平成18年第1回定例会 一般質問

日本の将来のために技術革新を
環状第5の1号線の地下道化を

矢島千秋(自民党)
■都政運営
 
質問1
 経済の成長は大変難しいところがあります。拡大する資源外交をする国は、効率の悪さゆえの選択という見方もありますし、一方日本は、幾多の困難を英知と努力で越えてきました。こういう日本の社会は、多少の調整期間はあったとしても、経済発展の時代に生きてきただけに、社会の持続性の観点からも、人口減少が大きな危機として受けとめられております。
 この背景にある深刻な少子化には、東京都も積極的に取り組み、その施策は全国的に見てかなり充実しているといわれますが、諸外国の例に見るように、有効な手だてがまだまだ必要なことはそれでも確かであります。しかし、晩婚化を政策的に大きく改善することは容易でないだけに、ある程度の少子化、人口減少は現実として受けとめねばなりません。
 実際、日本の労働人口は、既に平成十年には頭を打っているのであります。経済成長阻害要因として語られることの多い少子化でありますが、経済の成長に労働者の数は絶対的条件ではなく、既に労働人口減少期に入っている日本など先進国にとって、それを支えるのは資本の蓄積と技術の進歩にあるといわれております。
 つまり、日本の将来のためにイノベーションに力を尽くしていかなければならないのであります。いわば東京都は日本のエンジンであり、フラッグシップであるだけに、その船長として日本をリードする知事にご見解をお伺いいたします。
 
答弁1
 ▼知事
 日本の将来を支える技術革新についてでありますが、日本は依然として世界第二の経済大国であるにもかかわらず、自分自身への冷静な認識を決定的に欠いていると思われます。膨大な金融資産や高い教養水準、独自の文化、伝統など、世界に伍していけるだけの力を持ちながら、いたずらに自信を喪失してしまっている感がございます。その最たるものは、技術力に関する認識不足だと思います。
 アメリカの国家的な威信をかけたプロジェクトの宇宙開発を見ましても、先般、かつて宇宙飛行士として活躍された毛利さんの話を聞きましたが、宇宙船に搭載されている頭脳部分の機材は、一応アメリカ製となっているけど、実はその重要なパーツはほとんど日本製であるということでもありまして、こういったことを私たちもう少し知った上で、持つべき自信を持ったらいいんじゃないかと思います。
 それゆえにも、東京に集積する高度な先端技術が持つ大きな可能性を存分に解き放ち、引き出し、日本経済をリードすることが必要でありまして、そうした取り組みを通じて、労働力不足が懸念される人口減少時代を乗り切っていくことができるとも思います。
 ただ、労働力の決定的な不足は、これはこれからどうなっていくかわかりませんが、技術革新だけでは補えない部分はあると思います。そういう点で私はかねてから、日本は思い切った移民政策をとるべきだと思っておりますが、そういう主張は場違いかもしれませんけど、そういう認識もぜひお持ちいただきたいと思います。
 

 
質問2
 いつの時代にあっても取り組まねばならない課題は多く、緩い対応は必ず大きなツケが回るのであります。かような中にあって東京都は、ようやく財政逼迫を脱しつつありますが、知事のこれまで七年間の歳出見直しの奮闘は、困難な中でも新時代への理念を持ち、役割を果たしながら重点政策に取り組み、そこには自立する自治体新時代への見識がうかがえるのであります。
 つまり、都政再構築の根底には、自治体のあるべき姿を目指す知事のガバナンス、また、限られた資源の活用と付加価値を高めるマネジメントの有効性に息を吹き込む姿があるのであります。まさに日本のコンプリメンタリティーの実践であり、都区協議が新しい段階を迎えることも理解できるのであります。
 そして、時代の要請も、首都東京が持てる力を磨き、地域をつくり上げるところにあり、そのためには、おのずから行政のあり方、また公共サービスが一変し、公務員の求められる姿も大きく変わるのであります。
 現在、行政サービスの質を維持あるいは向上させながらコストの低減を図ろうと進められている各種改革の実施は、従来の単に人件費から物件費への移動では許されないのであります。公務員組織、そして公務員の役割の見直しが、質の高い自治体経営の基礎条件であります。たとえ業務の民間委託をしたとしても、その成果管理と質の維持のためには、それらに対応できる公務員の役割があり、必要な能力を明らかにし、組織的な教育がなされなければなりません。
 知事が十七万東京都職員と歩んできたこの間を通してご判断されている、これからの地方自治体のガバナンスとマネジメントのあり方、その実現を図るこれからの公務員像について、ご所見をお伺いいたします。
 
