平成17年第1回定例会 一般質問

瑞江斎場は民間や地元に譲渡を
工事執行体制の抜本的見直しを

後藤雄一(無(行革110番))
■瑞江斎場
 
質問1
 火葬場についてお伺いをします。
 東京二十三区には、火葬場が九カ所あります。民間が七カ所、世田谷、目黒、品川、大田、港区が組合をつくって設立した臨海斎場、そして、東京都が財団法人東京都公園協会に業務委託をしている瑞江の葬儀所です。
 私の話で恐縮ですが、昨年暮れ、母が亡くなり、渋谷区にある代々幡の火葬場を利用しました。代々幡の火葬場は、民間の経営です。火葬料金は、普通のクラスで四万八千三百円を支払いました。葬儀について関心を持ち、調べてみると、都営瑞江斎場の火葬料金は、申請者が都民の場合は一万八百円、都民以外の場合は五万四千円です。亡くなられた方が都内に住んでいても、申請者が都外に住んでいた場合には、五倍の料金を請求されます。
 葬儀は、亡くなられた方の地元で行うのが一般的です。亡くなられた方が都内に在住していたら、都民の料金一万八百円が適用されるべきと考えます。
 また、料金表を見ると、七歳を境に、一般でいうところの大人料金、子ども料金の区別がついています。
 政令指定都市を調べたところ、四市は、十二歳を境にしています。東京都も十二歳としてはいかがでしょうか。都民へのサービスと考えて、あわせてお答えください。
 
答弁1
 ▼建設局長
 瑞江葬儀所の火葬料の区分についてでございますけれども、瑞江葬儀所は、昭和十三年に東京市における唯一の公営火葬場として開設し、現在に至っております。
 火葬料の負担区分についての他都市の状況を見てみますと、故人、すなわち亡くなった方を基準とするものや、施設を使用する申請者を基準とするものなど、さまざまでございます。
 現在、都におきましては、施設を使用する申請者に負担をしていただくことを原則としており、その申請者が都民か都民外かで火葬料に差を設けております。また、火葬料については、開設当初は十歳、昭和二十三年からは七歳を基準として、一定の年齢で料金を区分しております。
 

 
質問2
 瑞江斎場における火葬料の原価を聞いてみましたら、五万六千九百七十円です。平成十五年度の東京都の赤字補てん分は、二億一千八百万円といいます。火葬場は、市区町村の事業となっており、都道府県で火葬場を持っているのは東京都だけです。葬儀は、亡くなられた方の地元で行うのが一般的であり、瑞江斎場を利用する申請者は、地元の江戸川区、墨田区、江東区、葛飾区の利用が七六%を超えています。
 知事の所信表明にあるように、瑞江の葬儀所も民間に任せる、または地元の自治体に譲り渡すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 
答弁2
 ▼建設局長
 瑞江葬儀所のあり方についてでございますけれども、瑞江葬儀所は、昭和十八年に、東京都制の施行に伴い、東京市から東京都に引き継がれ、現在に至っております。瑞江葬儀所のあり方につきましては、第二次都庁改革アクションプランを踏まえ、現在、そのあり方の見直しを行っております。
 
■公共工事
 
 公共工事の不正事件についてお伺いをします。
 二月十八日、港湾局は、式根島野伏漁港の改良工事で、業者から九百四十一万七千円を返還させました。この不正事件には、大島支庁新島出張所の職員が、監督員として、工事写真の捏造に深く関与していたことが、行革一一〇番の調査で判明しています。その上、海洋不法投棄の疑いまで持たれているのです。
 概要です。
 式根島から一通のメールが行革一一〇番に届きました。漁港のしゅんせつ工事で出た砂まじりの岩を海に不法投棄しているというものでした。調べると、平成十六年一月、港湾局は、式根島野伏漁港のしゅんせつ工事を行い、約一万立方メートルの砂まじりの岩をしゅんせつしました。そのまま海に投棄すればよいものを、一度陸揚げし、野伏漁港から数キロにある、村が管理する産業廃棄物一時保管場所に運び込み、仮置きをしました。工事は三月三十日に完了しています。
 

