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  3. 第1回定例会(一般質問2日目)
  4. 伊沢けい子(無(市民の党))

保育園の待機児童の解消を
外かく環状道路事業着手するな

伊沢けい子

 私は、東京都の予算、財政運営の抜本的な転換を求めます。

 東京都の事業は、一たん計画されると、外環道のように、たとえ四十年も前の計画であろうと、交通需要予測や財政など、現在の時点での再検証を行うことなく、まさに事業のための事業としかいえないような進められ方をしています。

 もはや都の財政も余裕がなく、このまま必要性のない事業を強引に推し進めるならば、そのしわ寄せはすべて都民の生活に来ることになります。現に都民の生活は逼迫し、ままならないところまで来ています。

 私のところに市民の方から入る陳情や訴えは、介護、子育て、医療の不足にかかわるものが多いです。特に、低所得者世帯からは、もう悲鳴が上がっています。借金、失業、病気など、悪循環して出口がふさがれております。公的支援をいざ受けようとしても、都営住宅は満杯、資金を借りようとしても二人の保証人も立てられないなど、セーフティーネットの網が破れているといえます。相談を受けても、本当に途方に暮れてしまうこともあります。

 このような状況を打開するために、すべての事業について必要性を再検証し、必要性のない事業は中止する。そして、都民の生活を直接守る介護、子育て、医療の人材確保を中心に予算配分をする思い切った予算編成を求めます。

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保育

質問1
 昨年四月の東京都の保育園の待機児童の数は、五千四百七十九人。一昨年に比べて八百七十八人の急激な増加です。認可保育所に入れない児童数は、一万人を今、超えております。

 昨年暮れ、私のところに、保育園にゼロ歳の子どもを三月から預けて職場復帰したいけれども、保育園が満杯で全く入れないで本当に困っているという電話がありました。結局、この方はフルタイムで働く女性で、共働きであったこともあって、二月に入ることが決まったのですが、入れたときに電話がかかってきて、難関を突破して合格しましたと、まるで受験に受かったかのような報告がありました。 三鷹市では、ことし、八百五十二人が申し込み、四百四十四人しか認可園に入れない。つまり、二人に一人は認可園に入れない状況です。三鷹市では、約十年間の間に人口が一万三千人もふえ、就学前児童も五百五十一人もふえています。これに対し保育園の定員拡大が追いついておりません。

 認証保育所も、二百六十七人の定員がありますが、これでも、昨年どおり百人の受け入れだとすると、三百人が、認可にも認証にも三鷹では入れず、あふれ返ってしまう状況です。

 ところが、三鷹市に聞きますと、二十一年度、認証保育所を一つふやせるかどうか交渉中というだけなのです。認可園をふやす計画はないということです。

 都は、認証保育所を三年間で一万五千人分、定数をふやすといっておりますけれども、なぜこのようなことが起きているのか。計画と実態が合っていないように思われますが、いかがでしょうか。

答弁1
福祉保健局長
 保育サービス拡充緊急三カ年事業についてでありますが、この三カ年事業の目標値は、平成二十年から三カ年かけて一万五千人増を図るというものでありますけれども、これは、区市町村における保育サービス定員の整備実績や待機児童数の推移などを踏まえて、都全体の整備数として設定したものであります。

 地域における保育サービスの供給体制は、保育の実施主体であります区市町村が、地域のさまざまな保育資源を活用して確保していくべきものでありますが、都は、これまでの待機児童解消の取り組みに加え、今年度から、マンション等併設型保育所設置促進事業を創設するなど、区市町村の取り組みへの支援を強化しているところであります。

質問2
 認証保育所は、保育料は高いです。認可との格差をなくすために、保護者に対する補助を、所得に応じて、都は行うべきではないのでしょうか。

答弁2
福祉保健局長
 認証保育所の保育料の負担軽減についてでありますが、認証保育所は、利用者と事業者との直接契約とするとともに、保育料については事業者が自由に設定する仕組みとしております。