答弁2
 ▼知事
 これからの都政運営及び公務員像についてでありますが、いかなる時代、社会にあっても、官僚を必要としない国家、社会はあり得ません。これをうまく機能させれば、これほど有効なものはございませんが、放置すれば現状維持と自己保身に流れてしまうのが通弊であります。この官僚という制度を使いこなして直面する課題の解決に当たるのは、我々政治家の責任だと思います。
 これまでの七年間で、スピード感、コスト意識、そして現場感覚の徹底を図ってきたつもりであります。同時に、外部の目も活用しながら都政運営に当たってまいりましたが、おかげで職員も組織を挙げてこれにこたえてくれたと思います。
 先般、扇さんが国交大臣のころ、羽田の沖合移転について合同記者会見を行いました。そのときに、準備の部屋に入りましたら、私、いなれたところでありましたが、国交省からやってくる局長は、五、六人、こんな分厚い書類を抱えて、何だか並べていました。我々都庁の役人は、局長は、紙一枚二枚でありました。私は、それが君らの現場だろうといって笑いましたが、まさにそういうていたらくがあると思います。
 それからもう一つ、この二年間、手不足だといわれていますので、警察に百五十人、そして入管事務所に二十人、人を派遣して、お手伝いをしました。先般、入管に出向いた都の男女四人の代表の報告を受けました。これは実にすばらしい報告でありました。非常に冷静な現場の認識を持っていまして、これを整理した上で、法務大臣の杉浦君にその実態を伝えようと思いますし、その前提になる池袋の視察も、彼は行ってくれたようでありますが、こういったきちっとした現場感覚を持っている官僚というものは本当に不可欠でありまして、国は大いに、都のそういった感覚を持った官僚諸君を見習ってもらいたいなと思っております。
 四月からは新しい公会計制度が国に先駆けて導入されまして、さらに職員の意識改革と行政改革を加速させると思います。今後とも、東京から日本を変えるために、都全体でチームワークを存分に発揮させながら、首都東京のかじ取りを担っていきたいものと思っております。
 
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■財政運営
 
質問1
 人は歴史から多くのことを学んできたはずでありますが、実際、財政規律の維持は難しく、特に税収好調な時期ほどであり、現在の地方自治体の苦悩である平成初期の経済過熱の後始末がそれを示しております。
 しかし、自治体の財政逼迫化は現在に限ることではなく、昭和三十年制定の、戦後の混乱期自治体救済の法である地方財政再建促進特別措置法により、当時五百八十八にも上る自治体を再建団体として承認し、再建に当たりましたが、現在もその準用規定が破綻自治体の受け皿であります。
 しかし、これからは、自治体財政が歩まなければならない自立と財政責任の道が、市場メカニズムと表裏の関係である信用リスクとして問われることになるのであります。アメリカでは、オレンジ郡破産のチャプターナインが有名でありますが、政府が、大臣の私的諮問機関として、現在破産法の体系に位置づけられていない、自治体の破産法制の見直しに入ることは、今後、課税自主権を含めた地方分権をさらに進める代価であり、当然の帰着であります。
 東京都自身、財政再建団体転落の瀬戸際に立ったこともあり、また、都内市区町村がそれぞれの必死の努力で財政運営に努め、ようやく経済環境の好転を迎えておりますが、仮に冷え込みが続いたとすると、この問題について判断と対処が必要であったかもしれないのであります。
 不幸なことに都内自治体がこのような事態に陥ったときの対応は、既に検討されているでありましょうが、財政再建団体への認識、また政府の今回の見直しについて都としてどのように受けとめているか、お伺いをいたします。
 
