トップ > 請願・陳情 > 平成27年第3回定例会付託 > 陳情27第51号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(2項、6項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

平成28年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳


番   号
付託委員会
27第 51号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、定時制・通信制教育振興のために、次のことを実現していただきたい。
2 全ての都立定時制・通信制高等学校に、生徒下校時までのカウンセラー等の教育相
 談員の配置を行い、相談日数を増やすこと。
6 奨学金制度の整備・拡充を図ること。

(理  由)
 平成24年度より開始された都立高校改革推進計画では、定時制課程の給食の在り方
の見直しが、平成27年度から本格実施されている。定時制課程の給食制度は、発育盛
りの心身を作るためには大切な一食であり、生徒の家庭環境を踏まえ、自校調理、給食
内容、献立数の現行維持と給食費補助制度を堅持すべきである。また、放射能汚染など
による食品の安全性の強化と、これまで以上の、食の安全管理のための施設の拡充、器
具の更新等、一層の衛生対策の充実が必要である。

 定時制・通信制課程に在籍する生徒には、中学校時代の不登校経験や家庭問題、精神
的問題、金銭的問題等様々な課題を抱えていた者も多く、高等学校入学後も、その課題
が解消されてはいない。また、退学する生徒の割合が全日制課程に比べ非常に高い。こ
のような状況を踏まえ、生徒一人一人の「生きる力」、「勤労意欲」、「学習意欲」の
向上のために、専門的な視点から日常的に教育相談を実施できる相談員が必要である。
平成26年度から全都立高等学校にスクールカウンセラーが配置されたが、定時制課程
の授業終了時間までの勤務、相談日数の増加の必要がある。

 東京都教育委員会では言語活動を推進している。また、生徒たちの豊かな人間性を育
てていく上で読書は極めて重要である。具体的には、読書は言葉の感性を磨き、論理的
な思考力や表現力、想像力を高めることができる。しかしながら、図書館司書が配置さ
れていない都立高校や、図書館が授業終了前に閉館してしまう学校が多く、読書に親し
む機会を奪っている。そこで、全ての定時制・通信制課程に図書館司書教諭又は図書館
司書の配置と、定時制課程の図書館の開館開始時間及び閉館時間を、定時制の教員の勤
務時間と同じ時間帯にすべきである。また、生徒の言語能力向上のために、読書活動推
進の一環として、読書環境の整備・充実の必要がある。

 定時制・通信制課程において、部活動が活発化してきている。しかしながら、夜間に
対応できる施設が少なく、生徒の安全確保が難しいのが現状である。また、運動部の部
室が少なく、道具の保管、着替え等に問題が生じている。以上を踏まえ、定時制・通信
制課程の生徒のために、より一層の施設整備の拡充の必要がある。

 定時制課程の生徒の中には、家庭問題、友人問題を抱え、社会や家庭での居場所を確
保するのが難しい生徒がいる。居場所確保のために、始業時間前に高校に登校する生徒
が大幅に増加し、話し相手として友達、教員を求めている。この現状を踏まえると、定
時制・通信制課程専用教室又はフリースペース等の確保の必要がある。

 定時制・通信制課程生徒の学習や進路実現の支援のために、奨学金制度の整備・拡充
の必要がある。各種奨学金制度が拡充してきているが、不景気で収入減となる家庭が増
加しているので、東京都育英資金制度を維持すべきである。また、都立高校改革により
奨学金制度の改定が見込まれるので、現行の奨学金の維持の必要がある。



※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。