トップ > 請願・陳情 > 平成30年第2回定例会付託 > 陳情30第28号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部採択(1項)
備  考


件  名

祖師谷公園における幼児用遊具の更新工事再開に関する陳情

番   号
付託委員会
30第 28号   環境・建設 委員会付託

(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
1 世田谷区にある祖師谷公園において、休止されている幼児用遊具(以下「遊具」と
 いう。)の更新工事を至急再開すること。

(理  由)
 祖師谷公園では、平成30年1月に、老朽化による遊具更新の決定に伴い、遊具設置
工事が開始された。しかし、同年2月頃、近隣の一部住民が遊具設置の中止を求める苦
情を提出したため、工事が中断された。
 その後、同年3月頃、建設局公園緑地部及び東部公園緑地事務所は一部住民と合意に
至り、過去に遊具があった場所に健康器具を設置し、遊具は樹木がある場所に移設する
こととして工事を再開する旨を、遊具設置予定地に掲示した。
 ところが、同年4月、健康器具の設置工事完了後、遊具設置工事が開始されると同時
に、再び一部住民が遊具設置に反対する意見を提出した。遊具設置場所の樹木が踏圧に
よって傷むためという、樹木保護を理由とするものであった。
 さらに、この一部住民が東部公園緑地事務所の説得を拒否し、都議会に陳情を提出し
たことを受け、現在、遊具設置工事は無期限休止となっている。
 近隣の子育て世代の親は、この状況に困惑し、深く憂慮している。
 当初は遊具が更新されるということで、近隣の子供たちやその保護者たちは大変喜ん
でいた。度重なる一部住民の執ような反対によって遊具が更新されない状況が続く中で
も、常に進捗を期待していた。しかし、今般、遊具設置工事が無期限休止に至ったこと
で、近隣住民の都政に対する不信と失望は限界に達している。
 祖師谷公園内に設置されている茶々そしがやこうえん保育園に通う約80名の園児た
ちは、一部住民の反対によってこれまであった遊び場を奪われ、園庭に指定されている
祖師谷公園を利用する際は、何もない平地を走ることしかできない。
 また、健康器具が設置された場所は、遊具撤去前は、平日、週末を問わず、子供たち
やその父母、祖父母、子供が好きな老齢世代など多数の人々が常時集まっており、子供
たちの遊び場であると同時に都民の貴重な交流の場でもあったが、現在は、平日、週末
を通しても、年配者の健康器具の利用を見ることはほとんどない。
 なお、祖師谷公園内には、ほかにも西部と北部に遊具コーナーがあるが、大型公園で
あることから、幼児の足では遊具コーナーまで往復20分以上を要するため、東南部を
利用する幼児及び児童は、そこまで足を延ばすことができない。遊具がないため、これ
まで集まっていた子供たちは離散し、同区域に集まる父母、祖父母の数も激減している。
 このように、茶々そしがやこうえん保育園の園児及び近隣の数百名規模の住民や子供
たちは、祖師谷公園東南部に遊びや交流の場がない深刻な状況となっており、既に5か
月が経過している。
 遊具設置工事がこれ以上休止されることは、子供たちが幼児である数年間の大半にお
いて、公園での遊び場を奪われることに等しく、子育てをする地域住民たちにとって到
底許容できるものではない。
 また、公園という緑豊かな環境を通じて地域社会のコミュニティを形成することが阻
害され、老若男女を問わず、笑いあふれる時間と空間を提供するという大型公園の使命、
すなわち都民全体の利益が著しく損なわれていると考える。
 都は、遊具設置工事を至急再開する必要がある。
 解決策として、稼働率が低い現在の健康器具を遊具設置予定場所へ移設し、過去に遊
具があった場所に更新遊具を設置すべきである。健康器具は利用者がほとんどいないこ
と、また、年配者は幼児のように走り回らないことから、遊具設置予定場所の周辺の樹
木が踏圧によって影響を受けることがない。また、過去に遊具があった場所も、これま
で子供たちが数十年遊んできた場所であるため、土地の履歴上、踏圧による周辺の樹木
への影響はない。



※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。