高橋かずみ(自民党)
質問1
当面する都政の課題について質問をいたします。知事並びに関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
まず最初に、温暖化対策についてお尋ねいたします。
大規模排出事業所に対する削減義務の制度について、私はさきの予算特別委員会において、制度化に当たっては事業者の意見をよく聞くことを強く求めました。加えて、今回の条例改正により、制度の大枠は定まりますが、CO2の総量削減義務という我が国初の試みが大きな成果を上げるためには、二〇一〇年度の制度開始に向けて事業者が十分な準備の時間を持てるよう、規則や指針などをできるだけ早く具体化していくことが重要であります。
条例制定後、円滑な制度開始を目指し、どのような準備をどのようなスケジュールで進めていくのか、お伺いいたします。
答弁1
環境局長
削減義務制度の実施に向けたスケジュールについてでございますが、まず、制度内容の事業者に対する説明につきましては、今月の三十日に開催を予定しております環境都市づくりシンポジウムを皮切りに、順次説明会などを行い、十分な周知に努めてまいります。
また、削減義務率につきましては、CO2 削減対策に関する知見を持つ専門家などによる検討会をこの秋に設置し、規制開始の一年前となる今年度末を目途に、削減義務率や削減期間など詳細を定める規則を制定してまいります。
さらに、排出量の算定、検証ガイドラインなど各種指針につきましても、規則制定後、できる限り早い時期に作成の上、説明し、事業者が十分な準備期間を確保できるよう努めてまいります。
質問2
今回の制度案では、削減義務を補完するものとして、他の事業所などによる削減量を調達することで義務の履行を可能とする排出量取引制度を導入するとしております。EUの制度とは異なり、実際に削減した量だけを取引の対象としておりますが、これは、排出量取引がいたずらに投機的なものとならないようにするための措置と考えております。
その上で、率先して削減に取り組む事業者に経済的なメリットがあるものとするためには、実際に削減した量を円滑に売却するための工夫が必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
答弁2
環境局長
排出量取引の円滑な実施についてでございますが、都の制度においては、五年間程度の削減期間について定められる義務量を超えて削減した量を売却可能としていますが、同時に、削減に努力した事業者が速やかに削減量を売却し、メリットが得られるような仕組みも必要だと認識しております。
このため、削減期間の終了前においても、各年度において義務量の一定割合を超える削減実績を上げた事業者は、その削減実績の売却が可能な仕組みとすることを考えております。
また、都のホームページ上に情報公開サイトを設け、対象事業所の各年度の排出量や削減状況に関する情報を公表していくことを予定しており、こうした工夫も通して、円滑な排出量取引の推進を図ってまいります。
質問3
また、温暖化対策のためには、再生可能エネルギーの普及も重要であります。先日発表されたいわゆる福田ビジョンでは、国も太陽光発電の飛躍的な普及を目指すとしておりますが、知事は、太陽光だけではなく、太陽熱利用機器も含めて拡大すると本定例会の所信表明で述べられました。
具体的にどのような方策で太陽熱利用の拡大を図っていくのか、お伺いいたします。
答弁3
環境局長
太陽熱利用の拡大についてでございますが、家庭でのエネルギー需要の中では、給湯や暖房のように余り高温ではない熱の需要が多く、太陽熱を住宅で使うことは、むだのない理にかなった利用法であり、CO2 排出削減にも大きく寄与いたします。
しかし、我が国においては、太陽熱温水器が、石油ショックを契機として一度は大きく普及したものの、その後の石油価格の安定化により経済的なメリットが薄れ、メーカーの撤退などもあり、環境面でのメリットが十分に理解されないまま、普及の低迷が続いております。
そこで、都は、「十年後の東京」への実行プログラムの中に、太陽エネルギーの導入拡大を目指す三カ年プロジェクトを位置づけ、太陽光発電とともに、太陽熱機器についても飛躍的な普及を図ることといたしました。
