高橋信博(自民党) |
■病院事業 |
▼高橋委員 まず、病院会計における平成十七年度決算の収支状況について伺います。 病院経営本部は、三百六十五日二十四時間の安心と患者中心の医療を目指して、都立病院改革として都立病院の再編整備や患者サービスの充実に一貫して取り組んでおります。こうした取り組みを着実に進め、都立病院の基本的な役割である救急医療、感染症医療、周産期医療などの行政的医療を適正に都民に提供していくためには、自立した経営体として確固たる経営基盤を確立することが必要であります。 公営企業としての病院会計の決算というのは、民間企業では予算より決算が重要視されるように、一つの経営体である病院事業の経営状況を判断する上で大変重要な指標であると思います。 こうした視点から平成十七年度の決算を見ますと、通常の病院運営における収支をあらわす経常収支が約二十三億円の赤字となっております。この経常収支に特別損益を加えた全体収支でも約二十億円の赤字となっております。これを前年度決算と比較してみますと、経常収支は三十一億円の赤字から二十三億円の赤字へと八億円改善しているにもかかわらず、全体収支は二億円の黒字から二十億円の赤字へと二十二億円悪化しております。 そこでお伺いいたしますが、前年度決算に比べ経常収支が改善しているにもかかわらず全体収支が悪化した原因についてどのように分析しているのでしょうか。 ▼病院経営本部長 病院運営に当たりましては、不断の経営改善に努めてきた結果、経常収支については着実に改善してきているものの、全体収支については、土地売却などによる特別損益の影響を受けるため、平成十七年度決算では土地売却益が前年度に比べ約三十億円減少したことなどによりまして悪化したものでございます。
▼高橋委員 自己収支比率は確実に向上してきています。自己収支比率について、少し過去からの経緯について調べてみますと、十六年前になる平成二年に報告された、あすの都立病院を考える懇談会中間のまとめで、自己収支比率の向上と目標管理による経営基盤の整備として、総合病院で七五%程度まで引き上げるべきことが提言されました。当時の衛生局病院事業部では、この提言を踏まえて、平成五年に策定した都立病産院運営基本指針で、平成九年度まで都立病院全体で六五・六%、総合病院で七一・五%を達成するという具体的な数値目標を設定しました。ここから都立病院にとって自己収支比率との闘いが始まったわけです。 その結果、答弁にもありましたとおり、平成十七年度決算においては、都立病院全体で七三・〇%、総合病院で七五・四%の自己収支比率となり、しかも、この数年間、安定してこれらの経営目標を大きく上回っています。一口に十五年間で一二・一ポイントの改善といいますが、現実には非常に大きな数字であり、これを金額に置きかえますと、平成十七年度決算ベースで約百七十億円の収支改善となります。この数値は並大抵の努力では達成できないもので、大いに評価したいと思います。 そこで、このように大幅に自己収支比率が改善された要因をどのように考えているのか、伺います。 ▼病院経営本部長 自己収支比率につきましては、都立病院の経営状況に対する危機感を共有し、具体的目標を定め、その達成に向けて職員一丸となってこれまで連綿と経営努力を積み重ねてきた成果が改善に結びついてきたと考えております。 具体的には、医療連携を推進したことにより地域の医療機関と都立病院との役割分担が定着し、都立病院において高水準で専門性の高い医療を必要とする急性期の初診患者が増加したこと、その結果、都立病院としての高度な医療機能を十分に発揮し、診療単価の増加などに着実につながったことが、自己収支比率改善の大きな要因の一つだと考えております。
▼高橋委員 自己収支比率が向上してきたのは、地域の医療機関との役割分担が定着してきたことにより、急性期の初診患者が増加し、都立病院本来の機能を十分発揮できるようになった結果であることも大きな要因であろうと考えられます。都立病院でのこうした医療連携の推進、役割分担の明確化への取り組みは、限られた医療資源を有効に活用し、都民に対し適切な医療を提供するだけでなく、経営改善にもつながるものであり、引き続き一層の推進をお願いしたい。 ところで、これだけ努力を重ね、自己収支比率が向上しても、なお単年度の経常収支が均衡しないというのは、一般的に考えてなかなか理解がしにくいところであります。これには何らかの病院運営における赤字構造があるのか、または何らかの要因があるのかわかりませんが、その理由についてどう考えているのか伺います。 ▼病院経営本部長 一つには、病院収入の根幹をなす診療報酬は全国一律に定められておりまして、しかも近年では医療費抑制の観点からマイナス改定が続いていること、一方、都立病院は、現行の診療報酬制度におきましては不採算な行政的医療を提供していく役割を担っており、こうした不採算性の高い医療等に対して一般会計から繰入金を受け入れております。この繰入基準は、それぞれの医療課題などに応じまして一定のルールが定められており、厳格な運用がなされてきております。 これらのことが、経営努力による収支改善を積み重ねてもなお経常収支が均衡しない主な要因と考えております。
