平成18年第1回定例会 一般質問

多摩川の清流復活を
地域全体で学童に交通マナーを

遠藤衛(自民党)
■多摩川の清流復活
 
質問1
 最初に、多摩川の清流復活についてお伺いいたします。
 「多摩川に曝す手作さらさらに」と、これは万葉集東歌に歌われたものです。多摩川に手づくりの布、これは生糸で織った布でありますけれども、これを白くするために清流にさらしている風景を歌ったものです。この布を朝廷に納めたことから、私の住んでいる調布という地名がついたとされております。
 清流多摩川は、また古くからは飲料水や農業用水として利用され、その流域には、豊かな土壌に恵まれた農地として、自然環境とともに人々の暮らしがあります。このように、多摩川は私たちの生活に欠かすことのできない大切な役割を果たしてきております。
 江戸時代には、清流多摩川で育ったアユが幕府に献上されたともいわれております。私も若いころ、今から五十年くらい前に、もう少し前になりますか、先輩に連れられて投網を打ち、アユをとった記憶がございます。それから数十年を経て、都市化の波が一気に多摩地区にも押し寄せて、あののどかな田園風景が一変いたしました。自然環境も大きく変化し、川の果たす役割も大きく変わってまいりました。
 私たちは今、多摩川を万葉集に歌われたあのときのような川に戻そう、そして京都の桂川のようにしてみようと、多摩川のアユを夢見て、それを実現させようと活動を始めました。
 夢を、そして多摩川の復活をさせる具体的な手段として、まず初めに、多摩川の水質、水量、川魚の生態を調べました。多摩川に清流を復活させ、多摩川のアユを再び呼び戻し、全長百三十八キロメートルに及ぶ多摩川を千二百万都民の憩いの場に、そして観光資源にと考えているところでございます。
 多摩川は都心からも近く、春には川土手に桜が咲き誇り、夏には川魚料理の屋形船が、秋や冬にはススキが揺れ、シラサギが舞う風景の楽しめる、脚光を浴びる多摩川によみがえらせたいものであります。  現在、多摩川の水質は、かつての多摩川と比べれば、下水道の普及に伴って著しく改善はされてきておりますが、残念ながら清流と呼べる水質にはなっておりません。数年前ですが、同僚の議員のアユを食う会に参加しましたけれども、多摩川でとったアユを焼いて食べましたけれども、においがあって、まだまだ美味にはほど遠い感じがいたしました。
 この多摩川を以前のような清流に復活させることは不可能ではないと考えます。
 国も、水質基準を改善すべく、それなりの努力がうかがえます。平成元年には水質汚濁防止法の改正、平成二年には生活排水対策を制度化するための水質汚濁防止法の改正を、平成八年には汚濁された地下水の浄化措置などを盛り込んだ水質汚濁防止法の改正を、翌平成九年には地下水の水質汚濁にかかわる環境基準の制定がなされ、さらに、平成十一年にはダイオキシン類対策措置法が成立しております。しかし、多摩川を観光資源として復活させるには、自然水循環の確保という面からはまだまだ不十分に思います。
 多摩川が脚光を浴びるには、大いなる改善が必要であります。水は、一般的には森林、農地、宅地などへの降雨によって土壌に保水され、それが地下水になって、栄養豊富な水となって、河川、海に流れ込んで魚介類の生育にも大いに役立ち、良質な水の確保につながるものであります。それぞれの過程で大気中に蒸発し、再び降雨となって地下水になる、これが自然水循環の形成であります。人間の生活の営み、自然の営みに必要な水質の確保と水質浄化は不可欠であり、多様な生態系の維持等さまざまな機能を含んでおります。
 そこで、私たちは、先ほど申し上げましたように、多摩川を京都の桂川のように、また多摩川のアユを復活させようと、夢のまた夢のような思いから、都議会自民党では、会長を比留間都議に、多摩川に親しみ多摩川を活かす議連をつくり、これまで三回の視察を行ってまいりました。その結果、今こそ健全な水循環の確保に向けて施策を展開することが最も重要な課題であると考えております。
 こうした中、都ではこのたび多摩川を中心とした水産業振興プラン(川編)を策定し、豊かな川の復活に向けてさまざまな施策に取り組もうとしており、大いに期待をしているところでございます。  さて、多摩川の水量、水質の確保には、次の二点が考えられます。
 一点目は自然水の確保、二点目は多摩川の水質のさらなる改善であり、そのことが多摩川のアユの復活の方策でもあります。
 一点目の自然水の確保についてですが、多摩川水系における安定した水量を確保していくためには、山に降り注いだ雨が一気に流れてしまうのでなく、土壌に一時的に蓄えられ、時間をかけ一定の水量を保って河川に流出していくということが重要であります。山梨県の小菅村、丹波山村等に及ぶ多摩川上流域の水道水源林におきましては、都として百余年にわたり緑のダムともいわれる森林の保水力を高めるべく、その保護育成に努められております。また、新たに実施する花粉症対策の森林再生事業などにおいても、針葉樹を伐採して広葉樹との混交林化を進めていくということも、山の保水力を高める手段として有効であると考えます。
 さまざまな施策を駆使し、山、そして森林を保全することが、多摩川の安定した水量を確保するために不可欠であり、こうした観点から森林整備を積極的に進めていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 
答弁1
 ▼環境局長
 多摩川の水量確保のための森林整備についてのご質問にお答えします。
 ご指摘のように、森林は雨水を地中に蓄え、ゆっくりと流出させ、川の流量を安定させる働きがあります。しかし、森林が荒廃すると、下草の消失や土壌の流出が進み、保水力が失われてしまいます。
 川の安定した水量を確保するためには、多摩の森林全体の適切な整備や、針葉樹と広葉樹の入り混じった針広混交林化を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、水源涵養など広域的機能を重視する保全型の森林において、具体的な森づくりのあり方を検討してまいります。
 また、治山事業や水道水源林の保護育成、森林再生事業による間伐や枝打ちなどを実施してまいります。
 多摩川の清流復活には、保水力に富む森林の再生が不可欠であり、今後とも関係局とともに森林整備を積極的に進めてまいります。
 

