▼谷村委員
質問に入る前に、先ほどの民主党委員に対する谷川財務局長のご答弁ですが、ノー原稿でありますけれども、大変よく理解できました。引き続き、談合防止、談合抑止あるいは財政の適正執行に一層努めていただきたいと思います。応援しておりますので、頑張っていただきたいと思います。
▼谷村委員
都立高校の授業料納入方法につきまして、一点質問をさせていただきます。
昨年、十六年度に都教委では、都立高校の授業料の納入方法について変更をいたしました。その変更については、保護者への通知を十六年度中には終えて、実施は十七年度からということでございますけれども、ことしの五月末ごろに、都立高校にお子さんを通わせておられる保護者の方たちから、このことについて私に問い合わせがありました。問い合わせというより苦情ですね。メール、あるいは直接会ってお話もお伺いをしてまいりました。きょうは、そうした保護者の方たちのお声をお届けするつもりで質問させていただきます。
これまで都立高校の授業料が年十回払いだったものが、ことしから突然二回払いに変更になりました。そこで、どういう背景があって十六年度にこの都立高校授業料の納入方法、支払い回数の変更の決定をされたのか、お伺いをいたします。
▼教育長
昭和四十五年に導入しました授業料徴収電算システムは、都庁の中でも最も古いシステムになってしまったことから、都民サービスの向上、内部事務の効率化及びコストの縮減などの視点から、第二次都庁改革アクションプランにおきまして電算システムの再構築を行うこととされたものでございます。
▼谷村委員
それまで年十回払いだったものを、今、景気も上向きになりつつあるとはいうもののまだまだ大変に厳しい経済状況であります。そういう中で、いきなり原則年二回払いに決定をした。これは保護者にとっては、十回払いでよかったものが二回払いにしなさいよとなったことは大きな負担になるわけでございまして、なぜ納入回数を原則二回払いにしたのか。わかりやすくお尋ねいたしますと、三回払い、学期ごとの支払いではだめだったのか、なぜ二回なのか、その根拠を教えていただきたいと思います。
▼教育長
授業料徴収電算システムの再構築に当たりましては、システム運用委託経費の縮減等の観点から、納入方法を原則二回払いとしたところでございます。
なお、既に都立高等専門学校におきましては二回払いとしていることも参考にさせていただきました。
▼谷村委員
システム運用委託経費の縮減等の理由ということなんですけれども、そこから二回払いにしたと。保護者負担が、二回払いよりは三回払いの方がある程度緩やかなわけでございまして、三回払いではだめだったのか、こうお尋ねしたわけでございますけれども、担当者の方に確認をいたしますと、システム運用委託経費の縮減、十回払いなのを減らすというのはコスト縮減になるわけですが、二回払いのときの縮減額と三回払いだったら縮減額はどうだったのかということ、どれだけ金額が違うかということを余り細かく検討されていない嫌いがありました。この点は、一点指摘をさせていただきたいと思います。
五月に教育庁の担当者に確認をいたしました、どうして二回払いになったんでしょうと。このコスト縮減の話と、もう一つは私立高校、私学が大半が二回払いになっているという説明でした。しかし、うちの息子は私立の中学校に通っておりまして、帰って聞きましたら、むしろ私学、私立高校の方が逆に保護者負担への配慮がされているようなんですね。家庭状況によってきちんと支払い回数が選べるようになっているわけであります。
そこで、私立高校の授業料納入回数というのは十六年度どうなっていますでしょうか、わかれば教えてください。
▼生活文化局長
平成十七年度の私学部調査では、全日制、定時制の私立高等学校、全体で総数が二百三十八校ございます。このうち支払い方法の多い順に申し上げますと、一番多いのが年三回払いで六十九校、約二九%、次に多いのが毎月払いで六十二校、約二六%、続いて四回払いが四十六校、約一九%、二回払いが四十一校、約一七%、その他が二十校、約八%となっております。
▼谷村委員
コスト意識の高い私立高校でも、保護者負担の軽減に配慮がきちんとされているわけであります。それを都立高校はいきなり十回払いから原則二回というふうに変更されたわけなんですが、教育庁では平成十三年の夏に都立高校に関する都民意識調査、これは平成八年の実施以来二回目になるものですけれども、これを実施されて、その年の十月に結果を発表されております。そこでは、都立高校の印象について、十七項目にわたって肯定的印象か否定的印象か、プラスイメージかマイナスイメージかという調査結果がまとめられておりまして、都民の意識がわかりやすく浮き彫りにされております。
例えば、都立高校では生活指導が徹底しているかという項目では、肯定的な印象は八%、否定的な印象、生活指導が徹底していないという印象の方が五八・四%とか、都立高校ではいじめや非行が少ないかという項目では、いじめや非行は少ないですねという肯定的な印象は一一・六%、むしろいじめや非行が多いのではないかという否定的印象が五〇・七%、過半数を超えているわけであります。
そこで、十七項目の中で、授業料は安いかという、これは都民の一般意識調査ですと、肯定的な印象は八一・六%、否定的印象が三・二%。十七項目あるうち、都民のイメージというものが明確に八割を超えて出されているイメージというのは、授業料が安いというのが圧倒的な都民の印象であります。また、都民の皆さんの期待というのは都立高校の授業料の安さにあるわけでして、これは進学の際にも、都立高校を選ぶ大きな基準にもなっているわけであります。事実、私立高校と比べますと三分の一あるいは四分の一、時には五分の一の授業料の安さに都立高校はなるわけでして、保護者負担の軽さ、そこに私は都立高校の大きな使命もあると思っているわけであります。
