横田の軍民共用は地元の理解で 景気回復のため補正予算編成を |
倉林 辰雄(自民党) |
■横田基地 |
質問1
初めに、横田基地の地元対策を中心にお伺いをしてまいりたいと思います。
現在、世界規模で進められております米軍の再編の中で、横田基地のあり方についてもさまざまな意見が出ている旨の報道がなされております。地元といたしましても、協議の行方には大きな関心を持っておりますが、十分な情報提供がなされていないのが現状であります。それが地元の不安をさらに増大させる要因ともなっていると申し上げておきます。
国は、米軍再編について、地元に対して十分な情報提供を行うべきだと考えますが、都は、この問題についてどのように対処しているのかを、まず最初にお伺いいたします。
答弁1
▼知事本局長
米軍再編に関する情報提供についてでありますが、在日米軍の再編は、国の防衛に属することではありますが、関係自治体には、当然適切な情報提供がなされてしかるべきであると考えております。
都は、これまでも、八月六日には都も一員である渉外知事会から、同月三十日には横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会から、また十一月には政府提案要求の中において、米軍再編に関する情報提供と関係自治体からの意見聴取を国に要請してまいりました。
また、報道内容などにつきましても、事実確認のため、外務省や防衛庁に、その都度問い合わせを行っておりますが、国は、具体的な検討を行っている段階ではないとの回答に終始しているのが実情でございます。
質問2
ご案内のように、横田基地は七百十四ヘクタールという広大な面積を有していることから、その返還を実現し、多摩地域の活性化に役立てていくべきでありますが、知事は、返還までの対策として、軍民共用化に向けて精力的に取り組んでおられますが、しかし、軍民共用化は、米軍再編の中で先行きが不透明となっているように見えます。
知事は、十月初め、山崎首相補佐官と面会をし、軍民共用化の促進を働きかけるとともに、十二月初めには、国と都の連絡会が開催されたとも聞いておりますが、この問題が今どのようになっているのか、外部からは全くわからない状況であります。
米軍再編が日米両政府の重要課題として議論されている中で、知事は、横田基地の軍民共用化をどのように進めようとしているのか、見解をお伺いいたします。
答弁2
▼知事
横田基地の軍民共用化の進め方についてでありますが、昨年の五月に、小泉総理がテキサスでブッシュ大統領と会談した折に、前日にも電話がありまして、外務省を介在させずに自分が自分の責任でこの問題を持ち出すということで、ブッシュもそれを受けとめて、わかったと。これは、この日米間の国家対国家のこれからの問題の一つとして自分は認識したという答えがありました。
以来、アメリカ側では非常に大きな変化がありまして、国務省マターを飛び越して国防総省の問題になりまして、そういう点、非常にアメリカは早くて、私にじかに、太平洋の全体の総司令官から連絡があったりしましたが、その後、実はイラクをめぐる、パレスチナをめぐる中近東での緊張の拡大、それから先般は国連で北朝鮮の外務次官がはっきりと、我々の国は核兵器を完成したという記者会見も、明言をしました。それを搭載できるミサイルが果たしてあるかどうか、その兼ね合いはまだ不明でありますけれども、いずれにしろ──それと中国の軍事力を拝見して、覇権主義的な行動、これも既にクリントンの時代からあらわれていまして、クリントンはダブルスタンダードで中国とつき合っておりましたが、同時に一方では、当時の橋本首相をサンタモニカまで呼び出しまして、日米安保に関する、いざというときの新しいガイドラインというものを設定して、日本もこれを了としたわけです。
我々認識しなくちゃいけないのは、日本が今直面している戦術、戦略的な状況というものは、米ソが正面から対立して、主に、非常に強い緊張感がヨーロッパを覆っていた、あの冷戦構造のときよりも、つまりあれはヨーロッパ向けに、ロシア、ソビエトがたくさんの核兵器を配備した。それに対抗して、核は積んでおりませんが、非常に航続距離のある強力な破壊力を持ったパーシングミサイルを、アメリカがソビエトの国境近辺に多数配備して、ソビエトの中枢部というものの破壊の可能性を、要するに軍事的に示唆した。それによって、結局ソビエトは降参してペレストロイカが始まり、ベルリンの壁も破れたわけでありますが、あの時期に比べて、日本の今日置かれている状況は、はるかに緊張度の高いものだと思います。それを私たちはまず認識した上で、その横田に関する問題を考える必要があると思う。
