
首都高速道路の安全対策
質問1
首都高速五号線の事故と安全対策についてお伺いをいたします。
二月の十四日に、上下二層から成る首都高速五号線の上層部に走る上り線、熊野町カーブ付近において海上コンテナ車が横転する事故が発生しました。昨年八月にも、同じ線の下層部に当たる下り線で、軽油を満載したタンクローリーが横転し、大火災が起きました。同一路線における事故が連続したことから、完全な事故対策が必要と考えます。
そこで、昨年八月に起きた事故を受け、首都高では当該箇所にどのような対策を講じたのか、伺います。
答弁1
都市整備局長
首都高速五号線の事故対策でございますが、昨年八月に起きたタンクローリー事故によりまして激しい渋滞が発生し、長期間にわたり、都民生活や経済活動に甚大な影響を及ぼしました。
事故後の復旧工事は、首都高速道路株式会社の懸命な取り組みによりまして、約二カ月で全面的に完了しましたが、復旧時にあわせまして、本事故の発生したカーブ区間におきまして、注意喚起板や滑りどめカラー舗装の増設などが実施されました。
これに加えまして、自動車メーカーやトラック輸送業者の団体に対しまして、危険物車両への横転防止安全装置の普及や安全運転の徹底について要請を行ったと聞いております。
質問2
急カーブなどの危険地点の事故対策は、あらゆる予防策が重要です。今回のような国際海上コンテナの陸上輸送時は、ドライバーには、覆われたコンテナの中身や荷物の重心の位置すら知らされていないことが多いのです。実際、官民協議会の報告によりますと、国際海上コンテナを陸上輸送する際、内容物がわからないコンテナを積み、運転した経験が三四%に上り、ほかにも片荷に気づいたことがある四五%、荷崩れや重量超過の問題も起きています。
海外からのコンテナの場合、何がどのように入っているのかわからないのも危険なんですが、タイヤへの荷重の重心だけでも、せめてドライバーへ事前に情報を伝えることができれば、例えば、積んだコンテナの荷物の重心が右の上に偏っていたら、右カーブでは右に横転しやすくなりますので、荷重の重心に配慮をした安全運転ができるようになるのではないでしょうか。貴重な現場のドライバーの声を聞くことができました。
このほかにも、こうした重心対策や、危険箇所を見落とさないように、該当場所から通常は百メートル手前にある注意を促す滑りどめカラー舗装等をもっと手前に移動する注意喚起区間の延長策、あるいは、高速上に設置されている音センサーを活用し、ETCから危険箇所を音声で知らせる音声防止策等、さまざまなドライバーの生の声を聞くことができました。
そこで、今回の事故箇所に対してどのような再発防止対策を検討しているのか、また都はどのように考えているのか、お伺いします。
国内や海外から初めて走る人も安全に走ってもらえるよう、一人の命こそを大切にできる首都東京の高速道路の安全対策を望みます。
答弁2
都市整備局長
今月の十四日、今度は上り線でございますが、で発生しました事故の対策でございます。
首都高速道路株式会社では、当該区間における大型車横転事故の再発防止対策を検討するため、先週、学識経験者、警視庁、その他関係機関により構成されます対策会議を設置いたしました。
初回会合では、カーブ進入速度の抑制が効果的であると推定されることから、速度超過車両に対しまして減速を促す対策などにつきまして、今後、検討していくことといたしました。
都といたしましては、この会議における検討状況も踏まえながら、会社に対し、事故の再発防止に万全を期すよう働きかけてまいります。
繁華街の盛り場総合対策
質問1
繁華街の盛り場総合対策についてお伺いします。
警視庁では、盛り場総合対策推進本部を設置し、渋谷、六本木、新宿歌舞伎町、池袋の四地区を中心に盛り場総合対策を推進しています。
だれもが安全で安心して楽しめるような盛り場をつくっていくためにも、二十四時間見守ることのできる街頭防犯カメラを設置促進していくことが特に有効であると考えられます。 また、渋谷地区は若者のまちとして知られ、センター街を中心に多種多様な風俗店や飲食店が集中しており、風俗店へ案内をする無料風俗案内所が点在しております。
このような環境から、青少年を非行や犯罪から守るため、渋谷地区における盛り場総合対策の取り組み状況と、無料風俗案内所に対してどのような対応をとっているのか、警視総監に伺います。
