(願 意)
都において、次のことを実現していただきたい。
2 GLP昭島プロジェクトで計画されている、1日約5,800台(うち大型車3,530台)
もの交通量の増加が、交通渋滞を悪化させたり、交通事故を増加させたり、道路・橋
りょう等の構造に悪影響を与えたりしないか注視し、深刻な問題が生じた場合には事
業者に対応を求めるなど、必要な措置を講ずること。
-以上 警察・消防委員会-
(理 由)
GLP昭島プロジェクトは、生物多様性の豊かな代官山緑地を取り囲む58.8ヘクター
ルのゴルフ場を、巨大な物流センターとデータセンターに開発する計画である。住民説
明会に850人以上も集まるほど関心が高く、懸念や反対の声は高まる一方である。
計画地一帯は、玉川上水と共に、昭島市都市計画マスタープランにおいて「緑の拠点」、
「水と緑を守り育てるゾーン」とされている。とりわけ代官山は、希少猛きん類である
オオタカや生態系上位種であるアナグマ等が繁殖し、絶滅危惧Ⅱ類の草花も数多く見ら
れる豊かな生態系が維持され、渡り鳥の中継地点にもなっている。また、評価書案によ
ると、開発計画により営業を終了したゴルフ場には、主要な樹木だけでも4,870本余り有
り、この緑地がオオタカやアナグマの餌や住みかを提供しており、代官山の豊かな生態
系を守る緩衝地帯・緑の回廊となっている。ところが、GLP昭島プロジェクトにより、
この緑地のほぼ全域が物流センターとデータセンターへと変貌する。玉川上水沿いの一
部を公園にするようであるが、代官山との間に幅16メートルの新設道路が計画されて
おり、結局、緑地も生態系も分断されることになる。
この緑地は、玉川上水に隣接する緑地としては都内最大級であり、生態系の保存はも
ちろん、玉川上水の景観や水環境、日照・風環境等の保全上も重要であることから、東
京都環境影響評価審議会の委員による入念な現地視察を行い、時間を掛けて審議を尽く
すことが必要である。
また、令和6年1月30日に評価書案が公表されたが、そこには数多くの不備が認め
られた。まず評価書案の正確性を精査し、不備があればそれが見逃された原因を調査し、
不備のない評価書案が提出されてから審議を行う必要がある。
一方、昭島市が、令和4年11月に発出した事業者に対する要請書において、物流ト
ラック等の計画交通量の削減を要請したにもかかわらず、全く削減されず、分散させる
だけの対応策になっている。交通安全・交通渋滞・道路舗装や橋りょう構造に与える影
響等については環境影響評価の項目には無いため、別途、都としての対応を検討する必
要がある。
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