答弁1
 ▼財務局長
 財政再建団体及び自治体破綻法制に対する認識についてでございます。
 平成十年度に一千億円を超える最悪の赤字を抱え、財政再建団体転落の危機に直面していた都は、万が一にも転落した場合、都民生活に大きな影響を与えることから、その回避を最重要課題ととらえまして、みずからの責任で徹底した財政再建を進め、十八年度予算においては一つの区切りをつけることができたと考えてございます。
 また、ご指摘の自治体破綻法制は、財政難に陥った自治体を民間企業と同じように再建させる枠組みとして、総務大臣の私的懇談会において議論が行われていると承知しております。
 ただし、こうした議論の前提といたしましては、自治体の自主、自立を促すさらなる税源移譲や課税自主権の強化など、実質的な地方分権の実現が必要であると考えております。都は、どのような枠組みのもとであれ、みずからの責任のもと、さらなる構造改革を進めていく必要があると認識しております。
 
 ▼総務局長
 区市町村の財政運営及び自治体破産法制に対する認識についてでございます。
 区市町村が住民に安定的なサービスを提供していく上で、健全な財政を保つことは極めて重要でございます。現在、総務大臣の私的懇談会である地方分権二十一世紀ビジョン懇談会が設置され、自治体の破綻再建法制について検討がされていることにつきましては、よく承知をしております。今後ともその動向については十分に注視をしてまいりたいと考えております。
 地方分権が進展する中、区市町村は、みずからの財政責任を踏まえ、堅実な財政運営に努めるとともに、住民にその内容を開示し、説明責任を果たすなど、真剣な努力を重ねております。都は、広域自治体として各団体の財政状況を十分に把握し、仮にも財政破綻を招くことがないよう、適切な助言を行うとともに、将来を見通した主体的な行財政改革を促してまいります。
 

 
質問2
 都の各種基金の積み立ては、平成十八年度末で一兆一千八百億円となります。このうち東京都の財政逼迫時の貯金である財政調整基金は、平成十一年には残高十五億円の首の皮一枚の状態でありました。今後積み増していく財政運営平衡化資金たる財政調整基金の目標水準は、東京都財政運営の基本的フレーム抜きには考えられませんが、それをどの程度に想定しているか、あるいはどのように考えているか、お伺いいたします。
 
答弁2
 ▼財務局長
 財政調整基金など活用可能な基金の積立目標についてでございますが、都は、歳入の根幹をなす都税収入が構造的に不安定であることに加えまして、地方交付税の不交付団体でもあることから、他の自治体以上に基金残高の確保が求められてございます。
 財政再建に取り組んでまいりました結果、十一年度には八百六十九億円にまで落ち込んだ基金残高は、六千億円を超える水準にまで回復いたしました。基金積み立ての目標額につきましては、具体的な水準の設定は困難でございますが、税収が好調なこの時期、安定的な財政運営の構築を目指して、引き続き積極的な積み立てを行い、将来の財政需要や不測の事態に備えることが重要であると認識してございます。
 

 
質問3
 東京都が取り組んできました第二次財政再建プランの達成には、主税局の都税収入確保の努力が大きな役割を果たしてまいりました。確かに法人二税の大幅増収ということもありますが、その根底は、他の自治体に先駆け努力してきた各種徴税の取り組みという背景があります。これは知事が記者会見で、主税局が粛々と、厳正に、忠実に、また熱心に努めてきたからとの発言にもあらわれており、裏方に対するねぎらいのよい言葉であります。
 そこでお聞きいたしますが、都税たる個人都民税は、区市町村がその住民税とあわせて賦課徴収し、東京都は手数料七%を支払っております。しかし、ほかの都税に比較して徴収率が低いため、主税局では個人都民税対策室を設置し、区市町村と協力してその収入確保と徴収率向上に向けた取り組みを行っておりますが、これまでの成果をお伺いいたします。
 
