(願 意)
都において、歩道における道路交通法(以下「法」という。)で認められていない自
転車走行の取締りを行っていただきたい。
(理 由)
自転車の歩道通行については、道路標識等により通行が認められているとき、13歳
未満又は70歳以上の者や身体に障害がある者が運転するときのほか、道路工事などの
ためにやむを得ないときに認められている(法第63条の4、同法施行令第26条)。
しかし実際は、人が一人通れるほどのガードレール内や商店に面した極めて狭い歩道
など、あらゆる歩道で多くの自転車走行が見られるが、法で認められていない自転車走
行に対して、事実上、取締りは行われていない。この違反には3か月以下の懲役又は5
万円以下の罰金という罰則が定められている(法第17条第1項、第119条第1項第
6号)。なお、自転車から降りて押す場合は軽車両扱いにならず、罰則は適用されない。
昭和53年の法改正で、自転車の歩道通行が認められた(法第63条の4)。条件付
きとはいえ、このような規定は世界各国の法律でも類例を見ないという。これによって、
我が国のあらゆる歩道では、まるでお墨付きを得たかのように所構わず法を無視した乱
暴な自転車走行が目立っており、危険である。遵法意識の低下、更に交通全体のモラル
の低下を招いていると言わざるを得ない。
令和5年7月1日から、一定の電動キックボードの歩道通行も認められた(法第17
条の2)。これについて、「ただでさえ猛スピードの自転車が飛び交う歩道に、不安定
この上もない鉄の塊が、さらにカッ飛んでくる。制限速度が守られる保証もまったくな
い。いくら何でも恐ろしすぎはしないか。」という60代のジャーナリストの意見もあ
る。世界の都市の中で、日本の歩道は最も危険なのである。
また、通勤、通学、通園、スーパーへの買物などで、一時に多くの自転車走行が歩道
を占めてしまうと、歩行者は車道に身をかわすしかない。このような光景は特に珍しく
ない。さらに、歩行者に自転車がぶつかっても、自転車の運転者はそのまま行ってしま
うことが多い。まれな事例ではあるが、特に高齢者の歩行が緩慢であった場合、一部の運
転者はぶつかった挙げ句に「ぼやぼやするな」、「どこを見て歩いているの」などといっ
た心無い言葉をつぶやき、責任を転嫁して去っていくという。
誰もが安心して歩道を通行できるよう、法で認められていない自転車走行の取締りを
行う必要がある。
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