平成18年第1回定例会 一般質問

借地方式活用で都立公園拡充を
生活停車場として商店街振興を

野島善司(自民党)
■団塊世代対策
 
質問1
 〇七年問題、この年を皮切りに、戦後の第一次ベビーブーム生まれの、いわゆる団塊の世代が定年を迎え、社会の第一線から続々と引退いたします。私もその世代の一人です。
 思い起こせば、高度成長に象徴される右肩上がりの時代に社会に出、家庭を持ってはニューファミリーと呼ばれ、そしてバブル崩壊後はリストラの対象としてねらわれ、今日、ポスト団塊の社会、組織のありように関心が高まっております。
 さらに、この後、年金、介護、医療等の社会保障制度の受益者として、制度の根幹を揺るがす存在にもなりかねません。
 私が後期高齢世代に仲間入りする二〇二五年は、高齢化率のピークと想定され、まさに他人ごとではないのであります。
 日本総合研究所の寺島理事長の言をかりれば、団塊の世代が傘の雪となって次の代にのしかかるのか、社会を支える側に回るのかで、今後の社会は大きく変わるとのことであります。私も傘の雪とならないよう、早目に解けて消えようか、いや、生涯現役、生涯青春の気概、ぎらつかないシルバー世代の輝きを持ってパブリックな生き方をもと思い悩む年齢となりました。
 そこで、団塊の世代に対する評価と今後のありよう、社会は、公共は何を求めるかについて、知事のご所見を伺います。
 
答弁1
 ▼知事
 団塊の世代についてどう思うかということでありますが、高度成長を支えてきた団塊の世代が、ここ数年のうちに定年退職の時期を迎えるということでございますけれども、それにしても、老け込むのはまだまだ早いと私は思います。
 六十五歳以上が高齢者と定義されたのは、平均寿命が七十歳に満たない時代のことでありまして、人生八十年時代となった今、個人的には、この定義はいささか違和感を感じさせられます。
 今や、いわゆる高齢者は、時間的にも財政的にも一番余裕がありまして、最も充実した世代であると思います。団塊の世代の皆さんは、これからの生涯を第二の人生などと小さなことをいわずに、人生そのものの総仕上げの時期と心得て、世のため人のために何をなすべきか、じっくりと考えていただきたいと思います。
 この世代の真の成熟が、日本という国家社会のさらなる成熟につながるものと思っております。
 

 
質問2
 次に、大量退職期以降の都政を支える人材、いわば都庁版二〇〇七年問題について伺います。
 政府の二〇〇五年版ものづくり白書では、団塊世代の大量退職に伴うさまざまな影響が指摘されました。企業においては、業務ノウハウや技能の継承のみならず、企業文化、風土のようなものまで失われてしまうのではないかとの懸念もあり、対応が迫られております。
 こうした課題は、都庁組織でも同様と思われ、事務職に限っても、今後十年間で約四割、七千三百人もの方が退職されると聞いております。
 今日、官から民、公の担い手の多様化の中、小さな政府を目指す行政組織のスリム化は当然です。が、その前提として、ますます複雑高度化する行政運営に対応し得る人材を確実に確保育成していかなければなりません。
 都政を支え、日本を牽引し、全国の公務員のトップランナーとなる気概を持ち、公務社会の中での自己実現の意欲に燃えた人材を一人でも多く輩出していく人事制度が求められるわけであります。
 さきの定例会で、知事は、団塊世代の大量退職などによってマンパワーの大幅な減少が見込まれる中、限られた人材を最大限に生かし、一人一人の力を引き出して都庁の組織力を強化する旨、述べられました。
 また、昨年十一月の行財政改革の新たな指針の中で、新たな都庁マネジメント構築の一環として、人材育成を基軸に据えた人事管理という視点も示されました。
 そこで、現在、人材育成基本方針を検討中と聞いておりますが、これからの都政を支える人材育成の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
 
