
自殺対策
質問1
一つ目の項目として、自殺対策についてお伺いします。
平成十年以降、十二年連続して国内自殺者は三万人を超える状態が続いています。欧米の先進諸国と比較しても、日本の自殺死亡率は高い水準にあり、G8諸国の中ではロシアに次いで二番目に高い状況です。
自殺総合対策大綱では、自殺の背景には、健康問題、経済、生活問題、家庭の問題などさまざまな要因が複雑に絡み合っているとしています。また、自殺は追い込まれた末の死であり、相談支援体制の整備などの社会的取り組みによって防ぐことができるとされています。
また、自殺を考えている人の多くは、死の瞬間まで死のうかどうかためらいを繰り返し、心理的に追い込まれていく中で、何らかのサインを発しているとされています。
自殺を予防するためには、自殺の危険性が高い人のサインに早期に気づき、適切な相談機関へとつなぐゲートキーパーの役割が重要です。
そこで、自殺を予防するために、都としてゲートキーパーの養成や活動の支援について積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
答弁1
福祉保健局長
自殺予防におけるゲートキーパーについてでありますが、自殺を未然に防ぐためには、地域、職場などで、身近な人の自殺のサインに気づき、適切な相談機関につなぐゲートキーパーが重要な役割を担っております。そのため、都では、区市町村の相談窓口職員や民生児童委員、企業の人事担当者などを対象に、ゲートキーパーの養成研修を実施いたしております。
また、ゲートキーパーの活動を支援するため、さまざまな自殺に関する相談機関が参加しております、こころといのちの相談・支援東京ネットワークの情報提供を行うほか、地域でゲートキーパーの育成指導を行う保健師等を対象に、法律や労働問題などの専門研修を実施いたしております。
質問2
さて、私の住む日野市では、来年三月、自殺対策条例制定を目指し、先日、自殺対策シンポジウムを開催しました。当日は、遺族の方の講演や、条例案の策定にかかわった方々によるパネルディスカッションなどが行われ、行政機関にとどまらず民間団体や市民を巻き込んだ取り組みの実践などの紹介がありました。
自殺対策を進めるためには、悩みを抱えて死にたいと考えている人が地域で相談したり、支援を受けられる体制を構築することが重要です。
そこで、都では、自殺対策緊急強化基金を設置していますが、この基金を活用して、自殺対策に取り組む市区町村や民間団体を支援するとともに、都の取り組みを強化すべきと考えますが、見解をお伺いします。
答弁2
福祉保健局長
自殺対策緊急強化基金を活用した取り組みについてでありますが、都は、この基金を活用して、今年度は、人材育成や普及啓発、自殺対策協議会の設置などの取り組みを行う三十四の区市町村を支援するとともに、電話相談などの事業を実施する十一の民間団体に対しても支援を行っております。
都におきましても、本年四月から、相談者の悩みに応じて適切な相談機関へつなぐことを目的とした自殺相談ダイヤルを設置いたしまして、これまでに二千五百件以上の相談にこたえております。今後とも、基金を有効に活用して、自殺対策に取り組んでまいります。
質問3
最後に、シンポジウムでは、自死遺族でもある弁護士から、遺族が抱えている問題についての提案もありました。例えば、借金の相続放棄の制度を知らずに返済を続けていた例や、賃貸マンションの貸し主から多額の修繕費を請求される問題もあるとのことでした。
遺族の皆さんは、大切な人を失ったショックから、心や体にさまざまな変化が起こり、自殺を防ぐことができなかったという自責の念にかられ、一人で問題を抱えてしまっていることも多いと聞いております。
そこで、都には遺族に対する支援へ積極的に取り組むことが求められると考えていますが、見解をお伺いします。
答弁3
福祉保健局長
自死遺族の方々への支援についてでありますが、親族や友人など身近な人の自殺は、残された多くの人たちに深刻な心理的影響を及ぼすだけでなく、心身の健康を害するなど、社会生活への影響も大変大きいと考えております。
