平成18年第1回定例会 一般質問

一日も早く日暮里舎人線開業を
白鬚西地区に病院や公益施設を

崎山知尚(自民党)
■人口減少社会
 
質問1
 昨年秋に、我が国では、政府の予測よりも二年早く人口減少社会に突入したことが発表されました。明治期から今日までの間、戦争の影響を受けた一時期を除いて常に増加し続けた日本の人口が減少するという、ある意味では未知の領域に入ったといっても過言ではありません。都でも、人口減少社会における財政運営のあり方について、報告書が昨年発表されました。
 しかし、人口減少社会とはいっても、これはどうも東京には当てはまらないようで、政府、民間のシンクタンクでも、東京への一極集中は今後もさらに加速し続けるとの予測がなされています。ちなみに、私の荒川区では、この五年間で五・九%、一万一千人もの人口が増加したことからもうなずけます。
 また、先ほど来議論がありました少子化の問題でいえば、東京の合計特殊出生率は一・〇一と全国最低ですが、それでは東京から子どもがいなくなるのかというと、そうでもなさそうです。平成十二年の就学前の児童数は五十七万四千五百人から増加し続け、十七年には五十九万人へと、一万五千人以上もふえています。
 東京への住みかえ現象は、私の考えるところ、生まれる子どもの数は減っても、多様な子育て支援メニューを初め、就業機会が多く、交通の利便性やさまざまな文化に触れることができることなど、東京の持つポテンシャルの高さからだと思います。
 ここで一番心配なのは、東京ひとり勝ち論が喧伝され、不当に財源を地方にばらまこうという動きがあります。私も、東京にだけ一極集中することが必ずしも好ましいとは思いませんが、必要な財源確保のための主張はしていただきたいと思います。
 高齢化社会を迎え、医療、年金問題など社会保障に係る国としての課題、そして、東京では、高度経済成長を経て老朽化したインフラの再整備、また木造密集地域解消のための対策、労働力の問題など、課題は山積していますが、現状を後ろ向きに悲観的にとらえるばかりでは、何の問題解決にもなりません。
 施政方針の中で知事が、オリンピックを契機として成熟都市東京の存在を世界に示すと述べられているとおり、東京の力があれば、こうした問題を解決できないはずはないのであります。そこで、ぜひ将来に期待と夢の持てる都市像を石原知事に語っていただきたいと思います。
 成熟した都市東京のあり方についての知事の所見を伺います。
 
答弁1
 ▼知事
 成熟都市としての東京のあり方についてでありますが、この議会棟から庁舎に渡る渡り廊下に、一番庁舎側に近いところに二つパノラマの写真があります。一つは、たしか一八六〇年代でしたか、イギリス人が愛宕山から撮った当時の江戸のパノラマの写真で、片方は、この庁舎の屋上から撮りました三百六十度の今日の東京でありますが、余りにもその印象の違いに愕然とされます。
 江戸というのは、当時、最も成熟した世界の代表的な首都でありました。明治開化になりまして、近代ホテルをつくってくれということで来日しましたフランク・ロイド・ライトが、帝国ホテルを設計するために、この江戸の景観を見て、自分の考え方が間違っていた、コンクリートはやめて、この風景にふさわしいホテルをつくろうということで、日本じゅうを探して、大谷石のあの帝国ホテルをつくったわけでありますが、これはライトだけじゃなしに、もっと前に日本に難破して収容されたスペインの艦隊の司令官のフェルナンド・ロドリゴという人の本国の報告にも、マドリードにまさるとも劣らない、すばらしい町だというふうに報告がありますが、それに比べますと、いささかこの東京の今日の景観は残念なものがございます。
 私は、やっぱりモノクロームのしっとりした、とにかく落ち着いた印象というものは、成熟の一つの証憑だと思いますが、いささか東京はそれに欠けるものがあります。特にあのけばけばしい、代表的なのは新宿の歌舞伎町でしょうけど、あの極彩色の看板のはんらんというのは本当に目に余るものがありまして、ドゴールの政権下、文化担当相になったアンドレ・マルローが、裁断して、パリのネオンサインの色というものをほとんど二種類に規制してしまいました。その結果、パリの印象はかなり変わりましたが、私はやっぱりこれから少し手を尽くして、この東京をモノクロームのまちに仕立てていくことが、成熟というものの印象を深める大きなよすがになると思っております。
 同時に、東京にはいろんなものが集中、集積して、すばらしい、そういう意味では豊穣な都市でありますけど、ただやっぱり、かつて美濃部さんの時代に、環状線の、要するに工事というものが中断してしまったがゆえに、非常に半身麻痺したような都市になりまして、これだけ集中、集積していろんなものが都内にありながら、ちょっとそれを見物しようとか、鑑賞しようとか、東京の持っているコンビニエンスを享受しようと思っても、行くのに時間がかかり過ぎますね。先ほどの質問に答えましたが、環状線がかかる不整備な大都市というのは、世界に例がないような気がいたします。
 そういう点で、私はやはり、東京の本当の成熟というものを達成するためには、外環というものの整備と、それからもう一つ不可欠な要件として、どこかの政党は反対のようでありますけれども、確かに社会資本のこういった環状線という大事な整備というものは絶対に不可欠だと思っております。それがなくして東京の成熟はあり得ない。そういう点で、オリンピックという一つの指標を目指して、こういうものの整備に努力していきたいと思っております。
 

