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  2. 平成21年
  3. 第1回定例会(一般質問2日目)
  4. そなえ邦彦(無(フォーラム))

非正規雇用労働者への支援を
区市町村への緊急雇用対策支援

そなえ邦彦

都の雇用・就業対策

質問1
 ことしの地元の業界団体の新年会に数多くお伺いしましたが、出る話は不況の話と病気の話ばかりで、あんまり景気のよい話はありませんでした。アメリカがくしゃみをしたおかげで、日本が風邪を引き、肺炎を起こして入院して、今や瀕死の重症に陥っている状態で、まさにミゾウユウ あ、間違えました。(笑声)未曾有のどん底経済不況状態であります。

 内閣がこの十六日に発表した二〇〇八年十月から十二月期の国内総生産、GDPも、前期比で三・三%の減、対前年比では一二・七%の減と、戦後二番目のマイナスを記録したということであります。また、昨日のテレビで、貿易収支が対前年比マイナス四五・七%と、昭和四十五年以降最大の減少率ということであります。

 そのような状況下で、あの天下のトヨタを初めとする自動車産業、そして、ソニーを初めとする電機メーカー産業等が軒並み赤字に転落し、企業は大規模なリストラ、首切りを余儀なくされております。それに関連する企業や下請の企業はさらに深刻で、週三日の稼働しかできないところが出てきているということであります。

 企業も労働者も、雇用を確保するために、防衛策としてワークシェアリングを導入せざるを得ないところも出てきております。

 そのような中、今、最もしわ寄せが来ているのが非正規雇用労働者の失業、首切りであります。

 厚生労働省がこの一月三十日に公表した数によると、昨年十月からことしの三月までに失業したか失業予定の非正規労働者は、東京都で二千七百三十一人で、前月比五七%の増で、雇用情勢の悪化が一段と鮮明になったということであります。

 国としても一刻も早い景気回復策、経済対策をしなければならないとき、国会では政局、政局で、国民無視の状況が続いております。この二十一、二十二日に毎日新聞が行った世論調査では、政府の雇用対策について、七〇%の人が評価しないという結果が出ております。

 都でも、国の施策を手をこまねいて待っているわけにはいかず、十月、十二月と補正を組んで不況対策を行いました。また、二十一年度の予算案の中にも、区市町村と連携し、延べ五十万人分の緊急雇用対策を実施するとあります。また、非正規雇用で働き続けている求職者に対し、きめ細かな就職支援を実施していくということであります。

 このような深刻な状況のもとで、昨年末に日比谷公園の年越し派遣村のことがマスコミで大きく取り上げられました。首を切られ、職を失い、住むところもなくなり、路頭に迷った人たちが日比谷公園に大勢集まり、いろいろな団体が支援したということであります。

 そこで、その中で、都、国、関係機関がどのような支援をされたのか、まずお伺いしたいと思います。

答弁1
福祉保健局長
 年越し派遣村に対する支援についてでありますが、都は、人道的見地から、平成二十一年一月五日から一月十二日まで緊急支援を実施いたしました。

 具体的には、都及び中央区が二カ所ずつ提供した施設内で、都が食事等の提供、生活、住宅相談、健康相談及び健康診断を行ったほか、国がハローワークによる就労相談、東京都社会福祉協議会が緊急小口資金の貸し付けを行いました。また、福祉事務所が生活保護の相談、申請を受け、必要な人に生活保護費の支給を行ったところであります。

質問2
 今、一番問題になり、しわ寄せが来ているのが、パートタイマーとか派遣労働者やフリーター等の、正規社員として働きたくてもそれができないでいる、いわゆる非正規労働者の雇用就業対策ではないでしょうか。パートタイム労働法や改正労働者派遣法等の周知徹底や適正運営の指導、また非正規雇用から正規雇用への就業支援の推進を積極的にしていく必要があります。

 また、派遣労働者の雇用改善に取り組む派遣先中小企業への支援、また、派遣法及び派遣元、派遣先指針の遵守指導の徹底、派遣料金と派遣労働者賃金の格差の問題等について、行政としてチェックをしていく必要があると思います。

 そこで、都として、いわゆる非正規雇用労働者への雇用就労対策としてどのようなことが行われ、今後どのような対策を予定されているのかをお伺いします。

答弁2
産業労働局長
 非正規労働者への雇用就労対策についてでありますが、都はこれまでも、安定した雇用を希望する非正規労働者に対しまして、しごとセンターにおいてキャリアカウンセリングや職業紹介を行いまして、就職に結びつけてまいりました。

 さらに、昨年十一月からは三十代の非正規労働者の正規雇用化に向けまして、ネクストジョブ事業を開始し、専門窓口に配置いたしましたジョブコーディネーター等が、就業相談から就職後の定着まで一貫して支援しているところでございます。

