平成二十八年東京都議会会議録第四号

平成二十八年二月二十五日(木曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番菅野 弘一君
四番川松真一朗君
五番山内  晃君
六番栗山よしじ君
七番堀  宏道君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番中山ひろゆき君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番松田やすまさ君
二十一番河野ゆうき君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番島崎 義司君
二十五番鈴木 錦治君
二十七番宮瀬 英治君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番西沢けいた君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番神野 次郎君
四十一番木村 基成君
四十二番北久保眞道君
四十三番高椙 健一君
四十四番栗山 欽行君
四十五番大場やすのぶ君
四十六番近藤  充君
四十七番桜井 浩之君
四十八番山崎 一輝君
五十番石川 良一君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番あさの克彦君
五十四番新井ともはる君
五十五番中村ひろし君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番東村 邦浩君
六十四番崎山 知尚君
六十五番鈴木 章浩君
六十六番清水 孝治君
六十七番小松 大祐君
六十八番柴崎 幹男君
六十九番和泉 武彦君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番鈴木 隆道君
七十二番早坂 義弘君
七十三番高木 けい君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番大西さとる君
七十九番小山くにひこ君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高橋 信博君
八十八番中屋 文孝君
八十九番三宅 正彦君
九十番小宮あんり君
九十一番田中たけし君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番林田  武君
九十七番こいそ 明君
九十八番田島 和明君
九十九番古賀 俊昭君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番長橋 桂一君
百九番中嶋 義雄君
百十番立石 晴康君
百十一番神林  茂君
百十二番秋田 一郎君
百十三番宇田川聡史君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番高島なおき君
百二十番野村 有信君
百二十一番吉野 利明君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
百二十二番  内田  茂君
 欠員
    二十六番  四十九番  七十四番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務安井 順一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長長谷川 明君
主税局長小林  清君
警視総監高橋 清孝君
生活文化局長多羅尾光睦君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
建設局長佐野 克彦君
港湾局長武市  敬君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長塩見 清仁君
消防総監高橋  淳君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長真田 正義君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長安藤 弘志君
人事委員会事務局長藤田 裕司君
労働委員会事務局長櫻井  務君
監査事務局長猪熊 純子君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

二月二十五日議事日程第四号
第一 第一号議案
平成二十八年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十八年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十八年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十八年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十八年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十八年度東京都と場会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十八年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十八年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十八年度東京都都市開発資金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十八年度東京都用地会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十八年度東京都公債費会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十八年度東京都病院会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十八年度東京都中央卸売市場会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十八年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十八年度東京都港湾事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十八年度東京都交通事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十八年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十八年度東京都電気事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十八年度東京都水道事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十八年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十八年度東京都下水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第二十九号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第三十号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都消費生活総合センター条例
第四十四 第四十四号議案
東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都障害者スポーツ振興基金条例
第四十六 第四十六号議案
東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都いじめ防止対策推進条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都文教地区建築条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例
第六十一 第六十一号議案
東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都養護老人ホーム条例を廃止する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第八十 第八十号議案
緑の東京募金基金条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十八号議案
歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例の一部を改正する条例
第八十九 第八十九号議案
東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十一号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第九十二 第九十二号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十三号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十四号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十五号議案
オリンピックアクアティクスセンター(仮称) (二十七)新築工事請負契約
第九十六 第九十六号議案
有明アリーナ(仮称) (二十七)新築工事請負契約
第九十七 第九十七号議案
平成二十七年度海の森水上競技場整備工事請負契約
第九十八 第九十八号議案
警視庁大森合同庁舎(二十七)改築工事請負契約
第九十九 第九十九号議案
都営住宅二十七H─一〇二・一〇三西(練馬区上石神井四丁目)工事請負契約
第百 第百号議案
木下川排水機場耐震補強工事請負契約
第百一 第百一号議案
上平井水門耐震補強工事請負契約
第百二 第百二号議案
上平井水門耐震補強工事(その二)請負契約
第百三 第百三号議案
平成二十七年度十三号地新客船ふ頭岸壁(-(マイナス)十一・五m)防波堤建設工事請負契約
第百四 第百四号議案
包括外部監査契約の締結について
第百五 第百五号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第百六 第百六号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第百七 第百七号議案
東京都立有明北緑道公園の指定管理者の指定について
第百八 第百八号議案
都道の路線の認定及び廃止について
第百九 第百九号議案
都道の路線の廃止について
第百十 第百十号議案
平成二十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十一 第百十一号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第百十二 第百十二号議案
東京都立東京臨海広域防災公園の指定管理者の指定について
第百十三 第百十三号議案
多摩川流域下水道野川処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第百十四 第百十四号議案
平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第百十五 第百十五号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百十六 第百十六号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百十七 第百十七号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第百十八 第百十八号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第百十九 第百十九号議案
平成二十七年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第百二十 第百二十号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第百二十一 第百二十一号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十二 第百二十二号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十三 第百二十三号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十四 第百二十四号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十五 第百二十五号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十六 諮問第一号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第四号追加の一
第一 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二七財主議第四六九号)
第二 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(二七財主議第四七〇号)
第三 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(二七財主議第四七一号)
第四 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(二七財主議第四七二号)
第五 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(二七財主議第四七三号)
第六 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七四号)
第七 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七五号)
第八 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七六号)
第九 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七七号)
第十 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七八号)
第十一 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四七九号)
第十二 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八〇号)
第十三 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八一号)
第十四 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八二号)
第十五 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八三号)
第十六 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八四号)
第十七 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八五号)
第十八 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八六号)
第十九 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八七号)
第二十 東京都公害審査会委員の任命の同意について(二七財主議第四八八号)
第二十一 議員提出議案第二号
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第二十二 議員提出議案第三号
東京都公衆浴場振興条例

   午後一時開議

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第二号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例外条例一件、知事より、東京都公安委員会委員の任命の同意について外人事案件十九件がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(川井しげお君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四十七番桜井浩之君
   〔四十七番桜井浩之君登壇〕

○四十七番(桜井浩之君) 最初に、世界で一番の都市東京の実現を図っていくという視点から、固定資産税に関する課題について何点か伺います。
 初めに、まちづくりにおける固定資産税情報の活用について伺います。
 我が党は、世界一の防災都市東京を創造するために、特定整備路線の整備推進や木造密集地域の不燃化の早期実現など、災害に強いまちづくりを目指しており、また、都においても長期ビジョンの事業として積極的に取り組んでおります。
 こうした事業を進めるに当たっては、土地や建物の所有者の協力が不可欠でありますが、高齢化が進む中、所有者が不明で連絡先もわからないというケースもあり、事業の進捗に支障を来している場合もあると聞いております。
 昨年の二月に制定された空家等対策の推進に関する特別措置法により、空き家の所有者の特定について、これまで地方税法で制限されていた固定資産税情報の活用が可能となった。こうした法整備の動きは、都のみならず、区市町村が行うまちづくりの推進にも大きく寄与する画期的なものであります。
 都民の安全・安心を確保するまちづくりをスピード感を持って進めていくためには、個人情報の保護に配慮しつつ、固定資産税情報を、特定整備路線などの行政事業に対しても、空き家対策と同様に積極的に活用できる仕組みが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、大規模な建築物の固定資産評価について伺います。
 現行の評価方法は、五十年以上前に国が定めた基準により、事務所から住宅まで規模や用途にかかわらず、使われた建築資材の価格を積み上げて評価額が出されております。
 しかし、近年の都内の状況を見ると、この十年間で十万平米を超える建築物が約六十棟完成し、二〇二〇年までにさらに四十棟が計画をされております。一昨年完成した虎ノ門ヒルズなどは、オフィスや住宅、商業施設を抱えた床面積二十四万平米の大規模施設です。
 こうした建築物の場合、使われた資材が膨大なため、現行方法では評価作業が複雑で、建物の竣工から評価が終わるまで二年近くかかる例もあると聞いております。
 また、この間、税額が確定していないので、事業者側からも、経費を算定するため税額を早く教えてほしいとの声があります。
 今後、さらに都内で大規模建築物が増加する状況を見れば、現行の評価方法を見直すべき時期にあると考えますが、所見を伺います。
 また、見直しには国際的視点も重要です。知事はさきの施政方針において、投資に関する将来性の調査で、東京はアジア太平洋地域のメガシティー部門で一位となっており、アジアのビジネスの中心というかつての地位を取り戻したいと述べられました。
 東京がアジアはもとより、世界で一番ビジネスのしやすい都市を目指すため、海外の方式を調査するなどして、国際的にも通用し、時代の変化に合った仕組みにする必要があると考えます。
 国際的な視点も踏まえた大規模建築物の評価の見直しについて、どのように考えているのか所見を伺います。
 次に、中小企業の海外販路開拓の支援について伺います。
 中小企業にとって、海外市場に果敢に挑戦し、旺盛な需要を取り込んでいくことは、企業の成長につながる重要な取り組みです。
 私の地元墨田区の企業も参加して開発した「江戸っ子一号」の例もあるように、都内中小企業の持つ技術力は高く、海外でも十分に通用するものです。
 しかし、異なる商習慣や法規制によって、中小企業が単独で海外展開を行うのは困難です。昨年四月に、都立産業技術研究センターは、現地での技術支援を行うため、タイのバンコクに事務所を開設しましたが、中小企業が取引を拡大するためには、経営に関する支援も不可欠であり、私は経営面での支援拠点を心待ちにしておりました。
 昨年十二月の中小企業振興公社のタイ事務所の開設は、経営資源に限りがある中小企業が海外での販路開拓を行う上で非常に心強く、私はこの取り組みを高く評価したいと思います。
 最新情報の提供など、現地だからこそできる取り組みは数多くあり、こうしたサポートを将来的にはタイ以外の国に広げていくことも大切です。そのためにも、開設したばかりの公社のタイ事務所が、まずしっかり都内中小企業の期待に応え、支援の実績を上げていくことが重要です。
 都は、公社タイ事務所で来年度どのような取り組みを進めていくのか見解を伺います。
 次に、医療機器産業への参入支援について伺います。
 成長産業ともいわれる医療機器ですが、その多くは輸入されており、特にステントや縫合用具など高い安全性を求める治療用機器では、そのほとんどを海外の製品に頼っているのが実情です。
 医療機器産業は、今後も市場の拡大が見込まれることから、この分野に参入することは中小企業の成長につながります。実際、墨田区にある企業の高度な技術を生かし、開発した痛くない注射針が世界を席巻したように、中小企業はそのすぐれた技術により、日本のみならず世界にさまざまな製品を送り出して、こうした状況を打ち破っていただきたいと思います。
 都と地元企業の情報を持つ市区町村がしっかり連携することで、世界最高水準の技術力を有する中小企業と東京に集積する医療機関や製造販売事業者を結びつけ、開発、改良から実用化までを力強く後押しすべきと考えますが、来年度の都の取り組みについて伺います。
 次に、日本各地の魅力の発信について伺います。
 海外からの旅行者に東京の観光後、都外のさまざまな地域にも足を伸ばしてもらい、それぞれの地域が持つ多様な魅力を実際に感じてもらうために、東京と各地域が協力して観光振興を行うことは大事です。
 こうした取り組みの効果を高めるため、旅行者が都内において各地のすぐれた面や見どころに触れる機会をふやしておくことも重要と考えます。
 都は、今年度から新たに、全国の特産品を都庁展望室で展示販売する事業を開始しましたが、こうした場を充実することで、外国人が国内のさまざまな地域に接するきっかけを多くつくり出していく努力は欠かせません。
 さらに、東京には各地のアンテナショップも多く集まっており、これらを結びつけて海外からの旅行者が各地域を旅行したいという関心を高めることも必要と思います。
 こうしたことを踏まえ、東京と各地域が協力して観光振興を進めるため、日本の各地の魅力を発信する取り組みの充実に、次年度はどのように取り組んでいくか所見を伺います。
 次に、舟運に関する情報提供について伺います。
 東京の観光振興を進める上で、都内を流れる河川や湾岸エリアを結ぶ水上交通の活用を図ることが必要との意見が多くなっています。
 かつて江戸東京では、舟運が物流や観光面で発展し、さまざまな人や物が行き交っていました。
 私の地元墨田区では、現在も河川や運河が区内を縦横に走っており、舟運によって観光スポットをつなぐことにより、旅行者の利便性は高まるものと感じます。
 こうした舟運ルートはさまざまに設けられており、運営する会社も多いため、旅行者はどのコースを利用すべきか戸惑う場合すらあるように感じます。多様な水上交通ルートや出航時刻、移動時間など、運営会社ごとに提供されている情報が一目でわかるような情報の提供が必要と考えます。
 都として、舟運による観光振興に向けてどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 私は、都内需要の高い特別養護老人ホームの供給を高める観点から、昨年の第二回定例会では、交通網が発達した首都圏においては、都と近県が広域型の特別養護老人ホームを協力して整備するという選択肢があってもよいのではという考えも念頭に、高齢者施策に関する都と埼玉、千葉、神奈川の近隣三県との連携協力について質問をいたしました。これに対し都は、一都三県の地方創生に関する連絡会議や厚生労働省との連絡会議での議論を踏まえながら検討するとの答弁がありました。
 都は、長期ビジョンに掲げる施設整備目標の達成に向け、整備促進やその働く人材確保のためのさまざまな施策を手厚く実施、また政府は介護離職ゼロの実現に向けた緊急対策を打ち出し、都市部における整備促進策を重点的に実施することとしております。
 こうした国の動向も取り込みながら、あわせて行政区域を超えた生活経済圏を形成する首都圏の一都三県が一層緊密に連携することにより、施策の効果を最大化することが可能となると考えます。
 そこで、今後増大する介護ニーズへ対応するための一都三県の連携協力の取り組み状況について伺います。
 次に、震災対策について伺います。
 間もなく東日本大震災から五年を迎えます。この地震では多くのインフラも大きな被害を受け、下水道も例外ではなく、被災地で仮設トイレの使用も強いられたり、下水道の使用制限がされました。
 下水道は、都市活動や都民生活において欠かせないインフラの一つであり、震災などの非常時にも下水道管やポンプ所などの機能を維持する必要があります。
 下水道局は、首都直下地震への備えとして、避難所のトイレ機能の確保や緊急輸送道路の交通機能確保などのため、下水道管とマンホールの接続部の耐震化や液状化によるマンホールの浮上抑制対策やポンプ所などの震災対策を進めています。
 墨田区にもポンプ所など多くの下水道施設がありますが、そこで下水道施設の耐震対策について伺います。
 最後に、特別区消防団の分団本部施設の整備について伺います。
 地域の防災リーダーである消防団は、防災防火活動において重要な役割を担っており、首都直下地震の発生が危惧される中、その役割はさらに大きくなっております。
 一方、装備資機材の収納や会議のできるスペースがある分団本部施設の整備は計画的に進められているところであります。
 そこで、特別区消防団の分団本部施設の整備方針と今後の装備資機材の収納スペースの確保について、東京消防庁の見解を伺います。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 桜井浩之議員の一般質問にお答えをいたします。
 固定資産税情報をまちづくりに活用しようという、これは非常にすばらしい観点だというふうに思っております。
 これに限らず、都が保有するさまざまな行政情報を有効に活用して、まちづくりの施策の推進、それから都民の利便性の向上、こういうのに役立てていくということは非常に重要だと思っております。
 その中で、税務情報も行政情報の一つでありますけれども、どうしても地方税法の縛りがありますので、ほかの法令に比べて守秘義務が非常に厳格になっています。したがって、活用するとなると、対象事業の重要性、緊急性を考慮するとともに、やはり必要な法整備が要るんだろうというふうに思っております。
 こうした活用の例として、防災、衛生などの観点から、適切な管理が行われていない空き家はもう対象にすべきだと思っておりまして、先ほど引用くださいましたように、昨年の二月に施行されました空家等対策の推進に関する特別措置法に基づいて、都は固定資産税情報を区へ提供しております。
 こういうことによって、もうずっとほったらかしておかれている空き家、誰の持ち物なんだということが判明するわけでありますので、法が施行されてから一年たちますけど、千八百二十八件について区に対して提供しているわけでありまして、区は所有者に対しまして除却、修繕などの指導や勧告を行うなどして、空き家対策の推進に結びつけているわけであります。
 固定資産税情報というのは、個人情報という性格も踏まえながら、いろいろ配慮が必要でありますけれども、防災対策などの政策課題への対応、それから法整備の必要性など、幅広い議論を行いまして、これをまちづくりの推進、そして防災、こういうことに役立てていきたいと思いますので、適切な活用を図りたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔主税局長小林清君登壇〕

○主税局長(小林清君) 固定資産の評価に関します二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、大規模建築物の固定資産評価についてでありますが、現在の固定資産の評価は、昭和三十八年度に国が定めました再建築価格方式を全ての建物に一律に適用しております。
 都内では近年、床面積が十万平米を超え、オフィス、店舗、住宅、ホテルなど用途が複合的な建築物が増加をしておりますが、こうした建築物を評価する場合、建物の竣工後に事業者から膨大な図面を借り受けた上で、数万点の建築資材を一つずつ確認し、約五百項目の評価基準に当てはめるという、困難で複雑な判断を伴う作業が必要となります。
 このため、建物の完成から評価終了まで二年近くの期間を要することや、複雑な手法が納税者にわかりにくいなど、現行の再建築方式には多くの課題が生じております。
 こうしたことから、都は、大規模建築物の固定資産評価方法を見直すべきと考えておりまして、評価制度を決定する国に対し繰り返し要望してきております。
 次に、国際的な視点を踏まえた評価のあり方についてでございますが、海外の主要都市では、建物の取得価格や年間賃貸料に基づきます、簡素で透明性の高い評価方法を導入しております。
 大規模建築物の評価のあり方を考えるに当たりましては、こうした海外の状況なども十分調査し、簡素、迅速で納税者にわかりやすい制度とするとともに、大都市東京に特有の課題であることから、世界一の国際経済都市を目指す都みずからが、将来の都市機能の更新や建築技術の進歩を見据えた新たな評価制度を積極的に提言していくことが重要であると考えております。
 そのため、都といたしましては、法律や建築分野などの専門家から成る検討会を本年四月に設置し、検討会での議論を深めるとともに、評価制度を決定する国とも連携しながら見直しを進めてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、タイ拠点における海外販路開拓支援の取り組みについてでございますが、昨年十二月に開設をした中小企業振興公社のタイ事務所では、現地でのさまざまな企業活動にきめ細かく対応するため、ビジネス事情に精通した専門家を配置し、商習慣や労務などの経営相談やセミナーによる最新情報の提供を行うなど、都内中小企業を現地でサポートしております。
 来年度からは、これらの取り組みに加え、新たにタイの製造業関連の最大の展示会に公社ブースを設け、都内中小企業の出展を支援し、現地企業との商談機会をつくってまいります。
 また、産業技術研究センターやタイ工業省等と連携し現地企業との交流会を設けるなど、タイでの事業を円滑に進めるためのネットワークづくりを後押ししてまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業の海外販路開拓を強力に支援してまいります。
 次に、医療機器産業への参入支援についてでございますが、世界に通用する医療機器を数多く創出するためには、医療現場におけるニーズと中小企業の持つ技術シーズを適切に組み合わせ、開発につなげることが重要でございます。
 そのため、都は来年度、医療関連企業が集積する日本橋に新たな支援拠点を整備いたします。ここでは、区市町村等とも連携をしながら、製造販売企業、臨床機関とものづくり中小企業の交流を図り、マッチングを実施いたします。
 さらに、医療機器開発を加速させるため、技術開発に当たっての相談窓口を設置するとともに、マッチングした企業による共同開発経費や機器承認に必要な審査等の経費の三分の二につきまして、五千万円を限度に助成をいたします。
 こうした取り組みにより、中小企業のすぐれた技術力を生かした革新的医療機器の創出につなげてまいります。
 次に、東京からの日本各地の魅力の発信についてでありますが、海外から東京を訪れた旅行者に、観光のため日本の各地域にも足を運んでもらえるよう、それぞれの地域の魅力を都内でさまざまな方法で発信していくことは重要でございます。
 このため、都は今年度、外国人旅行者が多い都庁展望室で全国の特産品の展示販売を二回実施するとともに、全国の祭りの紹介イベントにも出展をして、日本各地のPRを行ってまいりました。
 来年度は、展望室での物産展を年間を通じて開催することで、外国人旅行者へのPRの充実を図ってまいります。また、各自治体が都内に設けているアンテナショップをまとめて紹介するマップをつくり、物産展等で配布をするとともに、各ショップをめぐるイベント等を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、旅行者が国内の各地に出向くきっかけを効果的につくり出してまいります。
 最後に、舟運に関する情報提供についてでございますが、水辺のエリアを舟運により移動しながらさまざまな観光スポットをめぐる旅行者に、水上交通に関する正確な情報を総合的に提供することは重要でございます。
 これまで都は、水辺周辺の観光スポットの説明にあわせ、そのアクセスに便利な水上交通のルートを選び、運航の情報をウエブサイトを通じて紹介をしてまいりました。
 来年度は、観光のため利用できる水上交通に関し、運航ルートや時刻表に加え、料金などの情報をより幅広く調べて整理をしまして、それらを多言語で一括して表示するページを新たに作成いたします。また、これにあわせ、水辺や舟運の観光の魅力についても、映像等を活用して発信をいたします。
 こうした取り組みにより、舟運を効果的に生かした観光振興を適切に進めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 高齢者施策における一都三県の連携協力についてお答えをいたします。
 昨年十月に一都三県の地方創生に関する連絡会議は、少子高齢化に対応するために連携協力して実施する取り組みを取りまとめました。
 その中で、高齢化問題への対応といたしましては、介護人材確保に向けた共同のキャンペーンや介護ロボットの有効活用策の検討等に取り組んでいくこととしており、その取り組みは、十月に策定いたしました東京都総合戦略にも盛り込んでおります。
 また、一都三県の介護保険担当部局と厚生労働省との連絡会議では、次期高齢者保健福祉計画の策定に向け、各自治体の施設整備の状況や都県を越えた施設の利用状況等について意見交換を行っております。
 介護ニーズの拡大は一都三県に共通する課題であり、今後一層連携協力し、施策を進めていく考えでございます。
   〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) 下水道施設の震災対策についてでございますが、下水道管につきましては、地震により被害を受けやすい下水道管とマンホールの接続部の耐震化やマンホールの浮上抑制対策を、これまで避難所や災害拠点病院などを中心に実施してまいりました。
 新たな経営計画では、面的な耐震化を強化し、錦糸町駅付近など広域的な避難を要しない地区内残留地区での対策を積極的に進め、整備ペースを年間三百ヘクタールから五百ヘクタールにスピードアップし、累計約三千五百ヘクタールを完了させることといたします。
 一方、水再生センターやポンプ所では、震災後も必ず確保すべき機能を維持するための耐震対策を、墨田区内の五カ所のポンプ所を含む八十四カ所で進め、平成三十一年度末までに九十九カ所全てについて完了させます。
 これらの取り組みにより、都民の安全・安心を確保してまいります。
   〔消防総監高橋淳君登壇〕

○消防総監(高橋淳君) 特別区消防団における分団本部施設の整備方針等についてでありますが、分団本部施設は、平時の災害はもとより、震災等の大規模災害時の活動拠点であるとともに、消防団活動に必要な各種資機材の集積場所として重要な施設であります。
 このため、老朽度、狭隘度等を勘案し、優先度の高いものから順次整備しており、今年度末での整備率は約八割となっております。
 今後とも、関係各局を初め各区等と連携して用地の確保に努めるとともに、狭隘な施設については、各消防団の意見、要望を踏まえ、装備資機材の収納スペースを確保するため必要な措置を講じるなど、分団本部施設としての機能が十分に発揮できるよう努めてまいります。

