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第3回定例会 一般質問

横田基地共有化では地元対策を
奥多摩町水道事業都営一元化を

横田基地
奥多摩町水道事業の都営一元化
シカ被害対策
台風9号の被害と復旧等今後の対策

林田武
林田 武(自民党)

■横田基地

質問1
 知事が進める横田基地の軍民共用化に関する今後の取り組みについて伺います。
 平成十八年十月十二日、横田基地軍民共用化に関するスタディーグループの第一回会合が米国ワシントンで実施されました。スタディーグループの立ち上げについて、外務省北米局日米地位協定室の内容説明によると、第一回会合には、日本から外務省、当時の防衛庁、防衛施設庁、国土交通省、そして米国から国防省、連邦航空局等の関係者がそれぞれ出席し、平成十八年五月に日米両政府間で合意した再編実施のための日米ロードマップにおいて、両国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施することを踏まえて実施される、そして、検討結果を十二カ月以内に出すというものでした。
 改めて申し上げるまでもなく、横田基地の軍民共用化の推進については、石原知事が選挙公約の一つとして、横田基地が返還されるまでの対策として軍民共用を掲げ、横田基地共用化推進担当部長を設置し、組織を強化して、実現に向けて取り組んでまいりました。
 知事の積極的な取り組みにより、関心の薄かった日本政府を動かし、平成十五年五月二十三日、当時の小泉首相が米国テキサス州クロフォードにおけるブッシュ大統領との会談の中で話をされ、共用化の実現可能性について共同で検討するということになったのはご承知のとおりであります。
 その後、平成十七年十月二十九日、在日米軍再編の中間報告が発表されました。その内容は、在日米軍司令部は横田飛行場に共同統合運用調整所を設置する、現在、府中にある日本の航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊が米第五空軍司令部と併置されるというものでした。いわゆる軍軍共用化であります。
 このような流れの中でも、石原知事は、本年四月の知事選挙の街頭などでのご発言で、近々横田は民間機が飛びますよと具体的な便数を上げて申されておりました。
 その後、選挙が終わって、少し時間もたちましたが、八月三十一日の知事の定例会見で記者より、スタディーグループの結論の期限が迫っているが、知事の感触はという質問に答えられ、知事は、残念ながら後退しましたね、両方とも政府が弱腰になってしまったと申されたと伺っております。
 九月八日、町村外務大臣がオーストラリアのシドニーでライス国務長官との会談の中で、在日米軍再編に絡む米軍横田基地の軍民共用化について、政府全体として実現したい、米国務省としての支援をお願いしたいと語り、ライス国務長官は、真剣に検討したいと応じたとの報道がありました。
 私は平成十四年の一定で、横田飛行場について、知事の考え方、今後の取り組みについて質問をし、同時に、ぜひ周辺自治体への理解を十分にされ、周辺対策をきちんと進めてほしいと要望させていただきました。知事は丁寧にお答えくださいました。横田飛行場の共用化の必要性、そして地元への対応、騒音対策や交通アクセスの充実について、知事の思いを述べていただきました。
 現在は日米協議の真っ最中でありますので、地元に情報が流れにくい状況と思いますが、地元の理解と協力を得ていくためには、地元対策を一層しっかりと行っていくべきだと思います。
 そこで、この十月にスタディーグループが出ようとする状況の中で、今後の取り組みと地元自治体への対応について、知事の率直なお考えを伺います。

