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第3回定例会 一般質問

大江戸線の安全・混雑対策を
監理団体改革の今後の取組は

交通政策
監理団体改革
花輪ともふみ
花輪ともふみ(民主党)
■交通政策

質問1
 都営大江戸線の安全対策と混雑対策について伺います。
 ここ数年、大江戸線の乗客数の伸びは好調に推移しており、平成十八年度は対前年度比で五・七%増、十九年度に入っても順調に伸びています。
 先日、朝のラッシュ時間帯に勝どき駅を視察させていただきました。この駅一帯は近年再開発が進み、オフィスビルやマンションなどがふえたため、大変混雑をしている駅であり、今後も一層混雑が予想される駅でもあります。午前八時台にこの駅に到着する電車は三十二本です。内回り、外回り、ほぼ同時に到着する場合も多く、満員の電車から多くの人々がおり、狭い階段やエスカレーターに向かう行列がホームに延び、その行列がなくならないうちに次の電車が来るというような状況で、ホームから地上出口までまさに人があふれている、そんな状況でした。ほかにも、六本木や青山一丁目などにおいてラッシュ時の混雑が著しくなってきており、対策が急がれる状況に至っております。
 もともと車両もホームもコンパクトな大江戸線ですが、現在、交通局では、どのホームがどのくらい混雑しているのかというホームの混雑状況を把握するための指標を持ち合わせていないようでしたので、私の方で参考までに、都営地下鉄全線の各駅の一日当たりの利用人数をホームの面積で割り、ホーム一平方メートル当たりの一日の利用人数を計算してみました。その割り算の結果、大江戸線の新宿駅ホームは一平方メートル当たり一日百三人、大門八十五人、練馬七十五人と大江戸線の駅がベストスリーに並び、勝どきが六十五人で五位に入りました。大江戸線は他の線に比べ込んでいるホームが多いということがわかりました。
 さらに、大江戸線は、車掌さんのいないワンマン運転です。同じワンマン運転の都営三田線や東京メトロ南北線は、安全対策としてホームドアが設置されています。
 このようなことから、視覚障害者の皆さんはもとより、利用者の利便性、安全性の向上や不慮の事故の防止の観点で、大江戸線へのホームドア設置を提案させていただこうと考えておりましたところ、昨日の自民党さんの代表質問への答弁で、早急にホームさくの整備計画を策定との表明がありました。歓迎いたします。ぜひ早急な整備を求めます。
 さらに、先日の視察のとき、何人かの利用者や駅員の方にお話を伺うことができました。ホームさくに関しては、皆さん歓迎されていましたが、出口や階段、エスカレーターの規模が利用者増に追いついておらず、ラッシュ時は、電車をおりてから地上出口に行くまで時間がかかり過ぎる、何とかしてほしいとの声や、電車そのものの車内混雑も著しくなってきているという声もたくさんありました。
 以上のことから、今後、ホームさくの整備計画策定にあわせ、混雑対策の視点も持って、輸送力の増強や利用者の流れの調査及び改善などを進めていくべきと考えますが、今後の方針について伺います。

答弁1
 ▼交通局長
 大江戸線の混雑緩和についてであります。
 大江戸線の乗客数は、開業以来おかげさまで順調に伸びてきておりまして、その結果、朝夕のラッシュ時等にはかなり混雑する状況がございます。その打開策の一つとして、当面、二十一年度に車両を新たに二編成ふやし、輸送力を増強する予定であります。これによりまして、朝のラッシュ時間帯における車内の混雑が一〇%程度緩和されるものと考えております。
 今後は、ホームさくの設置を踏まえ、大江戸線の抜本的な混雑緩和を進めていくため、利用客の流動量調査を実施し、さらなる運転間隔短縮などの対策を総合的に検討してまいります。



質問2
 ホームさくの設置や維持管理に当たっては、相応のコストがかかります。三田線でも多額の設置費用がかかったとのことであり、さらに、一駅当たりの維持管理費として年間三百八十万円程度が必要と聞いております。今後、これらに係る費用について、業務の効率化や増収のための取り組みなどの経営努力によって費用を捻出していくことが大切だと考えます。
 先日視察に行った三田線の一部の駅は、ホームさくに広告が張られていました。これは増収のために積極的にやるべきだと思い、最近の状況を確認させていただきましたところ、ここ数年、どうも伸び悩んでいるようです。その理由に、そもそもホームさくは広告媒体と想定してつくられていないため、張った広告をはがすとき、さくの塗料がはげてしまうなどのトラブルもあり、広告主に敬遠されがちなどの問題があるということでした。
 ホームさくの広告料金は、乗客数の少ない駅でも一駅一カ月五十万円、乗客の多い駅では月に百万円と設定されています。これは魅力的な収入源です。新しくつくる大江戸線のホームさくでは、広告媒体としての機能を意識した計画とし、少なくともホームさくの維持管理費用くらいは広告収入で賄うぐらいな積極的な取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。