○議長(川井しげお君) 一番小林健二君
   〔一番小林健二君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○一番(小林健二君) 初めに、観光振興について伺います。
 知事は、さきの施政方針表明において、観光を一大産業へと高め、その広い裾野を生かしていくことで、東京のさらなる成長につなげていきたいと述べられました。
 この言葉の実現のためには、東京の各地域にあるさまざまな観光資源の価値を生かし、充実させていくことを通じて、観光客を誘致していく取り組みが重要であると考えます。
 例えば、国際的にも評価の高いクールジャパンの代表格であるアニメは、まさしくコンテンツとしての文化的な部分と産業としての側面の両方を持ち、これを観光資源として育て上げる価値は高いものと思います。
 フランスの観光が、すぐれた芸術性を持つパリというまちを磨き上げることを通じてレベルを高めていったように、東京においても地域のすぐれた部分をしっかりと見出し、その充実を通じて多くの旅行者を誘致する努力が重要になると思います。
 こうした考えに立ち、地域における観光振興について、知事の所見を伺います。
 東京の観光資源のうち、アニメを活用した施策の充実は必須の取り組みであります。都では、民間企業から提供を受けた絵コンテ、原画、セル画などのアニメ資料を約五万点保管するアニメアーカイブ事業に取り組んでいますが、私は、昨年の経済・港湾委員会の質疑において、これら保管されているアニメ財産を広く公開していくことを要望いたしました。
 アニメの制作過程で生み出されるセル画は国内外で人気があり、こうした貴重なアニメ資源を広く公開、展示し、観光振興に役立てていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、文化芸術振興について伺います。
 本年は、いよいよ二〇二〇年に向けて、文化プログラムが本格的に開始される年となります。文化の力を国内外に発信する絶好の機会であり、この取り組みをスタートとして、文化芸術によって立つ国、そして東京都を実現していかねばならないと考えます。
 昨年の第一回定例会の一般質問で私は、文化を活用した地域振興の活性化を質問いたしました。
 都では、本年度より、地域の文化資源を発信する取り組みに対する助成制度を立ち上げましたが、この制度の周知が行き届いておらず、活用実績が乏しいという課題があります。
 さらに、地域における文化の発信力を高めていくためにも、制度の周知に努め、より幅広い分野において多くの団体から利用されるよう取り組んでいくべきと考えます。見解を求めます。
 東京文化ビジョンでは、社会や都市の課題に芸術文化の力を活用するとの戦略が盛り込まれております。
 民間では、認知症の方々に対する絵画鑑賞や音楽療法による脳の活性化への取り組みや、東日本大震災の被災地の方々を文化芸術の力で励ましていこうとの取り組みなど、文化芸術が社会において極めて重要な役割を果たしております。
 都では、こうした民間の活動を支援するため社会支援助成事業を創設し、初年度は特に障害者を対象とした活動に対し重点的に助成を行ったと聞いておりますが、高齢者の生きがいを創出する取り組みや子供の自発性を引き出す取り組みなど、社会課題の解決に資する文化芸術活動は多様であります。
 障害者や高齢者、子供などが抱える問題に対し、文化芸術ならではの力で解決をもたらすような取り組みを都としてしっかり支援していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、若者の命を守る取り組みについて伺います。
 東京都において、みずから命を絶った方は、平成二十三年の二千九百十九人をピークに減少傾向に転じているものの、年代別では四十代以上の減少幅に比べて若年層が減っていない実態があります。特に東京は、年齢構成の割合で三十代以下が三割を超え、全国より多くなっており、三十歳以下の死因の一位が自殺であります。
 東京で若者の自殺がなかなかとまらない、先日のニュース番組ではこのように報じられました。
 都では、自殺総合対策東京会議を設置し予防対策を推進していますが、世界一の都市東京を目指すには、若者が躍動して活躍できる東京を実現していかねばなりません。
 悲しくも死を選択した胸中を軽々に推しはかることはできませんが、若者がみずから命を絶ち、大切な未来が閉ざされることのないよう、社会で守り育む連帯が必要であり、都としても、地域社会における若者の自殺予防対策を喫緊の課題として強化していくべきであります。見解を求めます。
 さらに、若年者のうち、児童生徒が命を絶つ報道が頻発しております。以前私は、みずから命を絶った中学生のお子さんを持つお母様にお話を伺う機会がありました。お子さんを亡くされた悲しみ、悔しさ、どうにも整理がつかない心の葛藤、慟哭の思いは察するに余りあるものでした。
 この世に絶望し、泣きながらみずからの命を絶った子供たちに、また、あの世界に生まれてみたいと思ってもらえるような世界をつくること、それこそが私たち残された者全てに託された責務ではないか、これは新聞に掲載された、お子さんを自殺で失ったご家族の手記の一文です。
 未来の宝である児童生徒が、余りにも若くして死という選択をしたことを私たちは重く受けとめて、子供の変化を鋭敏に感じ取り対応できるよう、教育現場における取り組みを一層強化していくべきであります。見解を求めます。
 次に、若年性認知症対策の強化について伺います。
 私は、平成二十五年の予算特別委員会において、日ごろお世話になっているご夫婦のご主人が若年性認知症を発症し、ご家族が日々ご苦労されている実態と、若年性認知症家族会の方からお聞きしたご要望を紹介いたしました。その際、多摩地域における若年性認知症総合支援センターの設置、受け入れ施設の整備、自治体職員のスキルアップ、就労支援、以上四点にわたって課題を提示し、実情に沿ったきめ細かな支援策を検討していくべきと質問いたしました。
 都議会公明党が提案し、ワンストップの相談窓口として全国初の取り組みとなった若年性認知症総合支援センターも設置から四年が経過し、多くの相談と支援の実績を重ねていると聞いております。
 今後、総合支援センターが蓄積したノウハウをさらに生かし、より身近な地域で必要な支援を受けられるよう、総合支援センターの多摩地域への設置と自治体職員に対する若年性認知症へのスキルアップに取り組んでいくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都立高校における障害のある生徒への配慮についてお伺いします。
 先日、私は、練馬区難聴児者を持つ親の会の方よりお話を伺う機会がありました。現在、多くの聴覚障害児童生徒は補聴器や人工内耳を使用していますが、どんなに補聴しても一〇〇%聞こえるわけではなく、言葉や文章が不完全に聞こえているのが実態だとのお話がありました。
 練馬区では、介助員制度があり、区立小中学校において聴覚障害児童生徒が必要とする情報保障、例えば手書き文字通訳やパソコン文字通訳を利用した場合、通訳者に対し謝礼金となる助成を区が負担する制度があります。
 現在、都立高校にも聴覚障害のある生徒がおり、マイクを活用して聞きやすくしたり、座席の配慮などを行っているそうですが、練馬区の介助員制度は高校生には適用されないため、情報保障を利用する場合、保護者が通訳者への謝礼金を自己負担しており、保護者負担は決して軽くはないとのお話でありました。
 そして、都立高校においても、聴覚障害生徒が健常の生徒と同じ情報を得られるための方策を検討してもらいたいとのご要望もいただきました。
 本年四月より障害者差別解消法が施行されます。この法律においては、地方公共団体に対し、不当差別の禁止及び合理的配慮の提供を法的義務として課しております。
 さきに紹介した事例も踏まえて、本法律の施行を機に、都立高校においても障害者差別を解消する取り組みをさらに推進していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、海岸漂着物対策について伺います。
 昨年のエルマウ・サミットの首脳宣言において、初めて海ごみ問題が取り上げられました。都においても、東京都廃棄物審議会において海ごみ対策の必要性が答申されましたが、二〇二〇年に向けて日本の美しい海や海岸を世界にアピールするには、着実に海岸漂着物、海ごみ対策に取り組んでいく必要があります。
 とりわけ、海ごみの中のプラスチックやその微細化により発生するマイクロプラスチックは、海洋生物が誤って摂取することによる生態系への影響が世界的に危惧されており、その抑制への対策が急務であります。
 都は昨年度、海岸漂着物関係の調査を実施し、東京湾内におけるマイクロプラスチックの存在を確認したと聞いておりますが、こうした調査結果を踏まえ、水辺の魅力を高めていくためにも、海岸漂着物や海ごみの発生抑制に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。見解を求めます。
 最後に、都市計画、練馬城址公園について伺います。
 都は、平成二十三年に改定された都市計画公園・緑地の整備方針において、避難場所として首都東京の防災機能の強化を目的に、新たに重点化を図るべき公園として練馬城址公園が位置づけられました。計画区域の大部分を占めるのは、長年地元で親しまれてきた遊園地のとしまえんであります。
 整備方針が発表されてから四年が経過する中、私も、としまえん周辺の住民の方々とお会いするたびに、公園はいつ整備されるのか、どんな公園になるのか、としまえんはどうなるのかとの声を多く耳にします。
 巨大な敷地に検討されている新たな都立公園だからこそ、練馬区も住民も関心は高く、関心が高いからこそ、練馬区はもとより、地域住民の意見も丁寧にお聞きし、十分に調整していくことが重要であります。
 今後の練馬城址公園の取り組みを伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 小林健二議員の一般質問にお答えをいたします。
 地域における観光振興についてお尋ねがございました。
 東京は、いうまでもなく江戸の伝統と先端技術が生み出す活力が共存するとともに、おのおのの地域にすぐれた文化や芸術のほか、豊かな自然、それから食べ物、観光地としての魅力を高めております。
 こうした魅力を活用して東京に観光客を呼び込むために、各地域の身近な場にある文化的な資源などを効果的に使いまして、それらを観光振興に結びつけるということが重要であります。
 そのため、ご指摘ありましたようなアニメなどのコンテンツを活用して、新しい観光資源を生み出すような地域のアイデアを、民間の力で実現する取り組みを充実してまいりたいと思っております。また、そうした観光まちづくりの事例を取りまとめて、効果的な情報提供も行いたいと思っております。
 こうした取り組みによりまして、地域の観光振興、これを活性化して、東京への旅行者誘致を着実に進めてまいりたいと思っております。
 それから、芸術文化、これはいろんな社会的な課題の解決に役立つのではないかというご指摘でありますが、まさにそのとおりだと思っております。
 芸術文化には、人間の心を豊かにして、クリエーティビティー、創造性を引き出すとともに、言葉を超えまして人々の理解や共感を育むような無限の可能性が秘められていると思います。
 例えば不登校とかひきこもり、それから例に出されたような高齢者の孤立とか障害者の自己実現など、こういう社会問題の解決に向けて、芸術文化というのは非常に大きな役割を果たしていると思います。
 演劇であるとか、舞踊であるとか、アートなど、さまざまな取り組みが教育や福祉や医療などの現場で行われますように、本年度、都は、芸術文化による社会支援助成、こういう制度をつくりました。この助成制度を活用して、例えば障害のある若者とプロの劇団が一緒に演劇をやっていくと。そのことを通じて、参加した方々が、頑張って生きていくんだ、こういう自信を取り戻した例もございます。
 これからは障害者に限らず、子供、高齢者と芸術文化をつなぐ活動に取り組む団体などが大きな成果が上げられるように、この制度を積極的に活用してまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子供の命を守る取り組みについてでございますが、子供がかけがえのない命をみずから絶つことのないようにするためには、学校や家庭が子供の悩みや不安を適切に把握するとともに、関係機関等と連携して、その解消に向けた支援を行うことが重要であります。
 これまで都教育委員会は、自殺予防のため、学校が配慮すべき事項を具体的に示した資料の配布、スクールカウンセラーによる面接、二十四時間対応の電話相談、緊急時における心理職の派遣などの対策を講じてきております。
 今後は、これらに加えて、全公立学校の校長や各職層を対象に、自殺予防を目的とした新規の研修を実施するなど、教職員が保護者や地域の関係者等と一体となって、子供の様子の変化に迅速に対応できるようにして、社会全体で子供の命を守る取り組みの一層の強化を図ってまいります。
 次に、都立高校の障害のある生徒への配慮についてでございますが、都教育委員会は、これまで入学者選抜において、生徒の障害状況に応じた検査方法等の配慮を行うとともに、入学後には施設のバリアフリー化や授業における座席の配慮、ICT機器等補助器具の整備などを進めてまいりました。
 平成二十八年四月一日に施行される障害者差別解消法では、障害者から社会的障壁を取り除く必要について意思の表明があった場合、過重な負担にならない範囲で合理的配慮を行わなければならないと定められております。
 このため、都教育委員会は、法施行に向け、都立学校における合理的配慮の具体例等を新たにハンドブックとしてまとめ、都立学校に示すとともに、ご指摘の事例も踏まえ、学校と連携して障害のある生徒やその保護者と十分に話し合いながら、適切な対応を一層推進してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) アニメを活用した観光振興についてでございますが、東京を訪れる旅行者をふやす上で、アニメを観光資源として活用するための施策を展開することは重要でございます。
 これまで都は、アニメの放映のため制作された資料を保管し、イベントへの貸し出しを行うとともに、地域がアニメをテーマとする観光ルートを作成する場合にサポート等を行ってまいりました。
 来年度は、秋葉原にある東京アニメセンターにコーナーを設け、ご指摘の都の保管するアニメ関連の資料展示を実施いたします。また、アニメを活用した観光ルートの作成を引き続き支援するとともに、都内アニメクリエーターのビジネス支援を行い、その魅力を理解し、東京を観光で訪れる旅行者の増加にも結びつけてまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 東京地域芸術文化助成についてですが、東京には、下町、山の手、多摩など各地域に個性ある文化資源が存在し、その魅力を広く発信することが東京全体の文化価値を高めていくことにつながります。
 そこで、都は本年度、アーツカウンシル東京による東京地域芸術文化助成を創設し、木場の木やりや府中のおはやしなど、地域の無形民俗文化財の活動等を対象に支援し、広報の充実などが図られました。
 来年度は、アニメ産業が集積する練馬やポップカルチャーのコンテンツが豊富な秋葉原、さらに市民による映画祭が盛んな調布など、現代的な文化資源を持つ地域においても制度の活用が図られるよう、関係団体への働きかけや区市町村に対する説明会の開催などさまざまな工夫を行い、支援の幅を広げてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、若者の自殺予防対策についてでありますが、都は、自殺総合対策の取り組み方針において、自殺リスクが高い若年層への支援を重点施策とし、若者向け相談窓口案内の作成などを行うほか、区市町村や民間団体が実施するゲートキーパー養成等の取り組みを支援しており、来月には、若者がストレスに立ち向かう方法などを若者みずから考えてもらうよう、大学生とともに企画、運営した講演会を開催いたします。
 来年度からは、コンビニエンスストア各社の協力を得て、孤立している児童生徒などの見守りを実施する予定であり、悩みを抱え、行き場のない子供たちが気軽に立ち寄れる場のあり方についても検討を行ってまいります。
 今後とも、関係団体等と連携して、若者の自殺を予防するさまざまな施策を積極的に推進してまいります。
 次に、若年性認知症対策についてでありますが、働き盛りの世代で発症する若年性認知症の方への相談支援には、医療や介護だけでなく、就労に関する支援や障害福祉サービスなど、多分野にわたる制度を活用した総合的な対応が求められております。
 このため、都は、本人や家族からのワンストップの相談窓口である若年性認知症総合支援センターを設置するとともに、活用できる支援策を取りまとめたハンドブックを作成して、区市町村等における相談対応力の強化を図ってまいりました。
 さらに、来年度は、新たに多摩地域にも若年性認知症総合支援センターを開設いたします。また、センターのこれまでの相談、支援事例を分析してノウハウを取りまとめた相談対応マニュアルを作成し、区市町村に提供するなど、身近な地域での支援の充実を図ってまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 海岸漂着物対策についてでございますが、海岸漂着物対策を確実に進めていくためには、海岸や水面清掃等の着実な実施とともに、海岸漂着物の発生源となる海ごみを減らしていくことが重要でございます。
 都は、平成二十六年度に調査を行い、海ごみを削減するには、陸域におけるごみの発生抑制対策が効果的であることが裏づけられました。
 そのため、都は、昨年十一月にシンポジウムを開催し、プラスチックによる海洋への影響や陸域における環境NGOの取り組みなどを広く都民に紹介いたしました。
 今後、陸域におけるごみの発生抑制やマイクロプラスチック、海岸漂着物問題に関するパンフレット、ポスターを作成するとともに、来月には、電車内広告等を活用した周知を実施するなど、普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 練馬城址公園の取り組みについてでございますが、練馬城址公園は、民間遊園地としまえんを計画区域に含む面積約二十六・六ヘクタールの都市計画公園であり、このうち約二十一・九ヘクタールを平成三十二年度までに事業に着手する優先整備区域に設定しております。
 公園の事業着手に当たりましては、東京都公園審議会の審議を経て、公園内の利用区分を明確にするゾーニングを行い、各エリアの園路や広場等の配置を定める整備計画を策定することとしております。今年度は、計画策定に必要な地形や植物の分布等の調査分析を進めております。
 今後、地元区との意見交換等の機会を設けるとともに、広く都民の意見も聞きながら、整備計画の検討を進め、豊かな緑と区域内を流れる石神井川を生かした水と緑のネットワークを形成してまいります。

○副議長(小磯善彦君) 四十番神野次郎君
   〔四十番神野次郎君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十番(神野次郎君) 最初に、中小企業連携促進ファンドについて伺います。
 将来の東京を支える企業の育成や新しい産業の創出のため、斬新なアイデアを持つベンチャー企業や、独自の技術で新たな分野に挑戦する中小企業を支援することは重要です。このような中小、ベンチャー企業に対し、研究開発期間など安定した収入を生み出すことができない時期に、都が新たに立ち上げるファンドを通じて資金を供給することは非常に有意義だと思います。
 私は、昨年の第一定例会において、官民連携福祉貢献インフラファンドについて質問しましたが、その際、都は利益の追求よりも政策の実現を重視すべきであり、また、出資金の毀損リスクはできるだけ軽減すべきであるという趣旨の発言をしました。今回のファンドにおきましても、利益の追求よりも政策を重視すべきという点は同じ意見ですが、リスクに関しては違ったアプローチが必要と考えています。
 それは、官民連携福祉貢献インフラファンドが出資をする不動産賃貸などの事業は、将来の収入が予想しやすいのに対して、本ファンドが支援をする事業は、将来の収入が見通しにくいものとなるからです。
 しかし、成果が得られるかどうかが不確実だからといって、研究開発や新規事業への挑戦を怠ってしまうと、高い技術力を得ることや新分野を切り開いて先行者利益を享受するという付加価値の高い成果は得られなくなってしまいます。そうならないように、都は積極的にこのような試みを支援すべきと考えます。
 ファンドは、中小企業の発行する株式への投資を予定していますが、これも適切であると考えます。東証一部上場の大企業の中でも、製薬会社やコンピューターソフトの開発会社といった研究開発費の負担が大きい企業は借入金が極めて少なく、事業資金のほとんどを自己資金で賄っております。新分野に挑戦する中小企業においても、事業資金は定まった期限までに返済しないといけない借入金ではなく、自己資本、つまり株主資本が必要と考えるからです。
 ただし、ファンドが株式を購入する際に注意していただきたいことがあります。既に発行されている株式を購入しても企業には新規の資金が入らないため、事業の支援には直接つながりません。原則として、企業が新たに発行する株式を購入し、企業が受け取った資金が研究開発や設備投資に利用されるように留意していただきたいと思います。
 ファンドの運営に当たり、将来の東京を支える企業の育成や新しい産業の創出という政策目的を常に意識し、思い切った投資によって中小企業の成長を後押しすべきと考えます。
 そこで、都がこのファンドを設立する意義と、どのように運営していくかについて伺います。
 次に、事業継承支援について伺います。
 東京の活力の源泉は、都内企業数の九九%を占める中小企業にあることはいうまでもありませんが、近年、その経営者の高齢化による廃業などを背景に、その集積が失われつつあります。これに歯どめをかけ、都内産業を維持発展させていくためには、中小企業の円滑な事業継承を図っていく必要があります。
 しかし、事業継承が進まない理由は、引き継ぎの方針が固まっていない、後継者探しに苦労しているなど、企業によってさまざまです。また、過大な債務の解消など、金融面からの支援が必要なケースもあります。
 こうした状況を解決するためには、個々の事業者の実態に即した的確な支援を行っていくことが必要であり、我が党は、金融機関や人材紹介会社など、さまざまな専門機関の力を活用した支援について検討を求めてきました。
 そこで、都は、中小企業の円滑な事業継承に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、先週、知事がみずから公表されました女性活躍推進白書について伺います。
 この白書は、さまざまなデータや活躍する女性へのインタビューなどを通して、東京の女性の現状や課題を浮き彫りにし、多様なチャレンジを応援するなど、三つの取り組みの方向性を提言しています。
 三つの提言の中でも、ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方が選択できるまちを目指していくことは、大都市であるがゆえに、長時間労働、長時間通勤で悩まされてきた都民にとりましても、まさしく新時代における働き方を提唱する意義深いものと評価いたします。
 さて、白書によりますと、東京都の有業者の平均帰宅時間は、男女とも全国で最も遅くなっています。また、週六十時間以上働く長時間労働者の割合も、全国よりも高くなっております。
 こうした東京の実態を踏まえて、今後、真に女性の活躍を実現するためには、家事や育児などの家庭生活の負担が女性に偏りがちであるという現実のもとに立ち、女性が出産などのライフイベントを乗り越え、家事や育児と仕事を両立できるよう、企業がより積極的に柔軟な働き方を取り入れられるような環境を整備していく必要があります。
 また、家庭においては、男性による家事や育児、介護への参画が極めて重要になってまいります。
 白書では、新時代の柔軟な働き方を東京から提唱し、社会全体での意識改革を進めていくとともに、男性の家事、育児への参画を強力に推進していくこととされていますが、この提言を実現するため、今後、どのように取り組みを推進していくのか、知事の見解を伺います。
 次に、流域下水道におけるエネルギー施策について伺います。
 多摩川は、昭和四十年代は生活排水などで汚れていたものの、今や多くのアユが毎年遡上するなど、水質は大きく改善しました。多摩川下流部における河川水量の約半分を下水処理水が占めることを考えますと、下水処理の水質改善の成果といえます。
 その中で大きな役割を果たしてきたのが、東京湾の赤潮の発生原因ともなる窒素とリンを大幅に削減することができる高度処理ですが、高度処理は、水質改善が図られる一方、導入には多くの時間と費用を要し、旧来の処理法と比べ電力使用量が多いという課題があります。
 一昨年の第一回定例会では、エネルギー価格の高騰を受け、窒素やリンの除去率が高度処理よりも若干低いものの、電力使用量が抑えられる準高度処理の既存施設への導入を進めていくとのことでしたが、現在では、高度処理と同等の水質を確保しつつ、電力使用量を二割以上削減できる新たな高度処理が導入され出したと聞いております。
 このように新しい技術を開発することによって、機能の維持向上を図りつつ、エネルギー使用量を削減する取り組みは大変重要であり、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、流域下水道におけるエネルギー使用量削減への取り組みについて伺います。
 私の地元の昭島市にある多摩川上流水再生センターでは、下水道局と産業労働局、環境局の三局が連携して、スギ花粉発生源対策で生じた多摩産の杉の未利用材からチップを製造し、汚泥焼却の際の補助燃料として活用する事業を実施しております。この事業により、都内の一般家庭千六百世帯分の都市ガス量の削減効果が得られていると聞いております。
 杉のチップを再生可能エネルギーとして活用するこの取り組みを大いに評価しており、今後拡大していくことを期待しております。
 下水処理で多くのエネルギーを使用している下水道局は、この事例にとどまらず、再生可能エネルギーを積極的に導入することで、みずからエネルギーを確保していくことも重要であると考えます。
 そこで、流域下水道における再生可能エネルギーの活用への取り組みを伺います。
 最後に、都債の発行について伺います。
 昨年の第一回定例会で、個人向けの東京グローバル都債に関して、市況を踏まえながら継続的な発行に取り組むとともに、より積極的な周知に努めていくとの答弁をいただきました。
 昨年十二月に発行された東京グローバル都債では、円建て債は前回よりも五十億円少ない百億円、豪ドル建て債は前回よりも六千万豪ドル多い一億一千万豪ドルの発行額でしたが、投資家のニーズに合わせて発行額を調整したこと、そして、プレスリリースに都が為替変動リスクを負っていないことが明記されたことを評価いたします。
 平成二十八年度予算案において、都は、投資的経費が増加する中にあっても、都債の発行を三千五百三十三億円にとどめています。平成二十八年度末に五兆八千八百三十億円となる見込みの都債残高は、毎年の償還の影響もあり、年度により多少の増減はあるものの、七兆六千億円を超えていた平成十三年度末から削減を図ってきていることがうかがえます。
 今後の人口減少に伴う人口構造の変化などを考慮すれば、発行残高を抑制し、将来世代の負担を抑えていく視点は必要といえます。また、できるだけ有利な条件で都債を発行し、利子負担を抑制していくことも重要です。
 一方で、緊急時の資金調達が行えるように都債を継続的に発行し、発行体としての存在感を示し続け、都債を購入する投資家を多数確保しておくという努力も必要と考えます。
 日銀は、平成二十五年四月に、いわゆる異次元緩和を開始し、さらに追加緩和の実施や、最近ではマイナス金利を導入したことで、長期国債の流通利回りは一時マイナスとなり、本年二月発行の十年都債も利率〇・一二六%と過去最低の金利水準での発行となるなど、まさに異次元の低金利状態にあります。この歴史的低金利のメリットを享受できるよう、都は、超長期債や外貨建て債を発行するなど、より戦略的に取り組むべきと考えます。
 そこで、現在の債券市場の状況を踏まえ、平成二十八年度はどのような方針で都債を発行していく考えなのかを伺い、私からの質問を終えます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 神野次郎議員の一般質問にお答えをいたします。
 金融の専門家らしいすばらしい質問であったと思います。金融の件につきましては、担当局長の方から後ほどお答えいたします。私に対しては、女性活躍推進白書の提言を実現するための取り組みについてご質問がございましたので、お答えをいたします。
 かねてより、東京の活力を高めるためには、大きな潜在力を有しております女性の活躍が不可欠であるということを私は繰り返し申し上げておりました。
 そこで、現状をしっかりと分析して、どういう取り組みができるかということで、今回、自治体初となります白書をまとめたわけであります。
 とりわけ、女性が結婚、出産などの転機を迎えましても、安心して働き続けられる環境を整備していくために、柔軟な勤務制度の導入、それから男性の家事、育児への参画、これが重要だと思っております。
 そこで、長時間通勤などの分析をしましたのは、やはり、例えば在宅勤務制度の導入、これを企業に促していけば、通勤時間が無駄にならないわけでありますし、それから、参考となるような情報も提供しまして、こういう制度を入れるとこういう効果があるよ、しかしこういう課題があるよと、この検証するプロジェクトの構築を進めていきたいと思っております。
 それから、その取り組みの中で、これまでも実際に男性の育児、家事参画を実践してきた男性や団体を招聘して、いろんなイベント、こういうことをやっておりますので、さらにそれを展開しまして、参加される方々に、実際どうすればいいかというようなノウハウも提供していきたいと思っております。
 今後とも、企業や男性の具体的行動を促すことによって、男女ともライフスタイルに合わせて柔軟な働き方が選択できるような社会の実現に向けまして、積極的な施策展開を図ってまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業連携促進ファンドについてでございますが、中小企業がみずから有するすぐれた技術やノウハウを生かして新分野に挑戦するためには、事業化に向けた外部資源の活用や多様な資金調達手段が必要でございます。
 このため、都は来年度、中小企業と大学、大企業等との連携を促進する新たなファンドを創設いたします。
 具体的には、有望な技術と市場ニーズを把握できる目きき力を持つ運営事業者を選定し、さまざまな主体とのマッチングや販路拡大等の成長支援など、経営と資金の両面から中小企業をサポートしてまいります。あわせて、運営事業者への定期的なモニタリングなどを行い、リスク管理を適切に実施してまいります。
 この仕組みにより、中小企業の意欲的な取り組みに対する積極的な投資を促進し、将来性のある企業の育成や新しい産業の創出を図ってまいります。
 次に、中小企業の事業承継への支援強化についてでございますが、都内中小企業が培ってきた技術やノウハウを次代へ承継していくためには、企業が抱える課題に対し、さまざまな専門機関を活用した支援の充実を図る必要がございます。
 このため、都は来年度、中小企業振興公社に巡回相談員を設置し、企業からの相談や申し込みを待たずに、公社から支援を働きかける取り組みに着手するほか、支援企業が人材紹介会社等を活用する際の経費を新たに助成いたします。
 また、財務上の課題を解決することにより事業承継が進む企業に対し、金融機関と弁護士等の専門家が連携をして、計画の策定から実行までを継続的にサポートしつつ、必要な資金を融資する都独自の金融支援を開始いたします。
 こうした多面的な支援により、中小企業の事業承継が円滑に進むよう取り組んでまいります。
   〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) まず、流域下水道におけるエネルギー使用量の削減の取り組みについてでございますが、当局では、従来から、水処理や汚泥処理の設備更新にあわせ、省エネルギー型の設備を積極的に導入しております。
 水処理では、ご質問にあった、水質改善と省エネルギーの両立を図る新たな高度処理の導入を進めておりまして、今年度は浅川水再生センターにおいて既存の土木躯体を活用することにより、費用を抑えつつ設備を整備いたしました。
 今後、多摩川上流水再生センター等に順次導入し、平成三十二年度までに準高度処理施設も合わせた高度処理の割合を八割程度まで向上させてまいります。
 汚泥処理では、汚泥の水分量を一層削減して、焼却時の補助燃料を不要にする新たな脱水機と高温省エネ型焼却炉を組み合わせ、従来型の焼却炉よりも電力や補助燃料を大幅に削減する焼却システムを順次導入してまいります。
 次に、流域下水道における再生可能エネルギーの取り組みについてでございますが、太陽光発電は、今年度、南多摩水再生センターのメガワット級の施設など三カ所で二千キロワットの施設が完成いたします。今後、平成三十二年度までに、合わせて約四千五百キロワットの施設を整備してまいります。
 また、小水力発電は、多摩川への放流落差を活用できる南多摩水再生センターで来年度工事に着手いたします。
 さらに、多摩川上流水再生センターなどにおいて、焼却炉の更新にあわせ、これまで技術的に未利用であった低温域の汚泥焼却廃熱を活用した発電を導入いたします。
 これらの取り組みにより、平成三十二年度までに一般家庭約一千七百世帯に当たる電力を確保してまいります。
 今後とも、再生可能エネルギー活用の拡大に最大限努めるとともに、省エネルギーのさらなる推進に取り組んでまいります。
   〔財務局長長谷川明君登壇〕

○財務局長(長谷川明君) 都債発行の考え方についてでございますが、都債の発行に当たりましては、資金調達の安定性と調達コストの低減を両立することが重要と考えております。
 このため、地方債市場での基幹年限である十年債は毎月定期的に発行し、調達の安定性を確保しております。一方で、市場環境に応じて、償還年限が十年未満の中期債や三十年の超長期債など、多様な都債を機動的に発行し、調達コストの低減を図っております。
 お話のように、低金利環境では、金利負担を長期間低位に固定できる超長期債が有用であり、加えて、外債発行につきましても、さらなる低コストの可能性が期待できます。
 来年度におきましても、金利の動向をしっかりと見きわめ、市場環境を踏まえながら戦略的に都債を発行し、安定的かつ有利な資金調達を図ってまいります。

○議長(川井しげお君) 四十三番高椙健一君
   〔四十三番高椙健一君登壇〕

○四十三番(高椙健一君) 初めに、特別支援教育について伺います。
 都は現在、障害の種類や程度に応じた指導の充実や、新たなタイプの学校づくりなどを進めており、多摩地域に関しては、今年度、仮称立川学園特別支援学校についての検討が進められたと聞いております。
 この特別支援学校は、立川ろう学校を再編し、聴覚障害と知的障害の教育部門を置く学校として、平成三十三年度に開設されます。
 こうしたいわゆる併置校は、これまでも設置されてきましたが、聴覚部門と知的部門の併置化は、都内で初めてのケースであります。新たな学校の開設に当たっては、立川ろう学校が培ってきた専門性を生かすことはもとより、知的部門が併置化されるメリットを子供たちにしっかりと還元することが重要であります。
 そこで、立川学園特別支援学校をどのような学校としていくつもりか、都教育委員会の見解を伺います。
 さて、知的障害教育についていえば、多摩地域でも対象となる子供が増加しております。こうした中で大切なのは、知的障害のある子供たちが将来の自立や社会参加を見据えて、特別支援学校の教育を通じて必要な知識や技能、態度を習得することであります。
 そのためには、特別支援学校の再編や受け入れ体制の強化を着実に進め、将来の就労等への道筋をはっきりと生徒や保護者に示していく必要があります。
 都教育委員会は、生徒が望む進路を実現できるよう、適切な体制を構築し、多摩地域の知的障害者特別支援学校における職業教育の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、特別支援学校における社会貢献活動についてですが、全ての障害のある児童生徒が地域社会の一員として、人々とともに充実した生活を送ることは大変重要です。
 そのためには、地域の人たちが障害のある児童生徒を理解するだけでなく、児童生徒も地域の中で各自の役割を担っていくことも必要です。
 そこで、これまでの都立特別支援学校における社会貢献活動の取り組みとその成果について伺います。
 また、我が党では、世界で一番の都市東京を目指す一環として、高齢者や障害者が地域で安心して暮らせ、幸福を実感できる社会づくりを目指しています。
 このためには、高齢者と障害者同士も、互いに支え合い、交流を通じて、ともに喜びを得ることができるような取り組みを進めることも重要であると考えます。高齢者と障害者が相互に相手から必要とされていると感じることができるのであれば、このことが幸福を実感できる社会づくりの一端を担えるのだと考えます。
 そこで、このような社会づくりを目指すためにも、都立特別支援学校の児童生徒が、例えば高齢者施設を利用されている方々に対して喜んでいただけるような貢献活動に取り組んでいくことも必要と考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 平成十九年度に特殊教育から特別支援教育への転換が行われてから、もうすぐ十年がたとうとしております。この間も、障害者を取り巻く環境は大きく変わっています。
 そうした中、昨年四月の法改正によって、新たな教育委員会制度が施行され、教育行政においても、これまで以上に知事のリーダーシップの発揮が求められております。
 障害のある児童生徒の可能性を最大限に引き出し、一人一人の障害の状態に即しつつ、自立と社会参加を果たすための力を伸ばすことは、共生社会の実現に確実に寄与します。
 こうした特別支援教育の重要性を踏まえて、その一層の充実に向けた知事の決意を伺います。
 次に、多摩地域の消防体制の充実についてです。
 昨年の都議会定例会において、国分寺消防署庁舎が建設から五十三年が経過し、大変老朽化していたことから、庁舎の建てかえを要望させていただきました。新年度から着手する予定と聞いておりますが、ぜひ着実に計画を進めていただきたいと思います。
 多摩地域は、山や河川など自然に富んだ広大な面積を抱えており、発生する災害は火災や救急のほか、台風等による土砂災害や浸水、山間地域での雪害など、自然災害にも対処していかなければなりません。
 多摩地域の消防庁舎の中には、老朽化が進み、建てかえが済んでいないものがまだまだあります。また、災害地域に向かう消防車両の整備も適切に行っていく必要があります。
 地域の防災拠点である消防庁舎の整備や消防車両の整備を進め、多摩地域の消防力を充実させていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害時の医療体制についてお尋ねします。
 東京都は、平成二十八年度予算を世界一の都市の実現に向けた取り組みを力強く前進させる予算と位置づけておりますが、世界が注目するオリンピック・パラリンピック大会の開催を控え、誰もが安心・安全を実感できる都市を実現することは、喫緊の課題であります。
 平成二十三年に発生した東日本大震災の際に、宮城県において、被災状況の把握や医療資源の分配に対し、機能的な役割を果たしていた災害医療コーディネーターの制度を大都市東京の特殊性を踏まえた形で導入し、現在、二次保健医療圏を単位とした災害医療体制を構築しております。
 私の地元である国分寺市では、医療圏を越えた府中市内の病院に通院している住民も多数おります。災害時においても医療圏内のみならず、医療圏を越えた傷病者の受け入れについて柔軟な対応が求められると考えますが、ご所見を伺います。
 都営住宅における居住者の高齢化に対する取り組みと、住宅の機能更新についてお尋ねをいたします。
 都営住宅では居住者の高齢化が進んでいますが、住みなれた地域で安心して住み続けるためには、地域の人と人とのつながりが大変重要でございます。
 国立市の都営住宅でも、居住者の皆さんが自治会を結成して親睦を深め、お祭りや地域のイベントの開催、防火、防災や見守りなどの活動を行ってきています。しかし、自治会活動を支える担い手が少なくなり、こうした活動も継続できなくなりつつあるとも聞いております。
 一方で、若い子育て世帯は、必要な広さや設備を持つ住宅を低廉な家賃で確保することが難しく、希望どおりの子供の数を持てない家庭もあると考えます。
 そこで、団地コミュニティの維持と子育て世帯の支援のため、子育て世帯の都営住宅への入居を一層促進することが必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 また、地元の古い都営住宅では、エレベーターが設置されていないため、通院や買い物にも苦労すると高齢者の方の声もあるなど、都営住宅の機能更新を適切に進めていくことも課題であります。あわせて、都営住宅の機能更新によって生み出される創出用地を活用し、地域の魅力を向上させることも重要でございます。
 老朽化した都営住宅の建てかえを計画的に進め、高齢者にも住みやすい住宅を供給するとともに、建てかえに伴う創出用地を活用し、都民が住みなれた地域で快適に安心して暮らしやすいまちづくりを促進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 東京では、これから四年のうちにラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック大会が開催され、これらで弾みをつけ、海外からの旅行者の数は大きく伸びていくものと考えています。
 こうした観光客が都心に限ることなく東京の魅力に広く触れてもらうため、豊かな自然と多くの文化的な名勝地にも恵まれた多摩・島しょ地域も訪問するよう、その魅力をしっかりと宣伝していくことが大切でございます。
 多摩の観光資源のPRにもつなげるため、私の地元であれば、国分寺市とお隣府中市にあります文化財を国から日本遺産に認定してもらう取り組みを行っており、地域の湧水について、国の名水百選として指定も受けるなど、旅行者の誘致を図るため、さまざまな努力を続けているところでございます。
 このような宣伝効果の高い仕組みも活用しながら、その一方では、多摩・島しょの魅力を観光客の関心の強さ等に応じ、戦略的にしっかりとPRする取り組みも不可欠であると感じています。
 こうした視点も踏まえ、都として多摩・島しょ地域の観光情報の発信を新年度にどのように展開していく考えであるのか、ご所見をお伺いします。
 都は、先日の我が党の代表質問に答えて、多摩地域の未来像を描き、新たな振興策を取りまとめる旨を明らかにいたしました。
 将来を見据えると、人口減少、少子高齢化の進展や、これを踏まえたまちづくりなど、課題は山積していますが、ぜひとも持続的発展につながるような希望に満ちた多摩の姿を描き、効果的な振興策を打ち出してもらいたいと思います。
 さて、私の住む国分寺は、お鷹の道、真姿の池湧水群や野川を初め、水と緑にあふれたエリアもあれば、国分寺駅周辺のように商業地域や、また住宅が建ち並ぶエリア、さらには北西部の農地が広がるエリアもあるなど、その様相はさまざまであります。
 国分寺だけを見ても、このように多様性がある中で、一口に多摩といっても多摩地域は広く、一くくりに論ずることは大変難しいと考えます。
 そこで、今後、多摩の振興を進めていくに当たっては、こうした多様な地域ごとの特性をきちんと踏まえるべきと考えますが、都の見解をお伺いします。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 高椙健一議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、特別支援教育の充実でございますけれども、昨年の十一月、私は都立の永福学園を訪問しまして、実際にどういう職業教育を行っているのかということをみずからの目で確かめました。また、生徒さんとボッチャの競技を、試合をやったり、それから、コーヒーを入れてもらって、喫茶店体験のようなことをやっていただいて、非常にきめ細かい教育をやっているなということを改めて痛感した次第であります。
 障害のある人もない人も、お互いに尊重して支え合いながら共生できるような社会、全ての人が東京で生まれ、東京で暮らせてよかったなと、こう実感できるような都市、それが私の目指す東京の姿でございます。
 このような姿を実現するために、障害のある子供たちの能力を最大限に伸ばすとともに、障害者に対する理解を一層深めていくことが必要だと考えておりまして、そのために、この特別支援教育は不可決なものだと考えております。
 こうした考え方に基づきまして、私が策定いたしました教育施策大綱におきまして、特別支援教育の推進、これを重点事項として示し、障害のある子供たちの教育環境を充実する方向性を明らかにしたところでございます。
 今後、この大綱に基づきまして、教育委員会と一体となって特別支援教育のさらなる充実を図り、世界一の都市東京を実現してまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 特別支援教育に係る四点のご質問にお答えいたします。
 まず、仮称立川学園特別支援学校についてでございますが、開設に当たりましては、併置校の特徴を生かし、子供たち一人一人の障害の程度や特性に応じて、その能力を最大限に伸長する教育活動を展開する必要がございます。
 このため、聴覚障害教育部門と知的障害教育部門において、それぞれの専門性を十分に生かしますとともに、障害種別を越えて教材やノウハウを相互に活用することで指導内容を充実させ、併置化の効果を発揮してまいります。
 また、本校を二つの障害をあわせ有する子供たちに対する指導内容や方法に関する研究開発校として位置づけ、研究成果を他の特別支援学校に広く波及させてまいります。
 こうした取り組みにより、将来の自立と社会参加に向けて必要な力を着実に育むとともに、保護者や地域から信頼される学校を目指してまいります。
 次に、多摩地域の知的障害特別支援学校における職業教育の充実についてでありますが、障害のある生徒の自立と社会参加を実現するためには、その能力を最大限に伸長し、多様な進路を選択できるよう、職業教育を推進する体制を強化する必要がございます。
 そこで、都教育委員会では、知的障害が軽度の生徒を対象として職業教育を推進する就業技術科に対するニーズに応えるため、今年度、青峰学園の定員を二十名増員し、受け入れ体制を強化いたしました。
 また、久留米特別支援学校については、知的障害特別支援学校に改編するための基本計画を取りまとめ、地域資源を活用した実習等により、個に応じたキャリア教育を推進する方向性を明らかにしております。
 こうした取り組みを初め、今後も障害の程度に応じた適切な指導、支援を通じて、職業教育を充実してまいります。
 次に、特別支援学校の社会貢献活動の取り組みとその成果についてでございますが、障害のある児童生徒が地域の中でさまざまな活動を通して多くの人とかかわり、社会の一員として役割を果たすことは、周囲から認められ、自分の成長を実感できるなど、自己有用感を高める上で極めて重要であります。
 そのため、各都立特別支援学校では、近隣の道路や公園、公共施設等での清掃活動や、学校で育てた花を商店街に飾る活動、地域のリサイクルセンターと連携した活動等を積極的に行ってまいりました。
 こうした活動を通して、児童生徒に対する地域の理解が深まり、学校公開や運動会、文化祭などの学校行事に地域住民の方々の参加がふえ、より一層の相互交流が図られるとともに、学校における児童生徒のさまざまな学習活動等の活性化につながっております。
 最後に、高齢者施設等での社会貢献活動についてでございますが、都教育委員会は、障害のある児童生徒が交流活動を通して高齢者を尊重する態度等を育成できるよう、平成二十八年度に二十校の都立特別支援学校をモデル校に指定し、日ごろの学習の成果を生かした社会貢献活動を行う事業を実施いたします。
 具体的には、各モデル校の児童生徒が高齢者施設等を訪問してレクリエーション活動を運営したり、高齢者を学校に招いて器楽演奏や合唱を披露したりする活動などに積極的に取り組んでまいります。
 このようなモデル校の取り組みを事例集にまとめ、効果的な活動について各都立特別支援学校に周知するとともに、こうした取り組みを全都立特別支援学校に拡充してまいります。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子育て世帯の都営住宅への入居促進についてでございますが、少子高齢化が進む中、住宅に困窮する子育て世帯を都営住宅に積極的に受け入れることで、その生活をサポートするとともに、自治会活動などの活性化にもつなげていくことが重要でございます。
 このため、入居者の募集については、ひとり親世帯や二人以上子供のいる世帯などの当せん倍率の優遇を行うとともに、若年ファミリー世帯を対象とした期限つき入居募集を年間千五百戸まで拡大してまいりました。
 現在、住宅政策審議会におきまして新たな住宅政策の展開について議論を進めており、この中で、住まいにおける子育て環境の向上も重要な課題の一つとなってございます。
 今後、その検討状況も踏まえまして、コミュニティ活動の担い手ともなる子育て世帯の入居促進について取り組んでまいります。
 次に、都営住宅の建てかえと地域のまちづくりについてでございますが、都ではこれまで、昭和四十年代以前に建設された都営住宅の建てかえを進め、エレベーターの設置や玄関、室内の段差解消など、バリアフリー化された良質な公的住宅ストックへの更新を図ってまいりました。
 また、建てかえに当たりましては、敷地の有効利用により生み出された用地を活用し、道路、公園の整備による住環境や防災性の向上、子育て支援施設や高齢者福祉施設の整備促進などに取り組んでまいりました。
 今後、建てかえ規模を現在の年間三千八百戸から四千戸程度に拡大を図る中で、高齢者を含め、誰もが住みやすい都営住宅への更新を加速してまいります。また、建てかえに伴う用地の創出に引き続き努めまして、地域のまちづくりの利活用を推進してまいります。
   〔消防総監高橋淳君登壇〕