答弁1
警視総監
渋谷地区における盛り場総合対策の取り組み状況についてお答えをいたします。
警視庁では、だれもが安全で安心して楽しめる盛り場環境を実現する、これは以前にも申し上げましたけれども、要は、そういった盛り場から、怖いとかひどいとか、あるいは気味が悪いとか、場合によっては汚いとか危ないとか、そういう印象を持つ、そういった要因をいかに排除していくかという観点から、重点的かつ戦略的な盛り場の総合対策を関係機関とも連携しながら実施しているところであります。
渋谷地区におきましても、一つには、これまでに多数の暴力団員、あるいは来日外国人犯罪者等を検挙、摘発をしております。また、数多くの違法風俗店やカジノ店などを閉鎖に追い込んでいるところであります。
さらに、条例を整備いたしまして、客引き行為の規制強化、また、先ほどご質問がありましたけれども、無料風俗案内所に対する規制、これは条例といたしまして、歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例ということでございまして、一定の行為を禁止し、取り締まっているということであります。いずれにしても、盛り場環境の改善に努めているところであります。
また、ご質問のありました防犯カメラについてでありますが、現在は、渋谷宇田川町地区で十台の街頭防犯カメラを運用いたしております。
今後は、風俗店が密集する道玄坂二丁目地区、ここにも街頭防犯カメラ十台を増設いたしまして、防犯環境の一層の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、盛り場対策、渋谷地区につきましても、今後とも、東京都を初めとする関係機関、団体、あるいはとりわけ地元の商店街等の方々と連携をとりながら、渋谷の特殊性である若者のまちというのが生きるように、さまざまな角度から施策を強化してまいりたいと考えております。
持続可能都市の環境
質問1
持続可能都市の環境について、次世代自動車の温暖化対策をお伺いします。
今議会に、低公害、低燃費車の導入促進などを盛り込んだ条例改正案、電気自動車などの次世代自動車導入支援のための補助の予算案や環境減税などが提案をされています。
世界的な景気後退を受け、車の売り上げ台数が大幅に減少している中、新しく販売をしたハイブリッド車は、売り上げが好調であるとも聞いております。 環境によい低公害、低燃費車の普及は、このような状況の中で普及の好機とも考えられますが、都はどのようにエコカー普及に取り組んでいくのか、見解を伺います。
答弁1
環境局長
低公害、低燃費車の普及についてでございますが、自動車部門の地球温暖化対策をさらに推進していくためには、低公害、低燃費車の普及を図っていくことが重要でございます。
低公害、低燃費車の中でも、電気自動車等の次世代車は、CO2排出がより少なく、環境負荷が低いことから、発売の機会をとらえて導入支援を行うとともに、急速充電器の整備促進を図り、その普及を促してまいります。
今後、こうした取り組みに加えまして、低燃費車の利用を促すガイドラインの策定などにより、低公害、低燃費車の一層の利用、導入促進に努めてまいります。
質問2
並行して、既存の自動車の燃費の向上に取り組んでいくことも忘れてはなりません。最近では、エコ車検といって、エンジン内部にたまったカーボンやスラッジなどの汚れを洗浄し、燃費改善を図る有償点検を売りにしている自動車整備工場などもあります。
プロドライバーだけでなく、一般ドライバーの運転する自動車からの環境負荷を低減するためには、日常的に幅広く点検や整備も行われるようにしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
答弁2
環境局長
環境負荷を低減させるための点検、整備についてでございますが、自動車からのCO2削減を進めていくためには、環境性能の高い車の導入を促進することに加えまして、現に使用されている車の燃費を高めることも必要でございます。
このためには、日常的に簡易な点検や整備を適正に行うことが重要であることから、今後、都としても、適正な点検や整備がなされるよう、取り組みの促進を図ってまいります。