しかし、ラムズフェルドがいい出した米軍のアジアにおける軍事力の再編整備というものは、そういう状況を念頭に置いたものでありますけれども、事空軍に関しては、主戦力は機材的には全部といっていいぐらいグアムに移しました。今あそこで使われている軍用機というのは限られたものでしかなくて、この間、三回も不時着したというヘリコプター、こちらも強く文句をいったんですが、調べてみますと、何とベトナム戦争のときに使ったものを直し直し使っているんです、そんなものは日本だったら使わないような古い飛行機を使っているから、途中で故障を起こして不時着したりしたんでしょうが……。
一部には、軍民共用から軍軍民共用という声も出て、これはアメリカ側からも日本側からも出ているような、出ていないような、ここら辺のところは、非常にちょっと、まだあいまいな情報しかございませんが、しかし先般も、実は東京を組み込んだ官邸と外務省と防衛庁、この数者から成る連絡会議を、しかるべき時期に、できれば年内にアメリカ側と具体的な相談するために、二度目の準備会を開きました。そこでもいろんな問題が出ましたが、ここで申し上げられるものと、申し上げられないものもございますけれども、そんなこんなで、さまざまな憶測情報が飛んでおりますが、これはやっぱりある時点で、きちっと整理する必要があると思う。
ただ、あの飛行場を、米軍がある形で使う、同時に日本は民間使用をする、そこに日本の航空自衛隊が何かの形で参加していくことがあり得たにしても、それは空軍に関する情報のセンターというものの整備だと私は思います。それは、飛行機がそれによって一台もふえることは、まずございません。全然違った意味合いでの、その空軍のヘッドコーターが、今もあそこにあるわけですけれども、それがとにかくどういう機材を持ってきて整備するか知りませんが、つまり情報、航空関係の、空の軍事関係の情報を集約する、私は一種のウオーニングシステムのようなものを考えているんだと思います。これは憶測ですが。その限りでいって、それに必要な飛行機がじゃんじゃん飛んでくるということは、これは絶対にありません。人間の行き来はありましても。
しかし、これはかなり日本のこれからの将来にとって大事な一つの、一種のブレーン、頭の部分になるわけでありますから、それは、それが機能することは日本の確実な防衛にもつながるわけでありまして、本質的には歓迎すべきことでしょう。
大事なことは、そういう重要な機能を持つ横田に、横田が変貌していくならば、それに付随した社会資本というものの整備は、これはやはり国の責任ですべきでありまして、ここら辺がやっぱり肝心なことだと思います。それ以上のことはもう申しませんが、いずれにしろ、こういった視点から、これからも官邸とも緊密な連絡をとって、事を具体的に詰めてまいります。
これぐらいいってもいいでしょう。実は先般も、細田官房長官と大野防衛庁長官と、さるところで三人で会いました。いろいろ具体的な突っ込んだ話もし、意見の交換もしました。私は、その意味では、非常に事は進みつつあるし、結果として、日本の国益にとって、防衛というものを含めて、横田が今までなかった形で、軍事的には活用されると思います。しかし、断っておきますけれど、そのために飛行機がふえるということは一切ありません。
同時に、別の席で、アメリカのある高官が、東京側の幹部に、このままでいくと横田は全面返還に形としてなりますなと、苦笑いして冗談でいったぐらい、私はあそこの、要するに滑走路としてのユーティリティーというものは、これからの日米の戦略展開の中ででも、激変していくと思います。
ゆえにも民間というものの活用の度合いが増してきて、最初、どういうわけか外務省が非常におずおずした形で、向こうからどういうコンセプトで横田を考えているんですかといわれたときに、一日十五機ぐらい飛ばしたいと、ばかなことをいった。私は激怒したんですけれど、向こうもせせら笑っていました。それなら石原が出てくる筋もないだろうと。チャーターで飛ばしゃいいじゃないかみたいな話でね。
ですから、これは、ある意味で隣の埼玉県も、それから山梨県も、それから長野県の知事も、あるいは神奈川県も、北部の方々というのは非常に便利な空港になってきますので、そういう点では、地域のにぎわいだけではなしに、人間の往来、商売の往来ということで、私は画期的な、ここは展開を示すと思っております。
質問3