このため、都は、遺族の方々が抱える心の悩みや、相続などの法的な問題に対応できるさまざまな相談窓口に関する情報提供を行っております。
また、自死により家族を失った人同士がお互いに支え合う場である分かち合いの会を開催するほか、こうした方々を支える個別訪問や相談などを行う人材を育成するための研修を実施いたしております。今後とも、自死遺族の方々への支援に取り組んでまいります。
情報通信政策
質問1
二つ目の項目として、情報通信政策についてお伺いします。
「十年後の東京」実行プログラムでは、最先端の科学技術の活用を重視しています。ブロードバンドの情報通信基盤はインターネットだけでなく、電話やテレビなどのサービスを融合することも可能となり、都民生活にとっては、なくてはならないライフラインともいうべき重要なものであると考えますが、時間や場所を問わず通信できる環境や、条件整備と利活用について、都の基本的な見解をお伺いします。
答弁1
総務局長
情報通信基盤の整備及び活用についてでございます。
都民生活の質の向上のためには、大容量データを高速で送受信できる高度な情報通信基盤が整備され、その恩恵をだれもが、いつでも、どこでも享受できることが重要でございます。
現在、小笠原村までの海底光ファイバーケーブルの整備を進めており、これにより都内の全区市町村でブロードバンドによる情報通信基盤が整うことになります。こうした情報通信基盤を活用することで、災害時の状況を画像で確認できるシステム、緊急車両の走行を優先する制御システム、離島などの遠隔医療の充実など、都政のさまざまな分野で行政サービスの充実を図ってまいります。
質問2
次に、テレビ放送についてお伺いします。
来年七月の地上デジタル放送への完全移行は、国や放送事業者の責任のもと、国策として進められていますが、残り八カ月余りと、間近に迫っています。特に東京では、広く普及していますVHFアンテナをUHFアンテナに取りかえなければならないことや、ビル陰による電波障害が多いことなど、特有の課題も抱えています。
そこで、地上デジタル放送が何らかの理由で見ることができない都民が発生することのないよう、地デジ完全移行に向けた都の取り組みについてお伺いします。
答弁2
総務局長
地上デジタル放送の完全移行への都の取り組みでございます。
都は、来年七月の完全移行までの間に、すべての都民が地上デジタル放送を視聴するための準備を完了できるよう、国に対し、必要な対策を講じることを提案要求してまいりました。その結果、地域単位での説明会の実施や、助成制度の拡充などが実現したところでございます。また、「広報東京都」を初め、さまざまな媒体を通じて、地デジ移行に関する情報を広く都民へ周知をしております。
さらに、区市町村、国、放送事業者、家電販売事業者などと、東京地区連絡会議を設置し、UHFアンテナへの取りかえやビル陰による受信障害など、東京に多く見られる課題について、必要な取り組みを推進しております。
質問3
次に、情報通信技術の活用についてお伺いします。
現在でも、都民の利便性を向上させるため、窓口体制の見直しや、システム上で申請内容の審査や結果通知ができるなど、業務の効率化も図られていますが、さらに電子申請の利用を一層促進していくための都の具体的な取り組みについてお伺いします。
答弁3
総務局長
電子申請の利用促進の具体的な取り組みについてでございます。
都は、都民の利便性の向上と行政事務の効率化を図る観点から、平成十三年度より、電子申請の受け付けを開始し、平成十六年度からは、区市町村との共同運営による広域的なシステムも稼働させているところでございます。
こうした取り組みにより、都における電子申請の受け付け件数は年々増加し、平成二十一年度実績で、三百二十万件に上っております。また、本年四月には共同運営のシステムに、新たに携帯電話から申請できる機能を加えるなど、利便性のさらなる向上を図っております。
現在、対象手続の拡大や、利用しやすくするための事務処理フローの見直しを全庁的に進めるなど、電子申請の一層の利用促進に取り組んでいるところでございます。