質問3
温暖化対策を進めるためには、車の性能をよくするだけでなく、運転の仕方を変えることも重要です。このような中、独自のエコドライブ普及のプロジェクトを進めている運送等の事業団体があり、燃費効果やCO2削減効果だけではなく、三年間取り組んだその取り組み前後では、交通事故が四三・六%も削減したという効果が出ていると聞いています。
こうした業界団体の自主的取り組みは高く評価すべきであり、ほかの多くの業界にも、それぞれの業態に合わせて広げていくべきと考えますが、見解を伺います。
答弁3
環境局長
事業者団体が行っているエコドライブの取り組みの普及についてでございますが、エコドライブは、燃費の向上により、自動車から排出されるCO2の削減に大きな効果が期待できます。
こうしたエコドライブの推進の取り組みを行っている事業者団体の中には、CO2の削減などの具体的な目標に向け、教育訓練や検証などを組織的かつ体系的に行い、エコドライブの定着に大きな成果を上げているものもございます。
都としては、このような先駆的な取り組みが他の業界や事業者などにも普及し共有されるよう、幅広く取り組み内容の周知などを図ってまいります。
質問4
太陽エネルギーの普及拡大について、四月から太陽光発電と太陽熱利用機器の導入補助が始まります。二年間で四万世帯という意欲的な目標と、九十億円の補助予算を前倒しで補正予算化をし、いよいよ自然エネルギー、太陽の季節が到来したと思います。
普及のためには、都民が太陽光発電の導入に向けた道筋が具体的にわかりやすい説明が必要と考えますが、所見を伺います。
答弁4
環境局長
太陽光発電の効果と導入への道筋についてでございます。
四人家族の標準世帯に三キロワットの太陽光発電を設置した実際の例によりますと、年間約十三万円かかっていた電気代のうち七万円分が太陽光発電で賄われ、電気代の支払い額は年間六万円程度になっており、家計の電気代負担がおおむね半減しております。
太陽光発電の導入については、ホームセンターや工務店などでの取り扱いが広がっており、都は、これらの販売店とも連携し、都民に身近な場所で連続的に見本市を開催しております。これらの場においては、導入に向けた手続についても具体的に案内しております。
今後は、地域ごとの問い合わせ先をわかりやすく示すなど、多くの都民にきめ細かな情報提供に努めてまいります。
質問5
標準的な太陽光発電の導入に対しては、都から三十万円、国からは二十一万円の補助が得られるとともに、この四月から補助を行う区市町村もふえてきているようです。きょう現在、把握できる範囲で、区市町村の補助金実施状況と今後の実施の見通しについてお伺いします。
答弁5
環境局長
区市町村による太陽エネルギー補助の実施状況と今後の見通しについてでございますが、太陽光発電導入補助は、平成二十年度に二十の区市において実施されてきましたが、平成二十一年度には二十三の区市での導入が予定されており、これに加えまして、十の区市において導入に向けた検討が行われていると聞いております。
また、太陽熱利用機器の導入補助は、平成二十年度に九つの区市で実施されてきましたが、平成二十一年度には十六の区市で導入が予定されており、これに加えて、七つの区市において導入に向けた検討が行われていると聞いております。
質問6
太陽光発電の導入によって、家庭の中では、節電等の意識の変化や環境教育の効果も上がっています。この効果を最大限に生かすためにも、補助金制度を始めるこの機会に、申請受付の窓口では申請書類を受け取るだけでなく、環境の意識の向上に役立つパンフレットなどを用意して手渡しすべきではないでしょうか。見解をお伺いします。
答弁6
環境局長
補助金申請受付の窓口を活用した環境政策の普及啓発についてでございますが、太陽光発電を導入した家庭では、発電量や電力消費量への関心が高まり、省エネ、節電の取り組みが徹底されるようになるなどの事例が、さまざまな媒体で数多く紹介されております。
申請受付の窓口を活用した省エネ対策などの普及啓発は、環境意識の高い家庭に対して直接の情報提供を行うことから、有効な手法と考えられます。こうした手法も含めまして、今後、環境政策の普及策について検討してまいります。
質問7