▼高橋委員 病院経営は、経営努力のみでは解決できない診療報酬のマイナス改定などの影響を受けます。経営努力を行ってもなお不採算とならざるを得ない部分については、一般会計から応分の負担を求めていくことも必要であります。我が党は、昨年度の決算においても、一般会計繰入対象経費の算定方式の精緻化を進め、負担金と補助金の負担区分の明確化を図ることや、一般会計から適切な財源を繰り入れることで欠損金の解消を図り、健全な経営に努めるよう意見を付してまいりました。 そこで、今後、単年度収支の均衡や累積欠損金の解消に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。 ▼病院経営本部長 単年度収支の均衡や累積欠損金の解消につきましては、これまでの経営努力に加えまして、病院建設、運営におけるPFI事業や、省エネルギーのためのESCO事業など、新たな事業手法も活用しながら引き続き経営改善を進めてまいります。 また、お話しの一般会計繰入金につきましては、算定方式の精緻化や負担区分の明確化を図り、ルールに基づいた適切な財源確保に努めてまいります。
▼高橋委員 今までの質疑を通じまして、病院経営本部はこれまで経営の効率化に向けて不断の経営努力を行ってきたこと、また、今後もESCO事業の導入やPFI手法の活用など新たな事業手法を取り入れることなどで一層の経営の効率化を進めていこうとしていることが確認できました。 また、病院運営にはみずからの経営努力だけでは解決することが困難な抜きがたい赤字構造があることも理解できます。平成十八年度の診療報酬改定も平均三・一六%のマイナス改定となり、過去三回連続してのマイナス改定が続くなど、病院経営を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。 都立病院は、こうした厳しい経営環境のもとでも継続して質の高い医療サービスを都民に提供していかなければなりません。そのためには、みずからの一層の経営努力と、行政的医療への適切な繰入金の確保の両面から、バランスのとれた確固たる経営基盤の確立に向けて引き続き努力していく必要があります。 そこで、最後に、自律的な病院経営の確立に向けた病院経営本部長の決意をお伺いいたしまして、質問を終わります。 ▼病院経営本部長 お話しのように、過去三回連続しての診療報酬のマイナス改定や、小児科や産科に代表される医師不足など、病院を取り巻く経営環境は極めて厳しい状況にございます。こうした医療環境のもとでも行政的医療を都民に適正に提供していくという都立病院の基本的役割を確実に果たしていかなければならないと考えております。そのためには、これまで同様、不断の経営努力を行うとともに、一般会計から適切なルールに基づき財源を繰り入れるなどにより、経営基盤をより安定したものとしていく必要がございます。 今後とも、安全・安心を支える質の高い患者中心の医療を実現いたしますとともに、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に提供し、都民に対する総体としての医療サービスの向上を図ることによりまして、都立病院に寄せられる都民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
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■水道事業 |
▼高橋委員 次に、水道事業について伺います。 近年、浄水器の普及率やミネラルウオーターの売り上げが急速に伸びております。これは、都民の安全でおいしい水に対する関心やニーズが高いことのあらわれであるといえます。水道局では、こうした安全でおいしい水を求める都民の声にこたえるため、利根川水系の全浄水場に高度浄水施設を導入する取り組みを進めているところでございます。 最近では、ペットボトルを学校に持参する子どもが少なくないと聞いています。身近にある水道の蛇口から直接手軽に安全でおいしい水を飲めることが都民にとって一番いいことだと私は考えております。そういった意味でも、高度浄水施設の整備は的を射た施策であると考えます。 一方で、高度浄水施設の整備には膨大な事業費がかかります。