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  2. 平成24年 第3回定例会(一般質問)
  3. 野田かずさ(東京維新)

日本を愛し誇りを持てるよう
正しい歴史観を継承する教育を

野田かずさ

教育

質問1
 このたびの尖閣諸島購入をめぐって、強い憤りを禁じ得ません。

 中国は、南シナ海で、ベトナムなどが領有権を主張する西沙諸島を奪い、その後、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどが領有権を主張する南沙諸島を強奪し、今や東シナ海で我が国固有の領土である尖閣諸島を脅かしております。ついには、我が国の沖縄県ですら、琉球は日本のものではないなどといい出しております。

 ある中国のデパートでは、客が商品購入の際に、尖閣は中国のものと発言すると商品価格の一〇%が割り引かれ、日本も中国のものといえば二〇%割引になるとの報道を目にしました。こうした中国の覇権主義は、間違いなく今後も増長されていくことでしょう。

 しかし、我が国の対応はいかがでしょうか。歴代政権は、尖閣諸島を長年にわたって放置する不作為を続け、国が島を守る能力も気概もないことは明らかであります。

 そのような国にかわって、日本の領土と誇りを守るために石原知事が立ち上がりました。私たちは尖閣諸島を守るために行動する議員連盟を立ち上げ、知事の英断に対する支持をいち早く表明し、石垣市長や八重山漁協長と意見交換を行い、実際に調査団を結成して尖閣に赴くなど、東京都の尖閣諸島購入を推進するための行動を続けてきました。

 最終的には、国が都に横やりを入れる形で尖閣諸島を購入しましたが、国は領土を守り抜くという覚悟も具体的な方策もないのは、一連の報道で明らかになっております。むしろ政府の購入動機は、東京都の尖閣諸島購入を阻止し、実効支配を強めないためであり、歴代政権と同様に尖閣諸島をこのまま塩漬けの状態にし続けるためであります。

 つまり、非常にばかばかしいのですが、日本政府は、中国政府が望む状態をつくり出すために、日本国民の血税を二十億五千万円も使ったのであります。被災地の復興もままならない中、日本人被災者より中国の国益を優先するというのは、一体何を考えているのでしょうか。

 また、地権者の実弟である栗原弘行氏が、「サンデー毎日」のインタビュー記事の中で、政府関係者が尖閣に対して新たな土地収用法の成立をちらつかせ、東京都ではなく国に売るよう圧力をかけたとの証言をされております。このままでは、間違いなく尖閣諸島は第二の竹島になってしまいます。

 私は今でも、尖閣諸島はまず東京都が購入し、石原知事の指揮下で実効支配を強化した後に、国が都から譲り受けるのが最善であったと確信しております。これら政府の行為に強く抗議をし、質問に入ります。

 私たちは、日本の歴史や領土に関する正しい知識を子どもたちに教えなければなりません。大正九年に、当時の沖縄県石垣村の村民が遭難した中国漁民を救助しましたが、この行為に対して中華民国政府が感謝状を贈りました。この感謝状の中には、中華民国政府の外交当局によって、尖閣諸島のことを日本帝国八重山郡尖閣列島と明記されております。つまり、尖閣諸島を日本領と認めていた何よりの証拠であり、このような外交文書や公文書などを、例えば「江戸から東京へ」に掲載するなど、教育の場で積極的に活用すべきと考えます。

 また、先月、韓国大統領が竹島上陸という暴挙を行いましたが、その理由として、我が国が従軍慰安婦についての反省が足りないなどといい、あげくの果てに天皇陛下に対し謝罪要求をするなど、もはや常軌を逸しているとしか思えません。そもそも、日本政府や軍が従軍慰安婦なるものを暴行、脅迫、拉致を行い、強制連行した事実はございません。そして、竹島は明確な我が国の領土であります。

 しかしながら、これら捏造した歴史を、学校教育のみならずテレビドラマや映画などで日常的に影響を受け続けている中国人や韓国人に対して、日本人の多くは正しい近現代史を学んでいないため、十分に反論できないのが実情です。

 そして現在でも、我が国の武道や茶道など日本古来の伝統文化までもが韓国発祥のごとく吹聴されております。我が国の固有の領土である対馬に対しても、韓国では自国領であるかのごとく主張をしております。

 歴代政権の不作為によって、我が国は、領土や歴史、文化などあらゆる面で周辺国より侵食され続けております。周辺国が行うこれらの不当な主張や行為に対して明確に反論できるような正しい知識と正しい歴史観を東京都の子どもたちに教えるべきと考えますが、見解を伺います。

答弁1
教育長
 歴史や領土に関する指導についてでありますが、生徒が日本人としての自覚と誇りを高めていくためには、我が国の歴史や領土に関する正しい知識を身につけることが大切であります。