昨年の六月、大幅な条例改正に続き、今回も環境確保条例の改正が提案されており、地球温暖化の防止に向け、小さいものでも積み重ねを続けることが、持続可能な環境都市東京をつくるために必要です。
石原知事が日ごろ口にされる、たとえあす地球が滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植えるという言葉のように、東京で実現した温暖化防止の例が世界に普及して世界じゅうで効果を上げることが期待できます。
そこで、知事にお伺いします。
太陽エネルギーの普及拡大をリードし、世界じゅうに影響力を持つ都市環境政策を実現をさせ、世界規模で二酸化炭素排出削減に向かって進まれる知事の抱負と決意をお示しください。
答弁7
知事
太陽エネルギー利用拡大によるCO2排出削減についてでありますが、地球環境問題は人類の存亡にかかわる課題でありまして、多量のエネルギーを消費する都市でのCO2の削減の取り組みは決定的に重要だと思います。
太陽のエネルギーは地球上至るところに降り注いでおりまして、その徹底した活用は、現代文明を化石燃料への依存から解放し、気候変動の危機からも脱却させる現実的な可能性を有していると思います。
東京が太陽エネルギーの普及を先導し、劇的にCO2を削減する低炭素型都市の姿を実際に示すことによりまして、世界の気候変動対策の強化に貢献していきたいと思っております。
消費生活
質問1
多重債務問題について伺います。
金融庁の発表によると、消費者金融等からの借り入れが五件以上ある多重債務者は、ことしの一月末現在で全国約七十六万人との高い数字で、深刻な事態です。
多重債務は、突然のリストラや病気など不測の事態により、だれもが陥る可能性があり、膨らんだ数百万円の返済に苦しみ、命を落とす方も後を絶ちません。警察庁の資料によりますと、平成十九年に多重債務を原因とする自殺者は全国で約二千人となっています。
このような多重債務に苦しむ人を一人でも多く救済するには、早い段階で相談ができ、専門家による適切なアドバイスを受けられる仕組みを整えることが重要であると考えますが、所見を伺います。
答弁1
生活文化スポーツ局長
多重債務に係る相談体制についてでございますが、都は、平成十九年に設置いたしました東京都多重債務問題対策協議会におきまして関係機関と協議を進め、消費生活相談窓口から弁護士会や司法書士会などの法律相談窓口に確実につなぐ仕組みを構築し、昨年一月から既に多重債務相談に活用しているところでございます。
また、区市町村とともに特別相談、多重債務一一〇番を実施するなど、多重債務問題を抱える都民の皆様が一人でも多く相談できる体制の整備に努めているところでございます。
今後とも、関係機関と積極的に連携を図りながら、多重債務問題の解決に取り組んでまいります。
質問2
生活の中の安全について伺います。
子どもたちが不慮の事故に遭遇するケースも後を絶ちません。こんにゃくゼリーをのどに詰まらせ死亡、樹脂製のサンダルをエスカレーターに挟み、足の指を負傷、お風呂の玩具で幼児が深刻なけがをする、ウエハースやビスケットやあめ等のベビーおやつをのどに詰まらせてしまう事故、これら幼児に取り返しのつかない事故に遭うことのないよう、対策を講じていくべきです。
都は、商品等安全対策協議会で、乳児用のおやつによる窒息事故について取り上げました。おやつを上げた母親は自分を責めてしまい、どこにも相談しない人がほとんどです。しかし、もともと食品や商品の大きさや形状がどこかしら人体に無理があったのではないでしょうか。子どもたちの安全を守れるよう、協議会の報告を具体的な安全対策に結びつけ、実効性あるものとすることが大切です。
都のこれまでの取り組みと成果について伺います。
答弁2
生活文化スポーツ局長
商品等に起因する子どもの事故防止についてでございますが、都は、商品テスト等により調査分析を行うとともに、消費者、事業者、学識経験者から成る商品等安全対策協議会で検討するなど、子どもの事故防止対策を進めてまいりました。
これまで、子ども用の衣類やアクセサリー、折り畳みいす、家庭用掃除機、ベビー用おやつ等幅広いテーマについて、事故の実態や事故原因等を分析し、国や事業者団体等へ提案、要望を行ってきたところでございます。