答弁1
 ▼知事
 横田基地の軍民共用化の今後の取り組みと地元自治体への対応についてでありますが、横田基地の軍民共用化は、首都圏の航空事情を改善し、ひいては日本全体の国際競争力の強化につながるものであります。
 現在進められているスタディーグループによる日米協議は、十月の期限を間近に控え、大詰めを迎えております。協議の過程で米側から幾つかの課題が指摘されておりますが、軍民共用化を既に行っている米軍の三沢基地や、あるいは自衛隊の小松基地の事例を見ますと、横田で共用化ができないわけは全くございません。
 つい数日前、この問題について、第三者的な立場で調査も依頼しております向こうの調査機関の幹部の、前々でしょうか、在日空軍司令官であった将軍と、名前も失念いたしましたが、フランス、トルコの大使もした外交官、外交の見地でこの問題をしんしゃくするための人物二人が参りまして、私も会食して、説明を聞き、こちらも説明いたしましたが、いずれにしろ横田の共用化というものは、平成十五年に、林田さんもおっしゃったように、ブッシュ、小泉両サミットのクロフォードでの会談で合意されたものでありまして、あくまでもこれを前提に話をすることを私は強く再三申しております。これからどうするの問題じゃなくて、これは日米間の関係のために必要だから、とにかく積極的に討論しよう、合議しよう、共同使用のために進もうということで、合意が得られたわけでありますから、それを前提に話をしろと。だんだん下におりてきて、役人根性で小さな問題をくどくどいって、事をはぐらかさずに、大義というものを踏まえて議論してくれということを再三申しております。
 米側は日米関係を重視する立場に立つならば、当然横田の共用化に対して積極的に対処してしかるべきだと思っております。
 今後、内閣もかわりましたので、新内閣に対して、横田の軍民共用化を改めて政府の重要課題として位置づけ、一刻も早く共用化の日米合意を得るように強く働きかけてまいります。
 おっしゃった大事な地元自治体の問題に対しましても、日米協議の進捗に合わせて、周辺の基盤整備や騒音対策などの課題について話し合いを進め、軍民共用化に対する理解と協力を得ていきたいと思いますが、これはぜひ林田議員からも、既に発表されております杉山委員会の報告というものを詳細にまた改めて何度も説明していただきたい。大変な経済効果がございます。
 ただ一つの問題は、これはどこの空港でも当然のことでありますけれども、マイナス要因として騒音対策がありまして、これは騒音対策を無視し、環境対策を無視して空港を整備するなんということはあり得ませんから、この点も安心して期待をしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

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■奥多摩町水道事業の都営一元化

質問1
 奥多摩町水道事業の都営一元化について伺います。
 明日、水道局の主催で、都庁都民ホールにおいて、森と小河内ダムにありがとうと表題し、小河内ダム竣工五十周年記念イベントが開かれます。また、十一月十三日には、奥多摩町会場で五十周年記念式典が行われると聞いております。
 小河内ダムが昭和三十二年十一月に竣工して五十年、一千二百万都民の水がめとして、まさに大切な水を供給してまいりました。今回の催しも、五十周年記念の行事を行うに当たり、森と小河内ダムにありがとうと都民の感謝の心をあらわしていただき、本当によかったと奥多摩町町民も私も思いました。
 小河内ダムの多摩川水系は、東京都の水源量の約二割を占め、その貯水能力は東京ドーム約百五十杯分に当たります。また、水道専用としては、世界最大級の貯水量を誇るダムであり、都民への安定供給を確保する上で重要な役割を果たしてきたことは、今さら申し上げるまでもありません。
 しかし、この小河内ダムを建設するに当たって、私たちが決して忘れていけないことは、奥多摩町がどれだけの犠牲を払い、大変な思いをしてきたか、「湖底の故郷」という歌にもありますように、村を失い、約一千世帯もの人々がふるさとを失ったという歴史があることです。
 水道事業は市町村経営が原則とされていますが、東京都では、多摩地域が抱えた水源の枯渇と料金格差問題を解決するために、昭和四十八年以来、これまでに二十五の市町営水道を都営水道に一元化してきました。
 東京都のこうした取り組みは、地域住民の生活環境を飛躍的に向上させるとともに、広域化を進める全国モデルとして、国の政策転換を促してきたということは大いに評価いたします。
 しかし、残念なことに、奥多摩町や檜原村の水道は、当時、地理的などを理由に都営一元化計画の対象外とされ、現在もなお単独で水道事業を経営しております。
 そこで、幾つか東京都の考えをお伺いいたします。
 まず、小河内ダムの重要性について、改めて水道局の基本認識を伺います。

