▼議長
ただいま、十一番新井美沙子さん外二十名より、「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会」の調査報告書に基づく、濱渦副知事の告発を求める動議が文書をもって提出されました。
案文は、お手元に配布いたしてあります。
朗読は省略いたします。
「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会」の調査報告書に基づく、濱渦副知事の告発を求める動議
右の動議を別紙のとおり提出します。
平成十七年六月七日
(提出者)
新井美沙子 |
河野百合恵 |
山口 文江 |
清水ひで子 |
かち佳代子 |
小松 恭子 |
執印真智子 |
古館 和憲 |
松村 友昭 |
丸茂 勇夫 |
大西由紀子 |
大山とも子 |
東ひろたか |
池田 梅夫 |
大河原雅子 |
曽根はじめ |
渡辺 康信 |
秋田かくお |
藤田 愛子 |
吉田 信夫 |
木村 陽治 |
東京都議会議長 内田 茂殿
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「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会」の調査報告書に基づく、濱渦副知事の告発を求める動議
先ほど、社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会からの調査報告書が承認されました。
調査報告書によりますと、濱渦副知事は民主党議員に対し、予算特別委員会で東京都社会福祉総合学院の運営等について質問するように働きかけをしたにもかかわらず、調査特別委員会での尋問では働きかけをしたことはないと証言しております。このことが虚偽の陳述に当たるものとして、五月十二日の調査特別委員会では、賛成多数で偽証と認定し、その後、五月三十一日の調査特別委員会では、本会議における告発の議決を求めることを賛成多数で決定したことなどが明らかにされております。
一方、地方自治法第百条第九項の規定は、偽証があった場合、議会は証人を告発しなければならないと明記されております。つまり、告発することは議会の義務であります。
法を遵守する立場から、さらには、都議会の権威を保つうえからも、本日、直ちに、濱渦副知事を告発することを望みます。
▼議長
これより討論に入ります。
順次発言を許します。
九十番高島なおき君。
〔九十番高島なおき君登壇〕
▼九十番(高島なおき君)
私は、都議会自由民主党を代表し、都議会生活者ネットワーク提出の動議に反対する立場から討論を行います。
さて、これまでの調査特別委員会の精力的な調査から、社会福祉総合学院の運営には何の問題もないことが明らかになりました。濱渦副知事の責任は厳しく問われるべきことから、我が党は、去る二日の本会議において、副知事に対してみずからの行動への責任を求めるとともに自覚を促し、一層の反省を求めて問責決議に賛成をいたしました。
一方、副知事も、石原知事の求めに応じて副知事を辞任することになり、知事から特別職の総入れかえを内容とする新たな人事案件の提出が議会になされたところであります。
今、何よりも必要なことは、都政の混乱と停滞に終止符を打ち、一日も早く新しい都政、生まれ変わった執行機関と議会の正常な関係を回復させ、都民の負託にこたえていくことであります。
よって、我が党は、現時点においては、やみくもに副知事を追及するのではなく、今後の推移を見守り、将来にわたる執行機関側の状況等を見詰めながら、適切に対処すべきであると考え、動議に反対するものであります。
以上です。(拍手)
▼議長
三十五番小松恭子さん。
〔三十五番小松恭子君登壇〕
▼三十五番(小松恭子君)
私は、日本共産党都議団を代表して、ただいま提出された「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会」の調査報告書に基づく、濱渦副知事の告発を求める動議に賛成する立場から討論を行います。
地方自治法第百条に基づく調査特別委員会は、三月十四日の予算特別委員会における民主党議員の質問と、その質問に対する濱渦武生副知事の答弁、すなわち、東京都社会福祉総合学院の運営を、財産が正当な形で、不法でない形で処理がされないといけないとする答弁をきっかけに設置されたものであります。
委員会における濱渦副知事を初めとする証人喚問によって、同学院の運営に幾つかの問題が指摘されるにしても、その運営に法的に問題がなかったことが確認されました。同時に、学院の運営に関する事実の究明の過程において、予算特別委員会における質問が濱渦副知事の働きかけによって行われたものではないのかという重大な疑惑も提示されるに至りました。
ところが、濱渦副知事は、証言において同学院の運営に法的問題がないことは認めたものの、三月十四日の質問については、民主党議員に働きかけたことはないとする証言を行いました。しかし、この証言が事実と異なっていたことは、その後の内田茂議長証言及び同委員会に提出された都職員の陳述書によって疑いのないものとなりました。このため、百条委員会は、五月十二日に濱渦副知事の証言が偽証であることを認定し、三十一日には本会議での告発の議決を求めることを賛成多数で決定したのであります。
