トップ > 請願・陳情 > 令和元年第4回定例会付託 > 陳情1第109号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(2項、3項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

都内の私立学校の自主性と公共性の発展に関する陳情

番   号
付託委員会
 1第109号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
2 学校現場における教職員に対するハラスメントや人格権の侵害をなくすため、国際
 人権規約やハラスメントに関する法律にのっとり、学校運営者による不法行為をなく
 すための措置、指導等を徹底すること。
3 学校徴収金(後援会費・同窓会費)が適正に処理されているか、利害関係者に報告
 し透明性を確保するよう指導を徹底すること。

(理  由)
 都内の高校における私立高校の割合は約56%を占め、公教育機関として後期中等教
育(高校教育)を支える重要な役割を果たしている。しかし、平成30年度における私
立高校の全教員(本務教員+兼務教員)に対する有期雇用教員(講師+兼務教員)の割
合は、47.7%と全労働者平均(37.9%)を大きく上回り、平成12年から平成30年の
18年間で、都内私立中学校、高校の正規雇用の教員と同様にフルタイムで働く有期雇
用の常勤講師数は、約3.6倍となっている。少なくない私立高校において、常勤講師は身
分が不安定なだけでなく、正規雇用の教員と同様の業務と責任を負いながら低賃金に処
遇されている。
 生徒の学ぶ権利の保障、教育の継続性の確保など、生徒一人一人に行き届いた教育を
実現するために、私立高校において身分の不安定な教員をなくすことは、多くの都民や
保護者の願いである。
 都は、私立高校の教育条件を整備するために教員配置に一定基準を設け、教員一人当
たり約435万円の助成金を交付している。しかし、現行基準では、正規雇用の教員と身分
の不安定な常勤講師の区別はなく、一律に本務教員として扱い助成されるため、本来の
趣旨から逸脱し、身分の不安定な常勤講師の雇用の増大をもたらす要因となっている。
中には、教員が交付基準より低い賃金で雇用され、正規雇用に対する非正規雇用の率が
上がり、新規採用から3年で多くの教員が離職するという異常な学校運営が行われてい
るところもある。重要な教育の条件である教員配置及び教育条件整備に都民の税金が適
正に使われない状況は、都の私学助成制度に対する都民の信頼を失いかねない。
 都には、多くの都民や保護者の願いに応え、正規雇用と有期雇用(常勤講師)で交付
金の割合を変えるなど現在の交付基準を見直し、教職員の正規雇用を促進するための制
度改正が求められる。
 令和元年11月20日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会はパワーハラスメント
の指針をまとめた。しかし、学校現場では、教職員に対する様々な人権侵害等が行われ
ている。保護者は、学校現場から人権侵害等をなくすための措置と指導を求めている。
 また、学生、生徒、園児から授業料と共に納入された、後援会費等の学校徴収金に関
する決算報告がなされないことは極めて問題である。私学では、学校徴収金を私的に使
用したことが社会問題となった事例があるため、関係者に報告し、学校徴収金の透明性
を確保するよう指導する必要がある。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。