答弁3
 ▼主税局長
 個人都民税対策室設置後の成果についてでございますが、対策室は、いわゆる三位一体改革により税源移譲が見込まれる中で、他の道府県に先駆けまして、区市町村に対しさまざまな支援を行う目的で、平成十六年四月に設置したものでございます。
 対策室を設置以降これまで、区市町村に対します直接的な支援として、高額滞納事案の引き受け、間接的な支援といたしまして、延べ二十四自治体に都職員を派遣するなどの取り組みをこれまで展開してまいりました。
 こうした取り組みの結果、個人都民税徴収率は、十六年度決算におきまして、対前年度比一・二ポイントアップ、額にいたしまして四十億円を超える増収効果を上げております。
 

 
質問4
 島しょ地域では、これまで、自治体への徴収率向上、滞納処理の支援は、研修や滞納の引き受け処理に終わっております。しかし、二十三区、多摩地域では、都職員の二カ月間派遣、研修生の受け入れ、各種研修を実施し、大きな成果を上げてきたとお聞きしております。今後、島しょ地域でも同様の取り組みを行い、地域の滞納処理ノウハウ向上に資すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。
 
答弁4
 ▼主税局長
 島しょ地域の徴収率向上に対する支援についてでございますが、二十三区及び多摩地域の自治体に対しますさまざまな支援につきましては、派遣先自治体からも評価をいただいているところでございます。
 今後は、島しょ地域におきましても、二十三区及び多摩地域同様、島しょ地域の自治体と協議の上で、一定期間の職員の派遣を初めといたしまして、研修生の受け入れなど、徴収率向上に向けまして積極的にご支援を申し上げたい、このように思っております。
 

 
質問5
 知事はかねてより、首都圏の広域連携の必要性について言及されております。そこで培ってきた主税局の徴税ノウハウと、同じ課題を持つ首都圏内の自治体のノウハウの相互交流は、徴税の広域連携を可能とし、より税収の効果につながるものと思いますが、お考えをお伺いいたします。
 
答弁5
 ▼主税局長
 滞納整理に関しますノウハウの首都圏自治体との相互交流についてでございます。
 都が提唱いたしまして開催をしております全国会議徴収サミットは、首都圏自治体も含めまして、参加自治体の滞納整理部門におけるレベルアップを図るため実施しているものでございます。この徴収サミットをさらに充実させるなど、首都圏自治体との連携をさらに深めてまいります。
 
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■まちづくり
 
質問1
 戦後の東京都の都市計画は、緑とまちの風格の計画を忘れてきたといわれております。しかし、緑の課題は、一月のみどりの新戦略ガイドラインに取り組まれ、緑の保全と創出に民間の力を生かすために、民設公園制度の仕組みが導入されているのであります。私は、人が人として住むにふさわしい東京の都市部の緑確保の方策の一つとして、この制度を評価するものであります。実際、現行ペースでは数百年かかるといわれている都市計画公園整備のため、容積率のボーナスなしに公園を創設することは、実に画期的なことであります。
 これを推進する立場から、まず民設公園制度導入の考え方を、次に、制度における民間事業者と都が負うべき責務について、最後に、公民それぞれが責務を果たし、良好なみどりが創出、維持されるため、どのような制度づくりをするか、お伺いいたします。
 