また、軍民共用化を進めようとするならば、飛行場へのアクセス確保などの周辺の交通基盤整備や騒音対策は欠かせない課題であります。こうした課題については、ぜひとも地元の声を十分に聞きながら、地元の理解を得られるように進めてもらいたいと思います。例えば騒音対策については、実際に共用化がなされると騒音はどのようになるのかといったデータをきちんと示して、地元の不安を払拭するように努めるべきであると思います。
昨年の第四回定例会における、このような観点からの私の質問に対しまして、知事からは、チャーター便による民間航空機の騒音の実体験や測定を行うことなどについて前向きな答弁はいただいておりますが、こうした点も踏まえ、今後、都としてはどのように騒音対策に取り組んでいくのか、ご見解をお伺いいたします。
答弁3
▼知事本局長
横田基地の軍民共用化に伴う騒音対策についてでありますが、これは制度上、基地を管理する国が実施することとなりますが、当然、地元の理解と協力を得ながら進めていくことが、何より必要であると考えております。
今後、都といたしましても、国の関係省庁とも連携して、ご指摘の点も踏まえながら、具体的な騒音対策の検討を行ってまいります。
また、お話にもありましたが、共用化に伴う騒音影響についてのデータをわかりやすく示すなど、地元の方々の理解を得る努力をしていきたいと考えております。
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■災害対策 |
質問1
ことしは、台風が次々と本土に上陸し、全国各地に甚大な被害をもたらしました。また、十月二十三日に新潟県中越地方において発生をした地震は、大きなつめ跡を大地に刻みました。今年度、災害救助法が適用された自治体は、既に百三十を超えたと聞いております。こうした自然災害を目の当たりにすると、食料や水などの日ごろからの備えの重要性とともに、自助や共助だけでは対応できない迅速な救命救急活動や広域的な支援など、行政が行うべき公助の重要性を再認識いたします。
新潟県中越地震では、道路の寸断や通信の途絶などにより、山間部において孤立した地域がありました。都においても、多摩西部を中心に山間部が存在し、仮にそういった場所が被害に遭った場合、新潟県と同様に孤立することが予想されますが、都は、山間部の地震対策をどのように考えているのか、お伺いをいたします。
答弁1
▼総務局長
山間部の震災対策でございますが、都はこれまでも、地域防災計画に基づきまして、地すべり防止や道路の整備、ヘリポートの設置などを進めてまいりました。
今回の新潟県中越地震におきましては、情報連絡体制や救出救助のあり方など、山間部の孤立化によるさまざまな課題が浮き彫りになりました。
このため、本年十一月に、関係市町村、防災機関などとともに、東京都山間部地域防災対策会議を設置し、災害時におけます通信手段の確保や救出救助方法などについて、検討を開始いたしました。今年度中には、具体的な対策を取りまとめる予定でございます。
質問2
山間部における災害は、資材の搬送の困難性から、復旧工事には相当の期間が見込まれ、被災者の避難生活は長期にわたることが予想されます。このような場合に、都は、長期避難者に対し、どのような支援をしていくのかもお伺いをいたします。
答弁2
▼総務局長
長期避難への対応についてでございますが、山間部が地すべりなどで大きな被害を受けた場合には、被災住民が長期避難を余儀なくされることも考えられます。
このため、都は、地域防災計画に基づきまして、公的住宅や民間賃貸住宅の空き家の一時的な供給、応急仮設住宅の建設などによりまして、早期に居住環境を確保いたしますとともに、関係市町村と連携しながら、税や授業料等の減免、災害援護資金の貸し付けなどの生活支援を行うことにしております。
また、避難が長期化しないよう、道路など公共施設や水道、電気などのライフラインの復旧を促進してまいります。
質問3
また、多くの人が被災するような災害では、家族の一員として生活してきたペット動物も、また同様に被災に遭うことになります。
新潟県中越地震では、犬や猫を連れた家族が避難所に入れず、車で避難生活を送ったために命をなくしたことなどが注目をされました。避難所等での生活を送る被災者にとって、大切にしているペットの存在は、まさに心の支えであります。
これまでの災害を教訓に、混乱の中で飼い主とはぐれてしまった動物や負傷した動物の保護、さらには、避難された方々が連れてきた動物への対策が求められております。避難所等においては、被災者が連れてきた動物に対する飼育の指導や、一時的に動物を保護する施設が必要だと思います。また、保護された動物が確実に飼い主のもとに戻れるようにするためには、飼い主情報が記録されたマイクロチップなどをつけておくことが大切だと思います。
