平成16年度公営企業会計決算特別委員会 総括質疑

花輪ともふみ(民主党)
■水道事業
 
 ▼花輪委員
 まず最初に、水道事業の業務委託契約のあり方、そして外郭団体との関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、平成十六年度の包括外部監査報告書では、水道事業の経営管理についてということで、七つの指摘と三十九の意見が述べられております。その中の意見で、業務委託における特命随意契約の見直しについてという項目があります。まず、そのことをお伺いしていく大前提として、水道事業では、例えば浄水場とか支所とか営業所、そういうのがあると思いますが、さまざまなその業務をどのような形で外部に委託をしているのか。そのあたりについてご答弁をいただければと思います。
 
 ▼水道局長
 外部委託をしている業務でありますが、まず浄水場におきましては、各種計装設備の保守業務や排水処理施設の運転管理業務などを委託しております。また、支所におきましては、配水管の状態を調査・診断する業務や配水管工事の設計業務、庁舎清掃業務など、営業所におきましては、検針業務や使用中止の際の料金清算業務などを委託しております。
 

 
 ▼花輪委員
 その委託をしている事業のうち、この監査報告書によりますと、十五年で千百六十二件の委託契約があって、二百六十六億円ですか、この二百六十六億円のうち特命随意契約が二百二十四億円、競争入札は四十二億円だったということです。金額ベースでいうと八四%が特命随意契約だったわけですが、これは十五年度の数字です。
 では、十六年度はいかがだったでしょうか。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度の業務委託は千百十八件、二百七十四億円でございます。このうち競争入札が二百九十件、三十八億円で、特命随意契約が六百二十九件、二百三十六億円であり、特命随意契約が件数比で五六%、金額比で八六%を占めております。
 

 
 ▼花輪委員
 十五年に二百二十四億円だったものが十六年には二百三十六億円に十二億円ほどふえ、パーセンテージでも八四%が八六%になったと。少しふえているわけですね。相変わらず特命契約が多いなという、そんな印象を受けるわけです。この外部監査でも、金額ベースで八〇%を超えるものが特命随意契約になっているのは明らかに多い。また、委託開始当初から随意契約とされた案件があるが、その後、民間事業者の受託能力が向上している業務もあるので、より一層の精査を行い、可能な限り競争性を向上させるための入札方式を採用するように、そのように求められているわけですね。
 こうした指摘に対して、今年度以降、水道局さんとしては、業務委託に関するこの特命随契について、どのように見直しを進めてこられたのか、お答えください。
 
 ▼水道局長
 発注方式の見直しにつきましては、これまでも適宜行ってきたところでございますが、平成十七年一月の外部監査人報告を受けまして、直ちにすべての随意契約について、市場動向の調査や仕様の見直しなどを実施いたしました。その結果、平成十七年度は新たに十九件について競争入札を導入いたしました。
 今後も、契約内容の精査を行い、民間事業者の受託能力が向上してきた業務につきましては、可能な限り競争入札を導入してまいります。
 

 
 ▼花輪委員
 少しずつですが、よい方向に進んでいることは間違いないと思いますが、ぜひもっともっとしっかりと見直しを進めて、公開性、そして競争性を用いた入札をしていただければ、そんなふうに思います。
 続きまして、事務所などにおける委託契約の入札、これに関連した競争性の確保についてお尋ねをしたいと思います。
 同じ監査報告で、事務所などにおける委託契約の入札に関連した競争性の確保についてとして、清掃業務について分析した項目があります。それによれば、水道局の各支所及び各所管区内の庁舎の清掃業務について、十五年度の落札の比率は平均で九五%を上回っていた。九八%以上のものが、平成十五年では十五件中九件あったというようなことでございます。
 そこで、まず伺いますが、今回の十六年の清掃業務の委託契約について、落札率が九八%を相変わらず超えているものは何件ぐらいか。また、平均落札率はどの程度か、これについてご答弁をお願いします。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度の各事業所における清掃業務委託十六件の平均落札率は八九%でございます。そのうち落札率が九八%以上のものは五件でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 十五年で九五%の平均だったものが八九%に下がり、十五件中九件あったものが五件に下がったということで、この部分は随分ご努力をされているなというふうに評価をさせていただきたいと思います。一歩前進しているなというふうに思うわけです。
 外部監査でも、極めて高い水準であるというふうに指摘をされて、もっともっと競争性を生かせというふうにいわれているわけですが、今後、特にこの事務所なんかの清掃業務について、どのような形で競争性をもっともっと確保していきたいか、また、透明性を確保していきたいか、それについてご答弁をお願いします。
 