また、グリーン電力証書など、普及に向けた仕組みが既に整っている太陽光発電と比べて、太陽熱については、その利用によるCO2 排出削減などの環境価値を評価し証書化する仕組みがまだ整っていないことから、都は、国に先駆けて、太陽熱の利用拡大に向けたグリーン熱証書検討会を今月中に立ち上げることといたしました。この証書化を通して、環境商品としてのイメージアップと同時に、経済的メリットを高め、太陽熱の利用拡大を実施してまいります。
質問4
今月初め、東京は見事に二〇一六年オリンピックの立候補都市に選ばれました。中でも環境に対する評価が高かったと仄聞しております。また、削減義務と排出量取引の制度を本定例会に条例提案するという知事の発表が、ロイター通信を初めとする海外の有力メディアで報道され、東京の先駆的な取り組みが世界に紹介されておりました。
今後、世界における東京の地歩をより一層確固たるものとするため、都の環境に対する積極的な取り組みを広く世界に発信していく必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
答弁4
知事
都の環境施策の世界への発信についてでありますが、今回の条例改正案で二〇一〇年度から導入を予定しているCO2 の総量削減義務は、オフィスをも対象とする世界で初めての試みでありまして、低炭素型都市への転換の道筋を具体的に示すものであります。
都は、本年十月に東京で開催しますC40気候変動東京会議や、今後の参加予定の国際炭素行動パートナーシップ、ICAPの場においても、総量削減義務を初めとする都の先進的な温暖化対策を積極的にアピールしていくつもりでございます。
都の取り組みは、地球の未来に新しい航路を開こうとするものであると自負し、先駆的な都市モデルを示していくことで、日本や世界の環境施策を牽引していきたいと思っております。
質問5
次に、土壌汚染対策についてお尋ねいたします。
過去にアメリカでは、汚染された工場跡地が放置され、大きな問題となっておりましたが、二〇〇二年に汚染の状況に応じた適切な対策をとることが制度化され、解決が図られております。東京においても、質の高い都市環境を実現する上で、工場跡地などが適切に有効利用されることが重要であります。
一方、国の審議会では、平成十五年に施行した土壌汚染対策法の抜本的な改正の議論が始まりました。この改正には、工場廃止時だけでなく、土地改変時にも調査、対策を義務づけてきた都の環境確保条例の考え方を取り込んでいくと聞いております。
このような内外の動向も踏まえ、都として土壌汚染施策のさらなる充実を検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
答弁5
環境局長
土壌汚染施策の充実についてでございますが、土壌汚染のおそれのある工場跡地等を調査、対策せず放置することは、環境への影響の懸念とともに、土地の有効利用や地域の活性化の観点からも課題であると認識しております。
このため、工場跡地等を貴重な都市の財産としてとらえ、事業者が汚染の状況や周辺の土地利用等に応じた適切な対策を実施するよう促すことが必要でございます。
このような観点から、これまでも、この春に法律改正の考え方を取りまとめた国の懇談会において都の意見を主張してまいりました。また、都が平成十八年五月に設置した、土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会においても議論してきております。
引き続き、独自の土壌汚染施策の充実に向けて検討してまいります。
質問1
次に、中小企業に対する融資制度についてお尋ねいたします。
都内中小企業の経営は厳しい状況が続いておりますが、都の制度融資は、こうした中小企業にとって重要な資金調達の仕組みであります。昨年十月には、保証協会と金融機関との間で責任共有制度が導入され、金融機関が一定のリスクを負担することになりました。
制度導入の初年度である十九年度の制度融資の実績についてお伺いいたします。
答弁1
産業労働局長
平成十九年度における制度融資の実績についてですが、平成十九年十月から責任共有制度が導入をされまして、金融機関が信用リスクの二割相当を新たに負担し、保証協会と連携して中小企業者の支援を担うこととなりました。
制度導入に当たりまして、中小企業者の円滑な資金調達を確保するため、例えば、小規模事業者に対する小口融資については保証協会が全額を保証するなど、必要な措置を講じたところでございます。