質問4
最後に、ペーパーレス化についてお伺いします。
都では、既存の紙ベースでの業務について、IT化を進めてきました。しかし、情報システムの導入は進んでいるものの、業務の処理上、紙媒体の添付書類が必要な場合など、情報の共有化といったIT化の効果が十分に発揮されていないものも見受けられます。
ITによる情報の共有化を進めることにより、情報の検索性の向上や、情報セキュリティーの強化が図られるとともに、印刷物も減り、省スペース化、ペーパーレス化にもつながります。
そこで、情報通信技術の一層の活用を図ることにより、ペーパーレス化がさらに進むと考えますが、都の見解をお伺いします。
答弁4
総務局長
ITを活用したペーパーレス化についてでございます。
ITの活用により、これまでの業務を大きく変えて、ペーパーレス化につなげていくことは重要でございます。これまで都は、電子都庁推進計画に基づき、都民サービスから内部管理まで、紙で行われていた業務のIT化に取り組んでまいりましたが、いまだ改善の余地が多く、取り組みは道半ばにございます。
そのため、本年九月、業務・情報システム最適化計画を策定し、ITと業務改善が一体となったスリムで効率的な行政を目指し、全庁を挙げて取り組んでおります。この計画に基づき、ファイルサーバーの共同利用、基幹システムの統合や連携による情報共有化を図り、紙情報から電子データへと移行を進めることで、ペーパーレス化に寄与するものと考えております。
教育の情報化
質問1
三つ目の項目として、教育の情報化についてお伺いします。
私たちの社会生活において、コンピューターは欠かせない存在です。学校教育の場でも、これからの情報社会に主体的に対応できる子どもたちの情報活用能力の育成は不可欠です。そのため、都教育委員会はICT計画に積極的に取り組み、教育の情報化を推進していくべきです。
そこで、都立学校におけるICT計画の取り組みの状況についてお伺いします。
答弁1
教育長
都立学校におけるICT計画の取り組みの現状についてでございます。
児童生徒が情報を適切に活用する能力を育成するため、ICT環境を整備し、積極的に活用していくことは重要であると考えております。このため、都教育委員会は、都立学校ICT計画を平成十九年度に策定し、平成二十年度からの二カ年間で校内LANを整備し、ネットワーク化を図りますとともに、電子情報ボード等の教育用ICT機器や、障害種別に応じた障害支援機器の配備を行い、ICT環境を整備いたしました。
今後は、整備されたICT環境を活用した授業を一層充実させることにより、児童生徒の学習に対する意欲や達成感を高めていきますとともに、情報活用能力の向上に努めてまいります。
質問2
次に、都内小中学校における教育の情報化についてお伺いします。
国は、教育用コンピューターの整備など、学校のICT機器の整備のために、補助事業の財政措置を行っていますが、教育用コンピューターの設置状況や、インターネット接続の整備状況には、市区町村ごとに差異が見られています。
その理由としては、市区町村の財政力のほか、ICT環境整備に対する取り組み姿勢の違いなどが影響していると推察いたします。
ICT教育を推進していくためには、このような市区町村ごとの整備状況の差を解消することが急務だと考えますが、小中学校のICT環境整備の状況について、都教育委員会の認識をお伺いします。
答弁2
教育長
公立小中学校におけるICT教育についてでございます。
公立小中学校のICT環境の整備は、設置者である各区市町村がそれぞれの方針に基づいて進めているところでございます。そのため、区市町村によって整備状況に差が生じてはおりますが、現在、コンピューター教室は、ほぼすべての公立小中学校に整備されており、各小中学校は、さまざまな工夫をしながら、ICTを活用した教育活動に取り組んでおります。