答弁2
 ▼交通局長
 ホームさくを活用した広告料収入による維持管理費用の確保についてであります。
 交通局では、現在、駅の柱や壁などあらゆるさまざまなスペースを活用し、広告事業の拡充に取り組んでおります。
 大江戸線につきましては、利用されるお客様も多く、広告需要の高い駅が多いことから、今後ともホームさくの活用も含め積極的な事業の展開に取り組み、広告料収入のさらなる増加に努めてまいります。



質問3
 次に、ドライブレコーダーについて伺います。
 最近、交通事故の生々しい瞬間がテレビニュースなどで放送されることがよくあります。これは、事故や、事故につながりそうな急ブレーキや急発進、衝撃が起きたときに、自動的にその前後の映像を記録するドライブレコーダーの画像を放送しているものです。
 このところ、タクシーやバス、トラックなどの営業車両にドライブレコーダーを装着する動きが広がりつつあります。ドライブレコーダーの装着で直接的に効果が得られるのは、事故発生時のトラブル防止ですが、そのほかにも幾つかの副次的な効果があるとされています。事業者がドライブレコーダーで記録したデータを解析し、ドライバーのブレーキのかけ方や加速、減速の仕方などをほかのドライバーと比較することで、安全運転に対する意識が向上すると聞きます。実際に導入したタクシー会社では、導入前に比べ二割から三割の事故率低下という実績が上がっているという、そんなふうにもいわれております。また、その結果として、運転そのものがいわゆるエコドライブに近づき、車両の燃費が向上し、CO2の発生抑制にもつなげられているといわれています。
 こうした効果を持つドライブレコーダーですが、大手事業者が自主的に装備するケースはあるものの、特に中小事業者では普及はまだ進んでいないのが現状です。ドライブレコーダーの普及に向け、CO2の削減の側面からも、都として支援をしていくべきと考えますが、所見を伺います。

答弁3
 ▼環境局長
 ドライブレコーダーの普及に向けた支援でありますが、自動車に装着するドライブレコーダーは、主に事故の発生時などに映像やデータを記録する機器であり、交通事故対策に効果がございます。
 また、走行時のデータを活用すれば、CO2の削減に役立つ、より効果的なエコドライブの実施につなげることもできますが、そのためには、事業者みずからがデータの分析やそれを活用した教育指導など、ソフト面の仕組みづくりに取り組むことが重要でございます。
 都は、今後、事業者における指導体制等の構築や機器の導入に向けた支援など、新たな取り組みを展開してまいります。

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■監理団体改革

質問1
 次に、監理団体改革について伺います。
 これまで、監理団体改革については、石原知事就任以降、団体の統廃合や業務の見直し、職員数の削減など、具体的な目標を設定して、積極的な取り組みをされてきているものと認識をしています。そして、その結果、団体数は、平成十一年度の六十四団体に対し現在三十八団体と二十六団体削減し、職員数も、十九年度は八千七百四十三人と十一年度に比べて八百九人減少するなど、特に団体数や職員数といった数の側面での成果には、大変評価をさせていただいているところです。
 しかしながら、いわゆる官と民との役割分担から見た団体の存在意義や財務状況の健全化、固有職員のスキルアップ、経営の透明性など、まだまだ課題は残されていると思われます。
 そこでまず、今後の監理団体改革に取り組む知事の決意を伺います。

答弁1
 ▼知事
 監理団体改革についてでありますが、知事就任以来、外部監査の実施やアドバイザリーボードの設置、民間の経営者の登用などにより、団体のあり方までに踏み込んだ思い切った措置を講じながら、抜本的な改革に取り組んできたつもりでございます。特に、外部監査は非常に効果があったと思います。
 また、臨海地域を活動基盤とする監理団体を持ち株会社方式で経営統合することによりまして、東京港の国際競争力の強化と、臨海副都心開発の総仕上げを推進する体制を構築しました。
 今後とも、都民サービスの向上と東京の再生という広い視野で、都と監理団体との関係を厳正に保ちながら、監理団体改革に取り組んでいくつもりでございます。