この結果、融資目標額の一兆七千五百億円を上回る一兆九千六百六十五億円の実績を上げており、大きな混乱はなく資金供給が行われていると認識をしております。
質問2
厳しい経済環境の中、企業経営と環境への取り組みを両立するべく、懸命に頑張る中小企業の経営者がおりますが、こうした前向きな取り組みを支援していく視点も大切であります。
どのような中小企業に対して積極的に資金を供給していくのか、二十年度の制度融資を初めとする金融支援策の特徴についてお伺いいたします。
答弁2
産業労働局長
平成二十年度の金融支援策の特徴についてですが、本年度は特に、環境に配慮した経営など、中小企業者の意欲ある取り組みを支援することに力点を置きまして施策を実施してまいります。
まず、制度融資の最優遇金利を適用した産業力強化融資の対象といたしまして、都の指定する省エネ診断を受けた企業を新たに追加いたしました。また、中小企業者における環境負荷の低い設備の導入を促進するため、企業の環境評価に応じて金利を優遇する環境配慮取り組み支援融資を創設いたします。このほかにも、都内への企業立地を促進するため、工場等の新増設を図る企業を対象に、最長十五年の長期かつ低利な融資を創設したほか、創業や企業再生に向けた取り組みに対する支援の充実を図っております。
質問3
現在、原油、原材料価格の高騰や建築基準法の改正の影響を受けている都内中小企業を対象に最優遇金利の特別融資を実施しております。このうち、建築関連の特別融資は、その受け付け期間が六月末までとなっておりますが、ひところの最悪な状況は脱したものの、依然厳しい状況が続いております。
建築関連の特別融資は引き続き維持すべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。
答弁3
産業労働局長
建築関連の特別融資についてですが、本年四月の都内の住宅着工戸数は、前年同月比一五・七%の減少となっておりまして、全国平均の八・七%の減少幅を大きく上回っている状況にあります。昨年九月の最悪の状況からは持ち直したものの、いまだ都内の住宅着工の回復のおくれが際立っております。
このような情勢を踏まえまして、売り上げの減少などに直面している企業の資金調達を引き続き支援していく観点から、今月末に受け付け期間が終了いたします建築関連中小企業者支援融資につきましては、これを延長いたします。
質問1
次に、都市農地の保全についてお尋ねいたします。
私の地元の練馬区の農地は、平成七年の四百十二ヘクタールが、この十年間で約三割、百十一ヘクタールも減少しました。都市農地の減少は、国の農地制度と相続税制度が大きな要因となっております。
我が東京都議会自由民主党都市農政を考える議員連盟も、国会議員等へ強くこれらの制度改善を要求するとともに、都にも独自の農地保全策を実施するよう要望してまいりました。
これを受け、都では「農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン」を策定しました。都市農地は、農産物の供給はもとより、都市の環境保全や防災など多面的機能を持っており、その保全は、今や喫緊の課題であります。開発することが前提の市街化区域内において、まちづくりの観点から都市農地を残そうという取り組みは、大変画期的であると考えます。
そこで、このガイドラインの目的と特徴についてお伺いいたします。
答弁1
産業労働局長
「農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン」を策定した目的と特徴についてですが、都市農地の保全には、区や市が、まちづくりの計画に農業、農地の必要性を明確に位置づけることが重要であります。
このガイドラインは、都市と農業、農地の共生という基本的な考え方のもと、区や市が農業者や地域住民とともに取り組みを推進するための指針として策定をしたものでございます。
特徴といたしましては、農業、農地を生かしたまちづくりのモデルを具体的な五つのタイプに類型化をいたしまして、それぞれの将来像を示すとともに、区市のまちづくりに当たって参考となるよう、都内の優良事例を多数紹介したことであります。
今後、このガイドラインを活用して、区や市とともに、貴重な都市農地の保全に努めてまいります。