 
質問1
 (写真を示す)これが、仮置きをした一万立方メートルの砂まじりの岩です。仮置きというのですから、次の利用目的が決まっているはずです。利用目的をお答えください。
 
答弁1
 ▼港湾局長
 式根島野伏漁港整備工事で発生した岩塊の利用目的についてでございますが、岩塊は、建設資材として有効利用を図るため、一時保管していたところでございます。しかしながら、新島村や地元漁業協同組合から、魚礁としての有効利用の要望が出され、十六年度工事で海洋投入したものでございます。
 

 
 そして、たった三カ月後の六月に、一時保管場所に保管していた約一万立方メートルの砂まじりの岩を海洋投棄することとし、前抗建設と契約を結びました。計画性が全くありません。一度陸揚げした土砂は、産業廃棄物がまざる可能性もあり、再度海洋投棄することを海上保安庁は認めていないといいます。
 

 
質問2
 そこで、行革一一〇番は、港湾局に工事写真の提出を求めました。写真を一枚ずつ調べると、投棄場所が野伏漁港から十キロ先の新島沖であることを示す写真がありました。この写真です。監督員がGPSを指さしている姿が写っているのです。
 しかし、行革一一〇番が島の方々から野伏漁港の岸壁から目と鼻の先に海洋投棄したと聞いていたので港湾局を追及すると、港湾局は、岸から二百メートルから三百メートルのところに海洋投棄したことを認めました。ということは、この工事写真はでたらめだったのです。なぜ大島支庁新島出張所の監督員が工事写真の捏造に積極的に関与をしたのか、事実経過をあわせてお答えください。
 
答弁2
 ▼港湾局長
 工事記録写真についてでございますが、地元漁業協同組合からの要望は、これまでもたびたび変更されており、魚礁設置場所についても変更される可能性があったため、当初設計の場所の撮影を行ったものでございます。請負者は、指示書で投入場所の変更がなされているにもかかわらず、当初設計である十キロメートル地点の工事記録写真を提出いたしました。監督員からは、請負者にこの写真の訂正の指示は行われておりませんでした。
 

 
質問3
 工事の写真をよく見ると、撮影の日付が入っていません。財務局の監督基準には撮影日は記入しろと明確に書かれているのに、港湾局の監督基準には撮影日の欄が二本線で消されているのです。
 港湾局の工事は天気に左右され、日程どおりに作業ができないので、撮影日は削除したと内部告発がありました。不正を防止するためにも、工事写真には撮影日を記入すべきと考えますが、見解をお伺いします。
 
答弁3
 ▼港湾局長
 工事記録写真の撮影日についてでございます。
 写真撮影は、工事記録写真撮影基準に基づき行っており、日付の記入は定められておりませんが、今後、工事記録写真への撮影日記入を検討してまいります。
 

 
質問4
 行革一一〇番は、海洋投棄する前に岸壁に積んであった砂まじりの岩の中に鉄筋コンクリートなどがまざっている写真を入手しました。また、野伏漁港のわきにある魚礁付近にも投棄されているというので、一月二十九日、行革一一〇番は、地元のダイバーに頼み、一緒に潜ってもらいました。海底には、工事用のビニールシート、土のう、ワイヤー、ビニールホース、タイヤなどが岩の間に挟まっているのです。水産試験場のダイバーを潜らせ、魚礁の現状を調査すべきだと考えますが、見解を伺います。
 
答弁4
 ▼産業労働局長
 産業労働局としての魚礁の現状調査についてでございますが、当局では、従来から、各島の周辺漁場の魚介類や海藻等の状況を継続的に調査をしてございます。
 お尋ねの式根島につきましては、先ほど港湾局長から申し上げましたとおり、港湾局が平成十六年度に投入いたしました近接地に、当局が独自に平成十三年度から平成十六年度にかけて魚礁を設置し、漁場の造成を行ってまいりました。この漁場につきましては、来年度から一部利用が開始されるため、その前に伊勢エビ、海藻など資源の着床状況等につきまして把握する必要がございます。そのため、本年度中に潜水により調査を実施する予定としております。
 