 また、非正規労働者の雇用改善につきましては、労働相談情報センターにおきまして、セミナーや啓発資料等により、パート労働法等の関係法令の周知を図っているほか、パート社員等の雇用改善に取り組む企業を支援しております。

 今後とも、こうした取り組みによりまして非正規労働者を支援してまいります。

質問3
 職を失った人、非正規労働者から正規労働者に移行希望の人等に対する職業能力の開発や向上についても、都としてさまざまな施策を行っていると思いますが、現在の、また、今後の非正規雇用者の安定雇用を推進するための施策についてもお伺いします。

答弁3
産業労働局長
 失業者や非正規労働者に対する職業訓練についてであります。

 都はこれまでも、失業者が早期に再就職できるよう、職業能力開発センターにおきまして、施設内訓練や民間教育訓練機関を活用した委託訓練を実施してまいりました。今後は、急増している失業者の再就職を支援するため、国の委託訓練の拡大に合わせまして、訓練規模を拡大してまいります。

 また、正規雇用化を希望する非正規労働者に対しては、技能習得支援として、三十四歳以下を対象とした訓練を実施してまいりました。来年度からはその対象年齢を四十四歳までに引き上げ、非正規向け訓練を強化してまいります。

質問4
 これからは、高度高齢化社会を迎え、サラリーマンを含め、仕事に一段落を迎えられた団塊の世代の方々、また七十、八十歳代の方々が、社会でもう一回、培ってきた経験、技術を生かして、新たな収入と生きがいを求めております。

 今、府中市で一番輝いて元気があるのが、老人会連合会とシルバー人材センターであります。府中のシルバー人材センターは会員数も年々ふえ、現在、千八百四十八人となっており、仕事の方もセンターとして努力をし、仕事の確保を図っておりますが、就業率は六三・四%で、府中市でもできるだけの支援をしておりますが、就業の確保が全体としてまだまだの状態であります。都としても、都の出先機関、外郭団体等で、小さな請負的な仕事についてセンターに発注することはできないでしょうか。その辺のシルバー人材センター事業に対する支援についてお伺いします。

答弁4
産業労働局長
 シルバー人材センター事業に対する支援についてでありますが、都は、高齢者の就業機会の確保のため、区市町村を通じてシルバー人材センターの管理運営費や事業費について補助を行っているところでございます。

 また、地方自治法施行令の改正により、平成十八年度からはシルバー人材センターへの随意契約が可能となりましたことから、庁内及び各事業所に対しまして、屋内外の清掃や除草といった高齢者になじむ臨時、軽易な仕事の発注を促すなど、シルバー人材センターを支援しております。

質問5
 今、各地方自治体では、それぞれが緊急の雇用対策を打ち出しています。失業者を臨時に雇用していくということであります。

 府中市でも、市民生活や市民経済の安定化を進めるため、市長を本部長とする緊急経済・生活支援対策本部を設置し、消費者、商業者支援、子育て、ひとり親家庭支援、障害者支援とともに、国の交付金を使って、緊急雇用対策の実施も行っていくということであります。ただし、埋蔵文化財の発掘や、駅近辺の自転車の整理、公園の清掃等、仕事は非常に限られております。都としても、別途補助していくべきではないでしょうかと思います。

 また、市では、緊急雇用個別相談会を開いて、東京しごとセンター多摩からの職員による、就職等で困っている市民を対象に相談会も開催しております。

 このような区市町村の緊急雇用対策への都としての支援はどのようになっているのかをお伺いします。

答弁5
産業労働局長
 区市町村の緊急雇用対策への支援についてであります。

 現下の急速な雇用悪化に対応するため、区市町村におきましても、失業者の臨時職員採用を初め、地域の実情に応じた対策を講じております。

 都は、国からの交付金により造成する基金を活用しまして、区市町村が緊急対策として実施いたします臨時職員の雇用や緊急雇用創出事業に係る経費につきまして、昨年十二月にさかのぼり、補助対象とするほか、来年度からは、都独自の補助制度によりまして、区市町村が行う雇用創出事業を支援いたします。さらに、区市町村が緊急相談会等を実施する場合には、相談担当職員を派遣するなどの支援も行っております。


 本定例会冒頭の知事の施政方針の中での緊急の雇用就業対策は大きなウエートを占めておりました。社会の活力を高めるためにも、意欲ある者の挑戦を多様な方法で後押ししますと述べておりました。

 ぜひとも都が率先して雇用就業への支援を行うよう要望し、数点についてお聞きして、若干早目ではありますけど、私の質問を終わります。よろしくお願いします。

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