 
質問2
 次に、水質改善についてですが、先ほど申し上げましたように、確かに、下水道の普及により多摩川の水質は改善が図られておりますが、逆に処理水の流入の多いところでは五五%ぐらいある。このことを考えると、さらに水質を向上させることが今後の課題ではないでしょうか。まず、下水の高度処理や合流式下水道の改善などの推進に努めるよう要望しておきます。
 また、アユのにおいへの対策については、脱臭、脱色に大きな効果があるといわれている木炭の活用を図ってみてはいかがでしょうか。アユの主食であるコケもきれいになり、アユの風味も取り戻せることができるのではないでしょうか。西多摩、奥多摩の間伐材を活用すれば一石二鳥と考えますが、ご見解をお伺いいたします。
 
答弁2
 ▼産業労働局長
 アユの香りについての取り組みでございます。
 アユは香魚ともいわれておりますように、豊かな香りがあってこそ価値がございます。しかし、多摩川の中下流域でとれたアユの香りが本来のものと異なるという声も寄せられております。このため、平成十八年度から、アユ本来の香りを取り戻すため、産学公連携により、多摩産材を利用した木炭の活用などによる水質改善の調査研究に取り組んでまいります。
 

 
質問3
 次に、多摩川のアユの復活についてお伺いいたします。
 現在、多い年で約百万匹のアユが調布取水堰まで遡上しているといわれておりますが、堰によっては魚道が十分な役割を果たしていないところがあり、こうした状況を踏まえ、アユが遡上できるような魚道のあり方と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 
答弁3
 ▼教育長
 魚道のあり方と今後の取り組みでございます。
 多摩川水系には、治水や利水などさまざまな目的を持った堰などが構築され、その多くには魚道が設置されております。しかし、一部には土砂の流入などによりまして本来の機能を果たしていない魚道があり、アユの遡上に影響を及ぼしております。
 現在、これらの魚道は複数の異なる管理者によって維持管理されておりますが、今回の水産業振興プラン(川編)の策定を通じまして、管理方法の違いにより、魚道の機能に相違があることが明らかになったところでございます。
 このため、国を初めとする関係機関で構成する連絡会を早急に設置いたしまして、統一的な管理方策を検討するなど、多摩川水系を一体的にとらえた管理体制の整備に努めてまいります。
 