○消防総監(高橋淳君) 多摩地域の消防庁舎等の整備についてでありますが、東京消防庁では、災害活動拠点である消防庁舎の整備を計画的に進めております。
 現在、三鷹消防署など五消防署、四出張所の改築が進行中であり、来年度は、新たに国分寺消防署など二消防署、一出張所の改築に着手する予定であります。
 また、土砂災害などの自然災害にも対応可能な車両や装備を有するハイパーレスキューを第九消防方面本部に整備したほか、救急車の増強や多摩地域の特性に応じた四輪駆動の消防車両を配置しており、来年度は山間地域にも対応可能な小型の救急車を新たに導入する予定であります。
 今後とも、多摩地域の消防行政需要に応じた計画的な消防力の充実に努めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 医療圏を越えた傷病者の受け入れについてお答えをいたします。
 都は、災害時において、災害拠点病院を中心に全ての医療機関がその機能に応じて傷病者を受け入れることとしており、二次保健医療圏ごとに地域災害医療連携会議を設置し、圏域内の体制づくりを進めております。
 一方、傷病者の発生状況や医療機関の被災状況等によっては、他の医療圏からの傷病者を受け入れることも想定されます。そのため、医療圏を越えた傷病者の受け入れ調整も含め、地域の実情を踏まえた具体的な連携方法についても、連携会議の中で検討する事項として、今年度策定した災害時医療救護活動ガイドラインに盛り込んだところでございます。
 今後、連携会議において具体的な検討を進めますとともに、さまざまな場面を想定した訓練を行い、検証を重ねながら、災害時の医療体制の強化を図ってまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 多摩・島しょ地域の観光情報の発信についてでございますが、多摩・島しょ地域の観光の魅力を、旅行者の関心度合いに応じてきめ細かく発信していく取り組みは重要でございます。
 これまで都は、ウエブサイトの作成や自治体の情報発信の支援により、多摩や島しょの観光案内に取り組んでまいりました。
 来年度は、まず多摩・島しょ地域をすぐれた旅行地として理解していただき、観光に出向くきっかけをつくるPR映像やブロガーによる発信に取り組んでまいります。
 次に、これら地域のことを知り、旅行先の候補として考えている方に対しては、さまざまな雑誌の広告掲載により、来訪を後押ししてまいります。
 さらに、例えばスマートフォンを用いたスタンプラリー等も行い、旅行の時期や場所等の具体的な計画づくりに結びつけてまいります。
 これらにより、旅行者の関心に応じた多摩・島しょの観光の情報を適切に発信し、旅行者の来訪につなげてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 今後の多摩振興についてでございます。
 多摩地域は、地勢、土地利用、産業構造など、地域ごとにさまざまな特性を有し、また、人口動向でも、今後しばらく増加が見込まれる地域がある一方で、西多摩のように既に減少に転じている地域もあるなど、一様ではございません。
 このような状況の中、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、効果的な振興策を講じていくためには、多様な地域の実情を十分に踏まえることが必要です。
 このため、一定の地域ごとに調査分析を行い、それぞれの特性や課題を的確に把握するとともに、市町村の意向も踏まえながら、地域に見合った施策の方向性を示してまいります。
 今後、一層きめ細かで実効ある振興策の実現に向け、鋭意取り組んでまいります。

○議長(川井しげお君) 五十三番あさの克彦君
   〔五十三番あさの克彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○五十三番(あさの克彦君) 私は、組織や個人の能力を引き出すのは、士気、モチベーションだと思っております。今の時代のように、役所が完璧を求められ、できて当たり前、失敗には責任が伴うのでは、できることだけをこなし、チャレンジすることを敬遠するのではないでしょうか。
 故田中角栄元総理は大蔵大臣時代、できることはやる、できないことはやらない、しかし、全ての責任はわしがとると述べたといわれます。無謀だと思える目標を設定した方が知恵も出るし、達成感が違うと述べた県知事もいます。それぞれに士気を上げ、組織の能力を引き出そうとする姿勢が見えます。信賞必罰もいいのですが、失敗イコール罰せられるでは萎縮を生んでしまうのではないでしょうか。
 首都東京のトップとしての知事の都政運営に対する姿勢を伺います。
 知事は折に触れ、情報公開を徹底する旨の発言をされており、昨年十一月の記者会見でも、附属機関などについて、徹底して会議日程は出しなさい、開催日時は事前告示を徹底しなさいと指示を出したと述べています。昨年の第二回定例会で私が申し上げたことと一緒であり、今後、さらなる徹底を求めておきます。
 都政情報の公開は積極的に、明確な根拠により非公開とするときでも、必要最小限にとどめるという意識で各局が取り組んでいくことを期待しておりますが、各局ごとに抱えている事情も違うでしょう。
 そこで、東京都が持つさまざまな情報をできるだけ取得しやすくするために、知事にははっきりと都政情報を原則公開とする旨を述べていただきたいと思います。知事の見解を伺います。
 また、その会見の際にはプライバシーや企業秘密など、情報保護の要請と両立すれば、会議はできる限り開かれたものにすべきと述べています。私もそう思います。そして、議事録もできる限り公開されるべきと考えます。
 昨年末から、既に選定が確定している指定管理者について、その選定委員会の議事録を閲覧しようと試みました。指定管理者を選定した局のうち、議事録を見ることができたのは一部の局であり、概要を示してあるので出せないという局もありました。見られた議事録からは、概要にはないさまざまな意見や要望、何より公平に真剣に選定を行う様子が読み取れます。
 企業秘密の部分や委員の個名などを隠せば議事録も公開できるはずです。一部に保護すべき情報があれば全ての記録が非公開というのは、都民が求め、知事が指示する、できる限り開かれたものでしょうか。積極的に公開する姿勢とは、そのようなものではないはずです。まして、公開請求があれば公開するというのは消極的な姿勢にほかなりません。
 選定委員や応募業者から、あらかじめ了承を取りつける必要もあるでしょうから、今回の選定委員会議事録については仕方ないにせよ、今後の選定に関しては議事録を公開すべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、情報公開は保存とセットです。指定管理者契約のように、長期にわたるものは選定に関する資料を少なくとも次の選定まで公文書として保存すべきです。都の見解を伺います。
 東京を海外に向けてPRする方法はあまたありますが、世界各国で上映される映画のロケを受け入れることもその一つだと思います。しかし、ハリウッドでは、東京は撮影が許可されづらい都市といわれているとも聞きます。非常に残念です。
 そこで、知事は都市外交も積極的に行われておりますので、例えばハリウッドにおいて、制作会社や監督に対して協力する姿勢を示してみてはいかがでしょうか。
 過去、我が党の門脇議員の質問に答える形で、この本会議場で警視総監に東京マラソンの参加定員増加を陳情した知事もいたのです。知事の姿勢次第で、さまざまな機関の協力を取りつけ、誰もが知る映画の舞台が東京になることも夢ではありません。
 撮影受け入れには東京ロケーションボックスも尽力しておりますが、その調整能力には限界があります。知事みずから、ぜひ大規模な映画撮影に協力する姿勢を示していただきたいと考えます。知事の見解を伺います。
 映画だけでなく、アニメでも東京をPRできます。そして、世界からアニメ作品を集める祭典、東京アニメアワードフェスティバル二〇一六が間もなく開催されます。ことしで三回目となる祭典は、アカデミー賞ノミネート作品も出展されるほどのものになったと伺いました。
 しかし、残念ながら、ことしの祭典では、実行委員会内部において昨年から問題が発生しているようです。この内部のいざこざについて、この場でどうこう申し上げるつもりはありませんが、多数の応募作品が、さきに述べたいざこざの影響で審査対象からこぼれそうだと伺いました。応募者側には何の過失もないのにです。
 応募された世界中のクリエーターは、いわば善意の第三者であり、運営のいざこざが原因で、審査どころか参加すらさせてもらえないのでは、積み上げてきた信用は一瞬で失墜します。共催に名を連ね、開催費用の半分以上を出資する東京都のイメージも悪化してしまいます。
 さきのハリウッドでのうわさも、過去、東京で撮影を行った著名な映画監督が、十分な協力体制が得られずに、二度と東京では撮りたくないといったのがもととなっているともいわれます。日常的に会える相手ではないからこそ、一期一会の精神で心を尽くすべきだと考えます。
 文化振興に力を入れるならなおのこと、この東京アニメアワードフェスティバル二〇一六に寄せられた多数の作品に敬意を払い、主催者とともに真摯な対応をしなければならないと考えます。都の見解を伺います。
 都の無料Wi-Fiスポットは、現在、最速規格であり、メールアドレスの登録だけで接続できる便利なものであることは評価いたします。しかし、世界一の都市を目指す東京にしては、設置目標が少ないと思います。
 例えば、ニューヨークでは、今後十二年間で市内に七千五百カ所の超高速スポットを整備する計画が始まりました。約二億ドルともいわれる整備費や維持費もスポットに表示される広告収入で賄うなど、事業としても優秀であります。ビジネスや都市生活を考えても、市内を網羅するように配備される高速Wi-Fiスポットは、次世代の生活を念頭に置いた取り組みであると思います。
 開発中の眼鏡型や時計型の端末、イヤホン、音声案内など、常時インターネットに接続できることで受けられるサービスは、今後ますます拡大していくでしょう。通信は道路のようなインフラとして無料が当たり前で、より上質な通信サービスは有料で受ける、そんな時代が来ることを確信していると思うのです。
 それに比べ、東京の取り組みは現状の世界への対応にとどまっている印象が拭えません。
 都が整備する高速Wi-Fiスポットの設置目標を少なくとも数千台にするなど、未来の東京に求められるサービスを念頭に置きながら、外国人旅行者の利便性を上げていく取り組みが必要であると考えます。見解を伺います。
 都が発注して行う舗装切断を伴う道路工事は、道路補修など、年間数百キロメートル以上になります。そして、そのアスファルト切断作業時に発生する排水には、アスファルトが原油由来であることから、油分を含むことは明らかです。平成二十四年の国の通知により、この排水は回収して産業廃棄物として処理し、マニフェストの写しを提出することになっております。
 また、このときの産廃分類上の取り扱いは、昭和五十一年の環境庁通達である、油分を含むでい状物の取扱いについてに従うことになります。
 一方、平成二十四年の沖縄県による舗装切断排水の分析では、特定有害物質である鉛やヒ素も基準値を超えて検出されています。
 都は、この排水の成分、内容物を把握した上で、処理が適正かどうかの指導監督を行うべきと考えます。所見を伺います。
 また、埼玉県では設計単価の参考にするため、油分を含む汚泥と明記して見積もりをとっております。発注者として舗装切断時排水の処理について、油分を含むことを前提として積算すべきと考えます。道路補修における都の取り組みについて伺います。
 知事は施政方針の中で、昨今問題となっている空き家も都市のストックとして有効に活用できればと述べられました。空き家が問題となっていることを認識されているのであれば、その有効活用はもちろん、まずは空き家があふれないようにすべきと考えます。
 我が党の代表質問でも申し上げたとおり、都内住宅ストックが世帯数を上回っている現状にもかかわらず、都営住宅の応募倍率は高いままです。この現状を踏まえると、住宅困窮者への対応について、都はハードの整備だけに固執せず、民間を活用するソフトの充実も同時に進めていくことが必要であると考えます。
 空き家となっている住居を住居として活用するためにも、借り上げ公営住宅などの現行制度の活用、新たな家賃助成制度の創設などに取り組むべきではないでしょうか。
 まずは、将来に向けて、前述したような施策の具体的な検討を始めるべきと考えます。見解を伺いまして私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) あさの克彦議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、都政運営でございますけれども、東京都は二〇二〇年大会の成功に向けた準備、それから福祉先進都市の実現、安全・安心の確保など、さまざまな課題を抱えております。これに対応していくためには、全職員がチャレンジ精神を発揮することが不可欠であることは論をまたないと思っています。
 そこで、私は事あるごとに、職員にそういう意味で頑張れということをいっておりまして、年初の職員への挨拶でも、昨年は、新しいことに挑戦すれば失敗もあると、都合の悪いことを見て見ぬふりをする方が罪は重いというような述べ方をしております。特に若い職員に対して果敢な挑戦を求めております。
 この二年間、職員とさまざまに議論を交わしてまいりましたけれども、引き続き風通しのいい組織の構築に努めて、職員のチャレンジ精神を引き出してまいりたいと思っております。
 情報公開についてご質問ございました。都政に関して都民に説明する責任を全うして、公正で透明な都政を推進するためには、情報公開が必要だと考えております。
 都は、情報公開条例に基づいて、長期ビジョンなどの基本的計画や主要事業の進行状況などについて公表を義務づけるとともに、既に多くの情報をホームページなどで提供しております。ホームページも少し見やすくするように、できるだけ情報提供するように指示をして、今、日々改善をしているところでございます。
 都政を前に進めるためには、都政にかかわる情報を広く公開して、これを都民と共有する必要があると思っておりますので、今後とも、積極的に情報公開を進めてまいりたいと思っております。
 映画の撮影による観光振興について、大変いいアイデアをいただきました。そういえば東京を舞台にした世界的な映画というのは余りないなというようなことなので、ぜひこれは、あさの議員のお知恵も拝借して、いい方向に向かいたいと思っておりますけれども、例えば下町の風情あるまち並み、雷門の前に立って右側を見ますとスカイツリーがありますね。こういう伝統と現代、これがミックスしている。
 それから、多摩とか島しょ部、これもすばらしい自然がございます。これを映画の中で広く発信してもらうというのは非常に必要だというふうに思っていますので、努力をしたいと思います。
 それから、ご指摘ありました東京ロケーションボックス、彼らが一生懸命コーディネーターとしてやってくれるわけなので、撮影に適した場所とか、こういう手続でできるよというようなことで、東京ロケーションボックスに対しても、さまざまな円滑なサポートを行っておりますけれども、非常にいいアイデアをいただきましたので、今後とも、映画を通じて東京の魅力を世界に発信するというのは、真剣に考えてまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 住宅困窮者への住宅確保策についてでございますが、家賃補助につきましては、国や都の審議会におきまして、典型的な所得再分配政策であることなどから、国での検討が必要であるとされており、都独自の実施は考えておりません。
 また、都営住宅は市場動向に左右されない安定的な供給が必要なため、借り上げによらず、計画的に建てかえを進めております。
 民間住宅につきましては、区市町村が行う空き家の改修助成や、居住支援協議会の設立などへの支援を通じて、都民の居住の安定確保に活用してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、指定管理者選定委員会の議事録の公開についてでございます。
 選定委員会は、公の施設の管理運営を担う指定管理者の候補者を、公正かつ専門的な審査により選定することを目的に設置するものでございます。
 そのため、選定委員の過半数を外部委員とするとともに、審査項目ごとの配点や各応募事業者の得点状況、議事内容などについて公表しております。
 議事内容につきましては、事業運営ノウハウを初め保護すべき情報が含まれているため、全ての選定委員会において議事の要旨を公表しており、都民からの請求があれば、応募事業者の経営上の秘密に配慮しつつ、公文書開示制度に基づき、議事録を開示することを全庁の方針としております。
 今後とも、企業秘密の保護等に配慮しつつ、情報公開の徹底に努めてまいります。
 次に、指定管理者の選定に関する文書の保存についてでございます。
 都における文書の保存期間は、文書管理規則に基づき、法令等の定め、重要度、利用度、資料価値等を考慮し、全庁的な基準を定めており、この基準に基づき各局が具体的な保存期間を定めております。
 指定管理者の選定に関する文書についても、指定の期間や施設ごとの特性などを踏まえ、各局が個別に保存期間を設定しております。
 指定管理者の選定につきましては、このたび、特に主要な政策と連動する施設等の指定期間の長期化を図ったことから、選定に関する文書が次期選定まで適切に保存されるよう、各局と協議してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、東京アニメアワードフェスティバルについてでございますが、都はアニメを通じ東京の魅力を発信し観光振興に役立てるため、東京アニメアワードフェスティバルを実行委員会等とともに開催しております。
 ことし三月の同フェスティバルの実施に向けまして、現在、都は実行委員会等と協力して広報等の準備を進めております。
 フェスティバルの開催により、できる限り数多くのすぐれた作品を審査し表彰すること等により、これからのアニメの制作を担う人材の意欲を高める機会の確保に結びつけてまいります。
 次に、無料Wi-Fiの整備についてでございますが、外国人旅行者が都内で観光情報を速やかに入手する環境の整備は必要でございます。
 このため、都は、外国人旅行者が多く訪れる地域を対象として重点的に無料Wi-Fiを整備する方針を既に定め、それに基づき取り組みも進めております。
 今後とも、海外からの観光客の受け入れの体制を充実してまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 舗装の切断作業時に発生する排水の処理についてでございますが、都では、平成二十四年の国土交通省及び環境省の通知に従いまして、廃棄物処理法に基づき、適正な処理を図るよう関係局に周知いたしております。
 当該排水は産業廃棄物に該当するため、排出事業者である工事の受注者に適正な処理を行う責任があり、みずからその性状に応じた適正な処理を行わなければなりません。
 今後とも、関係法令に基づき、舗装切断作業時に発生する廃棄物を含む産業廃棄物の適正処理に向けて、適正な指導監督を実施してまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 舗装切断時に生じる排水処理の積算についてでございますが、建設局では、平成二十四年の国土交通省の通知に基づき、切断時に生じる排水は、吸引により回収し、産業廃棄物として処理することを特記仕様書に明記するとともに、処理費用につきましては、油分を含むことを前提に必要な額を計上しております。
 なお、工事完了時には、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストによりまして、運搬、処理が適正に行われていることを確認しております。

○副議長(小磯善彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時二十分開議

○議長(川井しげお君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六番栗山よしじ君
   〔六番栗山よしじ君登壇〕

○六番(栗山よしじ君) 初めに、財政運営についてお伺いいたします。
 日本経済は、安倍政権のもと、景気は緩やかな回復基調が続いています。一方で、最近では、中国経済の減速や原油安を背景に、年明け以降、株安、円高の流れも見られるなど、今後の先行きには注視が必要です。
 都財政は、法人二税が税収の多くを占めており、過去、リーマンショックなどにより、一年で一兆円減収となるなど、世界経済の動向に大きく左右されます。しかしながら、都には国からの交付税がありません。さらには、今後、地方法人課税の不合理な偏在是正措置の拡大が見込まれています。
 こうした中においても、都は、二〇二〇年、そしてその先の東京を見据え、長期ビジョンを着実に実行し、東京の将来を切り開いていかなければなりません。そのためには、中長期的な観点から、安定的な財政運営をしていくことが不可欠です。
 本来なら、一つの手段として、歳入歳出の両面から中長期的な財政見通しを立てるべきです。しかし、変動の激しい将来の都税収入を正確に見込むのは大変難しいと聞いております。だからこそ都財政においては、中長期的なビジョンを持って、みずから備え、財政運営を行っていくことが極めて大事です。
 今後も、安定かつ積極的な施策展開を行うためには、いかなる状況変化にも対応できるよう、自立した財政運営を行うことが重要だと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、がん検診についてお伺いいたします。
 がん検診の受診率は、男性に比べて女性の方が低い傾向にあり、仕事をしている女性に比べ、専業主婦等の仕事をしていない女性の受診率が低くなっています。
 そこで、専業主婦等への受診勧奨を行うためには、子供が通っている学校及びPTAを活用する方法があるのではないかと考えます。
 昨年十一月の文教委員会の事務事業質疑で、教育庁から、福祉保健局から具体的な依頼があれば、PTAとの連携も含め、都教育委員会として適切に対応していく旨の答弁がありました。ぜひとも都立高校のPTAや保護者に対して、がん検診の重要性を認知していただけるような講習会やリーフレットを配布するなど、教育委員会との協力体制を整えていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。
 がんと診断された患者は、身体的なつらさに加え、医療者との関係や、経済的なこと、家族への思い、人生観の変化などさまざまな不安、悩み、困難を抱える可能性があります。
 こうした中で、専門家に相談するだけではなく、患者が同じ体験を有する方と交流し、互いに体験を語り、傾聴することにより、孤立感や不安が和らぎ、勇気づけられたり、感情を表出することで気持ちが整理できたり、心が和み癒される経験が生まれることがいわれております。
 そこで、がん患者やその家族が同じ体験を有する方と出会い、交流し、励まし合えるような場が重要であり、都は積極的に支援すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、病児保育事業についてお伺いいたします。
 子供が病気になったときは、保護者も子供も特に不安になります。ふだんは保育所を利用していても、病気のときには子供に寄り添って看病してあげたいと思うものです。安心して子育てができる環境を整備するためには、看護休暇を含めた職場環境の改善など、仕事と子育ての両立に向けた支援が不可欠です。
 しかし、子供が急病でも、どうしても仕事を休めないときというものがあります。こうしたときには病児保育が強い味方になります。必要な方が必要なときに病児保育を利用できるよう整備を進めるべきですが、その一方で、病児保育は採算性が厳しく、運営が難しい面もあるようです。
 先日、病児保育事業を運営する方に伺ったところ、季節や病気の流行によって利用者の数は変動し、また、子供の体調は変わりやすいので、当日のキャンセルも多く、運営が大変だとおっしゃっていました。運営が安定しなければ、保育のかなめである人材の確保も難しくなります。ハードだけでなくソフトの面からの支援も重要です。
 病児保育は、仕事と子育ての両立を支援する観点からも重要な保育サービスです。病児保育事業の充実に向けた都の取り組みをお伺いいたします。
 次に、観光振興について伺います。
 都では、昨年の秋に、東京の観光地としての魅力を発信するロゴ、&TOKYOを発表し、その普及や定着に努めています。東京ブランドは、海外の旅行者に対してPRが行き届くことが目的であるとは思いますが、まずは、都内でのロゴの意味を広く共有するような足元を固める取り組みも重要であると考えます。
 特に、さまざまな団体とコラボレーションしてロゴのPRを行う場合には、都も積極的に協力して、宣伝のための負担が軽くなるようなサポートを行うことが大切です。例えば、&TOKYOと商店街等の各種団体の名称を組み合わせたバッジは、地域社会でPRするのにとても効果的だと思いますが、その製作には多くの労力がかかるため、バッジを生産できる仕組みづくりなどは有効な取り組みであると考えます。各地域の商店街や各種団体が集まり、東京都と協力してロゴの活用を進めるのであれば、そうした取り組みが円滑に進むように都としてしっかりと下支えを行うべきです。
 こうした視点を踏まえつつ、来年度に、都が東京ブランドを国内に向けてどう発信する考えであるか、所見をお伺いします。
 次に、東京の地下鉄サービスの一体化について伺います。
 東京の地下鉄は、都営地下鉄と東京メトロ合わせて十三路線が網の目のように張りめぐらされており、一日当たり九百万人を超える方が利用するなど、都民生活や首都東京の経済活動を支える重要な交通機関であります。
 また、近年、国内外から東京を訪れる観光客も急増しており、東京の移動にふなれな方でも地下鉄を便利で快適に利用できるようサービス改善に不断に取り組む必要があり、そのためには、両地下鉄のサービス一体化をさらに進めていくことが重要であります。
 バリアフリー化の一層の推進や外国人でも利用しやすいサービスの提供など、改善の余地はあり、サービス一体化は道半ばと考えます。
 都民や東京を訪れる旅行者の利便性向上に向けて、東京の地下鉄サービスの一体化を一層進めていくべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、ボランティアについてお伺いします。
 二〇二〇年大会では、世界中から訪れる多くの観客や選手や大会関係者をおもてなしの心を持って迎える上で、九万人を超える数多くのボランティアが必要になると聞いています。
 ボランティアは、選手村や競技会場などの大会関係施設で、選手や大会関係者をサポートするだけでなく、鉄道駅や観光スポットなどにおいて、訪問客に対し、きめ細かな案内を行い、東京の魅力を広く世界へ発信することが期待されています。
 ボランティアが期待される役割を果たしていくためには、初めての訪問客にもわかりやすく道案内を行い、その地域ならではの情報を魅力的に伝えることが必要となります。そのためには、日ごろより地域のために活動している町会や商店街、消防団など地域の担い手との連携は不可欠であります。
 大会開催時に、地域で案内を行う都市ボランティアについては、町会を初めとする地域の担い手と連携することが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、小学校における英語の教科化に向けた対応についてお伺いいたします。
 グローバル化が急速に進展する国際社会において、我が国の将来を担う子供たちが、外国人の前でも堂々と発言し、世界を舞台に活躍していくためには、外国語、とりわけ英語の力を身につけることは大切です。小さいころから英語を聞き、なれ親しみ、学習することができる環境を整備することが必要となってきています。
 平成三十二年度には、小学校で次期学習指導要領が全面実施され、小学校の三、四年生では外国語活動として、五、六年生では教科化として英語を学習することとなる見通しです。子供が英語を教わるにおいて、しっかりと英語を教えられる力を教員が身につけることが重要です。
 私は、資格を持った教員が教えることが望ましいと考えますが、次期学習指導要領における詳細な指導内容や指導方法は、まだ、示されていない状況です。
 しかし、全面実施まであとわずか四年しかありません。小学校教員の英語の指導力を向上させるため、今から事前に取り組んでいくことが必要と考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、都立高校のグラウンド整備についてお伺いいたします。
 都立高校の多くは、土のグラウンドが整備されていますが、学校によっては、強い風が吹くと砂ぼこりが舞い、近隣の住宅まで飛んでしまったり、大雨が降るとぬかるんで、水はけが悪い場合には、数日間にわたり体育の授業や部活動に支障を来すケースもあるとお聞きしております。
 サッカーやラグビーなどグラウンドで行う部活動が盛んな学校で、大会を間近に控えた時期に満足にグラウンドを使えないような状況が生じれば、生徒たちが大会で十分に力を発揮できないような事態も起きかねません。
 砂ぼこりによる近隣への被害を防ぎ、体育の授業や部活動を円滑に行うためにも必要である都立高校のグラウンドには、人工芝を整備していくべきだと考えますが、見解をお伺いします。
 以上で私の一般質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 栗山よしじ議員の一般質問にお答えいたします。
 状況変化に対応できるような、自立した財政運営をどうするかというご質問でありましたけれども、ご承知のように、都の歳入の根幹となります都税収入、特に、この法人二税に大きく依存しておりますから、景気変動の影響を非常に受けやすくございますし、また、地方交付税の不交付団体でもあります。それだけに、ほかの自治体以上に自立した財政運営を行う必要があると思っています。
 また、ご指摘ありましたような地方法人課税の不合理な措置による影響も、これは懸念をしております。
 こうした中にありましても、二〇二〇年とその先の東京を豊かで活力に満ちあふれた都市にしていくためには、みずからを律して将来のリスクに備えるということで、積極的な施策の展開を支え得るような財政基盤を構築することが必要だと考えております。
 そこで、事業評価などの自己改革の取り組みを通じまして、施策の効率性、実効性、これの向上を徹底したいと思っています。
 また同時に、中長期的な視点に立って、単年度じゃなくて、年度間の財源調整機能を持つ基金とか都債、これを戦略的かつ計画的に活用していくことも考えております。
 こうした取り組みを通じまして、将来にわたって、財政対応力を強化しながら、今後とも、都政の役割を確実に果たしてまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、小学校教員の英語の指導力向上についてでございますが、小学校における英語の教科化に当たっては、実践的な英語を指導できる教員の育成が重要であります。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年度に、十地域を英語教育推進地域に指定するとともに、推進地域等に新たに四十人の教員を配置し、海外派遣研修等を行うことにより、英語教育推進リーダーとして育成してまいります。
 また、小学校教員の英検の資格取得等を目的とした英語指導力向上研修を拡充するとともに、英語の免許状取得に必要な費用の補助制度を新設し、免許状を取得した教員を各小学校のリーダーとして活用してまいります。
 都教育委員会は、こうした取り組みにより、区市町村教育委員会と連携し、英語の指導力向上を推進してまいります。
 次に、都立高校のグラウンド整備についてでございますが、都立高校のグラウンドは、さまざまな運動や競技での使用に対応可能で、維持管理が比較的容易であるため、一般的には土により整備しておりますが、砂ぼこりの飛散などの課題を抱える学校からは、人工芝でグラウンドを整備してほしいという要望もあるのも事実でございます。
 一方、人工芝のグラウンドは、土のグラウンドと比較して、整備や維持管理に多額の経費を要することから、現在は、大泉高校附属中学校及び東久留米総合高校において例外的に整備してございます。
 今後も、人工芝でのグラウンドの整備につきましては、その使用実態や教育活動の実績なども含め、各都立高校の個別事情を総合的に勘案し、検討してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、女性のがん検診の受診率向上への取り組みについてでありますが、都はこれまで、がん検診の重要性や具体的な受診方法等について、ホームページやイベントなどにより、都民へ広く周知してまいりました。
 また、がん検診の実施主体である区市町村に対しては、受診率向上の手引を作成し、取り組みを促すとともに、個別の受診勧奨等について包括補助で支援しております。
 区市町村の中には、教育委員会と連携して保護者への呼びかけに取り組んでいる自治体もあり、都としても、来年度、都教育委員会と連携して、都立学校の児童生徒の保護者に、がん検診の重要性を周知するリーフレットを配布する予定でございます。
 今後とも、さまざまな機会を通じて、都民に対し、がん検診の意義を正しく伝え、受診率の向上を図ってまいります。
 次に、がん患者や家族の交流への支援についてでありますが、がん診療連携拠点病院等が設置するがん相談支援センターでは、看護師やソーシャルワーカー等が、患者や家族の不安や悩みに対し、きめ細かく相談に応じております。
 また、がん経験者が、みずからの体験を生かした相談を行うピアサポートや、患者や家族の交流の場であるサロンを開催する病院もあり、都は、こうした情報を東京都がんポータルサイトで提供しております。
 さらに、都内でサロンを開催するなど、患者や家族を支援している患者団体等の情報についても、年度内にがんポータルサイトで公表することとしており、現在、掲載を希望する団体を募集しております。
 今後とも、がん患者や家族の不安や悩みに応える取り組みを支援してまいります。
 最後に、病児保育事業の充実についてでありますが、都はこれまで、区市町村における病児保育の取り組みを促進するため、保育所や医療機関等で実施する際の施設整備、病児保育施設の人材、ノウハウを活用した地域の保育所への情報提供、巡回支援等の取り組みを支援してまいりました。
 来年度からは、病児保育事業における人材の確保、定着を図るため、職責や職務内容などに応じた賃金体系の設定や、職員の資質向上に向けた計画の策定など、保育士や看護師のキャリアパスの仕組みを導入することなどを条件に、処遇改善に係る経費の一部を都独自に補助いたします。
 今後とも、区市町村が地域の実情に応じて、病児保育の充実に取り組めるよう積極的に支援してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 東京ブランドの国内での発信についてでございますが、東京の観光地としての魅力を海外に発信する上で、東京ブランドの国内での確実な定着を図ることは重要であり、そのために民間の力を活用することは効果的でございます。
 これまで都は、東京ブランドの国内での普及に向け、ポスターや大規模なイベントに加え、都営交通での宣伝や活用事例を発表会で紹介する取り組み等を進めてまいりました。
 来年度は、民間の企業や団体が都と協力し、東京ブランドのPRのプロジェクトを行う場合に必要な経費を支援する取り組みを開始いたします。また、東京ブランドのイベントや広報の充実を図り、民間や地域の力も活用いたします。
 こうした取り組みにより、区市町村とも情報を共有しながら、東京ブランドの国内での普及や定着を確実に進めてまいります。
   〔交通局長塩見清仁君登壇〕