質問2
また、このガイドラインを絵にかいたもちで終わらせてはいけません。区や市が、農業、農地をまちづくりに生かすためのプランを作成することが重要であります。区や市は、さきの五月に第二回都市農地保全自治体フォーラムを開催しており、都市農地保全への機運も非常に高まっております。
今後、都は、このガイドラインを活用して、農業、農地を生かしたまちづくりにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
答弁2
産業労働局長
ガイドラインを活用した今後の取り組みについてですが、農業、農地をまちづくりに生かすためには、このガイドラインを参考にして、区や市が実効性のあるプランをつくることが大切なことであります。
このため、都は今年度から、モデルとなる区や市を選定いたしまして、農業者や地域住民などで構成する協議会の設置、運営に対する補助や、きめ細かなアドバイスなど、区市のプランの作成に向けてさまざまな支援を行ってまいります。
さらに、モデルとなりました区や市の取り組みの成果やノウハウを継続的に発信していくなど、多くの区市がこのガイドラインを活用し、農業、農地を生かしたまちづくりに取り組むよう、積極的に働きかけてまいります。
質問1
次に、東京外かく環状道路についてお尋ねいたします。
知事は、本定例会の所信表明で、外環の平成二十一年度の事業着手に向けた速やかな対応を改めて国に要求し、強い決意を表明しております。
道路整備の財源問題が厳しい状況下であっても、外環の着実な整備が不可欠と考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
答弁1
都市整備局長
外環の事業着手に向けた都の取り組みについてでございます。
外環を平成二十一年度に事業着手するためには、国において、今後見直される道路の中期計画に外環を位置づけるとともに、国幹会議を開催して整備計画を定めることが必要でございます。
加えて、新規事業となりますので、予算の確保や現場の執行体制の確立が不可欠でございます。
都といたしましては、外環の早期着工が、国が最大限の協力を約束した都の重要施策の一つであることを踏まえまして、これらを着実に実行するよう、国に対して強く働きかけてまいります。
質問2
また、外環の整備には大量の事業用地の取得が必要であります。知事も、さきの予算特別委員会で、用地取得が重大な課題であると述べております。
外環の工程促進に向けて、国に対し用地の取得をどのように働きかけていくのか、都の所見をお伺いいたします。
答弁2
都市整備局長
外環の用地取得についてでございますが、外環事業では、インターチェンジは四カ所ございまして、合わせて約四十ヘクタールの土地の取得、それと約千棟の家屋の移転が必要でございます。
外環は、国がその責任において整備すべき路線ではございますが、工程促進に向けましては、国と都が協力して、優先度の高い箇所から、順次、用地の確保に取り組むことが重要でございます。
このため、都は現在、協力の具体的な内容につきまして国と協議を重ねており、できるだけ早期に合意が得られるよう取り組んでまいります。
質問3
加えて、着手に当たっては、地元への配慮も重要であります。先月、東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟では、外環と同じ地下方式である首都高速中央環状新宿線の工事現場を視察いたしました。ここでは、換気所に低濃度脱硝設備を導入するなど、地域の環境対策が十分にとられていることを見てまいりました。
現在、私の地元練馬区内を初め沿線各地において、環境対策やまちづくりなど、外環整備に伴う課題について住民との話し合いが進められております。
そこで、練馬区内におけるこれまでの話し合いの状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
答弁3
都市整備局長
練馬区内における話し合いの状況と今後の取り組みについてでございますが、外環の事業着手に向けては、沿線の各地域において、国や関係区市と連携して、地元の理解と協力が得られる環境を整えることが重要でございます。