 ▼水道局長
 平成十七年度の契約に当たりましては、より一層競争性を高めるため、清掃業務委託につきましては公募による発注を行った結果、平均落札率は五五%となりました。こうしたことから、今後も、清掃業務委託に限らず、業務内容をよく精査し、公募発注が適切と判断される案件につきましては順次拡大を図ることとしております。
 

 
 ▼花輪委員
 公募発注したらば五五%まで落ちてきた、そういうことでございました。今、局長ご答弁いただいたように、ぜひその辺の発注の方法をもっともっと精査をして進めていっていただければなと思います。
 ここまでは随分と前に進んでいるなというところが見られるところですが、続いて、東京都と非常に関係の深い第三セクターと水道局との関係についてお尋ねをしていきたいと思います。
 少し前ですけれども、七月の朝日新聞に、水道局の第三セクター四社が水道局から受託した業務のうち九五%が特命随意契約であり、包括外部監査でも、今いったように指摘をされてきた、そんな記事が載ったわけです。これについてお尋ねをいたしますが、水道局の第三セクターは四つあります。監理団体である東京水道サービス、報告団体である水道マッピングシステム、東京都市開発株式会社、そしてPUCという、こんな四つの会社があるわけです。平成十五年度ベースで見れば、東京水道サービスへの水道局の売上金額は三十七億八千万円、全体の売り上げに占める割合は九五%。マッピングシステムは八億七千万円で、東京都の受注が、東京都からの仕事が全体の七三%。東京都市開発は三・九億円で、ここは低いんですが、九%。PUCは七十億一千万円で、八三%ということでありました。
 まず、お尋ねいたしますが、十六年度におけるこの第三セクター四社の契約の件数、そして水道局への売り上げの金額、また、その会社の全体の売り上げに占める水道局の割合についてお尋ねをいたします。
 
 ▼水道局長
 東京水道サービス株式会社におきましては、平成十六年度の当局との契約件数は二十五件、その売上金額は四十億九千万円であり、全売上高に占める割合は九四%でございます。同じく平成十五年度では三十七億八千万円であり、全売上高に占める割合は九五%となります。これを平成十五年度と比較いたしますと、三億一千万円の増で、割合としては一%の減となっております。
 次に、水道マッピングシステム株式会社では、平成十六年度の当局との契約件数は五件、その売上金額は六億五千万円であり、全売上高に占める割合は六九%となっております。同じく平成十五年度では八億七千万円であり、全売上高に占める割合は七三%でございます。これを平成十五年度と比較をいたしますと、二億二千万円の減で、割合としては四%の減となっております。
 次に、東京都市開発株式会社では、平成十六年度の当局との契約件数は一件、その売上金額は二億円であり、全売上高に占める割合は四%でございます。同じく平成十五年度では三億九千万円であり、全売上高に占める割合は九%でございます。これを平成十五年度と比較をいたしますと、一億九千万円の減で、割合としては五%の減となっております。
 最後に、株式会社PUCでございますが、平成十六年度の当局との契約件数は九十一件、その売上金額は七十四億七千万円であり、全売上高に占める割合は八五%となります。同じく平成十五年度では七十億一千万円であり、全売上高に占める割合は八三%となります。これを平成十五年度と比較をいたしますと、四億六千万円の増で、割合としては二%の増となっております。
 

 
 ▼花輪委員
 今、数字をご答弁いただいたわけですが、要は、東京都市開発以外の三社については、九四%、六九%、八五%と、ほとんど東京都の仕事をしている。その会社は東京都の依存度が高いということがよくわかったわけです。
 そこで、まずお尋ねをしたいんですが、その三セクの四社のうち、水道局から出している仕事、これが特命随意契約が占める件数及び金額、それぞれ何パーセントか、教えていただけますか。
 
 ▼水道局長
 東京水道サービス株式会社では、当局への売上金額は四十億九千万円でございまして、うち随意契約金額は四十億二千万円であります。契約件数は二十五件であり、うち随意契約件数は二十一件であります。また、随意契約の金額の割合は九八%であり、随意契約の件数の割合は八四%でございます。
 水道マッピングシステム株式会社では、当局への売上金額は六億五千万円であり、契約件数は五件で、すべて随意契約でございます。
 東京都市開発株式会社では、当局への売上金額は二億円であり、契約件数は一件で、随意契約でございます。
 株式会社PUCでは、当局への売上金額は七十四億七千万円であり、うち随意契約金額は七十四億七千万円であります。契約件数は九十一件であり、うち随意契約件数は九十件であります。また、随意契約の金額の割合は九九%であり、随意契約の件数の割合は九九%となります。
 