○交通局長(塩見清仁君) 東京の地下鉄サービスの一体化についてでございますが、交通局では、東京の地下鉄の利便性を高めていくため、これまでも東京メトロと連携し、案内サインの統一化や駅ナンバリングの導入、無料Wi-Fi環境の整備、旅行者向けの割安なTokyo Subway Ticketの発売など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 東京二〇二〇大会やラグビーワールドカップの開催に向けて、連携をより一層強化し、乗りかえ駅へのエレベーター整備を進めるとともに、東京メトロと共同で開発いたしました路線図や観光スポットで検索可能な多言語対応の次世代券売機を、来年度から本格導入いたします。
 また、共通一日乗車券のICカード化を初め、さらなる利便向上策にも取り組み、今後とも、東京メトロと一体となって、誰もが利用しやすい東京の地下鉄を実現してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会のボランティアについてでございますが、都市ボランティアは、大会開催時に、空港や主要駅、観光地などで、国内外の観客に対し、多言語できめ細やかな交通案内や観光案内などを行うものでございます。
 一方、現在、都内各地域におきましては、観光名所の案内や防災、防犯など、さまざまな分野でボランティアや地域活動が展開されております。都市ボランティアの運営に当たっては、これらの活動との連携や役割分担が不可欠でございます。
 都では、都市ボランティアの効果的な募集や育成、運用のあり方などにつきまして、東京都ボランティア活動推進協議会において、町会や商店街などの代表者も交えまして検討を進めており、この秋に戦略を策定する予定でございます。
 今後、協議会での議論を踏まえ、地域と連携した都市ボランティアの運営体制を構築してまいります。

○議長(川井しげお君) 四十四番栗山欽行君
   〔四十四番栗山欽行君登壇〕

○四十四番(栗山欽行君) 初めに、調布飛行場の安全対策について伺います。
 昨年七月、調布飛行場を飛び立った航空機が調布市の住宅地に墜落し、住民を巻き込む重大事故が発生しました。この事故でお亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げますとともに、けがをされた方、自宅家屋に被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
 調布飛行場は、東京の島々と本土を結ぶ定期航空路線の拠点として、また、防災、医療、消防などの緊急活動や航空測量の地域拠点として、極めて重要な役割を担っているものと認識しています。
 今回の墜落事故を受け、改めて、今後の調布飛行場の管理運営について、知事の基本的な見解を伺います。
 調布飛行場は、市街地の中の飛行場であることから、都はこれまで、安全対策に万全を期してきたものと思いますが、今回、こういう痛ましい事故が発生してしまい、都が築き上げてきた調布飛行場の安全に対し、地元住民の間に不安が高まっており、残念でなりません。
 今後も、調布飛行場が、引き続き東京の島々と本土を結ぶ定期航空路の拠点として、また、防災、医療、消防などの緊急活動や航空測量の地域拠点としてその役割を担っていくためには、そうした住民の不安をできるだけ軽減することが何よりも重要であることから、飛行場の安全対策をさらに強化する必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 今回の墜落事故については、いまだ、その原因について調査中とのことですが、事故により肉親や自宅を失った方、自宅家屋に大きな被害を受けた方がいるのは事実でございます。
 しかしながら、事故原因が究明されていないため加害者が特定されず、損害賠償等、いまだ被害者救済が進んでいません。
 都は、今後、飛行場の安全対策の強化とともに、万一事故が発生してしまった際に、被害者が置き去りにされることがないよう、事故発生時の体制を確保する必要があると考えます。都の見解を伺います。
 飛行場の運営については、地元市の理解、協力が重要であり、今後、都は、地元市や地域住民に対し、これまで以上に丁寧かつ緊密に対応すべきと考えます。
 そこで、都が検討している調布飛行場の安全対策について、今後、どのように地元市と協議をしていくのか、お伺いをいたします。
 今回の事故により、小型機の運航、特に自家用機の運航について不安が高まっています。都は、調布飛行場の自家用機のあり方について早期に方針を明らかにするとともに、具体的な取り組みを着実に進めていただくよう要望いたします。
 次に、多摩メディカルキャンパスのがん医療について伺います。
 多摩地域においても、高齢化の進行に伴い、がん患者は今後大幅に増加することが見込まれています。
 一方、がんは、多くが早期発見で治療できる疾患であるため、がんの予防、早期発見、適切な治療などの総合的ながん対策が重要であり、こうしたがん対策を地域で着実に推進できる体制の整備が必要です。
 多摩地域は、区部と比べ、医療のさらなる充実が必要と感じていますが、多摩地域の医療拠点である多摩メディカルキャンパスを取り巻くがん医療供給体制の状況について伺います。
 がん患者は、増加の一途をたどっており、若くしてがんを発見された場合、その進行は速いため、早期発見、早期治療の必要性が高く、がん検診、診断から治療に至るまで継続した医療を提供することが重要です。
 そこで、がん検診により、がんが発見されてから治療まで切れ目なく診療を実施していくため、多摩メディカルキャンパスにおいて、どのように体制を構築していくのか、見解を伺います。
 次に、東京都における死因究明体制について伺います。
 検案や解剖を行い、人の死因及び死に至る経緯を明らかにすることは、人が受ける最後の医療といわれています。死因の究明は、死者の尊厳を守ると同様に、一人の死を万人の生につなげ、社会全体への知見を還元していく意義があると私は認識しています。
 近年、都内死亡者数は、人口の高齢化に伴い増加傾向にあり、今後も、死因究明の重要性はますます高まっていくものと考えられます。
 一方、多摩・島しょ地域では、監察医制度が適用されておらず、検案や解剖については、大学や医師会に委託している現状があります。また、多摩地域においては、法医学を専門とする医師が少ないことに加え、検案医の高齢化や不在地域が発生するなど、その確保が困難になっていると聞いています。
 このような中、昨年の十月には、国が定めた死因究明等推進計画に基づき設置した東京都死因究明推進協議会において、都におけるこれまでの取り組みや死因究明の現状を踏まえ、検案医の専門性の確保や検案医の確保困難地域の解消などに関して、協議会として報告書を取りまとめたと伺っております。
 私が、昨年十一月の厚生委員会で、人材の育成を含めた多摩・島しょ地域の死因究明体制の充実について尋ねたところ、専門性の高い検案医の育成に向け、大学と協力した研修等の実施について検討を行っているとの答弁を得ましたが、その後の検討状況について伺います。
 次に、危険ドラッグについて伺います。
 危険ドラッグは、都と警視庁との連携した取り組みの強化により、都内では、街頭販売はゼロになりましたが、しかし、インターネット販売やデリバリー販売など、販売ルートは、潜在化、巧妙化しています。
 都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、誰もが安全・安心を実感できる都市を目指していますが、東京から危険ドラッグを撲滅しなければ、真に安心安全な都市とはいえません。
 都では、昨年、警視庁及び都内九割の不動産事業者が加盟する不動産業界二団体と協定を締結するとともに、安全安心まちづくり条例を改定し、都内の建物で危険ドラッグ等の販売や使用を禁止するなどの規定を設けました。
 今後は、警視庁や東京都庁内各局との連携に加え、区市町村や不動産事業者を初め、さまざまな関係者の協力が得られるよう、都として積極的に働きかけていく必要があります。
 そこで、危険ドラッグの撲滅に向け、事業者とも連携を強化すべきと思いますが、都の見解を伺います。
 先般、有名な元プロ野球選手が覚醒剤の使用で逮捕され、大きなニュースになりました。危険ドラッグの使用は、覚醒剤などの違法薬物乱用のきっかけにもなることから、インターネットなどで手に入る環境をなくしていく必要があると考えます。
 そこで、今後どのように危険ドラッグ対策を進めていくのか伺います。
 次に、気候変動に係る都の取り組みについて伺います。
 近年、国内各地で台風や豪雨、猛暑などの異常気象が頻発しており、地球温暖化の影響は、以前にも増して高まっていると感じます。危機回避に向け、温室効果ガスを早期に削減し、低炭素社会を実現していく必要があります。
 都は先般、温室効果ガスの排出量を、二〇三〇年までに二〇〇〇年比三〇%削減するという意欲的な目標を示し、あわせて、再生可能エネルギーの電力利用割合についても、二〇三〇年までに三〇%程度とする新たな目標を掲げました。
 エネルギー大量消費をする大都市の責務として、気候変動問題に対処し、低炭素社会の実現に向けた強い意思を示したことは大変意義あることです。一方で、都自身も、一事業者として多くのエネルギーを消費しており、都施設全体で温室効果ガスの削減を進めていく必要があります。
 都はこれまでも、率先的な行動計画を定め、取り組みを進めてきましたが、現在、新たな都庁行動計画の策定に向け検討していると仄聞しています。
 これまでの取り組みを踏まえつつ、今回、東京都が目指すべき意欲的な目標を掲げたことも鑑み、都みずからが、気候変動対策を先導していく計画を早期に策定し、さまざまな観点から目標を示していく必要があると考えます。見解を伺います。
 また、さきの先進的な取り組みは、都民や事業者の具体的な取り組みを引き出すことにもつながります。都庁行動計画では、都民、事業者をリードし、積極的な行動につなげる取り組みを実施していくことが求められています。都の見解を伺います。
 最後に、ラグビーワールドカップ大会について伺います。
 昨年、オーストラリア、ニュージーランドで、過去ラグビーワールドカップの会場となったスタジアムを視察してきました。観客動線の分散や、停電時にも試合が継続できるバックアップ電源の設置など、ラグビー先進国から学んでまいりました。
 二〇一九年大会では、東京スタジアムが会場となり、周辺住民も、地元でラグビーの世界最高峰の大会が開催されることで大いに歓迎しています。
 しかし、現状のスタジアムとその周辺施設を鑑みると、開催時における混雑などの影響も考えられ、二〇一九年大会に向け、改修などの早期取り組みが必要になるのではないかと考えます。
 一方で、東京スタジアムは、JリーグのFC東京、東京ヴェルディの本拠地となっています。両チームとも、地域に根差したチームであり、大規模な改修となる場合、Jリーグへの影響も懸念されます。
 都は今後、二〇一九年大会に向けて、スタジアムの改修や周辺の土地の活用や交通アクセスなど、どのように検討を進めていくのか伺います。
 東京スタジアムは、ラグビーワールドカップ二〇一九の会場となっているだけではなく、二〇二〇年のオリンピックの七人制ラグビーの会場となります。
 多摩地域において、世界的なラグビーの国際試合が二年連続で開催されることから、東京スタジアム及び多摩地域への世界の注目は、今後一層高まるものと思います。ラグビーを通じて多摩地域が盛り上がることが、二〇一九年大会の成功へとつながっていくとも思います。
 さらに、知事は、ラグビーワールドカップの開催自治体の会長となっていることから、都が率先して開催各都市と連携し、盛り上がりを全国に波及させていくことも必要と思います。
 そこで、開催各都市、住民との連携、知事はどのように進めていくのかお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 栗山欽行議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、調布飛行場であります。調布飛行場は、離島航空路や防災などのために、非常に重要な拠点でありますけれども、市街地の中にございますために、その運営に当たっては、地元住民の協力、理解、これが必要だと思っております。
 これまでも、安全の確保等、都は、地域の生活環境の保全を目的とした地元市との協定などに基づきまして管理運営を行ってきてございます。
 今回の墜落事故を重く受けとめまして、再びこのような事故が起こることのないように、安全対策の強化徹底を図りますとともに、引き続き、協定書等を遵守して、管理運営の一層の適正化に取り組んでまいります。
 ラグビーワールドカップ、これは多摩地域から盛り上げろということでございますけれども、東京スタジアムのある多摩地域と一体となって、二〇一九年に向けて、大会の成功に向かっての開催機運を高めていきたいと思っております。
 特に六月には、日本代表とスコットランド代表の戦いがありますので、ぜひ、地元関係自治体や各開催都市と連携しまして、機運醸成のためのイベントを実施するなどして、本番さながらで取り組みまして、いわば、二〇一九年大会のリハーサル的なことをやりたいと思っています。
 今後、東京スタジアムの周辺では、武蔵野の森総合スポーツ施設が新たに整備されますし、あそこは多摩の一大スポーツ拠点になるというふうに思っています。また、このスタジアムは、二〇二〇年のオリンピックのときには、七人制ラグビーの会場ともなりますし、ご承知のように、ラグビートップリーグチームの本拠地はその隣にあるわけです。
 こういうラグビーをめぐる地域の特性を生かして、地元の自治体と連携して、多摩地域から、ラグビーの魅力を広く都民に伝えていきたいと思います。
 先般、申し上げましたけれども、少しまちのにぎわいが足りないので、試合の前後に、ちょっと一杯飲めるところとか、食べられるところが必要だというふうに思っております。
 そういう点からも、私は、ご指摘いただきましたように、開催十二自治体協議会の会長でありますので、機運醸成を各自治体と連携しながら盛り上げていきたいというふうに思っております。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、調布飛行場の安全対策の強化についてでありますが、都は、今回の事故を重く受けとめ、再びこのような事故が起こることのないよう、法律や航空の専門家の意見を聞きつつ、安全対策をより一層徹底してまいります。
 具体的には、国土交通省が、小型航空機に対し、新たな取り組む安全対策について、調布飛行場では、それよりも厳しい独自のルールを設ける予定でありまして、国などが、操縦士や整備士に対し、任意に参加を求める安全講習会に、調布飛行場の操縦士や整備士には必ず義務的に受講するようにいたします。
 また、機長の責務となっております出発前確認が、全ての航空機において確実に行われるよう、チェックシートの導入など、新たなルールを設けていきたいと考えております。
 次に、事故発生時の体制整備についてでありますが、今回の事故を教訓に、事故原因の究明を待たずとも、事故機関係者による被害者への対応が迅速かつ的確に行われるよう、新たに航空機所有者への責任体制強化に取り組んでまいります。
 具体的には、航空機所有者に対し、緊急時の対応責任者とその代理者をあらかじめ登録させること。さらに、登録された対応責任者が、万が一の際に、責任を持って必要な対応を確実にとれるよう、都との定期的な連絡会を開催し、責任体制を随時確認すること。加えて、国は新たに、航空機保険の加入を奨励することとしておりますけれども、都は、調布飛行場を利用する全ての航空機に対し、保険加入を義務づけるとともに、定期的に加入状況を確認すること。このような新たな取り組みを考えているところでございます。
 最後に、地元市との協議についてでありますが、都は、今回の事故直後から、調布飛行場において、航空機の使用が適正に行われていたかの検証や安全対策の強化、管理運営の一層の適正化について検討を行っており、昨年十二月から地元三市との協議も開始をいたしました。
 今後、こうした点につきまして、事務レベルでの協議を積み重ねた上で、地元住民の方々からもご意見を伺い、地元三市と東京都により、調布基地跡地関連事業の円滑な推進を図るために設置された、いわゆる四者協の場で最終的な取りまとめを行いたいと考えております。
   〔病院経営本部長真田正義君登壇〕

○病院経営本部長(真田正義君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩メディカルキャンパスを取り巻くがん医療の状況についてでありますが、がんの治療には、早期発見のための検診から身近な医療機関で速やかに治療を受けられることに加え、がんの専門病院につながる医療連携体制があることが望ましいと考えられます。
 都内では、がん診療連携拠点病院の約六割が高度な診療機能を生かした検診事業を実施し、検診から治療まで一体的にがん医療を提供し、早期発見、早期治療を推進しております。
 一方、多摩キャンパスにおいては、東京都保健医療公社が運営する東京都がん検診センターとがん診療連携拠点病院である都立の多摩総合医療センターが連携により対応しておりますが、検診部門と診断治療部門が別組織となっております。
 次に、多摩メディカルキャンパスにおけるがん診療体制の構築についてでありますが、がんの早期発見、早期治療を推進するためには、検診によりがんが発見された後、速やかに精密検査を受診し確定診断を受け、その後、切れ目なく適切な治療へ移行することが重要であります。
 そのため、多摩総合医療センターが有する高度ながん診療体制と東京都がん検診センターが有する高度な検診技術や精度管理に基づく診断能力をこれまで以上に有機的に結びつけ、それぞれが車の両輪として機能を最大限発揮できるよう体制を構築してまいります。
 今後は、こうした体制の実現に向け、がんが発見されてから治療に至るまで一体的にがん医療を提供するための連携や機能分担、組織のあり方などについて検討してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、多摩・島しょ地域の検案医の育成についてでありますが、都は、東京都医師会や学識経験者等から成る東京都死因究明推進協議会の報告書を踏まえ、来年度から、多摩・島しょ地域における検案の精度向上を図るため、大学の法医学教室と協力し、現在、検案を行っている医師に対して、症例検討等を取り入れた検案業務サポート研修を実施いたします。
 また、新たな検案医を確保するため、医学生や大学院生等を対象に、法医学教室や監察医務院に所属する医師による法医学への興味、関心を高めるためのセミナーを実施するほか、東京都医師会を通じて、地域の医師に検案業務を理解していただけるよう、周知活動を行うこととしております。
 今後とも、多摩・島しょ地域における体制の充実に向け、専門性の高い検案医の育成に取り組んでまいります。
 次に、危険ドラッグ対策についてでありますが、都はこれまで、インターネット上のビッグデータを解析して、販売サイト情報やデリバリー販売の実態を把握し、販売拠点に対する取り締まりを行ってまいりました。
 こうした取り組みにより、一見して危険ドラッグ販売サイトとわかるものは減少いたしましたが、匿名掲示板等を利用した販売が巧妙化していることから、来年度は、伏せ字や隠語を使った書き込み等の情報も解析の対象に加えてまいります。
 さらに、海外から危険ドラッグが流入している現状を踏まえ、国内流通前に、より迅速に知事指定薬物として規制するため、国内で入手困難な薬物を独自に化学合成して生体影響試験を行う新たな取り組みを開始いたします。
 今後とも、国や警視庁等と情報を共有し、連携しながら、危険ドラッグの取り締まりを一層強化してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 危険ドラッグ撲滅に向けた事業者との連携についてですが、都では、昨年改正した安全安心まちづくり条例や協定に基づき、不動産業界団体への情報提供や宅建業者への講習会を通じた協力依頼等を行うとともに、青少年が危険ドラッグの販売等の違法有害サイトへ容易にアクセスできないよう、事業者の協力を得て、保護者等に携帯電話等へのフィルタリング導入の啓発を行いました。
 さらに、来年度からは、区市町村等と連携し、都内の全ての中学校一年生とその保護者などへ薬物乱用防止に関する啓発資料の配布などを開始いたします。
 今後も、警視庁や関係局を初め、民間事業者等とも連携し、危険ドラッグの撲滅に向けた環境づくりを進めてまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都庁率先行動の成果と新たな計画の策定についてでございますが、都はこれまで、温室効果ガス削減都庁行動計画に基づき、電力消費量の見直しや施設改修に伴う設備の高効率化などに取り組み、都の事務事業活動に伴う温室効果ガスの削減を推進してまいりました。
 この結果、計画に掲げた、温室効果ガスを二〇一四年度までに二〇〇〇年度比二〇%削減するという目標をおおむね達成することができたところでございます。
 引き続き、都の気候変動対策を牽引するため、新たにスマートエネルギー都庁行動計画を本年三月末に策定し、これまでの温室効果ガス削減目標に加え、エネルギー消費量の削減や再生可能エネルギーの導入目標も定め、さらなる都庁のスマートエネルギー化を進めてまいります。
 次に、新たな都庁行動計画における取り組みについてでございますが、今回策定するスマートエネルギー都庁行動計画では、照明照度の適正化など、設備の運用対策の徹底のほか、都施設の改築等に適用する省エネ・再エネ東京仕様によるLED化の推進、高効率な省エネ機器の導入などを進め、施設のさらなる省エネ化を図ってまいります。
 また、再生可能エネルギーについては、昨年度末までに、都立学校、浄水場、下水処理施設などに約一万二千キロワットの太陽光発電を導入してきており、引き続き長期ビジョンで掲げている二〇二〇年までに二万二千キロワットに拡大する目標の実現を目指してまいります。
 今後も、知事部局、学校、公営企業など、オール都庁で都民、事業者の範となる取り組みを率先して進め、東京の気候変動対策を先導してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) ラグビーワールドカップ二〇一九年に向けた環境整備についてでございますが、会場となる東京スタジアムとその周辺につきましては、世界的なビッグイベントを迎えるにふさわしい環境となるよう、総合的に検討していく必要がございます。
 スタジアムにつきましては、臨場感や競技環境、ホスピタリティーなど、施設面での課題の調査を開始いたしました。また、会場周辺につきましては、隣接して新たに整備する武蔵野の森総合スポーツ施設も含め、ファンゾーンや観客の動線の確保など、課題を整理してまいります。
 今後、ワールドラグビーによる施設調査やラグビーの国際試合など、さまざまな機会を通じまして、さらに課題を分析するとともに、地元市やJリーグ、交通事業者等とも連携協力し、検討を進めてまいります。

○議長(川井しげお君) 九十九番古賀俊昭君
   〔九十九番古賀俊昭君登壇〕

○九十九番(古賀俊昭君) 初めに、いわゆる日本国憲法と平和安全法制について知事に質問いたします。
 昨年九月十九日、参議院本会議で賛成百四十八票、反対九十票で可決成立した平和安全法制は、中共の強引な南シナ海進出や、北朝鮮の国際的合意違反の核、ミサイル開発等の、我が国周辺の安全保障環境の緊迫化に対応するため、一昨年七月の閣議決定を受けて、昨年、通常国会に提出されたものであります。
 衆参両院での審議時間はともに百時間を超えており、強行採決の批判は当たりません。
 今回の法制は、極めて抑制的に集団的自衛権の行使を認めたものであり、他国防衛を目的とする集団的自衛権一般を認めたものではありません。
 あくまでも我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が、根底から覆される明白な危険がある場合に限定されています。
 この平和安全法制に対して、欧米や、アジア等の国々から、支持の声が多く寄せられていますが、共産党や民主党などの一部野党は、戦争法、立憲主義の破壊、違憲立法などと、今なお国民の不安をあおっていますが、知事の見解はいかがでしょうか。
 また、平和安全法制は、徴兵制に道などとの一部野党の国民を欺く批判に対し、政府は、憲法第十八条で許されていないとかわしましたが、私は個人的に違和感があります。
 同条は、何人もいかなる奴隷的拘束も受けない、また、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられないが根拠となると、宣誓を行い、国防の最前線に立つ自衛官の名誉感情を著しく損なうのではないかと考えますが、知事の所見をお聞かせ願えればと存じます。
 さて、ことしの夏の国政選挙では、去る十九日に五野党党首が、安保法制の廃止や国政選挙で最大限の協力を合意しており、憲法改正とともに、平和安全法制は大きな争点になると思われます。
 日本共産党は、平和安全法制を、憲法を踏みにじった違憲立法といい募って、護憲政党であるかのごとく装っていますが、そもそも、日本国憲法制定時に、終始一貫徹底的に反対しました。
 そして、その反対の理由の一つに、第九条を一個の空文にすぎないとして挙げています。もちろん採決では日本共産党の全議員六名が反対しました。
 正確を期すために、衆議院会議録を追ってみます。
 有名な吉田首相と野坂参三共産党代表の対決、これは昭和二十一年、衆議院の委員会、六月二十八日の会議録です。
 野坂参三議員は、戦争には、二つの種類の戦争がある、一つは正しくない不正の戦争である、他国征服、侵略の戦争である、侵略された国が自国を守るための戦争は、我々は正しい戦争といって差し支えないと思う、憲法草案に戦争一般放棄という形でなしに、我々はこれを侵略戦争の放棄、こうするのがもっと的確ではないかと。
 つまり、戦争にはいい戦争と悪い戦争がある。いい戦争は認めろというのが、この共産党代表の吉田首相との議論の論点であります。
 さらに、野坂参三議員は、採決に当たって、日本共産党を代表して反対討論を行いました。もちろん、日本国憲法制定に反対をする討論です。私は日本共産党を代表しまして、反対の意見を述べたい。
 いろいろ理由はたくさん挙げていますが、きょうは安保法制のことでありますので、その部分だけ紹介をしておきます。
 参議院は要らないとか、天皇制のこととか、いろいろ挙げて反対をしているんですけれども、そこはきょうは読みません。
 当草案は戦争一般の放棄を規定しております。これに対して共産党は、他国との戦争の放棄のみを規定することを要求しました。一個の空文にすぎないという言葉がこの中に出てきます。
 つまり空の文章だということですね、憲法九条。
 さらに、要するに当憲法第二章、これが第九条です。第二章は、我が国の自衛権を放棄して、放棄して、民族の独立を危うくする危険がある、それゆえに我が党は、民族独立のために、この憲法に反対しなければならない、我が民族の独立を保障しない憲法である、ゆえに我々はこの草案が当議会を通過することに反対しなければならない、しかし、我々の数は少数であります、この草案がここに可決されることは明らかであります、それゆえ我々は当憲法が可決された後においても、将来、当憲法の修正について努力する権利を留保して、私の反対演説を終わる次第であります。
 つまり日本共産党は、自主憲法制定を党是とする、疑う余地のない改憲政党であるということです。自衛戦争を認めない、この現日本国憲法は、憲法とは認められないとの立場が、共産党の原点であるわけです。
 舛添知事は、自民党国会議員当時、自民党の日本国憲法改正草案の作成立案にもかかわり、憲法制定当時の事情にも通じておられると思いますが、日本共産党が独自に、昭和二十一年六月に公表した日本人民共和国憲法草案を持ちながら、しかも、憲法第九条を明確に否定して──憲法第九条を明確に否定したにもかかわらず、現在、九条を守ろうを最大の武器にして、党勢拡大に利用している、この落差と変節に、変節ぶりについて、知事はいかにお考えか、ご所見をお聞かせください。
 十八歳選挙権について伺います。
 本年六月十九日、選挙年齢を十八歳以上に引き下げる改正公職選挙法が施行され……
   〔発言する者あり〕