答弁1
 ▼都市整備局長
 民設公園制度導入の考え方についてでございますが、みどり豊かなまちづくりを進めるためには、都市計画公園・緑地の公共による計画的な整備だけでなく、民間の活力を活用した整備が必要であります。そのため、これまでの公共が主体となった公園整備の手法に加え、企業グラウンド等の民有地を活用した民設公園制度を創設し、公園の整備促進を図ることといたしました。
 この制度は、公共が都市計画の建築制限緩和等を行い、これを受けて民間が一定の規模の公園を整備、管理するもので、財政負担を伴わず、早期の公園整備を可能とするものでございます。
 次に、民間事業者と都の責務についてでございますが、民設公園制度の実現には、公民が連携し、適切な役割分担のもとにみどりづくりを進めることが必要でございます。この制度におきまして、民間事業者は、一定の規模、水準を持つ民設公園を整備し、適切な管理を行いながら、永続的に都民の利用に供することが義務づけられます。また、都は、民設公園制度の導入に当たりまして、都市計画公園区域内における都市計画制限の緩和などを行い、民間の円滑な事業の参入を図ってまいります。
 次に、民設公園制度の仕組みづくりについてでございますが、この制度を円滑に導入するためには、民間事業者の実情等を把握し、民間の事業参入を促すことが必要となります。そのため、地元区市等と連携し、民間事業者の協力も得ながら、具体的な仕組みをつくってまいります。
 その中で、制度の目的、対象、規制の緩和、管理の手法等についての基本方針を定め、平成十八年度からの制度導入が可能となるよう、早期に要綱等を整備してまいります。
 今後とも公民が連携し、東京を緑豊かな首都とするよう努めてまいります。
 

 
質問2
 関東大震災復旧の下町地区に始まる東京の都市計画は、戦前、放射状道路の整備にあわせ、渋谷、新宿、池袋、大塚などの交通ターミナル駅前広場整備が計画され、戦後、戦災復興事業として取り組まれましたが、経済成長とモータリゼーションの波に覆われ、現在見るように、構造的キャパシティーから、自動車交通処理を中心とした、人がわき役のまちの姿となったのであります。
 しかし、限られた財源の中でも積極的に進められる道路整備が、状況を変えつつあります。渋谷、新宿、池袋と、東京の大繁華街を貫く八・九キロの東京メトロ最後の路線建設といわれる地下鉄十三号線の導入空間で建設が進んでいる明治通りのバイパス、環五の一であります。
 この道路は、従来の明治通りをバイパスし、新宿は大木戸を抜け、池袋も駅前通過を避ける迂回路となるのであります。このことは、中高層ビルが連続して建ち、駅前を通過する明治通り自動車交通と雑踏がふくそう化している狭隘なターミナル、池袋駅前広場にとって、千載一遇の、まちづくりを見直す大きな天恵であります。自動車交通が中心の駅前広場を人中心のまちづくりとするために、この路線建設を有効に活用しなければなりません。
 現在、池袋駅前の明治通りを通過する自動車交通は一日約三万七千四百台、建設の進んでいる明治通りのバイパス、雑司が谷地区環五の一の地上部は、東京唯一の都電荒川線が通っており、このままでは地上交通も限られたものとなるのであります。この部分の自動車交通を地下化することにより、合わせて二万五千台の交通を処理することが可能で、従来駅前を通過していた自動車が大幅に迂回することになります。これにより、駅前自動車乗り入れは、場合によっては公共交通に限ることも可能でありましょうし、何よりも駅前は、人の歩みの時間に合わせた安心できるまちへと変貌し、東京の一つのまちづくりの答えをあらわした姿となるのであります。
 新しい東京へのまちづくりの取り組みとして、ぜひとも地下自動車道の建設を進めるべきであると考えますが、お考えをお伺いいたします。
 
答弁2
 ▼建設局長
 環状第五の一号線についての質問にお答えします。
 本路線は、池袋、新宿など副都心の連携強化や、池袋駅東口周辺の渋滞緩和に寄与する重要な幹線道路であります。
 雑司が谷地区は、地下鉄十三号線の導入空間として整備が急がれることから、当面はグリーン大通りから目白通りに接続する二車線道路として、平成十年度から整備を進めております。
 本地区におきましては、将来的に幹線道路としての機能を確保する必要があり、整備中の二車線に加え、明治通りに直結する新たな車線を設置する方法について検討を行ってまいりました。
 現在、東池袋交差点の南側と千登世橋付近の明治通りを結ぶ二車線の地下道路を整備する案を基本に、関係機関との調整を行っております。
 今後、整備計画の具体化に向け、さらに検討を進めてまいります。
 

