トップ > 請願・陳情 > 平成20年第4回定例会付託 > 陳情20第115号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(1項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

東京都立大泉高等学校敷地内の樹木保護等に関する陳情

番   号
付託委員会
20第115号   文 教   委員会付託
(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
1 練馬地区中高一貫6年制学校開設工事について、早急に、地域住民及び学校関係者
 等を対象とする説明会を開催すること。


(理  由)
 都立大泉高校敷地内に開設される練馬地区中高一貫6年制学校の「基本計画」の中で、
従来は、「改修、修理」といわれている校舎について、平成20年9月に「全面改築」
という方針が校長から保護者に提示された。それも、現在のグラウンド内に、すべて新
築するということである。同年7月にはプロポーザルが公募され、10月には既に設計
事務所が決定し、測量も基本設計も始まっていることが報道されている。卒業生が同窓
会総会において、工事内容について学校に説明を求めたが、その場では回答がなかった。
その後、同窓会に対しては平成21年1月以降に説明するという回答があったが、開催
時期及び説明会の運営形式、参加者の範囲については明確ではない。現在、近隣住民、
保護者、卒業生等の関係者は、今後の計画について強い懸念を抱いている。基本設計完
了前に説明会を開催すべきである。

 練馬区東大泉五丁目3-1の都立大泉高校は、東京都の北西、練馬区の、武蔵野の面
影が残る地に位置している。緑の多い練馬区でも宅地化の進む中、構内には多くの樹木
を擁し、近くの石神井公園、牧野植物園等とともに、緑の環境を残し、周囲に提供して
いる。
 ことに、校門から玄関にかけてのアプローチとグラウンド周囲を囲むように植えられ
た桜の大樹は、都立大泉高校の前身である大泉中学校の第一期の先輩が、学校設立に当
たって一人一本ずつ手植えにしたもので、その後の保持、保全にも、同窓会は寄付等を
続け協力してきた。戦時を越え、戦後の長い年月を慈しまれてきた桜は、いわば、武蔵
野の面影をほうふつとさせ、自主創造の理想をうたう校歌とともに、都立大泉高校の伝
統そのものであると言える。

 校門から玄関までのアプローチの桜を含む並木については、都から残すという回答を
得ているが、アプローチ以外にも、グラウンド周囲、校舎周囲には樹齢50年に及ぶ大
樹を始め多くの樹木がある。これらの樹木が、今後保存されるのか懸念される。
 「緑の東京10年プロジェクト」には、公立小・中学校の校庭の芝生化が掲げられて
いるが、現在ある学校の緑、樹木は、それ自体、周辺に住むものにとっても、また、東
京都にとっても、貴重なものと思われる。都立大泉高校の桜咲くアプローチは、かつて
練馬百景にも選ばれ、在校生、卒業生のみでなく、多くの人々を楽しませてきた。
 近年、練馬区大泉地区は、桜の保持、保護に力を入れている。樹木の保全は時代の潮
流であり、中高一貫6年制学校の生徒にとっても、周囲の住民にとっても、大樹ととも
に暮らす環境は非常に望ましいものと考える。樹木は健康に良いだけでなく、心を落ち
着かせ、情操を養い、思索を深め、自然への愛情を育てる。これからの教育にふさわし
い環境を用意するだろう。中高一貫6年制学校開設準備室もうたっているとおり、都立
大泉高校の歴史、伝統を踏まえてこそ新しい学校の発展があり、新時代を開く力にもな
ると思う。都は、校内の桜を始めとする多種多様な樹木を保全し、貴重な緑の環境を残
すべきである。
 
 「練馬地区中高一貫6年制学校基本計画検討委員会報告書」には、「練馬地区中高一
貫6年制学校への改編に伴う施設整備については、現行の大泉高等学校を利用すること
を基本」とするという「施設整備方針」が示されている。また、景観維持の観点、環境
負荷軽減の観点からも、現在の都立大泉高校の施設を、練馬地区中高一貫6年制学校に
おいても極力活用すべきである。


 
※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。