都立高校の授業料納入方法の変更について、保護者の方から私に寄せられたお声で共通している点として、三つあります。一つは、保護者への説明が不十分だ、一片の通知が送られただけだ、PTAに集まって授業料の回数を変更したという説明もなかった。二つ目に、年度初めの時期に支払いというのは家計は重なりまして、固定資産税や自動車税も大体四月、五月、塾へ通っていればそこでも負担が発生する。この時期、二回払いの一回目は五月に来るわけですので、非常に負担が重い。そして三つ目には、子どもが二人都立高校生の場合、年二回払いとなると十一万何がしが来る。あるいは一人が大学生だったり、一人が私学に行っていると、この二回払いにいきなりなるということは非常にきつい、こういうお声が大体共通している点でございます。
こうした負担を強いる保護者に対してどういう説明が十六年度なされたのか、お伺いいたします。
▼教育長
納入方法の変更に当たりましては、平成十六年の十一月に、保護者の皆様へと題した東京都教育委員会からの通知文をすべての保護者に配布し、周知を図りました。
なお、同通知文におきまして従来の十回払いによる納入も可能であることを明記し、あわせて保護者への通知を図ったところでございます。保護者の一定の負担となる納入方法変更の周知方法としては十分でない点もあったんだなというふうに思っております。
▼谷村委員
今、ご答弁いただきました。
そこで、原則二回払いですけれども、十回払いもいいですよということなんですが、実際に保護者に配られた資料ですと、授業料の納入回数は原則二回ですが、年二回の納入によりがたい場合は十回払いとすることも可能です。年二回の納入によりがたい場合はというのは、年二回払いできない人は、できない場合は十回払いを選択してもいいですよ、こういう説明になっているんです。そういう方はどうするかというと、詳細は学校の事務室にお問い合わせくださいと。授業料十回払い申請書というのがあるわけですけれども、これはあて先が東京都立どこどこ学校長殿と。授業料の納入については、原則二回払いとなっているところですが、十回払いを申請します、こういうふうになっているわけであります。原則二回払いのところを、二回での納入によりがたい場合に十回払いでいいということになっているわけですけれども、実際に、この例外規定の十回払いの選択をした生徒さんの数は何人いらっしゃったんでしょうか。
▼教育長
十月十一日現在でございますけれども、十回払いを選択している生徒は一万五千二百四名で、全都立高校生徒に占める率は一一・一〇%でございます。
▼谷村委員
実際に一万五千人以上の生徒さん、その家族、保護者が年十回払いを、二回払いではできないので選択をしているわけであります。また、実際に二回払いをされた、八八%でしょうか、二回払いをされた方の中にも随分と苦労されている方も多くいらっしゃったと伺っております。二回で払えない方は事務室に問い合わせてください、こうなるわけですね。うちは二回払いは無理なのでと問い合わせますと、どうしても無理ですか、理由は何ですか、こうなるわけです。子どもが二人いるのでとか、父親が失業したので、父親の給料が下がったので、もとから低いのでという場合もあるかもしれませんけれども、経済的負担にたえられない、だから二回払いができない、安いといわれる都立高校の授業料でさえ原則の二回納入ができない。あの子の家庭は貧しいんだとか、経済的に苦しい家なんだみたいなことを生徒が学校やクラスの中で気にしたり、あるいは恥ずかしい思いをするようなことは断じて避けなければならないと思うわけであります。
平成十六年度に決定をし、十七年度から変更したこの都立高校の授業料納入回数については明確に改善をしていただきたいと思いますが、見解を伺います。
▼教育長
十回払いを選択できるのは、特段の事情により二回での納入によりがたい場合など、これまで通知文の中で表記しておりました部分を削除いたします。とともに、学校の事務室に問い合わせることなく十回払いを選択できるようにするなど、保護者が抵抗感なく十回払いを選択できるよう手続上の改善を図ってまいります。
また、十回払いを希望する保護者や生徒が特別視されることのないよう、納入通知書の交付に当たりましては、封書で対応する等の対策を講じるとともに、学校に対して十分な教育的配慮を行うよう指導を徹底してまいります。
▼谷村委員
明快なご答弁ありがとうございます。
今、保護者が抵抗感なく十回払いを選択できるように改善を図るということですので、事実上二回払いと十回払いが自由に選択できるように改善していただくというふうに理解いたします。
私は、これまでも、都立高校の修学旅行費の軽減につきましても委員会や本会議で取り上げてまいりました。都立高校の保護者負担の軽減については、私自身も今後も取り組んでいくことを決意を表明させていただき、そして、都教委においても、保護者負担が過剰にならないよう絶えず細心の注意を払っていただくようお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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