 
 ▼花輪委員
 今、ご答弁をいただきましたように、水道サービスにおいては金額ベースで九八%、マッピングシステムではすべてが随契、東京都市開発でもすべてが随契、PUCにおいては九九%が随契。要は、東京都からもらっている仕事、ほとんどすべてが随意契約というふうにいってもいいかと思います。
 じゃ、何で随契かということだと思うんですが、じゃ、まず東京都市開発株式会社、この会社についてお尋ねをいたします。この会社は、何をしている会社ですか。
 
 ▼水道局長
 東京都市開発株式会社は、西新宿六丁目中央地区市街地再開発事業を施行するに際しまして、その資金調達、保留床の処分、建物の管理運営等に関しまして、効率かつ経済的な事業運営を図ることを目的に、当局を含む土地の権利者等が出資をいたしまして、昭和五十五年に設立したものでございます。主な事業内容は、市街地再開発事業など都市開発に関する調査、企画、コンサルティング及びオフィスビル等の不動産の賃貸借並びに管理でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 ちなみに、この会社は常勤役員が何人で、東京都のOBの方は何人いらっしゃいますか。
 
 ▼水道局長
 常勤役員が五名でございます。水道局のOB職員が四名でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 今、五名のうち四名がOBだということがここでわかったわけですが、水道局が随意契約をしている具体的な業務、この都市開発に委託をしている、随契をしている、その業務は、どんなことをお願いしているんですか。
 
 ▼水道局長
 当局が保有しております十七施設の賃貸管理を東京都市開発株式会社に随意契約をしております。管理委託に当たりましては、施設ごとにおのおの経過がございますが、共通する理由といたしましては、当該施設の特性に加え、競争入札とした場合、受託業者がかわる可能性から、入居者との信頼関係を損ね、結果としてビル管理の運営業務に支障を来すおそれがあること、また、東京都市開発株式会社が保有する物件と一括して賃貸管理することにより、効率かつ有利な運用が図れることから、東京都市開発株式会社に委託しているものでございます。
 

 
 ▼花輪委員
 要は、このビルのテナントさんを見つけてきて、今いるテナントさんと仲よくしておいて、そのテナントさんが出ていかないようにと。また、出ていっちゃったら、次のテナントさんを見つけましょう、そういうお仕事をしているんだと思います。世の中、そういう不動産屋さんは山のようにあるわけですね。
 今おっしゃったように、東京都市開発が保有している物件と一緒に賃貸管理をすることにより、効率的かつ有効な運用といいました。確かに東京都市開発さんが持っている床、こういう床があって、同じビルに水道局さんの床があって、それを貸すから、東京都市開発さんが持っている床とうちの同じビルにあるから、効率的に運用してくれよ、そういうことであればまだわかるんですが、今、委託をしているビル、十七戸のビルがあるわけですが、その十七のビルのうち一体何棟が東京都市開発さんが床を持っているビルですか。
 
 ▼水道局長
 当局が保有しておりますビル等の十七施設のうち、東京都市開発株式会社の保有床があるビル等の数は五施設でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 要は、あと十二本は、別に東京都市開発が持っているわけでも何でもないわけです。水道局が持っているビルです。ここをどうして、この東京都市開発株式会社に随意契約で仕事を出さなければいけないんですか。
 
 ▼水道局長
 東京都市開発株式会社は、西新宿六丁目中央地区市街地再開発事業による当局の所有床に関する賃貸管理業務を適切に管理し、また有効かつ効率的に対応した実績から、その後の共同開発分を含め、当局単独の施設についても委託をしてまいりました。東京都市開発株式会社が保有していない施設の賃貸管理業務を競争入札とした場合、当該施設の特性に加えまして、受託業者がかわる可能性から、入居者との信頼関係を損ね、結果として賃貸管理業務に支障を来すおそれがあること、良質な賃借人を確保することが主たる業務内容でございますが、価格競争の結果だけでよりよい業務内容を実施できるとは限らないこと、賃貸管理業務を複数に分割した場合、当局の事務量も増加することが見込まれること、このことなどから、引き続き東京都市開発株式会社と随意契約を行うことが有利と考えております。
 