答弁1
 ▼水道局長
 小河内ダムの重要性についてでありますが、小河内ダムは昭和十三年に着工し、約一千世帯の住民の方々の移転による協力と、工事における八十七名のとうとい犠牲のもと、昭和三十二年に竣工いたしました。
 これによって、当時の深刻な水不足の解消が期待されましたが、その後も、高度経済成長に伴う人口や産業の集中などにより、水需要は想定を超えた増加を続け、さらなる対応が求められる状況でございました。
 このため、利根川水系の水源開発を進めますとともに、朝霞浄水場と東村山浄水場との間を結ぶ原水連絡管などを整備し、給水安定性の向上を図ってまいりました。
 都独自の水道専用のダムである小河内ダムは、こうした取り組みにより、利根川水系と多摩川水系とを相互に融通する機能が加わり、渇水時等にも首都東京の安定給水を支える最後のよりどころとして、極めて重要な役割を果たしていると認識しております。



質問2
 次に、奥多摩町及び檜原村の水道事業の現状と、毎年、強く都営一元化への要望が都へ出されておりますが、その間、奥多摩町では、要望すると同時に、一元化に向けて料金の改定など内部努力をされていますが、要望の状況について伺います。

答弁2
 ▼水道局長
 奥多摩町からの都営一元化の要望についてでありますが、奥多摩町は大部分が山間部であり、こうした地形的特性から、水道事業の施設や運営の面で効率が悪く、また経営的にも、毎年、町の一般会計から多額の繰入金を受けて運営されている状況と聞いております。
 また、近年、シカの食害と思われる森林崩壊が発生することなどによって、取水施設への高い濁度の原水の流入や、登山客や野生生物による水質汚染などが発生し、奥多摩町の単独経営では水質管理、事故、災害時の対応の面で限界があり、水道事業を維持管理していくことが困難な状況になっていると聞いております。このため、奥多摩町は東京都に対し、都営水道への一元化を強く要望しているところであります。



質問3
 水道局では、都民の憩いの場所として、小河内ダム周辺の整備にさまざまな取り組みをしてきました。このことに対しては感謝いたしておりますが、奥多摩町町民が早く実現してもらいたい大きな課題は都営水道一元化であります。
 水道局や関係する局に改めて申し上げます。奥多摩町都営水道一元化に対して、水を供給されている一千二百万都民だれ一人反対する人はないと思います。小河内ダム竣工五十周年という記念すべき本年、奥多摩町都営水道一元化実現に向けての決意をお伺いいたします。

答弁3
 ▼水道局長
 奥多摩町の都営水道への一元化についてでございますが、これまで奥多摩町の方々が都の水がめを守り、支えてきていただいたことを考えますと、ご指摘のとおり、小河内ダム竣工五十周年は重要な節目に当たると認識しております。奥多摩町の水道事業は地理的条件などから一元化の対象外としてきましたが、水質管理、事故、災害時の対応などの運用面で課題があります。また、一元化する場合には、施設の整備水準を向上させる必要があり、その実現に向けては多くの課題がございます。このため、こうした課題の対応について、関係局との調整を含め、検討してまいりたいと思います。

