたしました。特に、区市町村や事業者の取り組みを加速させるため、年度内の着手に対しましては、より手厚い支援を行う工夫を凝らしたところでございます。これにより、今年度中に一万七千人分の保育サービスを整備し、待機児童解消へとしっかりとつなげてまいりたいと考えております。
 そして、その待機児童の解消に向けた取り組みについてのさらなるご質問でございます。
 先月取りまとめたこの緊急対策では、待機児童解消に向けた取り組みの第一弾として、年度内に一万七千人分の保育サービスを整備することとしたわけでございますが、年内に作成する実行プランにおきましては、保護者のニーズ、区市町村の計画、就学前児童人口の推移などを踏まえまして、保育サービスの利用率が現在四一%でございますけれども、五〇%になっても対応できるように、今後四年間の整備目標を定めます。
 そして、そのための新たな支援策は、国の動向なども踏まえまして、平成二十九年度の予算案に反映していく考えであります。
 今後とも、区市町村と連携しながら、待機児童の解消に取り組んでまいる所存でございます。
 都独自の給付型奨学金についてのご質問でございます。
 将来を担う子供たちの教育機会は平等であるべきであり、経済の格差が将来の希望の格差につながることがあってはなりません。
 都は、現在、高等学校の授業料について、国の就学支援金を支給するとともに、私立高校生に対しては、特別奨学金により支援を行っております。また、低所得世帯を対象として、授業料以外の教育費についても奨学給付金を支給いたしております。
 これらの支援制度や、今年度実施しております子供の貧困に関する実態調査も踏まえまして、都独自の給付型奨学金について、今後、速やかに検討を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、誰もが希望する教育を受けられる、生まれ育った環境に左右されることのない東京を築いてまいりたいと思います。
 最後のご質問でございますが、調布飛行場の自家用機の運航についてのお答えでございます。
 調布飛行場は、本土と島しょとを結びます離島航空路の重要な拠点でありますけれども、市街地の中の飛行場でありますために、その運営に当たっては、地元住民の理解、ご協力を求めていくことが重要であると私も認識をしております。
 都は、昨年七月の重大事故発生以降、調布飛行場の自家用機に対しまして運航の自粛を要請していると同時に、安全対策の強化についても、国や地元市とも協議をしてまいりました。
 先般、お受け取りいたしました調布飛行場の運営に関する七千人を超える方々からの署名つき要望書を重く受けとめておりまして、今後、自粛要請を継続するとともに、安全対策の強化や適正管理の徹底を図っていく所存でございます。
 よろしゅうございますでしょうか。
 なお、そのほかの質問、残余のご質問につきましては、関係局長からご答弁をさせていただきます。
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 豊洲市場に関します六点のご質問にお答えいたします。
 まず、地下水モニタリングの今後の対応方針についてでございますが、これまで実施いたしました八回のモニタリングのうち、七回までは地下水基準以下でございましたが、今回、基準の超過を確認いたしました。
 専門家会議の平田座長からは、現在は、土壌汚染対策後の地下水中の濃度の推移を確認している状況であり、今後の推移を見守るべきであるとのコメントをいただいております。
 このため、継続して地下水モニタリングを実施し、推移を確認するとともに、できるだけ早期に専門家会議を開催し、今後の対応を検討していただくことを考えております。
 次に、専門家会議以降のさまざまな問題についてでございますが、平成二十年七月に専門家会議が解散した以降に、不透水層内に汚染が確認されたことなど、さまざまなご指摘があることは承知しております。このうち、例えば、不透水層内でベンゼンが確認されたところにつきましては、底面管理調査を行い、汚染範囲を確定した後、対策工事におきまして掘削除去を行い、不透水層を復旧いたしました。
 こうした状況につきましては、技術会議でも確認をいただいておりますが、ご指摘の点につきましては、いま一度、専門家会議で確認していただくこととしております。
 次に、豊洲市場用地におけます有楽町層についてでございますが、ボーリング調査や地質調査の結果から、有楽町層は水を通しにくい粘性土層であることがわかっており、透水係数等から、土壌汚染対策法で規定する不透水層と同等の機能を有していると認識しております。
 土壌汚染対策工事におきまして、底面管理調査を行い、不透水層の一部に汚染が確認されましたが、全ての区画におきまして不透水層内でとどまっており、それらは全て掘削除去し、不透水層を復旧しております。
 このように、汚染は全て不透水層内でとどまっておりますことから、有楽町層は、全体として汚染されている可能性は低いと認識しております。
 次に、操業由来の汚染の除去についてでございますが、豊洲市場用地での土壌汚染対策工事では、土壌汚染対策法に沿った汚染状況調査で確認された、ガス工場操業に由来する有害物質につきまして、土壌は掘削除去し、地下水は揚水、復水などにより環境基準となりました。平成二十六年十一月に、このことを技術会議で確認しております。
 次に、東日本大震災による液状化の影響についてでございますが、震災直後に現場を確認した技術会議の委員の見解といたしまして、豊洲市場用地における噴砂、すなわち地盤の砂が水とともに地上に噴出する現象は、基本的に垂直方向の動きと考えられ、部分的で極めて小規模でもあるが、噴砂が生じた区画については、念のため対策工事に際し、安全確認する必要があるとの見解をいただきました。
 このため、土壌汚染対策工事に際し、噴砂による影響を確認しながら対策を実施いたしました。今回、地下水モニタリングで基準超過を確認したことにつきましては、専門家会議等で調査、検証していただくこととしております。
 最後に、操業由来の有害物質の台帳からの削除についてでございますが、専門家会議で操業由来の汚染とされ、掘削除去した区画につきましては、地下水モニタリングにおいて、二年間継続して地下水基準であれば、台帳に添付された区画ごとの汚染状況を示した一覧表から当該物質を削除することができると認識しております。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) リオ大会視察の調査結果についてでございます。
 リオ大会は、夏季の大会運営を直接学ぶことができる最後の機会でございました。このため、都は、IOC、IPC、リオ組織委員会が、オリンピック・パラリンピックそれぞれにおいて、次回開催都市等を対象に学習機会を提供するオブザーバープログラムに職員を派遣いたしました。
 現地では、座学や視察により、大会関係者の円滑な輸送のための交通需要マネジメントや、駅、競技会場等で案内を行うボランティア活動、競技会場に至るアクセス経路でのバリアフリーの現状など、多岐にわたる分野について、大会運営の参考となる知見を得たところでございます。
 今後、視察結果を速やかに取りまとめまして公表するとともに、さまざまな観点からリオ大会の成果や課題を検証しながら、今後の大会準備に活用してまいります。
   〔百一番尾崎大介君登壇〕