 
質問2
 歩行者や自転車に配慮した道づくりについて伺います。
 車の問題は、知事がおっしゃるように、外環道路を初めとする幹線道路の早期整備、また、あかずの踏切解消など、自動車の平均速度アップを図ることには全く異を立てるつもりはありません。でも、余りに車優先に走り過ぎたのではないか、車社会に歩行者も自転車もつき合わされ過ぎではないかと疑問を持つ一人です。自動車と歩行者及び自転車とをすみ分けたまちづくりが今後必要ではないでしょうか。
 下町の中心市街地は、再開発によってしか前面歩道の空間確保は得られない状況にあります。私の地元の町屋駅周辺は、自転車に歩行者、その上駅前の放置自転車と、夕方の混雑ぶりは、にぎわいとはとてもいえる状況ではありませんし、自転車で追い抜こうものなら、目を三角にされることもあります。とても傘でかしげる状況にはありません。
 欧米では車の通行を規制するトランジットモールも各地に見られます。それにそっくり倣えと申し上げるつもりはありませんが、それぞれのセクションが横断的に、都道、区道を含めた面的な動線の整備がある程度必要と考えます。具体的な実現に向け、ぜひ研究していただきたいと思います。
 しかし、このような試みも、地域の合意形成など一朝一夕には成らないということも理解しているつもりであります。次善の策として、混雑する尾竹橋通り、町屋駅周辺などのような箇所を快適な空間にするため、無電柱化を進めるべきと考えますが、その取り組みについて伺います。
 
答弁2
 ▼建設局長
 尾竹橋通りの無電柱化についてでありますが、町屋駅周辺は、荒川区の中心に位置する商業地域で、地下鉄千代田線や京成線、都電荒川線の三線が交差する重要な交通の結節点であります。このため、昭和六十年代から、防災性の向上や地域の活性化を目指して、再開発事業によるまちづくりが行われてきました。
 都は、こうした状況を踏まえ、快適な歩行空間の創出やバリアフリー化に向けて、平成十八年度から、町屋駅周辺における尾竹橋通りの無電柱化事業に取り組んでまいります。事業化に当たりましては、関係機関と十分調整し、地元の理解と協力を得て着実に進めてまいります。
 

 
質問3
 墓地対策について伺います。
 これから団塊の世代と呼ばれる皆さんが還暦の時期を迎えます。その皆さんのライフサイクルは、若年期から壮年期にかけてモータリゼーションが進み、耐久消費財の普及率も大幅に上昇しました。そして、農業、自営業中心社会からサラリーマン中心社会へと変化し、それと同時に、地方から都市部への人口移入も顕著な世代であります。常に時代のフロントランナーの役割を担ってきました。
 そして、人生の最後はお墓の問題です。墓制、つまり埋葬に関する考え方については、それぞれ個々人の信仰や風習に基づいたものと理解していますが、何しろ絶対数が足りないのです。
 民俗学者の柳田國男氏によれば、現在の一区画一墓石の歴史は三百年ほどで、それ以前には、祖先の祈念は、文字を刻んだ石の塔ではなく、亡きがらは朽ちゆくものとして自然の懐に返していたと「霊魂と土」のくだりでおっしゃっています。そして、さらにその末文では、人が数多くの位牌を背に負いつつ、いかにその祈念を次の代へと結ぶべきかに苦慮しなければならない時代は到来していると書いています。
 新規の霊園造成については首都圏全体での検討が必要と思いますが、都内においては、限られたキャパシティーで、官民それぞれの役割で需要にこたえなくてはなりません。
 今回、この質問の準備をしていたところ、ちょうどタイミングよく、先月に生活文化局で行った霊園についてのアンケート調査が報道されました。それによると、墓地を持っていない人四一%、このうち約六割の方が今必要としていると答えています。また、都立霊園でも既に導入している合葬式墓地を利用してもよいとする方は約六割もあり、合葬式墓地は認知されつつあります。
 既存の都立霊園を活用した墓地の供給を考える必要がありますが、都が先駆けて取り組んできた合葬式墓地の今後の供給の見通しを伺います。
 
