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  4. 第4回定例会 一般質問
  5. 崎山知尚(自民党)

観光振興策の積極的な展開を
周産期医療施設の充実に支援を

崎山知尚
崎山知尚(自民党)

観光振興

質問1
 まず初めに、観光振興についてお伺いいたします。
 近年、全世界の外国旅行者数は右肩上がりで伸びており、特にその牽引役として、アジア諸国で経済発展を遂げた国の増加が目覚ましく、二〇一〇年代にはアジア発の観光ビッグバンの発生が予測されています。国においても、外国人旅行者獲得を目指して、観光庁がこの十月に設置をされました。
 そして、都は国に先駆け、平成十四年に全国で初めて宿泊税を導入し、観光振興に充てる財源を確保するとともに、観光振興策を積極的に展開してまいりました。そして、この夏には、訪日、訪都外国人がともに前年比一割増との発表がありました。
 「十年後の東京」で示した一千万人の目標達成も前倒しかと期待した矢先に、米国発の金融危機や円高の影響で冷や水を浴びせられましたが、かつて過去にも、SARSやイラク戦争の影響で一時的な下落がありました。でも、それは一過性のもので、外国人旅行者は増加しています。
 そして、二年後には好機が到来いたします。国は、平成二十二年以降、羽田空港の国際線の発着枠を、昼夜合わせて六万回にふやすとともに、成田空港でも約二万回の増枠を国際線に充てる方針が示され、超過密ダイヤが解消され、海外から東京への空のアクセスは向上します。
 そして、この年には、成田空港と日暮里をわずか三十六分で結ぶ成田新高速鉄道も開通し、空港から都心へのアクセスも格段に向上することになります。
 国も、工業立国、貿易立国に加え、観光立国として我が国の新たな産業基盤に据えようと、その取り組みがなされています。
 都は、こうした機会を的確にとらえ、外国人旅行者の誘客にさらに積極的に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 外国人旅行者の誘致についてでありますが、世界が時間的、空間的に狭くなった現在、観光は非常に有力な産業になってきたと思います。
 例えば、季節が逆転します南半球のオーストラリアの方々が、北海道の富良野ですか、あそこに集中的に集まって、施設もつくり、大挙して日本の冬を楽しみに来られている、そういう現象があちこちにありますが、いずれにしろ、東京は、日本の伝統文化と先進性が共存した、かつ食の豊かさにおいても、国際的に最高レベルと評価されるまちであります。総体的に眺めて、世界で最も魅力のある都市であると思います。
 都はこれまで、観光を、地域の活性化につながる経済波及効果の高い重要な産業と位置づけ、東京の魅力を海外に発信するなど、その振興にも取り組んでまいりました。東京を訪れる外国人旅行者も、観光産業振興プランを定めた平成十三年の二百七十万人から、平成十九年には五百三十万と大幅に増加してまいりました。
 現在、世界的な景気減速や円高を背景に、訪日外国人旅行者はちょっと減少しておりますが、中長期的にはアジア経済のポテンシャルは高く、また、二年後の羽田空港の国際化や成田空港のアクセス向上は、アジアを初め世界各国の旅行者を再び呼び込む好機と考えております。
 この機をとらえ、近隣のアジア地域には、現地のメディアや旅行会社と提携しまして東京の魅力を発信する一方、欧米、オセアニアの各都市においてもシティーセールスを実施するなど、戦略的に外国人旅行者を誘致しようと取り組んでいくつもりであります。


質問2
 さて、これまで外国人旅行者がふえてきた背景には、これまでの伝統文化だけでなく、アニメ、ゲーム、ファッションなどの新しい文化がクールジャパンとして注目を浴びていることが大きいと考えられます。特に経済成長著しいアジアの国々では、若者を中心に日本の大衆文化が広く浸透し、ライフスタイルにも影響を与えているといわれています。
 こうした状況の中、東京では年間を通してさまざまな新しいイベントが開催され、イベントに参加するために東京を訪れる外国人も多いと聞いています。大規模な文化、スポーツ等のイベントは集客力も高く、東京に観光客を呼び込むものとして有効と考えます。
 観光振興を図る上で、こうしたビッグイベントの支援やPRが必要と考えますが、これまで開催されたイベントにはどういうものがあり、都はどういう支援を行ってきたのか、お伺いいたします。