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■シカ被害対策

質問1
 続いて、東京の森林再生を進める中で、大変深刻で、かつ厄介な問題となっているシカの食害、シカの被害対策について伺います。
 東京都では、「十年後の東京」や緑の東京十年プロジェクトにおいて、石原知事を先頭に、全庁を挙げて森林の再生に取り組まれ、西多摩を地元とする私にとりまして、心から感謝を申し上げます。
 申し上げるまでもなく、東京都の面積の四分の一を占める多摩の森林を整備し、よみがえらせるためには、多くの課題と時間がかかります。
 しかし、その前に一刻も早く解決しなければならないのがシカ被害対策です。東京都がシカ生息の実態をつかみ、本格的にシカの捕獲を始めてから三年、残念ながら、シカの頭数は減っていない。この現状を打破していくためには、さらにより知恵を出し、より人を出し、より予算を出していかないと、森林再生どころではありません。
 ことしの六月十日付の新聞に、有害鳥獣害対策に自衛隊活用という記事が載っておりました。自民党では農林漁業有害鳥獣対策検討チームにおいて、全国的に広がる獣害問題に、人材不足には自衛隊の活用が必要であるなどと議論されるほど、今深刻な問題となっております。
 東京都で把握したシカの生息状況、被害状況では、奥多摩町を中心に、平成五年約三百頭、平成十一年千頭、平成十四年には二千五百頭とふえ続けてまいりました。被害の大きいのは、平成十六年、奥多摩町川乗谷支流逆川地域の山林が裸山となり、集中豪雨により同地区の森林が崩壊し、大量な土砂が流れ出し、水道取水施設に甚大な被害を与えた記憶は生々しいものがあります。
 平成十七年、東京都ではこの事態を重く受けとめ、緊急裸山対策として、シカ被害対策を実施し、被害地区の治山工事や造林地へのシカ侵入防止さくの設置など復旧を進めていただいておりますが、シカの被害は各地へ広がっているというのが現状です。
 そこで改めて、シカ被害の現状をどのように認識しているのか、伺います。

答弁1
 ▼産業労働局長
 シカ被害の現状認識についてでございますが、都では、平成十七年度から取り組んでおります緊急裸山対策におきまして、毎年六百頭以上のシカを捕獲するとともに、被害の激しい約八十三ヘクタールにつきまして、治山工事や造林対策などにより復旧を図っているところであります。
 しかしながら、生息状況調査等によりますと、シカの生息数は二千頭前後から減少しておらず、生息区域も拡大しており、また、新たに裸山化した箇所も報告されております。
 このようにシカによる森林被害は依然深刻な状況にありまして、今後もシカを適正な生息数へ誘導していくとともに、裸山化した森林の復旧に向けまして、継続した取り組みが必要であると認識をしております。



質問2
 また、シカの生息域は東京都のみならず、埼玉県、山梨県まで広がっているところから、シカの数を適正化するには、隣接県との連携がより必要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。
 ところで、シカの捕獲後をどうするか。捕獲をしたシカの肉を活用して地場産業にと、今地元では頑張っております。私も先日、シカ肉を材料にしたカレーを食べました。なかなかおいしいとの評判です。石原知事も一度召し上がっていただき、郷土のシカ肉カレーのPRをしていただければありがたく思います。奥多摩町の新しい地場産業に都のご支援を要望させていただきます。

答弁2
 ▼産業労働局長
 隣接県との連携についてでございますが、都では、現在、東京都シカ保護管理計画に基づきまして、地元市町村と協力しながら、シカ捕獲を実施しております。
 しかし、ご指摘のとおり、シカは都県境を越えて広範囲に移動することから、適正な生息数に誘導するためには、隣接県との連携が重要と考えております。
 そこで、年内に、東京都と埼玉県、山梨県で構成をしますシカ森林被害協議会を設立し、同協議会におきまして、被害状況の分析や効果的な捕獲方法の検討など、連携した取り組みについて協議を行ってまいります。

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■台風9号の被害と復旧等今後の対策

質問1
 ことしは、観測史上初めてという大雨が日本各地で降りました。東京においても、九月六日、七日にかけて、台風九号の直撃を受け、私の地元であります西多摩地域を中心に大雨に見舞われ、特に檜原村では総雨量六〇〇ミリを超える雨を観測いたしました。幸いに人命に至る被害はなかったものの、少し位置がずれれば大惨事となった土砂崩れが発生しました。また、秋川では護岸が崩れ、大きな被害を受けました。
 この台風は、東京湾の南から直接東京を襲う戦後最大といわれるキティ台風と同じコースをたどりながら、東京東部低地の高潮や区部の中小河川地域では、今回は水害がほとんど発生しなかったと伺っております。東京都が積極的に高潮対策や河川の整備など治水対策を進めてきた成果があったと評価する一方、西多摩地域、特に山間部においては、残念ながら治水対策は十分といえないのが現実であります。
 山間部に対する治水対策を促進していただくようお願いいたすと同時に、今回の台風九号による被害箇所については、その復旧も含め、抜本的な対策を急ぎ進めるべきだと考えます。そこで、被害が発生したと聞いている箇所の対策について伺います。