 
質問5
 前抗建設は、海上保安庁に、魚礁をつくるとし、投棄地点の変更届を出し、九月十五日から海洋投棄を始めました。実際には七月から始めています。変更届には、深さが二十メートルの海底に四十メートル掛ける二百メートル、高さが二メートルに岩を積み上げ魚礁をつくること、船はアンカーで固定し、岩を投入すること、ダイバーを潜らせることと書かれています。しかし、島の方々は、船はアンカーも打たずに、潮に流されて行ったり来たりして、ただ捨てていたと証言をしています。
 この写真を見てください。これが海洋投棄の状況です。海面は茶色く濁っています。ほとんどが砂です。島の方の目撃証言が正しければ、海上保安庁に提出した変更届もでたらめだったことになります。港湾局の文書は疑ってかかる必要があるようです。事実経過をお答えください。
 
答弁5
 ▼港湾局長
 岩塊の海洋投入についてでございます。
 港湾局が行った調査では、所定の場所に岩塊を投入するため、アンカーを設置の上、潜水士の指示により施工がなされたことを確認しております。
 

 
質問6
 また、港湾局の撮影基準には、水中について、規模、構造を明確に把握できるようにすると書かれています。しかし、港湾局によると、海底の工事写真は一枚もないといいます。港湾局は何をもって工事が完了したと判断したのか、伺います。
 
答弁6
 ▼港湾局長
 工事の完了についてでございますが、海洋投入の目的は、しゅんせつにより発生した岩塊を有効利用することであり、魚礁の形状、寸法までは定めていないため、海底の写真を撮影する必要はございません。また、工事は、定められた数量を所定の場所に投入し、完了しております。
 

 
質問7
 今回の砂まじりの岩を投入した地点を調べると、平成十五年度に産業労働局水産課が国の補助金を五〇%入れた魚礁事業をした地点と完全に一致します。つまり、国の補助金を含めて八千万円でつくった魚礁の上に、港湾局は砂まじりの岩を投棄したようです。国の補助金を受けてつくった魚礁は、耐用年数を考慮して三十年間維持すると明記されています。港湾局は産業労働局に相談して海洋投棄をしたのか、事実経過をあわせてお答えください。
 
答弁7
 ▼港湾局長
 岩塊の海洋投入場所についてでございますが、産業労働局が設置いたしました魚礁の位置に配慮した上、隣接した場所に魚礁として海洋投入したものであり、産業労働局と協議は行っておりません。
 なお、この投入場所は、地元の漁業組合の強い要望に基づいたものでございます。
 

 
質問8
 離島港湾部は工事の設計だけを担当し、監督業務はすべて大島支庁に任せています。そして、実行部隊の大島支庁がこの不正行為、不法投棄を行いました。これが離島港湾部で行っている公共事業の実態です。こうした工事執行体制は見直すべきと考えますが、局長の見解をお伺いします。これでは、組織といえません。抜本的に見直すべきです。また、離島港湾部、そして大島支庁に外部監査のメスを入れていただきたいと考えます。知事の見解をお伺いします。
 
答弁8
 ▼港湾局長
 工事執行体制の見直しについてでございます。
 今回の事態は、工事監督部門における不十分な検討、設計部門のフォローアップの不足、請負者を含めた情報交換や進行管理が十分になされていなかったことなどが重なり、起こったものと考えております。
 既に、港湾局工事執行体制等適正化委員会を設置したところでありまして、今後、厳正な事業執行を図るため、執行体制を見直してまいります。
 なお、投入場所の変更により生じた過払い金については、既に請負者から返還を受けております。
 また、請負者に対しましては、一カ月の指名停止措置をとったところでございます。
 

 
質問9
 周囲十二キロの小さな式根島に建設中の都道二三七号線があります。ボックスカルバートというトンネルをつくり、立体交差をつくっているんです。上を走る都道から下の村道におりるために、車いす、自転車でも利用できるようにとスロープをつくっているんです。
 この写真がスロープです。現在、工事中です。幅が二メートル、コンクリートの高さが一番高いところで四メートルあります。長さが九十九メートルです。迂回路の村道を使っても五分もかかりません。だれがこのスロープを使うんでしょうか。島の方々もあきれています。埋め戻すべきと考えます。だれが設計をしたのか、スロープの設計に建設局がどこまでかかわっていたのか、お伺いをします。
 平成十七年度に、スロープの一千万円を含め、延長工事に四千万円を計上しています。利用しない、必要としない道路より、都の公共工事で壊した自然の回復、復元に使うべきです。
 