お話にございました練馬区内では、大泉ジャンクション地区において、約百二十名の住民の方が参加するワークショップをこれまで二回開催いたしまして、環境対策や周辺交通対策など、外環整備に伴う地域の課題について意見交換を行っております。
また、青梅街道周辺地区においても、話し合いの場の設置の準備を進めております。
今後、それぞれの地域において課題への対応方針を明らかにして、事業実施に反映させてまいります。
質問1
次に、東京アスリートの功績をたたえる仕組みの充実についてお尋ねいたします。
北京オリンピックの開幕を控え、日本選手への期待が高まっております。オリンピックやパラリンピックで優秀な成績をおさめる東京アスリートの活躍は、都民を初め多くの人に夢を与えます。
そこで、先ほど我が党の吉原議員の質問に対する答弁にありましたスポーツ表彰を充実することに加え、さらに、その感動を都民全体で共有するためにも、功績を長く都民の記憶にとどめる場をつくるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
答弁1
生活文化スポーツ局長
東京アスリートの功績を記憶にとどめる場についてであります。
鍛え抜かれた世界のアスリートがわざと力を競う国際大会で東京アスリートが活躍する姿は、都民に大きな夢と感動を与え、社会に活力をもたらすものでございます。
今後、スポーツ表彰を充実するとともに、オリンピックやパラリンピックで顕著な成績をおさめた東京アスリートの栄誉をたたえ、その功績を長く都民の記憶にとどめる場を用意し、広く都民に発信していきたいと存じます。
質問2
また、スポーツ表彰の充実は、後に続くジュニア選手に明確な目標を示すことにもつながります。
これまで我が党は、ジュニア選手を育成強化することの重要性を提言してまいりました。そのためには、競技団体や地区体育協会がジュニア選手の育成強化に取り組む環境整備が求められます。
東京国体まで余すところ五年、東京オリンピックまでは八年と差し迫っており、早急に対応が必要であると考えますが、都としてのジュニア選手育成強化への取り組みについてお伺いいたします。いいたします。
答弁2
建設局長
ジュニア選手の育成強化についてでありますが、東京都競技力向上基本方針・実施計画に基づき、東京国体及びオリンピックでの活躍が期待されるジュニア世代の競技力向上に積極的に取り組むことが重要であります。
このため、今年度から、競技団体によるジュニア特別強化事業の対象を、二十競技から国体の全四十競技に広げるとともに、地区体育協会によるジュニア育成地域推進事業の種目や参加人数の拡大を図ったところでございます。
さらに、ジュニア強化選手や国体選手強化指導員を認定するなど、競技団体や都及び地区の体育協会などと連携しながら、選手強化体制の整備を進めてまいります。
質問1
次に、都立石神井公園におけるスポーツ施設の整備についてお尋ねいたします。
「十年後の東京」に掲げられた、水と緑で包まれた美しいまち東京の復活や、災害に強い都市をつくり、首都東京の信用を高めることを実現する上で、まとまった土地を取得し、公園整備を推進することは意義深いことであります。
その一環として、都は、石神井公園の計画地内にある三井住友銀行所有のグラウンドを昨年度取得いたしました。私はこれまで、このグラウンドの早期取得を主張してきましたが、これで石神井公園の防災機能が充実されることになり、地元は大変喜んでおります。
ところで、このグラウンドでは、今まで地元にテニスコートが開放されており、引き続き利用を望む声が強く寄せられております。都は、防災公園としての機能を高めるために、広場などを整備するとのことでありますが、緑豊かな公園の中でスポーツに親しむことは、都民が心身をはぐくみ、健康を増進する上でも重要なことであります。
東京が二〇一六年オリンピックの立候補都市に選ばれた今、石神井公園の整備においても、テニスコートなどスポーツ施設の充実を図るべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
答弁1
建設局長
石神井公園におけるスポーツ施設の整備についてでありますが、石神井公園は、東京都地域防災計画で震災時の避難場所やヘリコプター活動の拠点に位置づけられており、防災公園としての機能を向上させる必要がございます。