 歴史、特に近現代史の学習に当たっては、相異なる価値観や対立する立場の一方に偏らない客観性の高い資料に基づき、事実を正確に理解することが重要であります。

 また、領土に関する学習に当たっては、我が国が正当に主張している立場に基づき、北方領土、竹島、尖閣諸島などをめぐる問題について、理解を深めることが必要であります。

 生徒が我が国の歴史や領土に関する正しい知識を身につけられるよう、外交文書や国内公文書などの資料を適切に活用するなど、指導の工夫、改善を図ってまいります。

質問2
 子どもたちに正しい日本の歴史を教えることで、より一層子どもたちは日本を愛し、日本人と生まれたことに誇りが持てるわけであります。

 したがって、教育基本法に教育目標として規定された我が国と郷土を愛す態度の養成を、新たに東京都教育基本条例を制定し、その中で明確に位置づけることや、東京都の教育目標や教育振興基本計画に位置づけ、推進すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁2
教育長
 我が国と郷土を愛する態度の養成についてでありますが、児童生徒に日本の伝統と文化に対する理解を深めさせ、国と郷土を心から大切に思い、その発展に寄与する姿勢を持たせることは極めて重要でございます。

 平成十八年に改正された教育基本法においては、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うことが教育の目標として位置づけられております。

 都教育委員会は、東京都の教育振興基本計画である東京都教育ビジョン(第二次)において、国や郷土の歴史、伝統文化に関する教育を重点施策としております。

 次期教育振興基本計画においては、我が国と郷土を愛する態度の養成などの教育基本法の理念を、より明確に位置づけてまいります。

質問3
 中国でテロともいえる反日暴動が巻き起こると、中国政府の主張におもねる日本の財界や学者は、失った経済的損失を石原都知事の責任としてなすりつけ、あろうことか知事に賠償すら求める主張を展開しております。日本人の歴史認識、日本人としての価値観の軸がぶれてしまっているのではないかと強い危惧を抱いております。

 ぜひとも石原知事におかれましては、日本再生のために、より一層国政に携わる形で、さらにご尽力をいただきますよう願ってやみません。

 国民が我欲にまみれ、日本人としてのしんともいうべき価値を失っては、この国が自立していくことはできません。大人がそういう状況になっても、次代を担う子どもたちには正しい歴史認識、とうとい価値を継承しなければならないと考えております。

 知事は、これまでの教育のあり方を問い直し、破壊的な教育改革を進めておられますが、こうした現状をどうとらえ、どのような教育改革が必要とお考えか、所見を伺い、質問を終了いたします。

答弁3
知事
 教育改革についてでありますが、かつてルース・ベネディクトが有名な日本論の「菊と刀」という本の中で描いたように、かつての日本には、節度、謙虚、潔さ、あるいは自己犠牲といった武士道に象徴されるさまざまな美徳が存在しました。

 しかし、日本の戦後教育は、国民としての誇りや気概をみずから否定し、祖先から受け継ぐべき価値の基軸をも毀損して、日本全体を損なってきました。

 また、若者たちは正当な歴史を教えられておらずに、この国の伝統文化、先人たちの足跡といった、継承されるべき教養の基盤も失われつつあります。

 私が知己を得ました、かつての太平洋戦争のゼロ戦のエースでありました坂井三郎さんが、あるとき電車に乗っておりましたら、目の前で大学生がいろんな話をしている。瞑目して聞いていたら、片っ方が片っ方に、おい、おまえ知っているか、六十年前、日本とアメリカが戦争したんだってよ、うそ、本当だよといったら、じゃ、どっちが勝ったのといったそうですが、坂井さんはそれを聞いて暗然として、電車をおりてホームの端っこで気持ちを落ちつけるためにたばこを吸ったそうでありますが、そのていたらくであります。

 あの戦争についてのいろいろ評価はあるでしょう。しかし、世界史全体から眺めれば、私がかつて若いときに会ったことのあるエジプトの二代目の大統領のナセルも、あるいはインドネシアのスカルノ大統領も同じことを期せずしていわれました。私たちが今日独立を果たしたのは、日本のおかげで私たちが発奮して第三次世界大戦を戦ったおかげだ、その三次世界大戦は何ですかと聞きましたら、私たちの独立戦争だといいました。

 そういった大きな意味のある、私たちは歴史を持っているわけでありますけれども、それが忘却されたというか、全く知らないままに放置されているというのは、私たちの近い先祖たちにとって無念なことだと思います。

 我が国の伝統文化を尊重して、郷土や国家を愛する心の涵養を図ることなくして、日本人としてのアイデンティティーは成り立ち得ないと思います。

 次代を担う子どもたちに日本人としての価値を守り伝えるために、我々は具体的な手だてを今こそ講じていかなければならないと思います。

 まずは、子どもたちに幼いころから、社会の規範、規律というものを、何かの形ですり込むという形で教育すべきだと思います。

 また、正確に歴史として存在した事実を教えて、子どもたちに歴史の意味合いについてみずから考える力を身につけさせることだと思います。

 尖閣諸島の取り組みに関しては、多くの方々から、まさに望外な拠金が寄せられました。改めて国家への日本人の、限られた方々かもしれませんけれども、熱い思いというものを感じさせられまして、非常にうれしい思いがいたしました。

 立国は私なり、公にあらざるなりと、かつて福沢諭吉は説いておりますが、こうした日本人の国を思う気持ちを継承して、志を持った若者を一人でも多く輩出するべく、教育の大胆な改革に取り組んでいきたいものだと思います。

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