答弁2
産業労働局長
 外客誘致に有効なイベントに対する都の支援実績についてでありますが、文化、スポーツなどのビッグイベントは、国内外から多くの参加者や観客が訪れるだけではありませんで、東京の魅力の発信につながるものであるというふうに認識をしております。
 都はこれまでも、来場者十二万人の東京国際アニメフェアや、二十七万人を動員した東京国際映画祭の開催経費の一部負担や、東京マラソンの開催中に臨時観光案内所を設置し、観光マップにより観光情報を提供するなど、イベントに対する支援を行ってきたところでございます。
 また、海外での観光プロモーションや、年間二千七百万件のアクセスがあります「東京の観光」ウエブサイトを通じまして、ビッグイベントを含め、都内で開催されるさまざまなイベントを多言語により広くPRしてまいりました。 


質問3
 また、こうしたイベントのために東京を訪れる外国人旅行者が東京での観光を安心して楽しめるよう、受け入れ体制を整備することが必要と考えますが、その取り組みについてもお伺いいたします。

答弁3
産業労働局長
 外国人旅行者の受け入れ体制の整備についてであります。
 外国人旅行者が安心して東京を楽しむためには、まちの案内のわかりやすさや言語の障壁への対応がなされていることなどが重要であると考えております。  このため、都は、主要な観光スポットの周辺などに、絵文字や外国語によるわかりやすい観光案内標識を整備しますとともに、案内標識の標準化指針を作成いたしまして、区市町村や鉄道事業者への普及を図っております。
 また、都内百五十カ所に設置いたしました観光案内所におきまして、多言語によるガイドブックやマップを配布いたしますとともに、飲食店に対して、外国語によるメニューづくりの支援などの対応を行っております。
 一方、都営地下鉄や東京メトロなどの鉄道事業者におきましては、駅ナンバリングなどの取り組みも進められております。
 今後も、都と民間事業者の取り組みを通じまして、外国人旅行者が安心して観光を楽しめる受け入れ体制を整備してまいります。

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周産期医療

質問1
 次に、周産期医療について伺います。
 昨日の我が党の三宅政調会長の代表質問においても、知事の所見並びに都の緊急対策の意義と効果についてお聞きいたしました。今回の産科救急で惹起した問題は、大きく分けると、新生児科医や看護師のマンパワー不足、そして、NICU、新生児集中治療室など施設整備の必要性が明らかになりました。
 周産期医療について、私からは、低出生体重児を受け入れるベッドであるNICUに絞って質問をいたします。
 福祉保健局の人口動態統計によると、出生時体重が二千五百グラム未満の低出生体重児は、この十五年間で約一・五倍に増加し、平成十八年は九千五百六十四人となっています。晩婚化などの要因によって、これからもハイリスクの出産は増加していくものと考えられ、NICUの整備や既存のNICUの有効活用の必要性が高まっていると考えます。
 そこでまず、都が主体的に整備を行うことができる都立病院におけるNICUの整備状況はどうなっているのか、お伺いいたします。

答弁1
病院経営本部長
 都立病院のNICUの整備状況についてお答えいたします。
 都立病院のNICU設置数は、総合周産期母子医療センターである墨東病院で十二床、地域周産期母子医療センターの大塚病院で十二床、清瀬小児病院で六床、八王子小児病院で九床となっており、都立病院合計で三十九床が現在稼働しております。
 また、豊島病院で休止している六床については、機能を移転し、来年一月には墨東病院で三床、来年度中には大塚病院で三床、それぞれ稼働させることとしております。
 加えて、平成二十一年度末に開設する予定の小児総合医療センターにおいては、統合前と比較して九床増床し、二十四床を整備することとしており、これにより、都立病院全体では五十四床となる予定でございます。
 この結果、都内の周産期母子医療センター全体が保有するNICUのほぼ四分の一を都立病院が占める見込みとなっております。
 今後、この体制整備に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。