また、平常時には都民がレクリエーションとしてスポーツを楽しめるよう、スポーツ施設の充実を図ることも大切であり、これまで野球場三面を整備し、都民に提供してきたところでございます。
このため、平成十九年度に取得した二・二ヘクタールの用地の整備に当たりましては、震災時にはヘリコプターによる救出救助や物資輸送が円滑に行えるよう、主に広場として整備するとともに、地元におけるこれまでのスポーツ施設の利用実態を考慮して、テニスコートなどの整備も検討してまいります。
質問1
次に、中小河川の治水対策と、白子川、石神井川の整備についてお尋ねいたします。
近年では、地球温暖化の影響などもあり、水害による被害が甚大化する傾向が顕著となっております。改めて、首都東京における予防的な治水対策の重要性を痛感しております。都内中小河川の五〇ミリ降雨に対する治水安全度は、平成十九年度末で七五%まで向上しております。一日も早く五〇ミリ対策を完了させるよう、一層の努力を望みます。
そこで、都の「十年後の東京」への実行プログラムでは、今後三年の間で中小河川の整備にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
答弁1
建設局長
中小河川の今後三年間の取り組みについてでありますが、都は、水害から都民の命と暮らしを守るため、平成二十七年度までに、過去三十年間に水害をもたらしたものと同規模の降雨による洪水の九割を解消することを目標に中小河川の整備を進めております。
こうした目標の実現に向け、「十年後の東京」への実行プログラムでは、神田川や渋谷川・古川、白子川などの豪雨対策促進流域において、護岸や調節池の整備を重点的に進めることとしております。これらの整備により、対策促進流域では、今後三カ年の間に、五〇ミリ降雨に対する治水安全度を四ポイント向上させ、平成二十二年度末には八四%にすることを目指してまいります。
今後とも、国費などの財源確保に努め、中小河川における水害の早期軽減に取り組んでまいります。
質問2
去る五月に、二十年の歳月と約一千億円の費用を投じて完成した神田川・環状七号線地下調節池は、神田川の水害を格段に減少させ、大きな効果を上げております。
一方、私が住む練馬区を流れる白子川は、流域の開発が進んでいるにもかかわらず、五〇ミリ降雨に対する治水安全度はいまだ五五%であり、下水道からの雨水排水を河川でのみ込めずに発生する内水被害が頻発しております。
しかし、白子川の五〇ミリ対策の切り札ともいうべき白子川地下調節池の整備は、現在中断された状態であります。この調節池は、都道目白通りの地下空間を利用して約二十一万立方メートルの洪水を貯留するトンネル式の地下調節池であります。白子川の五〇ミリ対策にこの白子川調節池は不可欠であり、早期に整備を再開し完成させるべきであります。
また、私は、さきの第一回定例会予算特別委員会で、時間七五ミリの降雨も視野に入れた区部中小河川の次期整備のあり方について質問をいたしました。この白子川調節池をさらに延長して、既に完成している環七地下調節池と連結させれば、白子川だけでなく、石神井川、神田川流域など広範囲な地域を水害から守ることが可能となります。ぜひこうした効果的な治水対策を早急に検討し、首都東京の安全度を高めるべきであります。
そこで、こうした治水対策の向上も視野に入れ、現在中断している白子川調節池の整備再開を含めた白子川の五〇ミリ対策に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
答弁2
建設局長
白子川における今後の河川整備についてでございます。
都はこれまで、下流から順次、護岸整備を進めるとともに、中流部には比丘尼橋上流調節池及び下流調節池を完成させるなど、水害の早期軽減に努めてまいりました。
平成十九年度末における白子川の五〇ミリ降雨に対する治水安全度は五五%となっております。
お尋ねの白子川地下調節池は、五〇ミリ対策に必要な施設として、既に発進立て坑が完成しており、洪水を貯留するトンネル部分の工事着手については、事業箇所の進捗状況や財政状況などを勘案しながら検討してまいります。
今後とも、実行プログラムに基づき、護岸の整備を着実に推進し、白子川の五〇ミリ対策を早期に完成するよう全力で取り組んでまいります。
コメント
水害軽減には事前の対策が重要であり、白子川においても、護岸に加えて、地下調節池の整備推進を強く望みます。