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。

○九十九番(古賀俊昭君) この夏、参議院議員選挙から、新たに二百四十万人が有権者となります。国や自治体のあり方を最終的に決定する権利を持つことになりますが、同時に、新たな国民としての義務と責任が生じるものと考えますが、知事の見解はいかがでしょうか。
 十八歳投票が国際的流れでありますけれども、その背景には、例えばアメリカでは、かつてのベトナム戦争当時、十八歳から徴兵されるのだから選挙権が与えられるのは当然ではないかとの議論が起きて採用されました。つまり、権利と義務は表裏一体であり、義務があって選挙権があるのです。世界の多くの国の憲法でも、最大の義務として自国を守る義務を定めています。これが普遍的世界標準であります。オーストリアやスイスは中立国として知られていますが、選挙権は、それぞれ十六歳、十八歳で、徴兵制、国民皆兵で、国民に祖国防衛の義務を課しています。自国を愛し、自国を支える責任の自覚を促し、考えさせることこそが、今、急がれる主権者教育の核心でなければならないと考えますが、教育長の見解を問うものです。
 次に、皇居のお堀の汚濁対策としての下水道事業について伺います。
 東京が首都たるゆえんは皇居であり、そのお庭に当たるお堀の汚濁は、大雨が降った際に、下水道の雨水はけ口から雨天時下水、つまり汚水まじりの雨水がお堀に流入することによるもので、深刻な都政の課題となってきました。
 江戸城のたたずまいを残す内堀や、美しい水と緑の日本的景観が魅力の外堀は、四年後の五輪開催のみならず、多くの外国人にも堪能してほしい日本の原風景の一つです。そのためには、下水道事業を急がなければなりません。
 平成二十六年の第二回定例会でお堀の水質について質問した際に、内堀では、平成二十七年度中に隅田川への切りかえ工事が完了し、外堀でも、はけ口への対策である大規模貯水施設の早期着工を目指すとの答弁がありました。
 そこで、お堀の水質改善について、その後の下水道事業の進捗状況を伺います。
 次いで、花粉症発生源対策について伺います。
 都は去る二月十五日、花粉の飛散が始まったと発表し、都民三・五人に一人が患っている我ら花粉症患者は、ことしも憂鬱な春を迎えました。
 日本の森は、戦中戦後の無秩序な伐採により荒廃したために、後に森林の再生を図る緑化運動を国を挙げて進めて植林を行ったものの、その後のTPPの先行実施といえる昭和三十九年までの木材の完全自由化によって需要は外材に奪われてしまいました。
 かつての九〇%木材自給率は、平成二十六年には二九%に低落し、豊かな水を育むなどの環境保全や土砂災害防止の森林機能が失われたと同時に、放置された森林が花粉の発生源なのです。
 花粉を削減させる取り組みは、ひっきょう、流通網を含む林業再生を一歩一歩進めていくことが重要です。
 私が代表を務めさせていただく東京都議会花粉症対策推進議員連盟も後押しする、東京都が平成十八年度から開始した杉林の伐採と花粉の少ない杉苗木を植える事業も、ことしでちょうど十年の節目を迎えますが、花粉症発生源対策の今後の対応を伺います。
 多摩地域の森林は、木材としての利用可能な五十年以上の木が五割を超す一方、若い木はほとんどありません。杉は、植えてから三十年を超すと花粉を多く飛ばし、二酸化炭素の吸収が低下することから、東京の森林の再生には、伐採、利用、植栽、保育の好循環をつくり、若木に更新する必要があります。そのためには、切った木である多摩産材の利用拡大を図らなければなりません。
 私の地元の日野市でも、平成二十三年度から、集会施設や体験施設を多摩産材で建築し、多くの市民から木のよさについて好評を得ています。こうした公共施設で多摩産材を使うことは、単に木の使用量をふやすということだけではなく、多摩産材の利用拡大を図る効果も大きいと思います。
 多くの都民が利用する公共施設での多摩産材の利用拡大に向けた今後の取り組みについて伺います。
 最後に、道路、橋梁の整備について伺います。
 多摩地域の利便性を高め、防災性を向上させるためには、道路網の整備が欠かせません。
 とりわけ橋梁は、河川などで分断された地域をつなぎ、人や物の流れを支え、災害時には避難路となる極めて重要な施設です。
 多摩川にかかり日野市と立川市を結ぶ日野橋の整備について、これまでも都議会の場で毎年取り上げ、平成二十七年度は、かけかえに向けての調査や設計などを進めていくとの答弁がありました。
 日野橋は長年地域に親しまれてきたことから、私の地元でも、早期かけかえに市民の関心が高まっています。
 そこで、今年度、平成二十七年度の取り組み状況と今後の予定をお伺いして、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔離席する者あり〕
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 静かにしてください。静粛にしてください。
 会議を続行します。
   〔知事舛添要一君登壇〕
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 自席にお戻りください。自席にお戻りください。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 自席にお戻りください。静粛に。静粛にしてください。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) あなた方だって、既に国会のことどんどんやっているじゃないか。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 答弁お願いします。

○知事(舛添要一君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えします。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。

○知事(舛添要一君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えいたします。
 憲法について、さまざまな議論がございましたけれども……
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 静粛にしてください。答弁が聞こえません。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) とにかく席に着いてください、席に。いいから席に着いてください。
   〔発言する者多し〕

○議長(川井しげお君) 席に着いてください。静粛にしてください。
 議事を進めます。

○知事(舛添要一君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えをいたします。
 憲法について、さまざまなご質問ございました。
 まず、平和安全法制の評価とそれへの批判についてでございますが、集団的自衛権に関しましては、個々人が自然権として自衛の権利を持っていますように、国家もまた自然権として個別的及び集団的自衛権を持っております。国連憲章には、この両方の権利が明記をされております。
 私は、平和とは、ただ望めば手に入るような簡単なものではないと思っております。
 安全保障は国の根幹にかかわる問題でありまして、国民の代表者である国会議員の皆さんが、国会の場でしっかりと議論すべきものでございます。北朝鮮の核実験やミサイル発射など、許すことのできない暴挙も相次いでおります。日本を取り巻く国際情勢、安全保障情勢も十分に踏まえて、現実に立脚した議論がなされることを期待しております。
 続きまして、徴兵制と憲法第十八条についてでありますけれども、政府は、徴兵制が本人の意思に反して強制されるものであること、その強制というこの要素を捉えまして憲法第十八条に抵触すると、そういう見解を示したものだと理解しております。
 そもそも、自衛隊は徴兵制ではありません。志願制のプロフェッショナルな組織であります。自衛隊の方々は、みずからの意思で日本を守るという強い使命感、責任感のもと、日々の職務を遂行しておりまして、災害発生時を含め、極めて重要な任務を担っていると考えております。
 続きまして、憲法に対する態度についてでございますけれども、個々の政党に対する評価は差し控えさせていただきます。私自身は、国際情勢や社会情勢に合わせて憲法を改正していくことは、世界的に見ても当然のことだと考えております。
 国政選挙におきましても、国民的な議論が幅広く展開され、それを受けまして、国権の最高機関である国会の場で憲法改正が取り扱われるべきものだと考えております。国民的な議論が憲法改正について幅広く展開されることを期待しておる次第でございます。
 続きまして、選挙権年齢の引き下げによる新たな有権者についてでありますけれども、今回の法改正は、現行憲法において初めてでありまして、七十年ぶりとなる選挙権年齢の引き下げであります。新たに選挙権を得る十八歳以上の方々は、日本の将来の決定権を最も長く委ねられることになります。
 若者たちは、選挙権の重みを十分に踏まえて、政治や社会のあり方などに関心を持ってみずから学ぶとともに、東京と日本の将来のために積極的に社会にかかわってほしいと思っております。そして、将来を担う若い世代が、責任と自覚のもとに、選挙を通じて社会に参画していくことは、大いに意義のあることだと考えております。
 一方、有権者として正しくその権利を行使するためには、公職選挙法上のルールなどを理解することが重要であります。教育現場での主権者教育等も充実させていく必要があります。
 東京都としましては、今後とも、都選挙管理委員会や都教育委員会など関係機関が連携しながら、的確な対応を行っていく決意でございます。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 主権者教育についてでございますが、学校では、全ての生徒に、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する心を育てるとともに、権利と義務、自由と責任の関係を正しく認識させ、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を育成することが重要であります。
 そのため、都立高校では、公民科や総合的な学習の時間などで、民主政治の推進や選挙の意義等について指導するとともに、都教育委員会が作成した主権者教育の充実に向けた資料等を活用して、生徒に良識ある公民として必要な能力と態度を育成してまいりました。
 今後は、都立高校生が自国を愛する心や公共の精神を持ち、社会の問題をみずからの課題として捉え、公正公平な立場から判断して行動できるよう主権者教育を一層推進し、国家社会を支える人材を育成してまいります。
   〔下水道局長石原清次君登壇〕

○下水道局長(石原清次君) お堀の水質改善についてでございますが、内堀では、最大径八メートル、延長約四・五キロメートルの貯留機能も持つ第二溜池幹線に、内堀へ放流されている汚水まじりの雨水を集める下水道管の接続が、ことし三月に完了予定でございます。
 これにより長年にわたる対策工事が完了し、放流先が内堀から流れのある隅田川に切りかわることで、四月から内堀への下水の流入が完全になくなります。
 外堀では、内径三メートル、延長約二キロメートルの大規模な貯留管を外堀通りの地下に築造し、降雨初期の特に汚れた下水を貯留し晴天時に処理いたします。効果の早期発現のため、外堀への流入量の約六割を占める最大のはけ口から先行して取水することとし、既にトンネル工事に必要な立て坑工事に着手しております。
 引き続き、JR中央線側でも同様に貯留管の整備を進め、外堀の水質改善に貢献してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二件のご質問にお答えをいたします。
 まず、スギ花粉発生源対策についてでございますが、花粉発生源対策として、杉林の伐採更新に取り組むことは、健全な森づくりを進める観点からも重要でございます。
 都ではこれまで、少花粉杉の生産に関する研究や、その苗木を活用した杉林の植えかえ、伐採等に不可欠な林道等の基盤整備に積極的に取り組むとともに、都民や企業が植栽、保育に参画する運動を展開してまいりました。
 さらに、こうした取り組みに加え、民間による伐採更新を促進するため、低コスト林業技術の普及や伐採現場から市場への木材搬出の支援を行うとともに、林業の担い手を確保するとうきょう林業サポート隊の拡充を図ってまいります。
 これらの対策を総合的に講じることにより、長期的な視点に立って、杉林の伐採更新を計画的に進め、花粉の削減と健全な森づくりを着実に進めてまいります。
 次に、公共施設での多摩産材利用拡大についてでございますが、公共施設での多摩産材の利用は、多くの都民が目にするほか、実際に木に触れることができるなど、認知度向上に向けて高い効果が期待できます。
 都ではこれまで、学校や都営住宅の内装等に多摩産材を積極的に活用するとともに、集会施設など、多摩産材を使用した公共施設を整備する区市町村への助成を行ってまいりました。また、幼稚園や保育園の内装木質化や遊具導入等に対する支援を実施しております。
 来年度は、こうした取り組みをさらに拡充するとともに、新たに都の文化施設等のロビーや窓口カウンターなど、不特定多数の都民が訪れる場所で積極的に多摩産材を導入するなど、公共施設における一層の利用拡大に取り組んでまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 日野橋のかけかえについてでございますが、日野橋は多摩川を渡る甲州街道の要衝であり、多摩地域において防災上重要な役割を担う都市施設でございます。
 この橋は、大正十五年に初めてかけられ、ことしで九十年の節目を迎えますが、老朽化が進み、歩道も狭いことから、かけかえにより耐震性の向上を図るとともに、歩道を拡幅し、安全で快適な歩行空間を確保いたします。
 今年度は、測量調査や橋梁形式の概略検討などを実施し、河川管理者との協議を開始いたしました。
 平成二十八年度は、河川内の動植物について現地調査を始めるとともに、豪雨時の河川の安全確保に配慮した橋脚の配置など、橋梁構造の比較検討を進めてまいります。
 今後とも、関係機関との協議や調査、設計業務などを計画的に進め、事業化に向けて全力で取り組んでまいります。

○議長(川井しげお君) 七十五番野上ゆきえさん
   〔七十五番野上ゆきえ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○七十五番(野上ゆきえ君) 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 平成二十八年度予算案では、堅調な都税収入を背景に、これまでにも増して、ハード、ソフト両面にわたり積極的な施策展開が示されています。
 知事が目指す世界一の東京の実現のためには将来に向けた投資を行っていくことは重要であると考えますが、一方で、都財政を取り巻く社会経済情勢を勘案すると、現在の積極的な施策展開を支えている堅調な都税収入が今後も持続的に確保できるとは限りません。先行きの不透明さを考慮すれば、オリンピックの名のもとに単なるばらまきを行い、後年度に過大な財政負担のみを残すことは厳に慎むべきことです。
 二〇二〇年と、その先の成長につながる取り組みに思い切った投資を行うべきであり、これにより消費を喚起し、地域経済全体の底上げを図り、長期的に自立ができるビジネスモデルやイノベーションを生み出すことができれば、将来、都税収入という形で、その投資は回収できると考えますが、今回、どのような考えに基づいて予算案を編成したのか、知事の見解を伺います。
 知事は過日、新聞のインタビューに答え、尖閣諸島について戦略的な活用を早く決めてもらいたいと国に早期の決断を求められました。今後、十四億円の都尖閣基金の活用に向け、国に対し、どのような働きかけを行っていくのか。
 また、知事は常々、都市外交が国の外交を補完すると述べておられますが、知事の進める都市外交は尖閣基金の活用を後押しするものであるのか、知事の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年東京大会における持続可能な大会運営について伺います。
 二〇一二年のロンドン大会では、スクラップ・アンド・ビルドではない持続可能性を目指す大会として運営され、史上最も環境に優しい大会として高い評価を得ました。その大会を支えたのが持続可能なイベント運営、マネジメントシステム規格であるISO二〇一二一です。さらには、来年二〇一七年にISO二〇四〇〇国際規格が発行される予定であり、法、倫理、人権などの社会的責任の観点も含め、大会運営には、将来にわたって持続可能である調達活動が求められています。ロンドン大会から八年を経て開催される二〇二〇年東京大会では、今日的な課題や国際的な水準を踏まえ、ロンドン大会よりもさらに進んだ大会としていくことが求められておりますが、持続可能な大会運営について、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 東京大会において懸念することの一つに、食材の調達と提供があります。ロンドン大会では、フードビジョンを制定し、食材の調達について、環境保全の観点からのみならず、フェアトレードなどの社会貢献や多様な文化圏への対応などの取り組みが行われております。さらには、食が心身の健康や運動能力の向上に与える影響を学び、食を選択する力の教育も広く行われております。
 そこで、東京大会における食材提供の基準、東京大会のフードビジョンの策定に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。
 二〇二〇年大会では、食について理解を深める絶好の機会であり、都民一人一人が望ましい食習慣や食に関する自己管理能力を身につけるだけではなく、食文化を理解するなど、食について意識を高めていくことも大切です。大会に向けて、次代を担う子供たちに対して行われている食育に生かしていくべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 大会開催時には、国際基準に合った食材の提供を進めていかなくてはならないと考えておりますが、現状では、国内基準と国際基準に差があるなど、課題は山積しております。
 組織委員会は、選手村の食堂を、和食を世界にアピールする場と位置づけており、国産の食材を使用したい考えを示しています。一方で、認証を受けた国産の食材だけでは十分な量を確保できず、多くの食材を外国産に頼らざるを得ないのではないかとの懸念も出ております。
 ロンドン大会では、英国規格であるレッドトラクター取得の農産物を基本基準とし、さらに意欲的基準として、オーガニックやグローバルギャップなど、有機認証食材であることを条件としていたとのことですが、日本では、認証された有機農産物は全体の一%にも満たない状況です。
 そこで、都は二〇二〇年大会へ向け、安全・安心な都内産農産物の供給に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。
 また、安全・安心な食品の提供には、農産物の供給のほかに、食品の製造、加工段階での取り組みも必要です。食材が国を超えて流通するEUでは、食品の製造や加工段階での安全の確保をするため、衛生管理の手法であるHACCPをベースとしたさまざまな国際認証があります。
 こうした国際認証は、海外では食品の取引条件となっておりますが、中小事業者が多くを占める日本では、その取得への取り組みが大変おくれております。東京大会での食材調達の条件にHACCPを前提とした国際認証が求められた場合、国産の食品供給が困難になるのは明らかです。
 東京の特産物でのおもてなしや、東京から日本食、食文化を発信するためにも、今後、大会に向けて、都内での食品の衛生管理の向上を図り、事業者に対する監視指導や事業者による自主管理の推進について、都は区や市と一体となって効果的に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、感染症対策について伺います。
 政府は昨年末、訪日外国人観光客を二〇二〇年までに年間三千万人と目標を引き上げました。大会期間中の延べ来場者数は一千万人強と予想されます。
 そこで問題となるのが感染症です。訪日外国人によって、日本人が免疫を持たず、これまで日本国内で疾患例がない感染症が蔓延する可能性もあり、さらには、外国では既に撲滅された感染症を日本から輸出する危険もあります。
 本年リオ大会を控えたブラジルでは、ジカウイルス感染症が流行し、妊婦の感染と胎児の小頭症との関係について、大きな社会問題となっております。
 妊婦が感染すると、胎児に重篤な影響を引き起こす病気には、トキソプラズマ症や風疹など、いわゆるTORCH症候群がありますが、これらの国内で余り知られていない、しかしながら社会的に大きな課題となる病気についての啓発を積極的に進めなくてはなりません。TORCHの中でも、とりわけ風疹は、平成二十四年から二十五年にかけて成人を中心に大流行し、いまだに十分な免疫を持たない人が多くおり、今後、再び大流行するおそれがあります。
 東京大会に向けて、感染症対策を進めることが重要であり、中でもワクチンで予防できる病気として、風疹に関する啓発や予防対策をより積極的に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 さらに、大会開催に向け、都医学総合研究所もまた、後世に社会的、経済的、文化的に甚大な影響を与える感染症の克服に向け、研究や、その実用化に一層力を発揮すべきと考えます。都からは毎年三十億円を超える補助金が支出されております。
 研究所では、受託研究費など外部資金の獲得に努めてはいるものの、事業収益は都補助金の一割未満となっております。また、研究成果を特許化しておりますが、特許料収入は、平成二十六年度実績で約一千四百万円弱です。
 日本の研究機関の多くの特許は、主に日本出願特許であり、グローバルな事業展開を見据えた知財戦略が不十分なため、実用化につながらないとの課題がありますが、都医学総合研究所も、その課題を克服し、特許につなげ、新しい治療薬の開発に努めるなど、よりわかりやすい形で都民に貢献していくことが求められております。
 そこで、都医学総合研究所では、研究成果の実用化に向け、取り組みをより進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、水素社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
 地球温暖化の危機を背景に、昨年COP21が開催され、国際的な新たな枠組みであるパリ協定が締結されました。
 都はこれまで、我が国の地球温暖化対策をリードしてまいりましたが、今後より一層のCO2削減に向けて、水素社会の実現を目指すべきであると考えます。
 今後、二〇二〇年の東京大会を見据え、都内では多くの都市開発が見込まれており、CO2フリー水素が普及し、まちづくりの中で、エネルギーマネジメントやデマンドレスポンスと組み合わせて活用すれば、都市の快適性を損なうことなく、より一層CO2排出量を低減させることも期待できます。
 今後CO2フリー水素の普及に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
 水素エネルギーについては、局事業においても積極的に取り入れていく必要があります。
 水道局では、都内の約一%の電力を消費する事業者として、コージェネレーションシステムの導入など、エネルギーの効率化に加え、再生可能エネルギーの導入に努めております。
 先日発表された東京水道イノベーションプロジェクトによれば、水素の製造と活用について、新たに取り組むとしております。
 今後、水素の活用についてどのように進めていくのか伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 野上ゆきえ議員の一般質問にお答えします。
 まず、平成二十八年度予算についてでありますけれども、東京と日本の成長を支え、誰もが夢や希望を持つことのできる社会を実現していく、それが都政をあずかる私の使命であると思っております。
 この使命を果たすとともに、二〇二〇年大会の成功、さらに、その先の東京の成長と、そういう意味での将来に対する投資を今こそ果敢に実行していくべきだと、そういう考えに立って予算編成に当たりました。
 こうした考え方のもとに、例えば非正規雇用対策を初め、誰もが活躍できる環境を整えるための取り組みに積極的に予算を配分した次第であります。
 同時に、やはりシンガポールにいろんな面で負けている。つまり、国際的なビジネス環境の整備、それから、観光の一大産業化のほか、中小企業の成長産業分野への参入支援、これから、日本から、東京から再生をリードしていく、そして新たな富を生み出す、こういう施策をこれまで以上に強く強化したところであります。
 この予算を原動力にして、東京の未来を創造すべく、全力を尽くしてまいります。
 それから、尖閣諸島基金の問題ですけれども、この基金の活用についてですが、尖閣諸島をめぐる外交上の対応については、これはもう国の専管事項であると考えております。
 都はこれまで、基金の活用の方途については、国が決定するように要求をしてきております。
 一方、都市には都市だからこそできる外交がございまして、それを私は、補強外交、補完外交と呼んでるわけですけれども、都市同士が共通する問題の解決や、文化、スポーツなど、さまざまな分野での交流を通じて相互理解を深めることは、都民生活の向上に資するものでありますし、それは結果として、国家間の良好な関係にもつながります。来週には、パリの市長が東京にいらっしゃいます。
 今後とも、都市外交基本戦略に基づきまして、東京都としての都市外交を展開してまいります。
 続きまして、持続可能な大会運営についてご質問がございました。
 ご指摘のようにロンドン大会の持続可能性計画では、人種や文化などの多様性を尊重する社会的一体性とか、それから健康的な暮らしなどのテーマも位置づけられました。環境の分野だけでなくて、社会、経済を含む幅広い観点から、持続可能性の確保に取り組んだ大会であったと私も思っております。
 そこで、我々の東京大会につきましては、現在、組織委員会が持続可能性に配慮した運営計画、この策定を進めております。そこでは気候変動とか資源管理など、環境の側面だけではなくて、人権、労働、公正な事業慣行への配慮など、社会、経済の側面も視野に入れてございます。
 一方、我々東京にとりまして、二〇二〇年大会は、持続可能な環境都市モデルを提案して、成熟都市として、さらに発展するための絶好のチャンスであると思っております。
 昨年末に公表しました二〇二〇年に向けた東京都の取組では、水素社会の実現などの環境対策を初め、多様性を尊重する共生社会づくり、それから東京の経済の活性化など、大会後のレガシーを見据えた政策を掲げてございます。
 引き続き、組織委員会と連携しながら、二〇二〇年の東京大会を持続可能性に配慮した大会として成功に導き、豊かな都市環境を実現していきたいと考えております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 食育とオリンピック・パラリンピック大会についてでございますが、都教育委員会は、これまで児童生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけ、健全な食生活を送ることができるよう、食育の取り組みを推進してまいりました。オリンピック・パラリンピックは、世界の文化や環境などを学ぶ教材の宝庫であり、多様な食文化等もその中の一つとなり得るものであると考えております。
 今後、都教育委員会は、オリンピック・パラリンピック教育を進めていく中で、世界の食文化の理解や食を選択する力の育成などにも取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会における食材提供についてでございますが、大会期間中、選手村などにおきましては、安全・安心で高品質かつ十分な量の飲食の提供が求められます。ロンドン大会では、大会の約二年半前に、提供する飲食の内容や使用する食材の安全性の基準などにつきまして定めたフードビジョンを策定いたしました。
 二〇二〇年大会の開催基本計画では、組織委員会がIOC、IPCの求める要件や日本国内の基準などに沿って飲食サービスを提供することとしております。
 今後、都も協力しながら、組織委員会におきまして、日本の現状などを踏まえ、飲食サービスの提供等に関する戦略を検討してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二〇二〇年大会への安全・安心な農産物の供給についてでございますが、都では、化学農薬と化学肥料の使用を控えた農産物を認証する独自の制度を創設し、食の安全・安心の確保などに向けた取り組みを推進しております。
 これまでに四百四十二名の農業者が生産する二千六百二十七品目の農産物を認証してまいりました。パンフレットや冊子により、こうした取り組みの普及を図ってまいりましたが、今後新たにSNSを活用するなど、都民への発信を強化してまいります。
 また、二〇二〇年大会を見据え、こうした安全で安心な都内産農産物が大会施設等で提供できるよう、農林水産振興財団に基金を設置し、国際認証等の取得に向けた事業を開始いたします。農業者を対象とした説明会を開催するほか、専門家による助言や取得費用と二〇二〇年までの維持経費を補助いたします。
 二〇二〇年大会での利活用を通じて、安全・安心な農産物の供給を一層拡大してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、食品の安全確保に向けた取り組みについてでありますが、東京を訪れる多くの外国の方々に食を安心して楽しんでいただくためには、衛生管理を徹底し、食品の安全を確保していくことが重要でございます。
 都は現在、食品関係施設に対する一斉監視を特別区等と合同で実施するとともに、その機会を活用し、国際的な衛生管理の手法であるHACCPを周知し、導入を働きかけております。
 また、事業者が段階的にHACCPに取り組めるよう、都独自の自主管理認証制度を設け、その認証取得に向けた講習会を特別区と協力して開催しております。
 今後とも、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催都市として、特別区等と連携しながら衛生管理の向上を図り、食品の安全を確保してまいります。
 次に、風疹対策についてでありますが、都は患者の大多数が働く世代であった平成二十四年からの流行を受け、妊娠を予定または希望する女性を対象に、予防接種を抗体検査と一体的に行う区市町村の取り組みを包括補助で支援しております。
 今年度からは、職域における感染症対策を推進するため、東京商工会議所や東京都医師会と連携し、感染症に関する従業員研修や患者発生時の業務継続計画の作成等に取り組む企業への支援を新たに開始いたしました。
 また、ホームページ等で、二十代の女性では、風疹の免疫が十分でない方が約四割であるなど、昨年度の抗体検査の結果をお知らせし、予防接種の必要性等を広く都民に呼びかけており、今後とも、国や関係機関と連携しながら、風疹対策に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、東京都医学総合研究所における研究成果の実用化に向けた取り組みについてでありますが、東京都医学総合研究所では、最先端の医学研究の成果を疾患の予防、診断、治療につなげるため、都立病院などの臨床現場や産業界、他の研究機関などと連携を図り、共同研究を実施するとともに、研究成果を知的財産として特許を取得し、実用化の取り組みを促進してまいりました。
 平成二十六年には、インフルエンザの感染を発症早期に診断できる高感度の検査機器を開発したほか、現在、統合失調症やC型肝硬変の新しい治療薬の実用化を目指し、臨床試験を進めております。
 今後とも、実用化につながる研究シーズを企画段階から発掘するなど、研究成果の都民還元に向けた取り組みを進めてまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) CO2フリー水素の普及についてでございますが、水素は利用の段階で水しか排出せず、化石燃料由来でない水素が普及すれば、低炭素社会の切り札となると期待をされております。
 国の水素・燃料電池戦略ロードマップでは、二〇四〇年ごろに、製造段階でも二酸化炭素を排出しないCO2フリー水素の本格的な活用を見込んでおります。
 都は、昨年公表いたしました水素社会の実現に向けた東京戦略会議の取りまとめにおいて、低炭素な水素の先導的な導入を方針として掲げ、太陽光等の再生可能エネルギーを活用した水素の製造に向けて取り組むこととしております。
 今後とも、さまざまな場面において水素の需要拡大に取り組みながら、民間事業者の技術開発や製造に関する意欲などを喚起し、CO2フリー水素の普及を図ってまいります。
   〔水道局長醍醐勇司君登壇〕

○水道局長(醍醐勇司君) 水道事業における水素の活用についてでありますが、水道局ではこれまで、太陽光発電や小水力発電などの再生可能エネルギーを積極的に導入してまいりましたが、さらに、消毒用塩素の製造過程で発生する副生水素について、その活用が期待できます。
 このため、安全にも配慮した副生水素の効率的な回収方法や、水力発電を初めとした複数の電源の組み合わせによる安定的な水素の製造方法、さらには、非常時を含めた活用のあり方などにつきまして、平成二十八年度から幅広い視点で調査研究を行っていきます。