 
 ▼花輪委員
 受託者がかわると、要は入居者がその信頼関係が崩れるということは、私は余りないと。民間にお願いをして、民間の方々だって一生懸命サービスをするように努めてくれると思いますよ。相当長い間、次の年ももらえるように努力をすると思います。それに、委託料が低ければ、よい業務内容がどうなるかわからない、民間業者だけじゃだめだというんだったら、プロポーザルでもいいじゃないですか。値段と仕事の内容、ほかの会社にも提示をさせて、公募をしてやったって私はできると思います。それに、複数に分割した場合、当局の事務量の増加だったらば、じゃ、今、十二本まとめてプロポーザルに出せばいいじゃないですか。公募だってできるじゃないですか。ぜひ私はそういう形で、この随意契約のあり方を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
 ▼水道局長
 ただいまお答えした趣旨から、東京都市開発株式会社と随意契約を行うことが有利と考えております。
 

 
 ▼花輪委員
 ここは、じゃ、また置いておきまして、次は、PUCについて同じように聞いていきたいと思います。
 PUCは、何をしている会社ですか。
 
 ▼水道局長
 株式会社PUCは、水道事業業務のアウトソーシングへの対応や、他の公益事業等の業務処理の一層の効率化に寄与することを目的に当局が出資している第三セクターでございまして、公営、公益事業及び民間企業を対象に情報処理システムの企画、開発、管理及び水道料金徴収業務にかかわる各種事務処理の代行等を行っております。
 

 
 ▼花輪委員
 この会社の常勤の役員の方は何人で、そして、東京都のOBの方は何人いらっしゃるんでしょうか。
 
 ▼水道局長
 常勤四名の役員でございます。OBは、そのうち三名でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 では、そのうち水道局さんがこのPUCさんに随意契約で発注している業務の内容は、どんな内容でしょうか。また、その理由についてもご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 株式会社PUCに特命随意契約により委託している業務は、水道料金徴収システム、財務会計システム等の運用管理、お客様センターの運用及び事務処理代行等でございます。これらの運用につきましては、委託先が当局の業務内容を熟知していることはもちろんのこと、プログラムの詳細を把握していることが必要でございます。株式会社PUCは、各システムの設計及び開発を行ったことから、当局のシステムや業務に関する豊富な知識、経験を有しておりまして、システムの障害時等においても被害を最小限に抑えることができるなど、的確に業務を実施できることから、株式会社PUCと特命随契をしているものでございます。
 

 
 ▼花輪委員
 今は、最初につくってもらったから、随契をそれからずっとやっているんだというようなお話でした。
 ちなみに、この随意契約、幾つもの項目を立てて、百近いいろんな契約件数があったようですが、そのさまざまな契約の中で金額の大きなものを、上から三つ、ご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度に株式会社PUCに特命随意契約で委託した業務のうち、金額が大きいものの上位三件は、区部及び多摩ニュータウンの水道料金ネットワークシステムにかかわる運用管理委託三十一億九千万円、当局の財務会計処理を行う財務会計事務の電子計算処理委託九億三千万円、多摩水道料金等ネットワークシステムの開発にかかわる総合テスト等委託七億四千万円でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 三十一億円の随意契約です。特命発注、あなたのところにやらせますよと、そういうやり方でやっていらっしゃるんでしょうが、システムだから、ここにやらせるしかない、一回そこが取っちゃったから、ずっとやらせるのが効率的だ、よくそういうお話を聞きます。ただ、もし、それが、そうせざるを得なかったとしても、どこかで金額のチェック、システムの中身のチェック、そういうものをしていかないと、PUCさんにいつも、あなたのところに任せるよといっていくと、金額的なもの、内容的なものの、本当にこの値段が適正なのかどうか、今のシステムがいいシステムかどうか、この辺の検証ができないと思うんですが、そのあたりの検証はどのようにされているんでしょうか。
 
 ▼水道局長
 システム開発業務委託につきましては、従前より当局職員が、システムの信頼性、安全性などについて総合的に評価を行うとともに、価格につきましても契約時等に査定を行うなど、適正に努めてまいりましたが、評価の客観性の確保についてはさらに充実させる必要がございます。
 そこで、客観性かつ透明性を確保し、より適正なシステム運営を行うため、現在、外部の専門家による評価を実施しておりまして、結果についても公表していく予定でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 内部による総合評価をしたり、外部の方によって今後は公表されていくというお話でした。
 それでは、お尋ねしますが、十六年度、PUCとの随意契約は何件あったのか。
 そして、随契だけど、皆様方はそれぞれ予定価格というのをお持ちだと思います。十六年度にPUCに発注をした仕事の予定価格の合計、そして、それがいかなる値段で契約をされたか、その合計。そして、何パーセントのいわゆる契約率だったか--契約率というか、予定価格に対する契約は何パーセントだったか、それをご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度における株式会社PUCとの特命随意契約件数は九十件であり、当初契約金額の合計額は七十八億六千万円、予定価格の合計金額は七十八億九千万円であり、当初契約金額が予定価格に占める割合は九九・六%でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 これって、皆さんがお持ちの予定価格は事前に公表されているんでしたか。または事後公表ってあるんでしたか。
 