その結果、国は安全基準の見直し等を行い、また事業者団体においては安全のためのガイドラインの策定に取り組むなど、成果を得ているところでございます。
質問3
子どもばかりでなく、高齢者もさまざま、屋内での転倒や骨折事故も見逃せないものがあります。ベッドの転落防止用のさくの六センチのすき間に首が挟まれ死亡した事故もあります。ふだん使われている生活の商品にどんな危険が埋もれているのか早く把握をし、危険の芽を摘むことが大切です。
事故の未然防止のために、身の回りの危険を掘り起こし、商品にかかわる危害、危険に対する情報を的確に把握すべきだと思いますが、見解を伺います。
答弁3
生活文化スポーツ局長
危害、危険に関する情報の収集についてでございますが、都は、消費生活センターの相談情報や、東京消防庁など関係機関からの事故情報、さらに海外の事例などについて収集し、分析を行っております。
事故の未然防止を図るためには、こうした取り組みに加え、生活の中に潜んでいる危害、危険の情報を積極的に掘り起こすことが必要であると考えておりまして、このため、来年度には、インターネットアンケートによりまして、商品を使用しているときのヒヤリ・ハット体験を直接都民の皆様から収集し、きめの細かい安全対策に取り組んでいく計画でございます。
仕事と生活の調和
質問1
仕事と生活の調和についてお伺いします。
日本では、第一子出産後に約七割の女性が離職します。子どもを産み育て、親の介護をしながら長時間労働、長時間通勤で働く難しさをあらわしています。育児、介護休業や休暇制度の充実、再雇用制度などの雇用環境の整備も重要です。
そこで、都が今年度から創設したワークライフバランスに取り組む中小企業の認定制度の目的と内容についてお伺いをいたします。
答弁1
産業労働局長
ワークライフバランスに取り組む中小企業の認定制度についてのお尋ねにお答えいたします。
都は、働き方の見直しの社会的機運醸成と中小企業の雇用環境の底上げを図るため、今年度、すぐれた取り組みを実施している中小企業を東京ワークライフバランス企業として認定する制度を創設いたしました。
認定に当たりましては、育児、介護休業制度充実など四つの部門を設けまして、四十社を超える応募の中から、独自の短時間勤務制度や法定を超える子どもの看護休暇の付与、誕生日休暇の設定等の先進的な取り組みをしている十二社を認定し、二月に開催をいたしましたワークライフバランスフェスタ東京で表彰をしたところでございます。
今後は、認定企業のすぐれた取り組みをホームページや企業向けセミナー等で広く紹介することによりまして、多くの都内企業への普及に努めてまいります。
質問2
昨年二〇〇八年は、ワークライフバランスの元年。男女がともに仕事、家庭生活、地域活動をバランスよく担える社会への転換を目指し、都は普及啓発にどのように取り組んでいくか、具体策を伺います。
答弁2
生活文化スポーツ局長
ワークライフバランスの普及啓発についてでありますが、都は、平成十九年に改定いたしました男女平等参画のための行動計画におきまして、ワークライフバランスの実現を掲げ、その推進に取り組んできたところでございます。
また、現在、ワークライフバランスに積極的に取り組んでいる都内企業四十社の実践例等に基づき、具体的な取り組み方策を提示するワークライフバランス実践プログラムを作成中でございます。
この実践プログラムや毎年実施をしておりますシンポジウムなどによりまして、広く普及啓発に努めてまいります。
防災拠点などの耐震化
質問1
防災拠点の耐震化について、病院、公立小学校・中学校、防災拠点、この三つの公共施設等についてお伺いします。
震度六強の地震で倒壊の可能性があるという耐震指標、Is値〇・六未満の事例について、国全体では、病院は千十病院、全病院の一一%、公立小中学校は四万三千百九棟、全体の三三%、防災拠点となる公共施設は三万三千五百二棟、全体の一七%となっていますが、東京都全体では、この倒壊の危険性があるIs値〇・六未満の事例及びさらに危険のあるIs値〇・三未満の事例は幾つあるのか、各内訳はどんなものか、お伺いします。
答弁1
教育長
公立小中学校の耐震性の現状についてでございます。
平成二十年四月現在、大規模地震によって倒壊等の危険性がある建物、すなわちIs値〇・六未満の棟数は一千六百二十六でございます。そのうち倒壊等の危険性の高い建物、すなわちIs値〇・三未満の棟数は三百五十六でございます。