さきの分科会でも、平成十七年度決算における事業費は約六十一億円であり、これまでに約一千九百億円の事業費を投じてきたという答弁がありました。施設の整備に投じた事業費に対する効果が都民に還元されているかどうかをしっかり検証するとともに、都民の理解を得て事業を進めるべきだと考えます。 こうした中、水道局では、事業評価制度を導入し、大規模施設の整備に当たっては、事前に事業の有効性等を総合的に評価していると聞いています。局のホームページを見ますと、金町、東村山、三郷浄水場などへの高度浄水施設の事業評価が掲載されています。 そこで、大規模事業に対する事業評価制度とはどのようなものか、まず伺います。 ▼水道局長 水道局では、平成十三年度から大規模事業に対する事業評価制度を導入しております。事業の評価を行う事業といたしましては、高度浄水施設の建設のような施設の新設工事で高水準な施設整備や施設能力の増強を目的とする事業、及び初期ダクタイル管の取りかえのような施設の更新事業で整備期間が長期にわたる事業を対象としております。 また、学識経験者から成る事業評価委員会により、事業評価の内容の適否、改善点等について意見や助言をいただいております。 今年度は、三郷浄水場高度浄水施設の第二期整備について事業評価を実施し、施設の整備による効果を定性的、定量的に分析し、当該事業の必要性、有効性、採算性等について評価を行ったところでございます。
▼高橋委員 高度浄水施設の整備に当たりましては、しっかりとした分析を行い、いろいろな角度から検討を加えた上で事業を実施していることがよくわかりました。高度浄水施設の整備のような大規模事業では、こうした評価を行った上で実施することが必要だと考えます。 また、このような大規模事業は、都民の理解を得て実施することが重要であります。そのためには、都民に対して正確な情報を伝え、理解してもらわなければなりません。地元の人たちに聞いてみたところ、事業評価を実施していることについて余り知られていないようです。このことについてPRが不足しているように感じます。 そこで、事業評価の結果はどのような手段で都民に示しているのか、これまでの具体的な取り組みと今後の取り組みについて伺います。 ▼水道局長 大規模事業の実施につきまして都民の理解を得るためには、事業評価の十分なPRも重要であると認識をしております。このため、事業評価委員会を公開により実施しておりますほか、事業評価の内容につきましては、報道機関への発表を行うとともに、局のホームページに掲載しております。 今後は、こうした取り組みに加えまして、全戸配布しております「水道ニュース」の活用を初め、あらゆる機会をとらえて事業評価に関するPRの拡大に努めてまいります。
▼高橋委員 これからも、大規模事業の実施については、こうした情報公開等により都民の理解を得ながら事業を進めてもらいたいと思います。 ところで、水道水質の向上は大変結構なことでありますが、一方で、一般家庭では飲み水や炊事に使う水は使用量全体の二割程度しかなく、全量を高度浄水するのはむだである、飲料水ほどの水質レベルを要求されない用途については雨水などを活用すればこれ以上の高度浄水施設の整備は必要ないのではという意見も一部にはありました。こういった意見を水道局としてどのように考えているのか伺います。 ▼水道局長 飲み水以外の用途への雨水等の活用についてでございますが、雨水や再生水を活用した都の循環利用などの水量は一日の使用水量全体に対して二%程度でございまして、循環利用を拡大するためには新たな設備投資が必要なことを考慮いたしますと、今後も急速な拡大は見込めない状況にございます。 また、高度浄水処理水と通常処理水の水道水を別々に給水する方法もございますが、配水管の布設等に膨大な経費がかかるシステムでございまして、現実的ではございません。 さらに、高度浄水処理の導入割合が目標のおおむね六割となった現状におきましても、アンケートの結果などを見ますと、ほとんどのお客様が高度浄水処理の導入促進に期待を寄せておられます。 こうしたことから、お客様の期待にこたえ、より一層安全でおいしい水を供給するため、引き続き高度浄水施設の整備を推進していくことが必要であると考えております。
