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平成18年度各会計決算特別委員会 委員会質疑

運河ルネッサンス
東京オリンピック招致活動
大塚たかあき
大塚たかあき(民主党)
■運河ルネッサンス

 ▼大塚委員
 私からは、きょうは、運河ルネッサンス、そして東京オリンピック招致運動、二つのテーマについて質疑をさせていただきます。
 私は、昨年の十八年第三回都議会定例会本会議の一般質問において運河ルネッサンスの推進について質問したことや、お台場に二年住み、また現在は芝浦に在住していることから、毎朝東京港を眺め、運河沿いを歩き、通勤している私は、ここ数年の運河ルネッサンス構想に指定された四地域が、着実に、具体的な事業として確立されてきていると実感しております。
 特に、芝浦アイランド地区では、東京都の平成十八年度決算では約六億円の予算をかけて護岸整備を行い、地元住民や企業が創意工夫を凝らし、大変努力し、まちづくりが進められており、これは大変評価できることだと思います。
 そこで、まず運河ルネッサンスについて、十八年度の具体的な取り組み内容と現状をお伺いするとともに、先日、私も現地を見てきましたが、豊洲地区についてもあわせてお聞きをしますが、平成十八年度の豊洲地区では、同じく護岸整備に約三億八千万円をかけて運河周辺のにぎわいづくりに資するため積極的に取り組んでおります。特に、地元では、キャナルウオークと名づけ、遊歩道整備が進んでおりますが、そこで、運河ルネッサンスの指定を前提に、豊洲地区の取り組みについて、あわせて見解をお伺いいたします。

 ▼港湾局長
 都におきましては、平成十六年度より、水辺を生かしたまちづくり、水辺に親しめるまちづくりを実現するため、運河ルネッサンス事業に取り組んでまいりました。
 芝浦地区におきましては、平成十八年度に開発事業者による観光桟橋が完成し、当地区とお台場、豊洲を結ぶコミューター航路が開設され、ボートライセンススクールも開校いたしました。また、地区をめぐる遊歩道も同時に完成し、現在は散歩やジョギングを楽しむ人々が多く見受けられるようになってきております。天王洲などの他の地区におきましても、レクリエーションボートの乗り場の設置やイベントの開催など運河のにぎわいづくりが進んでおります。
 お尋ねの豊洲地区は、マンション建設や大学の移転など新しいまちとして発展してきております。現在、地区の特性を生かしたまちづくりを進めるため、地元の大学関係者や町会などが運河ルネッサンスの地区指定に向けた取り組みを行っておりまして、都としても、積極的に支援を行ってまいります。



 ▼大塚委員
 運河ルネッサンスに指定されました芝浦地区を初め四地区は、今答弁のあったように、地元にとって魅力ある事業が展開できるようになったことから、ぜひ豊洲地区においても、地元と連絡をとり合い、運河ルネッサンスの指定に向けて積極的に取り組んでもらうよう要望いたします。
 次に、運河の水辺に人が集い、憩うには、水質の向上が大事であると、同じく昨年の定例会で指摘をいたしましたが、東京港の水辺についても同様であると思います。お台場海浜公園の水辺で、子どもたちが楽しく水遊びができるようにと、知事も出席をされましたが、平成十五年から港湾局、環境局、下水道局が協力し、海水の浄化実験を行っているところですが、最近では、カキを使った水質浄化実験を始めたようですが、その発想は大変興味深く、おもしろいと思いますが、今回の実験の意義と取り組みについて見解を伺います。

 ▼港湾局長
 東京港の水質改善を図るには、多様な手法による取り組みを進めることが重要であると考えております。港湾局では、従来から実施しております汚泥しゅんせつや干潟整備などに加えまして、お台場海浜公園におきまして、カキなどの生物を活用した水質浄化実験を始めました。
 この実験は、一日に四百リットルの海水浄化能力を持つといわれるカキ四万個をいかだにカーテン状につるすほか、カキの排泄物を摂取するナマコ、それから酸素を供給し魚の産卵場ともなるアマモなどの海草も活用しまして、海が本来持っている自然の浄化サイクルを再生しようとするものでございます。
 実験に際しましては、子どもたちがカキのカーテン設置などに参加しておりまして、今後とも都民参加による意識啓発も図りながら、東京港の水質改善に努めてまいります。



 ▼大塚委員
 お台場海浜公園は、都民の共通の憩いの水辺、観光地でありますから、近い将来、水遊びとはいわずに、本格的な海水浴ができるような水辺として供用できるよう、さまざまな技術を駆使して水質の向上に努めていただくようお願いいたします。
 そしてまた、東京オリンピックのトライアスロンの競技予定地としても先日発表されたばかりでございますので、関心が一層高まると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 地元が参加した運河ルネッサンス推進地区の拡大や水質の向上に向けた都の実験的な取り組みを通じて、水辺空間の改善、整備が進んでいることがよくわかりましたが、一方、オリンピック招致を見据えて、より多くの観光客が引き寄せられるよう、水辺のにぎわいと魅力をさらに向上させていくためには、水際の整備だけでなく、水辺の後背のまちづくりとも連動して、景観的にもすぐれた、より魅力ある空間づくりを目指す必要があると思います。
 都は、平成十八年度に、東京都景観計画を策定し、東京臨海部の水辺全体にも新たな施策を打ち出しています。例えば、先ほど述べた豊洲地区では、新聞報道や関係者によれば、今後の都市計画決定に向け、景観計画に基づく事前協議を既に済ませ、東京都景観計画にも沿った開発計画の検討が進められると聞いております。
 そこで、東京都景観計画に基づく水辺景観形成特別地区の対象地区の設定の考え方と、その地区の具体的な景観施策はどのようなものか、伺いたいと思います。