 保育事業につきましては、実施主体である区市町村が地域の実情に応じて行うものであり、現在、幾つかの自治体においては、認証保育所の保育料の保護者負担の軽減が行われておりますが、これはそれぞれの自治体の独自の判断によるものであり、都として実施する考えはございません。

質問3
 保育士の給料が低いので、人材が集まらない。続かない。まるで介護の現場と同じようなことが今、起こっています。認証保育所に対する人件費補助、保育の質を確保するために人件費をふやすべきではないのでしょうか。

 保育所は、数だけふやせばいいというものではありません。保育の質、量ともに、ニーズにこたえるべく、本格的に保育にてこ入れ、予算を思い切って配分することを求めます。

答弁3
福祉保健局長
 認証保育所についてでありますけれども、認証保育所の運営費については、区市町村からの補助金と事業者が設定する保育料で賄うこととしておりまして、人件費についてもこの運営費の中に含まれております。

 なお、認可保育所は、国の定める基準による保育所運営費で運営されるべきものであります。 したがいまして、都として人件費を補助する考えはございません。

周産期医療

質問1
 昨年十月、都立墨東病院に搬送された妊婦さんが受診拒否され、たらい回しにされた上に出産後に亡くなるという、あってはならない事件が起きました。

 しかし、墨東病院では、産科医師の数は十年間の間に減り続けており、確保されておりません。現在も、定員九名に対して四名の医師しか確保されていません。つまり、定員の半分も確保されていないのが現状です。なぜすぐに定員まで確保しないのか、伺います。

 昨年の死亡事故当時、当直の研修医一人しかいなくて受診拒否されましたけれども、現在も、最低である二人の夜間の当直体制を維持するのに、自転車操業のような状態が続いていると聞きました。総合周産期母子医療センターである以上、当直体制が万全にとれるよう、人材確保に努めるべきではないのでしょうか。

 医師を確保するためには、手当などの臨時給与を出すことだけではなくて、給与そのものをアップするなど、根本的な対策を講じるべきではないのでしょうか。

 知事は、国の産科医師不足が原因といいますが、墨東病院は都立病院です。都が責任を持って定員の確保と最低限のことを行う、そのための予算をつけることを求めます。

答弁1
病院経営本部長
 墨東病院における産科医確保の取り組みについてでございますが、都ではこれまで、医師確保のため、都内大学医学部への協力要請を懸命に行うとともに、国の対策を待つことなく、医師給与の大幅な改善はもとより、増加する女性医師のための育児短時間勤務制度の導入や院内保育施設の充実、医療クラークの配置など、処遇の改善や勤務環境の整備を精力的に進めてきております。

 さらに、二十一年度予算案の中に計上させていただいておりますが、二十一年度からはさらなる給与の大幅な改善を行う予定とさせていただいております。

 なお、手当ではなく給与を根本的にというご指摘でございますが、産科医は昼夜を問わない診療が求められている、そういった業務実態にございます。そういった業務実態に着目し、給料本体ではなく手当による改善の方がよりふさわしいということから、手当での改善をしているところであります。

 しかしながら、年収ベースでは、先ほど申し上げたとおり、国や他の自治体よりさらに高い年収ベースになってきておりますので、手当での対応は適切であるというふうに考えております。

 こうした都の取り組みは、大学や産科婦人科学会などからも高く評価されており、大学医学部の協力もこれまで以上に得られるようになってきております。

 この結果、当直体制につきましては、既に昨年十二月から、土曜、休日も二人体制に復帰しているところでございます。また、常勤産科医についても増員できる見通しとなっております。

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道路行政

質問1
 道路行政、外かく環状道路について申し上げます。

 国も都も財政難のときに、最低でも一兆六千億円、地上部も入れると二兆円もかかるといわれている道路をなぜつくる必要があるのか、全く理解できません。

 そもそも、どこがお金を出すのか、つまり、事業主体がどこになるのかも明確にされないうちに、国や都は事業着手を進めるといっています。どこが事業主体になるのか、都はどれだけ負担すると考えているのか、お答えください。