答弁2
 ▼総務局長
 都政を支える人材の育成についてでございますが、今後ともスリムな執行体制で複雑多様化する政策課題に対応していくためには、お話のように、さらなる人材の精鋭化を進めていく必要がございます。
 このため、これからの人材育成に当たりましては、職員に対して改めて都庁の求める人材像を明確にし、目指すべき到達目標を具体的に示してまいります。
 その上で、例えば人事配置につきましては、職員が挑戦したい職務や組織として経験させたい職務に従事させるなど、これまで以上に職員の意欲と能力を引き出し、強みを育て、持てる力を最大限に発揮できる仕組みが重要と考えております。
 このような考え方に基づき、現在、東京都職員人材育成基本方針の策定を進めております。今後、この基本方針をもとに、人材育成を基軸に据えて、採用、配置管理、昇任選考、さらには人事考課、処遇、研修など、あらゆる人事施策の改革を進めてまいります。
 
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■福祉・保健施策
 
質問1
 介護施策について伺います。
 医療、介護制度とも予防重視型システムへの転換が大きな流れであります。四月から施行される改正介護保険においても、介護予防という考え方が本格的に制度の中に位置づけられました。
 一つは、軽度の要介護者が中重度化するのを防止するための保険給付の内制度としての新予防給付であり、一つは、要介護になる前の高齢者を対象に、要介護状態になることを防止するための保険給付の外制度としての地域支援事業です。
 介護予防については、これまでも区市町村が取り組んできたところでございますが、今後は、地域包括支援センターを設置し、介護予防のための検診体制の整備、対象者へのケアプランの作成、プログラムの提供、効果の検証、評価も求められ、地域に密着したサービス体系を確立していかなければなりません。
 これらの区市町村の取り組みに対し、豊富な研究成果や優秀な人材を擁する東京都老人総合研究所を、区市町村のセンターを支援していく中核として活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 
答弁1
 ▼福祉保健局長
 介護予防についてでございます。
 介護予防事業を効果的に展開するには、事業の実施主体でございます区市町村の取り組みが重要でございます。
 このため、都は、東京都老人総合研究所がこれまで培ってまいりました介護予防の実践的ノウハウを引き続き全面的に活用し、区市町村に対する支援をさらに強化していくこととしております。具体的には、現在行っております人材養成を地域包括支援センターの職員にも拡大するほか、仮称でございますが、介護予防サポートセンターを設置いたしまして、人材やノウハウの不足する地域について、専門スタッフによる重点的な支援を行ってまいります。
 これらの取り組みによりまして、区市町村における介護予防事業の円滑な実施と、都総体としてのレベルアップを図ってまいります。
 

 
質問2
 次に、障害者施策について伺います。
 私は、平成十六年第四回定例会で、障害者福祉の究極の目的は、障害者が納税者になることだとの言葉を用いまして、障害者の就労の重要性を申し上げたところであります。障害者が福祉サービスの提供を受けて、地域で自立して生活する社会はすばらしいが、就労という社会参加はもっとすばらしい、こんな思いからであります。
 さて、障害者自立支援法は、就労支援を大きな命題としております。現在、都内に本社のある民間企業で働く障害者は六万七千人、実数では全国の三分の一以上を占めているものの、率では一・四%と、法定雇用率の一・八%に達してはおりません。また、養護学校卒業時に一般就労した知的障害者は三割弱、多くは授産施設や福祉作業所に就労されていると承知しています。
 支援法の理念に照らし、なお一層企業等での就労、経済的な自立を目指す障害者を支援していく取り組みを、区市町村や関係機関と連携し進めるべきと考えます。ご見解をお聞かせください。
 
答弁2
 ▼福祉保健局長
 障害者の就労支援についてでございます。
 ご指摘のように、障害者が企業等での就労に積極的に挑戦し、経済的な自立を目指すことは、障害者の地域での自立した生活を実現する上で極めて大切でございます。
 このため、都が独自に実施しております区市町村障害者就労支援事業におきましては、ハローワークや企業、養護学校などと連携しながら、職場の開拓や定着支援などに努めているところでございます。
 また、あわせて、地域の関係機関の参加を得まして開催するネットワーク会議等を通じまして、連携の強化と就労機会の拡大を図っているところでもございます。
 今後は、新たに策定いたしました障害者地域生活支援・就労促進三カ年プランにより、この就労支援事業のすべての区市町村での実施を目指すなど、経済的な自立を目指す障害者の就労について積極的に支援してまいります。
 