 ▼都市整備局長
 観光資源となり得るような美しい景観を備えた東京を実現するためには、水辺の魅力向上が重要な要素であることから、都は、四月に公表いたしました景観計画の中で、水辺景観形成特別地区を指定いたしまして、重点的に良好な景観形成を図ることとしております。
 具体的には、お台場などの観光スポット、芝浦などの運河ルネッサンス推進地区、オリンピックスタジアム建設予定地等が立地しております臨海部を対象といたしました。
 この地域の特性を踏まえまして、水際や水上からの視点にも配慮して、民間開発等の景観誘導を行うとともに、屋外広告物についても、屋上設置や光源の点滅を禁止いたしまして、夜景も視野に入れました景観形成を積極的に進めてまいります。

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■東京オリンピック招致活動

 ▼大塚委員
 次に、東京オリンピック招致活動について伺います。
 都は、昨年度、二十一世紀の東京オリンピック招致に向けた都民運動の展開を行ってきましたが、私も、昨年の第三回定例会において、招致活動への提案を幾つか行いました。
 オリンピック招致の最終的な目標は、IOC委員から一番多くの票を獲得し、開催都市に選ばれることです。
 そこで、国際プロモーションが大変重要になりますが、私は、地元港区の多くの駐日大使への働きかけが重要であり、親日家になってもらう活動をすべきと提案をいたしました。大使に対して、東京の町や競技施設予定地などを案内することは、東京、そしてオリンピック招致計画を理解してもらうために、大変有効な活動だと思います。来年六月の五都市程度の立候補都市決定まで国際プロモーションが禁止されているので、ぜひ解禁後には、より効果的な取り組みを行っていただきたいと思います。
 そこで、初めに、来年に向け、IOC委員をよく知るとともに、ほかの申請都市の誘致運動を把握することが重要です。一九八八年夏季オリンピック招致において、名古屋市は、一九三二年ロサンゼルス・オリンピック百メートル背泳ぎ金メダリストであります、IOC副会長であった清川正二氏を擁し、優勢な情勢であったにもかかわらずソウルに敗退した歴史があります。過去に学び、IOC委員や他都市の動向を知り、東京の招致に生かしていくことが重要と考えますが、見解をお伺いします。

 ▼東京オリンピック招致本部長
 来るべき二年後のIOC総会で、他都市よりも多くの票を獲得するために、過去の経験の分析、他都市の動向の把握等を行うことは大変重要であると認識しております。特に、シカゴ市など強豪といわれているライバル都市につきましては、現在、招致委員会と協力いたしまして、競技会場の配置や広報活動の動向などを把握しておりますとともに、それらを踏まえまして、東京自身の計画内容の精査や招致戦略づくりに努めているところでございます。
 また、海外PRやIOC委員への働きかけといった国際プロモーションにつきましては、現段階においてIOCの行動規範という大きな制約がございますが、各局やJOC、国内競技団体と連携をとりながら、規範に抵触しない範囲で、さまざまな機会を活用して有益な助言や情報の収集を行っているところでございます。
 今後、ますます本格化する招致レースを勝ち抜いていくために、こうした取り組みをより一層強化してまいります。



 ▼大塚委員
 現在は、国内キャンペーンを主要な活動として、多様な活動を行い、オリンピック招致の賛同の拡大を図っています。また、今月は集中キャンペーン月間であり、月末には第一回の世論調査を行い、その結果を申請ファイルに記述すると聞いています。
 一方、マスコミによる世論調査では、厳しい数字も出ておりますが、そこで、オリンピズムを広げ、賛同をふやす提案をしますが、子どもたちにスポーツの夢と喜びを広めるとした基本理念を具体化するため、オリンピアンなどが学校の体育や運動会や自治体体育大会に赴き、一緒に運動する、競技を行うなど、子どもたちに夢を持たせるきっかけづくりを行っていったらどうでしょうか。
 多くの人々が感嘆したストリート陸上や群馬県伊勢崎市における地元Jリーグ選手と児童との体育授業の話を聞くと、親子ともどもがスポーツに感動する機会をつくることが大切だと考えます。特に、招致を行う都内における取り組みは、そうした活動を中心に展開していくべきではないかと思いますが、見解を伺います。