▼高橋委員 循環利用は、水という貴重な資源の有効利用の観点からはよいことと思いますが、非常に経費がかかることから、なかなか進まないという現状があることも理解できました。今の答弁では、高度浄水処理が経済的に有利ということであります。安全でおいしい水を早期に効率的に供給するという観点からも、高度浄水施設の整備というのは有効な手段だと考えます。 我が国のように水道の蛇口をひねれば当たり前のように安全な水が出てくる国というのは、ごくごくわずかと聞いています。知事がいうように、ミネラルウオーターにもまさるとも劣らない高度浄水処理した水が蛇口から直接出れば、お年寄りから子どもまでいつでもだれでも、しかも手軽に安心して水を飲むことができます。さきの分科会質疑の中で私からも要望したところですが、安全でおいしい水の供給は都民が強く望んでいるところであり、ぜひとも着実な整備をお願いするものです。 そこで、再度、安全でおいしい水の供給についての認識、決意を伺います。 ▼水道局長 安全でおいしい水の安定的な供給は、都民生活と都市活動を支える水道事業者の基本的な使命であると認識をしております。お客様へのアンケートなどを見ましても、近年、安全でおいしい水に対するニーズは高くなっております。 こうしたことから、安全でおいしい水プロジェクトを立ち上げ、高度浄水処理の導入促進を初めといたしまして、水源から蛇口に至る総合的な施策を積極的に推進しております。蛇口からいつでも安全でおいしい水を飲めるということは、世界に誇れる水道の文化でありまして、今後ともお客様の期待にこたえるため、局一丸となって、より安全でおいしい水の供給に取り組んでまいります。
▼高橋委員 局長の決意を伺い、安心をいたしました。今後、東京オリンピックなどに訪れる世界各国の方々からも、東京の水はうまいと評価されることを期待しております。
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■下水道事業 |
▼高橋委員 最後に、下水道事業について伺います。 ことしは幸いにしてこれまで目立った集中豪雨もなく、浸水被害が少なかったわけですが、近年、集中豪雨が頻発しており、昨年九月四日には記録的な集中豪雨に見舞われ、都内では中野区、杉並区を中心に五千棟を超える床上床下浸水被害が発生し、都民生活に大きな影響をもたらしました。 都民の安全な生活や産業活動など都市機能を支えるためにも、浸水被害の軽減に大きな役割を果たす下水道は極めて重要な社会資本であります。そのため、下水道局では、これまで一時間五〇ミリの降雨に対応するため、幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を進めるとともに、雨水整備クイックプランを推進するなど、浸水被害の軽減に取り組んでまいりました。 そこで、まず、雨水対策の根幹をなす幹線やポンプ所などの基幹施設の整備状況について伺います。 ▼下水道局長 都市化の進展に伴いまして、雨水流出量の増大により、下水道が整備された地域でも浸水被害が発生するようになってきております。このため、下水道局では、雨水対策事業の基本となります幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を着実に推進し、浸水被害の軽減に努めております。 平成十七年度におきましては、品川区の浸水対策を主目的といたします東品川ポンプ所や、江東区におきましては、豪雨時に二万五千立方メートルの雨水を貯留できます南砂雨水調整池などを新たに完成させております。 この結果といたしまして、平成十七年度末では、幹線は計画延長二百五キロメートルのうち百三十キロメートル、ポンプ所は計画三十六カ所のうち三十カ所、雨水調整池は計画十三カ所のうち十カ所を完成しております。
▼高橋委員 平成十七年度に東品川ポンプ所や南砂雨水調整池が完成したとのことでありますが、これらの規模の大きい施設は、完成すれば確実に効果が得られるものであり、今後も精力的に推進していただきたいと思います。しかし、これらの整備には長い年月と多大な費用が必要であります。このため、下水道局では、近年多発する浸水被害に対しまして、基幹施設の整備に加えて、早期に効果を上げるための雨水整備クイックプランを策定し、浸水対策に取り組んでいるところです。 しかし、平成十六年の台風により、クイックプラン対象となっていない地域で多くの浸水被害が発生したため、平成十七年第一回定例会の代表質問で、我が党の比留間議員がクイックプランの地区の追加を要望し、重点地区五地区などが追加された経緯があります。 そこで、重点地区などのクイックプランの進捗状況について伺います。 ▼下水道局長 繰り返し浸水被害が生じております地域に即効性のある事業、クイックプランを実施しておりますが、この中で比較的広い範囲を対象に貯留管の整備などを行います重点地区は、平成十七年度末で、全四十二カ所のうち、北区岸町地区など二十一地区が完成しております。 雨水ますの増設や小規模なバイパス管の整備などを行います小規模対応箇所は、全百四十八カ所のうち百三十五カ所が完成しております。 また、今年度末には、これらに加えて、新たに品川区戸越・西品川地区など重点地区八カ所、小規模対応箇所十一カ所が完成する予定でございます。