 
質問3
 教育現場における取り組みについてもお伺いいたします。
 
答弁3
 ▼教育長
 障害者の企業就労に向けた教育面の取り組みについてであります。
 障害のある生徒に対します就労支援は、将来の社会参加、自立を図ります上で極めて重要でございます。
 都教育委員会は、東京都特別支援教育推進計画の第一次実施計画におきまして、知的障害が軽い生徒を対象といたしました養護学校高等部を三校設置していく予定でありまして、その第一校目であります、仮称でございますが、永福学園養護学校を平成十九年度に設置し、生徒全員の一般企業への就職を目指してまいります。
 さらに、来年度より、新たに企業OB等により企業開拓や職場定着支援などを行う就労サポーターを、既存の養護学校高等部を含め導入するなど、養護学校で学ぶ生徒の社会参加と自立に向けた就労支援を充実してまいります。
 
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■国民保護計画
 
質問1
 国民保護計画について伺います。
 去る二月三日、私の地元清瀬市において、消防団等の地域防災機関も参加して、消防庁による化学物質テロを想定した迫真の演習が行われました。私もその演習を拝見し、改めてテロへの対応を考えさせられた次第でございます。
 さて、国民保護法が施行され、同法では、テロや武力攻撃から国民の安全を確保するために、国、地方公共団体がそれぞれの役割を果たし、一体となって対処することとしており、都、区市町村は、それぞれに国民保護計画の作成をすることとなっております。
 現在、都は、既に国民保護計画を立案し、本年度中の作成に向けて国と協議中、区市町村計画については次年度中とされ、総務省からは指針も示されていると承知をいたしております。
 区市町村にとっては初めて作成する計画でもありますので、対処方法や手段等に不明な点も多いと思われます。そこで、都は、区市町村に対し、計画の円滑な作成に向けての指導助言を積極的に行っていくべきと考えますが、ご答弁をお願いいたします。
 
答弁1
 ▼総務局長
 国民保護計画を作成する区市町村への支援についてでございます。
 区市町村は、それぞれの地域特性を踏まえるとともに、東京都の計画との整合性を図りながら、国民保護計画を速やかに作成することが求められております。
 このため、都は、これまで区市町村職員の理解を深めることを目的に、研修会、意見交換会等を実施してまいりました。三月末には、区市町村へ記載すべき事項を定めたモデル計画を提示いたしますが、作成に当たりましては、各地域の実態を踏まえた避難誘導や、安否情報の収集、提供等が課題となります。
 今後は、各区市町村が計画を円滑に作成できるよう、相談窓口の開設や研修会等の充実を図り、積極的に支援をしてまいります。
 
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■多摩振興
 
質問1
 多摩振興について伺います。
 最初に、財政支援についてです。
 昨年十一月、いわゆる三位一体改革について一定の決定がなされ、十八年度の地方財政計画では、地方税などを中心に一般財源総額を確保するとともに、一般歳出を厳しく抑制する方向が示されました。自治体の行財政基盤の強化が、なお一層求められております。
 十八年度の多摩の各自治体の予算、景気回復の波及効果や税制改正による税収増も極めて限定的なものであり、厳しい財政事情に変わりはないようであります。
 また、自治体財政の〇七年問題も深刻です。現役世代の減少に伴う担税力の脆弱化と高齢社会を支える歳出増圧力に直面をするわけであります。特に、住宅都市的な色彩の強い、私の住む東久留米を含む北多摩北部地域に顕著にあらわれてくるものと予測されます。
 こうした中、各自治体とも、職員数の削減、給与制度の改革、例えば清瀬市では、特殊勤務手当の全廃等、経常費の圧縮に努め、新規投資財源の捻出に努めております。
 私は、十六年第一回定例会においても、各市の財政力の差異、改革への取り組みの実例を挙げ、市町村の自助努力を前提とする不断の行財政改革を支援する財政支援であってほしいと申し上げました。
 そこで、今日までの調整・振興交付金制度の評価を踏まえ、新たに創設される市町村総合交付金制度が特に目指すものについて伺います。
 
答弁1
 ▼総務局長
 市町村総合交付金についてでございますが、市町村の厳しい財政状況を踏まえ、都はこれまでも振興交付金、調整交付金等により各団体の財政力に応じた支援を行い、市町村の行政水準の向上に努めてまいりました。
 このたび創設いたします市町村総合交付金では、それに加えて、市町村の行財政改革に関する努力を算定に反映させるとともに、創意工夫に基づくまちづくりへの支援をこれまで以上に強化することといたしました。
 今後とも、ご指摘のように、各団体の自助努力を前提として、行財政運営の自主性、自立性の向上に資するという観点から、きめ細やかな支援に努めてまいります。
 

