トップ > 請願・陳情 > 平成21年第4回定例会付託 > 陳情21第137号

請願・陳情の要旨

審査結果 採択
備  考


件  名

恩賜上野動物園へのパンダ受入れを速やかに実現することに関する
陳情

番   号
付託委員会
21第137号   環境・建設 委員会付託
(願  意)
 恩賜上野動物園(以下「上野動物園」という。)へのジャイアントパンダ(以下「パ
ンダ」という。)の受入れを、速やかに実現していただきたい。


(理  由)
 上野動物園では、36年間パンダを飼育し、この間パンダミルクを開発して、その技
術を中国に伝えるなど、パンダ保護に貢献してきた。また、パンダの展示を通じて、多
くの国民に野生動物保護の重要性を伝える努力をしてきた。
 昨年春にリンリンが死亡し、上野動物園からパンダが一頭もいなくなった。子どもた
ちはもとより、多くの方々は、引き続き上野動物園でパンダの飼育が継続できるよう、
新たなパンダの受入れを強く望んでいる。幸いにして、昨年5月、日中首脳が合意し、
上野動物園に中国からパンダのつがい一対を提供することが決まったことから、この合
意を速やかに実現していただきたいとの陳情を昨年6月に都議会に提出した。
 昨年9月の都議会における陳情の審査に当たっては、都として必要な調査をしていく
との話があり、調査の進展に期待していたところである。先ごろ、都の担当職員が中国
と交渉を始めるとの報道があり、私どもとしては、この動きは大変歓迎すべきことであ
る。

 パンダは、2004年の調査によると、野生下では約1,600頭が生息しているという
結果が出ている。この数字は、1980年代より増えているとのことであるが、絶滅の
危機からパンダを救うためには、更に生息数を増やす努力が求められている。
 WWF(世界自然保護基金)では、パンダを保護するよう世界各国に協力を呼び掛け
ている。中国は、パンダを国家一級の保護動物に指定し、パンダ保護センターで繁殖に
取り組むほか、主要な生息地を保護区域に指定するなど生息地の保護に取り組んでいる。

 世界の動物園では、パンダ保護を目的とした共同繁殖研究のために中国からパンダの
貸与を受け、パンダ保護のための支援費を支出している。こうした取組によって、人工
繁殖下におけるパンダの飼育数が着実に増えるとともに、パンダ保護区域の保全活動が
充実してきている。
 また、世界各地の動物園でパンダについて詳しく研究することは、繁殖などのための
技術的知見が蓄積し、パンダ保護にとって大きな力となる。

 野生動物の保護への取組はパンダに限らない。トキを日本の空に再び羽ばたかせるた
め、日本と中国は協力し合い、佐渡において2回目のトキの放鳥を成功させるまでにな
ってきた。パンダの保護に向けて、上野動物園にパンダを受け入れ、支援することは大
きな意義がある。
 上野動物園でパンダを飼育展示することで、子どもたちを始め多くの人々が、パンダ
の生態や生息地の状況を知り、地球環境保全の重要性を学べることは、大変意義深いこ
とである。
 ついては、中国と受入れに当たっての条件を詰め、早期に上野動物園へのパンダの受
入れを実現することが必要である。