質問2
 次に、監理団体が発注する契約のうち、競争入札によらない随意契約についてお尋ねいたします。
 いうまでもなく監理団体は、都が多額の出資や出捐を行っている団体で、十八年度の監理団体への財政支出は一千七百四十八億円、常勤役員ポスト九十ポストのうち六十七ポストを都のOBで占め、さらに、十八年度の一年間に五十一人の幹部職員が再就職するなど、財政的にも人的にも都と関係の深い団体です。
 その契約に関し、監理団体指導監督基準では、外部委託については競争入札が原則となっています。しかし、平成十八年度における監理団体が契約した契約件数一万一千四百四十件のうち随意契約の件数は九千四百三十件、何と八割が随契です。契約金額ベースでも、一千五十三億円中四百七十億円と、その約半分が随契です。さらに、そのうち一億円を超える高額な随意契約は八十四件とのことでした。驚きました。基準では入札が原則としておきながら、これではその基準が守られているとは到底思えません。
 さらに、各団体の定める契約に関する要綱などを拝見したところ、契約は原則として随意契約の方法などにより行うものとするとか、契約は随意契約方法により理事長が締結するなどという、最初から随意契約を前提としたあきれたルールを作成している団体もありました。これは、入札が原則としている基準を明らかに無視しています。いやいや、各団体いろいろ事業の特性がありまして、との声も聞こえてきそうです。しかし、監理団体は、多くの税金が拠出をされている公の担い手です。コスト意識と公正な事業運営が求められます。速やかに契約のあり方を検証し、見直し、各団体が定める契約などの要綱が、都の定める基準と整合性を持つよう指導するべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁2
 ▼知事
 ご指摘の随意契約の問題でありますけど、これは根本的に私は問題があると思います。ということよりも──それから、ということも十分あり得ます。これは、基本的に考え直すべき問題だと考えております。今後とも、そういう次第にいたします。

 ▼総務局長
 監理団体の契約に係る指導基準についてでございますが、都は、これまでも事業運営の効率化の観点から、競争によりがたいものや少額案件などを除きまして、競争入札を原則とするよう指導してきたところでございます。
 平成十八年度の随意契約件数は、団体合計で九千四百三十件、全契約数の約八割でございますが、金額ベースでは半分以上が競争入札となっております。全体として、指導監督基準にのっとり、適正に執行されていると考えております。
 また、業務の専門性等の理由から随意契約を主な契約手法としている団体についても、企画コンペ、あるいは複数見積もり徴取などにより、競争性を確保していると認識をしております。
 なお、随意契約手続の一層の適正性と透明性を確保するために、今後、各団体の随意契約に関する規程については、所要の整備を行った上、公表するように指導してまいります。



質問3
 次に、監理団体が発注する一億円を超える高額な随意契約の契約先への幹部職員の再就職についてお尋ねします。
 昨年の予算委員会において、幾つかの監理団体の随意契約や、その随契先への都幹部職員の再就職について伺ったところ、それぞれ所管の局長は丁寧に情報の開示をいただき、それをもとに、見解の違いはありましたが、真摯な議論をさせていただきました。
 ことしもこの一般質問を行うに当たり、高額随契発注先への都幹部職員の再就職について総務局経由で各局、各団体にお尋ねしたところ、その答えは、各局、各団体とも、把握していないとのことでした。びっくりしました。昨年出ていた情報がことしは出てこない。これでは監理団体の透明性が後退しているといわざるを得ません。なぜ、突然、開示ができなくなってしまったのでしょうか。
 近年、グリーンピアなど社会保険庁の天下りによる年金のむだ遣いが問題になりました。また、さきの独立行政法人緑資源機構の事件に見られるように、企業と天下りの不適切な関係が指摘をされ、国民の厳しい目が向けられる中、国においても、公務員制度改革の中で、天下り問題に正面からの取り組みが始まっています。
 このような社会環境の中、監理団体の高額随意契約先への都幹部職員の再就職について把握していないと情報開示を後退させたのでは、知事、議論の入り口にも立てず、話にもなりません。随意契約と都幹部職員の再就職との関係について、都民に疑念を持たれないよう、都民が疑念を抱かないよう、情報の開示を含め指導徹底していくべきと考えます。所見を伺います。

答弁3
 ▼総務局長
 監理団体の随意契約先への都OBの再就職についてでございます。
 監理団体の契約については、会計監査人や包括外部監査人等によるチェックが行われていることとあわせまして、各団体が定めた契約手続に基づき、適正に行われているものと認識をしております。
 なお、都幹部職員OBの再就職については、民間企業との関係を厳正に保ち、公務を適正に執行し、再就職に関して都民の誤解を招くことがないよう、職員の民間企業への再就職に関する取扱基準を定め、局長級職員の再就職状況を公表するなど、適切に運用しているところでございます。

コメント
 昨日、石原知事より、多摩都市モノレールへの金融支援が表明されました。新聞報道によれば、その額は三百億円とのこと。これまでも多くの三セクが破綻をし、多額の税金が投じられてきました。私は、鉄道事業は息の長い事業で、簡単に黒字が出るものではないということは承知しています。さらに、地域住民のために安定的な運行をしなければいけないということもわかります。
 しかし、だからといって、お金が足りなくなったから、はい、どうぞと、そんな姿勢でいいとは思いません。金融支援をするのであれば、これまでの経営状況を公開し、検証し、反省し、その経営責任を明らかにする必要があると思います。
 さらに、今後の経営再建計画の策定に当たっては、天下りによる経営なども見直し、第三セクター全体の体質改善につなげていただきたい、そんなふうに求めておきます。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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