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 (願  意) 
 都において、旧都立清瀬小児病院(以下「小児病院」という。)跡地の赤松林などを 
保全・保護していただきたい。 
 
(理  由) 
 私たち清瀬の自然を守る会は、宅地開発が進む中、年々市内の雑木林が減少する姿を 
目にし、緑豊かな清瀬を子どもや孫の代に引き継いでいきたいとの強い思いで、昭和51 
年に発足し、現在、会員300人で、毎年、市内に残る雑木林の下草刈りや落ち葉掃きな 
どの保全活動や、河川域湿地・河畔緑地樹林の保全ボランティア活動を都、清瀬市と連 
携して長年実施し、自然環境の保護保全活動に積極的に関わってきた。 
 昭和61年、結核研究所跡地が東京都の清瀬松山緑地保全地域に指定され、病院街の 
貴重な自然が今に残されたのも、当会の的確な提案と粘り強い行動が功を奏し実現した 
ものである。 
 
 このような中、平成13年には約3万6,000平方メートルの東京都職員共済組合清瀬 
病院の売却問題が浮上し、敷地内に残る希少な樹木や野草を含む緑を残すため、当会で 
は、敷地内の植生調査や、市民への自然観察会を開催する一方、東京都職員共済組合や 
東京都環境局、開発業者などに樹木の保全を再三訴えてきたが、2,000平方メートルの 
雑木林が残ったのみで、あとは全て伐採され264戸の住宅に開発されてしまった。 
 小児病院跡地は、約4万8,000平方メートルの面積を有し、良好な環境に恵まれた敷 
地内の一角には1万2,000平方メートルの貴重な赤松林がある。平成16年度の当会植 
生調査でも、敷地内樹木の30%に当たる270本の松が存在し、しかも、この一角に集 
中していることで、独特の松林の景観を創出している。市内及び多摩地区でもこれほど 
のまとまった松林はほかに存在しない。現在、東京都環境局多摩環境事務所、清瀬市と 
連携して市内全域の松枯れ防止対策を当会が中心となって展開しているが、松山の名残 
でもあるこの市内最大の貴重な赤松林を、何としても後世に残し保全するべきである。 
 
 清瀬市のみどりの基本計画でも、病院街の緑は最重要拠点と位置付けられる象徴的な 
緑だが、小児病院跡地はその中核となる緑地である。特に日本の文化とも言える個性的 
な松林は、かけがえのない緑で、一度伐採され失えば二度と復元することはできない。 
 都の「「10年後の東京」への実行プログラム2010」でも、「創出」「保全」の 
両面から緑あふれる東京を次世代へ継承する取組を推進するとしている。 
 また、「緑確保の総合的な方針」では、民有地については、緑を地域の資産として将 
来に引き継ぐとしている。都はこのような計画に従い、都有地である小児病院跡地の赤 
松林を自ら積極的に保全する義務があるのではないだろうか。 
 
 東京都職員共済組合清瀬病院跡地のように、二度と貴重な病院街の雑木林が開発によ 
って伐採されることのないよう、都の積極的な対応が求められる。 
 
 
 
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