 
質問4
 昔から川は上流から砂利や石を下流に運び、蛇行して瀬やふちを形成し、自然に魚の育成の場となっておりました。
 今日、川の源となる山林の荒廃により、昔より多くの砂利が川に流れ込み、さらに治水や利水の目的でつくった堰堤により砂利や石をせきとめ、反対にその下流は土砂の供給がないため河床が下がる現象を引き起こしております。
 多摩川上流の支流である秋川には多くの堰堤がありますが、砂利がたまり、せっかくの魚道が機能しなくなっているという箇所も見受けられます。魚道の機能確保などの豊かな川を復活させる有効な対処方法についてお伺いします。
 
答弁4
 ▼建設局長
 魚道の機能確保など豊かな川づくりについてでありますが、都はこれまでも秋川や平井川などの河川におきまして、自然環境の保全や魚道の整備など、魚の生育環境にも配慮した川づくりに努めてまいりました。
 お話しのように、堰堤付近の砂利が堆積する箇所では、治水対策としてしゅんせつを行い、また、発生した玉石や砂利につきましては、河床の低くなっている箇所に埋め戻して再利用しております。
 また、魚道においては、適宜、砂利の除去を行っておりますが、今後は他の管理者とも連携し、その機能確保に向けた取り組みを強化するなど、河川の適正な維持管理に努めてまいります。
 

 
質問5
 昨年十一月に多摩川上流を視察した際、秋川が多摩川と合流するあたりで木工沈床を見学いたしました。これは、木で枠を組んで、その中に玉石を入れて河床に並べることによって、洪水の勢いを弱め、堤防や護岸を守る伝統工法の一つと聞きました。
 伝統工法は、コンクリートなど材料がない時代、先人が自然界にある材料を使って苦労して編み出した工法です。平常時では玉石の中を水が流れる際にさざ波が発生し、魚がカワウから身を守ることができる生育空間として、また、安心して産卵等ができるすみかとしてもすばらしい効果があるといわれております。
 多摩地区の自然豊かな河川には、景観上もよく調和するこの工法を、間伐材など地場産の材料を十分活用して積極的に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 
答弁5
 ▼建設局長
 木工沈床などの伝統工法についてでございますが、都では、自然環境に配慮しながら、護岸の補強や河床の安定を図るため、平成十三年度から、秋川など十二カ所で伝統工法を採用し、今年度も平井川で木工沈床を施工しております。
 こうした木工沈床の施工箇所では、魚類などの生育が確認され、良好な生息環境を形成しております。
 今後とも、多摩産材などを活用した伝統工法を河川の特性に応じて採用するなど、周辺の景観や生態系に配慮した川づくりを積極的に進めてまいります。
 

 
質問6
 さらに、自然資源である巨石を川に置くことによって魚の隠れ家ができ、安住の場所となると、秋川の漁業組合の方からお話をお聞きしました。有効な取り組みと考えますが、お尋ねします。
 
答弁6
 ▼産業労働局長
 魚の隠れ場づくりについてでございます。
 多摩川や秋川では土砂の堆積による河床――川底でございますが、その平坦化が進み、魚の隠れ場所が失われた結果、カワウによる被害が深刻化するなど、魚の生息環境が悪化しております。
 都はこれまでも、漁業協同組合による隠れ場づくりなどカワウ対策などを支援しておりましたが、お話しの、大きな石を川に配置することは、瀬やふちの創出や、カワウによる被害対策として有効な取り組みの一つと考えております。
 平成十八年度には、大きな石の配置による治水上の影響を検証する予定でありまして、この結果を踏まえ、速やかに関係機関と調整の上、川魚の良好な生息環境を確保してまいります。  
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■野川における水量確保
 