○副議長(小磯善彦君) 三十番山内れい子さん
   〔三十番山内れい子君登壇〕

○三十番(山内れい子君) 都議会生活者ネットワークを代表して質問します。
 まず初めに、緑施策についてです。
 ドイツのベルリンでは、個人の土地に企業が建物を建てる際に、幹回り六十センチ以上の木を切る場合、一本につき十万円を支払い、その資金をもとに市が別の土地を緑化しています。
 都は、公園や街路樹など新たな緑の創出に努めていますが、マンション開発や道路建設により、自然や緑地が失われる例は枚挙にいとまがありません。地価の高い東京でも、新たな公共の緑を生み出す方策が必要です。
 多摩地域では、農地の宅地化が進む中、都市計画道路の第四次事業化計画案で緑地を分断する計画が盛り込まれるなど、緑の喪失の危機に瀕しています。多くの市民は、自然の豊かさに魅力を感じ、樹林地や農地、歴史街道沿いの緑、屋敷林、水辺と一体となった緑など、現在残っている緑の保全を強く望んでいます。
 都は、新たな緑の創出とともに、今ある緑の保全にも取り組み、東京をより一層、緑豊かな都市へと転換していくことが重要と考えますが、知事の見解を伺います。
 自分が見ている色は、誰もが同じように見えていると思いがちですが、実際には、さまざまな色覚を持つ人がいます。いわゆる色弱の人は色の見え方が異なり、大変苦労していると聞きます。印刷物や案内サインで文字や背景の色の組み合わせに配慮しないと文字が読めなくなることもあります。特に、LED型信号機や点滅信号は識別しにくく、命にかかわる重大事故も起きており、カラーユニバーサルデザインを普及させることが重要です。
 同時に、聴覚障害者も視覚によって情報を受け取るため、駅や空港等における運行状況の提供やハザードマップなど、必要な情報を目でわかるようにし、適切な行動がとれるようにすることが必要です。
 色弱者や障害者に配慮した情報面での取り組みを進めるなど、全ての人に対して情報面でのバリアを解消する情報バリアフリーのより一層の推進が必要と考えますが、見解を伺います。
 高齢者や障害者からは、移動手段の確保として、ユニバーサルデザインタクシーや福祉輸送サービスの充実が求められています。しかし、現在では、ユニバーサルデザインタクシーは、都内には五十三台しかなく、専用のタクシー乗り場もようやく羽田空港国際線と東京駅八重洲口の二カ所に設置されたのみです。ユニバーサルデザインのタクシーがふえることは、高齢者や障害者を含め、移動の利便性が高まることにつながります。都が新たに創設する補助制度は、ユニバーサルデザインに加えて環境性能も要件としています。
 そこで、ユニバーサルデザインタクシーの導入理由についてお伺いします。
 認知症の人が地域で暮らすためには、正しい知識やつき合い方への理解と協力が必要ですが、まだまだ十分に広がっているとはいえません。これまで各区市町村では、認知症の人を地域で温かく見守り応援する認知症サポーターの養成に取り組んでいます。
 都としても、サポーターの養成がより一層広がるような取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
 認知症への支援は、老老介護だけでなく、特に孤立しがちな、息子が介護者である二人暮らしの世帯への見守りなども必要になっています。介護される本人や家族の困り事など、気軽に相談でき、適切な支援を行う人材が必要です。
 今後、高齢化の進展とともに認知症の人の急増が見込まれる中で、各区市町村において、認知症の人とその家族からの相談に対して適切に支援できる人材を確保し、その育成を図っていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
 女性が活躍できる社会を実現するためには、働き続けることのできる環境整備を進めるとともに、結婚や出産等を理由に離職しても、希望すれば再び働くことができるよう支援していくことが重要です。
 都は、女性の再就職をサポートする専門の窓口として、二年前、しごとセンターに、女性しごと応援テラスを開設しています。このテラスを有効活用し、子育てしながら働きたい女性が気軽に利用できるよう、サービスの充実や子育てに関する保育情報などの提供をきめ細かく行っていくことが必要です。
 そこで、女性の再就職を支援するために、都としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
 先日、発表された東京都女性活躍白書によれば、男性は仕事、女性は家事、子育てを担当している家庭の割合は四二・八%で最も多い回答でした。次に多かったのは、男女とも仕事をし、家事、子育ては主に女性が担当している家庭で、この二つを合わせると約七割に上ります。一方、男女とも仕事をし、家事、子育ても男女で分担しているのは一五・五%にとどまり、家事や育児の負担を主に女性が担っている状況がいまだに続いています。
 都では、ワークライフバランスフェスタを開催し、育児や介護と仕事の両立の推進、長時間労働の削減など、すぐれた取り組みを行う中小企業をワークライフバランス認定企業として紹介しています。ことしで八回目を迎え、都民や企業関係者の関心も高く、認定企業も九十社になりました。認定企業は、いずれも経営者がワークライフバランスに対する理解と問題意識を持っていることが共通しています。
 中小企業においてワークライフバランスを進めていくためには、こうしたすぐれた企業の経営トップの姿勢を発信するなど、積極的な普及啓発に努めていくことが重要と考えますが、見解を伺います。
 先日、アメリカ大使館主催の講演会があり、同性婚が合法となったアメリカの連邦最高裁判所の判決が、世界の人権擁護に利益をもたらすという報告がされました。都庁でも、一月二十七日、LGBT当事者や支援者が、都政における課題の解決を目指して、行政各局と意見交換を行う市民と行政の協議会を開催したところ、二百人以上もの参加者が集まり、熱気ある議論が交わされました。
 当事者が訴えているのは、LGBTの約七割が死にたいという気持ちを抱き、そのピークは小学校高学年から中高生だといいます。学校でいじめや暴力を受け、不登校になった事例も約三割あるということでした。当事者の多くは、小学生のとき、既に性別違和感や性的指向を自覚し悩んでいます。子供のLGBTへの対応が非常に重要です。
 都は、さまざまな悩みを抱える子供からの相談に応じるため、電話相談を実施しています。LGBTを含む相談に必要な知識や情報を持ち、対応できるよう相談員のスキルアップが重要と考えますが、見解を伺います。
 学校は特に子供が長時間過ごすことから、こうした悩みを受けとめる場が必要です。自分の性別違和感や性的指向に関して悩みを抱えている児童生徒が相談しやすい環境を整えるべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 東京都人権施策推進指針が昨年、十五年ぶりに見直され、新たな人権課題として、性的マイノリティーも加わりました。都教育委員会が作成している人権教育プログラムも、これを受けて改定する必要があります。人権教育プログラムの中に、LGBTに関する内容を掲載すべきと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
 最後に、アスベスト対策についてお伺いいたします。
 アスベストは使用禁止となっていますが、過去に使用された多くの建物が更新時期を迎え、解体時の飛散防止とリスク管理の徹底が求められています。二〇一三年の大気汚染防止法の改正に伴い、都も環境確保条例を改正し、届け出義務者を施工者から発注者に変更しました。ビルのオーナーでもある発注者の中にはアスベストの知識に乏しい人が多く、対策の必要性を理解し、実施するよう促す啓発が不可欠です。
 一方、施工者には、事前調査と発注者への報告が義務づけられましたが、これには罰則がありません。費用がかかるアスベスト対策をきちんと行わせるために、アスベストの知見や除去作業の経験を有する施工者にも、発注者とともに連帯責任を課すべきだったと考えます。さらに、立ち入り権限も強化されましたが、調査する人員を増加しなければ、その実効性が懸念されます。
 法改正によって届け出違反を減らすことができているのか、都は、法改正の効果と課題についてどのように捉えているのかお伺いいたします。
 アスベストの有無の把握は、建設リサイクル法の解体工事届け出でも行われており、この提出先は、自治体の規模等により、区市の建築部局や都の都市整備局となっています。大気汚染防止法の届け出を受理する環境局では、この建設リサイクル法の届け出と照合することによって、解体のアスベスト除去工事現場がより多く把握できていると聞いています。
 アスベスト対策をさらに強化するためには、環境局は、都市整備局と、また、出先事務所や自治体との連携を緊密に行うことが有効と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 都市整備局が取りまとめている一千平米以上の建築物のアスベスト調査の回答率は、都道府県別ランキングを見ますと東京都が最下位です。発注者責任の強化にあわせてビル所有者のアスベストの危険性の自覚を高めるためにも、回答率を高めるなど、実態の把握をどのように行っていくのか、見解をお伺いいたします。
 東日本大震災では、倒壊した建物の瓦れき処理にかかわる人のアスベスト被害が問題となりました。東京でも、地震災害対策として、倒壊する可能性のある建物ごとにアスベストの存在を把握することが、被災建築物の解体工事の従事者や復興作業のボランティアなどの健康被害防止に役立つ情報となります。
 都市整備局が取りまとめている一千平米以上の建築物のアスベスト調査について、大気汚染防止法の規制の所管である環境局、関係局と、積極的な情報共有を図るべきと考えますが、見解をお伺いし、都議会生活者ネットワークの質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 緑の保全と創出についてご質問いただきました。
 緑は人々に潤いや安らぎを与えるだけでなく、やはりこの都市の風格を形づくる非常に重要な要素だと考えております。こうした都市における緑の重要性に鑑みまして、都はこれまでも、市街地の雑木林や丘陵地の里山を保全するとともに、海の森や都市公園の整備を進めるなど、緑の保全、そして創出に取り組んでまいりました。
 これに加えまして、最近は、国際的に意識が高まっております生物多様性の保全という視点からも、在来種の植栽を推進するなど、緑の質を高める施策にも取り組んでおります。
 今後とも、都内に残されました貴重な緑の保全に努めますとともに、再開発等に際しまして、いかに良好な緑をつくり出すか、そういうこの誘導策を考えておりまして、緑の量と質を確保する、そういう施策を総合的に展開して、快適で潤いのある都市東京を実現していきたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、性同一性障害等に関する相談環境についてでございますが、一人一人の児童生徒が、自分らしく生き生きと学校生活を送ることができるようにするためには、不安や悩みを受けとめる相談体制の充実が不可欠であります。
 これまで都教育委員会は、担任による定期的な面接や養護教諭等による個別相談、小学五年生、中学一年生、高校一年生を対象としたスクールカウンセラーによる全員面接など、学校全体で児童生徒が相談できるような環境づくりに向けた取り組みを行ってきております。
 また、都教育相談センターでは、電話や来所等により相談に応じる体制を整備し、心理の専門家等が不安や悩みの解決に向けた助言などを行っております。
 今後とも、こうした取り組みを推進し、学校が一人一人の心情等に配慮した対応ができるよう取り組んでまいります。
 次に、人権教育プログラムへの掲載についてでございますが、都教育委員会は、東京都人権施策推進指針等に基づき、人権教育の実践的な手引である人権教育プログラムを毎年作成し、都内公立学校の全教員に配布しております。
 平成二十八年三月発行予定の人権教育プログラムには、昨年八月に策定された東京都人権施策推進指針等を踏まえ、これまで掲載してきた関係法令に加え、性同一性障害等の児童生徒に対する支援の事例などを示した文部科学省の通知文などの資料を掲載する予定でございます。
 また、教員がこれらの資料を活用して、さまざまな人権課題にかかわる理解と認識を深め、適切に指導することができるよう、校内研修の具体的な例を掲載することも予定しております。
   〔東京都技監安井順一君登壇〕

○東京都技監(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、民間建築物に使用されるアスベストの実態把握についてでございますが、この調査は、民間の建物所有者等に対しまして、吹きつけアスベストの使用についての自主点検や必要な改修を促すため、国の要請に基づき、特定行政庁である都と区市が実施しております。
 都は、毎年、建物所有者等に対しまして報告を求めてまいりましたが、回答率は七割弱にとどまっておりました。平成二十六年度からは、建築基準法の定期報告の内容も活用いたしまして、所管する建築物の八割以上について実態を把握しております。
 今後、このような都の取り組みを、区や市にも促すなど、都と区市が連携し、引き続き未回答の建物所有者等に働きかけ、実態把握に努めてまいります。
 次に、既存建築物のアスベスト調査で得られた情報の共有についてでございますが、阪神・淡路大震災や東日本大震災での被害の教訓から、建築物におけますアスベスト使用の実態を平時より把握しておき、被災した場合に解体や補修が円滑に進められるよう備えていくことが重要でございます。
 こうした認識のもと、引き続き既存建築物のアスベスト調査におきまして、これまでの建物所有者等への働きかけに加えまして、定期報告を活用することで情報の把握に努め、災害時にも対応できるよう、得られた情報について関係局等と共有を図ってまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、色弱者や障害者等に対する情報バリアフリーの推進についてでありますが、都はこれまで、カラーユニバーサルデザインを学ぶ学習会の開催や障害者に配慮した音声機能つきの案内サインの整備、災害時等に周囲の人に支援を求めるツールであるヘルプカードの普及など、情報面でのバリアフリーの推進に取り組む区市町村を包括補助で支援してまいりました。
 また、来月策定する情報バリアフリーのガイドラインでは、全ての人が必要な情報を容易に入手できる環境が整備されるよう、障害特性等に応じた配慮、点字や手話など、さまざまな手段で情報提供する際の留意点、効果的な取り組みの実例などを盛り込むこととしております。
 今後も、区市町村や事業者等と連携しながら、情報面でのバリアフリーをより一層推進してまいります。
 次に、認知症サポーターについてでありますが、都はこれまで、認知症の方を地域で支えるため、認知症サポーターの養成に取り組む区市町村を包括補助で支援するとともに、サポーター養成講座の講師を育成してまいりました。
 また、認知症に関する都民の理解を深めるため、毎年開催しているシンポジウムにおいて、今年度は、サポーター養成講座もプログラムに追加して実施をいたしました。
 さらに、これから就職し、社会に出ていくことになる学生向けの講座を大学で実施するとともに、業務の中で認知症の方と接する機会の多い警視庁や東京消防庁の職員向け講座の実施を支援しており、今後とも、区市町村と連携し、職場や地域において認知症の方を支えるサポーターの養成を推進してまいります。
 次に、認知症の相談支援を行う人材についてでありますが、都は平成二十五年度から、区市町村に保健師等の認知症支援コーディネーターを配置し、認知症の方の家族等からの相談を受け、訪問支援等を行い、適切な医療、介護サービスにつなげる取り組みを実施しております。
 また、区市町村単位での設置を進めている認知症疾患医療センターには、認知症に関する専門知識を持つ精神保健福祉士等の相談員を複数配置しておりまして、住民や関係機関からのさまざまな相談に対応しております。
 今年度は、これらのコーディネーターや相談員のスキルアップを図るため、新たに事例検討を中心とした研修会を開催いたしました。
 今後とも、こうした取り組みにより、地域における相談支援体制の一層の充実を図ってまいります。
 最後に、悩みを抱える子供への相談対応についてでありますが、現在、都におきましては、福祉、教育、警察等の各分野で相談窓口を設け、子供からのさまざまな相談に応じております。
 十八歳未満の子供に関する相談に対応している児童相談センターでは、フリーダイヤルの電話相談を実施しており、虐待やいじめなど、子供の悩みを相談員が直接受け、内容に応じて子供との面接を行うほか、専門機関の支援にもつなげております。
 電話相談員に対しては、電話でのコミュニケーション方法や、事例を用いた対応方法などの実践的な研修を実施するほか、定期的に行う人権に関する研修の中で、性同一性障害や性の多様性についても取り上げており、今後とも、相談員のスキルの向上に努め、子供から寄せられるさまざまな悩みや相談に、適切に対応してまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、環境性能の高いユニバーサルデザインタクシーの導入についてでございますが、都内では、自動車から排出されるCO2は全体の約二割を占め、その削減に向けた取り組みは重要でございます。
 中でもタクシーは、一日の走行距離が約二百五十キロメートルと長いため、燃費性能のすぐれた車両への転換はCO2の削減に大きく寄与することになります。
 また、パラリンピック東京大会成功のためには、誰もが快適に移動できる東京の実現も不可欠でございます。
 このため、都は、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車にスロープやリフトを装備したユニバーサルデザインタクシーを、新たに一万台ふやすため、総額で六十一億円の補助制度を創設し、今後五年間にわたりタクシー事業者を支援してまいります。
 次に、アスベストに係る法改正の効果等についてでございますが、改正大気汚染防止法では、飛散防止の責任を明確化し、アスベスト調査や工事が適正な価格で発注されることを目的に、届け出義務者を施工者から工事発注者に変更をいたしました。
 また、施工者には、工事現場にアスベストの有無の掲示を義務づけしたことで、周辺住民がアスベストの存在を知ることができるようになりました。
 さらに、監督権限を有する行政機関は、全ての工事現場への立入検査が可能になったことから、住民からの通報に速やかに対応できるようになりました。
 一方、都や区市の立入検査では、アスベストの調査や適切な掲示が行われていない事例も散見されております。
 引き続き、立入検査や事業者への講習会などを実施し、アスベストの飛散防止の徹底を図ってまいります。
 最後に、アスベスト指導に係る関係機関との連携についてでございますが、環境局では、都市整備局や区市の建設リサイクル法所管部署との合同パトロールのほか、労働基準監督署と協力して解体工事現場への立入検査を実施しております。
 また、区市の環境部署からの依頼に基づき、都はアスベストの知識を有する専門職員を工事現場に派遣し、アスベストの飛散防止のための手法や監視等に関する技術的助言を区市職員に行うほか、アスベストの分析を行っております。
 引き続き、関係機関や区市と連携し、解体工事現場への立ち入り指導を強化してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性の再就職支援についてでございますが、都は、再就職を目指す女性を支援するため、しごとセンターに設置した女性しごと応援テラスにおいて専任のアドバイザーを配置し、相談からセミナー、職業紹介までワンストップでサービスを提供しております。
 また、仕事と家庭の両立に理解のある企業の求人を独自に開拓するとともに、都内の保育サービスや子育て支援に関する情報提供なども行っております。
 こうした取り組みに加え、地元自治体と連携したセミナーや女性就業に関するイベントを通じた啓発などにより、女性の再就職を後押ししてまいります。
 次に、ワークライフバランスの推進についてでありますが、生き生きと働き続けられる職場の実現に向け、すぐれた取り組みであると都が認定した企業の経営者等が、ワークライフバランスフェスタにおいて、取り組みを進めた動機や効果を披露するとともに、パネルディスカッションやミニセミナーにも登壇し、制度導入や職場の風土づくりなど具体的な進め方を発表しております。
 また、経営者の考え方などを広く発信するため、認定企業を紹介する動画を作成し、フェスタの会場で放映するほか、ホームページにも掲載をしております。

○副議長(小磯善彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時五十分開議

○副議長(小磯善彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 五十一番両角みのる君
   〔五十一番両角みのる君登壇〕

○五十一番(両角みのる君) 初めに、不登校対策について伺います。
 文科省の調査によれば、二〇一四年度の全国の小中学校の不登校児童生徒数は十二万二千八百九十七人と高どまり状態にあり、都内では一万七十九人と、二〇一三年度から二年連続で増加しています。
 こうした子供たちが少なくなるように、また不登校の子供たちが希望を持って将来に向け歩んでいけるようにしていくのは、私たちの大きな責務でもあります。
 そこでまず、都内の不登校問題に関する都教委の認識を伺います。
 近年、不登校児童生徒の居場所として注目をされているのがフリースクールです。文科省が検討会を開き、国会では超党派の議員連盟が法制化の検討を進めています。
 先日、北区にあるフリースクール、東京シューレを訪れ、代表の奥地さんから話を伺いました。教育長もこちらを訪ねられたとのことですが、不登校となった子供たちが徐々に自信を取り戻し、それぞれの新たな目標に進んでいく姿に感銘を受けました。
 しかし、フリースクールといっても形態、実態は実にさまざまです。国は昨年、初めてその実態調査を行いましたが、今後、不登校対策で連携を考えるのであれば、都が独自に都内フリースクール等の実態を把握する必要があると思いますが、見解を伺います。
 ところで、本年一月、国はフリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業経費として、六億四千万円の補正予算を組みました。都は、こうした予算を積極活用して課題解決に取り組むべきと思いますが、当該補正予算への都教委の対応を伺います。
 先般発表された都の不登校・中途退学対策検討委員会報告書では、教育委員会、学校のほか福祉、勤労等の関係する行政機関と民間団体が横の連携を強化することの重要性が示されました。
 そのためにも、早期に公民の関係機関による協議会を立ち上げ、社会全体で不登校問題に取り組んでいくべきと考えますが、今後の不登校対策への対応を伺います。
 次に、インバウンド政策について伺います。
 二〇一五年の訪日客は、千九百七十三万人と予想を上回るペースで過去最高を更新し、インバウンド三千万人時代が視野に入ってきました。都内を訪れる外国人が急増し、大きな経済効果が伝えられる一方で、都内のホテル稼働率は高水準で推移し、東京出張のビジネスマンの宿泊もままならない状況が報道をされております。
 二〇二〇年には、内外からさらに多くの人々が東京を訪れることを考えると、多様化する宿泊ニーズに適切に対応することは重要な課題です。
 こうした中、先般、大田区で国家戦略特区に基づく、いわゆる民泊条例が制定をされ、また、旅館業法の規制緩和の検討が伝えられています。
 都は、これらの動きをどのように捉え、インバウンド三千万人時代に向けて、東京を訪れる人々の多様化する宿泊ニーズにどう対応していくつもりか、所見を伺います。
 現在、円安局面のもとで多くの外国人が日本を訪れていますが、観光を一大産業とするには、為替に左右されることなく、選ばれる観光都市東京を築いていくことが大切です。そして、インバウンドの恩恵を都内の多くの地域と産業へと波及する取り組みが求められます。
 そこで、インバウンドの恩恵を都内各地域や他産業へと広く波及するための取り組みについて、現状と今後の展開を伺います。
 今、世界的にクルーズ需要が高まる中、魅力的な商業、観光スポットが多数立地し、国内有数の港を抱える東京がクルーズ需要に戦略的に取り組んでいくことが求められています。
 国内の先進都市では、ハード、ソフト両面でクルーズ誘致に努め、その成果を地域活性化へとつなげています。一方で、世界都市東京のクルーズ誘致実績は、国内ベストテン圏外に沈み、低迷状況にあります。
 二〇二〇年を見据え、東京港へのクルーズ誘致に戦略的に取り組み、東京の活性化につなげていくためには、超大型客船対応可能な新ふ頭の完成を待つばかりではなく、それまでの間、クルーズ寄港実績国内十位以内を回復といった具体的目標を持って、誘致活動を展開すべきと考えますが、現状の取り組み並びに東京の特性を生かした今後の展開を伺います。
 知事は、今定例会の施政方針において、観光産業振興アクションプログラムを策定すると表明しました。現行プランが五輪招致決定前に策定されたことを考えると、大会開催を前提とした新たな計画が待たれるところであります。
 アクションプログラムには、さまざまな課題への対応が盛り込まれると思いますが、特に、現行プランに欠けているクルーズ需要への対応を強化し、しっかりと位置づけていくべきと考えますが、所見を伺います。
 さて、内外の観光客にとって魅力の一つは、その国や都市の歴史や文化に触れることではないでしょうか。その意味で、歴史スポットを抱える上野地区は、我が国を代表する文化芸術の一大集積地であり、その魅力をさらに高め、世界に売り出していくことが重要なテーマとなります。
 昨年七月には、都や国等の関係機関が協議し、上野「文化の杜」新構想が発表され、ハード、ソフトにわたる野心的な魅力向上策が打ち出されました。この構想が実現されれば、上野の森エリアの魅力はさらに大きく向上することと思いますが、二〇二〇年までに構想のどの部分までが実現されているべきと考えているのか、伺います。
 また、構想が絵に描いた餅とならないようにするためには、その実施体制や進捗管理が重要になりますが、構想実現に向けた推進体制並びに今後の進捗管理について伺います。
 さらに、都は、構想全体を推進する観点から、いかなる役割を果たしていくつもりか、所見を伺います。
 現在、上野公園は、再生基本計画に基づき整備が進められ、各エリアの特徴を生かした統一したイメージづくりに成果を上げています。一方で、構想が掲げる当該地区への三千万人の来場を見込むのであれば、その玄関口となるJR上野駅公園口周辺は、駅舎の機能、デザイン、公園へのアクセス動線、さらには周辺道路や歩行者空間など課題が多々あると感じます。
 そこで、上野駅公園口から公園へのアクセス空間や駅前道路の歩行者空間について、上野の杜にふさわしい統一デザインのもと、二〇二〇年東京大会までに関係機関と連携して整備を終えておくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、水の都東京復活について伺います。
 永井荷風は、水は江戸時代より継続して今日においても東京の美観を保つ最も貴重な要素となっていると書き記しています。かつて東京は水の都であり、夏には川辺へ夕涼みに出かけ、人々は船遊びに興じ、水辺は船が行き交っていました。
 その後、多くの水路や運河が暗渠化され、高度成長期には東京湾の水質は悪化しました。近年では水質は改善されていますが、水辺環境は都市の貴重な財産であり、水を生かしていくことで、東京の魅力はさらに向上していくはずです。
 そこで何点か伺います。
 都心の中心に位置しつつ、自然にあふれ、江戸の歴史を感じることができる皇居周辺は、日本人のみならず、訪日外国人にとっても大変に魅力的なスポットです。特に、お堀の水はすぐれた景観を演出し、人々の心を和ませてくれますが、皇居のお堀の水の現状と、さらなる水質改善に向けた所見と課題をお聞きします。
 昨年、葛西では、期間限定で海水浴が解禁となり、お台場地区ではトライアスロンのスイミングが行われます。また、知事は舟運活性化を打ち出していますが、こうしたことも、水質がきれいであればこそという面が強くあります。
 そこで、東京湾の水質の現状と改善に向けた取り組みを伺います。
 海洋についていえば、近年、微小なプラスチック片が海水を漂うマイクロプラスチックが海洋問題として注目されています。昨年、環境局が京浜運河で実施した調査では、一立米中十六個のマイクロプラスチックが確認されたとのことですが、状況をより正確に把握するには、さらに範囲を広げての調査が必要と思いますが、所見を伺います。
 また、この問題については、都民へのさらなる啓発活動に努めるべきと考えますが、今後の具体的な取り組みを伺います。
 東京湾の水がきれいになり、水辺環境が改善されることで、東京の魅力は一層高まります。水の都東京復活に向けて、東京湾の水質改善を都政の重要課題と位置づけ、関係機関とも協力した取り組みを期待しますが、知事の所見を伺います。
 最後に、オリンピック・パラリンピック東京大会に関して伺います。
 二〇二〇年大会経費をめぐる森組織委員会会長の、当初計画の三倍、二兆円を超すのではないかとの発言や、舛添知事の三兆円くらいになるとの発言が物議を醸しています。
 立候補ファイルでは、大会予算として約七千三百億円が見積もられており、さらに運営費が不足した場合の記述として、万が一、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補することを保証することが明記されています。
 すなわち、大会運営の資金が不足した場合には、都が、最終的には都民が不足分を負担することとなっているのであり、二〇二〇年大会に係る総事業費と公費負担について、その全体像を把握し、広く納税者である都民に情報公開していくことが、今、求められていると思いますが、見解を伺います。
 昨年の新国立競技場計画やエンブレムの白紙撤回を経て、今や大会招致決定時の国民の期待や希望が大きくしぼんでしまい、残念でなりません。大会準備を着実に進めるのと同時に、大切なのは、国民、都民の期待と支持をもう一度取り戻すことではないでしょうか。
 本年夏には、オリンピック・パラリンピック・リオ大会が開催され、世界中の注目が集まります。リオ大会は、次期ホストシティーである東京もスポットライトを浴びることとなり、世界に向けて東京大会をアピールし、都民、国民の期待と機運を高める絶好の機会であると思います。
 そこで、リオ大会を通じての都の機運醸成の取り組みと、全世界が注目する中で、次期ホストシティーとして、リオ大会で知事はどのようなアピールを行うつもりか、ご決意を伺いまして、質問を終わります。
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 両角みのる議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、東京湾の水質改善でありますけれども、東京湾には、お台場海浜公園や葛西臨海公園など、多くの人々でにぎわう空間が存在しておりまして、また、豊かな水辺の景観を生かした舟運の活性化が期待されております。東京の快適な水辺環境を創出する上で、東京湾の良好な水質確保は課題の一つだと考えております。
 都はこれまで、工場等に対する排水規制、それから下水道の普及などによりまして、東京湾の水質確保に取り組んでまいりました。
 一方、東京湾の水質は、東京以外の都市の活動の影響も受けるなどの課題がありまして、広域的な対応がその意味で不可欠であります。
 今後とも、国や九都県市を初め、近隣自治体とも連携を図りながら、東京湾の水質改善に向けて適切に取り組んでまいります。
 次に、リオ大会を通じた機運醸成でありますけれども、リオ大会は二〇二〇年大会の成功に向けて、東京大会をアピールし、都民、国民の盛り上げを図る絶好のチャンスであります。
 そこで、リオ市内にジャパンハウスをつくります。そして、そこで二〇二〇年大会のPRを行いますとともに、東京や日本の魅力を世界に向けて発信したいと思っています。
 私もリオに行きまして、オリンピック・パラリンピック両方の閉会式で、それぞれの大会旗をリオから引き継ぎまして、その場で東京の姿を世界にアピールしたいと思っています。
 さらに、その前にリオ大会の期間中は、ライブサイトを区部、多摩、被災三県で開催しまして、生中継によるリアルタイムの感動と興奮を大いに体感してもらいます。戻りましたら、このフラッグツアーを全国に向かってやりたいと思っています。
 こうした取り組みを通じまして、東京の魅力を強力に世界へ発信するとともに、二〇二〇年大会に向けた機運醸成を図りたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 不登校対策に係る四点のご質問にお答えいたします。
 まず、小中学校における不登校に関する認識についてでございますが、不登校は、児童生徒の生活の乱れや学習のおくれを招き、社会から孤立しがちになるとともに、将来の進路選択が困難になり、望まない非正規雇用等にもつながる問題でございます。
 このため、不登校を未然に防止するとともに、児童生徒が不登校に至ったとしても、学校復帰や将来の自立に向けて、学校はもとより社会全体で支援できるよう、取り組みを充実していく必要があると認識しております。
 都教育委員会は、今年度、学校を初め福祉、労働等の有識者による不登校・中途退学対策検討委員会を設置し、支援のあり方について検討してまいりました。今後、この検討結果を踏まえ、取り組みを推進してまいります。
 次に、フリースクール等の実態把握についてでございますが、文部科学省は、昨年、都内のフリースクールなどを含め、全国の民間施設、団体を対象とした調査を実施いたしました。都教育委員会は来年度、フリースクール等との情報交換の場を設けることとしており、文部科学省の調査結果を生かしながら状況を把握してまいります。
 次に、国のモデル事業への対応についてでございますが、本モデル事業は、区市町村を主たる実施主体として、フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援や、不登校児童生徒の学校復帰を支援する適応指導教室の充実を目指すものであります。都教育委員会は、本事業について、区市町村教育委員会に周知してきており、区市町村の意向を踏まえ、適切に対応してまいります。
 最後に、今後の不登校対策の取り組みについてでございますが、不登校児童生徒への支援に当たっては、個々の状況に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要であります。
 このため、都教育委員会は来年度、区市町村において、学校や福祉等関係機関との支援ネットワークを構築し、スクールソーシャルワーカー等を活用した支援チームにより、家庭への訪問支援等を行うモデル事業を実施いたします。こうした取り組みを、区市町村教育委員会や学校と連携して推進してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、宿泊需要への対応についてでございますが、東京を訪れる旅行者がふえる中、外国人観光客の宿泊ニーズや地域の実情などに応じて、快適に宿泊のできる環境を整えていくことは重要でございます。
 このため、都は、宿泊施設について、バリアフリー化やWi-Fiの利用を可能とする取り組みなどを進めております。
 また、特区における旅館業法の特例につきましては、各自治体での適用に向けた検討に資するよう、大田区の事例紹介などに取り組んでまいります。
 次に、地域における観光振興についてでございますが、外国人観光客を東京の各地域に誘客することで、都内にさまざまな好影響を広げていくことは重要でございます。
 このため、都は、都内の各地域で新たな観光ルートなどをつくり出すアイデアを、民間のノウハウを活用して実現する取り組みを実施しております。
 今後は、こうした取り組みに対する支援を強化することなどにより、都内各地の観光振興を進め、地域経済の活性化にも結びつけてまいります。
 最後に、観光のアクションプログラムについてでございますが、外国人旅行者の急増など東京の観光を取り巻く状況の変化に対応し、適切な観光施策を講じていくため、都はアクションプログラムを策定することとしております。
 先日、有識者との第一回目の会議を開き、クルーズ船による旅行者誘致を含めた水辺の活用など、三つのテーマを中心に意見交換を行いました。
 引き続き、有識者とさまざまなテーマについて議論を重ね、来年度中にはアクションプログラムを取りまとめて、施策の展開につなげてまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 東京港へのクルーズ客船誘致についてでございますが、これまで都は、クルーズ客船誘致のため、入港料の減免や東京港の魅力をPRするための東京クルーズセミナーを開催してまいりました。
 今後は、国内外へのアクセスが至便なことに加え、観光資源が充実しているなどの、東京港ならではの強みを生かした誘致施策を展開してまいります。
 具体的には、世界最大級のクルーズ客船にも対応可能な新たな客船ふ頭の整備を行うとともに、海外でのコンベンションへの出展や、観光施策とも連携した船会社への営業活動などを行ってまいります。
 こうした取り組みを積極的に進めることで、首都の玄関口である東京港をクルーズの一大拠点へと成長させていきたいと考えております。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 上野「文化の杜」新構想の実現についてですが、東京文化ビジョンでは、日本を代表する文化施設が集積した上野を重要な文化拠点として位置づけています。新構想では、集積した施設相互の連携を強化することで、上野文化の森が国際的な文化観光資源となることを目指しております。
 これまで各施設の連携により共通入場券を発行するとともに、急増する外国人観光客に対応する案内表示の多言語化を進めてまいりました。また、今年度中に各施設の情報を集約し、その魅力を海外に発信するポータルサイトを構築するほか、桜の時期に合わせてアートフェスティバルを開催いたします。
 二〇二〇年に向けて、構想内容をできるだけ多く実現していきたいと考えております。
 次に、構想の実現に向けた都の役割等についてですが、昨年九月、東京国立博物館や東京都美術館、上野観光連盟、JR東日本といった十一の芸術文化施設や関係企業、団体により実行委員会が設立され、事業の推進と進捗管理を担っております。
 都は、構想に掲げられた取り組みがスピード感を持って進められるよう、実行委員会に対し、今後とも必要な助言や調整、財政支援などを行ってまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 上野恩賜公園のJR上野駅公園口周辺エリアの整備についてでございますが、このエリアは、上野恩賜公園への主要なアクセスとして多くの来園者が利用する公園の顔となる場所であり、二〇二〇年東京大会の開催も視野に入れ、文化の森のメーンエントランスにふさわしい風格ある空間とすることが求められております。
 上野恩賜公園再生基本計画におきましても、来園者が集い円滑に移動できるよう、周辺の文化施設と調和した公園内の広場やプロムナードを整備することとしており、現在、その実現に向け、交通実態調査を行っております。
 今後も、関係する地元区やJR東日本と連携を図り、安全で魅力的な空間の実現に向けて取り組んでまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、皇居お堀の水質改善についてでございますが、皇居外苑堀は閉鎖性水域であり、夏季を中心にその水質が問題となっております。
 このため、皇居外苑堀を所管する環境省は、水質改善計画を策定し、浄化施設を設置するなど各種の取り組みを実施しており、今年度中には新たな計画を策定し、さらに取り組みを強化すると聞いております。
 都は、これまでも国に対し、水質改善の取り組みを着実に進めるよう要望しており、情報交換を密にするとともに、引き続き国に対して積極的に働きかけをしてまいります。
 次に、東京湾の水質の現状と改善に向けた取り組みについてでございますが、閉鎖性水域である東京湾は、流域からの負荷が滞留しやすく、水質汚濁をあらわす代表的指標であるCOD、化学的酸素要求量を見ますと、中央防波堤を中心とした陸側の海域における環境基準値の一リットル当たり八ミリグラムについてはクリアするものの、それ以外の海域における環境基準値の一リットル当たり三ミリグラムについては、それを若干超える水準で推移をしております。
 今後とも、法令に基づき、事業所排水への規制、指導を実施し、都内水域における水質改善の取り組みを継続してまいります。
 最後に、海ごみの発生抑制についてでございますが、東京湾内におけるマイクロプラスチックの状況に関して、都は昨年度、京浜運河において調査を行いました。今年度は、環境省が湾内七カ所で調査を実施したと聞いており、その結果も含め、相互の情報交換に努めてまいります。
 また、マイクロプラスチックを含む海ごみの発生抑制のためには、陸域におけるごみの削減が重要でございます。
 このため、都は、昨年十一月にシンポジウムを開催し、プラスチックによる海洋への影響や、都や環境NGOの取り組みなどを広く都民に対して紹介いたしました。
 今後とも、マイクロプラスチックの問題や、陸域におけるごみの発生抑制等に関するパンフレット、ポスターの作成や車内広告を活用した周知など、普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年東京大会の経費についてでございますが、一口に大会経費といいましても、その範囲のとり方によって大きく規模が変わってまいります。
 二〇二〇年大会は、テロの脅威の増大、資材や人件費の高騰など、大会を取り巻く環境が大きく変化し、数多くの課題に直面してきております。
 これらに対応するべく、開催都市である都は、組織委員会、国とともに、責任を持ってしっかりと役割を果たしてまいります。
 大会経費につきましては、不断に精査しますとともに、都民、国民に丁寧に説明し、理解を得ながら、必要な事業を実施してまいります。