 ▼水道局長
 公表されておりません。
 

 
 ▼花輪委員
 事前公表も事後公表も、いわゆる予定価格はされていない。なのに、九十件の契約、九九・六%で契約をされていく。どうしてこうなるのか、私にはどうしても理解できないんですが、局長はどのようにお考えですか。理解できますか。
 
 ▼水道局長
 落札率の関係につきましては、適正な手続に基づいて行っておりますので、問題ないと考えております。
 

 
 ▼花輪委員
 九九・六が、例えば一つの契約は予定価格よりも二〇%多い契約がある、そして一つの契約は予定価格の八割だった、合わせたらばちょうど一〇〇%になったということがあるんなら、まだわかりますが、予定価格より上ということはないわけですよ。九九・六%とか七%になるということは、ほとんどの契約が九九%ぐらい、まあ一〇〇%に近い中でなされているというふうに私は思うのですが、局長はどう考えますか。
 
 ▼水道局長
 随意契約の制度上から適正と考えております。
 

 
 ▼花輪委員
 もし事前公表でされていないんだとすると、見積もりを出すときに一円ずつ切り下げていく、または千円ずつ切り下げて、これで出して、高いとそれはだめだよ、千円下げて出して、高いとそれはだめだよと、また千円下げて見積もり出して、高いからそれはだめだよと、ずっと合うまで値段をやっていかなければ、こういうふうにならないと思うんですが、実際そういうことをやっているということですか。
 
 ▼水道局長
 随意契約の締結に際しましては、通常、契約の相手側は、当初自分が希望する局の予定価格よりも高い金額で見積もりを提示し、その後何回かの減価交渉の過程で局の予定価格を下回る価格まで落札し、契約に至るケースが多いと思われます。また、一度見積もりで決まる場合でも、相手側の積算能力が高ければ、当局の予定価格に近い金額で見積もりを行うことは可能であります。こうしたことから、特命随意契約においては一般に決定率が高い傾向がございます。
 

 
 ▼花輪委員
 今、能力が高いところであれば、近い段階で見積もりを出すことができるというけれども、要は、委託契約というのは、ここに何人配置、そこに何人配置という契約ができないんですよ。この仕事をお願いしますという契約しかできないんですね。人数を全部東京都から指定して、ここの仕事は三人でやりなさい、あの仕事は五人でやりなさいと、そういう契約だったら、一人頭の単価がわかれば,近い金額が出ているかもしれない。しかし、委託契約というのは、そういう契約をしちゃいけないということになっていて、仕事に対しての委託なわけですね。だから、この金額というのは、私は九九・六というのは、だれが考えたってこれはおかしいと思いますよ。
 やっぱりこういうことにならないように、もう一度この契約の仕方について、随契について総点検をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
 ▼水道局長
 システムの契約方法につきましては、お客様サービスの質の維持や業務の円滑な運営に支障を来すことがないこと、効率性を確保することなどが重要と考えております。とりわけお客様サービスの低下があってはならないと考えております。
 システムの再構築についても、お客様サービスの維持向上、効率性を踏まえて、最も適切な方法を選択してまいりたいと思っております。
 

 
 ▼花輪委員
 ここのところは、また同じことを次の会社でやりますので、次に行きたいと思います。
 東京水道サービス株式会社についてお尋ねをしたいと思います。
 この東京水道サービス株式会社は何をしている会社でしょうか。
 
 ▼水道局長
 東京水道サービス株式会社は、当局が本来直接行う業務を代行、補完させる目的で当局が出資している第三セクターであり、水運用や浄水場及び給水所等の運転管理、送配水管の調査、診断、コンサルタント業務、漏水調査機器等の開発など、水道施設の管理運用業務を行っております。
 