質問2
 十月に都民から寄せられた電子メールや手紙による問い合わせなど、要望が一番多かったのが周産期医療や救急搬送への声だそうであります。都立病院がハイリスク分娩の受け皿として今後も充実を図っていくことは、都民が安心してお産をするためのセーフティーネットとして非常に重要でありますが、もちろん、都立病院だけですべての受け皿となることは不可能です。
 都では、現在、周産期母子医療センターを二十二カ所設置し、NICUの整備を図っているとのことですが、連日の新聞報道でも、現在の厳しいハイリスク分娩の状況に十分対応できているのか、その不安はぬぐい切れません。
 そこで、民間病院も含めた現在の都の全体のNICUの整備状況及び稼働状況について、そして、今後の見通しも含めて見解をお伺いいたします。

答弁2
福祉保健局長
 NICUの整備状況及び稼働状況についてでありますが、都内におきましては、周産期母子医療センターに百九十五床のNICU病床を確保しておりますが、低出生体重児の増加等により、恒常的に極めて高い稼働状況にあることから、その増床は急務であると考えております。
 そのため、都としては、都全域でNICUの整備を引き続き促進することとしております。
 今後の見通しでありますけれども、来年度当初までには、新たに町田市民病院に整備される六床を含め、十二床の増床により二百七床となる見込みであります。
 それ以降も、都立小児総合医療センター(仮称)を初めとして、さらなる整備を予定しております。


コメント
   先月末、区部でも医療施設が少ないと指摘されている江東区で、救急医療や周産期医療にも対応できる総合病院を整備していくことを山崎区長が表明されました。都内の施設不足を解消していくためにも、地域との医療連携や適切なネットワークを構築することが必要不可欠であります。今後の地域医療におけるNICUを初めとする周産期医療施設のさらなる充実のためには、都独自の支援が重要であり、こうした取り組みを行うよう、強く要望しておきます。


質問3
 また、NICUは満床状態が常態化していると聞いています。これは、NICUの数そのものの不足という以外にも、NICUにおける長期入院児により、一部のベッドが占められてしまうことなども要因と聞いています。そこで、例えば長期入院児を一人でも退院させることができれば、年間何人かの緊急受け入れが可能になることから、長期入院児の早期退院が可能な条件を整備していくことも、NICUの満床状態を緩和する方策となり得るといえます。
 しかし、反面、長期入院児の中でも重い障害のあるお子さんは、退院後、ご家族が支えていかなければならず、そのことに対する不安から、ご家族もなかなか退院に踏み切れないという実情も耳にいたします。
 こうした重症心身障害児を抱えるご家族の不安を軽減し、重い障害があってもご家族と一緒に過ごすことのできるよう、退院後の在宅での生活を支える対策を推進していくべきと考えますが、所見を伺います。

答弁3
福祉保健局長
 重症心身障害児の在宅支援についてでありますが、重症心身障害児が可能な限り家族と在宅で生活できるよう、早期退院に向けた条件整備が重要であり、このことはNICU本来の機能の発揮にもつながるものと考えております。
 この退院後の在宅での療育支援のため、都は独自に在宅重症心身障害児者訪問事業を実施しておりまして、年間約四百名の方が利用しております。この事業では、経験豊富な看護師が週一回程度訪問し、障害児の健康管理や排せつ、清潔の保持などの日常生活上の看護、家族の方への看護技術習得の支援や、訪問看護等の社会資源の活用方法を支援するなど、きめ細かく行っております。
 今後も、退院時のニーズに適切に対応するとともに、ご家族の負担軽減のため、短期入所事業や通所事業など、在宅における療育を支援する取り組みを推進してまいります。

