トップ > 請願・陳情 > 令和2年第3回定例会付託 > 請願2第10号

請願・陳情の要旨

審査結果 意見付採択
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

都内公立校におけるICTを活用した教育の推進に関する請願

番   号
付託委員会
 2第 10号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
1 都内の全公立学校におけるICTを活用した教育の実施状況を把握するための調査
 をすること。
2 緊急事態宣言に伴う学校休業の終了後も児童・生徒が登校できない状況が生じ得る
 ことから、学びの保障のため都内の全公立学校においてオンライン教育を推進するこ
 と。また、この間に整備されたICT環境を活用し、日頃からICTを効果的に活用
 できるよう学校を支援すること。
3 今後、都内公立学校で休業措置が採られた場合に、児童・生徒が家庭に限らず学校
 でもオンライン教育を受けられるよう取り組むこと。

(理  由)
 新型コロナウイルス感染症対策として3か月にもわたる休業措置が採られた中、オン
ライン学習環境が整備された学校ではオンライン教育が提供され、学びが継続できた一
方、整備できていない学校では、プリントの配布にとどまるなど、大きな格差が生じた。
 十分な教育機会が提供されないことに対する保護者の不安は大きく、国も都も、GI
GAスクール構想に伴うオンライン学習環境整備を令和2年度中に完了できるよう計画
を前倒しした。
 今後も感染の大きな波が来ることが想定される中で、二度と教育機会が奪われること
がないようにしなくてはならない。また、情報通信技術革命の中で生きていく子供たち
のために、学校が再開した後も、OECD調査で諸外国に比べて大きく遅れていること
が以前より指摘されていた教育現場でのICT利活用を諸外国に伍(ご)するものにし、
更に進んで世界トップクラスにしていかなければならない。
 このため、第一に、都教育委員会として、例えば、以下に挙げる学校におけるICT
利活用状況や、利活用の推進を阻害する課題を把握するための調査をすることが必要で
ある。
 1 都内全公立学校における端末と通信環境の整備状況
 2 都内全公立学校におけるICT利活用状況
 3 ICT利活用が進んでいない場合の課題
 第二に、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業や家庭内感染等により、今後も児
童・生徒が一定期間登校できない状況が生じることが想定される。また、こうした事態
に備えることに加えて、不登校、体調不良、病気療養など様々な事情で登校できない児
童・生徒に対する学びを保障する観点からも、引き続きオンライン教育を推進していか
なくてはならない。さらには、前述の調査で判明した課題の把握と解決に努め、ICT
利活用の先進事例を共有することなどにより学校を支援し、都内の全公立学校において
ICTを活用した効果的な指導が進むようにしなくてはならない。
 第三に、本年4月から6月までの休業措置期間中にオンライン教育を実施したことで
明らかになった課題として、家庭の通信環境が整っていないことや、低学年の児童への
サポートが必要であること等の事情により、家庭でオンライン教育を受けることが難し
かった事例が挙げられる。そこで、今後、感染症や災害等による休業措置が採られた場
合を想定し、児童・生徒がICTを活用できるよう指導を充実させるとともに、休業措
置中ではあるが可能な場合には、児童・生徒の安全面にも配慮しつつ学校でもオンライ
ン教育を受けられるようにしなくてはならない。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。