 
質問3
 超高層建物に与える関東地方の地下構造と長周期動の影響についてお伺いいたしますが、先ほども発言がありましたので、重なる部分は省き、質問をいたします。
 最近の研究によると、関東平野は地震の揺れが増幅される条件を形成しているといわれます。超高層ビルの固有周期と長周期地震動との共振が、東京の林立する超高層ビルを大きく揺らしやすいということになります。この点についての認識をお伺いいたします。
 そして、この多大な影響を与える長周期地震動は、超高層建物にとって大変重い問題であります。これは研究では、マグニチュード六・五以上の地震で発生するといわれております。実際、新潟中越地震では、東京の地上部ではそれほど大きな揺れを感じないにもかかわらず、超高層ビルを揺らし、予想外の影響を与えたことは記憶に新しいところであります。
 実際、長周期動で揺れる多くの超高層建物では、建物内の設備、照明器具などが大きく損傷し、備品は超高層ビルのカーテンウオールの窓に迫り、その被害は人に及ぶこともありましょう。これらの点について、認識と対策についてお伺いいたします。
 
答弁3
 ▼都市整備局長
 超高層ビルにおける長周期地震動の影響と対策についてでございますが、超高層ビルは、構造安全性について国土交通大臣の認定が必要でございまして、一般の建築物を上回る構造上の高い安全基準が適用されております。また、建築設備につきましても、建築基準法により、機器類の固定や配管の支持、振れどめの設置などが義務づけられております。
 新たな課題であります長周期地震動のエレベーターなどへの影響や耐震対策につきましては、現在、土木学会及び建築学会が合同で検討を進めております。この中で、首都圏の地下構造は、堆積層を周辺の山地が取り囲む盆地構造となっておりまして、長周期の地震動特性に影響を与えるとされております。
 都といたしましては、これまでの安全対策に加え、学会の検討結果や国の動向を踏まえながら、適切に対処してまいります。
 
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■貯水槽水道
 
質問1
 水道事業は、平成十六年度より東京の水の安全、水質の向上に積極的に取り組んでまいりましたが、その努力は評価をするものであります。しかし、ブラインドテストでミネラルウオーターと引けをとらない水道の高度浄水処理水、おいしい水も、給水経路の改善を進めなくては、都民にそのよさを知ってもらうことはできません。
 そのための取り組みの一つとして、都民の生活の安心・安全と質の向上を目的とした、貯水槽を経由しない直結給水を進める水道施策があると聞いております。マンションやビルなどの一部で、貯水槽水道の不適切処理から来る水質への不安などの問題への対応であります。
 実際、都として平成十六年度より五年間で、二十二万件もの貯水槽の調査点検と、貯水槽を介さない直結給水の宣伝を続け、この間課題も明らかになったことでありましょう。このクリーンアップ貯水槽作戦の調査実績についてお伺いいたします。
 
答弁1
 ▼水道局長
 クリーンアップ貯水槽の調査実績等についてでございますが、お客様に安全でおいしい水を供給するためには、貯水槽の適切な管理が必要不可欠でございます。このため、平成十六年度から五年間の計画で貯水槽の総点検を開始しており、昨年十二月末までに約三万件を点検いたしました。
 これまでの調査の結果では、適切に管理されていたものが六七%、ふたが施錠されていないなどの不備がありましたが速やかに改善されたものが二七%でございました。
 一方、貯水槽からの漏水など早期に修繕を要するものなどが五%、残留塩素濃度が基準に満たないなど水質上の問題が認められたものが約一%ございました。これらにつきましては、衛生行政と連携し、設置者に対して改善に向けた指導等を行っております。
 

 
質問2
 一日でも早く多くの人においしい水を喜んでもらうために、この計画を前倒しし、調査点検だけではなく、引き続いてフォローが必要と考えます。この点についてもお伺いいたします。
 