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無電柱化

質問1
 次に、無電柱化の推進について伺います。
 本年第一回定例会で、私は、無電柱化を推進すべきという観点からお尋ねしましたが、都における無電柱化への取り組みについて改めて伺います。
 東京では、戦後、急増する電力需要に対応するため、多くの電柱が立てられ、その結果、都内では電柱が林立し、電線がふくそうするなど、良好な都市景観を損ねているだけでなく、歩行者や車いすの通行の妨げにもなっています。ロンドンやパリなど世界の主要都市では、既に一〇〇%無電柱化され、美しい街並みが形成されているのに対し、日本の首都である東京では、国道、都道、区道を含めた区部の無電柱化率はわずか七・三%と、大きく立ちおくれています。
 オリンピック・パラリンピックの開催など、「十年後の東京」を見据え、無電柱化を推進することで、魅力ある都市景観を創出するとともに、バリアフリー化を図ることが今まさに求められています。
 そこでまず、都が現在進めている無電柱化の取り組み状況について伺います。

答弁1
建設局長
 無電柱化の取り組み状況についてでありますが、都は、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を図るため、現在、センター・コア・エリア内やオリンピック・パラリンピック関連施設周辺の都道はもとより、その他の区部や多摩地域においても、緊急輸送道路や主要駅周辺で重点的に無電柱化を進めております。
 平成十九年度末の都道における電線類の地中化率は二六%であり、そのうちセンター・コア・エリア内は六〇%でございます。
 都は、「十年後の東京」で、平成二十七年度までにセンター・コア・エリア内の地中化率を一〇〇%にする目標を掲げ、無電柱化の推進に積極的に取り組んでおります。


質問2
 都道に比べ、区市町村道の無電柱化は依然として低い水準にあると認識しています。良好な都市景観の創出などを図っていくためには、都道だけの取り組みでは十分でなく、区市町村道を含めた面的な無電柱化の推進を図ることも必要と考えます。
 かねてより区市町村に対する財政的な支援について強く求めてきましたが、その成果として、今年度から新たな補助制度が創設されました。この補助制度の活用状況について伺います。

答弁2
建設局長
 区市町村の無電柱化に対する補助制度の活用についてでございますが、美しい街並みの形成や安全で快適なまちづくりを推進するためには、都道のみならず、国や区市町村と連携した面的な無電柱化が必要であります。
 このため、区市町村に対し、都は今年度、補助制度を創設し、説明会や研修会を開催して、その活用を働きかけてまいりました。初年度となる今年度は、三区三市がこの制度を活用して無電柱化事業を進めております。
 今後とも、補助制度の活用や、設計、施工などにかかわる技術的支援を進めることによって、区市町村と連携した無電柱化を一層推進してまいります。


質問3
 私の地元荒川区では、本年三月に新交通日暮里・舎人ライナーが開業し、十月には早くも乗客数が一千万人を突破するなど、既に地域に定着した公共交通機関となりました。その導入空間となった都道、尾久橋通りにおいても、今まさに無電柱化が進められ、良好な都市景観が創出されつつあります。
 そこで、荒川区内における無電柱化の取り組み状況についてお伺いいたします。

答弁3
建設局長
 荒川区内における取り組み状況についてでありますが、現在、都は、補助第九〇号線、いわゆる都電通りの荒川遊園前交差点から小台交差点までの四百メートルの区間において、荒川区は、補助第一〇七号線、いわゆる千住間道の南千住六丁目交差点から東側四百メートルの区間において、それぞれ都市計画道路の拡幅整備事業の中で無電柱化を行っております。
 また、既設の都道では、新交通日暮里・舎人ライナーのルートであります尾久橋通りのほか、尾竹橋通りや言問橋南千住線、駒込宮地線の合わせて七・二キロメートルで無電柱化事業を進めております。
 さらに、都電通りの小台交差点から町屋交差点までの二キロメートルの区間においても事業化する予定であります。
 今後とも、地元自治体や電線管理者などと連携し、無電柱化を推進することにより、安全で美しいまち東京の実現に取り組んでまいります。