そもそも地方自治法第百条第九項は、偽証があった場合、議会は証人を告発しなければならないと明確に規定しているのであります。だからこそ、百条委員会の委員長報告において、報告書案にもあるとおり、司直による解明が必要であり、当然本会議における告発が不可欠であると考えますと、強く告発の必要を訴えているではありませんか。
したがって、本会議においてなすべきことは、百条委員会の告発に相当するという決定に基づき濱渦副知事の告発を行い、司直の手による真実の解明に道を開くことであります。濱渦副知事については、既に六月二日の本会議において、この問題での疑惑を捏造した経緯や恐怖独裁政治を指弾し、濱渦副知事の責任を問う問責決議が決定されていますが、これは、あくまでもみずからの行動への責任を厳しく問うとともに自覚を促し、猛省を求めるものであり、これをもって偽証の告発にかえることはできません。
また、濱渦副知事は、七月二十二日をもって副知事を辞職することとなっており、本日の議会を逃しての告発の決定は、その意義を失うものとなることは明らかであります。
今日、都民の中から真相の解明と濱渦副知事の専横を正すことを求める声が日増しに高まっています。
よって、日本共産党は、本議会において濱渦副知事の偽証の陳述について告発を行うことを強く求めるものです。
▼議長
三十八番ともとし春久君。
〔三十八番ともとし春久君登壇〕
▼三十八番(ともとし春久君)
私は、都議会公明党を代表し、濱副知事の告発を求める動議について討論を行います。
濱渦副知事は、予算特別委員会の民主党中村委員の社会福祉学院に関する質問に対して、建物等を含めて、財産が正当な形で、不法でない形で処理されないといけないなどと、あたかも社会福祉総合学院の運営等に疑惑があるような答弁を行いました。
しかし、百条委員会の調査の結果、これは不正確で不適切な答弁であり、疑惑の捏造を意図したものであることが明らかになりました。
さらに、濱渦副知事は、民主党にやらせ質問を働きかけ、議会や知事まで疑惑捏造に利用しただけでなく、証人喚問の際に虚偽の陳述を行ったと認定され、告発に相当するとの委員会決定まで行われました。
この責任は厳しく問われなければなりません。本会議においては、濱渦副知事、櫻井出納長、民主党富田議員、柿沢議員の問責決議が採択されました。また、告発に関しては、たとえ百条委員会の審議が終了しても、いつでも告発に踏み切ることが可能であり、我々は必要ならば即座に実行に移す用意があります。
しかし、審議が終了し、真相が明らかになった現在、最優先されるべきは都政の混乱の収束であり、刷新された都政として再出発を図ることであります。知事は議会に対して、新たな副知事、特別職の人事を提示しました。我々は、そこに知事の都政再構築にかける意欲を認めたいと思います。
都政には、首都直下地震への対策強化、少子高齢社会対策の充実、都市の再生、環境、教育問題、景気対策など喫緊の課題が山積しております。したがって、告発の選択肢を留保しつつ、我々は、知事を先頭とした都政の見事な再出発に期待し、また、それに協力しつつ見守りたいと考えます。
以上の理由により、濱渦副知事を即刻告発する動議に反対し、討論を終わります。(拍手)
▼議長
三十二番酒井大史君。
〔三十二番酒井大史君登壇〕
▼三十二番(酒井大史君)
私は、都議会民主党を代表して、ただいま提出された濱渦副知事の告発を求める動議について意見を述べます。
本動議では、三月二十九日の調査特別委員会で、濱渦副知事が働きかけをしたことはないと証言したことについて、濱渦副知事は、民主党議員に対し、予算特別委員会で東京都社会福祉総合学院の運営等について質問するよう働きかけをしたとの予断のもとで、五月十二日の同委員会が賛成多数で偽証と認定したこと、さらに、五月三十一日の同委員会が本会議における告発の議決を求めることを賛成多数で決定したこと、これらを告発を求める理由としております。
しかし、本人の五月二十四日付陳述書によりますと、知事から、民主党が外部監査の内容について興味を持っているから、説明要請があれば説明をしてくれといわれ、その後、民主党名取幹事長より説明要請があり、監査報告書の内容や指摘のあった事項についての今後の対処方針についてご説明し、これに対する私の見解を聞かれてお答えをしたとされております。
石原知事も、五月十三日の記者会見において、外部監査の指摘があり、民主党もこの問題について考えてほしい、詳しくは監理団体の担当の濱渦から聞いてくれと述べています。
すなわち、同委員会が偽証と認定したこと自身が拙速な判断であったこと、この拙速な判断後にさきの記者会見における知事発言があり、陳述書が提出されたにもかかわらず、反証を示すことなく、五月十二日の偽証認定をもとに告発を求める議決を行ったこともまた拙速な判断であったこと、これらの確たる根拠のない決定に基づき告発を求めることは、拙速に拙速を積み重ねるものであり、反対といたします。(拍手)
▼議長
以上をもって討論を終了いたします。
▼議長
これより採決に入ります。
本動議は、起立により採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
▼議長
起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
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