答弁1
都市整備局長
 外環をなぜつくるのかわからないと、こういうご質問でございますが、知事からも何度もご答弁申し上げて、繰り返しの答弁になりますが、外環は、東京のみならず、広く全国に便益が及ぶ重要な路線でございます。

 具体的に申し上げますと、都心に集中する通過交通のバイパスによりまして交通渋滞の緩和が図られる、また交通利便性の向上が見込まれる、また、渋滞の緩和によりまして環境の改善が見込まれる等々の大きな効果がございます。

 外環、こうしたことによりまして、費用対便益、非常に大きゅうございまして、全国でもトップレベルでございます。したがいまして、まさに必要な道路というふうに、私ども考えてございます。

 今後も、平成二十一年度事業着手に向けまして、一刻も早く国幹会議を開催し、整備計画を策定するよう、国に求めてまいります。

 外環の事業主体でございますが、昨年一月に決定されました外環の基本計画におきまして、建設主体は、国土交通大臣または高速道路株式会社とされております。

質問2
 三鷹市では、インターチェンジや関連道路、換気塔など、環境への影響も、関係市の中でも極めて大きいことから、多くの市民がこの計画に反対しております。

 そして、環境影響評価でも、地下水、そして交通量予測など、三鷹市はこれほど影響が多い場所であるにもかかわらず、調査は各一カ所しか行われておりません。全く影響調査になっていないのです。

 このような状況で、事業着手について認めることは到底できません。環境や交通量に関するデータが示されない中で、どうして事業着手の手続だけを進めることができるのでしょうか。

答弁2
都市整備局長
 環境データについてでございますが、外環につきましては、環境影響評価法に基づきまして環境影響評価を適切に実施いたしまして、そのデータを公表しております。

 加えまして、都市計画変更の後も、国とともに、地下水保全や換気の考え方など、現段階で提示可能な情報の提供に努めてまいっております。

 今後とも、国と協力し、事業実施段階におきまして詳細な調査を実施し、適宜データを公表してまいります。

 今後の進め方でございますが、今申し上げましたように、国や地元区市とともに、環境対策などの地元の意見や要望を聴取してまいりました。先月、これらをまとめた対策の素案を取りまとめまして公表いたしております。

 現在、この素案につきましてパブリックコメント等を実施しまして、丁寧な対応に努めております。

 また、今後、事業実施段階におきましても、理解と協力を得られるよう、地元と話し合いを継続していくつもりでございます。

質問3
 調布保谷線は、密集した住宅地に計画されていることから、合計一千九十二軒に及ぶ立ち退きを余儀なくされております。立ち退き、代替地確保と一口にいいますけれども、一軒一軒の生活にしてみれば、長年住みなれた土地を離れ、生活再建も本当に簡単ではありません。このような苦痛に満ちた声を、市民の方々から私は聞いております。

 大型のスーパーマーケットや分譲マンションを含む多大な立ち退きをさせて市民に犠牲を強いることに対して、都の見解を伺います。

答弁3
建設局長
 調布保谷線についてのご質問でございますけれども、道路に関する基本的認識も含めて、お答えをさせていただきます。

 調布保谷線は、外環を初めとする三環状道路など高速道路ネットワークと相まって、多摩地域の交通の円滑化や地域の活性化のみならず、埼玉、神奈川両県と広域的な連携を強化し、東京ひいては首都圏の発展を支える極めて重要な道路でございます。

 現在、川崎街道から埼玉県境に至る延長十四・二キロメートルのうち、九・二キロメートルで事業中でございます。

 沿道環境に配慮するため、車道の両側に、歩道や植樹帯で構成される幅十メートルの環境施設帯を設け、幅員三十六メートルの道路整備を進めているところでございます。

 都は、平成七年の都市計画変更素案の説明会以来、環境アセスメントの説明会、測量説明会や用地の個別相談会など、さまざまな機会を通じて、地元にきめ細やかな対応を行ってまいりました。さらに、環境施設帯については、住民参加により、地元の意見も十分に反映させていただいております。