都市整備局長
防災拠点となる公共施設の耐震化についてでございますが、平成十九年度末の総務省消防庁の調査では、都内における一万一千六百四十一棟のうち、耐震性がないと見込まれるIs値〇・六未満の建物は一千七百七十一棟ございまして、その内訳の主なものは、文教施設や社会福祉施設でございます。
質問2
地震が怖くない首都東京を目指して、避難所や防災拠点となる重要な施設の、予定よりも前倒しの早急な耐震化工事が望まれます。これらの耐震化一〇〇%への耐震進捗状況と目標時期について伺います。
答弁2
教育長
公立小中学校の耐震化の進捗状況等についてでございます。
平成二十年四月現在の耐震化率は七六・七%となっております。
学校施設は、児童生徒の学習、生活の場であり、災害発生時には避難場所となるなど重要な役割を担っており、耐震化を早急に完了する必要がございます。
このため、都教育委員会は、Is値〇・三未満の建物については、平成二十二年度までに、Is値〇・六未満の建物については、現行計画を三年前倒しして平成二十四年度までに耐震化を完了することを目標といたしまして、本年度から区市町村に対して財政支援及び人的支援を行っております。
今後とも、区市町村とさらに連携を深め、早期に公立学校施設の耐震化を完了するよう努めてまいります。
都市整備局長
耐震化の進捗状況についてでございますが、都では、平成十九年三月に耐震改修促進法による東京都耐震改修促進計画を定め、これに基づき、災害時の避難所や応急活動拠点となる都立施設につきまして耐震化整備プログラムを作成するとともに、区市町村に対しても、計画的に耐震化を取り組むよう要請してまいりました。
今後、警察署、消防署などの防災上特に重要な都立施設につきましては、建てかえ対象等を除きまして平成二十二年度までに、その他の防災上重要な公共施設につきましては、平成二十七年度までに一〇〇%の耐震化を目指してまいります。
福祉保健局長
病院の耐震化の状況でありますが、平成二十年五月現在、患者が利用する建物のすべてが新耐震基準を満たしていない病院は百五十病院であり、都内全病院の二三・二%に当たります。
病院の耐震化一〇〇%の目標時期についてでありますが、都においては、「十年後の東京」計画などにおいて、平成二十七年度末までに一〇〇%耐震化することとしております。
質問3
都の世論調査では、優先して耐震化するべきと回答した防災上重要な公共建築物のトップは病院が八一%、次いで小中学校でした。公立小中学校は、耐震診断結果を公表している区市町村と未公表の区市町村がありますが、どのように対応しているのか、お伺いします。
答弁3
教育長
公立小中学校の耐震診断結果についてでございますが、地震防災対策特別措置法によりまして、公立小中学校の設置者である区市町村は、その学校の校舎等について耐震診断を実施し、結果を公表することを義務づけられております。
都教育委員会は、耐震診断結果を公表していない区市町村に対しまして、早急に公表するよう要請しているところでございます。
質問4
東京の特徴としては、民間病院も多く、耐震化の推進が難しい側面がありますが、阪神・淡路大震災の例もあり、病院の耐震化は急務であります。民間病院の耐震補強について、都の支援体制はどのように強化していくのか、お伺いします。
答弁4
福祉保健局長
耐震化に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、救急医療機関である民間病院について、その耐震化を促進するため、耐震診断や耐震補強の補助を実施してきました。
また、今般、耐震化の一層の推進を図るため、昨年十二月に耐震診断事業の補助率を三分の二から五分の四に引き上げたところでありますが、さらに来年度から、耐震補強事業の補助率を〇・六六から〇・八三に引き上げることとしております。
国内総生産が三十五年ぶりに一二・七%減少したと報道されましたが、輸出に依存していたため苦境に陥っている日本の内需拡大のためにも、強化すべき耐震工事を次々と前倒しに施策を打っていただき、ひいては日本の優秀な耐震技術や環境技術をもって世界に発信して貢献していけることを願って、質問の結びとさせていただきます。