トップ > 請願・陳情 > 令和4年第2回定例会付託 > 陳情4第43号

請願・陳情の要旨

審査結果 意見付採択
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力する。


件  名

檜原村における産業廃棄物焼却場の建設計画に関する陳情

番   号
付託委員会
 4第 43号   環境・建設 委員会付託

(願  意)
 都議会において、檜原村における産業廃棄物焼却場の建設計画(以下「建設計画」と
いう。)について、事業の適格性や安全性を審議していただきたい。

(理  由)
 比留間運送株式会社が、多摩川の最上流部にある檜原村人里(へんぼり)地区に産業
廃棄物焼却場の建設を計画し、令和4年3月1日に都に申請した。
 この建設計画は、比留間運送株式会社が、令和2年に完成した檜原村内のバイオチッ
プ製造工場の敷地に産業廃棄物焼却場を建設するというものであるが、バイオチップ製
造という自然と親和性のある事業とは趣旨が全く異なるものである。また、都民の貴重
な水源地である多摩川の最上流部に位置し、コロナ禍において、貴重な大自然が再評価
されつつある檜原村にはそぐわない。さらに、建設計画の申請に際して、地元住民への
事前説明が十分に行われていなかったなど、地元住民からコンセンサスを得ているとは
到底思えない。
 建設計画によれば、この産業廃棄物焼却場は、多摩地区最大規模である年間3万5,000
トンの廃棄物焼却能力を持ち、檜原村の全住民が排出する年間約850トンの廃棄物量の約
40年分に相当する規模の焼却を行うことになっている。比留間運送株式会社は、大量
の廃棄物の焼却に当たって、SDGsの取組を積極的に行っていることをホームページ
でもうたっており、檜原村の住民を対象とした説明会では、周辺への環境負荷について
は心配ないと言っているようである。
 しかし、他の地域では焼却施設で発生する熱を使用して温浴施設を設置している事例
が多々あることから、実際は産業廃棄物焼却場の稼働に伴って相当の熱が生じるはずで
ある。そのため、周辺の気温、川の水温、植生、そして何よりも周辺住民の健康に何か
しらの影響が生じることが懸念される。また、大量の廃棄物を搬入するために、山間地
域にある、片側一車線でカーブが多い檜原街道を、トラックが24時間行き交うことに
なり、交通事故のリスクも格段に増加することが容易に想像される。
 源流と緑の山々の中で暮らしている地元住民からは、産業廃棄物焼却場の建設に反対
する声が高まっていると聞き及んでいる。都議会にも建設に反対する請願が提出されて
いることと思うが、住民でなくとも、檜原村の豊かな自然と清らかな川の流れが、東京
都の誇る観光資源として重要なものであると認識している都民は数多くいる。多摩市に
住んでいる私も檜原村に憧憬を抱いており、地元住民と同じ思いである。
 私は、産業廃棄物焼却場の必要性を全面的に否定することはしないが、もろもろの懸
念を踏まえ、この建設計画が果たして適切であるか、周辺の住民や自然への環境負荷が
増大するリスクの検証は正しく行われているか、万が一の事態が発生した際の危機管理
対策などは妥当であるか、比留間運送株式会社に事業遂行の適格性があるかなどについ
て、都議会において、慎重に審議するべきであると考える。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。