 
質問2
 次に、都市基盤整備について伺います。
 その一つは、多摩の丘陵に広がる緑の保全についてでございます。
 失われ行く自然環境を守るためには、従来の用地買収方式による都立公園整備に加え、平成十六年の都市公園法改正により、借地方式による公園整備の可能性が広がったと聞いております。
 借地の場合、返還あるいは相続時の課税、その際の事業化への柔軟な対応等の可能性のいろんな課題もございますが、具体的な取り組みがございましたら、お伺いをするところであります。
 
答弁2
 ▼建設局長
 借地による都立公園の整備についてでありますが、平成十六年の都市公園法の改正により借地に関する取り扱いが緩和され、借地公園の事業化が容易になりました。
 こうした状況を踏まえ、多摩の丘陵地などにおきまして、従来の買収方式に加え、借地公園の手法により都立公園を早期に整備することは、豊かな自然環境の保全と活用を促し、都民の期待にこたえるものであると考えております。
 都は、平成十八年度に地権者の理解と協力を得て、丘陵地の公園を中心に、長沼公園など六公園で約八ヘクタールの土地を無償で借り受け、公園整備を行ってまいります。
 今後、この借地方式も積極的に活用しながら、東京の緑を育て、都民に親しまれる都立公園の拡充に努めてまいります。



質問3
 その二つは、道路、鉄道整備についてであります。
 多摩は一つ、多摩都民のモビリティーを高める道路整備の重要性は申し上げるまでもなく、多摩地域における都市計画道路の整備に大きな期待を寄せているところであります。
 ところで、平成十六年度に事業延伸され、二十年度完成を目指して、みちづくり・まちづくりパートナー事業が執行されております。この事業も道路ネットワークに大変重要です。その進捗状況と完成の見通しを伺います。  また、事業採択時とは、周辺事情も変わってきました。整備水準については、環境、景観への配慮や周辺地域の関連整備への好影響にも配慮をいただくことを要望しておきます。
 
答弁3
 ▼建設局長
 みちづくり・まちづくりパートナー事業についてでありますが、本事業は、駅周辺のまちづくりや公共施設への連絡など、地域にとって重要な役割を果たす都道について、都と市、町が協力して整備するものであります。
 平成十一年度から、多摩の十二の市や町が十六路線で事業を実施しており、今年度末までには六路線が完成し、残る路線につきましては、用地の取得率が七割となる見込みであります。
 既に完成した路線につきましては、交差点改良や歩道の拡幅などにより、交通混雑の緩和、歩行者の安全性と利便性の向上に大きく寄与しております。
 今後とも、関係市と一層の連携を図り、平成二十年度までの完成を目指してまいります。



質問4
 大江戸線は光が丘までです。平成十二年一月の運輸政策審議会答申第十八号では、光が丘から大泉学園町間は平成二十七年までに整備着手することが適当な路線、その先、武蔵野線方面への延伸が、今後整備について検討すべき路線として位置づけられております。この方面は都県境であり、整備のおくれがちな地域であります。
 清瀬市、埼玉県新座市を初め関係市区は、都県の行政域を超えて都市高速鉄道十二号線延伸促進協議会を結成し、平成九年以来、都への要請行動を継続しております。大江戸線の大泉学園町以西の延伸について所見をお伺いいたします。

答弁4
 ▼都市整備局長
 都営大江戸線の大泉学園町以西への延伸についてのお尋ねでございます。
 本路線は、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号におきまして、光が丘から大泉学園町間が平成二十七年までに整備着手することが適当である路線、大泉学園町から武蔵野線方面への延伸が今後整備について検討すべき路線にそれぞれ位置づけられております。
 大泉学園町以西への延伸につきましては、光が丘から大泉学園町間の整備が前提となりますが、事業費や需要の確保など、さまざまな課題があることから、練馬区や清瀬市など沿線四区市が調査研究を実施しているところでございます。
 都といたしましては、こうした地元区市の取り組みに対し、技術的な支援を積極的に行ってまいります。