都教育委員会は、ICT活用ガイドブックを都内公立小中学校に配布いたしますとともに、ICT校内研修用資料集等をホームページに掲載いたしまして、区市町村の教育活動への支援を行っております。区市町村が学校ICT環境の整備を進めるためには、国の補助事業も活用しながら計画的に取り組むことが効果的であり、都教育委員会は、国に対し、ICT環境整備の補助金を、今後とも予算措置するよう提案要求しているところでございます。
質問3
教育の情報化が重要ですが、それ以上に子どもたちが、設置された情報機器や、普及している携帯電話等を適切に活用し、さまざまな情報を見きわめる力の育成が必要だと考えています。
そこで、情報モラル教育や、情報機器を適切に活用する能力の育成を、小学校段階の早い時期から行うべきと考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いします。
答弁3
教育長
情報モラル教育や情報機器を適切に活用する能力の育成についてでございます。
子どもたちに、インターネットなどを使う際のマナーや、相手への配慮などの望ましい態度や、情報機器を使いこなして情報を主体的に選択、活用するなどの能力を早い段階から育成することは極めて重要でございます。
都教育委員会はこれまで、情報モラルや情報機器の活用に係るさまざまな指導資料を、都内すべての公立学校の教員に配布いたしますとともに、警視庁や青少年治安対策本部と連携を図り、児童生徒の健全育成に資するためのハイテク犯罪対策シンポジウムを、保護者、地域の方々や外部人材の協力を得て開催するなどして、児童生徒が情報社会における被害者にも加害者にもならないよう、啓発活動に努めてまいりました。
しかしながら、児童生徒が不用意に自分や他人の個人情報をインターネット上に公開するなどの事例が後を絶たないことから、昨年十一月に、学校における指導をさらに徹底するよう通知いたしますとともに、本年三月には、児童生徒用のリーフレットを作成、配布したところでございます。
今後とも、こうした取り組みを通して、学校における情報モラル教育や情報機器を、適切に活用する能力の育成を児童生徒の実態に即して推進してまいります。
交通政策
質問1
四つ目の項目として、交通政策をお伺いします。
まず、自転車の関係する事故のうち、自転車が加害者となる事故についてお伺いします。
自転車が加害者となる事故は数多く発生していますが、一番の問題は、多くの自転車が保険に未加入であり、事故に遭遇した被害者が補償を受けられず、泣き寝入りせざるを得ない点であります。自転車を対象とした保険には、民間の損害保険会社が傷害保険、火災保険、自動車保険の特約として、個人賠償責任保険を発売しており、また、財団法人日本交通管理技術協会において、自転車安全整備店で点検、整備を受けると附帯されるTSマーク制度がありますが、加入者が少ないのが現状です。
自分が加害者となり、発生する自転車事故のリスクについて、地域や学校などが開催している安全教室で、必ず周知すべきと考えますが、都の見解をお伺いします。
答弁1
青少年・治安対策本部長
自転車が加害者となる事故についてであります。
昨今、相手に大けがを負わせたり、死亡させたりするなどの大事故により、支払いが困難になるほどの多額の賠償金が必要となり、被害者が十分に救済されないケースがあることは、社会的に憂慮すべき問題であると考えています。都民一人一人がいつ何どき被害者にも加害者にもなるリスクを負っていることを認識していただくことが大切であります。
このため、都としましては、区市町村等の関係機関と連携し、地域や学校における自転車の安全教室等の機会において、この点についても広く都民に認識していただけるよう、普及啓発に努めてまいります。
質問2
次に、観光振興にかかわる交通対策についてお伺いします。
東京駅八重洲口、駅広場の整備は、JRによって進められていますが、路線バスや高速バスの乗り場はあるものの、観光バスや貸切バスなどのバスの乗り場は計画されていないと聞いています。東京駅八重洲口周辺を初めとする主要ターミナルにおける観光バスや貸切バスの乗り場の整備を進めるべきと考えますが、都の基本的な見解と方向性についてお伺いします。