答弁3
 ▼建設局長
 都立霊園における合葬式墓地の供給についてでありますが、合葬式墓地は、増大する墓地需要にこたえるとともに、将来の管理や承継の心配がない新しいタイプの墓地を供給することを目的としております。
 現在、小平霊園と多磨霊園の二カ所に設置しており、これまでの募集数は約六千体であります。小平霊園につきましては既に募集が終了しており、また、多磨霊園も平成十九年度に終了いたします。このため、平成二十年度の募集に向けて、現在、三カ所目となる合葬式墓地の基礎調査を実施しており、平成十八年度には基本設計と実施設計に着手する予定であります。
 

 
質問4
 また、さきのアンケート結果では、都立霊園での散骨用墓地についても六割が容認し、特に五十代では七八%と高くなっています。アンケートの結果だけから今すぐ散骨を行うのは私もいかがなものかとも思いますが、その趣旨を酌み取った都立霊園での新たな埋葬方式の検討が必要と考えますが、見解を伺います。
 
答弁4
 ▼建設局長
 都立霊園における新たな埋葬方式の検討についてでありますが、散骨は、遺骨や遺灰を海、山などにまいて弔う方法であり、その趣旨は、人は最後に自然に返ることにあるといわれております。しかしながら、市街地に立地する都立霊園では、環境への配慮などさまざまな課題があり、散骨を行うことは困難であると考えております。
 今後、都立霊園では、遺骨を直接土にまくのではなく、散骨の趣旨を酌み取り、遺骨が土に返るような新たな埋蔵施設のあり方について、有識者の意見を聞きながら検討してまいります。
 
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■日暮里・舎人線
 
質問1
 日暮里・舎人線について伺います。
 荒川区の日暮里から足立の舎人までを結ぶ延長約十キロの新交通システムですが、当初は平成十一年開業、次に十五年度、そして最終的には十九年度開業を目指して現在建設が進められています。
 計画当初は、地元荒川区の沿線住民からは、何とか地下化してほしいなど、沿道に影響の少ない整備方法を求める声もありましたが、最終的には、都の関係者や荒川区も尽力し、沿線住民のご理解をいただくことができました。
 建設工事が始まって、地元としても、工期や地元に与える負荷を縮減できるようにと進んで警察に出向いたりし、休日の工事にも協力してきました。そして今、支柱や橋げたなども姿をあらわし、インフラ工事も着々と進んでいる様子がうかがえ、いよいよ開業間近と実感できるようになり、地元の関心や期待も高まっています。
 また、日暮里・舎人線の工事とあわせ、日暮里駅周辺の再開発事業も進捗しつつあります。成田空港と都心とを三十六分で結ぶ成田新高速鉄道も、平成二十二年開業に向けて先月着工式を迎えるなど、日暮里駅は、交通の結節点として駅周辺の活性化への期待も膨らんでいます。
 先ほども申し上げましたように、当初はさまざまな意見や否定的な声もありましたが、一日も早い開業が待ち望まれています。今後、駅の設備などインフラ外工事が本格化すると考えますが、その進捗状況と開業に向けての決意を伺います。
 
答弁1
 ▼交通局長
 日暮里・舎人線のインフラ外工事の進捗状況と開業についてでございますが、車両基地や駅舎の整備等のインフラ外工事につきましては東京都地下鉄建設株式会社が施行しておりますが、このうち車両基地については土木工事が既に完了し、現段階では、電気、機械設備工事などを行っており、全体の完成率は約九割となっております。
 また、駅舎の設備工事や車両製作等に着手するとともに、車両が走行する軌道の工事は今月から順次施工するなど、現在のところ、計画に沿って予定どおり進んでいる状況でございます。
 交通局といたしましては、今後とも、東京都地下鉄建設株式会社やインフラ工事を所管している建設局とも密接な連携を図りながら、工程の管理、調整を徹底しまして、平成十九年度開業に向け全力を挙げて取り組んでまいります。
 