○副議長(小磯善彦君) 二十八番田中朝子さん
   〔二十八番田中朝子君登壇〕

○二十八番(田中朝子君) ことしは日本で伊勢志摩サミットが開催されますが、先進七カ国G7の中で、首都が海に面しているのは日本だけです。近代的な高層ビルと下町の風景が同居するダイナミックな東京の湾岸の景観は、まさしく首都東京の新しい風景として大きな観光資源となっています。
 この新しい東京の湾岸地域の景観とともに、水辺がにぎわい、舟運という新たな観光産業を発展させるには、同時に水上交通の安全と安心を確保するための仕組みづくりが欠かせません。
 東京港の運河部分は、これまで両側の建物の後ろ側や裏側と捉えられてきました。そのため、夜になると暗く、航行する小型船に橋の橋脚部分や水面は見えづらくなります。この橋脚の前後には、船の衝突防止のためのくいが立てられていますが、これは橋脚を守るためのものであって、船舶やその乗客を守るものにはなっていません。
 車と違い、船舶はほかの船の航行の支障となるため、港則法等に基づき、ヘッドライトをつけることを禁じられているため、暗くなると水路や橋脚を照らす仕組みが全くないのが現状です。
 東京ゲートブリッジや勝鬨橋、永代橋のような大きくきれいなライトアップまではできなくても、橋脚や水面を照らす照明があれば、暗い運河部分は雰囲気のある場所になるとともに、水上交通の安全にも役立つことになります。
 これまで建物の裏側に当たっていた運河も、舟運の活性化とともに、水上タクシーなど多くの小型船が通ることになれば、その裏側が船から見れば表側になり、新たな観光資源にできる可能性があるのではないでしょうか。
 運河部分にかかる橋や橋脚部分、水面を照らす照明など、夜間の小型船航行の安全にも資する運河の夜の景観づくりが必要だと考えますが、ご所見を伺います。
 また、お客を乗せる小型船舶操縦免許について申し上げます。
 日本では、二十トン未満の小型船舶を操縦するときには小型船舶操縦免許が必要ですが、欧米を初めとする多くの諸外国では、免許は必要ありません。しかし、水上タクシーのようなお客を乗せたり、船舶を商用目的で運転するプロの資格となると、逆に、欧米を初めとする多くの国では、一転して厳しい資格が求められます。
 日本では、お客を乗せるプロの資格は特定操縦免許という、わずか一日の座学のみの講習を受けるだけで取得できますが、例えばオーストラリアのクイーンズランド州でお客を乗せるプロの資格は、約三カ月の講習や実務研修を受けなければ、免許取得はできません。
 この船舶の操縦免許は国交省の所管ですが、今後、東京港でも水上タクシーや水陸両用車など、商業運航する小型船がふえるのですから、自動車免許の二種免許に相当する厳しい資格をつくり、乗客の安全や安心を高め、操船者に対する責任についても考える必要があるのではないでしょうか。
 今後、舟運の活性化を図る東京都として、人を乗せる商業運航の小型船の特定操縦免許取得の講習や実務研修をもっと厳しくするよう、ぜひ都知事から国に要望していただきたいと思います。
 都では、これから舟運の活性化を進め、観光資源に育て上げていく中で、東京港における舟運の安全・安心対策についてどのように取り組んでいくのでしょうか。知事のご所見を伺います。
 次に、東京都水上取締条例の改定について伺います。
 東京都では、東京港の運河部分でのさまざまな取り締まりに関して、昭和二十三年に施行された警視庁所管の東京都水上取締条例がありますが、昨年、私が一般質問で指摘させていただいたとおり、この条例はほぼ六十七年前の、まだ海上保安庁ができる前につくられたままであり、条例と現状との乖離が非常に大きいため、所管の警視庁での現状や時代に合った条例改定が早急に求められるところです。
 水上オートバイの暴走行為などをなくし、東京港運河部分の安全な船舶航行を実現させるためにも、警視庁や東京海上保安部、各所管部局が連携して、現状に即した新たなルールやマナーづくりに取り組み、世界に誇れる安全・安心で楽しめる東京港運河にしていかなければなりません。
 東京都水上取締条例の改定に向けての取り組み状況と、今後の方向性について、警視総監のご所見を伺います。
 最後に、東京港の観光資源としての環境保護施策について伺います。
 東京港のレインボーブリッジの横に浮かぶ第六台場と、お台場海浜公園の沖合にある二つの島式防波堤、通称鳥の島には、日本最大級の水鳥であるアオサギを初め、カワウなど、何千羽もの水鳥が巣をつくり、繁殖しています。
 そのうち、鳥の島は昭和の初めに造成された無人島で、都が管理し、許可がなければ立ち入れないため、手つかずの自然となって草木が自生し、多くの野鳥が毎年その木や草むらに巣をつくり、繁殖しています。都内では希少なダイサギやコサギもいます。
 しかし、一昨年、この東京港の野鳥の楽園であった鳥の島で、島の半分以上の樹木が突然伐採されてしまいました。お花見スポットにするためで、伐採跡には屋形船業者さんらが桜の苗木などを植えました。伐採については、地元住民にも、また地元区にも、事前の説明はなかったと聞きます。
 また、この伐採により、国土交通省東京港湾事務所で二〇〇六年から毎年夏に開催してきた、家族で野鳥観察や清掃活動をしながら手つかずの自然の大切さを学ぶ鳥の島再発見ツアーを中止せざるを得なくなりました。このツアーは、毎年夏休みに開催されていたことから、参加者は小学生が多く、毎回六十人から百人が参加する人気ツアーでした。ことしの春、草木が伐採された鳥の島におけるアオサギの巣づくりは、一件も確認できなかったと聞きます。
 昨年五月の時点で既に、東京都環境局により行われた鳥類調査では、第六台場ではカワウ、アオサギ、また希少なダイサギやコサギが樹木上で繁殖し、ひなや幼鳥を確認している一方、樹木が伐採された鳥の島では、サギ類の巣づくりは確認されなかったと報告されています。
 今回、私も現地を船から見てきましたが、カワウやアオサギが今も数え切れないほどいる第六台場に比べ、島の半分以上の木が伐採された鳥の島には、水鳥は一羽も見えませんでした。今後、さらなる野鳥への影響や、桜との共存も懸念されています。
 桜ももちろん観光資源ですが、花が咲くのは一年にたった十日ほどです。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックへ向けて、これからふえる外国人の観光客には、東京港に野鳥の楽園があることの方がずっとインパクトが大きかったのではないでしょうか。
 伐採してしまい失った手つかずの自然は、残念ながらもう取り戻すことはできませんが、ほかにも同様の都心の自然があれば、希少な観光資源としてしっかりと保護していくべきではないでしょうか。
 今後は、鳥の島も湾岸部の観光資源と位置づけ、きちんとした保護計画を持って管理していくべきと思います。
 また、今後このようなことが起こった場合は、事前に地元区や地元住民への説明も丁寧に行い、理解を得るべきと考えますが、ご所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 田中朝子議員の一般質問にお答えします。
 舟運の安全・安心対策でありますけれども、水辺の空間というのは東京にとって最大の魅力でありまして、舟運は重要な観光資源の一つであるし、これをさらに伸ばしていきたいと思っております。
 ただ、安全の確保は不可欠でございますので、先ほどご指摘の港則法などに基づく海上保安庁による指導が基本となりますけれども、船の航行についてしっかりとしたルールを守ってもらいたいと思っております。そういう意味で、都ではこのルールづくり、ルール、マナーの普及活動を行いたいと思っています。
 それから、夜の景観、このライトアップが海の安全にも、ウオーターフロントの安全に資するということは大変賛成でありまして、ライトアップということも一つの大きな政策として、今後展開したいというふうに思っておりますので、舟運における安全・安心を確保して、東京を魅力あふれる水の都にしたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、警視総監及び港湾局長が答弁をいたします。
   〔警視総監高橋清孝君登壇〕

○警視総監(高橋清孝君) 東京都水上取締条例についてでありますが、近年、水上レジャーの人気の高まり等により、水上の安全・安心を確保するための取り組みは重要性を増しております。
 このため、警視庁では、水上における危険行為への指導警告、レジャーの際のマナー向上の呼びかけなどを行っているところでありますが、東京都水上取締条例については、現状にそぐわない点がないか確認を行っているところであります。
 今後も、国や東京都関係部局などの関係機関との連携を図りながら、条例に関する検討や警察用船舶を初めとする装備の充実等、水上の安全・安心を確保するための取り組みについて幅広く対応してまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、運河部における景観づくりについてでありますが、運河部は、都市の貴重な水辺空間であり、新たな観光資源として魅力を高めていくことは、水の都東京を実現していく上で重要であります。
 これまで都は、地元区と連携し、運河沿いの護岸をテラスとした遊歩道への照明や植栽を整備するなど、運河部の景観づくりに取り組んでまいりました。
 今後も、護岸整備に合わせて照明を整備するとともに、背後のまちと一体となった潤いとにぎわいを創出するライトアップの検討など、運河部の景観向上へ向けた取り組みを進めてまいります。こうした取り組みは、夜間の航行安全にも資するものと考えております。
 次に、お台場海浜公園の管理についてでありますが、水域にある旧防波堤、通称鳥の島は、かつて貯木場の荷揚げ場等として活用しておりましたが、平成八年度に海上公園エリアに組み入れて以降、原則立ち入りを禁止したために、その後、二十年間の間に自然に樹木が生育し、カワウが営巣しております。
 昨年度、花を活用した観光振興の観点から、民間事業者の協力を得て桜を植樹いたしました。その際、一部の木を伐採をしております。桜の植樹後の調査でも、従前どおりのカワウの営巣や、アオサギ、ダイサギを含め二十種を超す鳥の飛来も確認しておりまして、伐採の影響は認められておりません。
 今後、民間事業者の協力を得て、清掃や下草刈りなどの管理を行いながら、野鳥と緑の共存を図ってまいります。
 なお、桜の植樹に当たりましては、植樹の実施前である平成二十六年四月に、地元区や進出事業者などから成る臨海副都心まちづくり協議会へ説明を行ったところであります。
 今後とも、公園管理に当たっては、周辺住民等への情報提供も行いながら、海上公園が都民の憩いの場となるよう努めてまいります。

○副議長(小磯善彦君) 八番大津ひろ子さん
   〔八番大津ひろ子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○八番(大津ひろ子君) 障害を理由とする差別の解消を推進する法律、いわゆる障害者差別解消法が、ことし四月一日から施行されます。この法律は、平成十六年の障害者基本法の改正、平成十八年の国連総会における障害者権利条約の採択などを経て、平成二十五年に成立したものです。
 法の目的としては、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現につなげることを掲げています。
 この理念は、私たちが社会の中で暮らしていく上で最も大切なことであり、都政の全ての施策の根底に据えるべき理念であるといっても過言ではありません。
 国において、各省庁で具体的な対応への基本方針が示され、都においても関係者と協力しつつ、施行に向けた準備が進められていると思います。ただ、法の施行に向けた一過性の取り組みではなく、国民生活、都民生活のあらゆる場面で、相互に尊重し合い、誰もが生き生きと暮らしていくためには、民間も含めて、私たち一人一人の具体的かつ継続的な努力も求められます。
 知事の真の共生社会の実現に向けた決意をお聞かせください。
 サッカーワールドカップやハロウィン等のビッグイベントが開催されるたびに、東京都内の各繁華街では、若者を中心とした群衆による交通妨害や各種トラブルが発生をし、社会現象としてメディア等にも大きく取り上げられております。特に私の地元である渋谷では、これまでにも二〇一三年、サッカーワールドカップアジア予選や、秋の風物詩として定着しつつあるハロウィンの際に、渋谷駅前スクランブル交差点やセンター街に身動きがとれなくなるほどの群衆が押し寄せて、騒然となる状況が発生しています。
 幸いなことに、警視庁による機動隊を導入した万全な警備体制の効果により、これまでに大きな事故は起きていませんが、今後、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに対する国民の期待が高まる中、今夏のリオデジャネイロオリンピックを初め、サッカーワールドカップやラグビーワールドカップ等の国際的なスポーツイベントがめじろ押しです。
 これまで以上の群衆による大混乱が予想されると考えますが、このようなビッグイベント時の渋谷駅周辺における警備にどう取り組まれていかれるのか、警視総監に伺います。
 私はこれまで、使い捨ての旧ライターによる火災事故の防止対策をたびたび本会議で取り上げてまいりました。喫煙率は年々下がる傾向にあるものの、東京消防庁管内で起きた火災原因の一番多いのは放火、二番はたばことなっています。
 さらには、死者が出た住宅火災の原因の一位は、寝たばこによるものでした。たばこの火が、布団や灰皿へたまった吸い殻に燃え移って火災が起こり、大きな火災にならなくても、一酸化炭素中毒などで簡単に亡くなられてしまうこともある怖い火災です。今後、たばこによる火災防止のため、働きかけていく必要があります。
 そこで、たばこによる住宅火災で亡くなられた方の発生状況とその防止に向けた取り組みについて、消防総監に伺います。
 消防署別の火災件数では、地元の渋谷消防署は都内で二位になっています。渋谷は繁華街を幾つも抱えているため、たばこのポイ捨てによる屋外の火災件数が室内件数よりも上回っているため、たばこ全体の火災件数を押し上げています。たばこのポイ捨てで側溝の中が、また街路樹を支えている支え木が燃えたり、また落下点によっては甚大な被害が起きることもあり、今後、マナーの向上など、全火災の一五%を占めるたばこ火災に対して、安全なまちづくりを働きかけなくてはなりません。
 渋谷区にある都心部唯一の基幹災害拠点病院である都立広尾病院を、区内の旧青山病院跡地などに、七年後の平成三十五年度に移転改築をし、仮称首都災害医療センターとして整備する構想が予算案から明らかになりました。
 渋谷の旧青山病院跡地周辺は、湧水や緑や桜、自然環境を保護し、品格と文化性を尊重するとともに、児童の育成に深くかかわってきた特別な地区です。親王梨本宮がお住まいになり、今もご子孫が一隅に居住され、この地にあった都児童会館は、皇太子明仁親王のご結婚と浩宮徳仁親王のご生誕を記念し、民間の寄附により昭和三十九年に建設されたものでありました。
 旧青山病院、そして旧児童会館、旧こどもの城と、高度な児童教育施設と医療がこの地にあった歴史から、病院の整備にあわせて、児童の健全な育成や医療、あらゆる世代間交流を図ることのできる精神性の高い場の創出を願う声が、ずっと以前から、地元から多く寄せられています。
 最先端の災害医療、救急医療を提供する病院の移転、改築に当たっては、こうした歴史的経緯を踏まえるとともに、地域住民の皆様の理解や協力を得ながら検討を進めていくことが重要であると考えます。都の見解を伺います。
 技術立国日本についてです。
 全国のアスベスト含有建築物の解体棟数は、国の推計では二〇四〇年ごろにピークを迎えます。しかし東京では、高度経済成長期の建物の再開発なども進み、既にピークを迎え、二〇五〇年ごろまで、毎年一万五千件程度のアスベストの使用可能性がある建築物の解体工事が続くと推定されています。アスベスト飛散による健康被害防止の徹底が必要です。
 ところが、解体工事現場においては、アスベストが飛散する事例や事前調査が不十分な事例があります。現場従事者からは、アスベスト検査費用が高いため調査もせず、適切な工事費用を負担しない発注者がおり、その結果、不適切な工事が行われる事例がいまだに見受けられると聞いています。
 傾いたマンションのくい打ちや、最近の食品廃棄物のマニフェスト偽装と同じく、アスベスト調査においても偽りがあってはなりません。食の安全とともに技術立国日本の危機と捉えるべきです。
 都は、平成二十六年度から、アスベストの飛散防止のため専門職員Gメンを二名置き、解体工事現場へ立入調査を実施していますが、もっともっとGメンを増員し、抜き打ち検査も強化すべきです。さらに、首都直下地震など大規模災害への平時からの備えを推進するため、直近の解体の有無や規模に関係なく、事前の立入検査も行うべきです。
 解体時の立入検査の調査結果については、被害の未然防止の観点から、わかりやすく都民、関係事業者に公表すべきと考えます。抜き打ち検査を含めた立入調査の強化により、しっかりとした調査のくいを打ち込み、健康被害の防止に万全を尽くすべく、都の見解を伺います。
 誰しもがわかりやすく暮らしやすい都市東京施策についてです。
 今月、東京都環境審議会から、東京都環境基本計画の改定に向けて答申が報告され、この中で、中長期的視点に立って、二〇二〇年の大会後を見据えた環境レガシーの形成が重要とされております。
 一月には、来年度から五カ年計画とする廃棄物処理計画の策定に向け、廃棄物審議会の最終答申が出されています。この中でも、今後の東京が直面する課題として、超高齢化、人口減少社会の到来、首都直下型地震等大規模災害への備え等が指摘されています。
 かつて昭和三十九年の東京オリンピックの際には、開催地にふさわしいきれいな東京が目指されました。当時、皆さんの家の前の路上にはコンクリート製のごみ箱が置かれ、美観や交通の面からポリバケツ容器によるごみ収集方式が導入され、公衆衛生の向上にも大きく貢献しました。
 現在、国においても、循環共生型社会の構築として、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた政策の一つとして、廃棄物の統一分別ラベルの導入等が検討されることになっています。
 例えば、こうした検討過程においても、都はほかの大都市とも連携しつつ、東京を訪れる方が日本のどの都市に行っても混乱のない、統一した誰しもがわかりやすい廃棄物の分別ができるなど、東京が積極的に発言をし、新たな時代の廃棄物施策をリードしてほしいと考えます。
 こうした課題のもとでの今後の廃棄物施策の展開、とりわけ3R、つまり発生抑制、再使用、リサイクル施策について、都の見解を伺います。
 近年、外国からの訪問客等を想定し、都市のわかりやすさを高める手段として、鉄道駅におけるナンバリングや案内表示のデザイン統一など、工夫が見られるようになってきました。そこに住む人だけでなく、誰しもがわかりやすい都市にしていくことは、首都東京を暮らしやすくするとともに、一層都市としての魅力を高めていくことにもなります。
 東京には、世界に誇れる貴重な歴史的、文化的施設やすばらしい景観等があります。浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園を初め、深山幽谷の趣のある庭園、都立庭園は、都民だけでなく東京を訪れる方々にとっても、心が和む都市の貴重な空間です。
 庭園へのアクセスについて、わかりやすい案内や表示の改善を図るとともに、ライトアップなどの東京の夜の景観を楽しめる資源としても検討を進めるなど、都立庭園を訪れるお客様に対するサービス向上の取り組みが必要だと考えますが、所見を伺います。
 新宿都庁から東京湾までは、直線でわずか七・四キロの距離にある東京湾ですが、ダイナミックに発展しつつある東京の姿を、都の視察船「新東京丸」に乗り、海から改めて我々のまちを眺めることで、多くの方々が新たな東京を発見し、感嘆の声を上げられています。
 船の発着場へのアクセスについても、最寄りの駅から歩いて行き着けるようなわかりやすい案内サインは、おもてなしの一つでもあります。
 「新東京丸」乗船場へのサインシステム等の充実や、魅力をアピールする工夫について伺います。
 オリンピック・パラリンピック大会やラグビーのワールドカップを契機として、文化芸術振興にも一層の力を傾注し、東京をアピールしていくべきです。
 例えば、東京都交響楽団は、前回のオリンピックの際の記念文化事業として昭和三十九年に設立されましたが、世界の各都市との音楽交流、国内の学校、被災地と、さまざまな音楽交流を通して、心の潤いや都市の楽しさの面でも、今以上におもてなしの貢献が可能と考えます。都の見解を伺います。
 以上で結びとさせていただきます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 大津ひろ子議員の一般質問にお答えいたします。
 真の共生社会の実現についてでありますけれども、障害のある人もない人も社会の一員として、お互いに尊重して支え合いながら、地域の中でともに生活する、そういう社会が私の目指す共生社会であります。
 そのために、都はこれまでも、障害者が地域で安心して暮らせる社会、それから障害者が生き生きと働ける社会、全ての都民がともに暮らす地域社会、そういう実現を基本理念に掲げまして、さまざまな分野にわたって施策を展開してまいりました。
 四月には、障害者への不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を求めます障害者差別解消法が施行されます。
 現在、そのためのハンドブックやバリアフリーのガイドラインも作成しておりますけれども、障害者への理解をさらに深めていくためには、行政はもとより、民間事業者や都民一人一人が、社会のさまざまな場面において、心のバリアフリーを推進することが必要だと考えております。また、ユニバーサルデザインのまちづくりも一層進めていかなければならないと考えております。
 ご承知のように、東京は世界で二回目のパラリンピックを初めて開催するまちであります。そのレガシーとして、障害者がその能力を生かして、みずからの行動を決して、そして夢を追い続けることができる、いわゆるノーマライゼーションと、こういう理想を掲げて、真の共生社会を実現するために、ソフト、ハード両面で努力をしていきたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、警視総監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監高橋清孝君登壇〕

○警視総監(高橋清孝君) ビッグイベント時における警備についてでありますが、渋谷駅周辺等の繁華街において多くの人が集まる機会には、雑踏事故やトラブルの発生が懸念されることから、こうした事案の防止が重要であります。
 このため、警視庁では、雑踏事故やトラブルの防止、一般交通の円滑と安全を確保するとともに、地域の平穏を保つため、必要に応じて機動隊を配置し、周辺地域の通行制限や集まった方々の整理誘導を行っております。
 今後も、各種メディアを通じ、警備の必要性や方法について積極的な情報発信を行い、繁華街を訪れる方々の理解と協力の確保に努めるとともに、自治体や公共交通機関、地域住民の方々と協力しながら、各種事故防止等の万全を期してまいります。
   〔消防総監高橋淳君登壇〕

○消防総監(高橋淳君) 住宅におけるたばこを原因とする火災についてでありますが、平成二十七年中の速報値では、東京消防庁管内のたばこによる火災の死者は十六人であり、住宅火災における死者六十九人の二三・二%を占めております。
 このため、当庁では、ホームページ、リーフレット等の活用により、喫煙管理の徹底など、たばこによる火災の防止対策を広く都民に注意喚起するとともに、火災の早期発見に効果がある住宅用火災警報器の設置や防炎効果のある寝具類の普及促進に努めております。
 また、高齢者等を対象に、消防職員が直接訪問する防火防災診断により、たばこによる火災を含めた住宅火災の発生防止を図っております。
   〔病院経営本部長真田正義君登壇〕

○病院経営本部長(真田正義君) 首都災害医療センター、仮称でございますが、その整備についてでございます。
 都立病院は、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスを確保することを基本的役割としております。
 首都災害医療センターは、基幹災害拠点病院としての機能を強化するとともに、救急医療や新たな医療課題にも対応してまいります。
 移転改築に当たっては、地域の理解と協力が必要不可欠であることを認識した上で、地域住民や渋谷区を初めとする関係機関と連携しながら、検討を進めてまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、アスベストに係る立入検査等についてでございますが、都では、解体工事の規模により、区市と分担してアスベスト飛散防止指導を行うとともに、労働基準監督署とも共同立入検査を実施し、アスベスト解体工事の届け出がなされた工事現場の九割以上に立入検査を行っております。
 また、届け出のない解体工事現場にも、廃棄物の処理の確認とあわせて、抜き打ちで検査を行っております。
 こうした取り組みを、工事事業者向けの講習会などを通じて周知し、無届け及び不適正解体防止を推進しております。
 加えて、区市担当職員に対して、アスベスト診断士などの資格を有する都の専門職員による講習会の充実や解体工事現場での技術支援を図るなどにより、アスベスト飛散防止のための対策を強化してまいります。
 次に、今後の3R施策の展開についてでございますが、都はこれまでも、小型家電のリサイクルや食品廃棄物の排出抑制、いわゆるリデュースを初めとする3R施策の促進を図ってまいりました。
 今回の廃棄物審議会による最終答申では、これまでの3R施策の成果などを踏まえて、使い捨て型ライフスタイルの見直しや再生品の利用拡大など、3Rのさらなる推進策を廃棄物処理計画に盛り込むことを提言しております。
 今後、国の統一分別ラベルの導入に向けた検討などにも、現場をよく知る都が積極的に提言を行うなど、そのリーダーシップを発揮し、国や区市町村、関係各局と連携しながら、二〇二〇年大会とその後を見据え、3R施策を含む廃棄物行政を展開してまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕

○建設局長(佐野克彦君) 都立庭園への来園者に対するサービス向上の取り組みについてでございますが、都立庭園は、いずれも文化財に指定されるなど、我が国を代表する名園であり、多くの方々に楽しんでいただけるよう、来園者の利便性を高めるとともに、新たな魅力を発信することは大変重要でございます。
 都立庭園では、初めて訪れる来園者にも最寄りの駅からの経路がわかるよう、案内表示を設置するなどの取り組みを行ってまいりました。また、六義園では、しだれ桜やもみじ、浜離宮恩賜庭園では近代的なビルを背景とした茶屋群のライトアップを実施してまいりました。
 今後とも、来園者の利便性や庭園の魅力を高めることで、都立庭園のサービス向上に積極的に取り組んでまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) 「新東京丸」についてのお尋ねでございます。
 「新東京丸」は、首都圏四千万人の生活と産業を支える東京港の役割や、日々発展していく臨海部の魅力をより多くの皆様に知っていただくための、都が運航する視察船でございまして、都民を初め、東京への国内外の来訪者など、年間一万二千人の方々に利用していただいております。
 船着き場となる竹芝小型船桟橋へのアクセスなどにつきましては、現地に看板を設置するとともに、パンフレットやホームページに地図を掲載しております。
 今後とも、おもてなしという視点から、利用者にとってよりわかりやすく、かつ、より魅力が伝わりやすくなるよう、ホームページに掲載する地図や案内表示等に工夫を凝らすなど、一層の改善を図ってまいります。
   〔生活文化局長多羅尾光睦君登壇〕

○生活文化局長(多羅尾光睦君) 東京都交響楽団の取り組みについてですが、半世紀の歴史の中で日本を代表する交響楽団に成長した都響は、定期演奏会を中心に活動し、あわせて小中学校向けの音楽鑑賞教室や福祉施設への出張コンサートなど、多くの人々に音楽と触れ合う場を提供しております。
 また、昨年創立五十周年を迎えたことを記念して、ヨーロッパ五カ国、六都市において公演を行いましたが、毎回多くの聴衆が訪れ、高い評価をいただいたところでございます。
 東京二〇二〇大会に向けて、世界的指揮者である大野和士氏を音楽監督として今年度から迎え、質の高い演奏活動を通じて、より多くの人々に音楽の魅力や感動を伝えていくとともに、文化都市東京を国内外にアピールしてまいります。

