(願 意)
都議会において、国会及び政府に対し、女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める
意見書を提出していただきたい。
(理 由)
女性差別撤廃条約選択議定書(以下「選択議定書」という。)は、女子に対するあら
ゆる形態の差別の撤廃に関する条約(以下「女性差別撤廃条約」という。)の実効性を
高めるために平成11年に国際連合総会で採択され、今年で20年になる。現在では、
女性差別撤廃条約の締約国189か国中112か国が選択議定書を批准しているが、日本は批
准していない。
選択議定書は、個人通報制度と調査制度の二つの手続を定めている。個人通報制度は、
女性差別撤廃条約で保障されている権利が侵害され、国内での救済を求める手続が尽く
された後も権利回復が成されない場合に、女性差別撤廃委員会に通報し救済を求めるこ
とができる制度である。また、調査制度は、女性差別撤廃委員会が、女性差別撤廃条約
に定める権利の重大又は組織的な侵害があるという信頼できる情報を得た場合に、当該
国の協力の下で調査し、その調査結果を意見や勧告と共に当該国に送付する制度である。
日本は、第4次男女共同参画基本計画で、選択議定書については、早期締結について
真剣に検討を進めるとしている。しかし、日本は各国の男女平等度を示すジェンダー・
ギャップ指数が149か国中110位であり、男女平等の実現は、いまだ途上にある。政府の
高官によるセクシャル・ハラスメントや大学医学部の入学試験で女性に対して不利な扱
いが繰り返されていた事実は、日本における男女差別の根深さを物語っている。日本が
選択議定書を批准することは、この現状を変え、女性の権利を国際基準にする重要な第
一歩である。
よって、都議会において、国会及び政府に対して選択議定書の早期批准を求める意見
書を提出すべきである。
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