 
質問2
 機能するバランスシートの報告後の取り組みについて伺います。
 平成十五年六月に報告があったものです。これは、「ゆりかもめ」、多摩都市モノレール、そして日暮里・舎人線の三つの新交通事業の収支について、それぞれに指摘がされています。平たくいえば、利益追求の民間企業とは区別しなくてはならないが、しかし、コスト意識を持って当たらなくてはならないということを示唆するものと理解しています。
 需要予測を過大に見積もった施設整備や事業費の追加工事など、投資額が当初の計画からかけ離れ、将来の経営を圧迫することにもなりかねません。確実な需要予測は収支を左右する重要なポイントになると考えますが、機能するバランスシートを踏まえ、どのような取り組みがなされてきたのか伺います。
 
答弁2
 ▼交通局長
 機能するバランスシートを踏まえた取り組みについてでございますが、日暮里・舎人線の乗客数の需要予測に当たりましては、当初計画段階では一日当たり約十万人を想定しておりましたが、平成十一年の事業見直しの際には、乗客数の見込みを、一般的な算定基礎に用いられております駅から半径約二キロメートルの範囲を対象としまして、一日当たり約七万人と見込んだところでございます。
 その後、機能するバランスシートにおいて確実な需要予測を行う必要があるとの指摘を踏まえまして再度見直しを行いました結果、半径約一キロメートルの範囲に限定することにより、一日当たり約五万九千人としたものでございます。
 この需要予測に基づきまして乗車料収入を確実に見積もる一方、車両数や車両基地の規模を縮小し事業費を圧縮するなど、経営の安定化が図れるよう取り組んできたところでございます。
 

 
質問3
 沿線のバス路線のあり方について伺います。
 先ほども申し上げたように、橋脚、橋げたを目の当たりにして、地元の皆さんからも開業に向けた話題が出つつあります。特に皆さんの関心は、開業後のバス路線の再編についてであります。
 現在、日暮里から舎人間と北千住から駒込病院間を運行する路線など、多くの都バス路線が日暮里・舎人線と並行、交差しております。鉄道など新線が開業するとバス路線の見直しが行われますが、その結果、地元の利便性が大きく低下することがあってはなりませんし、都バスと新線が競合し合い、アブハチ取らずになってもいけません。利用者の状況等も踏まえた上での再編をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
答弁3
 ▼交通局長
 日暮里・舎人線開業後のバス路線の再編成についてでございますが、日暮里・舎人線の開業に伴い、並行して運行しております既存バス路線につきましては、乗客数の減少により採算面で大きな影響を受けることが予想されるところでございます。
 しかしながら、一方で、都営バスは、高齢者などだれにとっても円滑な移動手段として利用しやすく、また、地域をきめ細かく回る公共交通機関としての役割を果たしていかなければならないと考えております。
 したがいまして、本バス路線の再編に当たりましては、開業時の乗客需要を見据えながら、当該地域の交通網整備の状況を踏まえまして、利用者の利便性に資する方向で十分に検討してまいります。
 

 
質問4
 沿線の歩道整備についてです。
 日暮里・舎人線建設工事に伴って、新交通建設事務所と地元の皆さんで歩道整備車座会議を設けていただきました。平成十四年から五回にわたって、行政、町会、福祉団体の皆さんとそれぞれの立場で意見交換し合い、一定の方向性が見出されたとの感想を持っています。参加メンバーからは、事務所の皆さんには真摯に耳を傾けていただいたと、高い評価を得ています。
 その車座会で話されたことに関連するのですが、もともと比較的道路幅員が広く低層の建物が多い足立区と異なり、荒川区側はビルやマンション等の中高層ビルが建ち並び、新交通システムの建設工事による圧迫感をより大きく感じます。早期の開業を待ち望んでいるいま一つの理由は、歩道整備を含めた工事が速やかに終了し、明るい都会的景観を一日も早く取り戻したいと、沿道の住民の方々が切望しているからであります。
 歩道整備に当たっては、無電柱化や植栽帯の整備、そしてカラー舗装を施すなど、橋げたの圧迫感を感じない空間の創出とともに、バリアフリーにも配慮した整備となるよう、改めてお願いしたいと思います。
 日暮里・舎人線建設に伴う工事規制が終了するのと同時に歩道整備に着手できるよう、万全の体制で準備願いたいと思いますが、決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
 