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子育て支援策

質問1
 最後に、子育て支援について伺います。
 地方分権の時代にあって、区市町村は、地域住民の求める福祉、保健サービスを、地域の実情に応じて、みずからの発想で創意工夫を凝らしつつ展開することが求められています。都は、こうした区市町村の主体的な取り組みを積極的に支援するために、平成十八年度に子育て支援基盤整備包括補助事業を創設して以来、今日まで、合わせて六つの包括補助事業を整備してきました。これらの包括補助事業については、区市町村の活用も進んでおりますが、何よりも重要なことは、区市町村にとって、よりわかりやすく、使い勝手のよい制度として有効活用されることであります。
 都は、現在、平成二十年度施策の見直し協議において、区市町村に対し、この包括補助事業の再構築を提案し、協議を行っていると聞いています。そこで、今回の包括補助事業の再構築の意義と、それによってもたらされる効果について伺います。

答弁1
福祉保健局長
 福祉保健区市町村包括補助事業の再構築についてであります。
 現行制度は、施設整備費等のハード面と運営費等のソフト面が別個の補助事業となっております。今回の見直しは、子ども家庭や高齢者などの施策分野ごとに、ハード、ソフトの両面を一体とした、わかりやすく使いやすい補助制度にしようとするものであります。これにより、区市町村がより創意工夫を凝らし、地域の実情に応じた事業を展開しやすくなるものと考えております。
 加えて、施策分野ごとに事業の窓口が一本化され、区市町村の補助金申請等の事務の簡素効率化に寄与するものと期待をしております。


質問2
 次に、保育ママについてであります。
 今国会において、児童福祉法等の一部を改正する法律案が可決されました。今回の法改正では、家庭福祉員事業、いわゆる保育ママ制度や、すべての子どもを対象とした一時預かり事業が新たに法律上位置づけられました。
 家庭福祉員事業は、現在、都が取り組んでいる保育サービス拡充緊急三カ年事業にも盛り込まれ、待機児童を解消するためのサービスの一つとして期待されます。団塊の世代の保育士が大量退職する時期を迎えており、これらの保育士OBを家庭福祉員の担い手として活用することも考えられます。
 そこで、今回の法改正により家庭福祉員事業がどのように変わったのか、また、事業拡大に向けて、都は今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁2
福祉保健局長
 家庭福祉員事業、いわゆる保育ママ制度についてであります。
 今回の児童福祉法改正により、国の保育ママ制度が法律上に位置づけられるとともに、これまで保育士、看護師に限っていた保育ママの要件を、区市町村が実施する研修の修了者等にも広げるなど、制度の拡充が図られました。
 都では既に、所定の研修修了者等も保育ママとして認めており、今年度から取り組んでいる保育サービス拡充緊急三カ年事業では、平成二十二年度までに受け入れ児童数を五百人ふやすこととしております。
 今後、保育ママの担い手をふやすため、都と区市町村が連携し、研修の充実を図るなど、事業の拡大に積極的に取り組んでまいります。


質問3
 また、一時預かり事業は、保護者が病気になったとき、あるいは育児疲れによる保護者の心理的、肉体的負担を軽減するための支援として、常日ごろ保育所を利用していない家庭においても利用可能なサービスです。すべての子育て家庭を対象にした緊急、一時的なサービスとして、また認可保育所、認証保育所を補完するサービスとして、その需要はますます高まっています。
 これまで、認可保育所における専用スペースでの実施を基本に事業が実施されてきましたが、東京のように待機児童の多い地域においては、保育所に一時預かりのための専用スペースを確保することが難しい状況にあります。
 そこで、一時預かり事業を今後どのように拡充していくのかお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

答弁3
福祉保健局長
 一時預かり事業の拡充についてであります。
 国では、一時預かり事業の実施主体を区市町村と認可保育所に限ってきましたが、今回の児童福祉法改正により、来年度から、認証保育所を含めた多様な事業者による実施を認めることとしております。
 しかしながら、国は、一時預かりの実施場所については、引き続き専用のスペースを必要としております。こうしたことを踏まえ、今後、都は、独自に保育所などの定員のあきを活用した事業実施も可能とするとともに、認証保育所や認定こども園を初めとする多様な事業者の参入を図るなど、大都市の実態に即した工夫を凝らし、一時預かり事業の拡充に努めてまいります。  

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