 
 ▼花輪委員
 常勤の役員は何人で、東京都のOBは何人いらっしゃいますか。
 
 ▼水道局長
 常勤の役員は三名でございまして、うちOBが二名でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 ここにもたくさんの随意契約で仕事を出している。たくさんというか、ほとんどの東京都からの仕事は随契なわけですが、その随意契約業務のうち、最も金額の高いものを上から三つご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度に東京水道サービス株式会社に特命随意契約で委託した業務のうち、金額が大きいものの上位三件は、配水管や附属設備の現況調査等を行う管路診断業務委託単価契約が十三億一千万円、多摩地区の浄水所、給水所等の水道施設の運転管理及び運用管理等を行う多摩地区水道施設運転管理委託業務十一億八千万円、多摩地区において配水管や附属設備の現況調査を行う多摩地区管路診断業務委託単価契約五億二千万円でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 ここに、今、二番目ですね、多摩地区水道施設運転管理業務などの委託というのがありました。これも十一億八千万円ということでしたね。これも特命随契ですよね。十億円以上のものが特命随契、本当にこれは私はびっくりせざるを得ないわけです。
 特に多摩地区の水道施設の運転管理業務の委託なんですが、この間、水道局さんは、特に多摩の方においては集中管理ということで、いろんな給水所、浄水所の一元管理化を目指してずっと進めてきていらっしゃるというふうに聞いていますが、平成十二年度から順にこの業務委託の金額がどのようにふえていったか、そのあたりをご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 平成十二年度から平成十六年度までの多摩地区水道施設運転管理等業務委託の契約金額の推移は、平成十二年度から順に、五億円、九億七千万円、十億八千万円、十一億六千万円、十一億八千万円となっております。これは、主に管理対象施設数が、平成十二年度の百四十二カ所から、平成十六年度の四百一カ所と三倍弱に増加していることによるものでございます。


 
 ▼花輪委員
 では、どうしてこの委託業務は東京水道サービスでなければいけないんでしょうか。随意契約にした理由をお答えください。
 
 ▼水道局長
 多摩地区の水道は、給水量や給水人口において横浜市に匹敵する規模を有しております。また、水道システムは、山間部を含む広範囲な管理エリア、多様な水源や浄水処理方式、二百カ所を超える膨大な浄水所、給水所等から構成されております。
 このような中、多様な施設を一体的、広域的に運用管理し、安定給水を確保するためには、多摩地区全体の水道システムに関する専門的知識や技術はもちろんのこと、事故時を含むあらゆる状況下におきましても、的確な判断と調整を行うことが必要不可欠でございます。
 局が監理団体としてしっかり指導監督できる東京水道サービス株式会社は、当局職員と同程度の水道業務に関する高度なノウハウを持つ企業であり、このような高度な業務を適切に履行できる唯一の企業でございます。そのため、東京水道サービス株式会社に特命随契しているものでございます。
 

 
 ▼花輪委員
 では、だんだんこうやって、もともと百四十二カ所だった管理施設が四百一カ所に増加をしてきた。五億円だった契約金額も今は十一億八千万円、たしかことしは十二億円を超えていたと私は記憶をしております。
 平成十二年当時なんですが、例えば一つ事例を挙げますが、桜ヶ丘浄水所という施設があります。この浄水所は民間業者が競争入札で仕事をしていた施設だと思いますが、今はどこがやっていますか。
 
 ▼水道局長
 東京水道サービス株式会社でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 これはどういうことかというと、もともとは民間業者に東京都から競争入札で発注をしていたわけですね。ところが、一元化という名のもとに東京水道サービスにどんどん仕事が吸収をされていくと、天下り先がどんどん肥大化をしていく、仕事がふえていく。そして、その天下り先に契約をするときには特命随意契約になっていく。もともとは入札してやっていたことが、いつの間にか随契に変わっていく。これって何だかおかしいような私は気がするわけですが、要は民間企業ができていた仕事じゃないですか。
 私は、この前、秋川の方まで行ってまいりまして、給水所を視察させていただきました。そこで聞いたお話ですと、その施設は、昼間は五人の方、夜は四人の方でやっていらっしゃいました。五人のときには、所長さんというのが東京水道サービスさん、そして現場長さんが東京水道サービスさん、あとの三人の方は民間の再委託で仕事を受けた会社の方々がやっているんですね。夜は現場長、東京水道サービスが一人、あとの三人、やっぱりこれは水道サービスじゃない、民間の方々がやっているわけです。
 今まで、要は民間業者が直接やっていた仕事を東京水道サービスが取ってしまって、現場長に座って、そして下請として使っている。そして、それは特命随契になっている。こういうことで理解はいいですかね。
 