 事業中区間については、多くの関係権利者のご理解とご協力により進められておりまして、平成二十一年一月末現在ですが、移転棟数、移転を必要とする棟数、約千百棟ございますけれども、そのうち九百三十棟余りの用地取得が既に完了しております。

 来る三月末には、中央自動車道から東八道路付近までの二キロメートルを四車線で交通開放する予定でございます。

 調布保谷線のような幹線道路をきちんと整備することで、そこの地先に用事がないのに、ただ通過するために、いわゆる生活道路に入り込む車を適切に誘導することができます。そのことによって、環境改善や交通安全上にも大変有効であります。運転者がその目的に応じてルートを選択できるような、さまざまなレベル、さまざまなタイプの道路を整備することが必要であると考えております。

 調布保谷線は、四百万都民が生活する多摩地域が首都圏の中核として発展するためにも、地元の理解と協力を得ながら、調布保谷線の早期完成を目指して着実に整備を進めてまいります。

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教育行政

質問1
 都教委は、教員の確保や三十人学級の実現など、都民にとって本来必要な教育環境の整備には力を入れようとしない一方で、教育内容への介入や教員への思想弾圧などを繰り返し行っています。

 先日も、職員会議での採決禁止や人事考課制度に異議を唱えていた、都立三鷹高校の土肥校長の再雇用を拒否しました。なぜ土肥校長の再雇用を拒否したのですか。答えてください。これは権力の乱用ではないのでしょうか。

答弁1
教育長
 三鷹高校土肥校長の問題でございますけれども、これは個人の評価に関することであり、個別の問題でありますので、この場ではお答えすることはできません。

質問2
 都教委は、個人情報の漏えいを法令を犯して繰り返し行い、これを違法に得た都議やマスコミは、教員の攻撃の材料に利用しました。

 去る二月十六日の文教委員会の中で、社会科教諭であった増田都子さんの個人情報を、古賀、田代、土屋の三都議に提供したことについて、古館議員が、この行為は不適切ではないのかと追及したのに対して、都教委は、みずからの裁量に基づいて情報提供したと答えるのみで、適切か、不適切だったかについて答えませんでした。再度お聞きします。これは不適切な行為ではないのでしょうか。

 さらに驚いたことに、都教委は、三都議に求められたからではなくて、自主的に個人情報を提供したと主張しています。しかし、これは明白なうそです。求められもしないのに、特定の都議に情報提供をするなどということがあり得るでしょうか。

 ここに、そのうそを示す証拠があります。(資料を示す)これは、平成十一年十一月二十四日、東京都教育庁指導部管理課の管理課長秦正博さんが都議会民主党土屋たかゆき議員に出したものです。そして、ここに、これに基づいて増田都子さんの研修状況報告書がファクスで送られました。それについて、この秦正博管理課長はこのように、個人情報漏えい裁判の中で述べています。

 私は、平成十一年十一月二十日前後に、田代都議から電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所へファクシミリで送付するように求められました。また、指導企画課長は、平成十二年三月に、土屋都議からの電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所へファクシミリで送付するように求められました。このように書いてあるのです。

 都教委は、去る二月十六日、文教委員会での答弁は虚偽であったと認めますでしょうか。

答弁2
教育長
 本件情報提供は、行政をチェックする立場にございます都議会議員に、行政機関がみずからの裁量により、保有する情報を提供したものでございます。

 本件情報提供は、それが行われた平成十一年度におきましては、本件元教諭の処分にかかわりまして、実名で既に新聞報道がなされ、都議会のみならず、区議会、国会でも取り上げられている状況でございまして、その状況を踏まえ、情報提供することが法令上相当な理由があると判断したものでございます。

 それから、二月十六日の文教委員会における私どもの答弁についてでございますが、本件情報提供に関しまして、三人の都議は、当該教諭の服務事項に関する事実関係や、その後の行政側の対応の状況がわかる資料を求められたものでございまして、本件個人情報を含む具体的な資料をみずから選別し、提供したのは都教委でございます。