そこで、動物愛護の観点から、災害時のペットの動物の救護体制について、都はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
答弁3
▼福祉保健局長
都は、災害時における動物の保護体制について、動物愛護の観点から地域防災計画に定めております。具体的には、災害の初期段階で、都が動物の保護班や医療班を編成し、被災地において、ペット動物の保護、施設への搬送、けがなどの手当てを行うとともに、動物愛護団体や獣医師会が行う動物の一時保護や引き渡し、譲渡などのボランティア活動を支援することとしております。
なお、お話しのペット動物の身元表示については、動物が飼い主のもとに確実に戻るための手がかりとなるよう、平常時から飼い主への啓発に努めておりますが、今後一層、その普及啓発に力を尽くしてまいります。
質問4
先月十七日、中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会は、首都圏に発生する可能性のある十八種類の地震について、震度分布を発表いたしました。マグニチュード七クラスの地震が首都直下で発生すると、広い範囲で大きな揺れと災害が発生すると予測をされております。
今回の予測の中にも含まれております立川断層については、断層を中心としてかなりの揺れが予想されておりますが、都の見解をお伺いいたします。
答弁4
▼総務局長
立川断層についてでございますが、都は、平成九年度から十一年度まで、専門家によります調査を実施いたしました。この結果、活動間隔や最終活動時期の推定から、断層が極めて近い将来に動く可能性は小さいと考えられるとされました。
一方、国の首都直下地震対策専門調査会は、予防対策の対象とする地震の一つとして、立川断層を震源といたします地震を想定し、震度分布を発表いたしました。
都といたしましては、今後、専門調査会の検討状況を注視しながら、引き続き市町村と協力して、地震対策の充実を図ってまいります。
質問5
次に、豪雨災害対策についてお伺いをいたします。
人口や資産が集中している東京は、台風や豪雨への備えが、より重要となってきております。日常点検等で補修が必要とされた河川の護岸等は、早急な対策を講じていく必要がございます。十七年度の都の重点事業とされた護岸等の補修を内容とする豪雨災害緊急整備事業は、まことに時期を得たものだとは思いますが、そこで、重点事業の内容を踏まえた護岸補修の取り組みについて伺っておきます。
答弁5
▼建設局長
緊急防災工事の取り組みについてでありますが、洪水などの災害から都民の生命と財産を守るには、河川の護岸を適切に維持管理することが重要でございます。
都では、これまで、日常点検に基づく護岸補強や根固めなどの防災工事を実施してまいりました。また、本年七月の新潟や福井の豪雨災害を受け、水防上注意を要する箇所など、五百九十四キロの護岸を緊急点検いたしました。
この結果、護岸に亀裂などが認められた河川のうち、早急な対応が必要な箇所について本年度じゅうに応急対策を行います。
さらに、大栗川など十五河川につきましては、十七年度に重点事業の豪雨災害緊急整備として、本格的に防災工事を実施してまいります。
質問6
水害の抜本的な解消には、河川の計画的な整備が不可欠であります。
私の地元であります空堀川では、過去に多くの浸水被害が発生しており、本年の台風二十二号の際にも、東村山浄水場付近の中橋では、橋げたの間近にまで水位が上がり、地域住民も不安を抱いておりました。空堀川の整備は進んできておりますが、さらなる安全確保が必要だと考えます。現在の整備状況並びに今後の取り組みについて、お伺いをいたします。
答弁6
▼建設局長
空堀川の整備についてでございますが、現在、一時間五〇ミリの降雨に対処するため、東村山市、東大和市で護岸の整備を実施しておりまして、計画延長十四キロに対する平成十五年度末の整備率は七〇%でございます。
東村山市内におきましては、東村山浄水場付近の西武多摩湖線の橋梁や中橋のかけかえを実施しておりまして、十八年度までにすべての護岸整備の完了を目指してまいります。
また、東大和市内につきましては、今年度新たに、庚申橋から上流〇・六キロ区間の事業認可を取得します。今後、実施中の区間も含め、市内全域において着実に整備を進めてまいります。
質問7
次に、地籍調査事業について伺います。