答弁4
 ▼建設局長
 日暮里・舎人線沿線の歩道整備についてでありますが、日暮里・舎人線につきましては、現在、平成十九年度の開業に向け、インフラ部の工事を精力的に進めております。このため、その導入空間である放射第一一号線の歩道は、多くの区間で暫定的な形態になっております。
 今後、日暮里・舎人線の工事の進捗や沿道の利用状況を見ながら、区間ごとに歩道の整備時期を定め、順次実施してまいります。
 整備に当たりましては、これまでの地元との意見交換を踏まえ、新交通システムの導入空間としてふさわしい道路となるよう、沿道環境やバリアフリーに配慮してまいります。
 引き続き財源の確保を図り、沿線住民や関係機関の理解と協力を得ながら、事業の推進に努めてまいります。
 
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■白鬚西地区再開発事業
 
質問1
 白鬚西地区再開発事業について伺います。
 地元荒川では汐入という地名で呼んでいます。先月十八日に防災拠点完成記念式典が行われました。当日は、川島議長を初め関係議員の皆さん、そして主催者側として横山副知事出席のもと、盛大に挙行されました。
 この事業は、構想から今日まで、実に三十六年をかけて一つのまちのすべてをクリアランスしたことになります。開発前の雑然としたまちから現在のまちへの変わりようを振り返って当時を思い起こすと、隔世の感がいたします。
 都では、本年度をもって、白鬚西地区の事業予算を計上してきた特別会計である市街地開発事業特別会計の財布を閉じることになります。しかし、地元や区としても、都に対して最後の仕上げに大きな期待をしています。
 それは、当該地区内に三C街区三千二百平米と十街区一万二千平米の二つの街区が残されています。最後に残された更地です。とりあえず防災拠点は完成しましたが、残された街区の整備に当たっては、最後まで事業の進捗に責任を持って当たることを求めます。
 
答弁1
 ▼都市整備局長
 白鬚西地区再開発事業における残された街区の整備についてでございますが、これまで進めてまいりました公共施設の整備がおおむね完了することから、特別会計である市街地再開発事業会計は平成十七年度をもって閉鎖し、来年度以降の一般会計への移行を今定例会に提案しているところでございます。
 しかし、再開発事業は公共施設の整備だけでなく、すべての街区における再開発ビルの完成をもって完了することとなります。
 現在、事業区域内には、敷地を売却し再開発ビルの建築を予定している街区が二区画残っております。このため、これらの敷地の売却を進め、再開発ビルの早期完成に努め、事業の収束を図ってまいります。
 

 
質問2
 さて、地域の状況を申し上げますと、平成に入って権利者の入居が随時始まり、道を一本隔てた隣接地に約千三百戸の住宅、そして昨年も六百二十戸の民間分譲マンション等が新たに建設されました。
 そんな中、地域では、保育園や幼稚園の受け入れが難しい状況になり、その影響は周辺へも広がりつつあります。ファミリー世帯の需要は一過性のものとはいえ、公益施設の受け皿については、しっかりとこたえていかなくてはならないものと考えます。
 また、汐入地域には病院がありません。地域の皆さんが今最も望んでいるのは病院であります。残された二つの街区についても売却するという方針は理解していますが、地域内の最後に残された土地です。少なくとも今後半世紀近くは、まちをつくり変えることはできないと思います。
 売却に当たっては、病院の誘致や幼稚園等の公益施設の導入など、地域の声にこたえていくべきと考えますが、見解をお伺いして、私の質問といたします。
 
答弁2
 ▼都市整備局長
 白鬚西地区再開発事業における病院や公益施設の誘致についてでございますが、かねてより地元住民並びに荒川区から強い要望が寄せられていることは承知しております。今後売却を予定しております敷地は二区画残っておりますが、その用途はコミュニティ施設及び住宅として都市計画で定められているところでございます。このため、地元要望に沿った施設の導入を図っていくには、用途などに関する都市計画変更手続や再開発事業の収支への影響について十分な検討が必要でございます。
 今後、こうした課題の整理を行いつつ、関係機関との調整を図り、適切に対応してまいります。
 
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