○議長(川井しげお君) 十番やながせ裕文君
   〔十番やながせ裕文君登壇〕

○十番(やながせ裕文君) 福祉先進都市を実現する。舛添知事の所信表明を頼もしく聞いておりました。
 このチャレンジは都民の誰もが歓迎するものであり、一刻も早い実現を望むものです。保育、子育て、介護、障害者支援など、手厚い予算が組まれ、都民福祉の向上は着実に図られているものと思います。一人一人が活躍できる社会へという知事の基本理念に賛同するものですが、それを実現し、持続していくためには、もっともっと自己改革と経済成長への取り組みが必要だという観点から質問をしていきます。
 まず、財政についてであります。
 知事は、必要なところに必要な予算をつけるといいます。当然なことといえば当然ですが、これでは財政は膨張を続けるばかりです。今後、急速な高齢化で莫大な財政需要の増加が見込まれる中、都税収入の先行きは不透明です。二〇二〇年大会までの基金が七千三百億円、それ以外の基金が一兆一千億円となっていますが、過去一年間で一兆円の税収減を体験した都政において、盤石な基盤とは到底いえないものです。
 これまで、長期の財政計画を策定するべきだ、都債発行額にキャップをはめるべきだという提案をしてきましたが、歳出の膨張を抑える仕組みが必要です。
 そこで、財政規律を保つため、目標となる財政運営上の指標が必要と考えますが、見解を伺います。
 知事には、今現在困難な状況にある人だけでなく、将来爆発的にふえる高齢者や、十年後、二十年後の都民にも目を向けた財政運営をお願いしたいと思います。
 また、歳出を抜本的に削減する改革は進んでいません。何か新しい事業を始めるには、何か既存の事業をやめなければならないはずです。
 しかし、好調な税収のもと、事業をスクラップすることへのモチベーションは低く、事業評価の三百億円は政策的経費の一%にも満たないものです。
 知事は、必要な改革を必要なときに行うといいますが、自主的な改革で大なたを振るうことはできません。目標もなく、改革の方向性が示されていないことが問題なんです。
 天下りし放題の監理団体には、さまざまな理由をつけて一千億円を超える特命随意契約が続いています。監理団体の経営目標管理制度は、前年度より低い目標を設定し評価を高く見せかけるなど、骨抜きの状態といわざるを得ません。民でできることは民でという思想のもと、まず、この監理団体のあり方から正すべきであります。就任から二年がたちました。もう庁内を熟知されていることと思います。
 知事は、この内部改革をどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 また、都民の理解をなかなか得られないのが都市外交であります。
 二十八年度十九億円が計上されており、知事の海外出張経費は五回で三億三千万円としています。一回七千万円です。知事が海外で東京の魅力を発信することは必要ですが、都民からの理解を考慮すれば、経費は最小限にとどめるべきです。出張経費などの費用の縮減に努めるとともに、都民に対して成果を丁寧に説明することが必要と考えますが、見解を伺います。
 二〇二〇年東京大会の開催費用は大丈夫でしょうか。
 昨年末には、総額一兆八千億円という金額が報道されました。しかし、先日の国会質疑でも、大会費用の総額について、現時点で組織委員会でも政府でも把握していないとの答弁がなされています。予算総額をはじくと責任を押しつけられるとでも考えているのか、誰も積極的にコスト管理に乗り出そうとしません。招致のときとは事情が変わってきているとのことですが、状況の変化に応じてコストを算出すればいいだけの話です。誰もそれをしないことこそが問題なんです。これでは、誰も責任をとらない、無責任体質の繰り返しとなってしまいます。
 知事は、三兆円は必要だと発言していますが、これは何か根拠があるんでしょうか。立候補ファイルには、大会組織委員会が資金不足に陥った場合には都が補填すると書かれており、三兆円が必要だとするならば、その大部分を都が支払わなければならない可能性があります。知事の答弁を聞いていると、国や組織委員会が払ってくれるんではないか的なニュアンスを感じますが、国立施設すら負担を求められているのですから、期待するのは間違いです。
 そこで、知事に質問ですが、現時点で大会の総費用をどれくらいかかると認識しているのか。三兆円というのであれば、その根拠をお示しください。また、その中で都が支払う費用は幾らとなるのか、その財源をどう考えているのか、知事の見解を伺います。
 また、知事は第三者的な立場からではなく、大会経費の把握や分担について、国や組織委員会をリードするとともに、都民への説明責任を果たすべきと考えますが、見解を伺います。
 二〇二〇年大会の成功は、いかに費用面でもコンパクトに実施できるかにかかっています。運営費用を低減するとともに、これ以上混乱を招かないようにリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 また、受動喫煙防止の条例化については、これはなぜ先送りをするのでしょうか。国の動向に関係なく、むしろ国に先駆けて、開催都市としての責務を果たすべきです。一刻も早い条例制定を望みますが、見解を伺います。
 安定した税収を得るためには、経済成長が欠かせません。
 政府は、GDP六百兆円を目指すとの意欲的な姿勢を打ち出しました。都はこれに応じ、的確な施策を全力で講じるべきです。有効な施策は、競争政策、規制緩和、民営化でしょう。
 一日九百万人以上という世界一の乗客数を誇る東京の地下鉄が一元化し、民営化されれば、莫大な富を生み出します。そして都民の利便性は飛躍的に向上します。
 しかし、懸念されるのはメトロ株の扱い。昨年、会計検査院が、国と都の売却に向けた協議がたなざらしとなっていると指摘。東京メトロ株は復興財源確保法に基づき、売却収入を東日本大震災の復興債の償還財源に充てることとなっています。この指摘を受けて、国はメトロ株をどうしていくか、注視が必要ですが、地下鉄一元化を展望し、都は安易にメトロ株を手放してはいけません。
 地下鉄一元化及びメトロ株の売却について、知事の所見を伺います。
 経済を活性化していく上で、都はその巨大な資産を生かすべきです。
 国土交通省は、日本全体の不動産資産二千四百兆円のうち、公的不動産が五百七十兆円を占め、この効率的な運営が経済の活性化につながるとして、PRE戦略を進めています。
 都では、財務局が所管する土地のうち、百九十万平米が未利用地となっており、これは東京ドーム四十個分の広さに相当します。福祉利用など検討してきましたが、目的に合った土地は少なく、そのほとんどが資材置き場など暫定利用されています。将来の行政需要を考慮するなどという理由で莫大な土地を塩漬けにすることなく、民間活用を図るべきであります。
 これらの未利用地を早期に売却することを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 観光産業への投資を急ぐべきです。
 現在の急激な外国人観光客の伸びは円安によるところが大きいですが、為替変動や外交など、外部環境に左右されず、継続して観光客を呼び込むために、都市の魅力を飛躍的に高める、カジノを含むIRを誘致するべきです。知事の言葉でいうなら、アフターディナーの楽しみとして有効であることはいうまでもありません。
 法案審議が進んでいませんが、その成立を見越して考えたならば、検討を加速させる必要があります。プログラム法だからといって悠長に構えていては、魅力的な観光コンテンツを欲しがる都市が多数存在する中で、エントリーすることもできないでしょう。
 知事は早急に方針を示すべきであります。誘致に向けた積極的な取り組みを進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 また、カジノ誘致とともに、ギャンブル依存症対策を進めるべきです。
 私は、カジノ施設は外国人しか利用できないとすることがよいと考えていますが、既に我が国はパチンコ、パチスロがまち中にあふれ、競馬、競輪、競艇、オートレースを公営ギャンブルとして実施しており、カジノの有無にかかわらず、ギャンブル依存症は大きな問題で、取り組みが必要です。
 先日、パチンコに行くため、子供を全裸にして浴室に監禁したという三十二歳母親と内縁の夫が逮捕されるという非常に痛ましい事件がありました。同様の事件は非常に多く見られており、ギャンブル依存症はネグレクトなど児童虐待を引き起こす原因でもあるのです。
 しかし、ギャンブル依存症や児童虐待は、患者や被害者の声が届きにくく、なかなか対策が進まない、予算がつきにくい課題です。また、解決には、一人一人と長期にわたって
向き合う必要があり、莫大な予算が必要です。
 昨年の会派要望では、これらの取り組みを大きく前進させるために、法定外目的税としてのパチンコ税への導入を要望しました。都には全国の一割に当たる一千店舗以上のパチンコ店が集中しており、パチンコ税は都において、平成十二年に環境対策として導入が検討された経緯があります。
 ギャンブル依存症が引き起こすさまざまな社会的な影響への対策を進めるため、都がこの問題に先駆的に取り組む意義は大きいと考えます。
 パチンコ税の導入を検討するべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、今週末に開催される東京マラソンについて伺います。
 記念すべき第十回目を迎える中、抽せん倍率が十倍と高どまりし、なかなか当選できないという声を多数いただいています。ランナー団体の調査でも、九回エントリーしても一回も当選していない、五回以上エントリーしてもなかなか当選できない、非常に多くの方がこういう声を届けられています。同様の課題を持つ神戸マラソンでは、二万人のランナーのうち、二千人を初出場枠として設定しています。
 東京のよさを知ってもらうこの取り組みに向けて、これまで抽せんに外れて走れなかった方が優先的に参加できるような仕組みをつくるなど、一人でも多くの方に東京マラソンを体験してもらうべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) やながせ裕文議員の一般質問にお答えします。
 まず、行政内部の改革についてご質問がございました。
 都知事となって二年たちました。私は、東京の発展と都民生活の充実のために、長期的な視点に立った政策の種をまいてきたと思っております。
 これらの種を成果として開花させるためには、個々の事務事業や行政内部のあり方について、ご指摘のように不断の改革に取り組むことが重要であると考えております。
 そこで、平成二十八年度予算編成におきましても、事業評価の取り組みを通じて、三百二十五件の事業の見直し、再構築を図るなど、自己改革の取り組みを一層徹底しているところでございます。
 また、限りある人材の有効活用の観点から、必要な人員は、監理団体を含めまして、確実に措置をする一方、係制の廃止、それから人事管理における成績主義の一層の推進など、執行体制の強化にも努めてまいりました。
 さらに昨年末には、利害関係企業等への求職活動規制や外部有識者で構成される委員会の設置などをいたしまして、他に例を見ない厳格で透明性の高い退職管理条例を新設いたしました。
 このように、必要な予算や人員は確実に措置するとともに、時宜を得た改革も果敢に断行していくことが、現実の行政展開に依拠した私の一貫した方針でございます。
 今後とも、不断の改革に取り組みつつ、見直すべきところは大胆に見直して、世界一の都市東京の実現に向けて、都政運営に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、二〇二〇年東京大会の経費についてご質問がございました。
 私は、ロンドン大会などの例を見て、三兆円という数字を申し上げました。いろんな数字が推測を含めて出てきておりますけれども、ご承知のように、その後のテロの脅威の増大、それから資材や人件費の高騰などで、大会を取り巻く環境が大きく変化をしつつありますし、また新たな問題も出てきております。
 そこで、我々が開催都市でありますけれども、国も組織委員会もかかわっておりますので、しっかりと責任を持って調整をしていきたいというふうに思っておりますし、ご指摘のように、不断に大会経費については精査するとともに、都民、国民に対する説明はきちんとやっていきたいというふうに思っております。
 先般申し上げましたように、私は開催都市の責任者として、関係者の先頭に立ちまして、大会準備を着実に進め、何としても大会を成功に導いていきたいと考えております。
 それから、地下鉄の経営一元化の話でございますけれども、確かに一元化というのも一つの手だというふうに思いますが、国は国で、経営一元化には課題が多いということを、そういう認識を持っておりまして、いろいろ話をしましても、関係者の間で意見の隔たりが非常に多くございます。だから、もう少し協議を継続することが必要だというふうに思っております。
 長期的には、私は、経営一元化というのは展望の中に入れていいと考えておりますけれども、今の段階で余りにも隔たりが多いと。そこでまずやるべきことは、二〇二〇年大会があります。都民の利便性、それから外国人の方もたくさん来られますので、そういう方の利便性を高めるために、できるところから地下鉄全体のサービスの向上に全力を挙げるべきだというふうに思っております。
 東京メトロ株の売却については、都としては今のところはその意向はございません。
 その他の質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔財務局長長谷川明君登壇〕

○財務局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、財政運営についてでございますが、都税収入が景気の動向に大きく影響されるという財政構造のもと、安定的に都民サービスを提供していくためには、強固で弾力的な財政基盤を堅持していくことが不可欠であります。このため、各種の財政指標も活用し、財政の健全性に常に留意して、みずからを律していく必要がございます。
 こうした認識のもとで、自己改革の取り組みを徹底し、基金や都債を戦略的かつ計画的に活用することなどにより、二十八年度予算編成におきましても、長期ビジョンを軸に積極的な施策展開を図りながら、起債依存度、起債残高といった指標は、国や地方と比較いたしまして、大幅に低い水準となっております。
 引き続き安定的な施策展開を支え得る健全な財政運営を行ってまいります。
 次に、未利用地の売却についてでございますが、都有地は都民から負託された貴重な財産でありまして、都政の喫緊の課題解決のため、最大限有効活用する必要がございます。
 都は、過去の財政再建期におきまして、不用資産の売却を進めてまいりましたが、平成十九年に今後の財産利活用の指針を策定し、現在は、都政の諸施策の実現に向け、都有地の利活用を推進しております。
 このため、特に貴重なまとまった用地につきましては、可能な限り暫定活用を図りながら、将来の需要も見通した上で、利活用の検討を行っております。
 一方、狭小地や不整形地など活用の見込みがない都有地につきましては、積極的な売却を行っております。
 今後とも、さまざまな行政需要に対し、土地の形状や立地等を踏まえ、都有地の有効活用を適切に進めてまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 都市外交についてですが、二〇二〇年東京大会を成功に導き、世界一の都市東京を実現する手段として、都市外交が果たす役割は重要であり、そのために必要な予算を計上してございます。
 都はこれまで、首長相互の訪問や海外諸都市との実務レベルでの交流、協力事業を通じて、各都市の先進事例を学び、都が抱える都市問題の解決に結びつけてまいりました。
 知事の海外出張につきましては、必要な経費の精査を十分に行うとともに、その取り組みや成果については、知事みずからさまざまな機会を捉えて発信し、都庁ホームページ等におきましても、経費を含めて随時公表しているところでございます。
 今後とも、都市外交の成果を都民に還元していくとともに、迅速的確な情報発信に努めてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 受動喫煙防止対策についてお答えをいたします。
 国は、昨年十一月に閣議決定した二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の基本方針において、近年の開催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえながら、競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を強化することといたしました。
 そのための検討チームを先月立ち上げ、受動喫煙防止措置の対象となる施設、区域の範囲などについて検討を開始しており、都もオブザーバーとして参加をしております。
 都が設置した受動喫煙防止対策検討会からも、受動喫煙の問題に地域特性はなく、全国統一的な法律での規制を国に働きかけるよう提言をいただいております。
 今後とも、国と連携を図りながら、実効性のある受動喫煙防止対策を進めてまいります。
   〔港湾局長武市敬君登壇〕

○港湾局長(武市敬君) IRについてでございますが、ホテルやリゾート施設、カジノなどを一体的に整備したIRは、海外の例を見ると、有効な観光資源となっております。
 その反面、カジノを含むIRの導入には、ギャンブル依存症など、さまざまな課題があるともいわれております。
 こうしたことから、現在、海外におけるIRの現状を調査するなど、プラス、マイナス双方の影響を十分に見きわめるための検討を行っているところであります。
 今後、国会審議の動向を踏まえつつ、引き続き検討を進めてまいります。
   〔主税局長小林清君登壇〕

○主税局長(小林清君) パチンコ税についてでありますが、新たな税を検討する際には、公平、中立、簡素の租税原則を踏まえつつ、一部の限られた個人や企業のみに特別に重い税負担を課すことがないよう配慮しなければなりません。
 パチンコに対する課税につきましては、課税の根拠を何に求めるかを初め、いわゆるギャンブルの中でパチンコに限定することが妥当であるか、また課税の仕組みをどのようにするかなどの課題がございます。
 これらの点は、昨年度の国の研究会においても指摘をされておりまして、都は今後とも、議論の動向を注視してまいります。
   〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 東京マラソンについてでございますが、東京マラソンのランナーの決定に際しましては、一般抽せんを行うに当たり、毎年、応募者からコンピューターにより無作為に抽せんすることで、公平を期しております。
 その上で、主催者である東京マラソン財団では、チャリティーランナー制度や、会員登録をすることによって抽せんの機会がふえる制度など、さまざまな参加形態を導入してまいりました。
 さらに、大会当日には、コースの一部を使って家族で走るファミリーランを開催するなど、より多くの人に東京マラソンを体験していただく機会をふやしております。
 今後とも財団と協力して、こうした工夫を通じ、大会の価値を高め、走る楽しみや東京の魅力を伝えてまいります。

○議長(川井しげお君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(川井しげお君) これより日程に入ります
 日程第一から第百二十六まで、第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算外議案百二十四件、諮問一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

○副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました百二十六議案についてご説明を申し上げます。
 第一号議案から第二十七号議案までは、平成二十八年度予算案でございます。
 平成二十八年度予算は、世界一の都市の実現に向けた取り組みを加速化、深化させ、力強く前進させる予算と位置づけ、編成いたしました。
 第一号議案は一般会計予算でございまして、総額七兆百十億円を計上しております。
 第二号議案から第十六号議案までの十五議案は特別会計予算でございます。それぞれの事業に必要な経費として、総額四兆四千五百三十九億円を計上しております。
 第十七号議案から第二十七号議案までの十一議案は公営企業会計予算でございます。病院、交通、水道、下水道などの経営に要する経費として、総額二兆一千九百十一億円を計上しております。
 第二十八号議案から第九十四号議案まで及び第百十七号議案から第百二十五号議案までの七十六議案は条例案でございます。
 まず、新設の条例が四件ございます。
 第四十三号議案、東京都消費生活総合センター条例は、消費者安全法の一部改正に伴い、東京都消費生活総合センターの組織及び運営等に関して必要な事項を定めるものでございます。
 第四十五号議案、東京都障害者スポーツ振興基金条例は、誰もがスポーツに親しむことができる都市の実現に向け、障害者スポーツの振興に資する施策を推進するため、基金を設置するものでございます。
 このほか、基金を新設するものが一件ございます。
 また、平成二十七年度分の都区財政調整について再算定を行うものが一件ございます。
 次に、一部を改正する条例が七十件ございます。
 第二十九号議案、東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、東京都特別職報酬等審議会答申を踏まえ、給料の額を改定するものでございます。
 このほか、給料、報酬等に関するものが九件ございます。
 第三十二号議案、東京都職員定数条例の一部を改正する条例は、平成二十八年度の職員定数を定めるものでございます。
 このほか、職員に関するものが四件ございます。
 第三十四号議案、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、市町村における事務処理の特例に関する規定を改めるものでございます。
 このほか、区市町村に関するものが二件ございます。
 第三十五号議案、東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例は、基金の額を改めるものでございます。
 このほか、基金に関するものが四件ございます。
 第四十号議案、東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例は、都市再開発事業の実施地区に泉岳寺駅地区を加えるものでございます。
 第四十一号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車への自動車税等の課税免除措置期間を延長するものなどでございます。
 第四十六号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例は、駒沢オリンピック公園総合運動場の弓道場改築に伴い、利用料金を改定するものでございます。
 このほか、使用料、手数料に関するものが六件ございます。
 第六十七号議案、東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例は、認定こども園の認定に係る事務を八王子市に移譲することとなったため、規定を整備するものでございます。
 このほか、福祉に関するものが八件ございます。
 第七十五号議案、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例は、権利放棄の対象となる再生計画等に係る規定を改めるものでございます。
 第七十七号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例は、築地市場から豊洲市場への移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 このほか、組織、施設に関するものが三件ございます。
 第七十九号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例は、指定取り消しの要件に該当した特定地球温暖化対策事業所が削減義務期間の終了年度を選択できるようにするものなどでございます。
 第八十六号議案、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例は、風営法の一部改正に伴い、新たに規定される特定遊興飲食店営業について、必要な規制を定めるものなどでございます。
 このほか、都民の安全・安心に関するものが八件ございます。
 以上のほか、法令改正に伴う規定整備などの一部改正が十四件ございます。
 次に、廃止する条例が二件ございます。
 第四十二号議案、東京都スポーツ・文化振興交流基金条例を廃止する条例は、基金を廃止するものでございます。
 第六十六号議案、東京都養護老人ホーム条例を廃止する条例は、東村山老人ホームの廃止に伴うものでございます。
 第九十五号議案から第百三号議案までの九議案は、契約案でございます。
 第九十五号議案、オリンピックアクアティクスセンター(仮称) (二十七)新築工事請負契約など、契約金額の総額は約千二百三十九億七千万円でございます。
 第百四号議案から第百十三号議案までの十議案は事件案でございます。
 第百四号議案、包括外部監査契約の締結についてなど、それぞれ地方自治法等の規定に基づき議決をお願いするものでございます。
 第百十四号議案から第百十六号議案までの三議案は、平成二十七年度最終補正予算案でございます。
 将来の財政需要への備えとしての基金の積み立てや、国の補正予算に速やかに対応した交付金の事業化など、一般会計二千百八億円のほか、特別会計を合わせ四千百十億円を補正するものでございます。
 次に、諮問でございます。
 諮問第一号は、建設局長が行った霊園管理料の督促処分について審査請求があったため、地方自治法の規定に基づき諮問するものでございます。
 上程になりました百二十六議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都公安委員会委員でございます。
 一名の欠員がございますので、前田雅英氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都固定資産評価審査委員会委員でございます。
 三月三十一日に任期満了となります四名の委員のうち、江川紀美子氏及び西江章氏につきましては再任し、小谷芳正氏、北澤秀樹氏の後任には、國武久幸氏及び橘田万里惠氏を選任いたしたいと存じます。
 次に、東京都公害審査会委員でございます。
 三月三十一日に任期満了となります十五名の委員のうち、河東宗文氏、牛島聡美氏、今井章久氏、山本貢平氏、矢野博夫氏、片谷教孝氏、細見正明氏、崎田裕子氏、小島正美
氏及び苅田香苗氏の各氏を再任し、外井浩志氏、小倉京子氏、佐藤泉氏、江尻京子氏及び野村恭子氏の各氏を新たに任命いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(川井しげお君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条第四項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会及び教育委員会の意見をそれぞれ徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(新美大作君) 人事委員会の回答は、第三十号議案、第三十一号議案、第四十九号議案、第五十号議案、第五十二号議案から第五十五号議案、第八十五号議案及び第九十二号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。
 また、教育委員会の回答は、第四十八号議案について、異議はないとの意見であります。

二七人委任第一四四号
平成二十八年二月十六日
   東京都人事委員会委員長 青山  やすし
 東京都議会議長 川井しげお殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十八年二月十日付二七議事第四三一号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第三十号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関
する条例の一部を改正する条例
二 第三十一号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
三 第四十九号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
四 第五十号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
五 第五十二号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
六 第五十三号議案
義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
七 第五十四号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
八 第五十五号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
九 第八十五号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
十 第九十二号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第二十七までについては、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十七までは、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元の配布の名簿のとおりに指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。
   〔予算特別委員名簿は本号末尾(二三七ページ)に掲載〕

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第二十八から第百二十六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託したいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、日程第二十八から第百二十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれの所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都公安委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔新美議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について一件

二七財主議第四六九号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都公安委員会委員に任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     前田 雅英

      略歴
現住所 東京都目黒区
前田 雅英
昭和二十四年七月二十三日生(六十六歳)
昭和四十七年三月  東京大学法学部卒業
昭和四十七年四月  東京大学法学部助手
昭和五十年九月   東京都立大学法学部助教授
昭和六十一年三月  法と精神医療学会理事
昭和六十三年七月  東京都立大学法学部教授
平成三年七月    司法試験考査委員
平成六年五月    日本刑法学会理事
平成十二年四月   東京都情報公開審査会委員
平成十三年四月   東京都個人情報保護審査会委員
平成十三年六月   警察庁総合セキュリティ対策会議委員長
平成十三年十月   警察庁政策評価研究会座長
平成十五年四月   東京都立大学法学部長・大学院社会科学研究科長
平成十七年四月   首都大学東京都市教養学部長・大学院社会科学研究科長
平成十七年四月   首都大学東京法科大学院教授
平成十七年七月   内閣官房情報セキュリティ政策会議委員
平成十九年三月   厚生労働省中央社会保険医療協議会公益委員
平成十九年四月   厚生労働省診療行為に関連した死亡に係る死因究明などの在り方に関する検討会座長
平成十九年六月   文部科学省中央教育審議会専門委員
平成二十年九月   厚生労働省安心と希望の介護ビジョン座長
平成二十一年七月  内閣官房情報保全の在り方に関する有識者会議委員
平成二十三年七月  警察政策学会会長
平成二十三年十二月 法と精神医療学会理事長
平成二十三年十二月 人事院国家公務員採用総合職試験専門委員
平成二十五年十一月 厚生労働省厚生労働科学研究費評価委員会委員
平成二十七年二月  内閣官房サイバーセキュリティ戦略本部本部員
平成二十七年四月  日本大学大学院法務研究科教授
平成二十七年四月  首都大学東京法科大学院非常勤講師
平成二十七年七月  警察政策学会顧問
現在        日本大学大学院法務研究科教授

○議長(川井しげお君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川井しげお君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第二から第五まで、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について四件を一括議題といたします。
   〔新美議事部長朗読〕
一、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について四件

二七財主議第四七〇号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     江川紀美子

      略歴
現住所 東京都練馬区
江川紀美子
昭和五十一年八月二十日生(三十九歳)
平成十一年三月   日本女子大学家政学部住居学科卒業
平成十一年四月   西武不動産販売株式会社入社
平成十七年二月   一級建築士免許取得
平成二十一年三月  日本女子大学大学院家政学研究科通信教育課程家政学専攻修了
平成二十二年四月  西武文理大学サービス経営学部・看護学部非常勤講師
平成二十四年三月  日本女子大学大学院人間生活学研究科生活環境学専攻博士課程後期修了
平成二十四年四月  日本女子大学家政学部住居学科学術研究員
平成二十四年四月  跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科兼任講師
平成二十四年四月  東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科非常勤講師
平成二十四年四月  白梅学園大学子ども学部家族・地域支援学科非常勤講師
平成二十五年四月  東京都固定資産評価審査委員会委員
平成二十五年十二月 日本女子大学家政学部住居学科助教
現在        一級建築士
日本女子大学家政学部住居学科教授

二七財主議第四七一号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     西江  章

      略歴
現住所 東京都大田区
西江  章
昭和二十五年八月十八日生(六十五歳)
昭和四十八年十月 司法試験合格
昭和四十九年三月 京都大学法学部卒業
昭和四十九年四月 大蔵省入省
平成六年七月   東京国税局課税第一部長
平成七年六月   東京国税局総務部長
平成九年七月   国税庁長官官房企画課長
平成十年七月   国税庁長官官房人事課長
平成十三年七月  関東信越国税局長
平成十五年七月  国税庁課税部長
平成十六年七月  東京国税局長
平成十七年七月  税務大学校長
平成十八年七月  財務省退官
平成十八年八月  独立行政法人通関情報処理センター理事
平成二十年四月  横浜市立大学国際総合科学研究院特別契約教授
平成二十年七月  弁護士登録、成和明哲法律事務所勤務
平成二十四年四月 横浜市立大学国際マネジメント研究科客員教授
平成二十五年四月 東京都固定資産評価審査委員会委員
現在       弁護士
成和明哲法律事務所勤務

二七財主議第四七二号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員小谷芳正は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     國武 久幸

      略歴
現住所 東京都墨田区
國武 久幸
昭和三十五年十一月二十四日生(五十五歳)
昭和五十五年四月 国税庁入庁
昭和五十五年六月 武蔵府中税務署
昭和五十九年三月 専修大学法学部法律学科卒業
平成四年七月   成田税務署特別国税調査官付
平成六年七月   東京国税局課税第一部調査第三部門
平成八年八月   大和不動産鑑定株式会社入社
平成九年二月   税理士登録
平成九年二月   國武税理士事務所開業
平成十年三月   不動産鑑定士登録
平成十年三月   株式会社國武不動産鑑定開業
現在       不動産鑑定士
税理士
國武税理士事務所経営
株式会社國武不動産鑑定経営

二七財主議第四七三号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員北澤秀樹は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     橘田万里惠

      略歴
現住所 東京都大田区
橘田万里惠
昭和三十七年四月十四日生(五十三歳)
昭和六十年三月  慶應義塾大学経済学部卒業
昭和六十年四月  三菱信託銀行株式会社入社
昭和六十一年四月 宅地建物取引主任者登録
平成元年三月   不動産鑑定士登録
平成十一年七月  三菱信託銀行株式会社不動産鑑定部不動産鑑定コンサルタント
平成二十二年五月 三菱UFJ信託銀行株式会社不動産コンサルティング部副部長
平成二十四年三月 国土交通省土地鑑定委員会専門委員
平成二十四年五月 三菱UFJ信託銀行株式会社不動産コンサルティング部部長
現在       不動産鑑定士
三菱UFJ信託銀行株式会社勤務

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第六から第二十まで、東京都公害審査会委員の任命の同意について十五件を一括議題といたします。
   〔新美議事部長朗読〕
一、東京都公害審査会委員の任命の同意について十五件

二七財主議第四七四号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     河東 宗文

      略歴
現住所 東京都杉並区
河東 宗文
昭和二十九年一月二十日生(六十二歳)
昭和五十四年三月 中央大学法学部卒業
昭和六十一年四月 裁判官任官
平成元年四月   弁護士登録(東京弁護士会)
平成六年四月   東京弁護士会公害・環境特別委員会委員
平成十八年四月  東京弁護士会公害・環境特別委員会委員長
平成二十年四月  東京簡易裁判所民事調停委員
現在       弁護士(東京弁護士会所属)

二七財主議第四七五号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     牛島 聡美

      略歴
現住所 埼玉県川口市
牛島 聡美
昭和三十八年十月十三日生(五十二歳)
昭和六十二年三月 中央大学法学部卒業
平成七年四月   弁護士登録(東京弁護士会)
平成七年四月   東京弁護士会公害・環境特別委員会委員
平成十三年六月  日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会委員
平成十七年四月  東京弁護士会公害・環境特別委員会委員長
平成十八年六月  日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会副委員長
現在       弁護士(東京弁護士会所属)

二七財主議第四七六号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     今井 章久

      略歴
現住所 東京都目黒区
今井 章久
昭和二十二年一月三日生(六十九歳)
昭和四十四年三月 武蔵工業大学工学部電気通信工学科卒業
昭和五十年三月  早稲田大学大学院理工学研究科修了
昭和五十一年四月 武蔵工業大学工学部講師
昭和五十三年四月 武蔵工業大学工学部助教授
平成十九年四月  東京都市大学知識工学部准教授
平成二十四年三月 東京都市大学退職
現在       現職なし

二七財主議第四七七号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     山本 貢平

      略歴
現住所 東京都武蔵野市
山本 貢平
昭和二十五年四月十九日生(六十五歳)
昭和四十九年三月 九州芸術工科大学芸術工学部音響設計学科卒業
昭和四十九年四月 財団法人小林理学研究所入所
平成十三年四月  財団法人小林理学研究所常務理事兼所長
現在       一般財団法人小林理学研究所常務理事兼所長

二七財主議第四七八号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     矢野 博夫

      略歴
現住所 東京都練馬区
矢野 博夫
昭和二十七年二月十九日生(六十三歳)
昭和五十年三月  中央大学理工学部電気工学科卒業
昭和五十二年三月 中央大学大学院理工学研究科修士課程修了
昭和五十三年二月 東京大学生産技術研究所助手
平成八年四月   千葉工業大学工学部助教授
平成十二年四月  千葉工業大学情報科学部教授
現在       千葉工業大学情報科学部教授

二七財主議第四七九号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     片谷 教孝

      略歴
現住所 神奈川県横浜市
片谷 教孝
昭和三十一年三月十六日生(五十九歳)
昭和五十三年三月 東京大学工学部反応化学科卒業
昭和五十八年三月 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
昭和五十八年四月 富士通株式会社入社
平成四年四月   山梨大学工学部助教授
平成十九年四月  桜美林大学リベラルアーツ学群教授
現在       桜美林大学リベラルアーツ学群教授

二七財主議第四八〇号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     細見 正明

      略歴
現住所 東京都杉並区
細見 正明
昭和二十八年十一月三十日生(六十二歳)
昭和五十一年三月 大阪大学工学部環境工学科卒業
昭和五十二年一月 環境庁国立公害研究所研究員
昭和六十三年四月 環境庁国立公害研究所主任研究員
平成四年五月   東京農工大学工学部助教授
平成九年九月   東京農工大学工学部教授
平成二十四年十月 東京農工大学大学院教授
現在       東京農工大学大学院教授

二七財主議第四八一号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     崎田 裕子

      略歴
現住所 東京都新宿区
崎田 裕子
昭和二十六年四月十六日生(六十四歳)
昭和四十九年三月 立教大学社会学部卒業
昭和四十九年四月 株式会社集英社入社
昭和六十年三月  株式会社集英社退社
昭和六十年四月  ジャーナリスト
現在       ジャーナリスト

二七財主議第四八二号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     小島 正美

      略歴
現住所 千葉県白井市
小島 正美
昭和二十六年十二月二十五日生(六十四歳)
昭和四十九年三月 愛知県立大学外国語学部卒業
昭和四十九年四月 株式会社毎日新聞社入社
平成七年四月   株式会社毎日新聞社千葉支局次長
平成九年四月   株式会社毎日新聞社編集編成局生活報道部編集委員
現在       株式会社毎日新聞社編集編成局生活報道部編集委員

二七財主議第四八三号
平成二十八年二月十七日
         東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     苅田 香苗

      略歴
現住所 東京都世田谷区
苅田 香苗
昭和三十八年七月二日生(五十二歳)
昭和六十一年三月 東京大学医学部保健学科卒業
昭和六十三年三月 東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
平成元年十一月  帝京大学医学部助手
平成十三年七月  帝京大学医学部講師
平成十九年九月  杏林大学医学部准教授
平成二十七年四月 杏林大学医学部教授
現在       杏林大学医学部教授

二七財主議第四八四号
平成二十八年二月十七日
東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員 降俊秀は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     外井 浩志

      略歴
現住所 東京都大田区
外井 浩志
昭和三十年六月九日生(六十歳)
昭和五十六年三月 東京大学法学部卒業
昭和六十年四月  弁護士登録(第一東京弁護士会)
平成十年六月   日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会副委員長
平成十三年六月  第一東京弁護士会環境保全対策委員会委員長
平成二十二年四月 第一東京弁護士会副会長
平成二十二年四月 日本弁護士連合会常務理事
現在       弁護士(第一東京弁護士会所属)

二七財主議第四八五号
平成二十八年二月十七日
      東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員 中下裕子は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     小倉 京子

      略歴
現住所 東京都新宿区
小倉 京子
昭和三十二年八月二十六日生(五十八歳)
昭和五十八年三月 成城大学文芸学部卒業
平成五年四月   弁護士登録(第二東京弁護士会)
平成十八年四月  東京家庭裁判所家事調停官
現在       弁護士(第二東京弁護士会所属)

二七財主議第四八六号
平成二十八年二月十七日
      東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員 武田昌邦は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     佐藤  泉

      略歴
現住所 東京都練馬区
佐藤  泉
昭和三十四年五月二十八日生(五十六歳)
昭和五十七年三月 早稲田大学第一文学部卒業
昭和六十二年四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
平成十年五月   第一東京弁護士会環境保全対策委員会委員
平成十年六月   日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会委員
現在       弁護士(第一東京弁護士会所属)

二七財主議第四八七号
平成二十八年二月十七日
      東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員 猪熊律子は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     江尻 京子

      略歴
現住所 東京都調布市
江尻 京子
昭和三十年四月二十七日生(六十歳)
昭和五十五年三月 日本大学商学部卒業
昭和五十五年四月 京浜女子大学横浜高等学校商業科教諭
平成五年七月   えじり企画事務所代表
平成十五年四月  恵泉女学園大学人間社会学部非常勤講師
現在       ごみ問題ジャーナリスト

二七財主議第四八八号
平成二十八年二月十七日
      東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 川井しげお殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員 中館俊夫は平成二十八年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     野村 恭子

      略歴
現住所 東京都足立区
野村 恭子
昭和四十四年一月十七日生(四十七歳)
平成五年三月    帝京大学医学部卒業
平成十四年五月   ハーバード大学公衆衛生大学院修士課程修了
平成十五年三月   帝京大学医学研究科大学院社会医学博士課程修了
平成十五年四月   帝京大学医学部助手
平成十九年四月   帝京大学医学部講師
平成二十五年四月  帝京大学女性医師・研究者支援センター室長
平成二十五年十二月 帝京大学医学部准教授
現在        帝京大学医学部准教授

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第二十一及び第二十二、議員提出議案第二号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例外条例一件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第二号及び第三号については、趣旨説明を省略し、第二号は財政委員会に、第三号は文教委員会にそれぞれ付託されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第二号及び第三号は、趣旨説明を省略し、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二件及び陳情二十五件は、お手元の配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 明二十六日から三月二日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、明二十六日から三月二日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月三日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時三十三分散会

ページ先頭に戻る