 繰り返しますが、判決で条例違反とされた部分につきまして、殊さらにそれを明示して、都議から資料提供を求められたわけではございません。

 したがいまして、三名の都議の主張と、我々、文教委員会における答弁とは、何ら矛盾するものではございません。

質問3
 最高裁でも違法ということが確定した個人情報の漏えいについて、都教委及び三人の都議は過ちを認め、増田元教諭に謝罪すべきです。答弁を求めます。

答弁3
教育長
 謝罪についてでございますけれども、最高裁の判決の確定を受けまして、都は判決に従って、本件元教諭に対して損害賠償金を支払っております。

 判決におきまして、損害賠償金の支払いによって、本件個人情報に関するプライバシーの侵害に対する本件元教諭の精神的苦痛が慰謝されるとされておりまして、その余の請求は棄却するとされているところでございます。

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新銀行東京

質問1
 新銀行東京についてお聞きします。

 ちょうど一年前の第一回定例会本会議のときに、知事は、旧経営陣を年内に訴えるといいました。本当に旧経営陣に責任があるというなら、いまだに訴えないのはなぜなのでしょうか。いつ訴えるつもりなのか、お聞きします。

答弁1
産業労働局長
 今般の調査報告書が出るのが遅かった、なぜ訴えないのか、いつ訴えるのかというご質問でありますが、新銀行東京は、経営悪化にかかわります法的責任を追及する観点から、外部の弁護士に依頼をいたしまして、開業前から今日に至るまでの間につきまして、調査、分析を十分に行ってきたと聞いております。

 新銀行東京は、その報告を受けまして、既に旧経営陣に対して訴訟を提起する方針を決定しております。

 今後、周到かつ慎重に準備を進め、それが整い次第、速やかに訴訟を提起することとしております。

 なお、意図的におくらせているのではないかとのごとき指摘がございましたけれども、事は訴訟にかかわることでありまして、調査におきましても、また訴訟提起準備につきましても、必要かつ十分な対応が必要であり、いたずらに時間をかけたり、また拙速な対応をするべきものではありません。意図的におくらせているというようなご批判は当たらないと考えております。

質問2
 今の状況というのは、結局、責任問題が先送りにされ、知事及び東京都が全く責任をとろうとしない、一千億円の都民税が損失した原因、責任について、あやふやにしたままです。今こそ、知事は責任を明確にすべきです。

答弁2
産業労働局長
 経営悪化の責任、都と知事の責任を明確にすべきであるという点についてでありますが、そもそも企業経営におきましては、実際に経営を行う経営者、それから重要な方針を決定する取締役会、さらに株主では、経営に関与する度合いはそれぞれ異なっておりますし、当然、負うべき責任も異なっております。

 今回の外部弁護士による調査報告書でも述べられておりますけれども、銀行法や金融庁の指針にも示されておりますように、銀行には、その公共的性格にかんがみまして、経営の独立性が求められていること、また、新銀行東京も株式会社としての所有と経営の分離が図られていたこと、さらには、銀行の株主には会計帳簿等の閲覧請求権が認められておらず、新銀行東京から都への情報提供も限定されていた。このように、株主の関与が厳しく制限された中で、実際に経営のかじ取りを行い、巨額の損失を計上した旧経営陣の責任は重大であるというふうにされております。

 都といたしましては、中小零細企業のために、この銀行の再建を果たすことが最大の責任であると、かように考えております。

質問3
 そのような中で、今回、金融支援に関する条例案、なぜ新銀行東京にも融資の援助を行うのか。新銀行東京は、四百億円追加出資の際に、公金投入を行わないということを約束したはずではないのでしょうか。

答弁3
産業労働局長
 地域の金融機関と連携した新たな金融支援策が、新銀行への支援、また延命策であるというようなご指摘があったかと思いますが、本支援策は、都と地域の金融機関が連携をいたしまして、資金繰りに苦しむ中小企業を支援することが目的であります。