災害復旧・復興を円滑に進めるには、事前に、土地に関する基礎的な情報を整備することが重要であります。被災時の混乱の中では、土地境界の立ち会いもままならず、確定に時間がかかり、また、境界が確定するまでの間は、銀行融資さえ受けるのが難しく、何も手がつけられないのが実情であります。
一方、東京は、都市再生特別措置法を契機とした民間都市開発プロジェクトが数多く立ち上がっております。このようなプロジェクトでは、土地の権利調整や境界確定に多大な時間と経費を要する事例が多く、プロジェクトを円滑に推進するためにも、地籍の明確化を図る地籍調査事業を積極的に推進することが重要と考えます。
そこで、東京における地籍調査事業の実績について、まずお伺いをいたします。
また、東京では土地の資産価値が高いことから、土地が細分化され権利関係もふくそうしております。土地所有者に立ち会いを求め、境界を確認していく地籍調査事業は、容易なことではないと思います。現在、地籍調査事業は、土地家屋調査士など民間専門業者に委託ができると聞いておりますが、このような制度を活用し、事業の迅速化を図っていく方法もあるかと思いますが、今後、地籍調査事業を推進していくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いをしておきます。
答弁7
▼都市整備局長
地籍調査に関する二点のご質問にお答えいたします。
まず、地籍調査事業についてでございますが、本事業は、土地の境界や権利関係を明確にするものであり、地震対策や都市再生を迅速に進める上で極めて重要であると認識しております。
お話しの事業の実績といたしましては、全国では四六%が調査済みであるのに対し、土地が細分化され、権利関係もふくそうしている都におきましては、区部二%、多摩部六%、島しょ部九六%であり、都全域では一八%にとどまっております。
また、事業に着手している区市町村は二十九、三十三は未着手という状況でございます。
次に、地籍調査事業の今後の取り組みについてでございますが、本事業を効果的に推進していくためには、木造住宅密集地域や都市再生を促進すべき地域を優先的に実施することが重要と考えております。
国においても、都市再生を推進するために、都内の人口集中地区において、二百メートル間隔の測量基準点を本年度から三年間で設置する予定でございます。
都といたしましては、このような国の動きをとらえ、事業に着手していない区市町村への働きかけを強化するとともに、その実施に当たりましては、広く民間技術者を活用するなどして、事業のスピードアップが図れるよう努めてまいります。
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■補正予算 |
質問1
次に、財政問題についてお伺いをいたします。
バブル経済崩壊以降、日本経済は、これまで経験したことのないほど、長く暗い停滞期に陥りました。この暗やみはもう明けないのではないか、かつての日本は単なる昔話になってしまったのかと思わせるほどの長きにわたるものでありました。
しかし、明けない夜はないという言葉のとおり、ことしに入って、日本経済にもようやく一筋の光が差し込んできたやに思えます。このまま日が上り、本当の夜明けが訪れることを祈る日々でありますけれども、日本経済の周辺環境を見ると、原油価格の異常なほどの高騰、アメリカ経済の成長の衰えなどの不安要素が点在しており、再び厚い雲が立ち込め、光が遮られてしまうのではないかという不安感が漂っております。
都内の産業に目を転じますと、都が発表をしております東京都中小企業の景況にもあらわれているとおり、依然として、景気は悪いと判断している企業が多くを占めている状態であります。
今見えている一筋の光が雲に遮られないように、そしてこの光を真の夜明けへと結びつけるように、切れ目のない施策の展開を図ることが、行政の重要な役割であると考えます。そのためにも、昨年度、端境期においても施策の展開が途切れないように、たしか補正予算を編成し、安定した継続的な事業量の確保を図りましたが、本年度においても、次期定例会で、施策の継続に注目した補正予算を編成することが必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
答弁1
▼知事
補正予算についてでありますけれども、十六年度の当初予算では、治安の回復、福祉施策、中小企業対策など、都政の重要課題に財源を重点的に配分し、対応してまいりましたが、東京の再生の足取りをより確かなものにしていくためには、年度の途中とはいえ、さらなる取り組みが求められていると思います。