○百一番(尾崎大介君) 豊洲市場移転問題について再質問をいたします。
 この盛り土の問題について、調査報告書は十分ではなく、知事の答弁にもあるように、都庁のガバナンスは欠如をしていると思います。これまで、私たちが一貫してきた、安全性の問題について質疑を行いましたが、市場長の答弁は、土壌汚染対策工事は全く問題ないというものであり、懸念があった不透水層や液状化についても、影響はないという認識を持っていると理解をしてよろしいんですかね。
 多くの都民が心配をする中、私たちは、過去の工事も問題があったのではないかという認識を持って取り組む必要があると考えます。
 改めて、過去の対策そのものを検証し直すべきと考えますが、市場長に再質問をいたします。
 私は、この豊洲市場の移転問題については、格別の思いを持っております。当時、民主党でありましたけれども、二〇〇九年の都議選で、強引な移転は反対というフレーズを掲げて戦いました。今は、議席を持っていない仲間も含め、これまで多くの議員が、本会議や委員会を通じ、質疑を繰り返ししてまいりました。その答弁が虚偽であったとすれば、今まで費やした時間は一体何だったのかという強い憤りを覚えるものであります。
 今後、当時の関係者の参考人招致を含め、経済・港湾委員会での集中審議、それで問題が解明をされなければ、まずは特別委員会の設置を初め、あらゆる手だてを講じて徹底検証していくという決意を述べて、再質問を終わります。(拍手)
   〔中央卸売市場長岸本良一君登壇〕

○中央卸売市場長(岸本良一君) 尾崎大介議員の再質問にお答えいたします。
 専門家会議が解散した以降、ただいまご指摘をいただいた点も含め、さまざまなご指摘があることは承知しております。
 今まで答弁してまいりましたとおり、そうしたことについては、これまで技術会議等でもご確認をいただいておりますが、ただいまご指摘の点を踏まえまして、これらの点につきましても、いま一度、専門家会議で確認をしていただくこととしたいと考えております。

○六十七番(山内晃君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りをいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認め、さよう決定をいたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
     午後七時四十一分散会

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