 これまで重ね重ね明らかにしてまいりましたように、いかなる金融機関に対しても、その経営そのものを支援するというようなことを意図したものではございません。

 したがいまして、新銀行東京への支援、また延命策というようなご指摘は的外れであるというふうに考えます。

質問4
 都議会でつけた付帯決議にも違反するのではないでしょうか。

答弁4
産業労働局長
 新たな金融支援策に新銀行が仮に参加するという前提だと思いますが、四百億円の追加出資の予算が議決された際の付帯決議に反するとのご指摘でありますけれども、ご指摘の内容が付帯決議のどの部分に反するかというのはちょっと明らかではありません。

 ただ、付帯決議、三つついておりますけれども、想定するに、さらなる追加出資は許されないことというのが、その趣旨に一番近いのかと思いますので、その前提でお答えさせていただきますけれども、本支援策におきましては、貸付原資の預託と、債務不履行が起きた際の損失補助の仕組みを導入することとしております。

 こうした仕組みは、現行の制度融資でも行われているものでありまして、いかなる金融機関への経営そのものの支援を行うものでもありませんし、ましてや新銀行東京への追加出資を意図するものではございません。

 したがいまして、付帯決議に反するとのご指摘は全く当たらないものと考えます。

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築地市場

質問1
 築地市場について伺います。

 築地市場の豊洲への移転計画は、食べ物を扱う世界でも最大級の市場を、日本でも最大級の土壌汚染が確認された工場跡地に市場を移すという、全く相入れないものを一緒にしようとする計画です。初めに、東京都はこのこと自体に大きな矛盾を感じないのでしょうか。

 築地は、現在、年間に約二十社の仲卸業者が後継者不足で撤退せざるを得ないと聞きました。私は、移転計画で箱物を整備することより、築地の業務そのものを立て直す方が先だと思います。最低でも四千三百億円、土壌汚染に五百八十億円もかけて移転を行う必要はありません。

答弁1
中央卸売市場長
 豊洲新市場予定地への移転についてでございますが、豊洲新市場予定地は、敷地全域に高濃度の汚染が広がっているわけではなく、対策を講じることにより、仮に人が生涯にわたりこの土地に住み続けたとしても健康への影響はなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地として、食の安全・安心も十分確保できるとの提言を専門家会議からいただいております。

 今回、技術会議で取りまとめた対策は、専門家会議の提言を確実に実現するとともに、より高いレベルで安全性を確保する内容となっております。この対策を確実に実施することで、都民や市場関係者が安心できる豊洲新市場の整備を進めてまいります。

質問2
 手続に関してですが、なぜこの技術会議メンバー及び会議内容を非公開にしたのでしょうか。

答弁2
中央卸売市場長
 技術会議を非公開とした理由についてでございます。

 技術会議は、その検討過程において、各委員が外部からの干渉を受けず、公正中立の立場で評価、検証を行うことが求められ、また、提案事業者の知的財産に対する配慮も必要なことから、委員名は非公表とし、会議は非公開としてまいりました。このたび、報告書が取りまとめられたことから、保護しなければならない情報を除き、委員名を公表するとともに、会議録等は整理ができたものから順次公表しているところでございます。

質問3
 これより先に、昨年八月三十日、私は市民の方と一緒に、豊洲についても、そして築地市場、視察を企画しました。このとき、豊洲について再三、現地で説明をするよう求めましたが、断られました。二度も頼みましたが、だめでした。本当に積極的に説明するはずだと思うならば、なぜ断ったのでしょうか。お答えください。

答弁3
中央卸売市場長
 豊洲新市場予定地の視察ができなかったということでございますけれども、当該地は、当時、土地区画整理事業の工事区域であり、また、民間を含む複数の事業者が土地を所有していることから、関係者以外の立ち入りは禁止をされておりました。そのため、原則として一般の方の視察の受け入れは行っておりませんでしたが、専門家会議の中で実施した土壌、地下水の調査状況につきましては、所有者と調整をし、日時を定めて一般の方に公開してきたところです。

 今後、環境確保条例に基づく調査や土壌汚染対策工事の内容につきましては、安全性に配慮しながら、できる限り現地を公開するとともに、ホームページやパンフレットを活用し、積極的に情報提供や説明を行い、都民の方々の十分な理解が得られるよう努めてまいります。

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