▼高橋委員 基幹施設の整備は着実に推進しなければなりませんが、あわせて、都民が整備効果を実感できるようなクイックプランも確実に完了していただきたいと思います。 今のお話によりますと、重点地区では比較的広範囲に貯留管の整備などを行っているとのことですが、このような事業が完成したことにより、どのような事業効果があったか伺います。 ▼下水道局長 集中豪雨の降り方というのは非常に多様でございますので、なかなか説明が難しいところでございますが、ただいまのご質問の中で、クイックプランの事業の対策が完了いたしましたところで、例えば過去に浸水被害が繰り返し発生しておりました目黒区上目黒・五本木地区、あるいは世田谷区下馬・三軒茶屋地区などでは、事業完了後は床上床下浸水が発生していないなど、浸水被害軽減の事業効果があったものと考えております。
▼高橋委員 雨の降り方は必ずしも一様ではないので評価が難しい面もあるかと思いますが、かなり浸水被害を軽減する効果があると期待できると考えております。今後も、クイックプランの推進をぜひともお願いしたいと思いますが、先ほどの答弁では、重点地区の半分がまだ工事中ということであります。計画期間が平成二十年までということを考えますと、一層の事業促進を図る必要があると考えますが、工事を進めていく上では、騒音、振動など工事に対する周辺住民の理解を得ることや、道路交通への支障とならないようにすることなどの課題も多いかと思います。 そこで、どのようにして周辺住民の理解を得て整備を進めているのか伺います。 ▼下水道局長 市街地での施行となりますので、工事中は騒音、振動の発生、あるいは道路交通を阻害するということもございまして、お客様の理解と協力が必要となります。このため、工事に伴う騒音、振動をできるだけ防止するなど、周辺環境に十分配慮するとともに、工事着手前のできるだけ早い段階での説明や、工事が始まりましても、その中できめ細かな情報提供などを行いまして、お客様の理解を得て整備を推進しております。また、工期を短縮するため、新技術を導入するなどの手段も講じております。 今後も、工事に当たりましては、お客様の理解と協力が得られますよう、できる限りの対策に努め、整備の促進を図ってまいります。
▼高橋委員 近年頻発する集中豪雨に対応するためには、下水道の施設整備を進めるだけでは限界があります。住民に情報を提供し、土のうや止水板を設置してもらうなど、住民みずからの浸水への備えを行ってもらうことも大変重要であると考えます。 そこで、住民の協力を得るため、どのような取り組みを行い、浸水被害を軽減していくのか伺います。 ▼下水道局長 下水道局では、管渠の整備などの対策に加えまして、お客様みずから浸水への備えを行っていただけますよう、リスクコミュニケーションの充実を図っております。 この取り組みといたしましては、東京アメッシュによる降雨情報をリアルタイムで下水道局のホームページに掲載したり、携帯電話へ配信いたしております。また、浸水の危険性を事前に周知するために、浸水予想区域図を作成、公表したり、幹線内水位情報を光ファイバーケーブルを活用して地元区へ提供することにより、住民の水防活動に役立てていただいております。 今後とも、雨水整備クイックプランや基幹施設の整備を着実に推進していくとともに、関係部署やお客様とより一層の連携を図り、全力を挙げて浸水被害の早期軽減に努めてまいります。
▼高橋委員 住民の理解と協力を得ながら、浸水被害から都民の生命と財産を守り、都民が安全・安心して暮らせるまちを実現するため、引き続き事業に全力で取り組んでいただきたいと思います。 また、浸水対策は、下水道局だけではなく、総合治水対策や環境対策など関係部局の役割も大変重要でありますので、密接に協議し、連携しながら進めていただくことを強く要望いたします。 以上、きたしろ議員とあわせて公営企業会計について質問いたしましたが、今、郵政事業や道路公団の民営化が進行している中、公営企業の一層の効率化、サービスの向上が求められております。東京都は、本年七月、行財政改革実行プログラムを策定いたしましたが、その中でも、公営企業改革は最も重要な柱となっております。民間経営の効率化と低コスト化の視点を導入し、経済性を最大限に発揮する必要があります。一方では、都民の生命と生活を守る公営企業としての社会的責任も求められます。 公共性と効率性を追求し、なおかつ都民サービスの向上にさらに努力されることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
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