トップ > 請願・陳情 > 平成20年第4回定例会付託 > 請願20第106号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(1項・2項・3項・7項・10項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

豊かな教育、私学助成の拡充に関する請願

番   号
付託委員会
20第106号   文 教   委員会付託
(願  意)
 私立学校について、次のことを実現していただきたい。
1 私立学校(幼、小、中、高、専修学校高等課程)に対する助成金を増額すること。
2 私立高等学校に対する40人学級編制推進補助を増額すること。
3 私立高等学校の40人学級を完全実施するため、私立高等学校に対する助成金の評
 価項目及び評価方法を更に改善すること。

7 私立学校の老朽校舎及び耐震化への改築、改造費の補助を拡充、増額すること。

10 文部科学省が行っている高等学校以下の私立学校(幼、小、中、高)に対する私学
 助成を増額させるよう、強く国に働きかけること。


(理  由)
 東京都において、私立学校に通学している児童生徒等の割合は、高校生が5割以上、
園児や専修学校生は9割を超え、公教育の中で私学の果たす役割が大きいことは言うま
でもない。
 平成20年度の私立高校経常費補助予算は、平成19年度に比べ約10億2,500万円
の増加となったが、公私間の格差はいまだ大きく開いている。
 平成19年度の私立高校の初年度納付金は、平均85万1,256円で、都立高校の12
万0,850円の約7倍にもなる。授業料は、私立高校の平均月額が3万4,186円で、都立高
校の9,600円の約3.6倍にもなっている。また、平成18年度の私立高校生一人当たりに
使われている公費(税)は35万0,045円、都立高校生は93万4,761円で、都立高校生
一人当たりの公費負担分の37%である。

 私立高校では、いまだに学級定員45人以上で生徒募集をしている学校もある。
 平成20年度の都内私立高校233校中、実際の学級編成人数の平均が40人以下は176
校(75.5%)であるが、41人以上45人以下が44校(18.9%)、46人以上50人
以下が12校(5.2%)、51人以上が1校(0.4%)である。私たちは、こうした現状
を変えるために30人学級を目標とし「40人学級の完全実施、35人学級の実現」を
主張してきた。

 豊かな質の高い教育が保障されるためには、教員数の確保も絶対に必要な条件である。
 平成19年度の都立高校では、教員一人当たりの生徒数が13.7人であるのに比べて、
私立高校では19.4人であり、公立の教員に比べ1.4倍となっている。こうしたことから
も、新たな助成制度の実現が求められている。

 平成19年3月の都内高校卒業者の約21.1%が専修学校・各種学校に進学している。
平成19年度から「私立専修学校教育設備等整備費補助」が「私立専修学校教育環境整
備費補助」と名称を変え、補助額も増加したが、補助事業対象は一般的な職業教育に向
けられたものであり、進学した生徒に対する助成金とはなってはいない。高等教育に対
する経常費補助など新たな助成制度の創設が求められている。

 私学の経営に占める公費の割合は大きいので、私学関係者は、私学経営の透明性を高
める不断の努力をする必要がある。東京都による財務情報公開のより一層の推進を図る
制度が必要である。

 すべての生徒が十分な教育条件の下で、生き生きとした豊かな学校生活を送ることが
できるよう願うものである。



※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。