答弁9
 ▼建設局長
 式根島の都道の整備についてでございますけれども、まず、この都道の設計でございますけれども、大島支庁が担当し、建設局は、技術指導や予算の執行管理など、包括的な管理を行っております。
 それから、ご指摘のありましたスロープの件でございますけれども、これは都道から五メートル下にあります村道に向かう連絡路として整備するものでございまして、歩行者や自転車利用者のために必要な施設でございます。
 ただ、ご指摘のありました、景観にマッチしていない点など反省すべき材料もございますので、今後、検討してまいります。
 

 
質問10
 知事の決断がなければ、役人は、むだとわかっていながらも工事を続けるだけです。式根島は自然豊かな島です。都民の財産です。石原知事のことをよく知っている島の方々は、島の自然を知っている石原知事に現状を伝えれば、石原さんならわかってくれるはずだといっていました。知事のお考えをお聞かせください。
 
答弁10
 ▼知事
 私は、自分の選挙区でもございましたが、その前に、ヨット乗りとしてもダイバーとしても式根島を本当にこよなく愛している一人でありまして、去年も、新島まで行ったんですけれども、式根へ渡ろうと思ったら珍しく強い西風が夏に吹きまして、船が出せずに終わったんですが、こういうものがあるということは、そのとき島へ上陸していればわかったんでしょうけれども、私の感覚からいったら、無用なことですな。大体、舗装なんか要らない島ですよ、本当。
 それで、アレックス・カーという、日本をこよなく愛して、最後は愛想尽かして外国へ移ったんでしょうか、あの人の「犬と鬼」という非常に不思議な本があるんですけれども、これは日本の土木事業についての非難、分析をしていますけれども、それを聞いて私、驚いたのは、日本で使われるセメントの数というのは、年間、アメリカの倍だそうです、こんなちっぽけな国で。つまり、要らざる工事があちこちにおいて、例えば遠州灘のようにずっと長い海岸線に、要するに上陸するような村がないところにまでテトラをぶち込んで、わけのわからぬ工事をしている。これもその伝でしょうね。
 それから御蔵島なんかも、つくらなくていい道を、とにかく昔そこに住んでいた、海から回ればいいじゃないかと。しけたとき行けないから道をつくった、これは本当に情けない話で──それから、あの魚礁は、あれは非常に浅い海峡でして、明治時代はつながっていたんですね、あそこ、新島と。それが地震で陥没して、非常に浅い海で、あそこに魚礁を埋めたのを私、潜って見ていますけれども、あれは古いバスを持っていって埋めたんですが、これはこれで非常に効果があったんですけれども、しかし、さっき見せられたような、ああいう土砂のまじったものを投棄するというのは、これは言語道断な話でして、それは本当にかたい岩ならば別にそのまま魚礁になりますけれども、これは本当に恥ずべき、何というか、しなくてもいい余計な仕事で、加えてその海上投棄は、私は許せないし、これは厳に調査して、二度とこういうことの行われないように厳重に注意をいたします。
 再発防止のための問題点を洗い出して、適切な工事施工を徹底して行うように指導いたします。
 
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■消防庁舎への立入査察
 
質問1
 消防庁の査察についてお伺いをします。
 ドン・キホーテの放火事件で消防庁の査察が話題になりました。行革一一〇番が荏原消防署を視察したところ、ベランダや屋上にプレハブの倉庫が建てられていました。このうちの一棟は、廊下とベランダの壁をぶち抜き、新たにドアをつけ、電気、水道、配水の設備、そして冷蔵庫、コーヒーメーカーを置いて、給湯室として利用していました。
 消防庁に問いただすと、査察の指摘事項といいます。消防署にも査察を行ったらばいかがでしょうか。消防総監の見解をお伺いします。
 
答弁1
 ▼消防総監
 消防署への査察の実施についてでありますが、消防庁舎への立入検査につきましては、各消防署、各消防出張所の庁舎に対しまして、今後とも、定期的に実施いたしますとともに、庁舎の適正な維持管理に努めてまいります。
 
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