 ▼水道局長
 多摩地区におきましては、従来おおむね市町域単位で運転管理が行われてまいりました。確かに先生おっしゃるように、規模によって、つまり小規模のものは民間に委託をしておりました。それから大規模なものにつきましては、直営、もしくは東京水道サービス株式会社が担当しておりました。
 多摩地区については区部並みレベルにもっていくということから、例えば震災対策でありますとか、水の相互融通でありますとか、事故時の対応でありますとか、多摩地区におきましては市町村単位の経営でございましたので、全体的な経営から見ますと、技術的にもいろいろ問題がございました。そういう背景から、多摩地区を一体的に管理しよう、そういうことで施設整備を進めてまいりました。その結果、広域的な管理を一体的に行う必要が出てまいりましたので、当局にかわれる唯一の団体である東京水道サービス株式会社に委託をしているものでございます。
 

 
 ▼花輪委員
 集約化をしていく過程で、大きいことは東京水道サービスしかできない、小っちゃな仕事は民間はできるけど、大きなことはできないんじゃないか、そういうような今のご答弁だと思うんですが、大きなことができないかどうか、業者さんに聞いたことはあるんですか。あなたたち、こんな仕事できますか、できませんかって。
 
 ▼水道局長
 我が国の水道事業はもともと市町村単位の経営でございまして、小規模な事業体が多くございました。そこで、ほとんどが直営で行ってまいりました。東京都水道局も、当初は直営でございます。それが順次、委託が進んでおりますけれども、水道事業を総合的に管理し運営できる業者は、これまでの実績から、我々はないと判断しております。
 

 
 ▼花輪委員
 水道のポンプとか、また、そのポンプなんかを管理している会社というのは、日本で、また世界に冠たるようないわゆるメーカーさんが、水道のポンプとかそういうものは入れていますよ。そして、日本に冠たるメーカーさんのいわゆる子会社みたいなところが、そういう管理をしていますよ。ですから、東京都以外にはそういうのができないみたいな、天下り会社しかできないということではなくして、やっぱり本当に世界に名立たるような企業がそういう会社をつくっているわけですから、そこで競争性をやっぱり入れていくべきだと私は思うんですよ。
 そこで、お尋ねいたしますが、十六年度、水道サービスに随契で仕事を出した件数、そして契約の金額の合計、予定価格の合計、そして当初契約金額が予定価格に占める割合、お答えください。
 
 ▼水道局長
 平成十六年度における東京水道サービス株式会社との随意契約件数は二十一件でありまして、当初契約金額の合計額は四十三億七千万円、予定価格の合計は四十四億円であります。当初契約金額が予定価格に占める割合は九九・三%でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 これも九九・三%です。
 改めてお尋ねいたしますが、金額については東京水道サービスさんに教えているんですか、予定価格は。
 
 ▼水道局長
 金額については教えておりません。
 

 
 ▼花輪委員
 局長、先ほど包括外部監査報告での指摘に対しては、随分と前向きにいろいろと取り組みを始めていらっしゃると、そういうご答弁もいただきました。今のPUCさんにしても、また、この水道サービスにしても、先ほどのビルの管理をしている東京都市開発にしても、やはり今のご答弁ではなかなか都民の方は納得できないんじゃないかと私は思うんですよ。幾ら何でも九九・何%の契約率というのは尋常じゃないと私は思いますよ。本当に魔法遣いみたいな方がいれば、そういう金額で契約することはできるかもしれません。しかし、これは魔法遣い以外にはできない、そういう契約の金額だと私は思います。ですから、ぜひ競争入札をなるべく多くの業務でやっていただきたい、そんなふうに思うんです。
 例えば、都営住宅の管理は、昔は都営住宅二十六万戸、ああいう住宅を管理するのは民間じゃ無理だろうといっていたから、ずっといわゆる供給公社が管理をしていました。そして、指定管理者制度が入って、今度はじゃ、供給公社だけじゃなくて、ほかにも公募をかけてみるかな、結果、今回は住宅供給公社が取りました。でも値段はがくんと下がったんですよ。これが競争入札なんですね、公募なんですよ。ですから、この東京水道サービスにしても、またPUCにしても、また先ほどの東京都市開発にしても、それぞれ今まで随意契約でやってきたものを、極力民間の方々にその仕事をしてもらえるように、または競争が働くように公募なり競争入札を導入していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
 ▼水道局長
 これまでの質問を通じて、契約に対する考え方につきまして、ありがたく拝聴いたしたところでございます。しかし、当局の随意契約に問題があるかのような主張がございますけれども、随意契約は法制度上認められた正式な手続でございます。
 そこで、第三セクターの当局業務の随意契約による委託についてでございますが、水道事業は都民生活と首都東京の都市活動にいっときたりとも欠くことのできないライフラインでございまして、水道供給の安全性、安定性、継続性を最優先に事業運営を行う必要があると考えております。
 一方では、事業運営に当たりましては、この目的を損なわない範囲で最大限の効率化も必要であると認識しております。
 こうしたことから、当局ではしっかりと関与し、指導監督でき、直営に比べまして、効率的な業務執行が可能である第三セクターを設立、育成し、当局とともに首都東京の巨大な水道ネットワークを一体的、継続的に運営し、安全・安心をお客様に届けてまいりました。
 日本の首都であり、世界有数の国際都市である東京を支える水道事業を預かる責任者として、業務の一部とはいえ、とりあえず入札をしてみればいいではないかといったような主張には同調することはできません。
 