質問1
 野川の水量確保についてお尋ねいたします。
 私が、平成十六年、野川流域における浸透ますなどの雨水流出抑制施設などによる水量確保について質問した際、野川の沿岸だけでなく、範囲を広げ、庁内及び地元区市などと連絡会を設置し、水循環の回復に向けた取り組みをするとの答弁がありました。
 浸透ますの設置は、水の確保だけでなく、降雨が一気に川に流れ込む量を減らすなど水害防止等大きな役割を果たすものと思います。その後の取り組み状況を聞きましたところ、努力がされておりますが、さらなる努力が必要と思いますが、所見をお伺いします。
 
答弁1
 ▼都市整備局長
 野川における水量確保の取り組みについてのお尋ねですが、総合治水対策の一環として浸透ますや透水性舗装などを設置することは、治水上有益であるとともに、地下水の涵養にも効果が期待できると認識しております。
 野川流域におきましては、都市化の進展などにより、地下水の涵養機能が低下し、河川の平常水量が減少しております。このため、大規模な民間施設や個人住宅に対し、浸透ますなどの普及に努めてまいりました。その結果、平成十六年度における年間の地下浸透量は、十四年度に比べ、約二五%増加したと推計してございます。
 今後とも、庁内及び地元区市との連絡会を活用し、透水性舗装などの雨水地下浸透施設の拡充による地下水の涵養や水量確保の取り組みをより一層深めてまいります。
 
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■多摩川再生と観光資源としての活用
 
質問1
 先日発表された水産業振興プラン(川編)にもあるように、川の恵みをはぐくむ環境をいかにつくるかが今日の最も重要な課題であり、東京を世界に誇る水辺の観光都市にと知事もいわれているように、水がいかに私たちの生活に密着しているか、太陽と適度な湿気と美しい水を好む、万葉集や古今和歌集にも歌われた幻の花ムラサキソウが咲き誇ったこの地、何とか石原知事のもとで、美しい水をたたえる多摩川を、アユが躍り、都民が憩う日本一のすばらしい川に再生していただき、多摩最大の観光資源として生かしていきたいものですが、知事の思いをお聞かせください。
 
答弁1
 ▼知事
 多摩川再生と観光資源としての活用についてでありますが、私も大田区に住んでおりまして、家のすぐそばを多摩川が流れておりますので、非常にいつも親しみを感じ、また関心ございますが、記録によりますと、多摩川は、江戸時代以降、明治、大正のころまでアユの川とも呼ばれていたそうであります。下流の丸子より上流は、氷川、丹波までアユが遡上して、都市近郊の清遊地として、屋形船が浮かび、ウ飼いや投網を楽しみながら、アユ料理に舌鼓を打った人々で活況を呈していると記されております。
 その姿は、その後、都市化の進展による河川環境の大きな変化に伴って影を潜めておりまして、今日ようやく水質の改善によって、往時ほどではありませんが、天然のアユが戻り、遊歩道の整備により、川沿いに憩う人々の姿が見られるまでになりました。
 奥多摩の山々に源を発し東京湾に注ぐ多摩川は、上流域の美しい渓谷や中下流の見事な桜堤など、四季折々の景観にも非常に趣がございます。
 こうした景観に加えて、天然のアユをはぐくむ清流を取り戻すことは、かつてのにぎわいを呼び戻す決め手となり、観光資源としての多摩川の魅力をさらに増すものと確信しております。
 アユの再生だけではなくて、観光ということになれば、あちこちに堰がありますけど、あの堰をもうちょっと改良すれば、上流から下流、海に向かってまでかなり長い距離カヌーで下ったり、ラフトで下ったり、そういうスポーツが楽しめると思うんですけれども、何カ所かかなり厄介な堰がございますので、あれをちょっとつくりかえますと、危険を冒さずにその堰を、ボートを引っ張っておりて、それで次のまたスパンを走るということができるんじゃないかと思います。建設局にちょっと検討させてみます。
 