景気は、回復はしてきていますが、しかし、まだまだマイナス要件も派生してきておりまして、先行きは不透明な状況であります。ご指摘のように、多くの中小企業は、一部の勝ち組を除き、依然として困難な状況にあります。こうした中、厳しい財政状況ではありますけれども、今後、補正予算の編成について、十分に検討していくつもりでございます。
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■土地収用制度とその活用 |
質問1
多摩地区を初め東京の都市インフラの整備は、まだまだおくれております。都市計画道路の整備などを中心に、地域の発展のためにも国際競争力を高めるためにも、まちづくりの推進は必要であります。二ツ塚処分場などのトラスト事件を契機として、平成十三年には知事の力添えにより土地収用法の改正が行われ、公共事業の整備に向け、より一層手続の効率性が確保をされました。
しかし、まだ公共事業が難航しているのが実態であります。特に、区市町による用地取得は、依然として任意交渉に固執している実情にあります。
例えば、私の地元の東村山市でも、一件が反対をしているために、二十年も市道が開通しない事例があります。こうした背景には、収用制度活用に対する区市町の消極姿勢に加え、地域の住民や権利者から見ても、制度やそのメリットなどが理解されにくく、収用制度そのものが敬遠されていることが、原因として挙げられるのではないでしょうか。
東京都収用委員会において取り扱う収用事件全体のうち、聞くところによりますと、区市町に関する割合は、一割を切る状況が続いております。実績の面からも、活用状況の低さがうかがわれます。
そこで、なぜ区市町において収用制度が活用をされないのか、また都民や権利者から理解されないのか、その主な原因についての所見を伺っておきます。
答弁1
▼収用委員会事務局長
まず、収用制度の区市町における活用状況でございますが、土地収用制度につきましては、平成十三年の法改正により、手続の効率化が図られたところでございます。しかしながら、区市町におきます活用については、議員ご指摘のとおり、大変少ないという実情にございます。私どもが最近行いました実態調査によりますと、その主な原因は、区市町からは、権力的なイメージが強い、制度や手続に関するノウハウが不足しているといったことが挙げられてございました。
また、都民や権利者からは、制度自体になじみが薄い、手続に時間を要する、収用手続が複雑である、こういったことが収用制度の理解されにくい理由として挙げられてございました。
質問2
収用委員会事務局は、収用制度の活用状況とそれを踏まえた今後の活用促進に向け、先般、収用制度活用プランを発表いたしました。この活用プランを踏まえ、特にこれまで制度の活用に消極的であった区市町に対し、制度の活用を促進するための働きかけを行っていくことが必要であります。
同時に、権利者や都民の権利保護のためにも、収用制度に関する意識の向上を図っていくことが重要ではないでしょうか。
今後、区市町において、収用制度を積極的に活用していくことや、権利者や都民に対し制度の周知を図るため、いかなる具体的な取り組みを行っていくのかをお伺いいたします。
この活用プラン、ひいては収用制度が有効に機能し、地域のまちづくりにとっても、東京全体のまちづくりにとっても、大いに貢献されるよう強く期待を申し上げ、私の質問を終わります。
答弁2
▼収用委員会事務局長
こうした実態を踏まえて策定いたしました収用制度活用プランによる具体的な制度の周知等、活用方の取り組みについてのお尋ねでございますが、まず、すべての区市町の首長さんに直接お会いして、収用制度に関するPR活動を行いたいというふうに考えてございます。あわせて、区市町の職員を対象とした研修や出前講座など、スキルアップ計画なる計画を実施してまいりたいというふうに考えてございます。
また、事務局の中に相談支援センターを設置いたしまして、収用制度に対します権利者からの相談や都民からの問い合わせに総合的に対応してまいりたいとも考えてございます。
さらに、事件処理の短縮につきまして、従来の約半分に近い十カ月程度の処理を目指すということにいたしまして、一層の迅速化、効率化を図ってまいりたいと考えてございます。
かように、起業者と権利者に対する公正な手続の確保を基本としつつ、早期の紛争解決を通して、首都東京のまちづくりに貢献できますよう積極的に取り組んでまいるつもりでございます。
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