 ▼東京オリンピック招致本部長
 次代を担う子どもたちが親と一緒になりましてスポーツに感動することは、招致活動の上でも重要であるというふうに思います。
 これまでも、子どもたちや親が参加した駒沢公園でのオリンピックフェスティバルや都内各地でのスボーツ記録会、また、東京や全国で開催のオリンピアンふれあい交流事業、副題が「君も未来のオリンピアン」といいますが、これらなど、できるだけ多くの機会を利用しまして、広報活動を実施しているところでございます。
 また、この十月から始めておりますが、オリンピックを通じて環境問題や世界平和にも関心を持ってもらうことをねらいとした「みんなのオリンピック」、副題が「ボクらの街にオリンピックがやってくる!」でございますけれども、この事業を、年度内に都内十一会場、全国合計で二十会場で開催する予定でございます。
 このほかにも、オリンピック出場者が子どもたちと一緒に競技を行うオリンピアン母校訪問事業も行ってまいります。
 今後とも、各局やJOCと連携いたしまして、スポーツの夢や喜びが子どもたちや親に伝わる事業を積極的に実施し、招致に対する支持の拡大に結びつけてまいります。



 ▼大塚委員
 次に、昨年六月、都は、世界一コンパクトな大会とした計画書を公表いたしましたが、続く国内都市選定では、竹田JOC会長が、都の計画を全体に磨きをかけたいと発言し、計画が変更される方向が示されました。その後、JOCは東京五輪招致戦略プロジェクトを設置し、計画の改善点を協議し、招致委員会に提案しましたが、今回の変更によって、JOCとの間での会場配置の議論が語り尽くされたと考えてよいのか、所見を伺います。

 ▼東京オリンピック招致本部長
 このたび、申請ファイルの提出に向けまして、これまでの開催概要計画書を精査し、必要な見直しを行いました。その内容を開催基本計画としてまとめたところでございます。
 競技会場の配置につきましては、国内立候補都市に決定された後、JOCや国内競技団体とも何回も意見交換を行うとともに、IOCの最新のテクニカルマニュアルや海外の専門家からの助言等も踏まえるなどしまして、検討を行ってまいりました。
 今回発表した競技会場の配置計画案は、来年一月にIOCに提出する申請ファイルの基本となる内容であり、その策定に当たってはJOCとも十分な協議を行っております。



 ▼大塚委員
 ボート、カヌーやセーリング、バレーボール会場といった恒久施設の整備の増加は、それらのスポーツレガシーを都民が後利用する位置づけがあり、持続可能なものでなければならないと考えます。それらが都民生活や招致計画にどのような影響を及ぼすのか、所見を伺います。

 ▼東京オリンピック招致本部長
 今回、恒久施設として整備することといたしましたボート、カヌー会場とセーリング会場は、競技関係者のみならず、幅広く都民にマリンスポーツの場を提供する新しい拠点となるものと考えております。
 また、代々木公園のバレーボール会場は、一九六四年の東京オリンピックの遺産である代々木地区にさらなる発展をもたらし、隣接する国立代々木競技場とともに、都民にトップレベルの競技に触れる機会を提供する屋内競技のメッカとなるものと考えております。
 IOCは、オリンピック自体が開催都市の発展に寄与することを望んでおりまして、緑と水に囲まれたこれらの会場を新たな遺産として残すことは、既存の施設を十分に活用したコンパクトな会場と相まって、東京招致の大きな強みになるものと確信しております。



 ▼大塚委員
 国内外の招致活動を行うためには、必要な資金を集めていかなければなりません。昨年の質問で、私は、さまざまな広告を使った収入を提案させていただきましたが、まずは招致機運を高めるため、ロゴの浸透を図っていくとのことでした。
 東京オリンピックの財政計画の中で、招致経費の予定総額は五十五億円です。都が約三割の十五億円を負担し、残りの四十億円は招致の主体である招致委員会が、賛同を得る中で調達していくことになります。招致委員会では、十八年度で寄附とマーケティング事業で三億円、今年度の十九年度で十四億六千万円を集めていく予定であると聞いております。
 今後さらに、招致に賛同する協力企業などから積極的に寄附を集めていく必要があり、これらの企業は、オリンピック競技大会の際には、ローカルスポンサーの候補にもなります。このような寄附などを集める取り組みは大変重要と考えますが、最後に、本部長のご答弁をお願いいたしまして、質問を終わります。

 ▼東京オリンピック招致本部長
 東京オリンピック招致委員会は、民間企業からの寄附金、協賛金を中心に活動を行う特定非営利活動法人として位置づけられております。このため、本年度後半から、東京招致オフィシャルパートナー等支援プログラムを開始したところでございまして、これまで、ミズノ、アシックス、デサント、ヤフーから協力をいただいております。
 開催決定前である現在の招致段階では、企業募金にはかなりのエネルギーが必要でございますが、招致委員会では、できる限り多くの企業から多額の協力が得られるよう精力的に働きかけを行っております。
 都といたしましても、招致委員会の資金調達が円滑に進むよう経済団体などに対しまして協力をお願いするとともに、積極的に広報や現場でのPR活動を展開するなど、東京招致の実現に向けて全力で取り組んでまいります。都議会の皆様の応援をよろしくお願い申し上げます。

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