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■交通ルール・交通マナー
 
質問1
 教育問題についてお伺いします。
 現在、子どもたちの規範意識や道徳心、自律心の低下や、学ぶ意欲の低下、さらに家庭や地域の教育力の低下など、教育をめぐる多くの課題が指摘されております。
 東京都において、平成十六年に策定した東京都教育ビジョンにおいて、目指す人間像として、お互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間像を掲げ、子どもたちの規範意識や公共心を確かなものにすることが取り組みの方向性として示されていることは、我が党としても評価をするところであります。
 ところで、先日、私が車を運転中、ある小学校下校時に、児童がふざけながら、また後ろ向きにスキップをするなど道路いっぱいに歩いている姿に直面し、大変危険な思いをいたしました。一日の勉強から解放された気持ちかもしれませんが、このような児童の通学態度は、学校において社会のルールを守ることがきちんと指導されていない結果のあらわれではないかと思います。
 生涯にわたって交通安全ルールを守るということは、一つには、社会生活を営んでいく上でだれもが身につけていかなければならない大変重要なことであり、小学校に限らず、中学校や高等学校においても重要な課題であると考えます。小学生、中学生、高校生に対する通学時の交通マナーについて、現状をどのように認識し、どのように指導されているか、お伺いいたします。
 
答弁1
 ▼教育長
 児童生徒の交通マナーについてでございます。
 ご指摘のように、児童生徒が下校時に道路をふさぐように横に並んで歩くなどしまして、近隣の住民から学校に苦情が寄せられることは承知してございます。
 各学校におきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、交通安全教室や生活指導等の中で、道路の安全な歩行の仕方や交通法規の正しい理解などについて指導しておりますが、まだまだ十分身についているとはいえません。
 今後は、区市町村教育委員会とも連携しまして、みずからの身を守るだけではなくて、思いやりを持って他の人々にも配慮する態度を育てる交通安全教育を積極的に推進してまいります。
 都民の皆様、議会、議員の皆様も、このような子どもを見つけましたら、ぜひどんどんしかってくださるようお願い申し上げます。
 

 
質問2
 交通ルール遵守については、不慮の事故を防ぐなど学校において指導するのは当然ですが、子どもに対する責任は保護者を初めとする大人にあります。保護者を初め、地域の大人が全体で小学生のルール、交通マナーを教えていく必要があると考えますが、所見をお伺いし、質問を終わります。
 
答弁2
 ▼知事
 ルールを守らない子どもを厳しくしかる社会の取り組みの必要性についてでありますが、自己中心的で社会性を備えない子どもたちが非常に昨今ふえております。これは、とにかく子どもを大人がしからないという困った傾向の一つの所産だと思いますが、もともと子どもには大人からしかられる権利があると、あるキリスト教の伝道者がいっておりました。裏返せば、大人は子どもをしかる義務を負っているわけでありまして、きちんと子どもをしかる大人が極めて減ってまいりました。
 うっかり注意するとナイフで刺されたりするんで、ある年齢以上の子どもは、大人が敬して遠ざかっている傾向もございますが、いずれにしろ、子どもに必要なのは、しかられることによって、耐性、こらえ性を培っていくことだと思います。地域の親や大人が、他人の子どもに目を向け、きちんとしかることも含めて、連携して次代を担う子どもたちの育成に取り組むことが必要であると思います。
 これは、幼いころから、ごく幼いころから親が子どもをしかってしつければ、そういう習慣というのは身について、少し長じても、町中で知らない大人から注意されても、子どもはそれを受け入れる素地が培われると思うんですが、要はやっぱり家庭で、子どもを大人が、親が自分の責任で厳しくしつけるという習慣というものを各家庭に取り戻していくことが肝要だと思っております。
 
 ▼青少年・治安対策本部長
 交通ルール、交通マナーの問題についてでございますが、ご指摘のとおり、地域全体で大人が子どもたちに教えていくことが極めて重要でございます。
 都では、これまで、祖父母・親・子の三世代が一緒に交通安全を考える交通安全ふれあいフェアを実施するなどの取り組みを行ってきたところでございます。
 また、本年五月には、交通安全協会などと連携しまして、保護者等を通じて、小学生に対し、自転車の運転マナー、安全利用を促すキャンペーンを実施することとしております。
 今後とも、保護者を初め地域全体で子どもたちに交通ルール、交通マナーを教えるという機運の醸成に一層努めてまいります。
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