答弁2
東京都技監
主要ターミナル駅における観光バスなどの乗り場の整備についてのご質問にお答えいたします。
駅前広場は、交通管理者など関係者との調整を図りながら計画しておりまして、限られた空間を最大限に活用するため、路線バスやタクシーなどの乗降施設を優先的に配置しております。
このため、観光バスなどの乗り場を整備する場合には、駅前広場以外の場所における新たな導入空間の確保や、観光バスの集中による周辺交通への影響など、さまざまな課題を検討することが必要となります。
今後、主要ターミナル駅における観光バスなどの乗り場の整備につきましては、周辺まちづくりの機会などをとらえ、地元自治体や関係事業者等とも連携を図りながら、適切に対応してまいります。
質問3
現在、東京駅八重洲口の南付近にある道路整備保全公社が管理運営する丸ノ内鍛冶橋駐車場は、一日百台以上の大型観光バスが利用する貴重な場所となっており、重要な観光バスの発着場として活用されています。
先日、現地を視察したところ、清掃などの日常的な管理はなされていましたが、例えば、自動販売機に置いてあるような簡易ベンチは屋根もなく、吹きさらしで、雨が降ったときには、お土産など荷物を持った観光客が、雨に濡れて傘を差している状態です。また、工事現場に置いてあるような簡易的なトイレは、古く、扉もがたついており、開け閉めにも不自由なものでした。
東京の玄関口として、イメージを払拭するため、改善すべき点が多々あると考えますが、見解をお伺いします。
答弁3
建設局長
丸ノ内鍛冶橋駐車場についてでありますが、当駐車場は、平成八年当時、東京駅周辺で大型観光バスの駐車場不足などにより交通混雑が悪化する中で、交通管理者等からの要請も踏まえ、東京都道路整備保全公社が公益的な観点から開設したものであります。
公社は、利用者サービスの向上に資する駐車場の効率的な管理運営に日ごろより努めており、当駐車場においても自動二輪車の受け入れなど、先駆的な取り組みを行っております。
当駐車場は、公社が都の普通財産を一年ごとの賃貸借契約により臨時駐車場用地として一時使用しているため、お話のベンチやトイレは簡易なもので対応せざるを得ない状況にあります。
今後とも、都としていたしましては、駐車場の効率的運営と利用者サービスの向上に努めるよう公社を指導してまいります。
質問4
次に、駐車禁止規制緩和についてお伺いします。
都議会民主党は、昨年の第四回定例会から、一貫して駐車禁止の現状課題の是正を求めてまいりました。その結果、さきの定例会において、現在、行われている一律の規制を緩和する方向が示されています。
これについては、第一歩を踏み出すことができたと、大きく評価いたします。しかし、この広い東京で十カ所は、まだまだ十分とはいえません。都は四十カ所を対象地域としていましたが、残り三十カ所の進捗状況をお伺いすると同時に、今後さらなる規制緩和対象地域を拡大する必要性があると考えますが、見解をお伺いします。
答弁4
警視総監
荷さばき車両に配意した駐車規制の見直しにつきましては、ご指摘の十月までに実施できなかった約三十区間のうち、安全な駐車スペースの確保が困難であるなど、実施が難しい区間を除き、現在、地域住民等との意見調整を行っているところであり、荷さばき駐車のルールについて、合意が整った区間から順次、駐車規制の緩和を実施していくこととしております。
また、今後、これ以外の地域につきましても、地域住民の皆さんや、物流事業者の方々などからのご意見、ご要望を十分に踏まえまして、交通の安全と円滑を確保しつつ、荷さばき車両に配意したよりきめ細かな駐車規制となるよう、見直しを推進してまいります。
自治体病院への支援策
質問1
最後に、五つ目の項目として、自治体病院への支援策についてお伺いします。
まず救急医療についてお伺いします。