答弁2
 ▼水道局長
 点検調査の前倒しとフォローについてでございますが、貯水槽管理の一層の適正化を図るため、点検調査を可能な限り前倒しをして実施してまいります。特に老朽化が進んでいる旧式の地下式貯水槽につきましては、平成十八年度中に点検調査を終了いたします。
 また、調査の結果、管理に不備があった貯水槽につきましては、その後の改善状況を再調査し、指導を徹底するなど、フォローを行ってまいります。
 

 
質問3
 貯水槽を介さない直結給水への切りかえは、設置者にとってメリットとともに費用など不安も大きいはずであります。そこで、貯水槽のまま維持管理した場合と直結給水へ切りかえた場合のコスト比較の周知、そして具体的な工事の見積もりについて、水道工事店など民間工事事業者に協力を求め、切りかえに向けた取り組みを強化すべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
 
答弁3
 ▼水道局長
 直結給水への切りかえ促進の取り組みについてでございますが、直結給水は、安全でおいしい水を貯水槽を介さずにお客様に供給することができるという利点があり、また、貯水槽の管理も不要となります。
 こうした利点や切りかえに要する工事費をお客様に正確に理解をしていただき、直結給水への切りかえを一層促進するため、水道工事店などの民間工事事業者にも協力を求めまして、さまざまな方策を講じてまいります。
 こうした取り組みとともに、貯水槽の適切な管理について徹底した指導を行うことにより、水道への信頼をより確かなものとしてまいります。
 
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■特別区消防団員の担当地域外活動
 
質問1
 直下型大震災の到来の危険が増している中、全庁挙げてその対応への準備、見直しが進められております。そして、その最前線に立つ東京消防庁の三交代で待機する消防隊員一万二千人は、東京に直下型の大震災が発生した場合、原則として、たとえ分断された道路、不通の鉄道であろうとも、これを踏み越え、所属消防署等に駆けつけることになっております。驚くことに、この実効性は阪神大震災で証明され、士気の高さを物語っていることはご承知のとおりであります。
 また、日ごろ訓練に励み、体制を整えている地域に活動する二十三区定数一万六千人の消防団員も同じ原則によっております。しかし、生業を持つ団員は、仕事などで東京じゅうを行動し、震災発生時は、たとえ甚大な被害を受けている被災地にいようとも、消防隊員と同様に所属団に参集することになるのであります。
 この場合、東京消防庁モデルでは、原団に帰ろうという被災地にいる消防団員には、その問い合わせに対する情報提供と、自転車等手段の貸与が現地消防署の役割であります。そして、被害軽微で応援可能地域の消防団は、改めて派遣消防団を編成することになります。
 しかし、実際、甚大な被害の現地の人手は不足し、有効かつ迅速な対応が必要であります。人を救える貴重な時間をいたずらに失わせ、初期消火のチャンスを遠のかせてはいけません。緊急事態の被災地にいる消防団員は、所属団が違おうとも、日ごろ共通の基準で訓練を受け、消火、救済のしっかりした技能と知識を有しているだけに、今ある被災現地で活動が可能であるなら、現地消防団に組み入れ、消火、救助など、可能な限り人員を確保する体制を整えるべきではないか。予備の装備を用意し、受け入れの方法をマニュアル化し、貴重なマンパワーとして協力を仰ぐべきであります。お考えをお伺いいたします。
 以上をもちまして私の一般質問を終わります。
 
答弁1
 ▼消防総監
 特別区消防団員の担当地域外活動についてのお尋ねでありますが、消防団は、みずからの地域はみずからで守るという精神に基づき組織されている公的機関であり、地域の安全を確保するため、災害活動を組織的に行うこととしております。特に震災時は、事前に定められた活動計画に基づき、担当地域において行動することが原則であります。
 しかしながら、消防団員が担当地域を離れている場合に震災が発生したときには、本人の申し出により、最寄りの消防署において消防団本部の支援、災害状況に応じた活動など、協力をいただきたいと考えております。
 
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