 
 ▼花輪委員
 今、効率的にするために第三セクターを設立して育成していくという話がありましたけど、効率的じゃないじゃないですか。九九%こうやっていて、効率的も何もないですよ。ぜひ私は--まあいいや、この前に聞こう。
 東京水道サービス株式会社には、先ほど東京都のOBの方がいわゆる役員として随分行っていらっしゃるということがわかりました。まず、東京水道サービスから下請OBが再々就職というのか、転職というのかな、そういう事例というのはありますか。
 
 ▼水道局長
 基本的には個人と企業の関係でございまして、詳細を把握しているものではございませんが、東京水道サービス株式会社から協力会社へ職員OBが転職しているのは、現在、九名と聞いております。
 

 
 ▼花輪委員
 東京都から天下りが水道サービスへ行き、水道サービスから下請へ人が流れていく。そして、そこの契約は随意契約、ここには競争原理は全く働かない。どこか、道路公団、随分問題がありました、あれと似た構造のような気がいたします。
 ところで、水道局のOBの皆さんが、水道局の幹部職員の方々がOBとして、いわゆる水道関係のメーカー、またはそれをメンテナンスする会社に再就職をしている、そんな事例はありますか、二年の間を置かずに。
 
 ▼水道局長
 ございます。
 

 
 ▼花輪委員
 天下りを、東京都で都民の批判を何とか避けようということで、やめる前五年間関係していた業務には、いわゆるそういう会社には退職後二年間は再就職をしないと、そういう内規があるわけですが、局長はそれはご存じですか。
 
 ▼水道局長
 職員の民間企業への再就職につきましては、職員の民間企業への再就職に関する取扱基準により定められております。この基準では、局長級職員については退職後二年間の関係企業への再就職が制限されており、その他幹部職員につきましては、退職前五年間従事した職務に退職後二年間従事しないよう要請することとされております。これらの例は、この基準にのっとったものであると認識しております。
 

 
 ▼花輪委員
 さっきOBの方がメーカーとかメンテナンス会社に行っているということをお答えいただきましたが、何人行っているんですか。
 そして、それは今お答えいただいた基準とは抵触しないんですか。私は、それは全く抵触すると思いますよ。幾ら現場にいなくたって、もしそれがいわゆる総務関係の仕事をしていた方だって、契約とかをする、またはこれからの施設の統合なんかのいろんな計画を立てていくわけですよ、そういう情報を持っている、そういう方が関係がある会社に天下りをしないように、この決まりをつくったんじゃないですか。それに抵触していると私は思いますが、何人いて、どうしてそれが許されるのか、ご答弁ください。
 
 ▼水道局長
 ただいま人数は不明でございますが、先ほど申し上げましたように、職員の民間企業への再就職に関する取扱基準にのっとったものと認識をしております。
 

 
 ▼花輪委員
 全く今のは答弁になっていませんよ。何人いるかもわからない、それはちゃんと調べてくださいと私はお願いしておきましたよ。ちゃんと答えてください、何人いるんですか。
 委員長、こんなんじゃ質問続けられないよ。

 
 ▼水道局長
 局全体のOBについては現在、把握しておりませんが、東京水道サービスに関しては八名でございます。
 

 
 ▼花輪委員
 東京水道サービスに関して、水道サービスは外郭団体だから、別に二年間、行ってもいいところなんですよ、最初から行ってもいいところなんです。ただ、その先がいけないということですから、きょうはもう時間が終わってしまったので、このことはまた次の機会等にさせていただきますけれども、きょう第三セクターについていろいろと質問をさせていただいてまいりました。きょうも大きな声も出したりしましたけれども、この随意契約のあり方を含めて、もうちょっと都民の理解を得られるような、そういう随契のあり方、または第三セクターとの関係ですね、こういうものをしっかりと見直していっていただきたい、そんなふうに思います。
 最後に、局長の決意をお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
 
 ▼水道局長
 先ほどもお答えしましたけれども、現行法制度にのっとり、適宜適切に対応してまいりたいと思います。
 
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