質問5
 その三つは、商店街の振興についてであります。
 多摩地域には、高度に商業集積した吉祥寺、立川、八王子等、ターミナル的なところ以外、商店街は地域の消費生活の停車場でございます。厳しい事業環境の中、新・元気出せ商店街事業などを活用し、商店街のにぎわいはまちの元気との思いで、さまざまにその振興に取り組んでおります。
 さて、商店街振興施策として、十八年度は、各局の施策と商店街の活動を結びつける新規事業に取り組まれると聞いております。例えば、治安対策、高齢者の生活支援、環境負荷の低減などなど、私たちの生活の中でしっかり取り組んでいかなければならない東京の課題を、生活の停車場である商店街に具体的に発信、整備していくことは、行政と生活者としての都民が出会い、地域の力を結集する停車場として、大きな役割を果たすものだと期待をいたします。
 都は来年度、こうした新規事業も含む商店街施策をどのように展開されるのか、基本的な方針を伺います。

答弁5
 ▼産業労働局長
 来年度の商店街振興施策についてでございます。
 今日、商店街はコミュニティの核として、また、地域における行政のパートナーとして重要な役割を果たしております。このため、都は、来年度も引き続き商店街の自主的で意欲的な取り組みを幅広く支援するほか、浅草伝法院通りの江戸まちづくり景観整備事業などの地域連携型モデル商店街事業の規模を拡大いたします。
 また、防犯、防災など都の緊急かつ重要な行政施策に協力して行われる商店街の取り組みを、各局とも連携し、重点的に支援していくため、新たに特定施策推進型商店街事業を開始いたします。
 さらに、商店街の会員がつくる株式会社やNPO法人による商店街活性化事業等を支援する基金を創設するなど、商店街振興施策の一層の充実を図ってまいります。

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■食育
 
質問1
 食育について伺います。
 私は、厨房に入ることを趣味としております。食材に思いをはせ、いささかの創造性を発揮し、調理し、家族と楽しむ。うまいまずいは別といたしまして、結構会話は弾みます。ただし、妻からは、後片づけも料理のうちよとしかられております。
 衣食足りて礼節を知るとの格言があります。豊かな食生活が楽しめ、飽食の時代ともいわれる今日ですが、反面、核家族化、単身、共稼ぎ世帯の増加や子どもの塾通いなど、ライフスタイルの変化に伴い、朝食の欠食や孤食、バランスを欠いた食生活など、命を長らえ、心を満たし豊かにする食の機能が低下しております。
 さきに成立した食育基本法に基づき、内閣府の検討会は、国民の食生活の改善と健康増進を目指し、来年度からの五年間を対象にして、国や自治体を中心に啓発活動など改善に向けた取り組みを進めるとしております。
 食は、生産、流通、消費にわたり、家庭、学校等舞台もさまざまであり、都においても各局連携が重要であります。
 そこで、食育に関する基本的取り組みについて、また家庭の食の大切さを踏まえどのように支援していくのか伺います。

答弁1
 ▼産業労働局長

 家庭における食の大切さを踏まえた食育に関する基本的な取り組みについてでございます。
 子どもが健全な食習慣を身につける食育の場としては家庭が最も重要で、基本的な役割を果たすと考えております。しかし、ここ数年、児童の孤食や欠食が増加するなど、家庭での食育の機能の低下が懸念されております。
 このため、都は、学校や地域を通じまして、家庭での食育を支え、推進することを目指し、各局の連携のもと、食に関する情報の発信、人材の育成、生産者との交流と体験の場づくりを柱とする食育推進計画を策定しております。
 この中で、子どもたちが食の大切さや感謝の心を学べるよう、農業や漁業の体験の場を広げてまいります。また、家庭での食育機能が高められるよう、地域との連携の上、さまざまな活動を支援していきたいと考えております。



質問2
 東京の農業生産物は軟弱野菜や根菜類で、約七十五万人の胃袋を満たすといわれております。食材の情報提供や地産地消等の流通において卸売市場の果たす役割についてもお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

答弁2
 ▼中央卸売市場長
 卸売市場における食育の取り組みについてでありますが、卸売市場では、これまでも市場取引や食材に関する情報提供、また、市場まつりなどを通じて、消費者に対して食に関する普及啓発に努めてまいりました。
 今後、健全な食生活の実現に向けた食育を一層推進する観点から、ご指摘の地産地消が可能となる流通の仕組みづくりや、生産流通現場を体験することによる食に関する理解の向上、しゅんの食材の消費拡大につながる料理方法や食べ方の知識の伝達など、市場ならではの取り組みを行ってまいります。

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