答弁1
 ▼建設局長
 台風九号による檜原村のがけ崩れについてでありますが、都では、建設局に設置した水防本部の雨量監視に基づき、九月六日午前から、檜原村に対し、土砂災害の注意喚起を行っておりました。これを受けて、村が住民に自主避難を呼びかけていたところ、同日深夜、藤原地区で高さ約百二十メートル、幅約九十メートルにわたるがけ崩れが発生いたしました。崩れた土砂はがけ下の民家や避難所からわずか数メートルのところでとまり、幸い人命などの被害は免れたところでございます。
 都は直ちに現地を調査し、現在、堆積土砂の撤去や仮設の土どめ工事などの応急復旧を行っております。
 あわせて、崩壊した斜面を速やかに修復できるよう、檜原村とも連携し、今後、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業の採択を受け、抜本的な崩壊防止工事を早急に行い、地域住民の安全確保を図ってまいります。



質問2
 檜原村の藤原地区で大規模ながけ崩れがあり、民家まであと数メートルというような崩壊がありました。また、すぐ隣接する集落の避難所も極めて危険な状況にあります。地元では、東京都の素早い対応を望んでいますが、被害状況と今後の対策について伺います。
 今回、台風九号は多摩地区に甚大な被害をもたらしたわけですが、多摩地区において河川の被害状況と今後の対策、取り組みについて伺います。

答弁2
 ▼建設局長
 多摩地区における河川の被害状況とその対応についてでありますが、秋川や養沢川など西多摩地域の河川で溢水被害はなかったものの、護岸や河川内の遊歩道などが一部損壊いたしました。都は、被災したあきる野市小川地区など四カ所について、直ちに測量などの現地調査を行うとともに、災害復旧事業の採択に向け、国と調整を進めております。
 この十月に予定している国の現地査定を経て、速やかに復旧工事に着手し、来年の出水期までに完成させてまいります。



質問3
 人命を脅かす災害、水害はいつ起こるかわかりません。被害が発生したとき、迅速な対応が必要であります。建設局には一層全力を挙げて取り組んでほしいと思います。
 最後に、土砂災害対策や治水対策をどのように進めていくのか、東京都としての決意を伺い、質問を終わります。

答弁3
 ▼建設局長
 土砂災害対策や治水対策の今後の進め方でありますが、都は、台風や集中豪雨などから都民の命と暮らしを守るため、多摩地域を中心とした土砂災害対策や中小河川の洪水対策、東部低地河川の高潮対策などを進めております。
 しかし、これらの対策はいずれも道半ばであり、五〇ミリ降雨に対する治水安全度がいまだ七四%であることなどから、引き続き事業の推進が必要であります。
 このため、十年後の河川整備の明確な目標を設定し、その達成に向けて事業を展開しております。具体的には、土砂災害の危険性のある地域では、これまで進めてきたがけ崩れ防止工事などのハード対策はもとより、速やかな避難体制を確立するため、警戒区域の指定、警戒情報の提供などのソフト対策や避難所の安全対策を推進してまいります。
 また、中小河川では、過去に水害をもたらしたものと同規模の降雨による溢水の九割を解消することを目標に、五〇ミリ降雨に対応する護岸や調節池の整備を積極的に進めてまいります。
 さらに、東部低地河川では、伊勢湾台風級の高潮に備える対策や阪神・淡路大震災を踏まえた外郭堤防と内部護岸などの耐震対策の完了を目指してまいります。
 今後とも、土砂災害や水害から都民の命と暮らしを守るため、これらの対策に全力を挙げて取り組んでまいります。


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