昨年、都は救急医療体制のさらなる充実強化に向けて、東京ルールを導入しました。日野市は、八王子、町田、多摩、稲城の五市で構成される南多摩保健医療圏で、西多摩に次いで面積も広く、人口も約百四十万人と、東京都の一割を超えています。しかし、地域救急医療センターは、日本医科大学多摩永山病院一カ所のため、地域の二次救急医療機関が協力して対応しています。都内には十二医療圏ありますが、医療圏内に地域救急医療センターが一系列しかない圏域は五カ所あります。
今後、日野市立病院が含まれる南多摩保健医療圏を初め、各地域の情勢に応じ、地域救急医療センターを整備し、東京ルールの安定的な運用に努めるべきと考えますが、見解をお伺いします。
答弁1
福祉保健局長
救急医療の東京ルールの安定的な運用についてでありますが、都は、二次救急医療機関の理解と協力を得ながら、地域において救急患者の受け入れ調整等の機能を担う地域救急医療センターの指定を、昨年の事業開始当初の七圏域二十六カ所から、現在では全十二圏域五十九カ所に拡大をしております。
引き続き東京ルールを安定的に運用し、迅速適切な救急医療体制の充実を図るため、二次保健医療圏ごとに医療機関や消防機関、関係行政機関などをメンバーとして設置いたします地域救急会議を通じて、地域の医療資源などの状況に応じたセンターの確保に努めてまいります。
質問2
次に、小児医療についてお伺いします。
多摩地域は二十三区と比べ、小児医療資源が少ないのが現状です。南多摩保健医療圏には、小児科で二十四時間入院対応できる施設が五病院です。都はこれまでも、小児病院の充実を図るため、支援策を実施するとともに、小児救急研修を実施し、医師及び看護師を育成するなど、質の向上に取り組んでまいりました。
しかし、小児医療資源の少ない多摩地域において、迅速適切な医療を提供するには、地域の診療所と日野市立病院などの中核病院、高度な三次医療を提供する都立病院などが、より一層連携していくことが不可欠だと考えております。
そこで、多摩地域の小児医療の拡充に向けた都としての具体的な取り組みをお伺いします。
答弁2
福祉保健局長
多摩地域における小児医療の拡充についてでありますが、都では、重篤な小児救急患者の救命治療を速やかに行うため、本年八月に、子ども救命センターを創設いたしまして、多摩地域では、都立小児総合医療センターを指定いたしております。現在、このセンターが中心となりまして、ブロック会議や研修会などにより、多摩地域における初期から三次までの医療機関の連携の仕組みづくりに取り組んでおります。
また、北多摩北部地域におきましては、地域の中核病院と診療所などが連携を深めるための会議や症例検討会などを実施いたします地域小児医療ネットワークモデル事業も進めております。
こうした取り組みを通じて、医療機関相互の一層の連携体制を確保し、多摩地域の小児医療体制の充実に努めてまいります。
質問3
次に、医師確保についてお伺いします。
救急医療が十分に機能するためには、その前提として、医師、看護師等の医療スタッフの確保が必要です。しかし、現場では過酷な労働環境にあり、やめてしまう医師も多いのが現実です。日野市立病院においても、特に救急部門のスタッフ確保が困難であり、苦慮していると伺っております。救急医療は都民生活の基盤であり、地域医療の根幹です。救急医療に従事する医療等の確保に向けた積極的な取り組みが必要です。また、勤務医の厳しい労働環境の要因の理由には、医師でなくても対応可能な業務を行っている現状があります。
そこで、救急医療に従事する医師の確保のため、都は勤務医師の負担軽減に対し、どのような支援を行っているのかお伺いします。
以上で私の質問は終わりにします。
答弁3
福祉保健局長
救急医療に従事する病院勤務医の負担軽減についてでありますが、都は、救急医療を担う医師の確保とその定着を図るため、救命救急センターや、小児二次救急医療機関などを対象に、当直体制の見直しや短時間勤務の推進、医師事務作業補助者の導入など、勤務環境の改善を支援いたしております。また、救急勤務医師に対する手当の補助により、処遇の改善も図っております。
こうした取り組みによりまして、救急医療に従事する勤務医の負担軽減を図り、医師の確保、定着に努めております。